JP2013128694A - 歯列矯正シミュレーションプログラムおよび歯列矯正シミュレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】矯正後のイメージを簡単且つ正確に患者に把握させることができる歯列矯正シミュレーションプログラムおよび歯列矯正シミュレーション装置を提案すること。
【解決手段】歯列矯正シミュレーション装置1の制御部41は、歯列矯正シミュレーションプログラムに基づき、患者の顔写真と口腔写真をシミュレーションに用いる元画像として設定する。シミュレーションの実行前に、予め、元画像の歯列に対するリレーション設定や、顔写真と口腔写真との連動設定を行っておく。矯正対象の歯を選択して変形させ、移動させると、選択した歯だけでなく、連動するエリア内の歯や歯茎までも追従して動いた状態となるように画像が加工され、予測画像が作成される。
【選択図】図6
【解決手段】歯列矯正シミュレーション装置1の制御部41は、歯列矯正シミュレーションプログラムに基づき、患者の顔写真と口腔写真をシミュレーションに用いる元画像として設定する。シミュレーションの実行前に、予め、元画像の歯列に対するリレーション設定や、顔写真と口腔写真との連動設定を行っておく。矯正対象の歯を選択して変形させ、移動させると、選択した歯だけでなく、連動するエリア内の歯や歯茎までも追従して動いた状態となるように画像が加工され、予測画像が作成される。
【選択図】図6
Description
本発明は、歯列矯正を行う患者に矯正後のイメージを伝えるために用いられる歯列矯正シミュレーションプログラムおよび歯列矯正シミュレーション装置に関する。
従来、矯正歯科では、既存の症例写真を患者に見せたり、あるいは、患者の歯とは異なる平均的な歯形の模型を使用して矯正後の歯の状態について患者に説明している。しかしながら、歯並びや口腔内の状態は患者によって個人差が大きく、他人の症例写真や平均的な歯形の模型によるシミュレーションでは、矯正後に患者の歯がどのような状態になるのかという正確なイメージを示すことができず、患者に矯正結果の正確なイメージが伝わりにくい。このため、矯正治療について十分な安心感を与えることができなかった。また、歯科医師と患者が同じイメージを共有できないため、明確な合意を得にくく、治療の方向性が定まりにくいという問題点があった。
特許文献1には、歯科治療(補綴治療や審美治療など)の治療結果を患者に正確に伝えるための歯科治療用イメージ確認システムが開示されている。このシステムでは、患者の顔写真と口腔写真をデジタルカメラで撮影して端末機に入力する。そして、口腔写真の中から治療部位を指定し、当該部位に対する治療内容を指定して、指定内容に基づき、口腔写真の中の治療対象の部位を加工編集して治療結果を示す加工イメージ画像を作成し、端末機に表示する。このような方法により、患者の顔写真および口腔写真における治療対象の部位だけを治療後のイメージに変えた加工イメージ画像を患者に提示できるため、治療後のイメージを従来よりも正確に伝えることができる。
特許文献1のシステムでは、治療結果を示す加工イメージ画像の作成は、端末機で入力された歯科医師の指示内容に基づいて画像加工者によって手動で行われており、画像加工者は、予め保存しておいた症例種別データ(例えば、保険補綴物、保険外補綴物、歯並び矯正、ホワイトニング等のサンプル画像)の中から今回の治療に該当するものを読み出して、これを画像編集ソフトウェアにより必要に応じて編集加工した後、編集対象の口腔写真に貼り付けると共に、治療対象の部位の色や艶を医師からの指定内容に従って変更している。
しかしながら、特許文献1の加工編集方法は、治療対象の部位をサンプル画像あるいはその編集画像に置き換えてしまうため、歯列矯正のように患者の歯をそのまま残して歯並びを矯正する治療に適した加工編集方法とはいえない。治療対象の部位を患者の歯とは異なる既存のサンプル画像に置き換えてしまうと、歯列矯正の場合には、治療後の正確なイメージを示す加工イメージ画像を作成するのが逆に困難になってしまう。
また、歯列矯正や抜歯、補綴などを行った場合、治療対象の歯だけでなく周囲の歯も連動して動くが、上記の加工編集方法では、治療対象の歯のみが加工編集されるため、このような周囲の歯への影響を反映させた加工イメージ画像を作成することはできない。周囲の歯への影響までも正確にシミュレーションするためには、治療対象以外の部分についても手動で細かく画像を変更する必要があり、このような作業には手間がかかる。また、周囲の歯への影響を手動で正確にシミュレーションするのは困難である。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、矯正後のイメージを簡単に、且つ、正確に患者に把握させることができる歯列矯正シミュレーションプログラムおよび歯列矯正シミュレーション装置を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の歯列矯正シミュレーションプログラムは、
患者の歯列画像をシミュレーションに用いる元画像に設定する初期画像設定処理と、
当該元画像に対する歯列矯正のシミュレーション設定を行うシミュレーション設定処理と、
矯正内容を指定する入力が行われると、前記シミュレーション設定に従って前記元画像を加工して、矯正後の患者の歯の予測画像を作成するシミュレーション実行処理とをコンピュータに実行させ、
前記シミュレーション実行処理において、
前記シミュレーション設定に基づき、前記元画像における矯正対象として指定された部分と他の部分を連動させて加工することを特徴としている。
患者の歯列画像をシミュレーションに用いる元画像に設定する初期画像設定処理と、
当該元画像に対する歯列矯正のシミュレーション設定を行うシミュレーション設定処理と、
矯正内容を指定する入力が行われると、前記シミュレーション設定に従って前記元画像を加工して、矯正後の患者の歯の予測画像を作成するシミュレーション実行処理とをコンピュータに実行させ、
前記シミュレーション実行処理において、
前記シミュレーション設定に基づき、前記元画像における矯正対象として指定された部分と他の部分を連動させて加工することを特徴としている。
このように、本発明は、患者自身の歯列画像を利用してシミュレーションを行うため、予測画像を正確なイメージに近づけることができ、正確なイメージを患者に伝えることができる。特に、本発明では、シミュレーションにおいて、元画像の各部分と他の部分を連動させて加工することができる。例えば、予め、シミュレーション設定において、元画像における各歯と他の歯との連動設定を行っておくことにより、このような処理が可能になる。このようにすると、他の歯への影響を反映させた予測画像を作成でき、信頼性の高い予測画像を容易に作成できる。これにより、患者に歯列矯正後のイメージを正確に把握させることができ、矯正治療について十分な安心感を与えることができる。また、歯科医師と患者が正確なイメージを共有できるため、矯正治療の方向性を定めることが容易になり、矯正治療についてのコンサルティングの効果が高まる。
本発明において、前記初期画像設定処理において、前記歯列画像および患者の顔の画像を前記元画像に設定し、前記シミュレーション設定処理において、前記元画像における前記顔の画像を前記歯列画像に連動させて動かすための設定を行うことが望ましい。例えば、歯列画像と顔の画像の連動ポイントを設定して、対応する連動ポイントを一致させるように両画像を加工する設定を行うことが望ましい。このようにすると、口腔写真の予測画像を自動的に顔写真に反映させることができ、顔写真の予測画像を精度良く容易に作成できる。
また、本発明において、前記元画像における各歯を歯式に対応づけて、歯式によって連動させる歯を設定することが望ましい。このようにすると、歯式を用いて正確かつ容易に連動設定を行うことができる。
ここで、前記シミュレーション実行処理において、前記元画像における歯の輪郭形状を、前記元画像の画像解析によって自動抽出するか、あるいは、前記元画像への入力に基づいて決定する処理を行うことが望ましい。このようにすると、元画像の中から矯正する歯を容易にかつ正確に選択できる。
また、前記シミュレーション実行処理において、前記輪郭形状における他の歯に隠れて見えない部分の形状を、前記元画像の他の部分あるいは予め蓄積されたデータに基づいて自動補完する処理を行うことが望ましい。このようにすると、矯正後の歯の形態を正確に表示できるため、より正確なシミュレーションを行うことができる。
この場合に、前記シミュレーション設定処理において、前記元画像における歯列の中心線、歯列の右端線、歯列の左端線、歯列の上下分割線の少なくともいずれかを設定して、当該設定された各線に基づき、前記元画像における連動して動く部分を設定することが望ましい。このようにすると、歯の連動を正確にシミュレーションできる。
また、本発明において、前記予測画像に対する修正内容の入力を受け付けて、当該修正内容に従って前記予測画像を修正する修正処理をコンピュータに実行させることが望ましい。このようにすると、シミュレーション後の予測画像に対して任意の修正を行うことができるため、より詳細なシミュレーションを行うことができ、利便性も高い。
次に、本発明は、患者の歯列画像から矯正後の患者の歯の予測画像を作成する歯列矯正シミュレーション装置であって、
患者の歯列画像を入力するための画像入力手段と、
前記歯列画像を表示する表示手段と、
矯正内容を指定する入力を行うための入力手段と、
前記画像入力手段、前記表示手段、前記入力手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、上記の歯列矯正シミュレーションプログラムに基づく各処理を実行することを特徴としている。
患者の歯列画像を入力するための画像入力手段と、
前記歯列画像を表示する表示手段と、
矯正内容を指定する入力を行うための入力手段と、
前記画像入力手段、前記表示手段、前記入力手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、上記の歯列矯正シミュレーションプログラムに基づく各処理を実行することを特徴としている。
本発明によれば、患者自身の歯列画像を利用してシミュレーションを行うため、予測画像を正確なイメージに近づけることができる。また、シミュレーションにおいて、元画像の各部分と他の部分が連動して加工されるようになっているため、信頼性の高い予測画像を容易に作成できる。よって、患者に歯列矯正後のイメージを正確に把握させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した歯列矯正シミュレーションプログラム、および、このプログラムに基づく処理を実行するための歯列矯正シミュレーション装置の実施の形態を説明する。
(歯列矯正シミュレーション装置の構成)
図1は歯列矯正シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。歯列矯正シミュレーション装置1は、患者の顔および口腔内を撮影するためのデジタルカメラ2(画像入力手段)と、デジタルカメラ2を接続可能なコンピュータ装置3を備えている。コンピュータ装置3は汎用のパーソナルコンピュータであり、コンピュータ本体4と、コンピュータ本体4に接続された液晶モニタなどの表示装置5(表示手段)と、キーボードやマウス、あるいはタッチパネルなどの入力装置6(入力手段)と、コンピュータ本体4に接続されたプリンター7を備えている。
図1は歯列矯正シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。歯列矯正シミュレーション装置1は、患者の顔および口腔内を撮影するためのデジタルカメラ2(画像入力手段)と、デジタルカメラ2を接続可能なコンピュータ装置3を備えている。コンピュータ装置3は汎用のパーソナルコンピュータであり、コンピュータ本体4と、コンピュータ本体4に接続された液晶モニタなどの表示装置5(表示手段)と、キーボードやマウス、あるいはタッチパネルなどの入力装置6(入力手段)と、コンピュータ本体4に接続されたプリンター7を備えている。
コンピュータ本体4は、制御部41(制御手段)、記憶部42、および通信部43などを備えている。制御部41はCPU、MPUなどのプロセッサであり、各種演算処理を行う。記憶部42はROM、RAMなどのメモリおよびHDDなどの補助記憶装置を備えており、各種プログラムやデータが記憶される。通信部43は、コンピュータ本体4と他の装置あるいは外部通信回線との間で制御信号やデータの送受信を行うためのインターフェース装置である。デジタルカメラ2、表示装置5、入力装置6、およびプリンター7は、通信部43を介してコンピュータ本体4に接続されている。
コンピュータ本体4は汎用のOS(Operating System)によって制御されており、以下に説明する歯列矯正シミュレーションプログラムは、このOS上で動作する。コンピュータ本体4の記憶部42には、歯列矯正シミュレーションプログラムと、歯列矯正シミュレーションプログラムによる各種処理に用いる設定データや素材データを登録するためのデータベースが記憶されている。素材データは、シミュレーション前に蓄積しておくことが望ましいが、シミュレーション中に適宜必要なデータを読み込んで登録することもできる。また、シミュレーション中に患者の歯の画像から取り出したデータを登録したり、シミュレーションによって新たに作り出したデータを登録することもできる。また、記憶部42には、患者の顔写真および口腔写真などのデータを登録して管理するための治療経過管理データベースが記憶されている。
(歯列矯正シミュレーション装置による矯正治療のコンサルティング)
図2は歯列矯正シミュレーション装置1による矯正治療のコンサルティングの流れを示すフローチャートである。また、図3はシミュレーション設定画面の説明図、図4はシミュレーション実行画面の説明図、図5は治療経過管理画面の説明図である。歯列矯正シミュレーション装置1では、図2に示すように、画像取り込みステップS1、シミュレーション設定ステップS2、シミュレーション実行ステップS3、治療経過管理ステップS4の4つのステップを行うことができる。以下の説明では、プログラムの操作をマウスを用いて行う例について説明するが、他の手段でプログラムを操作することもできる。例えば、タッチパネルを用いて、表示画面を指で操作することによってプログラムを操作することもできる。
図2は歯列矯正シミュレーション装置1による矯正治療のコンサルティングの流れを示すフローチャートである。また、図3はシミュレーション設定画面の説明図、図4はシミュレーション実行画面の説明図、図5は治療経過管理画面の説明図である。歯列矯正シミュレーション装置1では、図2に示すように、画像取り込みステップS1、シミュレーション設定ステップS2、シミュレーション実行ステップS3、治療経過管理ステップS4の4つのステップを行うことができる。以下の説明では、プログラムの操作をマウスを用いて行う例について説明するが、他の手段でプログラムを操作することもできる。例えば、タッチパネルを用いて、表示画面を指で操作することによってプログラムを操作することもできる。
画像取り込みステップS1では、ユーザーの操作に基づき、患者の顔写真および口腔写真(歯列画像)をデジタルカメラ2からコンピュータ装置3に取り込み、取り込んだ画像データをコンピュータ装置3の記憶部42に保存する。このステップは、歯列矯正シミュレーションプログラムとは別個に構成された汎用の画像取り込み用のプログラムなどを用いて行う。
ユーザーが歯列矯正シミュレーションプログラムを立ち上げると、コンピュータ本体4の制御部41は、表示装置5に図3〜5に示す各画面を表示する。各画面のタブを選択する操作により、図3〜5の各画面を切換表示することができる。シミュレーション設定ステップS2では、シミュレーション設定画面P1を表示させ、この画面上でユーザーが各種の入力を行うことにより、画像取り込みステップS1で取り込んだ画像データ(顔写真、口腔写真)をシミュレーションに用いる元画像として設定する。そして、設定した元画像に対し、歯列矯正のシミュレーションのための各種設定を行う。設定データは記憶部42に保存することができ、適宜読み出して使用することができる。
シミュレーション設定が完了すると、歯列矯正シミュレーション装置1では、この設定に基づいてシミュレーションを実行可能になる。シミュレーション実行ステップS3では、図4に示すシミュレーション実行画面P2に画面表示を切り換えて、シミュレーションする矯正内容、すなわち、患者の歯列のどの部分をどのように変えるかを入力する。そして、入力内容とシミュレーション設定に基づき、歯列矯正後の顔や口腔内の状態を示す予測画像を作成する。作成された予測画像は、リアルタイムで、あるいは、ユーザーがシミュレーション結果の表示を指示する入力を行うことにより、シミュレーション実行画面P2に表示される。例えば、ユーザーがマウス等を用いて患者の口腔写真における矯正すべき歯の部分を選択して矯正すべき位置に動かしたり、抜歯すべき歯を選択して削除すると、元画像である顔写真および口腔写真が加工され、矯正後の顔や口腔内の状態を示す予測画像が作成され、表示される。ユーザー(歯科医師など)は、予測画像を患者に見せて矯正後のイメージを把握させ、矯正治療のコンサルティングを行う。
シミュレーション実行後、シミュレーション条件および結果を記憶部42に保存することができる。例えば、矯正前の元画像、シミュレーション設定、矯正内容(歯の移動方向、移動量、変形方法、変形量、色の変更など)、および予測画像のデータが記憶部42に保存される。あるいは、これらのデータの一部を省略して保存することもできる。また、予測画像および関連する情報を印刷した帳票をプリンター7から出力することもできる。例えば、シミュレーション設定や患者情報、矯正前の元画像などを予測画像と共に帳票に印刷することができる。
ここで、歯列矯正シミュレーション装置1は、上述したように、患者の顔写真および口腔写真などのデータを登録して管理するための治療経過管理データベースを備えている。治療経過管理ステップS4では、治療経過管理データベースに登録したデータの管理や閲覧が行われる。本例では、治療経過管理データベースへのデータ登録機能やデータ管理機能、データ閲覧機能は、歯列矯正シミュレーションプログラムによって実現されており、シミュレーションに連動して治療経過管理データベースへのデータ登録が行われるようになっている。例えば、シミュレーション設定ステップS2においてシミュレーションの元画像として用いる画像データ(顔写真、口腔写真)を設定すると、この画像データが治療経過管理データベースに自動登録される。ユーザーは、図5に示す治療経過管理画面P3に画面表示を切り換えることにより、同一の患者についての登録済みのデータを時系列に沿って画面に一覧表示させることができる。この画面上にデータ管理のための各種操作ボタンを設けておくことにより、画像データや各種情報の追加登録、データ削除、データ出力などを行うことができる。
また、シミュレーション実行ステップS3においてシミュレーション条件および結果のデータを保存するとき、保存データを治療経過管理データベースに登録することもできる。このようにすると、治療経過(未加工の顔写真や口腔写真)とシミュレーション結果(予測画像)とを関連付けて管理でき、治療経過とシミュレーション結果を並べて閲覧することができる。このような治療経過管理データベースを利用することにより、歯科医師と患者が治療経過を確認でき、治療の方向性を検討することができる。すなわち、治療経過管理データベースを矯正治療のコンサルティング用のツールとして用いることができる。
シミュレーション設定ステップS2およびシミュレーション実行ステップS3は、条件や矯正内容を変えて繰り返し実行できる。シミュレーション後、矯正治療を進める場合には、定期的に、あるいは希望するタイミングで顔写真や口腔写真を取り込んで治療経過管理データベースに登録することにより、経過を確認できる。治療途中に適宜シミュレーションを行って治療方針の見直しを検討することもできる。あるいは、シミュレーションを行うことなく、治療経過管理機能のみを利用することもできる。
(歯列矯正シミュレーション)
次に、上記のシミュレーション設定ステップS2、シミュレーション実行ステップS3において、歯列矯正シミュレーションプログラムに基づいて制御部41が行う処理について図6を参照しながら説明する。
次に、上記のシミュレーション設定ステップS2、シミュレーション実行ステップS3において、歯列矯正シミュレーションプログラムに基づいて制御部41が行う処理について図6を参照しながら説明する。
図6は歯列矯正シミュレーションの流れを示すフローチャートである。図6に示すように、制御部41は、シミュレーション設定ステップS2において、患者の顔写真及び口腔写真を読み込んで、シミュレーションに用いる元画像として設定する初期画像設定処理S21を行う。また、元画像の中の各部分を連動させて動かすためのリレーション設定処理S22(シミュレーション設定処理)と、元画像として設定された顔写真を口腔写真に連動させて変化させるための顔連動設定処理S23(シミュレーション設定処理)を行う。
図3に示すように、シミュレーション設定画面P1には5つの画像表示欄が設けられている。各画像表示欄の下には参照ボタンおよびファイル名入力欄が設けられている。この参照ボタンを用いて、取り込み済みの画像データファイルの中から元画像として用いる画像データファイル名を入力できる。これにより、図3に示すように、予めデジタルカメラ2から取り込んでおいた顔正面写真A1、顔左側面写真A2、歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3の5つの画像を読み込んで各画像表示欄に表示させる。この状態で、画面右下に表示された設定ボタン群11の中の所定のボタンがクリックされると、制御部41は、歯列矯正シミュレーションプログラムに基づき、読み込んだ5つの画像をシミュレーション用の元画像に設定する(初期画像設定処理S21)。なお、顔写真や口腔写真のデータファイル名を指定するだけで、これらが自動的に元画像に設定されるようにしてもよい。
次に、制御部41は、シミュレーションの際に基準となるべきラインや面、輪郭線、点などを設定する処理を行う。シミュレーション設定画面P1の左端には、リレーション設定ボタン群12が表示されている。これらがクリックされると、制御部41は、歯の中心線L1、歯の右端線L2、歯の左端線L3、歯の上下分割線L4の4つの基準線を3つの歯列画像(歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3)上のデフォルトの位置に表示する。これらの基準線はマウスの操作で移動させることができる。ユーザーは、3つの歯列画像のそれぞれについて、各基準線L1〜L4を患者の歯列における歯の中心位置、右端位置、左端位置、上下分割位置に移動させた後、画面右下に表示された設定ボタン群11の中の所定のボタンをクリックする。これにより、制御部41は、各基準線L1〜L4の位置を移動後の位置に再設定し、基準線L1〜L4で区画された各エリアを連動すべきエリアに設定する(リレーション設定処理S22)。
シミュレーション設定画面P1の左端におけるリレーション設定ボタン群12の下側の位置には、顔写真と口腔写真の連動ポイントを設定するための設定ボタン群13が表示されている。顔正面写真A1および顔左側面写真A2上において口の輪郭線L5をマウスを使って描き、設定ボタン群13の中の所定のボタンをクリックすることにより、口の輪郭線L5を入力する。続いて、顔と歯列を正面から見た2つの写真(顔正面写真A1と歯列正面写真B1)において、歯列の中央上端のポイントを指定した後、設定ボタン群13の中の所定のボタンをクリックすることにより、これらの2つの写真における上側の連動ポイントR1を入力する。同様に、歯列の下端中央のポイントを指定した後、設定ボタン群13を用いて、これらの2つの写真における下側の連動ポイントR2を入力する。また、顔と歯列を左側面から見た2つの写真(顔左側面写真A2と歯列左側面写真B2)の2つの写真においても同様に、上側と下側の連動ポイントR1、R2を入力する。
制御部41は、口の輪郭線L5および連動ポイントR1、R2の入力が終了すると、入力された連動ポイント同士を一致させるように、各顔写真における口の輪郭線L5内の領域の画像を、同じ方向から見た口腔写真を縮小した画像に置き換える。このような顔連動設定処理S23を行うことにより、シミュレーションによる口腔写真(歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3)の加工結果を顔写真(顔正面写真A1、顔左側面写真A2)に反映させることができる。
なお、このリレーション設定処理S22および顔連動設定処理S23は、基準線L1〜L4や輪郭線L5、連動ポイントR1、R2の位置をユーザーが手動で入力することを前提にした処理であったが、制御部41が口腔写真を自動解析して基準となるべき平面や点を自動検出する機能を歯列矯正シミュレーションプログラムに持たせることもできる。この場合は、「自動検出」ボタンをクリックすることによって制御部41が自動検出処理を行い、その後、必要に応じて手動で基準線や輪郭線、点などの位置を手動で調整することができるように構成する。
制御部41は、シミュレーション実行ステップS3において、シミュレーション用の元画像のうち、歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3の1つまたは複数の画像への矯正内容の入力を受け付ける。すなわち、これらの画像におけるどの部分をどのように矯正するのかを指示する入力を受け付けて、入力内容に基づいて元画像を加工して、矯正後の顔および口腔内の状態の予測画像を作成するシミュレーション実行処理を行う。シミュレーション実行処理では、以下の(1)〜(4)の手順に従って元画像を加工する。
(1)歯の選択
歯の選択処理S31では、制御部41は、歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3のいずれかの写真上において、マウスなどを用いて歯の領域を指定する入力を受け付けて、入力内容に基づいて矯正対象の歯の領域を選択する。歯の領域を指定するための入力方法としては、歯の左右の端をクリックする方法、歯の輪郭線に沿った他の複数のポイントをクリックする方法、あるいは、マウスを用いて歯の輪郭線をなぞる方法などを用いることができる。制御部41は、これらの入力に基づいて歯の輪郭線を決定し、画像上に表示すると共に、輪郭線に囲まれた領域を矯正する歯の領域として選択する。あるいは、「輪郭抽出」ボタンを設けてこれをマウスで操作することにより、制御部41が画像解析によって自動で画像内の全ての歯の輪郭線を抽出して表示し、目的の歯の輪郭線を自由に選択できるようにする。選択後には、選択した輪郭線をマウスの操作によって更に修正することもできる。なお、補綴の場合には、「歯」ではなく「歯を補綴すべき位置」を選択する。
歯の選択処理S31では、制御部41は、歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3のいずれかの写真上において、マウスなどを用いて歯の領域を指定する入力を受け付けて、入力内容に基づいて矯正対象の歯の領域を選択する。歯の領域を指定するための入力方法としては、歯の左右の端をクリックする方法、歯の輪郭線に沿った他の複数のポイントをクリックする方法、あるいは、マウスを用いて歯の輪郭線をなぞる方法などを用いることができる。制御部41は、これらの入力に基づいて歯の輪郭線を決定し、画像上に表示すると共に、輪郭線に囲まれた領域を矯正する歯の領域として選択する。あるいは、「輪郭抽出」ボタンを設けてこれをマウスで操作することにより、制御部41が画像解析によって自動で画像内の全ての歯の輪郭線を抽出して表示し、目的の歯の輪郭線を自由に選択できるようにする。選択後には、選択した輪郭線をマウスの操作によって更に修正することもできる。なお、補綴の場合には、「歯」ではなく「歯を補綴すべき位置」を選択する。
歯の輪郭線を自動抽出する場合には、取り込んだ画像の露出、コントラスト、明度、彩度、色温度、色調(色合い)、黒レベル、白レベル、ガンマなどの調整、ネガポジ反転などの各種画像処理を制御部41が自動で組み合わせて、あるいは反復して行うことにより、正確な輪郭線を抽出することができる。
ここで、歯の選択にあたって、歯列写真では、他の歯や歯茎などに隠れて歯の全体像が見えなくなっていることが多い。例えば、上の前歯に隠れて下の前歯の一部が見えなくなっていることがある。そこで、シミュレーションを実行するため、他の歯に隠れている部分の形状を修正する必要がある。本例の歯列矯正シミュレーションプログラムは、輪郭線の選択後にマウスで輪郭線の各部分を動かしてこの修正を行うことができるが、隠れている部分を自動で補完して、歯の全体形状を描く機能を持たせることもできる。この場合には、制御部41は、「欠損部位の補完」を指示する入力が行われると、現在選択している歯の輪郭線に基づき、欠損部分を自動で補完する処理を行う。
歯の形状の補完処理は、患者の写真の中に見えている他の歯の形状を参照して行うことができる。例えば、左右逆の歯列の同名の歯の形状を用いて補完することができる。この場合には、画像内の各歯に歯式を対応付けする処理を予め行っておき、歯式によって反対の歯列の同名の歯の形状を抽出することが望ましい。あるいは、素材データベースに予め登録しておいた歯の形状の中から、輪郭線が近似する歯の形状のデータを抽出し、これを用いて補完することもできる。もしくは、歯の形態に対する他の知見を補完のための情報としてデータベースに記憶させておき、これに基づいて形状を決定することもできる。あるいは、患者の歯のレントゲン画像やCT画像などを取り込んでおき、これらを画像解析して得られた輪郭線に基づいて補完することもできる。また、補完した部分の色については、隣在する歯の色に基づいて決定することができる。自動で形状を補完した後、再度手動で形状を修正することもできる。
(2)歯の変形
シミュレーション実行画面P2の左端には、歯の変形や追加、削除などを入力するための歯列加工ツール21が表示されている。歯列加工ツール21の中のボタンやスライダをマウスで操作することにより、矯正対象の部分をどのように変形させるのかを入力する。例えば、歯の拡大、縮小、回転、変形(一部を削る、形を変える)などの加工内容を入力する。あるいは、補綴すべき部分への歯の追加や、抜歯すべき歯を削除するための入力を行う。例えば、非抜歯で歯を追加する場合に、スレンダライジング(不調和のある歯を必要に応じて削る)で隙間を確保する場合には、削る歯やその位置、および、何ミリ削るかを入力する。また、歯列の側方拡大によって隙間を確保する場合は、どの方向にどの寸法の隙間を形成するかを入力する。
シミュレーション実行画面P2の左端には、歯の変形や追加、削除などを入力するための歯列加工ツール21が表示されている。歯列加工ツール21の中のボタンやスライダをマウスで操作することにより、矯正対象の部分をどのように変形させるのかを入力する。例えば、歯の拡大、縮小、回転、変形(一部を削る、形を変える)などの加工内容を入力する。あるいは、補綴すべき部分への歯の追加や、抜歯すべき歯を削除するための入力を行う。例えば、非抜歯で歯を追加する場合に、スレンダライジング(不調和のある歯を必要に応じて削る)で隙間を確保する場合には、削る歯やその位置、および、何ミリ削るかを入力する。また、歯列の側方拡大によって隙間を確保する場合は、どの方向にどの寸法の隙間を形成するかを入力する。
歯の変形処理S32では、制御部41は、このような入力を受け付けて、歯列画像の中の選択した歯や領域を入力したとおりに変形させる。欠損歯を追加する場合には、選択した位置に、そこにない歯の形状を新たに挿入してシミュレーションする。例えば、元画像の中から反対の歯列の同名の歯の形状をコピーして反転させたものを配置したり(ミラーリング)、あるいは、記憶部42から読み出したサンプル画像(予め、素材データベースに登録しておいた歯の形状)を配置するなどの処理を行う。このとき、新たに配置した歯の形状を必要に応じてマウスの操作に基づいて更に修正することができる。
歯の変形を行うとき、制御部41は、リレーション設定処理S22や顔連動設定処理S23において矯正対象の部分と連動するものとして設定されている元画像の部分を全て連動させて加工する。例えば、連動するエリアにある歯群を矯正対象の歯の変形に伴って適宜移動させる。また、歯の変形に伴い、歯茎などの軟組織も適宜変形させる。軟組織の変形は、予め、データベースに歯の変形時や歯の追加、削除時の軟組織の変形の仕方を登録しておくことにより、そのデータを用いることができる。あるいは、反対の歯列の同部分の軟組織の形態をミラーリングしてもよい。
(3)歯の移動
矯正対象の部分(変形あるいは追加された歯)は、マウスを用いて移動量や移動方向を任意に入力し、設定することにより、任意の位置まで移動させることができる。歯の移動処理S33では、制御部41は、歯の移動についての入力を受け付けて、リレーション設定処理S22や顔連動設定処理S23において矯正対象の部分と連動するものとして設定されている元画像の部分を全て連動させて加工する。例えば、連動するエリアにある歯群を矯正対象の歯の移動に従って移動させる。また、歯の移動に伴い、歯茎などの軟組織も適宜変形させる。
矯正対象の部分(変形あるいは追加された歯)は、マウスを用いて移動量や移動方向を任意に入力し、設定することにより、任意の位置まで移動させることができる。歯の移動処理S33では、制御部41は、歯の移動についての入力を受け付けて、リレーション設定処理S22や顔連動設定処理S23において矯正対象の部分と連動するものとして設定されている元画像の部分を全て連動させて加工する。例えば、連動するエリアにある歯群を矯正対象の歯の移動に従って移動させる。また、歯の移動に伴い、歯茎などの軟組織も適宜変形させる。
ここで、歯の連動設定を行うにあたって、元画像の中の1本1本の歯を示す部分に対して歯式のどの部分であるのかを対応付けしておき、歯式によって連動する歯を選択して、連動設定を行うこともできる。図4に示すように、シミュレーション実行画面P2の右下には、歯式設定ツール22が設けられている。歯式を用いる場合には、歯式設定ツール22からの入力内容に基づき、選択した歯と歯式との対応付けを行うと共に、連動する歯の設定を行うことができる。このような対応付けを行うため、全ての歯の輪郭線を自動抽出した後、各歯に自動で歯式を対応付けする機能を持たせることもできる。
歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3の全ての画像の中の全ての歯に対して歯式の対応付けを行った場合には、手順(2)(3)の歯の変形および歯の移動が行われたときに、全ての写真を連動させて加工することができる。この場合には、各写真の撮影方向を考慮して、入力した変形内容や移動方向、移動量を各画像上での変形内容、移動方向、移動量に置き換えることによって処理を実行する。
(4)修正
(1)〜(3)の手順に従って作業を進めると、シミュレーション用の元画像に対し、矯正対象の部分と、これに連動する口腔内の部分を加工する処理が行われ、シミュレーション結果を示す予測画像が作成される。すなわち、口腔写真(歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3)が矯正後の歯並びを示すように加工されると共に、顔写真(顔正面写真A1、顔左側面写真A2)に口腔写真の変更が反映され、歯並びの悪い状態の写真(元画像)が、歯並びのきれいな写真(予測画像)に置き換わる。ここで、歯列矯正シミュレーションプログラムは、シミュレーション実行処理において、作成した予測画像に対する修正処理S34を行うことができるようになっている。例えば、画面上の連動ボタンを用いて連動設定のオンオフを行い、連動設定をオフにすることにより、選択した部分のみを個別修正できる。制御部41は、連動設定をオフにする入力が行われ、予測画像に対してマウスなどを用いて個別修正箇所および修正内容が入力されると、入力内容どおりに画像を加工して予測画像を更新する処理を行う。例えば、歯の位置や形状を微調整するなどの修正や、歯茎の形状を変える修正、歯や歯茎の色を変更するなどの修正を行うことができる。
(1)〜(3)の手順に従って作業を進めると、シミュレーション用の元画像に対し、矯正対象の部分と、これに連動する口腔内の部分を加工する処理が行われ、シミュレーション結果を示す予測画像が作成される。すなわち、口腔写真(歯列正面写真B1、歯列左側面写真B2、歯列右側面写真B3)が矯正後の歯並びを示すように加工されると共に、顔写真(顔正面写真A1、顔左側面写真A2)に口腔写真の変更が反映され、歯並びの悪い状態の写真(元画像)が、歯並びのきれいな写真(予測画像)に置き換わる。ここで、歯列矯正シミュレーションプログラムは、シミュレーション実行処理において、作成した予測画像に対する修正処理S34を行うことができるようになっている。例えば、画面上の連動ボタンを用いて連動設定のオンオフを行い、連動設定をオフにすることにより、選択した部分のみを個別修正できる。制御部41は、連動設定をオフにする入力が行われ、予測画像に対してマウスなどを用いて個別修正箇所および修正内容が入力されると、入力内容どおりに画像を加工して予測画像を更新する処理を行う。例えば、歯の位置や形状を微調整するなどの修正や、歯茎の形状を変える修正、歯や歯茎の色を変更するなどの修正を行うことができる。
(発明の効果)
以上のように、本例の歯列矯正シミュレーションプログラムによる歯列矯正のシミュレーションでは、元画像の中の矯正対象として指定した歯だけでなく、他の部分についても連動して加工できるため、歯の連動を反映させた予測画像を容易に作成できる。例えば、元画像の中の特定の歯を選択し、回転させて傾きを変えた後、移動させることにより、選択した歯だけでなく、その周囲の連動エリアにある歯までも追従して動かした予測画像を作成できる。また、このとき、歯だけでなく歯茎も追従して動かすような設定も可能である。従って、信頼性の高い予測画像を容易に作成でき、患者に歯列矯正後のイメージを正確に把握させることができる。これにより、矯正治療について十分な安心感を与えることができる。また、歯科医師と患者が正確なイメージを共有できるため、矯正治療の方向性を定めることが容易になり、有効なコンサルティングを行うことができる。
以上のように、本例の歯列矯正シミュレーションプログラムによる歯列矯正のシミュレーションでは、元画像の中の矯正対象として指定した歯だけでなく、他の部分についても連動して加工できるため、歯の連動を反映させた予測画像を容易に作成できる。例えば、元画像の中の特定の歯を選択し、回転させて傾きを変えた後、移動させることにより、選択した歯だけでなく、その周囲の連動エリアにある歯までも追従して動かした予測画像を作成できる。また、このとき、歯だけでなく歯茎も追従して動かすような設定も可能である。従って、信頼性の高い予測画像を容易に作成でき、患者に歯列矯正後のイメージを正確に把握させることができる。これにより、矯正治療について十分な安心感を与えることができる。また、歯科医師と患者が正確なイメージを共有できるため、矯正治療の方向性を定めることが容易になり、有効なコンサルティングを行うことができる。
また、本例では、患者の口腔写真を元画像として用いており、矯正対象の歯の部分をサンプル画像に置き換えてしまうのでなく、患者自身の写真の歯の部分を変形、移動、コピーするなどして予測画像を作成することができる。このため、予測画像を正確なイメージに近づけることができる。
更に、本例では、顔写真を口腔写真に連動させて加工することができるため、シミュレーション結果を精度良く顔写真に反映させることができる。従って、患者に対し、矯正後の自分の顔全体のイメージを正確に把握させることができる。
また、本例では、作成した予測画像に対して任意の修正を行うことができるので、より詳細なシミュレーションを行うことができる。よって、患者に対し、より正確なイメージを把握させることができ、利便性も高い。
なお、上記実施形態は、2次元の画像データを加工してシミュレーションを行うものであったが、患者の歯の3次元形状のデータを作成して、3次元空間上で歯の変形や移動などのシミュレーションを行い、結果を2次元の写真に反映させることもできる。この場合には、正面、左右側面、上下顎咬合面などの複数の方向から撮影した写真から患者の歯の3次元形状のデータを作成する。また、CT画像やレントゲン画像などを用いることもでき、この場合には、より正確な3次元形状のデータを作成できると共に、歯茎から上の形状だけでなく、歯根部も含む歯の全体形状のデータを作成できる。従って、より精度の高いシミュレーションを行うことができる。
1 歯列矯正シミュレーション装置
2 デジタルカメラ(画像入力手段)
3 コンピュータ装置
4 コンピュータ本体
5 表示装置(表示手段)
6 入力装置(入力手段)
7 プリンター
11 設定ボタン群
12 リレーション設定ボタン群
13 設定ボタン群
21 歯列加工ツール
22 歯式設定ツール
41 制御部(制御手段)
42 記憶部
43 通信部
A1 顔正面写真
A2 顔左側面写真
B1 歯列正面写真
B2 歯列左側面写真
B3 歯列右側面写真
L1 中心線
L2 右端線
L3 左端線
L4 上下分割線
L5 輪郭線
P1 シミュレーション設定画面
P2 シミュレーション実行画面
P3 治療経過管理画面
R1 連動ポイント
R2 連動ポイント
2 デジタルカメラ(画像入力手段)
3 コンピュータ装置
4 コンピュータ本体
5 表示装置(表示手段)
6 入力装置(入力手段)
7 プリンター
11 設定ボタン群
12 リレーション設定ボタン群
13 設定ボタン群
21 歯列加工ツール
22 歯式設定ツール
41 制御部(制御手段)
42 記憶部
43 通信部
A1 顔正面写真
A2 顔左側面写真
B1 歯列正面写真
B2 歯列左側面写真
B3 歯列右側面写真
L1 中心線
L2 右端線
L3 左端線
L4 上下分割線
L5 輪郭線
P1 シミュレーション設定画面
P2 シミュレーション実行画面
P3 治療経過管理画面
R1 連動ポイント
R2 連動ポイント
Claims (8)
- 患者の歯列画像をシミュレーションに用いる元画像に設定する初期画像設定処理と、
当該元画像に対する歯列矯正のシミュレーション設定を行うシミュレーション設定処理と、
矯正内容を指定する入力が行われると、前記シミュレーション設定に従って前記元画像を加工して、矯正後の患者の歯の予測画像を作成するシミュレーション実行処理とをコンピュータに実行させ、
前記シミュレーション実行処理において、
前記シミュレーション設定に基づき、前記元画像における矯正対象として指定された部分と他の部分を連動させて加工することを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 請求項1において、
前記初期画像設定処理において、
前記歯列画像および患者の顔の画像を前記元画像に設定し、
前記シミュレーション設定処理において、
前記元画像における前記顔の画像を前記歯列画像に連動させて動かすための設定を行うことを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 請求項1または2において、
前記元画像における各歯を歯式に対応づけて、歯式によって連動させる歯を設定することを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 請求項1ないし3のいずれかの項において、
前記シミュレーション実行処理において、
前記元画像における各歯の輪郭形状を、前記元画像の画像解析によって自動抽出するか、あるいは、前記元画像への入力に基づいて決定する処理を行うことを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 請求項4において、
前記シミュレーション実行処理において、
前記輪郭形状における他の歯に隠れて見えない部分の形状を、前記元画像の他の部分あるいは予め蓄積されたデータに基づいて自動補完する処理を行うことを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 請求項1ないし5のいずれかの項において、
前記シミュレーション設定処理において、
前記元画像における歯列の中心線、歯列の右端線、歯列の左端線、歯列の上下分割線の少なくともいずれかを設定して、当該設定された各線に基づき、前記元画像における連動して動く部分を設定することを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 請求項1ないし6のいずれかの項において、
前記予測画像に対する修正内容の入力を受け付けて、当該修正内容に従って前記予測画像を修正する修正処理をコンピュータに実行させることを特徴とする歯列矯正シミュレーションプログラム。 - 患者の歯列画像から矯正後の患者の歯の予測画像を作成する歯列矯正シミュレーション装置であって、
患者の歯列画像を入力するための画像入力手段と、
前記歯列画像を表示する表示手段と、
矯正内容を指定する入力を行うための入力手段と、
前記画像入力手段、前記表示手段、前記入力手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、請求項1ないし7のいずれかの項に記載の歯列矯正シミュレーションプログラムに基づく各処理を実行することを特徴とする歯列矯正シミュレーション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011281222A JP2013128694A (ja) | 2011-12-22 | 2011-12-22 | 歯列矯正シミュレーションプログラムおよび歯列矯正シミュレーション装置 |
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JP2013128694A true JP2013128694A (ja) | 2013-07-04 |
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-
2011
- 2011-12-22 JP JP2011281222A patent/JP2013128694A/ja active Pending
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