JP2013113326A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高圧側(H)の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング10自体が拡径することで、リップ部12の先端12aが軸孔310の内周面に接触するように構成された樹脂製の第1シールリング10と、環状溝210内において第1シールリング10よりも高圧側(H)に装着されて、流体圧力によって、胴体部11を押圧し、かつ環状溝210の溝底面に対して密着するように構成された弾性体製の第2シールリング20と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記環状溝内に装着される樹脂製の第1シールリングであって、前記環状溝における低圧となる側の側面に対して密着可能に設けられる胴体部、及び該胴体部の外周において高圧となる側に向かって傾くように伸びるリップ部を有すると共に、高圧となる側の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング自体が拡径することで、前記リップ部の先端が前記ハウジングに設けられた軸孔の内周面に接触するように構成された第1シールリングと、
前記環状溝内において第1シールリングよりも高圧となる側に装着されて、前記流体圧力によって、前記胴体部を押圧し、かつ前記環状溝の溝底面に対して密着するように構成された弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする。
図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置について説明する。なお、本実施例に係る密封装置は、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止することが必要な機構を有する各種装置に用いられる。例えば、自動車用のATやCVTなどの変速機において、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する用途に好適に用いることができる。なお、この場合、密封対象流体は油である。
本実施例に係る密封装置100の構成について説明する。なお、図1〜図3はいずれも本実施例に係る密封装置100の模式的断面図であり、使用時の状態を示している。なお、図1は高圧となる側(以下、高圧側(H)と称する)と低圧となる側(以下、低圧側(L)と称する)との差圧がない場合(あるいは極めて低い場合)を示し、図2は高圧側(H)の流体圧力が高まり始めて、上記差圧が発生し始めた状態を示し、図3は上記差圧が高くなった状態を示している。
高圧側(H)と低圧側(L)の差圧が発生していない状態(あるいは極めて低い状態)では、上記の通り、ハウジング300に設けられた軸孔310の内周面と第1シールリング10におけるリップ部12の先端12aとの間には隙間が形成されている。また、第1シールリング10における胴体部11と第2シールリング20との間には隙間が形成され得る状態にある(図1参照)。
以上説明したように、本実施例に係る密封装置100によれば、軸200とハウジング300が相対的に回転する際には、第1シールリング10におけるリップ部12の先端12aと軸孔310の内周面との接触部分(シール部S1)でのみ摺動させることが可能となる。これにより、リップ部12の先端12aはエッジ状であるので、線接触状態での摺動が可能となる。
1の内周面側に作用する流体圧力の増加を抑制することができる。これにより、第1シールリング10に対して拡径方向に作用する力の増加を抑制することができ、リップ部12の先端12aの軸孔310の内周面に対する面圧の増加を抑制できる。
図4には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、第1シールリングにおける胴体部とリップ部とを繋ぐ付近を他の部位に比して厚みを厚くした場合の構成を示している。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。なお、図4は本実施例に係る密封装置100の模式的断面図であり、使用時の状態(高圧側(H)と低圧側(L)との差圧がない場合(あるいは極めて低い場合))を示している。また、(A)〜(C)は各種の実施例を示している。
図5には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、第1シールリングにおける高圧となる側の側面には、胴体部とリップ部に跨るリブが複数設けられている場合の構成を示している。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。なお、図5(A)は本実施例に係る密封装置100の模式的断面図であり、使用時の状態(高圧側(H)と低圧側(L)との差圧がない場合(あるいは極めて低い場合))を示している。また、図5(B)は本実施例に係る密封装置100の一部破断斜視図である。
上記各実施例においては、第2シールリング20がOリングの場合を示したが、第2シールリング20はOリングに限定されるものではない。すなわち、第2シールリング20は、第1シールリング10の胴体部11を押圧し、かつ環状溝210の溝底面に対して密着する機能を有する各種シールリングを採用できる。例えば、Dリングや角リングなども採用し得る。
11 胴体部
12 リップ部
12a (リップ部の)先端
13 リブ
20 第2シールリング
100 密封装置
200 軸
210 環状溝
300 ハウジング
310 軸孔
S1,S2,S3 シール部
Claims (3)
- 軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記環状溝内に装着される樹脂製の第1シールリングであって、前記環状溝における低圧となる側の側面に対して密着可能に設けられる胴体部、及び該胴体部の外周において高圧となる側に向かって傾くように伸びるリップ部を有すると共に、高圧となる側の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング自体が拡径することで、前記リップ部の先端が前記ハウジングに設けられた軸孔の内周面に接触するように構成された第1シールリングと、
前記環状溝内において第1シールリングよりも高圧となる側に装着されて、前記流体圧力によって、前記胴体部を押圧し、かつ前記環状溝の溝底面に対して密着するように構成された弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする密封装置。 - 前記胴体部と前記リップ部とを繋ぐ付近は他の部位に比して厚みが厚くなっていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
- 第1シールリングにおける高圧となる側の側面には、前記胴体部と前記リップ部に跨るリブが複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
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