JP2013252330A - 吸収体及び該吸収体を備える吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】嵩高でかつ安定的な強度を有する繊維層を備える薄型の吸収体を提供すること。
【解決手段】液吸収性を有する吸収性コア20と、吸収性コア20を被覆するコアラップシート30と、を備える吸収体4であって、吸収性コア20は、主として熱可塑性繊維211からなる繊維層21と、繊維層21に分散して配置される高吸収性ポリマー粒子22と、を含み、熱可塑性繊維は、1種類のシースコア型の熱可塑性繊維211であるると共に、繊維層21は、熱可塑性繊維211の一部が熱融着して形成された3次元の網目構造を有し、高吸収性ポリマー粒子22は、Vortex法による吸収速度が20秒以下であり、繊維層21を構成する熱可塑性繊維211は、10%〜40%の捲縮率で捲縮している。
【選択図】図2
【解決手段】液吸収性を有する吸収性コア20と、吸収性コア20を被覆するコアラップシート30と、を備える吸収体4であって、吸収性コア20は、主として熱可塑性繊維211からなる繊維層21と、繊維層21に分散して配置される高吸収性ポリマー粒子22と、を含み、熱可塑性繊維は、1種類のシースコア型の熱可塑性繊維211であるると共に、繊維層21は、熱可塑性繊維211の一部が熱融着して形成された3次元の網目構造を有し、高吸収性ポリマー粒子22は、Vortex法による吸収速度が20秒以下であり、繊維層21を構成する熱可塑性繊維211は、10%〜40%の捲縮率で捲縮している。
【選択図】図2
Description
本発明は、吸収体及び該吸収体を備える吸収性物品に関する。
従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品では、パルプ等のセルロース系の親水性繊維材料と、この親水性繊維材料に分散された高吸収性ポリマー粒子と、からなる吸収体が用いられている。このような吸収体においては、吸収性物品を着用する着用者から排泄された尿等の液体は、まず、吸収速度の早い親水性繊維材料に吸収され、その後、高吸収性ポリマー粒子に吸収される。
また、吸収体を、熱可塑性繊維からなる繊維層とこの繊維層に分散されて配置された高吸収性ポリマー粒子と、を含んで構成すると共に、高吸収性ポリマー粒子の含有量を多くすることで、吸収体の厚さを薄くしつつ液体の吸収性を高く保つ技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、吸収体を、熱可塑性繊維からなる繊維層とこの繊維層に分散されて配置された高吸収性ポリマー粒子と、を含んで構成すると共に、高吸収性ポリマー粒子の含有量を多くすることで、吸収体の厚さを薄くしつつ液体の吸収性を高く保つ技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、熱可塑性繊維により繊維層を形成した吸収体では、熱可塑性繊維間にできるだけ多くの空隙を形成して嵩高な繊維層を構成し、これらの空隙に多くの高吸収性ポリマー粒子を保持させ、また、繊維層における液体の保持容量を増加させることが好ましい。一方、吸収体としての形状の安定性を維持するためには、繊維層を構成する熱可塑性繊維の交絡部分を安定的に熱融着させて繊維層の強度を確保することが必要となる。
従って、本発明は、嵩高でかつ安定的な強度を有する繊維層を備え、液吸収性に優れる薄型の吸収体及び該吸収体を備える吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明は、液吸収性を有する吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートと、を備える吸収体であって、前記吸収性コアは、主として熱可塑性繊維からなる繊維層と、該繊維層に分散して配置される高吸収性ポリマー粒子と、を含み、前記熱可塑性繊維は、1種類のシースコア型の熱可塑性繊維であると共に、前記繊維層は、前記熱可塑性繊維の一部が熱融着して形成された3次元の網目構造を有し、前記高吸収性ポリマー粒子は、Vortex法による吸収速度が20秒以下であり、前記繊維層を構成する熱可塑性繊維は、10%〜40%の捲縮率を有する吸収体に関する。
また、前記熱可塑性繊維は、機械捲縮加工が施されることにより捲縮性が付与された捲縮繊維であることが好ましい。
また、吸収体は、前記繊維層の一方の面側に配置される液透過層を更に備え、前記液透過層は、空隙率が70%以上90%以下の、交絡した捲縮繊維により構成されることが好ましい。
また、前記熱可塑性繊維は、中空部を有することが好ましい。
また、前記吸収性コアは、40重量%〜5重量%の熱可塑性繊維と、60重量%〜95重量%の高吸収性ポリマー粒子と、により形成されていることが好ましい。
また、前記繊維層に含まれる繊維全体の坪量は、20g〜100g/m2であることが好ましい。
また、前記コアラップシートは、坪量が20g/m2以下の親水性シートであることが好ましい。
また、前記高吸収性ポリマー粒子の比表面積は、少なくとも0.03m2/gであることが好ましい。
また、前記高吸収性ポリマー粒子の保水率は、少なくとも20g/gであることが好ましい。
また、本発明は、上述したいずれかに記載の吸収体と、該吸収体の一方の面に配置される液不透過性の裏面シートと、を備える吸収性物品に関する。
本発明によれば、嵩高でかつ安定的な強度を有する繊維層を備え、液吸収性に優れる薄型の吸収体を提供できる。
以下、本発明の吸収体の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る吸収体が使用されている使い捨ておむつ1を表面シート側から視た平面図である。
使い捨ておむつ1は、不織布又は開孔プラスチックフィルムからなる液透過性の表面シート2と、プラスチックフィルムからなる液不透過性の裏面シート3と、これら両シート2,3間に配置される吸収体4と、を備える。この使い捨ておむつ1は、長手方向LDにおける中央部がくびれた長方形状に形成される。
図1は、本発明に係る吸収体が使用されている使い捨ておむつ1を表面シート側から視た平面図である。
使い捨ておむつ1は、不織布又は開孔プラスチックフィルムからなる液透過性の表面シート2と、プラスチックフィルムからなる液不透過性の裏面シート3と、これら両シート2,3間に配置される吸収体4と、を備える。この使い捨ておむつ1は、長手方向LDにおける中央部がくびれた長方形状に形成される。
表面シート2及び裏面シート3は、使い捨ておむつ1の外形を構成し、吸収体4の周縁から延出した部分を有する。表面シート2と裏面シート3とは、吸収体4の周縁から延出した部分においてホットメルト接着剤により接合されている。
使い捨ておむつ1は、長手方向LDの一端側に配置される前胴周り域6と、長手方向LDの他端側に配置される後胴周り域7と、これら両胴回り域6,7間に位置する股下域8とを有する。
前胴周り域6及び後胴回り域7の端縁部には、幅方向WDである胴周り方向に延びる弾性部材11,12が表面シート2と裏面シート3との間に配置されている。弾性部材11,12は、これら表面シート2、及び裏面シート3の少なくとも一方の内面に伸長状態で取り付けられている。
前胴周り域6及び後胴回り域7の端縁部には、幅方向WDである胴周り方向に延びる弾性部材11,12が表面シート2と裏面シート3との間に配置されている。弾性部材11,12は、これら表面シート2、及び裏面シート3の少なくとも一方の内面に伸長状態で取り付けられている。
股下域8の側縁部には、脚周り弾性部材13が表面シート2と裏面シート3との間に配置されている。脚周り弾性部材13は、これら表面シート2、及び裏面シート3の少なくとも一方の内面に伸長状態で取り付けられている。
後胴周り域7の両側縁部には、テープファスナ14が取り付けられている。
後胴周り域7の両側縁部には、テープファスナ14が取り付けられている。
図2は、図1のX−X線切断面である。
吸収体4は、吸収性コア20と、この吸収性コア20を被覆するコアラップシート30と、を備える。この吸収体4は、厚さが1mm〜5mmの薄型の吸収体4である。
吸収性コア20は、シート状に形成され、吸収体4の主要部を構成する。この吸収性コア20は、繊維層21と、高吸収性ポリマー粒子22とを含んで構成される。
吸収体4は、吸収性コア20と、この吸収性コア20を被覆するコアラップシート30と、を備える。この吸収体4は、厚さが1mm〜5mmの薄型の吸収体4である。
吸収性コア20は、シート状に形成され、吸収体4の主要部を構成する。この吸収性コア20は、繊維層21と、高吸収性ポリマー粒子22とを含んで構成される。
繊維層21は、主として熱可塑性繊維211からなる。また、繊維層21を構成する熱可塑性繊維211は、1種類の熱可塑性繊維211である。この熱可塑性繊維211としては、低融点成分からなるシース部と、高融点成分からなりシース部を被覆するコア部とからなるシースコア型の熱可塑性繊維が用いられる。また、熱可塑性繊維211は、10%〜40%の捲縮率で捲縮した捲縮繊維である。尚、捲縮率はJIS L1015(けん縮率および残留けん縮率)に記載の内容に従って測定される。第1実施形態では、シースコア型の熱可塑性繊維211に機械捲縮加工が施されて捲縮性が付与されている。
機械捲縮加工とは、紡糸した繊維を、クリンパ装置(投入速度が早く引取速度が遅い)を用い、繊維に機械的な捲縮加工を施すことをいう。
機械捲縮加工とは、紡糸した繊維を、クリンパ装置(投入速度が早く引取速度が遅い)を用い、繊維に機械的な捲縮加工を施すことをいう。
繊維層21は、捲縮率が10%〜40%の熱可塑性繊維211の一部が熱融着して形成された3次元の網目構造を有している。第1実施形態では、機械捲縮加工が施された熱可塑性繊維211を所定の厚さに積繊した繊維ウエブに、シース部の融点付近の温度の熱風又は融点を超える温度の熱風を吹き付けることにより、熱可塑性繊維211の一部を熱融着させて3次元の網目構造を形成している。
繊維層21を構成する熱可塑性繊維211としては、繊度が0.5dtex〜20dtexのものが好適に用いられる。また、繊維層21の吸水性を向上させる観点から、熱可塑性繊維211には、親水化処理が施されることが好ましい。また、繊維層21に含まれる繊維全体の坪量は、20g〜100g/m2であることが好ましく、繊維層21の見かけの密度は、0.01g〜0.05g/cm3であることが好ましい。
熱可塑性繊維211の繊維長は、好ましくは30mm〜60mmである。
繊維層21を構成する熱可塑性繊維211としては、繊度が0.5dtex〜20dtexのものが好適に用いられる。また、繊維層21の吸水性を向上させる観点から、熱可塑性繊維211には、親水化処理が施されることが好ましい。また、繊維層21に含まれる繊維全体の坪量は、20g〜100g/m2であることが好ましく、繊維層21の見かけの密度は、0.01g〜0.05g/cm3であることが好ましい。
熱可塑性繊維211の繊維長は、好ましくは30mm〜60mmである。
熱可塑性繊維211としては、例えば、コア部が融点約250℃のポリエステル成分からなり、シース部が融点約160℃のポリエステル成分からなる繊度2dtexのシースコア型の複合繊維に親水化処理を施し、更に機械捲縮加工を施したものが用いられる。また、熱可塑性繊維211として、中空部を有するシースコア型の複合繊維を用いてもよい。熱可塑性繊維211として、中空部を有するシースコア型の複合繊維を用ることで、繊維層21の嵩高さ及び柔らかさをより向上させられる。
高吸収性ポリマー粒子22は、繊維層21に分散して配置される。高吸収性ポリマー粒子22としては、粒度が100μm〜1000μmのものであって、少なくとも20g/gの保水率を有するものを用いることが好ましい。
また、高吸収性ポリマー粒子22は、JIS K 7224に準拠したVortex法により測定した吸収速度が20秒以下、好ましくは10秒以下のものを20重量%〜100重量%含む。
また、高吸収性ポリマー粒子22は、JIS K 7224に準拠したVortex法により測定した吸収速度が20秒以下、好ましくは10秒以下のものを20重量%〜100重量%含む。
Vortex法による吸収速度は、2.0gの高吸収性ポリマー粒子22が0.9%の生理食塩水50gを吸収するのに要する時間で表される。高吸収性ポリマー粒子22の保水率は、1gの高吸収性ポリマー粒子22を0.9%生理食塩水1lに1時間浸漬し、15分間の水切りをしてから850rpmで90秒間遠心分離した後の重量によって表される。
また、高吸収性ポリマー粒子22の好ましい比表面積(Micrometrics社製オートポアIII 9420を使用して測定)は、少なくとも0.03m2/g、より好ましくは少なくとも0.07m2/gである。
高吸収性ポリマー粒子22の比表面積を、0.03m2/gとすることで、高吸収性ポリマー粒子22を熱可塑性繊維211に引っ掛かりやすくでき、繊維層21から脱落しにくくできる。また、表面積が相対的に大きくなるので、吸収速度を向上させることができる。
高吸収性ポリマー粒子22の比表面積を、0.03m2/gとすることで、高吸収性ポリマー粒子22を熱可塑性繊維211に引っ掛かりやすくでき、繊維層21から脱落しにくくできる。また、表面積が相対的に大きくなるので、吸収速度を向上させることができる。
第1実施形態では、高吸収性ポリマー粒子22は、熱可塑性繊維211と共に積繊されて熱可塑性繊維211中に分散配置される。そして、その後、熱可塑性繊維211が熱融着されることで、繊維層21が形成され、この繊維層21中に高吸収性ポリマー粒子22が分散配置されることとなる。
以上の吸収性コア20は、40重量%〜5重量%の熱可塑性繊維211と、60重量%〜95重量%の高吸収性ポリマー粒子22と、により形成される。
コアラップシート30は、吸収性コア20の上面(表面シート2側の面)、下面(裏面シート3側の面)及び側面を被覆する。このコアラップシート30は、坪量が20g/m2以下の親水性シートにより構成される。具体的には、コアラップシート30としては、坪量が20g/m2以下のティッシュシートや坪量が15g/m2以下の親水処理されたSMS(スパンボンド−メルトブロン−スパンボンド)不織布を用いることができる。
第1実施形態では、コアラップシート30は、図2に示すように、吸収性コア20の上面側から吸収性コア20を包み込むように被覆し、コアラップシート30の端部が、吸収性コア20の下面側で重なり合う部分を有している。
第1実施形態では、コアラップシート30は、図2に示すように、吸収性コア20の上面側から吸収性コア20を包み込むように被覆し、コアラップシート30の端部が、吸収性コア20の下面側で重なり合う部分を有している。
吸収体4は、コアラップシート30が、ホットメルト接着剤を介して表面シート2及び裏面シート3に接合されている。コアラップシート30と表面シート2及び裏面シート3との接合によって、吸収体4は、その位置が固定される他に、吸収体4と表面シート2との密着性が向上し、排泄された液体が吸収体4に速やかに浸透する。
以上の使い捨ておむつ1では、表面シート2及びコアラップシート30を通過して吸収性コア20に浸透した水分は、網目構造を呈する繊維層21の間隙を通って流れる過程で、高吸収性ポリマー粒子22に吸収される。ここで、高吸収性ポリマー粒子22は、繊維層21の網目構造中に分散されて保持されている。これにより、高吸収性ポリマー粒子22が水分を吸収した場合に、互いの膨潤を妨げたり、ゲルブロックを形成して吸収性コア20の内部ヘの水分の浸透を阻害したりしにくい。
以上説明した第1実施形態の吸収体4によれば、以下のような作用効果を奏する。
1種類のシースコア型の熱可塑性繊維211であって、捲縮率が10%〜40%の熱可塑性繊維211により繊維層21を構成し、この繊維層21にVortex法による吸収速度が20秒以下の高吸収性ポリマー粒子22を分散させて吸収体4を構成した。これにより、単一の融点の熱可塑性繊維211で繊維層21を構成できるので、熱可塑性繊維211同士を安定的に熱溶着させられ、繊維層21の強度を安定的に保てる。また、捲縮率が10%〜40%の熱可塑性繊維211により繊維層21を構成したので、繊維層21を嵩高に形成できる。更に、繊維層21に、Vortex法による吸収速度が20秒以下の高吸収性ポリマー粒子22を分散させたので、液体の吸収速度を向上させられる。よって、嵩高でかつ安定的な強度を有し、液吸収性に優れる薄型の吸収体4を実現できる。
熱可塑性繊維を、機械捲縮加工により捲縮性が付与された捲縮繊維により構成した。これにより、捲縮した状態の熱可塑性繊維211を熱融着させて3次元の網目構造を形成できるので、繊維層21の形状の安定性をより向上させられる。
次に、本発明の第2実施形態に係る吸収体4Aについて、図3を参照しながら説明する。尚、第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態の吸収体4Aは、吸収性コア20の一方の面である表面シート2側の面に配置される液透過層40を備える点で、第1実施形態と異なる。
液透過層40は、空隙率が93.5%以上99.9%以下の、捲縮繊維の集合体であり、より具体的には不規則に交絡した捲縮繊維で構成されている。
液透過層40は、空隙率が93.5%以上99.9%以下の、捲縮繊維の集合体であり、より具体的には不規則に交絡した捲縮繊維で構成されている。
液透過層40の空隙率が93.5%未満の場合には、捲縮繊維の捲縮度合いが少なく圧縮変形量が少なくなり、身体の形状に適合しにくくなる。また表面シート51を透過した液の吸収性コア20への液透過性が阻害されやすい。また、液透過層40の空隙率が99.9%を越えると、表面シート2と吸収性コア20との間で厚さ方向に向けられる捲縮した繊維の量が少なくなり、表面シート2から吸収性コア20に体液を引き込む機能が低下する。
液透過層40の空隙率は、以下の式により算出される。
空隙率(%)=(1−体積比率)×100
ここで、体積比率は、以下の式により算出される。
体積比率=密度/繊維比重(繊維比重は、1.0g/cm3として算出した。)
また、密度は、以下の式により算出される。
密度(g/cm3)=液透過層の坪量/液透過層の厚み
液透過層の坪量は、一定のサイズ(例えば、10cm×10cm)の測定用試料をサンプリングし、サンプリングした測定用試料の重量を測定することにより算出した。N=10での測定値の平均値を液透過層の坪量とした。
液透過層の厚みは、カトーテック(株)の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」を用い測定を行った。サンプリングした測定用試料を試験機に配し、測定端子によるサンプルへの圧力が「0.5g/cm2」のときの厚みを測定。N=10での測定値の平均値を液透過層の厚みとする。
空隙率(%)=(1−体積比率)×100
ここで、体積比率は、以下の式により算出される。
体積比率=密度/繊維比重(繊維比重は、1.0g/cm3として算出した。)
また、密度は、以下の式により算出される。
密度(g/cm3)=液透過層の坪量/液透過層の厚み
液透過層の坪量は、一定のサイズ(例えば、10cm×10cm)の測定用試料をサンプリングし、サンプリングした測定用試料の重量を測定することにより算出した。N=10での測定値の平均値を液透過層の坪量とした。
液透過層の厚みは、カトーテック(株)の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」を用い測定を行った。サンプリングした測定用試料を試験機に配し、測定端子によるサンプルへの圧力が「0.5g/cm2」のときの厚みを測定。N=10での測定値の平均値を液透過層の厚みとする。
液透過層40を構成する捲縮繊維としては、ホモPP(ポリプロピレン)樹脂、ブロックPP(ポリプロピレン)樹脂、高密度PE(ポリエチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性繊維を用いることができる。
第2実施形態の吸収体4Aによれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する他、以下のような作用効果を奏する。
吸収体4Aを、捲縮繊維からなる液透過層40を含んで構成した。これにより、繊維層21の肌側に嵩高な液透過層40を配置することで、吸収体4Aの肌側における触感の柔らかさを向上させられる。
以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、繊維層21を、熱可塑性繊維211のみにより構成したが、これに限らない。即ち、繊維層を、パルプ等のセルロース系親水性繊維材料を含んで構成してもよい。パルプ等を含んで繊維層を構成する場合、繊維層に含まれるパルプ等の割合は、吸収体の厚さを薄くする観点から、40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、本発明の吸収体4,4Aを、展開型の使い捨ておむつに適用したが、これに限らない。即ち、本発明の吸収体を、パンツ型の使い捨ておむつに適用してもよく、また、生理用ナプキンや尿パッドのような他の吸収性物品に適用してもよい。
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4,4A 吸収体
20 吸収性コア
21 繊維層
22 高吸収性ポリマー粒子
30 コアラップシート
40 液透過層
211 熱可塑性繊維
2 表面シート
3 裏面シート
4,4A 吸収体
20 吸収性コア
21 繊維層
22 高吸収性ポリマー粒子
30 コアラップシート
40 液透過層
211 熱可塑性繊維
Claims (10)
- 液吸収性を有する吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートと、を備える吸収体であって、
前記吸収性コアは、
主として熱可塑性繊維からなる繊維層と、
該繊維層に分散して配置される高吸収性ポリマー粒子と、を含み、
前記熱可塑性繊維は、1種類のシースコア型の熱可塑性繊維であると共に、前記繊維層は、前記熱可塑性繊維の一部が熱融着して形成された3次元の網目構造を有し、
前記高吸収性ポリマー粒子は、Vortex法による吸収速度が20秒以下であり、
前記繊維層を構成する熱可塑性繊維は、10%〜40%の捲縮率を有している吸収体。 - 前記熱可塑性繊維は、機械捲縮加工が施されることにより捲縮性が付与された捲縮繊維である請求項1に記載の吸収体。
- 前記繊維層の一方の面側に配置される液透過層を更に備え、
前記液透過層は、空隙率が70%以上90%以下の、交絡した捲縮繊維により構成される請求項1又は2に記載の吸収体。 - 前記熱可塑性繊維は、中空部を有する請求項1〜3のいずれかに記載の吸収体。
- 前記吸収性コアは、40重量%〜5重量%の熱可塑性繊維と、60重量%〜95重量%の高吸収性ポリマー粒子と、により形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の吸収体。
- 前記繊維層に含まれる繊維全体の坪量は、20g〜100g/m2である請求項1〜5のいずれかに記載の吸収体。
- 前記コアラップシートは、坪量が20g/m2以下の親水性シートである請求項1〜6のいずれかに記載の吸収体。
- 前記高吸収性ポリマー粒子の比表面積は、少なくとも0.03m2/gである請求項1〜8のいずれかに記載の吸収体。
- 前記高吸収性ポリマー粒子の保水率は、少なくとも20g/gである請求項1〜9のいずれかに記載の吸収体。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の吸収体と、該吸収体の一方の面に配置される液不透過性の裏面シートと、を備える吸収性物品。
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