JP2013126279A - 車両駆動装置 - Google Patents
車両駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013126279A JP2013126279A JP2011272938A JP2011272938A JP2013126279A JP 2013126279 A JP2013126279 A JP 2013126279A JP 2011272938 A JP2011272938 A JP 2011272938A JP 2011272938 A JP2011272938 A JP 2011272938A JP 2013126279 A JP2013126279 A JP 2013126279A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic flux
- motor
- temperature
- rotor
- electric motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/64—Electric machine technologies in electromobility
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/72—Electric energy management in electromobility
Landscapes
- Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】 電動モータのロータ温度を正確に測定して、測定温度に応じたモータ制御を行うことができる車両駆動装置を提供する。
【解決手段】 この車両駆動装置100は、車輪を駆動する電動モータ1と、この電動モータ1の回転出力を減速する減速機2と、この減速機2の入力軸3と同軸心の出力部材4によって回転される車輪用軸受5とを備える。電動モータ1のモータロータ11にロータ温度測定用の永久磁石16を設ける。電動モータ1のモータハウジング9側に、永久磁石16の磁束を検出する磁束検出器17を設ける。磁束検出器17が検出する磁束からモータロータ11の温度を推定するロータ温度測定手段18を設ける。このロータ温度測定手段18の出力が定められた規定のしきい値以上となったときに、温度対応モータ制御手段19aで電動モータ1のモータ電流またはモータ回転数を低下させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 この車両駆動装置100は、車輪を駆動する電動モータ1と、この電動モータ1の回転出力を減速する減速機2と、この減速機2の入力軸3と同軸心の出力部材4によって回転される車輪用軸受5とを備える。電動モータ1のモータロータ11にロータ温度測定用の永久磁石16を設ける。電動モータ1のモータハウジング9側に、永久磁石16の磁束を検出する磁束検出器17を設ける。磁束検出器17が検出する磁束からモータロータ11の温度を推定するロータ温度測定手段18を設ける。このロータ温度測定手段18の出力が定められた規定のしきい値以上となったときに、温度対応モータ制御手段19aで電動モータ1のモータ電流またはモータ回転数を低下させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、電気自動車等に用いられる車両駆動装置に関する。
車両駆動装置として用いられて、ロータに永久磁石と界磁コイルとを有するモータにおいて、ロータに巻かれた界磁コイルの抵抗値を検出し、そのコイル抵抗値からコイル温度を推定するようにしたものが提案されている(特許文献1)。
また、この種のモータにおいて、ステータ外周を冷却する冷却液の温度と、ステータコイルの温度とを測定して磁石温度を推定する方法や、前記冷却液とステータコイル間の熱抵抗と、ステータコイルと永久磁石との発熱比とを予め求めておき、モータ運転時に、前記ステータコイル温度と前記冷却液の温度と発熱比と熱抵抗比とに基づき、磁石温度を演算により求める方法が提案されている(特許文献2)。
さらに、この種のモータにおいて、ステータに温度センサを埋め込み、この温度センサにより測定されたステータ温度に基づて永久磁石の温度を推定するようにしたものも提案されている(特許文献3)。また、この提案例では、ロータの永久磁石の温度を検出するのに好適な位置に温度検出器を設けた構成も開示されている。
他の提案例として、インホイールモータ車両駆動装置にその温度を測定する温度センサを設けると共に、この温度センサで測定された温度情報に応じて、モータの駆動電流を制限したり、モータ回転数を低下させる温度対応モータ制御手段を設けたものも知られている(特許文献4)。
永久磁石を用いたモータでは、高速回転領域においてロータが発熱し永久磁石が熱減磁するが、不可逆減磁の場合には、トルク性能が低下するという問題がある。また、電動モータは油冷却で高速回転するため、非接触式温度センサである光センサや放射温度計では、ロータの表面温度を正確に測定できない。また、温度センサが接触式センサであると、高速回転中のロータの温度を測定できない。
上記した各提案例でも、ロータの永久磁石の温度を推定する方法が述べられているが、具体的な温度検出方法は開示されていない。
上記した各提案例でも、ロータの永久磁石の温度を推定する方法が述べられているが、具体的な温度検出方法は開示されていない。
この発明の目的は、電動モータのロータ温度を正確に測定できて、無駄にモータ駆動を低下させることなく、不可逆減磁となる熱減磁を確実に回避できるモータ制御が可能な車両駆動装置を提供することである。
この発明の車両駆動装置は、車輪を駆動する電動モータと、この電動モータの回転出力を減速する減速機と、この減速機の入力軸と同軸心の出力部材によって回転される車輪用軸受とを備えた車両駆動装置において、
前記電動モータのモータロータに設けられるロータ温度測定用の永久磁石と、前記電動モータのモータハウジング側に設けられ前記永久磁石の磁束を検出する磁束検出器と、検出磁束と温度の関係を定めたマップ等の手段を有し前記磁束検出器が検出する磁束から前記モータロータの温度を推定するロータ温度測定手段と、このロータ温度測定手段の出力が定められたしきい値以上となったときに前記電動モータのモータ電流またはモータ回転数を低下させる温度対応モータ制御手段とを設けたことを特徴とする。
前記電動モータのモータロータに設けられるロータ温度測定用の永久磁石と、前記電動モータのモータハウジング側に設けられ前記永久磁石の磁束を検出する磁束検出器と、検出磁束と温度の関係を定めたマップ等の手段を有し前記磁束検出器が検出する磁束から前記モータロータの温度を推定するロータ温度測定手段と、このロータ温度測定手段の出力が定められたしきい値以上となったときに前記電動モータのモータ電流またはモータ回転数を低下させる温度対応モータ制御手段とを設けたことを特徴とする。
この構成によると、モータロータにロータ温度測定用の永久磁石を設け、その磁束をモータハウジング側に設けた磁束検出器で検出する。この検出磁束から、検出磁束と温度の関係を定めたマップ等の手段を有するロータ温度測定手段によりモータロータの温度を推定する。このロータ温度測定手段の出力がしきい値以上となったときに、温度対応モータ制御手段で電動モータのモータ電流またはモータ回転数を低下させる。
このように、モータロータにロータ温度測定用の永久磁石を設け、磁束と温度との定められた関係からロータ温度を検出するため、電動モータのロータ温度を、非接触で正確に測定することができる。そのため、モータ温度に応じたモータ電流,モータ回転数の低下の制御を適切に行うことができて、前記しきい値に大きな余裕を持たせる必要がなく、無駄にモータ駆動を低下させることなく、不可逆減磁となる熱減磁を確実に回避することができる。
このように、モータロータにロータ温度測定用の永久磁石を設け、磁束と温度との定められた関係からロータ温度を検出するため、電動モータのロータ温度を、非接触で正確に測定することができる。そのため、モータ温度に応じたモータ電流,モータ回転数の低下の制御を適切に行うことができて、前記しきい値に大きな余裕を持たせる必要がなく、無駄にモータ駆動を低下させることなく、不可逆減磁となる熱減磁を確実に回避することができる。
この発明において、前記磁束検出器がホールICであっても良く、またコイルで構成されるものであっても良い。ホールICまたはコイルであると、精度良く磁束を検出することができる。
この発明において、前記磁束検出器がコイルで構成される場合に、前記磁束検出器は、そのコイルで検出される電圧値から、前記ロータ温度測定用の永久磁石の磁束を検出するものとしても良い。電圧値によると、検出の処理が容易である。
前記磁束検出器は、1つだけ設けても良く、複数設けても良い。複数設けた場合は、その複数個の出力を平均化することなどで、精度良く磁束が検出できる。
また、前記ロータ温度測定用の永久磁石は、前記電動モータと同心の円周方向に複数個等配しても良い。この永久磁石は円筒状または円柱状磁石であっても良い。また、このように永久磁石を複数個等配した場合に、前記磁束検出器は、円周方向に等配した複数個の前記永久磁石から検出した磁束を、前記電動モータの一回転ごとに平均化して出力するものとしても良い。
永久磁石がモータ中心回りに複数個設けられていると、温度をより正確に検出することができる。これら複数の永久磁石から検出した磁束を、電動モータの一回転ごとに平均化して出力する場合は、検出磁束による温度検出がより精度良く行える。
永久磁石がモータ中心回りに複数個設けられていると、温度をより正確に検出することができる。これら複数の永久磁石から検出した磁束を、電動モータの一回転ごとに平均化して出力する場合は、検出磁束による温度検出がより精度良く行える。
この発明において、前記ロータ温度測定用の永久磁石が、前記電動モータと同心に配置した単極または多極からなるリング磁石であっても良い。このリング磁石は、電動モータと同心の円周方向に並ぶ複数の円弧状磁石に分割されたものであっても良い。永久磁石が電動モータと同心のリング状であると、発生する磁束が増え、安定した磁束検出による信頼性の高い温度検出が行える。
この発明において、前記磁束検出器がコイルで構成される場合に、その磁束検出器は、そのコイルで検出される電圧の波高値から、前記ロータ温度測定用の永久磁石の磁束の減磁度合いを推定するものとしても良い。コイルの場合、電圧の波高値によると減磁度合いを、簡単に精度良く検出できる。
この発明において、前記ロータ温度測定手段は、車両駆動装置内の雰囲気温度を測定する温度測定器を有し、この温度測定器が測定する雰囲気温度に基づき、前記磁束検出器の検出値を補正するものとしても良い。
このように温度補正することで、車両駆動装置内の雰囲気温度に左右されることなく、モータロータの温度を正しく推定することができる。
このように温度補正することで、車両駆動装置内の雰囲気温度に左右されることなく、モータロータの温度を正しく推定することができる。
この発明において、前記減速機がサイクロイド減速機であっても良い。サイクロイド減速機であると、高減速比が滑らかに得られて電動モータが小型化できるが、電動モータが高速回転となり、温度上昇し易い。このため、この車両駆動装置による正確な温度測定による減磁防止のモータ制御が、より一層効果的となる。
この発明の車両駆動装置は、車輪を駆動する電動モータと、この電動モータの回転出力を減速する減速機と、この減速機の入力軸と同軸心の出力部材によって回転される車輪用軸受とを備えた車両駆動装置において、前記電動モータのモータロータに設けられるロータ温度測定用の永久磁石と、前記電動モータのモータハウジング側に設けられ前記永久磁石の磁束を検出する磁束検出器と、検出磁束と温度の関係を定めた手段を有し磁束検出器が検出する磁束から前記モータロータの温度を推定するロータ温度測定手段と、このロータ温度測定手段の出力が定められた規定のしきい値以上となったときに前記電動モータのモータ電流またはモータ回転数を低下させる温度対応モータ制御手段とを設けたため、電動モータのロータ温度を正確に測定できて、無駄にモータ駆動を低下させることなく、不可逆減磁となる熱減磁を確実に回避できるモータ制御が可能となり、良好な走行性能を維持することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図9と共に説明する。この実施形態に係る車両駆動装置100はインホイールモータ車両駆動装置であって、例えば、電気自動車に搭載される。図1に断面図で示すように、車両駆動装置100は、車輪を駆動する電動モータ1と、この電動モータ1の回転を減速する減速機2と、この減速機2の入力軸3と同軸心の出力部材4によって回転される車輪用軸受5と、後述の潤滑油供給機構40とを備える。
車輪用軸受5とモータ1との間に減速機2を介在させ、車輪用軸受5で支持される駆動輪である車輪のハブと、モータ1のモータ回転軸6とを同軸心上で連結してある。なお、この明細書において、インホイールモータ車両駆動装置100を車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
図1に示すように、電動モータ1は、筒状のモータハウジング9に固定したモータステータ10と、モータ回転軸6に取付けたモータロータ11との間にラジアルギャップを設けたラジアルギャップ型のIPMモータ(すなわち埋込磁石型同軸モータ)である。モータハウジング9には、軸方向に離隔して軸受12,13が設けられ、これら軸受12,13にモータ回転軸6が回転自在に支持されている。モータ回転軸6は、電動モータ1の駆動力を減速機2に伝達するものである。モータ回転軸6の軸方向中間付近部には、径方向外方に延びるフランジ部6aが設けられ、このフランジ部6aにロータ固定部材14を介してモータロータ11が取付けられている。
減速機2の入力軸3は、軸方向一端がモータ回転軸6内に延びて、モータ回転軸6とスプライン嵌合されている。減速機ハウジング7に軸受23が設けられ、入力軸3の軸方向他端が前記軸受23によって支持される。したがって、減速機2の入力軸3およびモータ回転軸6は、軸受12,13,23により一体に回転自在に支持される。減速機ハウジング7内における、入力軸3の軸方向他端寄りの外周面には、偏心部24,25が設けられる。これら偏心部24,25は、偏心運動による遠心力が互いに打ち消されるように180°位相をずらして設けられている。
減速機2は、減速比が1/6以上のものであるのが良い。この減速機2は、曲線板26,27と、複数の外ピン28と、運動変換機構29と、カウンタウェイト30,30とを有するサイクロイド減速機である。図2に示すように、曲線板26,27は、偏心部24,25にそれぞれ回転自在に設けられる。モータハウジング9および減速機ハウジング7に渡って複数の外ピン28が支持され、これら外ピン28が曲線板26,27の外周に転接するようになっている。前記運動変換機構29は、曲線板26,27の自転運動を、出力部材4に伝達する機構である。この運動変換機構29は、出力部材4に設けられた複数の内ピン31と、曲線板26,27に設けられた貫通孔32とを有する。内ピン31は、出力部材4の回転軸心を中心として円周方向に等間隔に配設されている。図1に示すように、減速機2の入力軸3における偏心部24,25に隣接する軸方向位置に、それぞれカウンタウェイト30,30が設けられている。
車輪用軸受5は、内周に複列の軌道面を形成した外方部材33と、これら各軌道面に対向する軌道面を外周に設けた内方部材34と、これら外方部材33および内方部材34の軌道面間に介在した複列の転動体35とを有する。内方部材34は、駆動輪を取付けるハブを兼用する。この車輪用軸受5は、複列のアンギュラ玉軸受とされていて、転動体35はボールからなり、各列毎に保持器で保持されている。前記軌道面は断面円弧状であり、各軌道面は接触角が背面合わせとなるように形成されている。また外方部材33と内方部材34との間の軸受空間のアウトボード側端、インボード側端は、それぞれシール部材36,37でシールされている。
外方部材33は静止側軌道輪となるものであって、減速機ハウジング7のアウトボード側端に取付けるフランジ33aを有し、外方部材33および減速機ハウジング7が一体の部品とされている。フランジ33aには、周方向の複数箇所にボルト挿通孔が設けられ、減速機ハウジング7には、ボルト挿通孔に対応する位置に、雌ねじからなるボルト螺着孔が設けられている。ボルト挿通孔に挿通した取付ボルトをボルト螺着孔に螺着させることにより、外方部材33が減速機ハウジング7に取付けられる。
内方部材34は、回転側軌道輪となるものであって、出力部材4を挿通する中空部におけるインボード側の外周面に段部34aが形成され、この段部34aに内輪38が嵌合固定されている。内方部材34の外周面に一列の軌道面が一体形成され、前記内輪38の外周面に他列の軌道面が形成されている。内方部材34のアウトボード側端には、車輪取付用のハブフランジ34bが設けられている。内方部材34の中空部にはスプライン孔が形成され、同中空部に出力部材4がスプライン嵌合されている。出力部材4の先端部には雄ねじが形成され、中空部から突出する出力部材4の先端部にナット39を螺着することで、出力部材4と内方部材34とが連結されている。
潤滑油供給機構40は、この例では、減速機2の潤滑および電動モータ1の冷却の両方に用いられる潤滑油を供給する機構である。この潤滑油供給機構40は、いわゆる軸心給油機構であって、潤滑油流路41と、モータ回転軸油路42と、減速機油路43と、ポンプ44と、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部45とを有する。潤滑油流路41は、モータハウジング9に設けられ、第1流路41a〜第4流路41dを含む。モータ回転軸6に貫通孔6bが設けられ、ロータ固定部材14に油路14aが設けられている。この油路14aは、ロータ固定部材14とモータロータ11の内周面との環状隙間δ1に連通する。ポンプ44は、吸入口44aと、前記吐出口44bとを有するサイクロイドポンプである。潤滑油貯留部45は、減速機側貯留部45aとモータ側貯留部45bとを有し、貫通孔46により連通する。
この基本構成の車両駆動装置において、前記モータロータ11の側面に、ロータ温度測定用の永久磁石16が設けられている。これと軸方向に対向して非回転部材であるモータハウジング9側には、前記永久磁石16の磁束を検出する磁束検出器17が設けられる。図3は、図1におけるIII −III 矢視断面となる永久磁石16の一構成例の正面図を示す。この構成例では、永久磁石16が、円筒状または円柱状である円筒状磁石16Aからなり、この円筒状磁石16Aの複数個(ここでは4個)が、電動モータ1と同心の円周方向に等配されている。
図4は、前記永久磁石16の他の構成例の正面図を示す。この構成例では、18個の円筒状磁石16Aが、電動モータ1と同心の円周方向に等配されている。
図5は、前記永久磁石16のさらに他の構成例の正面図を示す。この構成例では、永久磁石16が単極のリング磁石16Bからなり、これが電動モータ1と同心に配置されている。
図6は、前記永久磁石16のさらに他の構成例の正面図を示す。この構成例では、リング磁石16Bは、1極または1極対毎に円弧状磁石16B1〜16B6(ここでは6極)に分割され、電動モータ1と同心の円周方向に等配されている。多極のリング磁石で構成する場合、これらを等配するのが好ましいが、必ずしも等配しなくても良い。
図5は、前記永久磁石16のさらに他の構成例の正面図を示す。この構成例では、永久磁石16が単極のリング磁石16Bからなり、これが電動モータ1と同心に配置されている。
図6は、前記永久磁石16のさらに他の構成例の正面図を示す。この構成例では、リング磁石16Bは、1極または1極対毎に円弧状磁石16B1〜16B6(ここでは6極)に分割され、電動モータ1と同心の円周方向に等配されている。多極のリング磁石で構成する場合、これらを等配するのが好ましいが、必ずしも等配しなくても良い。
図1において、前記磁束検出器17は、ホールICあるいはコイルで構成される。磁束検出器17は1つでも良いし、複数設けても良い。磁束検出器17がコイルで構成される場合、磁束検出器17は、そのコイルで検出される電圧値から前記永久磁石16の磁束を検出する。この場合に、磁束検出器17では、図7に示すように、そのコイルで検出される電圧の波高値から、永久磁石16の磁束の減磁度合いを推定するようにしても良い。なお、図7の波形図では、永久磁石16が例えば多極に分割され、各分割部が互いに同極のリング磁石の場合を示している。永久磁石16が、図3や図4のように、複数個の円筒状磁石16Aを円周方向に等配した構成のものである場合には、前記磁束検出器17は、それら複数個の円筒状磁石16Aから検出した磁束を、電動モータ1の1回転ごとに平均化して出力するようにしても良い。磁束検出器17はロータ温度測定手段18に接続されている。
ロータ温度測定手段18は、磁束検出器17が検出する磁束から前記モータロータ11の温度を推定する手段である。ロータ温度測定手段18は、予め実験やシミュレーション等により求められた前記永久磁石16の磁束とロータ温度とを関係付けるマップ等の関係設定手段(図示せず)を持ち、磁束検出器17が検出する磁束をこのマップ等の関係設定手段に照らし合わせることで、モータロータ11の温度を推定する。ロータ温度測定手段18は温度対応モータ制御手段19aに接続される。
温度対応モータ制御手段19aは、後述するインバータ装置72(図9)におけるモータコントロール部19に設けられている。モータコントロール部19は、電動モータ1の各種制御を行う部分であり、その制御機能の一つとして温度対応モータ制御手段19aが設けられている。温度対応モータ制御手段19aは、前記ロータ温度測定手段18の出力が定められた規定のしきい値以上となったときに、電動モータ1のモータ電流またはモータ回転数を低下させる。
図8は、前記永久磁石16から、温度対応モータ制御手段19aを含むモータコントロール部19までの制御系の構成をブロック図で示している。ここでは、ロータ温度測定手段18は、車両駆動装置100内の雰囲気温度を測定する温度測定器18aと、磁束検出器17の検出値を補正する検出値補正部18bとを有し、温度測定器18aが測定する車両駆動装置100内の雰囲気温度に基づき、磁束検出器17の検出値を補正するようにされている。これにより、車両駆動装置100内の雰囲気温度に左右されることなく、モータロータ11の温度を正しく推定することができる。
上記構成の車両駆動装置100によると、電動モータ1のモータロータ11に設けられるロータ温度測定用の永久磁石16と、電動モータ1のモータハウジング9側に設けられ前記永久磁石16の磁束を検出する磁束検出器17と、この磁束検出器17が検出する磁束から前記モータロータ11の温度を推定するロータ温度測定手段18と、このロータ温度測定手段18の出力が予め定めた規定のしきい値以上となったときに電動モータ1のモータ電流またはモータ回転数を低下させる温度対応モータ制御手段19aとを備えるため、電動モータ1のロータ温度を正確に測定して、測定温度に応じたモータ制御を行うことができる。また、非接触で温度測定できて、高速回転であっても温度測定が行える。これらのため、無駄にモータ駆動を低下させることなく、不可逆減磁となる熱減磁を確実に回避することができ、長期に渡ってモータ駆動性能を維持することができる。
図9は、上記した実施形態の車両駆動装置100を搭載した電気自動車の概念構成を示す平面図である。この電気自動車は、車体51の左右の後輪となる車輪52が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪53が従動輪とされた4輪の自動車である。前輪となる車輪53は操舵輪とされている。駆動輪となる左右の車輪52,52は、それぞれ独立の電動モータ1により駆動される。電動モータ1の回転は、減速機2および車輪用軸受5の内方部材34(図1)を介して車輪52に伝達される。これら電動モータ1、減速機2、および車輪用軸受5は、互いに一つの組立部品である上記したインホイールモータ車両駆動装置100を構成している。減速機2は、上記したサイクロイド式の減速機であり、10以上の高い減速比を持つ。車両駆動装置100は、電動モータ1が車輪52に近接して設置されており、一部または全体が車輪52内に配置される。蓄電池69は、電動モータ1の駆動、および車両全体の電気系統の電源として用いられる。
制御系を説明する。自動車全般の統括制御を行うメインのECU(電気制御ユニット)である統括制御部71と、この統括制御部71の指令に従って各走行用の電動モータ1の制御をそれぞれ行う複数(図示の例では2つ)のインバータ装置72とが、車体51に搭載されている。統括制御部71とインバータ装置72とで、モータ駆動装置70が構成される。統括制御部71は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、並びに各種の電子回路等で構成される。なお、統括制御部71と各インバータ装置72の弱電系とは、互いに共通のコンピュータや共通の基板上の電子回路で構成されていても良い。
統括制御部71は、トルク配分手段98を有していて、トルク配分手段98は、アクセル操作部66の出力するアクセル開度の信号と、ブレーキ操作部67の出力する減速指令と、操舵手段65の出力する旋回指令とから、左右輪の走行用電動モータ1,1に与える加速・減速指令をトルク指令値として生成し、各インバータ装置72へ出力する。アクセル操作部66およびブレーキ操作部67は、それぞれアクセルペダルおよびブレーキペダル等のペダルと、そのペダルを動作量を検出するセンサとでなる。操舵手段65は、ステアリングホイールとその回転角度を検出するセンサとでなる。統括制御部71は、上記の制御の他に、車両に設けられた車速センサ、荷重センサ、車輪回転センサ(いずれも図示せず)等の各種センサからの信号に基づいて、車両の各部の制御を行う機能を備える。
インバータ装置72は、各電動モータ1に対して設けられた電力変換回路部であるパワー回路部78と、このパワー回路部78を制御するモータコントロール部19と、上記ロータ温度測定手段18とで構成される。モータコントロール部19に、前記温度対応モータ制御手段19aが設けられている。温度対応モータ制御手段19aは、前述のように、ロータ温度測定手段18の出力が予め定めた規定のしきい値以上となったときに、電動モータ1のモータ電流またはモータ回転数を低下させる情報を出力する手段である。
パワー回路部78は、蓄電池69の直流電力を電動モータ1の駆動に用いる3相の交流電力に変換するインバータ81と、このインバータ81を制御する手段であるPWMドライバ82とで構成される。
ロータ温度測定手段18は、上記したように、磁束検出器17(図1)が検出する磁束からモータロータ11の温度を推定する機能を有する。
パワー回路部78は、蓄電池69の直流電力を電動モータ1の駆動に用いる3相の交流電力に変換するインバータ81と、このインバータ81を制御する手段であるPWMドライバ82とで構成される。
ロータ温度測定手段18は、上記したように、磁束検出器17(図1)が検出する磁束からモータロータ11の温度を推定する機能を有する。
このように、この電気自動車では、上記した実施形態の車両駆動装置100を搭載しているので、車両駆動装置100において、電動モータ1のロータ温度を正確に測定して、測定温度に応じたモータ制御を行うことができ、電動モータ1の高速回転領域における発熱防止、トルク性能低下を抑止し、良好な走行性能を維持することができる。
1…電動モータ
2…減速機
3…入力軸
4…出力部材
5…車輪用軸受
9…モータハウジング
11…モータロータ
16…永久磁石
16A…円筒状磁石
16B…リング磁石
17…磁束検出器
18…ロータ温度測定手段
18a…温度測定器
18b…検出値補正部
19…モータコントロール部
19a…温度対応モータ制御手段
100…車両駆動装置
2…減速機
3…入力軸
4…出力部材
5…車輪用軸受
9…モータハウジング
11…モータロータ
16…永久磁石
16A…円筒状磁石
16B…リング磁石
17…磁束検出器
18…ロータ温度測定手段
18a…温度測定器
18b…検出値補正部
19…モータコントロール部
19a…温度対応モータ制御手段
100…車両駆動装置
Claims (12)
- 車輪を駆動する電動モータと、この電動モータの回転出力を減速する減速機と、この減速機の入力軸と同軸心の出力部材によって回転される車輪用軸受とを備えた車両駆動装置において、
前記電動モータのモータロータに設けられるロータ温度測定用の永久磁石と、前記電動モータのモータハウジング側に設けられ前記永久磁石の磁束を検出する磁束検出器と、検出磁束と温度の関係を定めた手段を有し前記磁束検出器が検出する磁束から前記モータロータの温度を推定するロータ温度測定手段と、このロータ温度測定手段の出力が定められたしきい値以上となったときに前記電動モータのモータ電流またはモータ回転数を低下させる温度対応モータ制御手段とを設けたことを特徴とする車両駆動装置。 - 請求項1において、前記磁束検出器がホールICである車両駆動装置。
- 請求項1において、前記磁束検出器がコイルで構成される車両駆動装置。
- 請求項3において、前記磁束検出器は、そのコイルで検出される電圧値から、前記ロータ温度測定用の永久磁石の磁束を検出する車両駆動装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記磁束検出器は複数設けられる車両駆動装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記ロータ温度測定用の永久磁石が前記電動モータと同心の円周方向に複数個等配された車両駆動装置。
- 請求項6において、前記ロータ温度測定用の永久磁石が円筒状または円柱状磁石である車両駆動装置。
- 請求項6または請求項7において、前記磁束検出器は、前記複数の永久磁石から検出した磁束を、前記電動モータの1回転ごとに平均化して出力する車両駆動装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記ロータ温度測定用の永久磁石が、前記電動モータと同心に配置した単極または多極のリング磁石である車両駆動装置。
- 請求項9において、前記リング磁石が、電動モータと同心の円周方向に並ぶ複数の円弧状磁石に分割された車両駆動装置。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記磁束検出器は、そのコイルもしくはホールICで検出される電圧の波高値から、前記ロータ温度測定用の永久磁石の磁束の減磁度合いを推定する車両駆動装置。
- 請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記ロータ温度測定手段は、車両駆動装置内の雰囲気温度を測定する温度測定器を有し、この温度測定器が測定する雰囲気温度に基づき、前記磁束検出器の検出値を補正する車両駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011272938A JP2013126279A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 車両駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011272938A JP2013126279A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 車両駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013126279A true JP2013126279A (ja) | 2013-06-24 |
Family
ID=48777236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011272938A Pending JP2013126279A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 車両駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013126279A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015142415A (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-03 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
WO2017110442A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動機の制御装置および電動ブレーキ装置 |
JP2018046742A (ja) * | 2017-10-19 | 2018-03-22 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
CN109104024A (zh) * | 2018-10-18 | 2018-12-28 | 濮阳市华南重工科技有限公司 | 动力电机壳体及使用该动力电机壳体的动力电机 |
DE102020202304A1 (de) | 2020-02-24 | 2021-08-26 | Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Rotorblechpaketanordnung, Rotoranordnung, rotierende elektrische Maschine, Verfahren zur Steuerung einer rotierenden elektrischen Maschine und Steuereinheit zur Steuerung einer rotierenden elektrischen Maschine |
EP3876402A1 (de) * | 2020-03-06 | 2021-09-08 | WMT GmbH | Radnabenantrieb mit hochauflösender sensorik |
JPWO2021199419A1 (ja) * | 2020-04-03 | 2021-10-07 |
-
2011
- 2011-12-14 JP JP2011272938A patent/JP2013126279A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015142415A (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-03 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
WO2015115217A1 (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-06 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
CN105934361A (zh) * | 2014-01-28 | 2016-09-07 | Ntn株式会社 | 轮毂电动机驱动装置 |
US9701204B2 (en) | 2014-01-28 | 2017-07-11 | Ntn Corporation | In-wheel motor drive device |
WO2017110442A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動機の制御装置および電動ブレーキ装置 |
JP2018046742A (ja) * | 2017-10-19 | 2018-03-22 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
CN109104024A (zh) * | 2018-10-18 | 2018-12-28 | 濮阳市华南重工科技有限公司 | 动力电机壳体及使用该动力电机壳体的动力电机 |
DE102020202304A1 (de) | 2020-02-24 | 2021-08-26 | Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Rotorblechpaketanordnung, Rotoranordnung, rotierende elektrische Maschine, Verfahren zur Steuerung einer rotierenden elektrischen Maschine und Steuereinheit zur Steuerung einer rotierenden elektrischen Maschine |
EP3876402A1 (de) * | 2020-03-06 | 2021-09-08 | WMT GmbH | Radnabenantrieb mit hochauflösender sensorik |
JPWO2021199419A1 (ja) * | 2020-04-03 | 2021-10-07 | ||
WO2021199419A1 (ja) * | 2020-04-03 | 2021-10-07 | 三菱電機株式会社 | 電動機、圧縮機、及び空気調和機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9660561B2 (en) | Motor drive device | |
JP2013126279A (ja) | 車両駆動装置 | |
US10230323B2 (en) | Motor drive device | |
EP2546088B1 (en) | Motor driving system for electric vehicle | |
US9321353B2 (en) | Motor control device | |
US9126500B2 (en) | Motor control device | |
US9751409B2 (en) | Electric automobile | |
US9172319B2 (en) | Motor control device for electric automobile | |
US8909406B2 (en) | Electric automobile | |
US8880267B2 (en) | Electric automobile | |
JP5702237B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
US9184583B2 (en) | Electric automobile | |
JP6087399B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
JP2013243930A (ja) | 電気自動車 | |
JP2022156910A (ja) | 軸受装置および電動垂直離着陸機 |