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JP2013104343A - 燃料遮断弁診断装置 - Google Patents

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JP2013104343A JP2011248293A JP2011248293A JP2013104343A JP 2013104343 A JP2013104343 A JP 2013104343A JP 2011248293 A JP2011248293 A JP 2011248293A JP 2011248293 A JP2011248293 A JP 2011248293A JP 2013104343 A JP2013104343 A JP 2013104343A
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孝夫 菰田
Daisuke Tsutsui
大輔 筒井
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Toyota Motor Corp
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Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ガス燃料を燃料とするエンジンにあって、ガス燃料の遮断に用いられる遮断弁の弁状態をより適切に診断することのできる燃料遮断弁診断装置を提供する。
【解決手段】燃料遮断弁診断装置は、燃料タンクからエンジンへのガス燃料の供給を弁の開閉により許可又は禁止する遮断弁の弁機能を、燃料タンクとエンジンとの間に設けられた圧力センサにより検出される燃料圧力に基づいて診断する。燃料遮断弁診断装置は、エンジンの運転中に遮断弁を閉弁するとともに、遮断弁を閉弁したときからエンジンに噴射供給されるガス燃料の累積燃料消費量F1を監視し、ガス燃料の累積燃料消費量F1の累積値が所定値としての消費量閾値FTに達することを条件に遮断弁の弁機能を診断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガス燃料などを燃料とするエンジンへの燃料の供給を遮断する燃料遮断弁の弁状態を診断する燃料遮断弁診断装置に関する。
従来より、ガス燃料であるCNG(圧縮天然ガス)を燃料とする車両用エンジンには、燃料タンク内のガス燃料を適切な圧力にして燃料噴射弁であるインジェクタが接続されたデリバリパイプに供給する燃料供給装置が設けられている。そして通常、この燃料供給装置は、デリバリパイプに対するガス燃料の供給圧を調整するプレッシャレギュレータや、燃料タンクからの燃料供給を停止する燃料遮断弁(遮断弁)等が、燃料タンクとデリバリパイプとの間を結ぶ配管に設けられている。ここで、遮断弁は、エンジン停止時や燃料供給系の異常時などに閉弁して燃料供給を強制停止させる弁であり、弁固着などにより閉弁不良が生じるようなことがあると、ガス燃料の強制停止に不都合が生じかねない。ただし、遮断弁にこのような閉弁不良が生じているような場合であっても、燃料圧力がプレッシャレギュレータにより適切に調整されている状態であれば、こうした閉弁不良の判断自体が困難となることも多い。こうしたことから、遮断弁の弁状態を診断する装置として、例えば特許文献1に記載の装置が提案されている。
特許文献1に記載の装置は、上述のような燃料供給装置にあって、遮断弁の弁状態を診断するため、エンジンの運転中に遮断弁を閉じるとともに、遮断弁を閉じた後、所定の診断時間内における配管内の燃料圧力の低下量を検出する。そして、検出された燃料圧力の低下量が所定の基準値を超えた場合、遮断弁が正常に閉弁していると判断する一方、燃料圧力の低下量が所定の基準値以下の場合、遮断弁に閉弁不良が生じていると判断する。こうして遮断弁の弁状態の良否が診断される。
特許第3859925号公報
特許文献1に記載の装置によれば、確かに遮断弁の閉弁不良を診断できるようにはなる。ただし、エンジンの燃料消費量は負荷の状況などによって変動するため、遮断弁を所定の診断時間の間だけ閉弁する同装置による診断にはいくつか注意すべき点もある。例えば、エンジンの燃料消費量が多い場合には、図7(a)に示すように、診断が開始される時刻Tsに遮断弁が閉弁されると、燃料圧力が大きく低下し、診断の終了する時刻Teには、燃料圧力が閉弁不良の有無を判定する診断用閾値(基準値)PTを大きく下回まわる。これにより、遮断弁は、弁固着のない良好な状態であると判定される。ただしこの場合、燃料圧力が燃料噴射に不十分な圧力である下限圧PBまで低下するおそれもある。逆に、エンジンの燃料消費量が少ない場合には、図7(b)に示すように、開始時刻Tsから終了時刻Teまでの間に低下する燃料圧力が僅かであるため、終了時刻Teでの燃料圧力が診断用閾値PTを下回る量は自ずと少なくなる。そのため、診断途中に例えば燃料カットなどの低燃費制御が行われて、燃料消費量がさらに低下するようなことがあると、終了時刻Teまでに燃料圧力が診断用閾値PTまで低下せず、閉弁不良であると誤判定されるおそれもある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガス燃料を燃料とするエンジンにあって、ガス燃料の遮断に用いられる遮断弁の弁状態をより適切に診断することのできる燃料遮断弁診断装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、燃料タンクからエンジンへのガス燃料の供給を弁の開閉により許可又は禁止する遮断弁の弁機能を、前記燃料タンクと前記エンジンとの間に設けられた圧力センサにより検出される燃料圧力に基づいて診断する燃料遮断弁診断装置であって、前記エンジンの運転中に前記遮断弁を閉弁するとともに、該遮断弁を閉弁したときから前記エンジンに噴射供給されるガス燃料の消費量を監視し、該ガス燃料の消費量の累積値が所定値に達することを条件に前記遮断弁の弁機能を診断することを要旨とする。
このような構成によれば、遮断弁が閉弁された後、エンジンに噴射供給された遮断弁からエンジンまで間に残留しているガス燃料の消費量の累積値が所定値に達することで遮断弁の弁機能が判断される。これによって、遮断弁の弁機能の判断に必要とされる燃料消費量の所定値を定量にすることができるため、エンジンの燃料消費量の多少に影響されない診断を行うことができる。このとき、燃料消費量の所定値を、遮断弁からエンジンまでの間に残留するガス燃料の量に対応する適切な値に設定すれば、エンジンによる燃料消費量が多い場合、診断中にエンジンへの燃料供給が不足するようなことや、逆に、燃料消費量が少ない場合、燃料圧力の低下が少なくなって弁機能の診断が適切にできないようなことが防止される。また、遮断弁の弁機能の診断がエンジンによる燃料消費量が多いときには短時間で行なわれるようになる。一方、燃料消費量が少ないときには必要な時間が確保される。つまり遮断弁の弁機能の診断に要する時間がエンジンの燃料消費量に応じて適切に調整される。
このように、この燃料遮断弁診断装置によれば、エンジンの燃料消費量の多少にかかわらず遮断弁の弁機能を適切に診断することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記遮断弁の弁機能の診断が、前記ガス燃料の消費量の累積値が前記所定値に達したときに検出されている燃料圧力と閉弁不良の有無を判定可能な圧力判定値との比較として行われることを要旨とする。
このような構成によれば、前記遮断弁の弁機能に関する良否の診断が、開弁しているときの燃料圧力が閉弁により低下し、その弁機能が正常であれば診断中に通過する燃料圧力の閾値を圧力判定値とする。このような圧力判定値が設定されれば、燃料圧力が圧力判定値まで降下するか否かによって、弁固着などの閉弁不良の有無が診断できるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記検出されている燃料圧力が前記圧力判定値よりも高いとき、前記遮断弁を弁機能が閉弁不良であると診断することを要旨とする。
このような構成によれば、圧力判定値に対して燃料圧力が高いことにより、開弁したままになる開弁固着などの閉弁機能の不良(閉弁不良)が遮断弁に生じていると診断される。つまり、圧力判定値よりも燃料圧力が高いことから、遮断弁を閉じたにもかかわらず、ガス燃料が燃料タンクから遮断弁を通過して供給されていると判断し、遮断弁が完全に閉弁していないこと、つまり開固着などの閉弁不良が生じていることが検出される。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記遮断弁の弁機能の診断は、前記燃料圧力が前記圧力判定値よりも高いことを条件に開始されることを要旨とする。
このような構成によれば、遮断弁を閉弁する時点では燃料圧力が圧力判定値よりも高いことから、閉弁による燃料圧力の低下によって燃料圧力が圧力判定値に近づくようになる。これにより、圧力判定値との比較により遮断弁の閉弁機能の良否の診断を行なうことができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記ガス燃料の消費量の累積値に対する所定値は、前記遮断弁が閉弁された後、前記遮断弁から前記エンジン側に残留している燃料のみで前記エンジンの運転を維持できる値に設定されていることを要旨とする。
このような構成によれば、エンジンによる燃料消費量が多いときであれ、診断中にエンジンへの燃料供給が不足するようなことが確実に防止されるようになる。これにより、この燃料遮断弁診断装置によれば、エンジンの燃料消費量が多くてもエンジンの運転への影響を最小限に抑えつつ遮断弁の弁機能を診断することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記遮断弁の閉弁は、前記エンジンに噴射供給されるガス燃料に不足を生じさせない燃料圧力として設定された中止圧力以下になると中止されることを要旨とする。
このような構成によれば、燃料圧力が急激に低下するようなことが生じた場合であれ、弁機能の診断が、燃料圧力が中止圧力以下になると中止されるため、遮断弁を開弁させてエンジンへの燃料供給を再開することができるようになる。これにより、この燃料遮断弁診断装置による遮断弁の弁機能の診断がエンジンの運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記燃料圧力が前記圧力判定値以下になったことを条件に前記遮断弁が正常であると診断することを要旨とする。
このような構成によれば、遮断弁が正常に閉弁する場合、弁機能が正常であるとの診断を短時間のうちに終了させることができる。これによっても、このような燃料遮断弁診断装置による遮断弁の弁機能の診断がエンジンの運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記圧力判定値は、前記遮断弁が開弁しているときの燃料圧力と、前記中止圧力との間に設定されることを要旨とする。
このような構成によれば、遮断弁の閉弁が正常であるか否かを適性に判断できるとともに、急激な燃料圧力の低下に対応できるようにもなるため、燃料遮断弁診断装置による遮断弁の弁機能の診断がエンジンの運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料遮断弁診断装置において、前記ガス燃料は、圧縮天然ガスであり、前記燃料タンクと前記エンジンとの間には前記燃料タンクから供給されるガス燃料の燃料圧力を前記エンジンへの噴射供給に適した圧力に調整するプレッシャレギュレータが設けられており、前記圧力センサは、前記遮断弁と前記プレッシャレギュレータとの間に設けられていることを要旨とする。
このような構成によれば、エンジンに供給される圧力よりも高い圧力である燃料タンク内の燃料圧力に基づいて遮断弁の弁機能の診断が行われるようになるため、診断中にエンジンに供給されるガス燃料の燃料圧力がエンジンに供給される圧力よりも低くなってしまうおそれが少なくなる。これにより、このような燃料遮断弁診断装置による遮断弁の弁機能の診断がエンジンの運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
また、診断に用いることのできる燃料圧力の減圧幅を広く確保できるようにもなるため診断精度の向上や安定化も期待される。
本発明に係る燃料遮断弁診断装置を備えた燃料供給装置を具体化した第1の実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態の燃料遮断弁診断装置による診断について示すタイムチャートであって、(a)はエンジンの燃料消費量が多い場合のタイムチャート、(b)はエンジンの燃料消費量が少ない場合のタイムチャート。 同実施形態の燃料遮断弁診断装置による診断手順を示すフローチャート。 同実施形態の燃料遮断弁診断装置による診断例を示すタイムチャート。 本発明に係る燃料遮断弁診断装置を具体化した第2の実施形態について、その診断例を示すタイムチャート。 同実施形態の燃料遮断弁診断装置による診断手順を示すフローチャート。 従来の燃料遮断弁診断装置による診断例を示すタイムチャートであって、(a)はエンジンの燃料消費量が多い場合のタイムチャート、(b)はエンジンの燃料消費量が少ない場合のタイムチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明の燃料遮断弁診断装置を有する燃料供給装置を、圧縮天然ガス(CNG)を燃料として用いる内燃機関の燃料供給装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図4に従って説明する。なお、この燃料供給装置は、車両1Aに搭載されている。
図1に示す内燃機関としてのエンジン1は、CNGを燃料(ガス燃料)としてインジェクタ2から噴射供給し、そのCNGを燃焼させることで駆動される。そして、エンジン1の駆動時には出力軸であるクランクシャフトの回転が駆動系に伝達されて車両1Aが駆動される。
エンジン1の燃料供給装置は、インジェクタ2と接続されたデリバリパイプ4にCNGを供給するためのものである。この燃料供給装置は、燃料タンク5に接続された第1の供給配管7Aと、デリバリパイプ4に接続された第2の供給配管7Bと、第1の供給配管7Aと第2の供給配管7Bとの間に配置されるプレッシャレギュレータ6とを備えている。そして、上記燃料供給装置においては、上記第1及び第2の供給配管7A,7B、デリバリパイプ4、及び、プレッシャレギュレータ6等により、燃料タンク5内のCNGをエンジン1に供給する燃料配管が構成されている。
第1の供給配管7Aと第2の供給配管7Bとは、燃料タンク5内に格納されたCNGからなる燃料をデリバリパイプ4に供給するための配管である。
プレッシャレギュレータ6は、第1の供給配管7Aから第2の供給配管7Bに供給されるCNGの圧力、いわゆる燃料圧力を所定の圧力に調整する調圧器である。プレッシャレギュレータ6は、燃料タンク5から第1の供給配管7Aに供給されるCNGの圧力(例えば、20MPa以下)を、インジェクタ2から適切に噴出させることのできる所定の圧力(例えば、1MPaや0.4MPa)に減圧させて第2の供給配管7Bを介してデリバリパイプ4に供給する。これにより、第2の供給配管7B内及びデリバリパイプ4内のCNGの圧力は、プレッシャレギュレータ6によって所定の圧力の範囲に保たれる。
第1の供給配管7Aの燃料タンク5側(上流側)の端部には、燃料タンク5から第1の供給配管7AへのCNGの流出を禁止・許可すべく閉弁・開弁する燃料遮断弁としての遮断弁9が設けられている。つまり、遮断弁9が閉弁することで第1の供給配管7Aは燃料タンク5から遮断され、燃料タンク5から第1及び第2の供給配管7A,7Bを介してデリバリパイプ4への燃料の供給が停止される。一方、遮断弁9が開弁することで第1の供給配管7Aは燃料タンク5に連通され、燃料タンク5から第1及び第2の供給配管7A,7Bを介してデリバリパイプ4へ燃料が供給される。この遮断弁9は、例えば、機関運転時には燃料タンク5から第1の供給配管7AへのCNGの流出を許容すべく全開状態とされ、機関停止時には燃料タンク5から第1の供給配管7Aへの不必要なCNGの流出を禁止すべく全閉状態とされるものである。なお、こうした遮断弁9としては、電磁弁を採用することが考えられる。そして、遮断弁9として電磁弁を用いる場合には、同遮断弁9の電磁ソレノイドに対する電圧印加を通じて、遮断弁9の開閉(開弁・閉弁)が行われることとなる。
第1の供給配管7Aのプレッシャレギュレータ6側には燃料遮断弁診断装置を構成する燃料圧力センサ8が配置されており、当該燃料圧力センサ8により第1の供給配管7A内のCNGの圧力(燃料圧力)が検出される。この燃料圧力センサ8により検出されるCNGの圧力は、CNGの残量としても検出される。
次に、燃料供給装置の電気的構成について説明する。
燃料供給装置には、燃料遮断弁診断装置を構成する電子制御装置10が設けられている。電子制御装置10は、演算装置(CPU)や記憶装置(ROMやRAM)を備えるマイクロコンピュータを中心に構成されている。電子制御装置10は、エンジン1の制御にかかる各種演算処理をCPUにて実行するとともに、その制御に必要なプログラムやデータがROMに記憶され、CPUの演算結果が一時的にRAMに記憶される。また、電子制御装置10は、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置10の入力ポートには、以下に示す各種センサが接続されている。
・エンジン1のクランクシャフトの回転に対応した信号を出力するクランクポジションセンサ。
・燃料タンク5(詳しくは第1の燃料配管7A)内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサ8。
一方、電子制御装置10の出力ポートには、インジェクタ2、及び、遮断弁9の駆動回路が接続されている。
そして、電子制御装置10は、上記各センサから入力した検出信号に基づき、機関回転状態、及び、燃料供給系の燃料の圧力状態などを把握し、それらに応じて上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうしてインジェクタ2、及び、遮断弁9の駆動制御が電子制御装置10を通じて実施される。
例えば、電子制御装置10は、機関回転状態などに基づいてインジェクタ2に噴出させる燃料噴射量を算出し、当該算出された噴射量に基づいてインジェクタ2を駆動制御する。また、電子制御装置10は、エンジンブレーキを作動させたり、燃費を向上させる低燃費制御が行なわれるようなことがあると、エンジン1のクランクシャフトが回転していたとしても、インジェクタ2に噴出させる燃料噴射量を「0」にする、いわゆる燃料カットを行うこともある。
また、本実施形態の電子制御装置10は、遮断弁9の弁機能の診断を行うことによって、遮断弁9の開弁や閉弁の良否、例えば開弁したまま、もしくは完全に閉弁できないなどの閉弁不良を診断する。そのため、電子制御装置10には、遮断弁9の弁機能の診断を行うプログラムやパラメータなどが設定されている。遮断弁9の閉弁不良には、どのような原因で生じる不良も含まれる。例えば、CNGに含まれるオイル成分の粘性を要因とする弁の動作不良、いわゆる弁固着や、弁のシール面に付着したオイル成分により閉弁させた弁とシール面との間に隙間が生じるシール不良や、弁機構の機械的な不良や、遮断弁9を駆動させる電磁ソレノイドの動作不良や、配線のショートなどの電気的な不良なども含まれる。
図2に示すように、電子制御装置10には、上記パラメータとして、エンジン1の累積燃料消費量であって診断終了の判断に用いられる消費量閾値FTや、デリバリパイプ4内の燃料圧力をインジェクタ2からの燃料噴出に適した所定の圧力に維持させることのできる圧力の最低値である中止圧力としての下限圧PBが設定されている。消費量閾値FTは、遮断弁9が閉弁した後、遮断弁9からエンジン1側に残留しているガス燃料のみでエンジン1の運転を維持できる値に設定されている。また、電子制御装置10には、診断開始するときの燃料圧力である診断開始圧力PAや、診断終了時に測定された燃料圧力と比較することにより遮断弁9の弁機能を正常もしくは異常のいずれか一方に判断することができる圧力判定値としての診断用閾値PTが設定されている。なお、診断用閾値PTは、診断開始圧力PAと下限圧PBの間の値として設定される、つまり、診断開始圧力PAは診断用閾値PTよりも高い圧力である一方、下限圧PBは診断用閾値PTよりも低い圧力である。ところで、診断開始圧力PAはCNGの残量に応じて変化するため、電子制御装置10には、CNGの残量に応じて診断用閾値PTが取得できるマップデータが記憶されている。つまりマップデータには、各CNG圧力においてCNGが消費量閾値FTだけ消費されたとき、当該消費量閾値FTがCNG圧力に生じさせる圧力低下量Δ1(Δ2)に基づき遮断弁9の弁機能を適正に判断できる診断用閾値PTがCNG圧力の別に設定されている。また、診断開始圧力PAは、燃料の圧力が圧力低下量Δ1(Δ2)だけ低下しても下限圧PBに到達しない圧力となるように制限されている。なお、診断用閾値PTは診断開始圧力PAに応じて算出するようにしてもよい。
例えば、図2(a)に示すように、電子制御装置10は、遮断弁9の弁機能の診断を開始時刻T1sに開始すると、インジェクタ2の駆動制御に基づき算出されるインジェクタ2からの燃料噴射量を累積した累積値をエンジン1の累積燃料消費量F1とする。つまり、電子制御装置10は、エンジン1の累積燃料消費量F1を監視する。そして、電子制御装置10は、累積燃料消費量F1が消費量閾値FT以上となる終了時刻T1eになることを条件に燃料圧力P1を測定する。電子制御装置10は、測定した燃料圧力P1が診断用閾値PTよりも高いか低いかを比較・判断し、高ければ遮断弁9の閉弁に異常が生じていると判断する一方、低ければ遮断弁9の閉弁機能は正常であると判断する。つまり、診断用閾値PTよりも燃料圧力P1が高いということは、遮断弁9を閉じたにもかかわらず、ガス燃料が燃料タンク5から遮断弁9を通過して供給されていると判断されることから、遮断弁9が完全に閉弁していない異常、つまり開固着や閉弁不良が生じていると判断される。
また、図2(b)には、診断に要する時間(時刻T2sから時刻T2eまで)が、図2(a)の場合に診断に要する時間(時刻T1sから時刻T1eまで)に比べて長い場合を示している。つまり、図2(b)に示すように、エンジン1の燃料消費量が図2(a)の場合に比べて少ない場合、電子制御装置10は、遮断弁9の弁機能の診断を開始時刻T2sに開始すると、上述と同様にインジェクタ2からの燃料噴射量を累積し、この累積された燃料噴射量を累積燃料消費量F2とする。そして電子制御装置10は、累積燃料消費量F2を消費量閾値FTと比較し、累積燃料消費量F2が消費量閾値FT以上となる終了時刻T2eになることを条件に燃料圧力P2を測定する。電子制御装置10は、この測定した燃料圧力P2が診断用閾値PTよりも高いか低いかを比較・判断し、高ければ遮断弁9の閉弁に上述のような異常が生じていると判断する一方、低ければ遮断弁9の弁機能は正常であると判断する。
このように、電子制御装置10は、開始時刻T1s(T2s)から終了時刻T1e(T2e)までの診断時間が累積燃料消費量F1(F2)により規定されるため、燃料圧力P1(P2)は、随時変動するエンジン1の燃料消費量にかかわらず、累積燃料消費量F1(F2)に対応する燃料圧力の低下のみを生じる。例えば、開始時刻T1s(T2s)の燃料圧力P1(P2)が同じであれば、エンジン1の燃料消費量の多少にかかわらず、診断時間中に低下する圧力低下量Δ1(Δ2)は同様となるため、終了時刻T1e(T2e)の燃料圧力P1(P2)は同様の値となる。このため、燃料消費量の多いときには、累積燃料消費量F1が短時間で消費量閾値FTに達し、短時間の診断時間で診断終了時T1eの燃料圧力P1が得られ、この得られた燃料圧力P1を診断用閾値PTと比較して遮断弁の弁機能を判断する。逆に、燃料消費量が少ないときには、累積燃料消費量F2が消費量閾値FTに達するまで診断が継続され、消費量閾値FTに達した時点を診断終了時T2eとして燃料圧力P2を得て、この得られた燃料圧力P2を診断用閾値PTと比較して遮断弁の弁機能を判断する。また、いずれの場合であれ、遮断弁9の弁機能の診断中に燃料圧力P1(P2)が下限圧PB以下になった場合、診断を中止し、遮断弁9を開弁させることでエンジン1へ供給する燃料が不足することを防止することができる。
なお、遮断弁9が閉弁したときの第1の供給配管7A内の容量などからなる燃料配管内の容量は定まっているため、ガス燃料が消費量閾値FTだけ消費されたことにより低下する圧力低下量Δ1(Δ2)が定まり、予めその圧力低下量Δ1(Δ2)が下限圧PBより低下しないように設定されている。
続いて、燃料供給装置の動作(作用)について図3を参照して説明する。
本実施形態では、所定の時間間隔や、所定の車両条件などに基づいて適時、遮断弁9の弁機能の診断が開始されるようになっている。なお、遮断弁9の弁機能の診断は、電子制御装置10の演算処理などに余裕があるときに実行してもよい。
図3に示すように、遮断弁9の弁機能の診断が開始されると、電子制御装置10は、燃料圧力P1が診断開始圧力PA以上か否かを判断する(ステップS10)。なお、診断開始圧力PAは、診断用閾値PTよりも高い圧力である。燃料圧力P1が診断開始圧力PA以上ではないと判断された場合(ステップS10でNO)、電子制御装置10は、遮断弁9の弁機能の診断を終了する。一方、燃料圧力P1が診断開始圧力PA以上であると判断された場合(ステップS10でYES)、電子制御装置10は、遮断弁9を閉弁する(ステップS11)とともに、燃料圧力P1を測定する(ステップS12)。それから電子制御装置10は、累積燃料消費量F1が消費量閾値FT以上か否かを判断する(ステップS13)。累積燃料消費量F1が消費量閾値FT以上ではないと判断された場合(ステップS13でNO)、電子制御装置10は、所定間隔をおいてステップS12に戻り、燃料圧力P1を再度測定する(ステップS12)とともに累積燃料消費量F1が消費量閾値FT以上か否かを判断する(ステップS13)ことを繰り返す。
一方、累積燃料消費量F1が消費量閾値FT以上であると判断された場合(ステップS13でYES)、電子制御装置10は、最後に測定された燃料圧力P1は診断用閾値PT以下か否かを判断する(ステップS14)。最後に測定された燃料圧力P1は診断用閾値PT以下であると判断された場合(ステップS14でYES)、電子制御装置10は、遮断弁9は正常に閉弁したと判断する(ステップS15)とともに、遮断弁9を開弁させて(ステップS16)、遮断弁9の弁機能の診断を終了する。逆に、最後に測定された燃料圧力P1は診断用閾値PT以下ではないと判断された場合(ステップS14でNO)、電子制御装置10は、遮断弁9の閉弁は不良であると判断する(ステップS17)とともに、遮断弁9を開弁させて(ステップS16)遮断弁9の弁機能の診断を終了する。
また、このような燃料供給装置によれば、遮断弁9の弁機能の診断中に、燃費を向上させる燃料カットなどの機関制御(低燃費制御)が行われた場合であっても、遮断弁9の弁機能の診断を適切に行うことができる。
すなわち、図4に示すように、弁機能の診断が開始時刻T3sに開始されてから、累積燃料消費量F3が消費量閾値FTに達する前である、時間C11から時間C12の間に燃料カットが行われた場合、時間C11から時間C12の間は累積燃料消費量F3が増加しない。これによって、弁機能の診断に要する時間が長くはなるものの、エンジン1は燃料を消費していないことから燃料の供給不足などは生じない。すなわち、遮断弁9が閉弁されているものの、燃料圧力P3も一定に維持されていることからも燃料供給に不都合は生じてない。
そして、時間C12に燃料カットが終了されると、累積燃料消費量F3が増加して消費量閾値FTに達し、この消費量閾値FTに達した終了時刻T3eにおける燃料圧力P3が測定される。このとき、弁機能の診断に長時間を要したものの、診断開始圧力PAに対する圧力の低下は、燃料カットされていないときと同様の燃料低下量Δ3である。そして、測定された燃料圧力P3を診断用閾値PTと比較することにより弁機能の診断がなされるようになる。このように、終了時刻T3eが消費量閾値FTにより定められるため、診断にかかる時間的な制約や、エンジン1の運転制御にかかる制約などの影響を最小限に抑えて遮断弁9の弁機能の診断を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の燃料遮断弁診断装置を有する燃料供給装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)遮断弁9が閉弁された後、エンジン1に噴射供給された遮断弁9からエンジン1まで間に残留しているガス燃料の累積燃料消費量(F1)が所定値である消費量閾値FTに達することで遮断弁9の弁機能を判断する。これによって、遮断弁9の弁機能の判断に必要とされる消費量閾値FTを定量にすることができるため、エンジン1の燃料消費量の多少に影響されない診断を行うことができる。このとき、消費量閾値FTを、遮断弁9からエンジン1のまで間に残留するガス燃料の量、特に第1の供給配管7Aに収容されている量に対応する適切な値に設定する。そうすれば、エンジン1による燃料消費量が多い場合、診断中にエンジン1への燃料供給が不足するようなことや、逆に、燃料消費量が少ない場合、燃料圧力の低下が少なくなって弁機能の診断が適切にできないようなことが防止される。また、遮断弁9の弁機能の診断がエンジン1による燃料消費量が多いときには短時間で行なわれるようになる。一方、燃料消費量が少ないときには必要な時間が確保される。つまり遮断弁の弁機能の診断に要する時間がエンジンの燃料消費量に応じて適切に調整される。
このように、この燃料遮断弁診断装置によれば、エンジン1の燃料消費量の多少にかかわらず遮断弁9の弁機能を適切に診断することができるようになる。
(2)遮断弁9の弁機能に関する良否の診断が、開弁しているときの燃料圧力(P1,P2)が閉弁により低下し、その弁機能が正常であれば診断中に通過する燃料圧力の閾値を診断用閾値PTとする。このような診断用閾値PTが設定されれば、燃料圧力が診断用閾値PTまで降下するか否かによって、弁固着などの閉弁不良の有無が診断できるようになる。
(3)診断用閾値PTに対して燃料圧力(P1,P2)が高いことにより、開弁したままになる開弁固着などの閉弁機能の不良(閉弁不良)が遮断弁9に生じていると診断する。つまり、診断用閾値PTよりも燃料圧力が高いことから、遮断弁9を閉じたにもかかわらず、ガス燃料が燃料タンク5から遮断弁9を通過して供給されていると判断し、遮断弁9が完全に閉弁していないこと、つまり開固着などの閉弁不良が生じていることが検出される。
(4)遮断弁9を閉弁する時点では燃料圧力(P1,P2)が診断用閾値PTよりも高いことから、閉弁による燃料圧力(P1,P2)の低下によって燃料圧力(P1,P2)が診断用閾値PTに近づくようになる。これにより、診断用閾値PTとの比較により遮断弁9の閉弁機能の良否の診断を行なうことができる。
(5)消費量閾値FTを遮断弁9からエンジン1側に残留している燃料のみでエンジン1の運転を維持できる値に設定することから、エンジン1による燃料消費量が多いときであれ、診断中にエンジン1への燃料供給が不足するようなことが確実に防止されるようになる。これにより、この燃料遮断弁診断装置によれば、エンジン1の燃料消費量が多くてもエンジンの運転への影響を最小限に抑えつつ遮断弁の弁機能を診断することができるようになる。
(6)診断を中止させる下限圧PBを設定することにより、燃料圧力が急激に低下するようなことが生じた場合であれ、弁機能の診断が、燃料圧力が下限圧PB以下になると中止されるため、遮断弁9を開弁させてエンジン1への燃料供給を再開することができるようになる。これにより、この燃料遮断弁診断装置による遮断弁9の弁機能の診断がエンジン1の運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
(7)遮断弁9が開弁しているときの燃料圧力(開始圧力PA)と下限圧PBとの間に、診断用閾値PTを設定する。このことから、遮断弁9の閉弁が正常であるか否かを適性に判断できるとともに、急激な燃料圧力(P1,P2)の低下に対応できるようにもなるため、燃料遮断弁診断装置による遮断弁9の弁機能の診断がエンジン1の運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
(8)燃料圧力センサ8を第1の供給配管7Aに設けることにより、エンジン1に供給される圧力よりも高い圧力である燃料タンク5内の燃料圧力に基づいて遮断弁9の弁機能の診断が行われるようになるため、診断中にエンジン1に供給されるガス燃料の燃料圧力がエンジン1に供給される圧力よりも低くなるおそれが少ない。これにより、このような燃料遮断弁診断装置による遮断弁9の弁機能の診断がエンジン1の運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
また、診断に用いることのできる燃料圧力の減圧幅を広く確保できるようにもなるため診断精度の向上や安定化も期待される。
(第2の実施形態)
本発明にかかる燃料遮断弁診断装置を有する燃料供給装置を具体化した第2の実施形態について、図5及び図6に従って説明する。
本実施形態は、遮断弁9の弁機能の診断にかかる手順の一部が上記第1の実施形態の手順と相違するものの、その他の構成については同様である。このことから、本実施形態では上記相違点を中心に説明し、説明の便宜上、第1の実施形態と同様の構成などについては同様の符号を付しその詳細な説明を割愛する。
図5に示すように、弁機能の診断が開始時刻T4sに開始されてから、累積燃料消費量F4が消費量閾値FTに達する前である、時間C21から時間C22の間に燃料カットが行われ、時間C21から時間C22の間は累積燃料消費量F4が増加しない。そして、時間C22に燃料カットが終了されると、累積燃料消費量F4が増加して消費量閾値FTに達する以前の時刻T4eに、燃料圧力P4が圧力低下量Δ4だけ低下して診断用閾値PTに達する。このとき、本実施形態では、測定された燃料圧力P4を診断用閾値PTと比較し、燃料圧力P4が診断用閾値PT以下であることから遮断弁9は正常に閉弁すると判断して遮断弁9の弁機能の診断を終了するようにする。
このとき、たとえ時刻T4e以降、遮断弁9の弁機能の診断を継続したとしても、圧力低下量Δ4が多くなるものの、測定された燃料圧力P4は診断用閾値PT以下であることには変わりがないため、時刻T4eのときに遮断弁9が正常に閉弁すると診断してもよいこととなる。このように、遮断弁9が正常である場合には時刻T4eの時点で診断を完了することで、累積燃料消費量F4が消費量閾値FTに達するときに診断を行うようにすることに比較して、遮断弁9の弁機能の診断に要する時間を短くすることができる。
続いて、燃料供給装置の動作(作用)について図6を参照して説明する。
図6に示すように、遮断弁9の弁機能の診断が開始されると、電子制御装置10は、燃料圧力P4が診断開始圧力PA以上か否かを判断する(ステップS20)。燃料圧力P4が診断開始圧力PA以上ではないと判断された場合(ステップS20でNO)、電子制御装置10は、遮断弁9の弁機能の診断を終了する。一方、燃料圧力P4が診断開始圧力PA以上であると判断された場合(ステップS20でYES)、電子制御装置10は、遮断弁9を閉弁する(ステップS21)とともに、燃料圧力P4を測定する(ステップS22)。
それから電子制御装置10は、最後に測定された燃料圧力P4は診断用閾値PT以下か否かを判断する(ステップS23)。最後に測定された燃料圧力P4は診断用閾値PT以下であると判断された場合(ステップS23でYES)、電子制御装置10は、遮断弁9の閉弁は正常であると判断する(ステップS24)とともに、遮断弁9を開弁させて(ステップS25)遮断弁9の弁機能の診断を終了する。
一方、最後に測定された燃料圧力P4は診断用閾値PT以下ではないと判断された場合(ステップS23でNO)、電子制御装置10は、累積燃料消費量F4が消費量閾値FT以上か否かを判断する(ステップS26)。累積燃料消費量F4が消費量閾値FT以上ではないと判断された場合(ステップS26でNO)、電子制御装置10は、所定間隔をおいてステップS22に戻り、燃料圧力P4を再度測定する(ステップS22)とともにそれ以降のステップを繰り返す。逆に、最後に測定された燃料圧力P4は診断用閾値PT値以下であると判断された場合(ステップS26でYES)、電子制御装置10は、遮断弁9の閉弁は不良であると判断する(ステップS27)とともに、遮断弁9を開弁させて(ステップS25)遮断弁9の弁機能の診断を終了する。
以上説明したように、本実施形態の燃料遮断弁診断装置を有する燃料供給装置によれば、上記第1の実施形態にて記載した(1)〜(8)の効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(9)遮断弁9が正常に閉弁する場合、弁機能が正常であるとの診断を短時間のうちに終了させることができる。これによっても、このような燃料遮断弁診断装置による遮断弁9の弁機能の診断がエンジン1の運転へ与える影響を小さく抑えることができるようになる。
(その他の実施形態)
なお上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記各実施形態において、燃料として液化石油ガス(LPG)やガソリンを用いるエンジン1の燃料供給装置に本発明を適用してもよい。加圧した燃料をインジェクタ2に供給する装置であれば、燃料タンクからエンジンへの燃料供給を遮断弁を閉じて止めることで燃料配管内の燃料圧力は低下することから、その圧力低下に基づいて遮断弁の弁機能の良否を判断することができる。
・上記各実施形態では、消費量閾値FTが一定である場合について例示したが、診断開始圧力などに応じて、変化させるようにしてもよい。これにより、弁機能の診断に要する時間や精度などを適切に調整できるようになる。
・上記各実施形態では、遮断弁9が第1の供給配管7Aに設けられている場合について例示したが、これに限らず、遮断弁は燃料タンクとプレッシャレギュレータとの間に設けられていればよい。例えば、遮断弁は燃料タンクに取り付けられていたり、内装されていてもよい。これにより、このような燃料遮断弁診断装置の構成の自由度が高められる。
・上記各実施形態では、エンジン1に供給される燃料の累積燃料消費量をインジェクタ2からの燃料噴射量を累積して求める場合について例示した。しかしこれに限らず、累積燃料消費量を、プレッシャレギュレータよりも下流側で測定や算出される流量などに基づいて算出してもよい。これにより、このような燃料遮断弁診断装置の構成の自由度が高められる。
1…エンジン、1A…車両、2…インジェクタ、4…デリバリパイプ、5…燃料タンク、6…プレッシャレギュレータ、7A…第1の供給配管、7B…第2の供給配管、8…燃料圧力センサ、9…遮断弁、10…電子制御装置、F1,F2,F3,F4…累積燃料消費量、FT…消費量閾値、P1,P2,P3,P4…燃料圧力、PA…診断開始圧力、PB…下限圧、PT…診断用閾値、Te,T1e,T2e,T3e,T4e…終了時刻、Ts,T1s,T2s,T3s,T4s…開始時刻。

Claims (9)

  1. 燃料タンクからエンジンへのガス燃料の供給を弁の開閉により許可又は禁止する遮断弁の弁機能を、前記燃料タンクと前記エンジンとの間に設けられた圧力センサにより検出される燃料圧力に基づいて診断する燃料遮断弁診断装置であって、
    前記エンジンの運転中に前記遮断弁を閉弁するとともに、該遮断弁を閉弁したときから前記エンジンに噴射供給されるガス燃料の消費量を監視し、該ガス燃料の消費量の累積値が所定値に達することを条件に前記遮断弁の弁機能を診断する
    ことを特徴とする燃料遮断弁診断装置。
  2. 前記遮断弁の弁機能の診断が、前記ガス燃料の消費量の累積値が前記所定値に達したときに検出されている燃料圧力と閉弁不良の有無を判定可能な圧力判定値との比較として行われる
    請求項1に記載の燃料遮断弁診断装置。
  3. 前記検出されている燃料圧力が前記圧力判定値よりも高いとき、前記遮断弁を弁機能が閉弁不良であると診断する
    請求項2に記載の燃料遮断弁診断装置。
  4. 前記遮断弁の弁機能の診断は、前記燃料圧力が前記圧力判定値よりも高いことを条件に開始される
    請求項2又は3に記載の燃料遮断弁診断装置。
  5. 前記ガス燃料の消費量の累積値に対する所定値は、前記遮断弁が閉弁された後、前記遮断弁から前記エンジン側に残留している燃料のみで前記エンジンの運転を維持できる値に設定されている
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の燃料遮断弁診断装置。
  6. 前記遮断弁の閉弁は、前記エンジンに噴射供給されるガス燃料に不足を生じさせない燃料圧力として設定された中止圧力以下になると中止される
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の燃料遮断弁診断装置。
  7. 前記燃料圧力が前記圧力判定値以下になったことを条件に前記遮断弁が正常であると診断する
    請求項6に記載の燃料遮断弁診断装置。
  8. 前記圧力判定値は、前記遮断弁が開弁しているときの燃料圧力と、前記中止圧力との間に設定される
    請求項6又は7に記載の燃料遮断弁診断装置。
  9. 前記ガス燃料は、圧縮天然ガスであり、
    前記燃料タンクと前記エンジンとの間には前記燃料タンクから供給されるガス燃料の燃料圧力を前記エンジンへの噴射供給に適した圧力に調整するプレッシャレギュレータが設けられており、
    前記圧力センサは、前記遮断弁と前記プレッシャレギュレータとの間に設けられている
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料遮断弁診断装置。
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