JP2013119877A - ダイヤフラム弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シート交換を繰り返した場合であっても、ボディに大きな傷が付くことを防止したダイヤフラム弁を提供する。
【解決手段】 ボディ2と、ボディ2に形成された流体通路2aの周縁に着脱可能に配置されたシート4と、ボディ2に着脱可能に配置されてシート4を保持するシートホルダ5とを備えている。ボディ2およびシートホルダ5がいずれも金属製とされている。シートホルダ5のビッカース硬度は、ボディ2のビッカース硬度よりも小さくなされている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ボディ2と、ボディ2に形成された流体通路2aの周縁に着脱可能に配置されたシート4と、ボディ2に着脱可能に配置されてシート4を保持するシートホルダ5とを備えている。ボディ2およびシートホルダ5がいずれも金属製とされている。シートホルダ5のビッカース硬度は、ボディ2のビッカース硬度よりも小さくなされている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ダイヤフラム弁に関し、特に、シートが着脱可能とされてシートホルダに保持されたダイヤフラム弁に関する。
ダイヤフラム弁として、流体通路が設けられたボディと、ボディに形成された流体通路の周縁に着脱可能に配置されたシートと、ボディに着脱可能に配置されてシートを保持するシートホルダと、シートに押圧・離間されることで流体通路の開閉を行うダイヤフラムと、ダイヤフラムの外周縁部をシートホルダとの間で挟持するダイヤフラム保持部材と、ダイヤフラムの中央部を押圧するダイヤフラム押さえを上下移動させる上下移動手段とを備えているものが知られている(特許文献1など)。
上記従来のダイヤフラム弁においては、シートが着脱可能とされてシートホルダに保持されており、シートが損傷した場合には、これだけを交換することができるようになっている。
シートホルダの取付け時には、ボディとシートホルダとの間に大きい力が作用することがあり、上記従来のものでは、シートの交換を繰り返した場合、ボディが大きく傷つくという問題があった。
この発明の目的は、シート交換を繰り返した場合であっても、ボディに大きな傷が付くことを防止したダイヤフラム弁を提供することにある。
この発明によるダイヤフラム弁は、流体通路が設けられたボディと、ボディに形成された流体通路の周縁に着脱可能に配置されたシートと、ボディに着脱可能に配置されてシートを保持するシートホルダと、シートに押圧・離間されることで流体通路の開閉を行うダイヤフラムと、ダイヤフラムの中央部を押圧するダイヤフラム押さえを上下移動させる上下移動手段とを備えているダイヤフラム弁において、ボディおよびシートホルダがいずれも金属製とされて、シートホルダのビッカース硬度は、ボディのビッカース硬度よりも小さくなされていることを特徴とするものである。
シートホルダの取付け時には、ボディとシートホルダとの間に大きい力が作用することがあるが、シートホルダのビッカース硬度がボディのビッカース硬度よりも小さく(例えば70%以下と)なされていることにより、シートホルダが変形することによって、ボディに傷が付くことが防止される。もしくは、ボディに多少の傷や変形が付いても、再使用することが可能な程度の傷や変形に抑えることができる。シートホルダは、容易に交換可能であるので、シート交換時にこれを新品に交換することで、シートホルダの変形に伴う不具合が生じることが防止される。これにより、シート交換を何度も繰り返した場合であっても、ボディを長期間に亘って使用することが可能であり、ダイヤフラム弁の信頼性が確保される。
シートホルダのビッカース硬度をボディのビッカース硬度よりも小さくするには、同じ材料(例えばSUS316Lなどのステンレス鋼)として、熱処理条件や加工条件を変更することで得ることができ、ボディを一般的に使用されているSUS316Lなどのステンレス鋼として、シートホルダの材料をこれより硬度が低い金属(例えばニッケル合金)としてもよい。
ダイヤフラム弁は、上下移動手段が開閉ハンドルなどの手動弁であってもよく、上下移動手段が適宜なアクチュエータとされた自動弁であってもよく、自動弁の場合のアクチュエータは、流体(空気)圧によるものでもよく、電磁力によるものでもよい。
シートは、例えば合成樹脂製とされるが、金属製であってももちろんよい。
ダイヤフラムは、例えば、ニッケル合金薄板からなるものとされ、円形に切り抜き、中央部を上方へ膨出させた逆皿形に形成される。ダイヤフラムは、例えば、ステンレス鋼薄板からなるものや、ステンレス鋼薄板とニッケル・コバルト合金薄板との積層体よりなるものとしてもよく、ダイヤフラムの材料は、特に限定されるものではない。また、ダイヤフラムは、1枚であっても、複数枚を重ねた積層体であってもよく、仕様や条件などによって自由に選択することができる。
シートホルダは、例えば、孔あき円板状で、シートを保持する内周縁部と、所定間隔で流体流出通路に通じる複数の貫通孔が形成された中間環状部と、ダイヤフラムの外周縁部を挟持する外周縁部とからなるものとされる。
なお、この明細書において、ダイヤフラムの軸線方向(弾性変形方向)を上下方向というものとするが、この方向は、便宜的なものであり、実際の取付けでは、上下方向が鉛直方向とされるだけでなく、水平方向とされることもある。
この発明のダイヤフラム弁によると、ボディおよびシートホルダがいずれも金属製とされて、シートホルダのビッカース硬度は、ボディのビッカース硬度よりも小さくなされているので、シート交換を何度も繰り返した場合であっても、ボディを長期間に亘って使用することが可能であり、信頼性が確保される。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、この発明によるダイヤフラム弁の1実施形態を示しており、ダイヤフラム弁(1)は、流体流入通路(2a)、流体流出通路(2b)および上方に向かって開口した凹所(2c)を有しているブロック状ボディ(2)と、ボディ(2)の凹所(2c)上部に下端部がねじ合わされて上方にのびる円筒状ボンネット(3)と、流体流入通路(2a)の周縁に設けられた環状のシート(4)と、ボディ(2)内のシート(4)の外周に設けられてシート(4)を保持するシートホルダ(5)と、シート(4)に押圧または離間されて流体通路(2a)を開閉するダイヤフラム(6)と、ダイヤフラム(6)の中央部を押さえるダイヤフラム押さえ(8)を下端に有し、ボンネット(3)内に上下移動自在に挿入されてダイヤフラム押さえ(8)を介してダイヤフラム(6)をシート(4)に押圧・離間させるステム(7)と、ステム(7)を下方に付勢する圧縮コイルばね(付勢部材)(9)と、ボンネット(3)内周に配置されてステム(7)の上下移動を案内しかつステム(7)の移動範囲を規制するガイド筒(10)と、ダイヤフラム(6)の外周縁部上面とガイド筒(10)の下端との間に配置されてダイヤフラム(6)の外周縁部をシートホルダ(5)の外周縁部との間で挟持するダイヤフラム保持リング(11)と、シートホルダ(5)を保持してガイド筒(10)の下端部およびダイヤフラム保持リング(11)に着脱可能に取り付けられたリテーナ(12)と、ステム(7)およびダイヤフラム押さえ(8)を流体通路(2a)を開閉するために圧縮空気で上下移動させる上下移動手段(図示略)とを備えている。
ガイド筒(10)は、厚肉部(10a)と、その上方に連なる薄肉部(10b)とからなる。厚肉部(10a)の内周は、薄肉部(10b)の内周よりも径が大きく、厚肉部(10a)の内周によって、ステム(7)に設けられたフランジ部(7a)の外周を案内するようになっている。厚肉部(10a)の外周は、薄肉部(10b)の外周よりも径が大きく、厚肉部(10a)の上面(厚肉部(10a)と薄肉部(10b)との間の段差面)によって、ボンネット(3)の下端面を受けている。したがって、ボンネット(3)がボディ(2)にねじ合わされることで、ガイド筒(10)は、ダイヤフラム保持リング(11)を下方に押圧する。こうして、ガイド筒(10)は、ステム(7)を案内するためだけでなく、ダイヤフラム保持リング(11)をボディ(2)に固定するための部材ともなっており、ガイド筒(10)とダイヤフラム保持リング(11)とを合わせたものがダイヤフラム(6)の外周縁部をシートホルダ(5)との間で挟持するダイヤフラム保持部材を構成している。
シートホルダ(5)は、金属製で孔あき円板状とされており、図2に詳しく示すように、シート(4)を保持する内周縁部(21)と、所定間隔で流体流出通路(2b)に通じる複数の貫通孔(22b)が形成された中間環状部(22)と、ダイヤフラム(6)の外周縁部を挟持する外周縁部(23)とからなる。シート(4)は、下方からシートホルダ(5)に嵌め入れられている。
リテーナ(12)は、略円筒状で、シート(4)の外径にほぼ等しい内径を有しガイド筒(10)の下端部およびダイヤフラム保持リング(11)の外周に嵌め合わされる周壁(31)と、周壁(31)の下端部に設けられてシートホルダ(5)の外周縁部を受ける内向きフランジ部(32)とを有している。
シート(4)は、シートホルダ(5)およびリテーナ(12)からなるダイヤフラム弁用シートホルダユニットに保持されて、ボディ(2)内に配置される。シート(4)は、通常、一定期間使用した場合に交換されるようになされており、シート(4)の交換に際しては、リテーナ(12)を取り外すことで、シートホルダ(5)およびこれに保持されたシート(4)を取り外すことができる。そして、シート(4)を交換し、必要に応じて、シートホルダ(5)も交換し、シートホルダ(5)およびリテーナ(12)からなるダイヤフラム弁用シートホルダユニットにシート(4)が保持された状態で、ボディ(2)内に戻される。こうして、シート(4)の交換を容易に行うことができる。リテーナ(12)は、塑性変形する可能性がほとんど無いので、通常、繰り返しての使用が可能であり、また、塑性変形しないことで、シート(4)の交換の容易性が長期間に亘って維持される。
従来、ボディ(2)およびシートホルダ(5)は、いずれもステンレス鋼(SUS316L)とされていたが、この発明のダイヤフラム弁(1)においては、シートホルダ(5)のビッカース硬度は、ボディ(2)のビッカース硬度よりも小さいものとされている。
シートホルダ(5)のビッカース硬度を変更した場合のボディ(2)の変形の有無(ボディ(2)の再使用性の可否)の試験結果を表1に示す。
表1において、ボディ(2)のビッカース硬度は、従来と同じとされており、そのビッカース硬度は、Hv230である。このボディ(2)のビッカース硬度に対して、約1/2のビッカース硬度(Hv113)を有するシートホルダ(5)を使用してシートホルダ(5)の着脱を行った。
上記表1の結果から、シートホルダ(5)のビッカース硬度をボディ(2)のビッカース硬度に比べて小さくすることで、ボディ(2)の変形を無くし、ボディ(2)を再使用し続けられることが分かる。シートホルダ(5)のビッカース硬度の上限は、ボディ(2)のビッカース硬度の70%とすることが好ましい。シートホルダ(5)のビッカース硬度の下限は、特に限定されないが、シートホルダ(5)の強度を確保する点から、Hv90以上が好ましい。
なお、上記のダイヤフラム弁(1)においては、リテーナ(12)を使用しているが、リテーナ(12)を使用しないダイヤフラム弁であっても、シートホルダ(5)のビッカース硬度をボディ(2)のビッカース硬度よりも小さくすることで、上記のボディ(2)傷付き防止効果が得られることはもちろんである。
(1):ダイヤフラム弁、(2):ボディ、(2a):流体流入通路、(2b):流体流出通路、(4):シート、(5):シートホルダ、(6):ダイヤフラム、(8):ダイヤフラム押さえ
Claims (2)
- 流体通路が設けられたボディと、ボディに形成された流体通路の周縁に着脱可能に配置されたシートと、ボディに着脱可能に配置されてシートを保持するシートホルダと、シートに押圧・離間されることで流体通路の開閉を行うダイヤフラムと、ダイヤフラムの中央部を押圧するダイヤフラム押さえを上下移動させる上下移動手段とを備えているダイヤフラム弁において、
ボディおよびシートホルダがいずれも金属製とされて、シートホルダのビッカース硬度は、ボディのビッカース硬度よりも小さくなされていることを特徴とするダイヤフラム弁。 - ボディのビッカース硬度がHv180〜Hv300であり、インナーディスクのビッカース硬度がHv90〜Hv150であることを特徴とする請求項1のダイヤフラム弁。
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