[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2013134358A - 防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法 - Google Patents

防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013134358A
JP2013134358A JP2011284260A JP2011284260A JP2013134358A JP 2013134358 A JP2013134358 A JP 2013134358A JP 2011284260 A JP2011284260 A JP 2011284260A JP 2011284260 A JP2011284260 A JP 2011284260A JP 2013134358 A JP2013134358 A JP 2013134358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
composition
antiglare layer
solvent
antiglare
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011284260A
Other languages
English (en)
Inventor
Junya Eguchi
淳哉 江口
Yu Kitamura
祐 北村
Shoichiro Okumi
尚一郎 小久見
Gen Furui
玄 古井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2011284260A priority Critical patent/JP2013134358A/ja
Publication of JP2013134358A publication Critical patent/JP2013134358A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】ハードコート性と防眩性とを維持しつつ薄膜化でき、面ギラの発生と、白ぼけの発生とを極めて高いレベルで抑制でき、高コントラストの優れた表示画像を得ることができる防眩性フィルムの防眩層を製造することができる、防眩層用組成物を提供する。
【解決手段】光透過性基材の一方の面上に表面に凹凸形状を有する防眩層を形成するための防眩層用組成物であって、シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有し、上記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有することを特徴とする防眩層用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法に関する。
陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電子ペーパー、タブレットPC、タッチパネル等の画像表示装置においては、一般に最表面には反射防止のための光学積層体が設けられている。
このような反射防止用の光学積層体は、光の散乱や干渉によって、像の映り込みを抑制したり反射率を低減したりするものである。
反射防止用光学積層体の1つとして、透明性基材の表面に凹凸形状を有する防眩層を形成した防眩性フィルムが知られている。この防眩性フィルムは、表面の凹凸形状によって外光を散乱させて外光の反射や像の映り込みによる視認性の低下を防止することができる。
また、この光学積層体は、通常、画像表示装置の最表面に設置されるものであるため、取り扱い時に傷がつかないように、ハードコート性を付与することも要求される。
従来の防眩性フィルムとしては、例えば、光透過性基材の表面に、二酸化ケイ素(シリカ)等のフィラーを含む樹脂を塗工して防眩層を形成したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
これらの防眩性フィルムは、凝集性シリカ等の粒子の凝集によって防眩層の表面に凹凸形状を形成するタイプ、塗膜の膜厚以上の粒径を有する有機フィラーを樹脂中に添加して層表面に凹凸形状を形成するタイプ、あるいは層表面に凹凸をもったフィルムをラミネートして凹凸形状を転写するタイプがある。
ところが、このような従来の防眩性フィルムは、いずれのタイプでも、防眩層の表面形状の作用により、光拡散・防眩作用を得るようにしていて、防眩性を高めるためには凹凸形状を粗く、多くする必要があるが、凹凸が粗く、多くなると、塗膜の曇価(ヘイズ値)が上昇して白ぼけが発生し、表示画像のコントラストが低下するという問題があった。
また、従来のタイプの防眩性フィルムは、フィルム表面に、いわゆる面ギラと呼ばれるキラキラ光る輝きが発生し、表示画面の視認性が低下するという問題もあった。面ギラは、画像表示装置を点灯した際、背面からの透過光が画面に到達したときに、画面表面に細かい輝度のむらが現れ、観察者が見る角度を変えていくと、その輝度むらの位置が移り変わっていくように見える現象で、特に全面白色表示や全面緑色表示のときに顕著である。
特に、近年においては、家庭でも、映画等の高度な画質を表示したディスプレイを鑑賞する機会が増えたため、高いコントスラトに対する要求が高まっている。かかる要求を解決する方法として、例えば、ハードコート層と防眩層とをそれぞれ積層形成してなる防眩性フィルムが知られている(例えば、特許文献3参照)。このような層構成の反射防止フィルムは、防眩層表面の細かな凹凸形状をハードコート層の樹脂によりスムージングすることで滑らかな、凸部と凸部の間隔が大きく、凸部高さが従来よりも低い凹凸に変換させて、ハードコート性と防眩性とを維持しつつ、面ギラ及び白ぼけの発生の抑制を図ることができるものであったが、膜厚が10μm以上になるなど厚くなってしまい、近年の防眩性フィルムの薄膜化の要請に充分応えることができなかった。
また、有機微粒子或いは無機微粒子を単独で用いて層表面に凹凸形状を形成する場合、防眩性フィルムの薄膜化を図ると、微粒子が防眩層の上部に存在しすぎたり、微粒子が高さ方向に凝集したりすることがあるため、表面凹凸が高くなってしまい、面ギラ或いは白ぼけが発生していた。この欠点を解消すべく、有機微粒子或いは無機微粒子の平均粒径を小さくして、表面凹凸の高さを低くしようとすると、反対に表面凹凸の高さが低くなりすぎて、防眩性がなくなってしまいやすく、安定して良好な製品を得ることはできなかった。
このため、滑らかな凹凸表面を有する防眩層であって、ハードコート性と防眩性とを維持しつつ、面ギラ及び白ぼけを充分に抑制でき、かつ暗室でのコントラストが優れる一層構成の防眩層を備えた防眩性フィルムが望まれていた。
特開平6−18706号公報 特開平10−20103号公報 WO2006−088202号公報
本発明は、上記現状に鑑みて、ハードコート性と防眩性とを維持しつつ薄膜化でき、面ギラの発生と、白ぼけの発生とを極めて高いレベルで抑制でき、高コントラストの優れた表示画像を得ることができる防眩性フィルムの防眩層を製造することができる、防眩層用組成物、該防眩層用組成物の調製方法及び該防眩層用組成物の調製方法により得られた防眩層用組成物を用いた防眩性フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、光透過性基材の一方の面上に表面に凹凸形状を有する防眩層を形成するための防眩層用組成物であって、シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有し、上記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有することを特徴とする防眩層用組成物である。
本発明の防眩層用組成物において、上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤は、エタノール及び/又はイソプロピルアルコールであることが好ましい。
上記バインダー樹脂は、分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーを主材料とすることが好ましい。
また、上記シリカ微粒子は、表面処理されていることが好ましい。
また、上記有機微粒子は、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びポリフッ化エチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の材料からなる微粒子であることが好ましく、表面親水化処理されていることが好ましい。
また、本発明は、シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有する防眩層用組成物の調製方法であって、上記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有するものであり、上記溶剤に、上記有機微粒子及び上記バインダー樹脂のモノマー成分を添加し、混合物を調製する工程、及び、上記混合物に、上記シリカ微粒子を添加する工程を有することを特徴とする防眩層用組成物の調製方法でもある。
また、本発明は、光透過性基材の一方の面上に表面に凹凸形状を有する防眩層を有する防眩性フィルムの製造方法であって、上記光透過性基材の一方の面上に、本発明の防眩層用組成物の調製方法により得られた防眩層用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程、上記塗膜を乾燥させる工程、及び、乾燥させた上記塗膜を硬化させる工程を有することを特徴とする防眩性フィルムの製造方法でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、光透過性基材上に表面に凹凸形状を有する防眩層を備えた防眩性フィルムについて、鋭意検討した結果、シリカ微粒子、有機微粒子及びバインダー樹脂のモノマー成分とともに、溶剤として極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を所定量含有する防眩層用組成物は、シリカ微粒子と有機微粒子とを特定の分散状態となるように含有させた防眩層を形成することができることを見出した。そして、このような防眩層を備えた防眩性フィルムは、単一の微粒子(例えば、有機微粒子)により防眩層表面の凹凸形状を形成した場合と比較して、より滑らかな凹凸形状とすることができ、その結果、ハードコート性と防眩性とを維持しつつ薄膜化でき、面ギラの発生と、白ぼけの発生とを充分に抑制した防眩性フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、このような防眩層用組成物は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を所定量含有する溶剤を特定のタイミングで添加することで好適に調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の防眩層用組成物は、シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有する。
本発明の防眩層用組成物において、上記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含有する。このような極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含有することで、本発明の防眩層用組成物中で後述するシリカ微粒子の凝集体が過度に凝集することを防止できる。一方、本発明の防眩層用組成物を用いて光透過性基材上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させた際、上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤が他の溶剤よりも先に揮発するため、塗膜中の組成が変性し、その結果、該塗膜中で上記有機微粒子の周囲に後述する上記シリカ微粒子の凝集体が寄り集まるとともに、シリカ微粒子の凝集体同士も寄り集まって、シリカ微粒子の凝集体が粗密な状態、及び、上記有機微粒子の周囲に密に分布した状態を形成することができる。
上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤は、本発明の防眩層用組成物に含まれる全溶剤中20質量%以上含有する。20質量%未満であると、本発明の防眩層用組成物中で、シリカ微粒子の凝集体が生じてしまい、防眩層の表面に所望の凹凸形状を形成できなくなったり、防眩層用組成物中で微粒子同士の凝集による沈降が発生する。上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤の含有量は、50質量%以下であることが好ましい。50質量%を超えると、乾燥の際に、上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤が残りやすくなるため、塗膜中で上記シリカ微粒子と有機微粒子とを好ましい分布状態にすることができなくなる。
なお、本明細書において、「極性が高い溶剤」とは、溶解度パラメータが10[(cal/cm1/2]以上の溶剤を意味し、「揮発速度が速い溶剤」とは、相対蒸発速度が150以上の溶剤を意味する。従って、上記「極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤」とは、上記「極性が高い溶剤」及び「揮発速度が速い溶剤」の両方の要件を充足する溶剤を意味する。
本明細書において、上記溶解度パラメーターは、Fedorsの方法で計算される。Fedorsの方法は、例えば「SP値 基礎・応用と計算方法」(山本秀樹著 株式会社情報機構発行、2005年)に記載されている。Fedorsの方法において、溶解度パラメーターは下記式より算出される。
溶解度パラメーター=[ΣEcoh/ΣV]
上記式中、Ecohは凝集エネルギー密度、Vはモル分子容である。原子団ごとに決められたEcoh及びVに基づき、Ecoh及びVの総和であるΣEcoh及びΣVを求めることによって、溶解度パラメーターを算出することができる。
また、本明細書において、上記相対蒸発速度とは、n−酢酸ブチルの蒸発速度を100とした時の相対蒸発速度をいい、ASTM D3539−87に準拠して測定される蒸発速度で、下記式により算出される。具体的には、25℃、乾燥空気下におけるn−酢酸ブチルの蒸発時間と各溶剤の蒸発時間を測定し算出する。
相対蒸発速度=(n−酢酸ブチル90重量%が蒸発するのに要する時間)/(測定溶剤の90重量%が蒸発するのに要する時間)×100
上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等が好適に挙げられる。なかでも、イソプロピルアルコールがより好適に用いられる。
上記防眩層用組成物に含まれるその他の溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
本発明の防眩層用組成物において、上記シリカ微粒子は、該組成物中では後述する凝集体を形成しているが均一に分散した状態であることが好ましく、本発明の防眩層用組成物を用いてなる塗膜を乾燥させたときに粗密に分布し、更に、上記有機微粒子の周囲に密に分布することが好ましい。本発明の防眩層用組成物中で上記シリカ微粒子の凝集体が均一に分散した状態でないと、本発明の防眩層用組成物中で凝集が過度に進んでしまい、上記シリカ微粒子の巨大な凝集体となって、所望の滑らかな凹凸形状を有する防眩層を形成することができなくなるからである。
本発明の防眩層用組成物において、上記シリカ微粒子は、本発明の防眩層用組成物を増粘させることができる材料である。このため、上記シリカ微粒子を含有することで、本発明の防眩層用組成物に含まれる有機微粒子の沈降を抑制できる。すなわち、上記シリカ微粒子は、後述する防眩層における有機微粒子とシリカ微粒子の凝集体との所定の分布の形成促進機能とともに、防眩層用組成物のポットライフの向上機能も有すると推測される。
上記シリカ微粒子としては、表面処理されていることが好ましい。上記シリカ微粒子が表面処理されていることで、形成した防眩層中において該シリカ微粒子を粗密に分布する程度を好適に制御することができ、また、上述した有機微粒子の周囲へ分布する効果を適度な範囲に制御できる。また、シリカ微粒子自体の耐薬品性及び耐ケン化性の向上を図ることもできる。なお、上記シリカ微粒子の防眩層中での分布については後で詳述する。
上記表面処理としては、例えば、上記シリカ微粒子を、オクチルシランを有するシランカップリング剤で処理する方法等が挙げられる。
ここで、通常、上記シリカ微粒子の表面には水酸基が存在しているが、上記表面処理がされることで上記シリカ微粒子表面の水酸基が少なくなり、上記シリカ微粒子の比表面積が小さくなる。その結果、上記シリカ微粒子が過度に凝集することを防止でき、上述した効果が発揮される。
また、上記シリカ微粒子は、非晶質シリカからなることが好ましい。上記シリカ微粒子が結晶性シリカからなる場合、その結晶構造中に含まれる格子欠陥により、シリカ微粒子のルイス酸性が強くなってしまい、上述したシリカ微粒子の過度の凝集を制御できなくなることがある。
ここで、本発明の防眩層用組成物において、上記シリカ微粒子は、凝集体を形成しているが均一に分散していることが好ましいが、防眩層を形成した場合、該シリカ微粒子の凝集体は、粗密に分布し、更に有機微粒子の周囲に密に分布して含有されていることが好ましい。本発明の防眩層用組成物中で上記シリカ微粒子の凝集体が均一に分散した状態でないと、本発明の防眩層用組成物中で凝集が過度に進んでしまい、上記シリカ微粒子の巨大な凝集体となって、後述する滑らかな凹凸形状を有する防眩層を形成することができなくなるからである。
上記防眩層中で上記シリカ微粒子の凝集体が上記状態で含有されていることで、後述するように、上記防眩層の表面に形成された凹凸形状が、単一の微粒子(例えば、有機微粒子等)又は単一粒子の凝集体(例えば、シリカ微粒子の凝集体)により防眩層の表面に形成された凹凸形状と比較して、凸部の傾斜が緩やかとなり滑らかな形状となる。これは、後述するように、形成する防眩性フィルムでは、上記シリカ微粒子と有機微粒子とが防眩層中で特定の状態で分布しているためであると推測される。
このようなシリカ微粒子としては、それ自身が凝集しやすく後述する凝集体を形成しやすいことから、例えば、フュームドシリカが好適に用いられる。ここで、上記フュームドシリカとは、乾式法で作成された200nm以下の粒径を有する非晶質のシリカをいい、ケイ素を含む揮発性化合物を気相で反応させることにより得られる。具体的には、例えば、ケイ素化合物、例えば、SiClを酸素と水素の炎中で加水分解して生成されたもの等が挙げられる。具体的には、例えば、AEROSIL R805(日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記シリカ微粒子の含有量としては特に限定されないが、形成する防眩層中で0.1〜5.0質量%となる量であることが好ましい。0.1質量%未満であると、上述した有機微粒子の周囲に密な分布を充分に形成できないことがあり、5.0質量%を超えると、白ぼけの問題が生じることがある。より好ましい下限は0.5質量%、より好ましい上限は3.0質量%である。
上記シリカ微粒子は、平均1次粒子径が1〜100nmであることが好ましい。1nm未満であると、上述した有機微粒子の周囲に密な分布を充分に形成できないことがあり、100nmを超えると、上記有機微粒子の周囲に密な分布を充分に形成できないことがある。より好ましい下限は5nm、より好ましい上限は50nmである。
なお、上記シリカ微粒子の平均1次粒子径は、断面電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型で倍率は5万倍以上が好ましい)の画像から、画像処理ソフトウェアーを用いて測定される値である。
また、本発明において、上記シリカ微粒子の凝集体は、形成する防眩層中で上述したシリカ微粒子が数珠状に連なった構造を形成している。
上記防眩層中で上記シリカ微粒子が数珠状に連なった凝集体を形成していることで、後述するように好適に上記防眩層の表面凹凸形状を滑らかな形状とすることができる。
なお、上記シリカ微粒子が数珠状に連なった構造とは、例えば、上記シリカ微粒子が直線状に連続して連なった構造(直鎖構造)、該直鎖構造が複数絡み合った構造、上記直鎖構造にシリカ微粒子が複数連続して形成された側鎖を1又は2以上有する分岐構造等、任意の構造が挙げられる。
また、上記シリカ微粒子の凝集体は、平均粒子径が100nm〜1μmであることが好ましい。100nm未満であると、有機微粒子の周囲に密な分布を充分に形成できないことがあり、1μmを超えると、上記有機微粒子の周囲に密な分布を充分に形成できないことがあるほか、シリカ微粒子の凝集体により光が拡散され、製造する防眩性フィルムを用いた画像表示装置の暗室コントラストが劣ることがある。上記凝集体の平均粒子径のより好ましい下限は200nm、より好ましい上限は800nmである。
なお、上記シリカ微粒子の凝集体の平均粒子径は、形成する防眩層の断面電子顕微鏡による観察(1万〜2万倍程度)からシリカ微粒子の凝集体が多く含まれる5μm四方の領域を選び、その領域中のシリカ微粒子の凝集体の粒子径を測定し、上位10個のシリカ微粒子の凝集体の粒子径を平均したものである。なお、上記「シリカ微粒子の凝集体の粒子径」は、シリカ微粒子の凝集体の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。また、上記シリカ微粒子の凝集体の粒子径は、画像解析ソフトを用いて算出してもよい。
上記有機微粒子は、主として形成する防眩層の表面に凹凸形状を形成する、粒子径が比較的揃った微粒子であることが好ましい。なお、上記シリカ微粒子は、上述のように防眩層中で凝集体を形成して粗密に分布していることが好適な状態にあり、防眩層中では粒子径のバラツキが比較的大きい凝集体であることが好ましい。
本発明の防眩層用組成物がこのような粒子径の関係を有する2種の微粒子を含有することで、本発明の防眩層用組成物を用いて形成した防眩層は、粒子径の揃った有機微粒子の間に粒子径のバラツキが大きいシリカ微粒子が入り込んだ構造を構成しやすく、上述した滑らかな凹凸形状を防眩層表面に好適に形成することができる。
ここで、上記「粒子径が比較的揃った微粒子」とは、重量平均による微粒子の平均粒径をMV、累積25%径をd25、累積75%径をd75としたとき、(d75−d25)/MVが0.25以下であった場合を意味し、上記「粒子径のバラツキが比較的大きい粒子」とは、上記(d75−d25)/MVが0.25を超える場合を意味する。なお、累積25%径とは、粒径分布における粒径の小さい粒子からカウントして、25質量%となったときの粒子径をいい、累積75%径とは、同様にカウントして75質量%となったときの粒子径をいう。なお、上記重量平均による微粒子の平均粒径、累積25%径及び累積75%径は、コールターカウンター法による重量平均径として計測することができる。
また、上記有機微粒子及びシリカ微粒子は、単粒子状態での形状が球状であることが好ましい。上記有機微粒子及びシリカ微粒子の単粒子がこのような球状であることで、本発明の防眩性フィルムを画像表示装置に適用した場合、高コントラストの表示画像を得ることができる。
なお、上記「球状」とは、例えば、真球状、楕円球状等が挙げられ、いわゆる不定形を除く意味である。
また、上記有機微粒子は、主に防眩層の表面凹凸形状を形成する微粒子であり、屈折率や粒径の制御が容易な微粒子である。このような有機微粒子を含むことで、防眩層に形成される凹凸形状の大きさや防眩層の屈折率の制御が容易となり、防眩性の制御並びに面ギラ及び白ぼけの発生を抑制することができる。
上記有機微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びポリフッ化エチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の材料からなる微粒子であることが好ましい。なかでも、スチレン−アクリル共重合体微粒子が好適に用いられる。
また、上記有機微粒子は、表面親水化処理されていることが好ましい。上記有機微粒子が表面親水化処理されていることで、上記シリカ微粒子との親和性が高まり、形成する防眩層中で上記有機微粒子の周囲に上記シリカ微粒子を密に分布させることが容易となる。
上記親水化処理としては特に限定されず公知の方法が挙げられるが、例えば、カルボン酸基や水酸基等の官能基を有するモノマーを上記有機微粒子の表面に共重合させる方法等が挙げられる。
なお、通常、表面親水化処理された有機微粒子は、防眩層中でゆるやかに集まらせることができないため、防眩層の表面に充分な凹凸形状を形成することができず防眩性能が劣ることとなる。しかしながら、本発明により形成される防眩層では、上記シリカ微粒子が凝集体を形成して防眩層中で粗密に含有され、更に上記有機微粒子の周囲に上記シリカ微粒子の凝集体が密に分布しているため、表面親水化処理された有機微粒子を含有する防眩層であっても所望の凹凸形状を形成することができる。
上記有機微粒子の含有量としては、形成する防眩層中で0.5〜10.0質量%となる量であることが好ましい。0.5質量%未満であると、形成する防眩層の防眩性能が不充分となることがあり、10.0質量%を超えると、形成する防眩層に白ぼけの問題が生じることがあり、また、製造した防眩性フィルムを画像表示装置に用いた場合に表示画像のコントラストに劣ることがある。より好ましい下限は1.0質量%、より好ましい上限は8.0質量%である。
また、上記有機微粒子の大きさは、形成する防眩層の厚さ等に合わせて適宜決定されるが、例えば、平均粒子径が0.3〜5.0μmであることが好ましい。0.3μm未満であると、有機微粒子の分散性が制御できなくなる恐れがあり、5.0μmを超えると、形成する防眩層表面の凹凸形状が大きくなって、面ギラの問題が生じることがある。より好ましい下限は1.0μm、より好ましい上限は3.0μmである。
また、上記有機微粒子の平均粒子径は、形成する防眩層の厚さに対して20〜60%であることが好ましい。60%を超えると、有機微粒子が形成する防眩層の最表面に突出し、また有機微粒子により生じる凹凸が急峻なものとなる恐れがある。20%未満であると、充分な凹凸形状を防眩層表面に形成できなくなって、形成する防眩層の防眩性能が不充分となることがある。
なお、上記有機微粒子の平均粒子径は、有機微粒子単独で測定する場合、コールターカウンター法による重量平均径として計測できる。一方、形成した防眩層中の有機微粒子の平均粒径は、防眩層の透過光学顕微鏡観察において、10個の粒子の最大径を平均した値として求められる。もしくはそれが不適な場合は、粒子中心近傍を通る断面の電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型が好ましい)観察において、任意の同じ種類で、ほぼ同じ位の粒径として観察される拡散粒子30個選択して(粒子のどの部位の断面であるか不明であるためn数を増やしている)その断面の最大粒径を測定し、その平均値として算出される値である。いずれも画像から判断するため、画像解析ソフトにて算出してもよい。
上記バインダー樹脂のモノマー成分としては、分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーを主材料とすることが好ましい。上記「分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーを主材料とする」とは、上記バインダー樹脂の原料モノマー中、分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーの含有量が最も多いことを意味する。上記分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーは、疎水性モノマーであるため、本発明の防眩層用組成物を用いて形成した防眩層に含まれるバインダー樹脂は、疎水性樹脂であることが好ましい。バインダー樹脂が水酸基を持つような親水性の樹脂が主体となると、上述した極性の高い溶剤(例えば、イソプロピルアルコール)が蒸発しにくくなり、後述するが、上記シリカ微粒子が有機微粒子に付着及び/又は含浸し難くなる。そのため、その後にシリカ微粒子のみで凝集が進んでしまい、防眩層の表面に面ギラを悪化させるような凸部を形成してしまう恐れがある。
上記分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。なかでも、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)が好適に用いられる。
また、上記防眩層用組成物に含まれていてもよいその他のバインダー樹脂のモノマー成分としては、透明性のものが好ましく、例えば、紫外線又は電子線により硬化する電離放射線硬化型樹脂が紫外線又は電子線の照射により硬化したものであることが好ましい。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー等も包含する概念である。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、本発明では、上記電離放射線硬化型樹脂として、上述した化合物をPO、EO等で変性したものも使用できる。
上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。
上記電離放射線硬化型樹脂は、溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)と併用して使用することもできる。溶剤乾燥型樹脂を併用することによって、防眩層を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。
上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
また、本発明の防眩層用組成物は、熱硬化性樹脂を含有していてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
本発明の防眩層用組成物は、更に光重合開始剤を含有することが好ましい。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、上記バインダー樹脂のモノマー成分がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。また、上記バインダー樹脂のモノマー成分がカチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、上記光重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
本発明の防眩層用組成物における上記光重合開始剤の含有量は、上記バインダー樹脂のモノマー成分100質量部に対して、0.5〜10.0質量部であることが好ましい。0.5質量部未満であると、形成する防眩層のハードコート性能が不充分となることがあり、10.0質量部を超えると、逆に硬化を阻害する可能性も出てくるため、好ましくない。
本発明の防眩層用組成物における原料の含有割合(固形分)としては特に限定されないが、通常は5〜70質量%、特に25〜60質量%とすることが好ましい。
本発明の防眩層用組成物には、防眩層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
上記レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が挙げられ、好ましくはパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤等が、形成する防眩層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成する防眩層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
また、上記ベナードセル構造は、防眩層の表面の凹凸が大きくなりすぎて白ぼけ、面ギラに悪影響を及ぼす。前述のようなレベリング剤を用いると、この対流を防止することができるため、欠陥やムラのない凹凸膜が得られるだけでなく、凹凸形状の調整も容易となる。
また、本発明の防眩層用組成物は、光増感剤を混合して用いてもよく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
このような本発明の防眩層用組成物の調製方法もまた、本発明の一つである。
すなわち、本発明の防眩層用組成物の調製方法は、シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有する防眩層用組成物の調製方法であって、上記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有するものであり、上記溶剤に、上記有機微粒子及び上記バインダー樹脂のモノマー成分を添加し、混合物を調製する工程、及び、上記混合物に、上記シリカ微粒子を添加する工程を有することを特徴とする。
本発明の防眩層用組成物の調製方法において、上記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有するものである。このような溶剤としては、上述した本発明の防眩層用組成物において説明した溶剤が挙げられる。
また、本発明の防眩層用組成物の調製方法は、上記溶剤に、上記有機微粒子及び上記バインダー樹脂のモノマー成分を添加し、混合物を調製する工程を有する。
上記有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び上記溶剤を添加して混合物を調製する方法としては特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ディスパー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
本工程において、上記有機微粒子及びバインダー樹脂のモノマー成分の添加量は、上述した本発明の防眩層用組成物において説明した範囲となるよう調整することが好ましい。
本工程では、更に、上述した光重合開始剤やその他の分散剤等を添加してもよい。
また、本工程で調製する混合物における固形分量としては特に限定されないが、好ましくは、10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
本発明の防眩層用組成物の調製方法は、上記混合物に、上記シリカ微粒子を添加する工程を有する。
本工程を行うことで、上述した本発明の防眩層用組成物を調製することができる。
上記混合物に、上記シリカ微粒子を添加する方法としては、上記シリカ微粒子を上記溶剤に分散させた状態で添加する方法が挙げられる。このとき、上記シリカ微粒子を分散させる溶剤は、上述した極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含有する必要はない。すなわち、上記シリカ微粒子を分散させる溶剤の量を適宜調整し、本工程を経て得られる防眩層用組成物における、上記極性が高くかつ揮発速度の速い溶剤の含有量及び固形分を、本発明の防眩層用組成物において説明した範囲とすることが好ましい。
上記溶剤に分散させたシリカ微粒子を上記混合物に添加し、本発明の防眩層用組成物を調製する方法としては、上述した混合物を調製する方法と同様の方法が挙げられる。
ここで、上記溶剤に所定量含まれる極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤は、シリカ微粒子と有機微粒子との凝集を生じにくくする性質を有するが、上述したように、上記シリカ微粒子は、表面処理されたものであることが好ましく、上記有機微粒子は、表面親水化処理されたものであることが好ましい。上記シリカ微粒子と有機微粒子の表面処理や表面親水化処理は、シリカ微粒子と有機微粒子との凝集を生じやすくするため、上記シリカ微粒子及び有機微粒子を極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含まない状態で混合すると、防眩層用組成物中で凝集が生じやすくなり、沈降が生じてしまうことがある。
これに対して、本発明の防眩層用組成物の調製方法は、上記有機微粒子を上記極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を含む溶剤に分散させた後に、シリカ微粒子を添加する。このため、調製される防眩層用組成物におけるシリカ微粒子と有機微粒子とは、凝集することがなく、均一に分散した状態とすることができる。
このような本発明の防眩層用組成物の調製方法により得られた防眩層用組成物を用いて表面に凹凸形状を有する防眩層を有する防眩性フィルムを製造することができる。
このような防眩性フィルムの製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、光透過性基材の一方の面上に表面に凹凸形状を有する防眩層を有する防眩性フィルムの製造方法であって、上記光透過性基材の一方の面上に、本発明の防眩層用組成物の調製方法により得られた防眩層用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程、上記塗膜を乾燥させる工程、及び、乾燥させた上記塗膜を硬化させる工程を有することを特徴とする防眩性フィルムの製造方法である。
このような防眩性フィルムの製造方法もまた、本発明の一つである。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、上記光透過性基材の一方の面上に、本発明の防眩層用組成物の調製方法により得られた防眩層用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程を有する。
上記光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記光透過性基材は、上記熱可塑性樹脂を柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板の板状体のものを使用してもよい。
その他、上記光透過性基材としては、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムが挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が用いられる基材で、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製のスミライトFS−1700、JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材の厚さとしては、フィルム状体の場合、20〜300μmであることが好ましく、より好ましくは下限が30μmであり、上限が200μmである。光透過性基材が板状体の場合には、これらの厚さを超える厚さであってもよい。上記光透過性基材は、その上に上記ハードコート層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的又は化学的な処理のほか、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布が予め行われていてもよい。
本発明の防眩層用組成物を上記光透過性基材上に塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法を挙げることができる。
また、本発明の防眩層用組成物の塗布量として特に限定されず、目的とする防眩層の厚みに応じて適宜調整される。
なお、本工程により形成された塗膜中の上述したシリカ微粒子の凝集体及び有機微粒子は、それぞれ均一に分散した状態にあることが好ましい。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、上記塗膜を乾燥させる工程を有する。
上記塗膜を乾燥させる方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の任意の方法が挙げられる。
ここで、上記塗膜には、上述した極性が高くかつ乾燥速度が速い溶剤を所定量含有されているため、本工程で上記塗膜を乾燥させると、上記塗膜に含有される溶剤が揮発するが、まず、上記極性が高くかつ乾燥速度が速い溶剤が揮発する。この極性が高くかつ乾燥速度が速い溶剤は、上述したように、上記シリカ微粒子の凝集体と有機微粒子との凝集を生じにくくする性質を有するため、本工程で先に極性が高くかつ乾燥速度が速い溶剤が揮発することで、塗膜形成時の組成が変性し、その結果、該塗膜中で上記有機微粒子の周囲に上記シリカ微粒子の凝集体が寄り集まるとともに、シリカ微粒子の凝集体同士も寄り集まって、シリカ微粒子の凝集体が粗密な状態、及び、上記有機微粒子の周囲に密に分布した状態を形成することができる。
なお、上記「粗密に分布している」とは、上記塗膜には、上記シリカ微粒子の凝集体が密に分布している領域(多数のシリカ微粒子が存在している領域)と、上記シリカ微粒子の凝集体が粗に分布している領域(殆どシリカ微粒子が存在しない領域)とが複数存在していることを意味する。すなわち、上記乾燥後の塗膜中に、上記シリカ微粒子は、不均一に分散している。
このようなシリカ微粒子の分布は、後述工程を経て形成した防眩層の断面顕微鏡観察にて容易に判別することができる。より具体的には、上記シリカ微粒子の凝集体が密に分布している領域(電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型が好ましい)にて倍率1万倍の条件で防眩層の厚み方向の任意の断面を観察したときに、2μm四方の観察領域に占めるシリカ微粒子の凝集体の面積割合が5%以上である領域)と、上記シリカ微粒子の凝集体が粗に分布している領域(電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型が好ましい)にて倍率1万倍の条件で防眩層の厚み方向の任意の断面を観察したときに、2μm四方の観察領域に占めるシリカ微粒子の凝集体の面積割合が1%未満である領域)とが複数存在していることを意味する。すなわち、上記防眩層中に、上記シリカ微粒子の凝集体は、不均一に分散している。
なお、このようなシリカ微粒子の凝集体の分布は、上記防眩層の厚み方向の断面電子顕微鏡観察にて容易に判別することができる。例えば、図2は、本発明により製造した防眩性フィルムの断面STEM写真であるが、図2において、中央付近の濃色帯状領域が上記防眩層の断面であり、該防眩層の断面において、黒く斑に観察される部分が上記シリカ微粒子の凝集体であり、シリカ微粒子の凝集体が上記防眩層中で不均一に分散していることが明確に確認できる。また、上記シリカ微粒子の凝集体の面積割合は、例えば、画像解析ソフトを用いて算出することができる。
ここで溶剤相対蒸発速度、固形分濃度、塗布液温度、乾燥温度、乾燥風の風速、乾燥時間、乾燥ゾーンの溶剤雰囲気濃度等を選定することにより、有機微粒子及びシリカ微粒子の凝集体の分布状態を調整できる。
特に、乾燥条件の選定によって有機微粒子及びシリカ微粒子の凝集体の分布状態を調整する方法が簡便で好ましい。具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、乾燥風速では0.2〜50m/sであることが好ましく、この範囲内で適宜調整した乾燥処理を、1回又は複数回行うことで有機微粒子及びシリカ微粒子の凝集体の分布状態を所望の状態に調整することができる。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、上記乾燥させた塗膜を硬化させる工程を有する。
上記塗膜を硬化させる方法としては、上記乾燥させた塗膜に電離放射線を照射する方法が挙げられ、該電離放射線の照射方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源を用いる方法が挙げられる。
また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
上記工程を行うことで、単一の微粒子(例えば、有機微粒子)により防眩層表面の凹凸形状を形成した場合と比較して、より滑らかな凹凸形状を有する防眩層を形成することができ、その結果、ハードコート性と防眩性とを維持しつつ薄膜化でき、面ギラの発生と、白ぼけの発生とを充分に抑制した防眩性フィルムが得られる。
また、得られた防眩性フィルムは、上記防眩層中に有機微粒子を含有し、該有機微粒子の周囲に上記シリカ微粒子の凝集体が密に分布している。
なお、上記シリカ微粒子の凝集体は、上述したように、上記防眩層中で粗密に含有されているため、上記防眩層には、上記有機微粒子の周囲に多数のシリカ微粒子の凝集体が存在している領域と、上記シリカ微粒子の凝集体のみが密に分布している領域とが形成されている。例えば、図4は、本発明により得られた防眩性フィルムの防眩層の断面電子顕微鏡写真であるが、図4に示したように、有機微粒子の周囲にシリカ微粒子の凝集体が密に分布している状態は、上記防眩層の断面の電子顕微鏡観察により容易に確認することができる。
ここで、上記防眩層の断面を電子顕微鏡観察した場合、上記有機微粒子の周囲に密に分布したシリカ微粒子の凝集体は、有機微粒子の中心を通る断面だけではなく、該有機微粒子の中心からずれた断面においても密に分布している状態が観察される。
なお、上記「有機微粒子の周囲に上記シリカ微粒子の凝集体が密に分布している」とは、電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型が好ましい)にて倍率2万倍の条件で防眩層の厚み方向の上記有機微粒子が観察される断面を観察したときに、上記有機微粒子から200nm外側の円周内でかつ上記有機微粒子を除いた領域に占めるシリカ微粒子の凝集体の面積割合が10%以上である状態を意味する。
また、得られた防眩性フィルムにおいて、上記有機微粒子の周囲に密に分布したシリカ微粒子の凝集体は、上記有機微粒子の表面に付着及び/又は上記凝集体を構成するシリカ微粒子のうちの一部が内部に含浸している(なお、以下、このようなシリカ微粒子の凝集体は、有機微粒子の表面に付着等しているとも言うこととする)ことが好ましい。上記シリカ微粒子の凝集体が上記有機微粒子の表面に付着等していることで、異なる有機微粒子の表面に付着等したシリカ微粒子の間に働く凝集力を利用して、該異なる有機微粒子同士を集まらせることができる。このため、有機微粒子の添加量が少なくても、充分な防眩性を有する凹凸形状を形成することができる。
なお、有機微粒子が集まらせるとは、有機微粒子同士が完全に密着しているのではなく、防眩層の断面観察した折に最も近接する有機微粒子間距離が、その粒子の平均粒子径よりも小さい場合、又は、例えば、図4に示した中央上方に含有された有機微粒子と、右側下方に含有された有機微粒子のように、有機微粒子間を上記シリカ微粒子の凝集体が複数連続して連なっている場合を意味する。
なお、図3は、図2に示した防眩性フィルムの防眩層の断面電子顕微鏡写真を更に拡大した電子顕微鏡写真であるが、図3に示したように、上記有機微粒子の表面に付着等したシリカ微粒子の凝集体は、上記防眩層の断面の電子顕微鏡観察により容易に確認することができる。
上記有機微粒子の表面に上記シリカ微粒子の凝集体を付着させる方法としては、例えば、上述したように、有機微粒子の表面を親水化処理する方法等が挙げられる。
また、上記有機微粒子の表面から内部に上記シリカ微粒子の凝集体を構成するシリカ微粒子のうちの一部を含浸させる方法としては、例えば、防眩層を形成する際に、有機微粒子の架橋度を下げる方法や、有機微粒子を膨潤させることができる溶剤を防眩層用組成物の中に用いる方法等が挙げられる。
上記有機微粒子は、そのほぼ全表面で均等に上記シリカ微粒子の凝集体の付着等があることが好ましい。
上記有機微粒子の周囲に密に分布したシリカ微粒子の凝集体に占める、上記有機微粒子の表面に付着等しているシリカ微粒子の凝集体の割合は、電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型が好ましい)にて倍率2万倍の条件で防眩層の厚み方向の上記有機微粒子が観察される断面を顕微鏡観察したときに、上記有機微粒子から200nm外側の円周内でかつ上記有機微粒子を除いた領域のシリカ微粒子の凝集体のうち、面積割合で50%以上であることが好ましい。50%未満であると、防眩層中で有機微粒子同士を集まらせる効果が不充分となり、充分な防眩性能を有するだけの凹凸を形成できなくなることがある。
また、上記有機微粒子の表面に上記シリカ微粒子の凝集体を構成するシリカ微粒子のうちの一部が含浸している場合、該シリカ微粒子の凝集体は、上記有機微粒子の表面から500nmまで含浸していることが好ましい。500nmを超えてシリカ微粒子の凝集体を構成するシリカ微粒子を有機微粒子の表面から含浸させるには、有機微粒子を過度に膨潤させる必要があるため、防眩層用組成物の粘度が上がったり、ゲル化したりするため、均一な塗膜が得られないことがある。また、後述の緩やかな凹凸形状を、防眩層の表面に形成できないことがある。
このような特定の状態でシリカ微粒子の数珠状に連なった凝集体と有機微粒子とが防眩層に含有されていることで、得られる防眩性フィルムにおける防眩層は、単一の微粒子又はその凝集体により形成された凹凸形状よりも、凸部の傾斜が緩やかとなり滑らかな形状となる。この結果、製造する防眩性フィルムは、防眩性を維持しつつコントラストを向上させることができる。上記防眩層の表面に形成される凹凸形状の凸部の傾斜が緩やかとなり滑らかな形状を有することで、上記防眩層の表面に映り込んだ映像のエッヂ部分のみ鮮明に見えなくすることができるため防眩性が担保される。更に、このような凹凸形状を有する防眩層は、大きな拡散を無くすことができるため迷光発生を防ぐことができるとともに、正透過する部分を適度に持たせることもできるため、輝きを持つ映像で、かつ、明室及び暗室でのコントラストに優れたものとすることができる。
これは、以下に挙げる理由によるものと推測される。
すなわち、防眩層用組成物を塗布後、乾燥して溶剤が蒸発する際、粘度が低いとバインダー樹脂が有機微粒子の形状に追随した状態になりやすい。更に、バインダー樹脂は硬化するときに体積が収縮するが、有機微粒子は収縮することが無いため、バインダー樹脂のみが収縮することにより、有機微粒子に対応する位置の表面に形成される凸部が急峻な傾斜になりやすい。
しかしながら、有機微粒子の周りにシリカ微粒子の凝集体が密に分布することにより、上記防眩層用組成物の有機微粒子周りの粘度が上昇し、溶剤が蒸発する際、バインダー樹脂が有機微粒子の形状に追随し難く、また、その部分のバインダー(バインダー樹脂とシリカ微粒子からなる)は硬化収縮し難くなり、結果として、有機微粒子に対応する位置の表面に形成される凸部はなだらかな傾斜となりやすくなる。
このため、上記有機微粒子により防眩層の表面に形成される凹凸形状(凸部)の傾斜角が、微粒子単体で形成される凹凸形状(凸部)の傾斜角よりも緩やかなものになると推測される。
本発明の防眩性フィルムの製造方法により形成された防眩層は、表面に凹凸形状を有するものである。
また、上記防眩層の厚さとしては、2.0〜7.0μmであることが好ましい。2.0μm未満であると、防眩層表面が傷付きやすくなることがあり、7.0μmを超えると、防眩層が割れやすくなることがある。上記防眩層の厚さのより好ましい範囲は2.0〜5.0μmである。
上記防眩性フィルムは、上述したようにシリカ微粒子と有機微粒子とにより防眩層の表面に凹凸形状が形成されているため、該凹凸形状を滑らかなものとすることができる。上記防眩層の表面の凹凸形状としては、具体的には、上記防眩層表面の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の算術平均粗さをRaとし、凹凸の十点平均粗さをRzとした場合に、写り込んだ映像のエッヂ部分のみを鮮明に見えなくすることで防眩性を担保し、かつ、大きな拡散をなくして迷光発生を防ぐとともに正透過部分を適度に持たせることで、輝きを持つ映像でかつ明室及び暗室でのコントラストに優れた防眩フィルムを得るという観点により、下記式を満たすことが好ましい。θa、Ra、Rzが下限未満であると、外光の映り込みを抑えることができないことがある。また、θa、Ra、Rzが上限を超えると、正透過成分の減少により映像の輝きが減少したり、外光の拡散反射の増加による明室コントラストの低下や、透過映像光からの迷光が増加することにより暗室コントラストが低下したりするおそれがある。Smを下限未満にすると凝集の制御が困難となるおそれがある。一方、Smが上限を超えると、映像の細やかさが再現できず大味な映像になる等の不具合を生じるおそれがある。
50μm<Sm<600μm
0.1°<θa<1.5°
0.02μm<Ra<0.25μm
0.30μm<Rz<2.00μm
また、上記防眩層の凹凸形状は、より好ましくは、下記式を満たすことである。下記式を満たすと、外光による反射を防ぐことができ、更には、画像表示装置を黒表示にした状態での優れた艶黒感(画面表示における濡れたような艶のある黒色の再現性)を得ることができるという点において、より好ましい。θa、Ra、Rz及びSmが上限を超える、あるいは下限未満であると、艶黒感を得ることができない。
100μm<Sm<400μm
0.1°<θa<1.2°
0.02μm<Ra<0.15μm
0.30μm<Rz<1.20μm
上記防眩層の凹凸形状は、更に好ましくは、下記式を満たすことである。下記式を満たすと、外光による反射防止と、画像表示装置を黒表示にした状態での艶黒感がより一層優れたものとなる。
120μm<Sm<300μm
0.1°<θa<0.5°
0.02μm<Ra<0.12μm
0.30μm<Rz<0.80μm
なお、本明細書において、上記Sm、Ra及びRzは、JIS B 0601−1994に準拠する方法で得られる値であり、θaは、表面粗さ測定器:SE−3400 取り扱い説明書(1995.07.20改訂)(株式会社小坂研究所)に記載の定義により得られる値であり、図1に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h+h+h+・・・+h)のアークタンジェントθa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L}で求めることができる。
このようなSm、θa、Ra、Rzは、例えば、表面粗さ測定器:SE−3400/株式会社小坂研究所製等により測定して求めることができる。
上記防眩性フィルムは、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。85%未満であると、上記防眩性フィルムを画像表示装置の表面に装着した場合において、色再現性や視認性を損なうおそれがある。上記全光線透過率は、90%以上であることがより好ましく、91%以上であることが更に好ましい。
なお、上記全光線透過率は、JIS K7361に従い、村上色彩技術研究所社製「HM−150」等で測定できる。
また、上記防眩性フィルムは、ヘイズが15%未満であることが好ましい。上記防眩層は、含有する微粒子による内部拡散による内部ヘイズ及び最表面の凹凸形状による外部ヘイズからなってよく、内部拡散による内部ヘイズは、0%以上10%未満の範囲であることが好ましく、0%以上7%未満の範囲であることがより好ましく、0%以上5%未満の範囲であることが更に好ましい。なお、反射及び/又は透過において、1.0度以上2.5度未満の拡散角での強度を有する場合、上記内部ヘイズ及び/又は外部ヘイズは0%であることが最も好ましい。上記防眩層が、表面凹凸による拡散角が1.0度以上の拡散を有さないと防眩効果が見られず、内部拡散による拡散が1.0度以上の拡散を有さないと面ギラが強くなるためである。ここで、「1.0度以上2.5度未満の拡散角での強度を有する場合」とは、拡散角0度から2.4度まで0.1度毎の拡散光の強度を測定したときの総和に対する、拡散角1.0度から2.4度の拡散光の強度の総和が10%以上であることを言う。
なお、上記防眩性フィルムにおいて、上記シリカ微粒子としてフュームドシリカを用いることにより、上記防眩層の内部ヘイズ及び外部ヘイズをそれぞれ独立して制御することができる。また、フュームドシリカを用いることで、該フュームドシリカの平均粒子径が小さいために、内部ヘイズが発現せず、外部ヘイズのみを調整することができる。また、内部ヘイズの調整は有機粒子を用いて調整することができる。
上記ヘイズは、JIS K7136に従い、村上色彩技術研究所社製「HM−150」等で測定できる。
また、上記内部ヘイズは、以下のように求められる。
防眩性フィルムの防眩層の表面にある凹凸上に、表面凹凸を形成する樹脂と屈折率が等しいか屈折率差が0.02以下である樹脂をワイヤーバーで乾燥膜厚が8μm(完全に表面の凹凸形状がなくなり、表面が平坦とできる膜厚とする)となるように塗布し、70℃で1分間乾燥後、100mJ/cmの紫外線を照射して硬化する。これによって、表面にある凹凸がつぶれ、平坦な表面となったフィルムが得られる。ただし、この凹凸形状を有する防眩層を形成する組成物中にレベリング剤等が入っていることで、上記防眩層の表面に塗布する樹脂がはじきやすく濡れにくいような場合は、あらかじめ防眩層の表面をケン化処理(2mol/LのNaOH(又はKOH)溶液で55℃、3分浸した後、水洗し、キムワイプ(登録商標)等で水滴を完全に除去した後、50℃オーブンで1分乾燥)により、親水処理を施すとよい。
この表面を平坦にしたフィルムは、表面凹凸をもたないので、内部ヘイズだけを持つ状態となっている。このフィルムのヘイズを、JIS K−7136に従ってヘイズと同様な方法で測定することで、内部ヘイズを求めることができる。
また、上記外部ヘイズは、(ヘイズ−内部ヘイズ)として求めることができる。
また、上記防眩性フィルムは、白ぼけの発生をより好適に防止できることから、上記防眩層上に低屈折率層を有することが好ましい。
上記低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学積層体の表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率粒子を含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述した防眩層を構成するバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
また、上記低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。上記2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切持たないものである。
上記電離放射線で硬化する官能基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとしては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等もある。
上記熱硬化する極性基として好ましいのは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
更には、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、上記防眩層に記載したような各バインダー樹脂を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
上記低屈折率層の形成においては、低屈折率剤及び樹脂等を添加してなる低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5mPa・s(25℃)、好ましくは0.7〜3mPa・s(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止層を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ、密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
樹脂の硬化手段は、上述した防眩層で説明したものと同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
低屈折率層の層厚(nm)dは、下記式(1):
=mλ/(4n) (1)
(上記式中、
は低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
また、本発明にあっては、低屈折率層は下記式(2):
120<n<145 (2)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
上記防眩性フィルムは、また、本発明の効果が損なわれない範囲内で、必要に応じて他の層(帯電防止層、防汚層、接着剤層、他のハードコート層等)の1層又は2層以上を適宜形成することができる。なかでも、帯電防止層及び防汚層のうち少なくとも一層を有することが好ましい。これらの層は、公知の反射防止用積層体と同様のものを採用することもできる。
上記防眩性フィルムは、コントラスト比が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。80%未満であると、上記防眩性フィルムをディスプレイ表面に装着した場合において視認性を損なう恐れがある。なお、本明細書における、上記コントラスト比は、以下の方法により測定された値である。
すなわちバックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(サムスン社製 AMN−3244TP)を用い、該偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の輝度のLmaxを、クロスニコルに設置したときに通過する光の輝度のLminで割った値(Lmax/Lmin)をコントラストとし、防眩性フィルム(光透過性基材+防眩層等)のコントラスト(L)を、光透過性基材のコントラスト(L)で割った値(L/L)×100(%)をコントラスト比とする。
なお、上記輝度の測定は暗室下で行う。上記輝度の測定には、色彩輝度計(トプコン社製 BM−5A)を用い、色彩輝度計の測定角は、1°に設定し、サンプル上の視野φ5mmで測定する。また、バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が3600cd/mになるように設置する。
上記防眩性フィルムは、偏光素子の表面に、該防眩性フィルムにおける防眩層が存在する面と反対の面に設けることによって、偏光板とすることができる。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。上記偏光素子と上記防眩性フィルムとのラミネート処理においては、光透過性基材(トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
また、上記防眩性フィルム又は上記偏光板は、画像表示装置とすることもできる。
上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
上記の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。上記画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、上記防眩性フィルム又は偏光板が形成されてなるものである。
上記防眩性フィルムを有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は防眩性フィルムの下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記画像表示装置であるPDPは、表面ガラス基板(表面に電極を形成)と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板(電極および、微小な溝を表面に形成し、溝内に赤、緑、青の蛍光体層を形成)とを備えてなるものである。上記画像表示装置がPDPである場合、上記表面ガラス基板の表面、又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上述した防眩性フィルムを備えるものでもある。
上記画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質:発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置、又は、電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した防眩性フィルムを備えるものである。
上記画像表示装置は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPCなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、CRT、液晶パネル、PDP、ELD、FED、タッチパネル等の高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
本発明の防眩層用組成物は、上述した構成からなるものであるため、単一の微粒子(例えば、有機微粒子)により防眩層表面の凹凸形状を形成した場合と比較して、より滑らかな凹凸形状を有する防眩層を形成することができる。また、本発明の防眩層用組成物の調製方法は、シリカ微粒子を溶剤に添加する工程と、有機微粒子を溶剤に添加する工程とを有するため、シリカ微粒子と有機微粒子とが凝集することがない。
そして、本発明の防眩性フィルムの製造方法は、上述した方法で得られた防眩層用組成物を用いるため、ハードコート性と防眩性とを維持しつつ薄膜化でき、面ギラの発生と、白ぼけの発生とを充分に抑制した防眩性フィルムを製造することができる。
このため、本発明により得られた防眩性フィルムは、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー等に好適に適用することができる。
θaの測定方法の説明図である。 本発明により得られた防眩性フィルムの断面電子顕微鏡写真である。 図2の拡大電子顕微鏡写真である。 本発明により得られた防眩性フィルムの断面電子顕微鏡写真である。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(防眩層用組成物1の調製)
下記に示した配合をビーズミルにて分散し、混合物Aを得た。次に、下記に示した配合をビーズミルにて分散し混合物Bを得た。そして、混合物Aをディスパーで撹拌しながら、混合物Bを徐々に加えていき、防眩層用組成物1を得た。
(混合物A)
有機微粒子(親水化処理アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径2.0μm、屈折率1.55、積水化成品工業社製) 3質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名:PETA、ダイセル・サイテック社製) 60質量部
ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製) 40質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 5質量部
ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 0.025質量部
トルエン 90質量部
イソプロピルアルコール 30質量部
シクロヘキサノン 15質量部
(混合物B)
フュームドシリカ(オクチルシラン処理;平均粒子径12nm、日本アエロジル社製)
1質量部
トルエン 15質量部
(防眩層用組成物2の調製)
混合物Aにおける有機微粒子の配合量を8質量部とした以外は、防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物2を得た。
(防眩層用組成物3の調製)
混合物Aにおける有機微粒子の配合量を1質量部とした以外は、防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物3を得た。
(防眩層用組成物4の調製)
混合物Bにおけるフュームドシリカの配合量を2質量部とした以外は、防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物4を得た。
(防眩層用組成物5の調製)
混合物Aにおけるトルエンの配合量を60質量部、イソプロピルアルコールの配合量を60質量部とした以外は防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物5を得た。
(防眩層用組成物6の調製)
混合物Aにおけるトルエンの配合量を30質量部、イソプロピルアルコールの配合量を90質量部とした以外は防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物6を得た。
(防眩層用組成物7の調製)
混合物Aにおけるペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)の代わりにペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)を用いた以外は防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物7を得た。
(防眩層用組成物8の調製)
混合物Bにおけるフュームドシリカとして、未処理のフュームドシリカを用いた以外は防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物8を得た。
(防眩層用組成物9の調製)
下記に示した配合をビーズミルにて分散して防眩層用組成物9を得た。
有機微粒子(親水化処理アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径2.0μm、屈折率1.55、積水化成品工業社製) 3質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名:PETA、ダイセル・サイテック社製) 60質量部
ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製) 40質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 5質量部
ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 0.025質量部
トルエン 105質量部
イソプロピルアルコール 30質量部
シクロヘキサノン 15質量部
(防眩層用組成物10の調製)
有機微粒子として親水化処理をしていないアクリル−スチレン共重合体粒子(平均粒子径2.0μm、屈折率1.55、積水化成品工業社製)8質量部を用い、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)の代わりにペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)を用いた以外は、防眩層用組成物9と同様にして防眩層用組成物10を得た。
(防眩層用組成物11の調製)
有機微粒子の代わりに湿式沈殿法による疎水性シリカ(コールターカウンター法による体積平均粒径3.0μm、東ソー・シリカ社製)5質量部を用いた以外は、防眩層用組成物9と同様にして防眩層用組成物11を得た。
(防眩層用組成物12の調製)
防眩層用組成物1における混合物A及び混合物Bに示した各組成を同時にビーズミルで分散させて、防眩層用組成物12を得た。しかしながら、得られた防眩層用組成物12は、初期からゲル化、沈殿を生じたため、防眩層の形成には使用できないものであった。
(防眩層用組成物13の調製)
混合物Aにおけるトルエンの配合量を105質量部、イソプロピルアルコールの配合量を15質量部とした以外は、防眩層用組成物1と同様にして防眩層用組成物13を得た。しかしながら、得られた防眩層用組成物13は、初期からゲル化、沈殿を生じたため、防眩層の形成には使用できないものであった。
(実施例1)
防眩層用組成物1を光透過性基材(厚み60μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム、富士フイルム社製、TD60UL)の片面に塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が50mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、4μm厚み(硬化時)の防眩層を形成し、実施例1に係る防眩性フィルムを作製した。
(実施例2〜5)
防眩層用組成物1の代わりに防眩層用組成物2〜5を、それぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜5に係る防眩性フィルムを作製した。
(参考例1〜3)
防眩層用組成物1の代わりに防眩層用組成物6〜8を、それぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、参考例1〜3に係る防眩性フィルムを作製した。
(比較例1〜3)
防眩層用組成物1の代わりに防眩層用組成物9〜11を、それぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1〜3に係る防眩性フィルムを作製した。
得られた各防眩層用組成物、並びに、実施例、参考例及び比較例に係る防眩性フィルムを下記項目について評価した。評価結果を表1に示した。
(防眩層用組成物の安定性)
防眩層用組成物の安定性を、下記の基準により評価した。
○:防眩層用組成物に沈殿が無く、塗膜に異物がみられない。
△:防眩層用組成物に沈殿が無いが、塗膜に異物がみられる。
×:防眩層用組成物が初期からゲル化、沈殿を生じた。
(防眩性)
得られた防眩性フィルムの防眩性について、黒アクリル板、透明粘着、評価フィルム(粘着側は非塗工面)の順に貼付したものを明室環境下で目視にて、被験者15人により、観測者及び観測者の背景の映り込みが気にならない程度を下記の基準により評価した。観測者及び観測者の背景の映り込みが気にならない状態とは、観測者がいることは認められるが、その輪郭だけは不明瞭なぼやけた状態であり、背景にある物も存在は認められるが、輪郭や境界が不明瞭になっている状態である。また、背景に白い壁があった場合、白い壁が存在することは認められるが、白がぼやけた状態で、壁の境界線が不明瞭な状態である。このように、輪郭などがぼやけるだけで、観測者にとっては映り込みが気にならない状態となる。この防眩性は、従来の防眩性のように、観測者や背景が完全に映り込まない、完全にぼやけ、不明瞭になる状態とは異なる。
◎:良好と答えた人が10人以上
○:良好と答えた人が5〜9人
×:良好と答えた人が4人以下
(白ぼけ評価)
得られた防眩性フィルムの白ぼけについて、黒アクリル板、透明粘着、評価フィルム(粘着側は非塗工面)の順に貼付したものを照度1000Lxの明室環境下にて30Wの三波長蛍光灯下(サンプル面に、45度の角度で照射)で15人の被験者により官能評価(サンプルから50cm程度上部、45度付近の上記蛍光灯が映り込まない箇所を目視観察し、白ぼけが無く黒く見えるかを評価)を行い、下記の基準により評価した。
◎:良好と答えた人が10人以上
○:良好と答えた人が5〜9人
×:良好と答えた人が4人以下
(面ギラ評価)
得られた防眩性フィルムの面ギラについて、輝度1500cd/cmのライトボックス、140ppiのブラックマトリクスガラス、評価フィルムの順に下から重ねた状態にし、30cm程度の距離から上下、左右様々な角度から、被験者15人が目視評価を行った。面ギラが気になるか否かを判定し、下記の基準により評価した。
◎:良好と答えた人が10人以上
○:良好と答えた人が5〜9人
×:良好と答えた人が4人以下
(コントラスト比)
コントラスト比の測定では、バックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(サムスン社製 AMN−3244TP)を用い、該偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の輝度のLmaxを、クロスニコルに設置したときに通過する光の輝度のLminで割ることで、防眩性フィルム(光透過性基材+防眩層)のコントラスト(L)と、光透過性基材のコントラスト(L)を求め、(L/L)×100(%)を算出することでコントラスト比を算出した。
なお、輝度の測定には、色彩輝度計(トプコン社製 BM−5A)を用い、照度が5Lx以下の暗室環境下で行った。色彩輝度計の測定角は1°に設定し、サンプル上の視野φ5mmで測定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が3600cd/mになるように設置した。
◎:上記コントラスト比が90を超える
○:上記コントラスト比が80を超え90以下
×:上記コントラスト比が80以下
表1より、防眩層用組成物1〜5を用いてなる実施例1〜5に係る防眩性フィルムは、いずれの評価にも優れたものであった。
また、参考例1に係る防眩性フィルムは、防眩層用組成物6において、イソプロピルアルコールの配合量が多すぎたため、得られる防眩性フィルムは防眩性に劣るものであった。また、参考例2に係る防眩性フィルムは、防眩層用組成物7において、水酸基を含むバインダーが主成分であったため、面ギラに劣るものであった。また、参考例3に係る防眩性フィルムは、防眩層用組成物8におけるフュームドシリカが未処理であったため、白ぼけ・面ギラに劣るものであった。
また、比較例1に係る防眩性フィルムは、防眩層用組成物9にシリカ微粒子を含有しなかったため、防眩性に劣るものであった。また、比較例2に係る防眩性フィルムは、防眩層用組成物10がシリカ微粒子を用いずに有機微粒子を凝集させたため、白ぼけ・コントラスト比に劣るものであった。また、比較例3に係る防眩性フィルムは、防眩層用組成物11が有機微粒子を用いず、シリカ微粒子のみを含有するものであったため、白ぼけ及び面ギラに劣るものであった。
なお、防眩層用組成物12は、調製時に有機微粒子とシリカ微粒子とを同時に分散させたため、塗布に適した防眩層用組成物が得られなかった。また、防眩層用組成物13は、イソプロピルアルコールの配合量が少なすぎたために、塗布に適した防眩層用組成物が得られなかった。
実施例で得られた防眩性フィルムの防眩層の表面に、下記組成の低屈折率層用組成物を、乾燥後(40℃×1分)の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cmで紫外線照射を行って硬化させて低屈折率層を製造する。得られた低屈折率層を備えた防眩性フィルムは、白ぼけの防止効果が更に優れたものである。
(低屈折率層用組成物)
中空シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%、溶液;メチルイソブチルケトン、平均粒径:50nm) 40質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(ダイセル・サイテック社製) 10質量部
重合開始剤(イルガキュア127;BASFジャパン社製) 0.35質量部
変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製) 0.5質量部
MIBK 320質量部
PGMEA 161質量部
本発明の防眩性フィルムは、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー等に好適に適用することができる。

Claims (8)

  1. 光透過性基材の一方の面上に表面に凹凸形状を有する防眩層を形成するための防眩層用組成物であって、
    シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有し、
    前記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有する
    ことを特徴とする防眩層用組成物。
  2. 極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤は、エタノール及び/又はイソプロピルアルコールである請求項1記載の防眩層用組成物。
  3. バインダー樹脂は、分子中に水酸基を含まない多官能アクリレートモノマーを主材料とする請求項1又は2記載の防眩層用組成物。
  4. シリカ微粒子は、表面処理されている請求項1、2又は3記載の防眩層用組成物。
  5. 有機微粒子は、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びポリフッ化エチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の材料からなる微粒子である請求項1、2、3又は4記載の防眩層用組成物。
  6. 有機微粒子は、表面親水化処理されている請求項1、2、3、4又は5記載の防眩層用組成物。
  7. シリカ微粒子、有機微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分及び溶剤を含有する防眩層用組成物の調製方法であって、
    前記溶剤は、極性が高くかつ揮発速度が速い溶剤を全溶剤中20質量%以上含有するものであり、
    前記溶剤に、前記有機微粒子及び前記バインダー樹脂のモノマー成分を添加し、混合物を調製する工程、及び、
    前記混合物に、前記シリカ微粒子を添加する工程
    を有することを特徴とする防眩層用組成物の調製方法。
  8. 光透過性基材の一方の面上に表面に凹凸形状を有する防眩層を有する防眩性フィルムの製造方法であって、
    前記光透過性基材の一方の面上に、請求項7記載の防眩層用組成物の調製方法により得られた防眩層用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程、
    前記塗膜を乾燥させる工程、及び、
    乾燥させた前記塗膜を硬化させる工程を有する
    ことを特徴とする防眩性フィルムの製造方法。
JP2011284260A 2011-12-26 2011-12-26 防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法 Pending JP2013134358A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011284260A JP2013134358A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011284260A JP2013134358A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013134358A true JP2013134358A (ja) 2013-07-08

Family

ID=48911089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011284260A Pending JP2013134358A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013134358A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105385343A (zh) * 2015-11-30 2016-03-09 宁波瑞士达新材料有限公司 一种防眩光玻璃涂覆液配方
JP2018134606A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 株式会社日立製作所 塗膜形成方法
US10689523B2 (en) 2016-03-14 2020-06-23 Lg Chem, Ltd. Antireflection film and display device
US11112599B2 (en) 2016-03-14 2021-09-07 Lg Chem, Ltd. Antireflection film having hard coating layer and display device including the same
WO2023074774A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 大日本印刷株式会社 防眩フィルム、並びに、それを用いた偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09251101A (ja) * 1996-03-15 1997-09-22 Konica Corp 偏光板用保護フィルム
JPH11287902A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Tomoegawa Paper Co Ltd 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム
JP2010078698A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Nof Corp 防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置
JP2010113219A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 防眩性ハードコートフィルム
JP2011112964A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体及び光学積層体の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09251101A (ja) * 1996-03-15 1997-09-22 Konica Corp 偏光板用保護フィルム
JPH11287902A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Tomoegawa Paper Co Ltd 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム
JP2010078698A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Nof Corp 防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置
JP2010113219A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 防眩性ハードコートフィルム
JP2011112964A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体及び光学積層体の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105385343A (zh) * 2015-11-30 2016-03-09 宁波瑞士达新材料有限公司 一种防眩光玻璃涂覆液配方
US10689523B2 (en) 2016-03-14 2020-06-23 Lg Chem, Ltd. Antireflection film and display device
US11112599B2 (en) 2016-03-14 2021-09-07 Lg Chem, Ltd. Antireflection film having hard coating layer and display device including the same
JP2018134606A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 株式会社日立製作所 塗膜形成方法
WO2023074774A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 大日本印刷株式会社 防眩フィルム、並びに、それを用いた偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5874740B2 (ja) 防眩性フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP6476582B2 (ja) 積層体の製造方法、積層体、偏光板及び画像表示装置
JP5974894B2 (ja) 防眩性フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP6212844B2 (ja) 光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置
JP5974709B2 (ja) 防眩性フィルム、偏光板及び画像表示装置
CN106886065B (zh) 光学层叠体、偏振片和图像显示装置
JP6314384B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP2013134358A (ja) 防眩層用組成物、防眩層用組成物の調製方法及び防眩性フィルムの製造方法
JP6171262B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP6167487B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP6171261B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP6451717B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP6288228B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP6721067B2 (ja) 積層体の製造方法、積層体、偏光板及び画像表示装置
JP6381186B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP7218876B2 (ja) 光学積層体及び画像表示装置
JP6292287B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP7201965B2 (ja) 光学積層体及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160426

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160506

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160624