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JP2013252473A - 排水処理装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】食塩の悪影響を回避乃至抑制することが出来る排水処理装置を提供しようとするもの。
【解決手段】排水1を脱塩処理する電界脱塩機構2と、脱塩処理した排水1に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構3とを有することを特徴とする。この排水処理装置によると、排水を脱塩処理する電界脱塩機構を有するので、過熱蒸気を供給する前に排水中の食塩濃度を予め低減しておくことが出来る。そして、脱塩処理した排水に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構を有するので、食塩濃度を予め低減した排水中の汚れ成分(一般的には有機成分)を熱分解して浄化することが出来る。
【選択図】図1

Description

この発明は、特に高濃度有機排液の浄化に有効であり好適である工場廃水・排液その他の排水処理装置に関するものである。
従来、下水汚泥などを焼却させるための焼却システムに関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、従来技術の焼却システムは流動焼却炉と空気予熱器と排ガス処理塔とを含んでいる。下水汚泥を脱水することにより形成された脱水ケーキは乾燥機により乾燥され、乾燥ケーキとして流動焼却炉内に投入されるか、または乾燥ケーキと共に脱水ケーキのまま流動焼却炉内に投入される。次いで乾燥ケーキは流動焼却炉内で焼却され、空気予熱器および熱交換器を介して排ガス処理塔に進入する。排ガス処理塔内においては排ガス内の酸性分を水に吸収させた後に排ガスを排出する。酸性分を含んだ水はアルカリ性物質により中和された後、別途排水される。熱交換器は熱媒体を介して乾燥機に接続されており、排ガスの熱を利用して乾燥機を加熱している。
また、流動焼却炉内の燃焼用空気は通常は排ガスを利用した空気予熱器により予め加熱された後に流動焼却炉内に供給されている。例えば流動焼却炉内の温度が大幅に高くなる場合には、空気予熱器により加熱された燃焼用空気を空気冷却器により冷却し、これにより流動焼却炉内の温度を調整している。
しかしながら、排ガスを利用する熱交換器のみにより脱水ケーキを乾燥させる場合には、乾燥が不十分となり自燃可能な含水率を有する乾燥ケーキを形成するのは困難である。このような場合には乾燥ケーキのみを流動焼却炉内に投入しても焼却させられないので、化石燃料系補助燃料、例えば重油を焼却炉内に別途投入して乾燥ケーキを焼却させる必要がある。化石燃料系補助燃料は比較的高価であるので、従来技術の焼却システムにおいては運転費用が高まることとなる。
また、空気予熱器により加熱した燃焼用空気を空気冷却器により冷却した後に流動焼却炉内に供給する場合には、流動焼却炉内の温度を調整するためにタイムラグが生じるので、流動焼却炉内の温度を迅速かつ正確に制御するのが極めて困難となり、結果的に焼却システムの自燃作用を制御するのが困難となる。また燃焼用空気を空気予熱器により加熱した後に空気冷却器により冷却すること自体、熱的に無駄であるといえる。さらに、補助燃料なしに燃焼可能な含水率になるまで脱水ケーキ全体を加熱する場合には、形成された乾燥ケーキの粘性が高くなるので、乾燥ケーキの搬送および投入時にこれら乾燥ケーキが詰まる場合がある。
この提案はこのような事情に鑑みてなされたものであり、化石燃料系補助燃料を利用することなしに自燃可能で、焼却炉内の温度を迅速かつ正確に制御可能でかつ低費用で運転可能な焼却システムを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するためにこの提案によれば、焼却炉と、脱水ケーキを乾燥させることにより乾燥ケーキを形成する乾燥機と、該乾燥機により形成された乾燥ケーキを前記焼却炉内に供給する乾燥ケーキ供給部と、前記焼却炉からの排ガスの熱を前記乾燥機に伝える熱交換器と、前記排ガス内の酸性分を除去するための排ガス処理塔と、前記排ガス処理塔からの排水の熱を前記乾燥機に伝えるヒートポンプとを具備し、前記熱交換器と前記ヒートポンプとにより前記乾燥機を加熱するようにした焼却システムが提供される。
すなわちこの提案によって、焼却炉からの排ガスと排ガス処理塔からの排水との熱により自燃可能な乾燥ケーキを形成できるので、化石燃料系補助燃料を利用することなしに低費用で運転可能な焼却システムを提供できる、というものである。
しかし、下水汚泥に含まれる食塩が焼却炉に悪影響を及ぼすことがあるという問題があった。
特開2004−93018号公報
そこでこの発明は、食塩の悪影響を回避乃至抑制することが出来る排水処理装置を提供しようとするものである。
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の排水処理装置は、排水を脱塩処理する電界脱塩機構と、脱塩処理した排水に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構とを有することを特徴とする。
前記排水として、液晶製造工場、化学工場その他の工場廃水、一般排水などを例示することが出来る。前記電界脱塩機構として、陽極と陰極との電極間に直流電圧を印加して電界(電場)を形成させ、電気的吸引力によりナトリウムイオンや塩化物イオンを分離する機構を例示することが出来る。前記過熱蒸気供給機構として、水の沸点を越える高温の蒸気を供給する機構を例示することが出来る。
この排水処理装置によると、排水を脱塩処理する電界脱塩機構を有するので、過熱蒸気を供給する前に排水中の食塩濃度を予め低減しておくことが出来る。そして、脱塩処理した排水に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構を有するので、食塩濃度を予め低減した排水中の汚れ成分(一般的には有機成分)を熱分解して浄化することが出来る。
(2) 前記過熱蒸気供給機構は、水蒸気を過熱蒸気に昇温するようにしてもよい。
この過熱蒸気供給機構は、水蒸気(例えば100〜120℃)を、過熱蒸気(例えば900〜1200℃)に昇温するようにすると、2段階で高温の過熱蒸気を好適に得ることが出来る。
例えば、過熱蒸気は次のようにして、マイクロ波を利用することにより発生させることが出来る。すなわち、マイクロ波(高周波より波長が短い)をマイクロ波吸収発熱体(炭化ケイ素SiC:セラミックスなど)に照射してこれを600℃以上に昇温せしめ、この高温のマイクロ波吸収発熱体により水蒸気を接触的に昇温して過熱蒸気を発生させる。
また、過熱蒸気は次のようにして、うず電流を利用することにより発生させることが出来る。すなわち、高周波交流電源によりコイルに磁力線を発生させ、この交流磁力線によって発生するうず電流が水蒸気にジュール熱を生じさせ、このジュール熱により水蒸気を過熱蒸気に昇温させる。
(3) 前記電界脱塩機構で発生した水素ガスを水素燃料発電機に供給して発電を行ない、この電気を電界脱塩機構の電力源として利用するようにしてもよい。
このように構成すると、電界脱塩機構で発生した水素ガスを無駄に拡散させることなく有効利用することが出来る。
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
食塩を予め低減した排水中の汚れ成分(一般的には有機成分)を熱分解して浄化することが出来るので、食塩の悪影響を回避乃至抑制することが出来る排水処理装置を提供することが出来る。
以下、この発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態の排水処理装置は、排水1を脱塩処理する電界脱塩機構2と、脱塩処理した排水1に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構3とを有する。
前記排水1として、液晶製造工場、化学工場その他の工場廃水、一般排水などを例示することが出来る。前記電界脱塩機構2として、陽極と陰極との電極間に直流電圧を印加して電界(電場)を形成させ、電気的吸引力によりナトリウムイオンや塩化物イオンを分離する機構を例示することが出来る。前記過熱蒸気供給機構3として、水の沸点を越える高温の蒸気を供給する機構(蒸気ボイラ5や蒸気発生装置13と過熱蒸気生成装置6など)を例示することが出来る。
前記過熱蒸気供給機構3は、水蒸気を過熱蒸気に昇温するようにした。
例えば、過熱蒸気は次のようにして、マイクロ波を利用することにより発生させることが出来る。すなわち、マイクロ波(高周波より波長が短い)をマイクロ波吸収発熱体(炭化ケイ素SiC:セラミックスなど)に照射してこれを600℃以上に昇温せしめ、この高温のマイクロ波吸収発熱体により水蒸気を接触的に昇温して過熱蒸気を発生させる。
また、過熱蒸気は次のようにして、うず電流を利用することにより発生させることが出来る。すなわち、高周波交流電源によりコイルに磁力線を発生させ、この交流磁力線によって発生するうず電流が水蒸気にジュール熱を生じさせ、このジュール熱により水蒸気を過熱蒸気に昇温させる。
電界脱塩機構2や過熱蒸気供給機構3のエネルギー源として、ソーラーパネル、水素燃料電池、コージェネなどを利用することが出来る。
次に、この実施形態の排水処理装置の使用状態を説明する。
この排水処理装置によると、排水1を脱塩処理する電界脱塩機構2を有するので、過熱蒸気を供給する前に排水1中の食塩濃度を予め低減しておくことが出来る。そして、脱塩処理した排水1に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構3を有するので、食塩濃度を予め低減した排水1中の汚れ成分(一般的には有機成分)を熱分解して浄化することが出来、食塩の悪影響を回避乃至抑制することが出来るという利点がある。
また、前記過熱蒸気供給機構3は、水蒸気を過熱蒸気に昇温するようにしており、水蒸気(例えば100〜120℃)を、過熱蒸気(例えば900〜1200℃)に昇温するようにすると、2段階で高温の過熱蒸気を好適に得ることが出来るという利点がある。
この排水処理装置によると、排水を電界分離により脱塩をするようにしているので、装置の疲労や腐食を抑制することが出来る。そして、電界分離により脱塩する際に得られる塩濃縮水は、電解質として再利用することが出来る。
以下、実施例としてさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1に示すように、この排水処理装置は、排水1(300000ppm/CODの高濃度有機廃液)を脱塩処理する電界脱塩機構2と、脱塩処理した排水1に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構3とを有する。前記過熱蒸気供給機構3は、淡水4を100〜120℃の水蒸気に変換する蒸気ボイラ5と、この水蒸気を900〜1200℃に昇温する過熱蒸気生成装置6とから構成している。
前記淡水4は、水道水7を電界脱塩機構2に供給して、塩濃縮水8と分離することにより得るようにしている。電界脱塩機構2で得られた塩濃縮水8は、廃棄するか又は電解質として再利用9するようにしている。
前記排水1を電界脱塩機構2に送った後、前記過熱蒸気と共に熱分解装置10へと供給する。そして、熱分解装置10で炭化パウダー11が得られたら、燃料として使用12するようにしている。
〔実施例2〕
図2に示すように、この排水処理装置は、排水1(300000ppm/CODの高濃度有機廃液)を脱塩処理する電界脱塩機構2と、脱塩処理した排水1に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構3とを有する。前記過熱蒸気供給機構3は、淡水4を100〜120℃の水蒸気に変換する燃料の燃焼式の蒸気発生成装置13と、この水蒸気を900〜1200℃に昇温する過熱蒸気生成装置6とから構成している。
前記淡水4は、水道水7を電界脱塩機構2に供給して、塩濃縮水8と分離することにより得るようにしている。電界脱塩機構2で得られた塩濃縮水8は、廃棄するか又は電解質として再利用9するようにしている。
前記排水1を電界脱塩機構2に送った後、前記過熱蒸気と共に熱分解装置10へと供給する。そして、熱分解装置10で炭化パウダー11が得られたら、過熱蒸気発生装置13の燃料として使用するようにしている。
〔実施例3〕
図3に示すように、この排水処理装置は、排水1(300000ppm/CODの高濃度有機廃液)を脱塩処理する電界脱塩機構2と、脱塩処理した排水1に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構3とを有する。前記過熱蒸気供給機構3は、淡水4を100〜120℃の水蒸気に変換する蒸気発生装置13と、この水蒸気を900〜1200℃に昇温する過熱蒸気生成装置6とから構成している。
前記淡水4は、水道水7を電界脱塩機構2に供給して、塩濃縮水8と分離することにより得るようにしている。電界脱塩機構2で得られた塩濃縮水8や次亜塩素酸(HClO)16は、廃棄するか又は電解質として再利用9するようにしている。
前記排水1を電界脱塩機構2に送った後、前記過熱蒸気と共に熱分解装置10へと供給する。そして、熱分解装置10で炭化パウダー11が得られたら、蒸気発生装置13の燃料として使用するようにしている。
また、電界脱塩機構2で発生した水素ガス(H2)を水素燃料発電機14に供給して発電を行ない、この電気を過熱蒸気生成装置6と電界脱塩機構2の電力源として利用するようにしている。したがって、電界脱塩機構2で発生した水素ガスを無駄に拡散させることなく有効利用することが出来る。
水素燃料発電機14には、電解水素発生装置15からも水素ガスを供給するようにしている。さらに、水素燃料発電機14の廃熱を、加熱蒸気生成装置6で利用するようにしている。
食塩の悪影響を回避乃至抑制することが出来ることによって、種々の排水処理装置の用途に適用することができる。
この発明の排水処理装置の実施形態の実施例1を説明するシステム・フロー図。 この発明の排水処理装置の実施形態の実施例2を説明するシステム・フロー図。 この発明の排水処理装置の実施形態の実施例3を説明するシステム・フロー図。
1 排水
2 電界脱塩機構
3 過熱蒸気供給機構
14 水素燃料発電機

Claims (3)

  1. 排水(1)を脱塩処理する電界脱塩機構(2)と、脱塩処理した排水(1)に過熱蒸気を及ぼす過熱蒸気供給機構(3)とを有することを特徴とする排水処理装置。
  2. 前記過熱蒸気供給機構(3)は、水蒸気を過熱蒸気に昇温するようにした請求項1記載の排水処理装置。
  3. 前記電界脱塩機構(2)で発生した水素ガスを水素燃料発電機(14)に供給して発電を行ない、この電気を電界脱塩機構(2)の電力源として利用するようにした請求項1又は2記載の排水処理装置。
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