[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2013134321A - 感光性着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

感光性着色組成物及びカラーフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2013134321A
JP2013134321A JP2011283603A JP2011283603A JP2013134321A JP 2013134321 A JP2013134321 A JP 2013134321A JP 2011283603 A JP2011283603 A JP 2011283603A JP 2011283603 A JP2011283603 A JP 2011283603A JP 2013134321 A JP2013134321 A JP 2013134321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
antioxidant
coloring composition
parts
color filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011283603A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Yoshikawa
裕樹 吉川
Narutoshi Kubota
考俊 久保田
Kosuke Obara
浩輔 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2011283603A priority Critical patent/JP2013134321A/ja
Publication of JP2013134321A publication Critical patent/JP2013134321A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】
高輝度であって、カラーフィルタの形成工程においても明度の低下を抑制することができ、耐熱性に優れ、フィルタセグメントのパターン形状についても良好なカラーフィルタ用赤色、または黄色感光性着色組成物、及びこれを用いた高輝度及び高精細のカラーフィルタを提供すること。
【解決手段】
本発明の感光性着色組成物は、赤色顔料及び/または黄色顔料、酸化防止剤(C)として、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有することで、高明度かつパターン形状についても優れた赤色または、黄色フィルタセグメントを形成することができる。
従って、本発明の感光性着色組成物を用いることにより、高品質なカラーフィルタを得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、及びカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される感光性着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタなどに用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数μm〜数100μmと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
カラーフィルタを構成するフィルタセグメントは、ガラス基板などに感光性材料を塗布し、余剰の溶剤を乾燥除去した後、画素形成のためのフォトマスクを介してプロキシミティ露光(紫外光源露光)などにより活性エネルギー線を照射し、硬化(ネガ型)またはアルカリ溶解度を高め(ポジ型)、アルカリ溶液などで溶解する部分を除去し、ポストベークという230度以上に加熱を行うことにより形成される。これを例えば赤、緑、青の各色について繰り返すことにより、カラーフィルタが作製される。
従来、赤色フィルタセグメント用には、着色剤としてジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料またはジスアゾ系顔料等、黄色フィルタセグメント用には、アゾ系顔料等の耐光性および耐熱性に優れる顔料を単独または組み合わせて用いることが一般的である。
そして、さらに、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるためには、フィルタセグメント中に含まれる顔料の微細化処理が行われている。しかし、顔料を様々な微細化処理方法により微細化しても、一次粒子あるいは二次粒子の微細化が進行した顔料は顔料化または分散の工程において凝集し易い。そのため、顔料の微細化による高明度化だけでは限界となっている。
また近年、カラー撮像素子、カラー液晶テレビの高品質化を反映し、表示パネルの高明度化だけでなく、高精細も強く求められている。このような要求に応えるために、高精細化のために高感度化の材料が検討されている。しかし、光硬化性を高めるために、光重合開始剤や光重合性単量体等の成分を増やしてしまうと、230℃以上のポストベーク工程で黄変が起こり、赤色及び黄色フィルタセグメントの明度を低下させる要因となってしまうという問題がある。
一方、各色フィルタセグメントの形成に用いられる感光性樹脂組成物については、各種酸化防止剤を用いることが検討されている(例えば特許文献1、2参照)。また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加することで明度の黄変を抑えることが知られている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの酸化防止剤を用いるだけでは、ポストベーク工程の黄変を抑制することは十分でなく、さらに上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いた場合では光硬化を抑制してしまうために、高精細なカラーフィルタを作ることが困難となってしまう。
このように、赤色及び黄色フィルタセグメントでは、カラーフィルタの高輝度化、高精細化要求に伴って、カラーフィルタの形成工程での明度低下がなく、フィルタセグメントのパターン形状にも優れた高精細なカラーフィルタを得ることが非常に難しいのが現状である。
特開2000−214580号公報 特開2002−022925号公報 特開2002−22925公報
本発明の目的は、高輝度であって、カラーフィルタの形成工程においても明度の低下を抑制することができ、耐熱性に優れ、フィルタセグメントのパターン形状についても良好なカラーフィルタ用感光性着色組成物、及びこれを用いた高輝度及び高精細のカラーフィルタを提供することである。
前記課題は、赤色及び/または黄色顔料と、酸化防止剤(C)として、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有することを特徴とする感光性着色組成物により解決される。
すなわち、本発明は、顔料(A)と、バインダー樹脂(B)と、酸化防止剤(C)と、光重合開始剤(D)と、光重合単量体(E)とを含有する感光性着色組成物であって、顔料(A)が、赤色顔料及び/または黄色顔料を含有し、酸化防止剤(C)が、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有することを特徴とする感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、光重合開始剤(D)が、オキシムエステル系化合物またはアセトフェノン系化合物を含有することを特徴とする感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、酸化防止剤(C)の合計量が、感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%であることを特徴とする感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、基板上に、前記赤色及び/または黄色感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の感光性着色組成物は、赤色及び/または黄色顔料と、酸化防止剤(C)として、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有することで、高感度であるだけでなく、カラーフィルタの形成工程における、透明電極及び配向膜形成時の230℃以上のポストベーク工程での明度の低下を抑制することができる。又、カラーフィルタの形成工程時に明度が低下しないため、カラーフィルタのホワイトバランスが透明電極及び配向膜形成前と比べて変化が小さい。更に、これを用いることにより高輝度のカラーフィルタを形成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性組成物は、顔料(A)と、バインダー樹脂(B)と、酸化防止剤(C)と、光重合開始剤(D)と、光重合単量体(E)とを含有する感光性着色組成物であって、顔料(A)が、赤色及び/または黄色顔料を含有し、酸化防止剤(C)が、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有する。
また、「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
[感光性着色組成物]
<顔料(A)>
本発明の感光性組成物は、顔料(A)として赤色顔料及び/または黄色顔料を含む。
赤色顔料及び/または黄色顔料は、カラーフィルタの特性に応じて選定可能であり、有機顔料または無機顔料の何れであってもよいが、有機顔料がより一般的に使用される。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。
これらの中でも、明度とコントラスト比の優れた効果を発揮するためには、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、176、177、202、206、207、209、224、242、または254であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド176、177、242、または254である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、213,214などを挙げることができる。
その他、併用することができる橙色顔料としてはC.I.ピグメントオレンジ5、13、14、24、34、36、38、40、43、46、49、61、64、68、70、71、72、73、74等の橙色顔料が挙げられる。
本発明の感光性着色組成物を、赤色感光性着色組成物として用いる場合には、調色用として、黄色顔料や橙色顔料を併用することができ、これらの黄色顔料の中でも、明度とコントラストの優れた効果を発揮するために、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、または185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、または180が好ましい。橙色顔料としては、色特性が良好である点から、C.I.ピグメントオレンジ38が好ましい。
黄色感光性着色組成物として用いる場合には、これらの黄色顔料の中でも、明度とコントラストの優れた効果を発揮するためには、好ましくはC.I.ピグメントイエロー13、83、117、129、138、139、139、150、185、213、または214であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー139、150である。また、調色用として、橙色顔料を併用することができ、これらの橙色顔料の中でも、色特性が良好である点から、C.I.ピグメントオレンジ38が好ましい。
本発明による感光性着色組成物の全不揮発成分中において好ましい顔料(A)の含有量としては、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%であり、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。顔料(A)の含有量が、10重量%未満になると、十分な色再現性を得ることができず、90重量%を超えると顔料担体の含有量が少なくなり、着色組成物の安定性が悪くなる。
本発明の感光性着色組成物に使用する顔料は、ソルトミリング処理を行い微細化することが好ましい。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料(A)100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料(A)100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂(B)>
バインダー樹脂(B)は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。バインダー樹脂(B)には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び感光性樹脂が含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
バインダー樹脂(B)は、感光性着色組成物中の顔料(A)100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。
<酸化防止剤(C)>
酸化防止剤(C)は、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)を含有する。赤色、または黄色感光性着色組成物は、パターン露光をする際に色素の吸収が大きく光が内部を通るのが困難である。そのため光重合開始剤(D)や光重合単量体(E)の量を増やすことにより高感度とすることが一般的であるが、このとき、これらのパターン露光に使われなかった余剰の成分が、ポストベーク工程時の熱によりラジカルを発生したり、過酸化物を作ることで黄変し、明度を下げてしまうという問題がおこる。
本発明の酸化防止剤(C)は、このようなポストベーク工程における光重合開始剤(D)や光重合単量体(E)の黄変を抑制することが出来るために、カラーフィルタ形成工程での明度低下がなく、輝度の高いカラーフィルタの形成が可能となる。
酸化防止剤(C)は熱によりラジカルが発生するのを抑える一次酸化防止剤とラジカルにより発生した過酸化物を分解する二次酸化防止剤があり、フェノール系酸化防止剤(c1)が一次酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)が二次酸化防止剤の機能を有するために、これらの酸化防止剤を併用する事で、ポストベーク工程における塗膜の黄変を抑制することが可能となり、高輝度及び高精細のフィルタセグメントを形成できるものとなる。
《フェノール系酸化防止剤(c1)》
フェノール系酸化防止剤(c1)は、熱によりラジカルが発生するのを抑える一次酸化防止剤としての働きをするものである。
本発明の感光性着色組成物に含有されるフェノール系酸化防止剤(c1)としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ ェニル)ベンゼンなどが挙げられ、単独又は2種以上を使用してもよい。
なかでも、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、及びトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートからなる群から選ばれるヒンダードフェノール系酸化防止剤は、光硬化性と明度のバランス面から好ましい。
《イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)》
イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)は、ラジカルにより発生した過酸化物を分解する二次酸化防止剤として働くものである。
(イオウ系酸化防止剤)
イオウ系酸化防止剤は分子中にイオウを含む酸化防止剤である。このような含イオウ系酸化防止剤としては市販されているものを使用できるが、3,3’−チオジプロパン酸
ジオクタデシル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジパルミチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、4,4’−チオビス−3−メチル−6−tert−ブチルフェノール、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
(リン系酸化防止剤)
リン系酸化防止剤としては、市販されているものを使用できるが、トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィントリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、亜りん酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル) が挙げられ、 これらからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
フェノール系酸化防止剤(c1)の含有量が、フェノール系酸化防止剤(c1)とイオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)との合計含有量を基準(100重量%)として、20〜95重量%であることが好ましく、45〜95重量%、さらには55〜95重量%であることがより好ましい。フェノール系酸化防止剤(c1)の含有量が20重量%未満の場合はポストベーク工程における明度の低下を抑制する働きが小さく、95重量%より多い場合は光硬化性が不充分となることがある。
本発明の感光性着色組成物中の酸化防止剤(C)の含有量は、感光性着色組成物の固形分100重量%中、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。酸化防止剤の含有量が0.1重量%未満の場合はポストベーク工程における明度の低下を抑制する働きが小さく、10重量%より多い場合は光硬化性が不充分となることがある。
<光重合開始剤(D)>
本発明の感光性着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤(D)を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤(D)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤(D)は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
これらのなかでも、パターン形状や直線性の良好な色カラーフィルタを作製するためには感度光重合開始剤(D)として、アセトフェノン系化合物またはオキシムエステル系化合物を含むことが好ましい。
オキシムエステル系化合物は紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとベンゾイロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。オキシムエステル系光重合開始剤としてはエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]が好ましい。
アセトフェノン系化合物は解裂して活性水素供与体となるアミノ基を有するラジカルを生成するためUV硬化で問題となる酸素阻害の影響を低減することができ、塗膜の表面を硬化させることができる。アセトフェノン系化合物としては、α―アミノアルキルアセトフェノン系化合物である、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノンが好ましい。
光重合開始剤(D)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
更に、本発明の赤色、または黄色感光性組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、及びミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
更に具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。又、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤(D)100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<光重合単量体(E)>
本発明に用いる光重合性単量体(E)には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
光重合性単量体(E)としては、例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、β−カルボキシエチルメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンのメタアクリル酸エステル、エポキシメタアクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、メタアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性単量体(E)は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体(E)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
感光性着色組成物において、光重合開始剤(D)の重量〔Ia〕と光重合単量体(E)の重量〔M〕との比率〔Ia/M〕は、0.03〜1.00であることが好ましく、0.04〜0.95であることがより好ましい。
さらに、感光性着色組成物が増感剤を含有する場合には、光重合開始剤(D)及び増感剤の合計重量〔Ib〕と光重合単量体(E)の重量〔M〕との比率〔Ib/M〕は、0.04〜1.50であることが好ましく、0.05〜1.45であることがより好ましい。
〔Ia/M〕が0.03以上、〔Ib/M〕が0.04以上であると感度が高く良好である。また、〔Ia/M〕が1.00以下、〔Ib/M〕が1.50以下のとき、パタ−ン形状の直線性や解像性がより優れている。
<溶剤>
本発明の感光性組成物には、顔料(A)を充分に色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、メチルプロピレングリコール、シクロヘキシルアセテート、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソペンチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明の感光性組成物は、まず赤色顔料及び/または黄色顔料を含む顔料(A)を、バインダー樹脂(B)などの色素担体及び/または溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、及びアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散した顔料分散体を製造し、該顔料分散体に酸化防止剤(C)、光重合開始剤(D)、光重合性単量体(E)、場合によってはその他の、バインダー樹脂(B)、増感剤、多官能チオール、紫外線吸収剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤、溶剤、その他成分を混合攪拌して製造することができる。また、2種以上の顔料を含む感光性着色組成物は、各顔料分散体を別々に色素担体及び/または溶剤中に微細に分散したものを混合し、さらに光重合開始剤や光重合性化合物等を混合攪拌して製造することができる。
顔料(A)をバインダー樹脂(B)及び/または溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料をバインダー樹脂(B)及び/または溶剤中に分散してなる感光性着色組成物を用いた場合には、透過性に優れたカラーフィルタが得られる。
本発明の感光性組成物は、色素担体の一部として、バインダー樹脂(B)として溶剤可溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂を用いることによって、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。すなわち、着色レジスト材は、赤色及び/または黄色顔料を含む顔料(A)と、光重合性単量体(E)と、溶剤可溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂と、光重合開始剤(D)と、酸化防止剤(C)と、を含んでなる本発明の感光性組成物を、溶剤に分散させたものである。
《分散助剤》
分散助剤は、顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
(樹脂型顔料分散剤)
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、色素担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の色素担体への分散を安定化する働きをするものである。
樹脂型顔料分散剤は、ポリビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ホルマリン縮合系、シリコーン系、及びこれらの複合系ポリマーが挙げられ、
顔料親和性部位としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、燐酸基、燐酸エステル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、四級アンモニウム塩基、及びアミド基等の極性基、並びに、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、及びこれらの複合系等の親水性ポリマー鎖等が挙げられ、
色素担体と相溶性のある部位としては、長鎖アルキル鎖、ポリビニル鎖、及びポリエステル鎖等が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤として具体的には、
スチレン−無水マレイン酸共縮合物、オレフィン−無水マレイン酸共重合物、ポリ(メタ)アクリル酸塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸−ポリビニル系マクロマー共重合体、燐酸エステル基含有アクリル樹脂、芳香族カルボキシル基含有アクリル樹脂、ポリスチレンスルフォン酸塩、アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合物、カルボキシメチルセルロース、カルボキシル基を有するポリウレタンプレポリマー、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、及びアルギン酸ソーダ等のアニオン系樹脂型顔料分散剤;
ポリビニルアルコール、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリルアミド、及びポリマー澱粉等のノニオン系樹脂型顔料分散剤;並びに、ポリエチレンイミン、アミノアルキル(メタ)アクリレート共重合物、ポリビニルイミダゾリン、アミノ基を有するポリウレタンプレポリマー、及びサトキンサン等のカチオン系樹脂型顔料分散剤が挙げられ、これらを単独又は2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;
アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;並びに、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、及びアルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(色素誘導体)
色素誘導体とは、有機色素に置換基を導入した化合物であり、有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、及び特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
<その他の添加成分>
本発明の感光性組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物、組成物の経時粘度を安定化させるための貯蔵安定剤、又は透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
アミン系化合物としては、例えば、
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
貯蔵安定剤としては、例えば、
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、及びジエチルヒドロキシアミン等の4級アンモニウムクロライド類;
乳酸、及びシュウ酸などの有機酸類;
前記有機酸のメチルエステル類;
t−ブチルピロカテコール等のカテコール類;
トリフェニルホスフィン、テトラエチルホスフィン、及びテトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン類;並びに、亜リン酸塩類等が挙げられる。
貯蔵安定剤の含有量は、感光性着色組成物中の顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
貯蔵安定剤を0.01重量部以上用いることで、カラーフィルタ用着色組成物の経時安定性が向上する。
シランカップリング剤としては、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びγ−(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロイルシラン類;
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;並びに、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類;等が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、感光性着色組成物中の顔料(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の感光性組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、更に好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
[カラーフィルタ]
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の感光性組成物から形成されるフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、または少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つの黄色フィルタセグメントを具備する。
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と着色剤担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等が用いられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を併用することもできる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、フタロシアニン系顔料および/またはトリアリールメタン系レーキ顔料等が用いられる。フタロシアニン系顔料としては、銅フタロシアニンブルー顔料を用いることが好ましいものである。銅フタロシアニンブルー顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、等の顔料が挙げられ、中でも、ε型、α型の構造を有する銅フタロシアニンブルー顔料が好ましい。このような好ましい顔料は、具体的にはC.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントブルー15:1である。トリアリールメタン系レーキ顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、同1:2、同1:3、C.I.ピグメントブルー2、同2:1、同2:2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー8、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、同10:1、C.I.ピグメントブルー11、C.I.ピグメントブルー12、C.I.ピグメントブルー18、C.I.ピグメントブルー19、C.I.ピグメントブルー24、同24:1、C.I.ピグメントブルー53、C.I.ピグメントブルー56、同56:1、C.I.ピグメントブルー57、C.I.ピグメントブルー58、C.I.ピグメントブルー59、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62等が挙げられる。これらの中でも青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6を用いることが好ましいものである。
また前記青色の顔料に加えて、紫色、赤色を呈する、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料を併用することが好ましい。中でもジオキサジン系顔料を併用することが好ましい。ジオキサジン系顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット23を用いることが好ましい。本発明の青色着色組成物にジオキサジン系顔料を併用することで、さらに耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れ、安定した高品質な青色着色組成物とすることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントは、マゼンタ色顔料と着色剤担体を含む通常のマゼンタ色着色組成物を用いて形成することができる。マゼンタ色着色組成物は、例えばC.I.ピグメント レッド 81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、192、202、207、209、C.I.ピグメント バイオレット 19等の顔料が用いられる。
シアン色フィルタセグメントは、シアン色顔料と着色剤担体を含む通常のシアン色着色組成物を用いて形成することができる。シアン色着色組成物は、例えばC.I.ピグメント ブルー 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の青色顔料、好ましくはC.I.ピグメント ブルー 15:3、15:4を用いることができる。
また、シアン色着色組成物には、緑色着色組成物に用いる緑色顔料を併用することができる。
基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。又、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、フォトリソグラフィー法により、製造することができる。フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した赤色感光性組成物を、基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μm、好ましくは0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用して乾燥された塗膜には、この塗膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか、若しくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントを形成することができる。更に、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメントが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。又、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、及び顔料の平均一次粒子径の測定方法は以下の通りである。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)である。
<顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
まず、実施例及び比較例で用いたアクリル樹脂溶液の製造方法、微細化処理顔料液の製造方法、顔料分散剤溶液の調整方法、及び顔料分散体の製造方法について説明する。
<アクリル樹脂溶液の製造>
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノール エチレン オキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)7.4部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)が26,000のアクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して固形分を測定した。測定結果に基づき、先に合成したアクリル樹脂溶液に、固形分が30%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、アクリル樹脂溶液を得た。
<微細化処理顔料の製造>
(赤色微細顔料1の作製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメントレッド254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料1を得た。
(赤色微細顔料2の作製)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメントレッド177(チバ・ジャパン社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料2を得た。
(赤色微細顔料3の作製)
ベンズイミダゾロン系赤色顔料C.I.ピグメントレッド176(クラリアント社製「Novoperm Carmine HF3C」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のベンズイミダゾロン顔料の微細化顔料3を得た。
(赤色微細顔料4の作製)
赤色顔料C.I.ピグメントレッド242(クラリアント社製「NOVOPERM SCARLET 4RF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃にて一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料4を得た。
(橙色微細顔料1の作製)
橙色顔料C.I.ピグメントオレンジ38(クラリアント社製「NOVOPERM RED HFG」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の橙色微細顔料1を得た。
(黄色微細顔料1の作製)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の黄色微細顔料1を得た。
(黄色微細顔料2の作製)
イソインドリノン系黄色顔料1C.I. ピグメントイエロー139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色微細顔料2を得た。
<顔料分散体の製造>
(顔料分散体(DP−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(PR−1)を作製した。
赤色微細顔料1 (C.I.ピグメントレッド254 :11.0部
アクリル樹脂溶液 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :48.0部
樹脂型分散剤 (チバ・ジャパン社製「EFKA4300」 : 1.0部
以下、表1に示す顔料に変更した以外は、上記の顔料分散体(DP−1)と同様にして、顔料分散体(DP−2〜7)を作製した。
Figure 2013134321
[実施例1〜24及び比較例1〜17]
(赤色、または黄色感光性着色組成物(着色レジスト材)の製造)
表2〜5に示すような組成、配合量(重量部)で、顔料分散体と、アクリル樹脂溶液と、光重合性単量体と、光重合開始剤と、酸化防止剤と、溶剤との混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各着色レジスト材を得た。
表2〜5中の略語について以下に示す。
・光重合性単量体:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ペンタアクリレート混合物
(東亞合成株式会社製「アロニクスM402」)
・光重合開始剤A:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアーOXE02」)
・光重合開始剤B:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー379」)
・増感剤:4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」

・酸化防止剤A:フェノール系酸化防止剤
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
・酸化防止剤B:リン系酸化防止剤
トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィン
・酸化防止剤C:イオウ系酸化防止剤
3,3’−チオジプロパン酸ジオクタデシル
・有機溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
得られた感光性着色組成物について、明度、感度、直線性、パターン形状、及び解像性について、下記の方法で評価した。結果を表2〜5に示す。
[塗布基板の作製方法]
得られた感光性着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)および25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。
[明度差評価]
上記方法で得られた塗膜のベーク工程前後のC光源での色度(Y,x,y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」を用いて測定し、その明度差を評価した。評価のランクは次の通りである。
○:0.2未満
△:0.2以上0.6未満
×:0.6以上
[感度評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ン膜厚を測定し、塗工後膜厚に対して90%以上となる最小露光量を評価した。最小露光量が小さい程、高感度で良好な感光性着色組成物となる。
評価のランクは次の通りである。
○:50mJ/cm2未満
△:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満
×:100mJ/cm2以上
[直線性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:直線性良好
△:部分的に直線性不良
×:直線性不良
[パターン形状評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ンの断面について、電子顕微鏡を用いて観察して評価を行った。パターン断面は順テーパーが良好である。評価のランクは次の通りである。
○:断面が順テーパー形状
△:部分的に順テーパー形状不良
×:断面が逆テーパー形状
[解像性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの25μmフォトマスク部分でのパターンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。解像性不良とは、隣接するストライプパターンが繋がったり、欠けが発生したりすることである。評価のランクは次の通りである。
○:解像性および直線性良好
△:直線性の点でやや劣るが解像性良好
×:部分的に解像性不良
Figure 2013134321
Figure 2013134321
Figure 2013134321
Figure 2013134321
表2〜表5に示すように、赤色顔料及び/または黄色顔料と、酸化防止剤(C)として、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有する本発明の感光性着色組成物を用いて形成されてなるフィルタセグメントは、明度差、直線性、パターン形状、及び解像性のいずれも良好であった。
比較例1〜17のように酸化防止剤(C)を含まない場合、及び酸化防止剤(c2)のみの場合では、加熱工程での黄変が抑制できてないために、明度の低下が大きい結果となった。また酸化防止剤(c1)の単独使用の場合には、感度特性、フィルタセグメントの直線性、解像度が悪い結果であった。

Claims (4)

  1. 顔料(A)と、バインダー樹脂(B)と、酸化防止剤(C)と、光重合開始剤(D)と、光重合単量体(E)とを含有する感光性着色組成物であって、顔料(A)が、赤色顔料及び/または黄色顔料を含有し、酸化防止剤(C)が、フェノール系酸化防止剤(c1)と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤(c2)とを含有することを特徴とする感光性着色組成物。
  2. 光重合開始剤(D)が、オキシムエステル系化合物またはアセトフェノン系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性着色組成物。
  3. 酸化防止剤(C)の合計量が、感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性着色組成物。
  4. 基板上に、請求項1〜3いずれか1項に記載の感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
JP2011283603A 2011-12-26 2011-12-26 感光性着色組成物及びカラーフィルタ Pending JP2013134321A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011283603A JP2013134321A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 感光性着色組成物及びカラーフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011283603A JP2013134321A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 感光性着色組成物及びカラーフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013134321A true JP2013134321A (ja) 2013-07-08

Family

ID=48911058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011283603A Pending JP2013134321A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 感光性着色組成物及びカラーフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013134321A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015049513A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 東友ファインケム株式会社 感光性樹脂組成物、これを用いるカラーフィルタおよび液晶表示装置
KR20150032632A (ko) * 2013-09-18 2015-03-27 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 경화성 수지 조성물
JP2015131937A (ja) * 2013-12-11 2015-07-23 株式会社Adeka 着色性組成物
JP2016081055A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. 感光性樹脂組成物
KR20170087330A (ko) * 2016-01-20 2017-07-28 동우 화인켐 주식회사 적색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 컬러필터 및 표시장치

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015049513A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 東友ファインケム株式会社 感光性樹脂組成物、これを用いるカラーフィルタおよび液晶表示装置
KR20150032632A (ko) * 2013-09-18 2015-03-27 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 경화성 수지 조성물
KR102176644B1 (ko) 2013-09-18 2020-11-10 동우 화인켐 주식회사 착색 경화성 수지 조성물
JP2015131937A (ja) * 2013-12-11 2015-07-23 株式会社Adeka 着色性組成物
JP2016081055A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. 感光性樹脂組成物
KR20170087330A (ko) * 2016-01-20 2017-07-28 동우 화인켐 주식회사 적색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 컬러필터 및 표시장치
KR102350336B1 (ko) * 2016-01-20 2022-01-17 동우 화인켐 주식회사 적색 감광성 수지 조성물, 이를 포함하는 컬러필터 및 표시장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6750249B2 (ja) 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP4993026B1 (ja) カラーフィルタ用着色剤、着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5699293B2 (ja) カラーフィルタ用感光性着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5783086B2 (ja) カラーフィルタ用緑色着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5352886B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6607221B2 (ja) 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP2012208166A (ja) 緑色感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP5699292B2 (ja) カラーフィルタ用感光性着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5568804B2 (ja) ε型フタロシアニン顔料組成物およびその製造方法
JP5673111B2 (ja) 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP2013134321A (ja) 感光性着色組成物及びカラーフィルタ
JP2012177826A (ja) 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP5422244B2 (ja) 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP2013186149A (ja) カラーフィルタ用着色剤、着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5724537B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2008107683A (ja) 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP5779833B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2017111398A (ja) カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP2017003640A (ja) カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP2014118479A (ja) 黄色着色剤とその製造方法およびそれを用いたカラーフィルタ
JP2013186146A (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP5724117B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2018158962A (ja) ジケトピロロピロール顔料の製造方法
JP6878871B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5962069B2 (ja) 顔料誘導体、着色組成物およびカラーフィルタ