JP2013191484A - 負極活物質層、その製造方法及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】負極活物質としてチタン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池において、負極の放電レート特性を向上させ、またサイクル特性も向上させることができる負極活物質層を提供する。
【解決手段】負極が、少なくとも負極活物質及び結着材を含む負極活物質層と、該負極活物質層を付着させた集電体とによって構成され、負極活物質がチタン酸リチウムを含み、前記集電体に付着された負極活物質層に含まれる結着材に孔径10nm以上、2000nm以下の複数の孔が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】負極が、少なくとも負極活物質及び結着材を含む負極活物質層と、該負極活物質層を付着させた集電体とによって構成され、負極活物質がチタン酸リチウムを含み、前記集電体に付着された負極活物質層に含まれる結着材に孔径10nm以上、2000nm以下の複数の孔が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、負極活物質にチタン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
リチウムイオン蓄電池はモバイル機器用電源として現在幅広く使用されている。またリチウムイオン蓄電池は、既存のニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池と比較して高エネルギー密度であるために、電気自動車や電力貯蔵などの大型電源用途としても期待されている。特に、負極活物質にチタン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池はサイクル特性が良いこと及び安全性が高いことから注目を浴びている(特許文献1)。
チタン酸リチウムはリチウムイオンの挿入・脱離反応に伴う膨張・収縮が起こらないため、極めて安定な負極活物質である。
しかしながら、リチウムイオンの挿入・脱離反応に伴う膨張・収縮が起こらないので電池内部の電解液の攪拌作用が起きないため、電池の内部抵抗を表す放電レート特性が悪化するという問題がある。
しかしながら、リチウムイオンの挿入・脱離反応に伴う膨張・収縮が起こらないので電池内部の電解液の攪拌作用が起きないため、電池の内部抵抗を表す放電レート特性が悪化するという問題がある。
そこで本発明の目的は、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池において、負極の放電レート特性を向上させ、またサイクル特性も向上させることができる負極活物質層を提供することである。また本発明の目的は、該負極活物質層の製造方法、及び該負極活物質層を用いた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池において、負極活物質層を多孔処理することにより、放電レート特性に優れかつ製造工程が簡便である非水電解質二次電池を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、正極、負極、セパレータ及び非水電解質を用いて構成される非水電解質二次電池に用いられ、前記負極が少なくとも負極活物質及び結着材を含む負極活物質層と、該負極活物質層を付着させた集電体とによって構成され、前記負極活物質がチタン酸化物を含み、前記集電体に付着された負極活物質層に含まれる結着材に孔径10nm以上、2000nm以下の複数の孔が形成されている非水電解質二次電池用負極活物質層を提供するものである。
すなわち、本発明は、正極、負極、セパレータ及び非水電解質を用いて構成される非水電解質二次電池に用いられ、前記負極が少なくとも負極活物質及び結着材を含む負極活物質層と、該負極活物質層を付着させた集電体とによって構成され、前記負極活物質がチタン酸化物を含み、前記集電体に付着された負極活物質層に含まれる結着材に孔径10nm以上、2000nm以下の複数の孔が形成されている非水電解質二次電池用負極活物質層を提供するものである。
また、本発明は、前記結着材を溶解または分散した溶液と前記負極活物質とを含む混合物を集電体に形成させた後に、前記結着材を溶解または分散した溶液に含まれる第一の溶媒Aを、前記溶媒Aと相溶性のある第二の溶媒Bで抽出する、非水電解質二次電池用負極活物質層の製造方法を提供するものである。
一般に、非水電解質二次電池における電極の製造方法としては、活物質、結着材を含むペーストを集電体に塗布し、乾燥する方法が行われてきた。この方法によれば、結着材の特性を利用して活物質を帯状の集電体に付着させることができる。ところが前述したように、チタン酸リチウムはリチウムイオンの挿入・脱離反応に伴う膨張・収縮が起こりにくいため、チタン酸リチウムを含む負極活物質が緻密な構造の結着材で覆われると、リチウムイオンの電極間の移動が妨げられてしまう。
一般に、非水電解質二次電池における電極の製造方法としては、活物質、結着材を含むペーストを集電体に塗布し、乾燥する方法が行われてきた。この方法によれば、結着材の特性を利用して活物質を帯状の集電体に付着させることができる。ところが前述したように、チタン酸リチウムはリチウムイオンの挿入・脱離反応に伴う膨張・収縮が起こりにくいため、チタン酸リチウムを含む負極活物質が緻密な構造の結着材で覆われると、リチウムイオンの電極間の移動が妨げられてしまう。
そこで本発明では、負極活物質を形成する結着材に径10nm以上、2000nm以下の複数の孔が形成された構造を採用することにより、チタン酸リチウムを含む負極活物質のリチウムイオンの挿入・脱離を起こりやすくして、リチウムイオンの電極間の移動を容易にして、電池の放電レート特性を向上させることとした。
本発明によれば、負極の放電レート特性を向上させ、またサイクル特性も向上させた負極活物質層を提供することができる。また該負極活物質層を用いた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<1.負極>
本発明の非水電解質二次電池に用いられる負極は、少なくとも負極活物質と集電体とで構成される。負極活物質は、結着材(バインダー)を含んでいてもよい(以下、負極活物質と結着材との混合物を、「負極活物質混合物」という)。負極活物質混合物は、必要に応じて導電助材を含んでよい。
<1.負極>
本発明の非水電解質二次電池に用いられる負極は、少なくとも負極活物質と集電体とで構成される。負極活物質は、結着材(バインダー)を含んでいてもよい(以下、負極活物質と結着材との混合物を、「負極活物質混合物」という)。負極活物質混合物は、必要に応じて導電助材を含んでよい。
本発明の非水電解質二次電池においては、負極活物質として、チタン酸リチウムが使用される。チタン酸リチウムはリチウムイオンの挿入・脱離反応が0.4V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行するため、集電体材料にアルミニウムを用いることができる。しかし、これに限定されず、集電体材料として銅、チタン、ニッケル、クロム、又はこれらの合金を用いても良い。
チタン酸リチウムは、スピネル構造であることが好ましい。スピネル構造の場合、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さいという特徴がある。チタン酸リチウムは分子式としてLi4Ti5O12で表されるが、例えばNbなどの、リチウム、チタン以外の元素が微量含まれていてもよい。
チタン酸リチウムは、CuKα線による粉末X線回折の(400)面の半値幅が0.5°以下であることが好ましい。0.5°より大きいと、チタン酸リチウムの結晶性が低いため、電極の安定性が低下する場合がある。
チタン酸リチウムは、CuKα線による粉末X線回折の(400)面の半値幅が0.5°以下であることが好ましい。0.5°より大きいと、チタン酸リチウムの結晶性が低いため、電極の安定性が低下する場合がある。
チタン酸リチウムは、X線回折によるリートベルト解析法による8aサイトに占めるリチウム含有率が90%以上であることが好ましい。90%未満であると、チタン酸リチウムの結晶中の欠陥が多いため、電極の安定性が低下する場合がある。
チタン酸リチウムは、リチウム化合物、チタン化合物を500°C以上1500°C以下で加熱処理することによって得ることができる。温度が500°C未満、又は1500°Cより高いと、所望の構造をしたチタン酸リチウムを得ることができにくい傾向がある。チタン酸リチウムの結晶性を向上させるため、加熱処理後、再び500°C以上1500°C以下で再加熱処理してもよい。再加熱処理の温度は、最初に処理した温度と同じでもよいし、違っていてもよい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行ってもよい。加熱処理には、特に限定されないが、例えば、箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
チタン酸リチウムは、リチウム化合物、チタン化合物を500°C以上1500°C以下で加熱処理することによって得ることができる。温度が500°C未満、又は1500°Cより高いと、所望の構造をしたチタン酸リチウムを得ることができにくい傾向がある。チタン酸リチウムの結晶性を向上させるため、加熱処理後、再び500°C以上1500°C以下で再加熱処理してもよい。再加熱処理の温度は、最初に処理した温度と同じでもよいし、違っていてもよい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行ってもよい。加熱処理には、特に限定されないが、例えば、箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムなどを用いることができる。これらリチウム化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
チタン化合物としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、一酸化チタンなどのチタン酸化物を用いることができる。
チタン化合物としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、一酸化チタンなどのチタン酸化物を用いることができる。
リチウム化合物、チタン化合物の配合比は、リチウム、チタンの原子比Ti/Li=1.25前後であればよいが、原料の性状や加熱条件によって多少の幅をもたせてもよい。
チタン酸リチウムの表面は、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
チタン酸リチウムの粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらに1μm以上30μm以下であることが取り扱いの観点からさらに好ましい。粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
チタン酸リチウムの表面は、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
チタン酸リチウムの粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらに1μm以上30μm以下であることが取り扱いの観点からさらに好ましい。粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
チタン酸リチウムの比表面積は、0.1m2/g以上50m2/g以下であることが、所望の出力密度を得やすいことから好ましい。比表面積は、水銀ポロシメータ、BET法での測定により算出するのがよい。
チタン酸リチウムの嵩密度は、0.2g/cm3以上2.0g/cm3以下であることが好ましい。0.2g/cm3未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となる傾向があり、2.0g/cm3より大きいと後述の導電助材、結着材との混合が困難となる傾向がある。
チタン酸リチウムの嵩密度は、0.2g/cm3以上2.0g/cm3以下であることが好ましい。0.2g/cm3未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となる傾向があり、2.0g/cm3より大きいと後述の導電助材、結着材との混合が困難となる傾向がある。
負極活物質は前述したように結着材を含むことが好ましい。結着材は、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。活物質と集電体が良好な密着性を示し、結果として優れたサイクル特性を示す電池が得られるという観点から、PVdF、ポリイミドもしくはPTFEを用いることが好ましい。
結着材は負極の作製しやすさから、非水溶媒に溶解され又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの溶媒が「第一の溶媒A」に相当する。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において、負極活物質混合物に含まれる結着材の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前述の範囲であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができ、結果として、得られた電池のサイクル特性が良好となる。
負極は必要に応じて導電助材を含有してもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料又は/及び金属微粒子が好ましい。炭素材料として、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどが挙げられる。金属微粒子として、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル及びこれら少なくとも1種を含む合金が挙げられる。また、無機材料の微粒子にめっきを施したものでもよい。これら炭素材料及び金属微粒子は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
負極に含まれる導電助材の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは1重量部以上15重量部以下である。この範囲であれば、負極の導電性が確保される。また、結着材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。30重量部よりも多量の導電助材を使用する場合、導電助材の占める体積が増大し、エネルギー密度が低下する傾向がある。
集電体の厚みは、0.01mm以上5.0mm以下であることが好ましい。厚みが0.01mm未満の場合は負極活物質混合物を担持することが難しい。
本発明の集電体に用いられる金属は、好ましくは銅、アルミニウム又はその合金である。従来の集電体に用いられる銅と比べ比重が70%小さいため、電池の重量を軽くすることができ、その結果エネルギー密度が向上する。特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウム、又はアルミニウムとチタンとの合金、アルミニウムとクロムとの合金、アルミニウムと銅との合金、アルミニウムとニッケルとの合金、あるいはアルミニウムを含む前記3種類以上の複合合金が例示される。
本発明の集電体に用いられる金属は、好ましくは銅、アルミニウム又はその合金である。従来の集電体に用いられる銅と比べ比重が70%小さいため、電池の重量を軽くすることができ、その結果エネルギー密度が向上する。特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウム、又はアルミニウムとチタンとの合金、アルミニウムとクロムとの合金、アルミニウムと銅との合金、アルミニウムとニッケルとの合金、あるいはアルミニウムを含む前記3種類以上の複合合金が例示される。
本発明の実施形態における負極の作製方法は、負極活物質、導電助材、及び結着材からなる負極活物質混合物を集電体に担持することによって作製される。作製方法の容易さから、負極活物質、導電助材、結着材及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体の外面に充填及び塗布した後に、溶媒を除去することによって負極を作製する方法が好ましい。
スラリーを作製する場合は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、結着材、及び溶媒を均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。スラリーの混練方法は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、及び結着材を混合した後に溶媒を加えて混練してもよいし、負極活物質、導電助材、結着材、及び溶媒を一緒に混合して混練してもよい。
スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合、スラリーの粘度が低すぎる傾向があり、一方、80wt%より高い場合は、スラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
スラリーに用いられる溶媒は、非水溶媒であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。このスラリーに用いられる溶媒は、前述した結着材が溶解され又は分散されている溶媒と同じである。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
スラリーに用いられる溶媒は、非水溶媒であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。このスラリーに用いられる溶媒は、前述した結着材が溶解され又は分散されている溶媒と同じである。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明の負極の結着材に10nm〜2000nmの孔を形成させる方法は、少なくとも第一の溶媒Aに溶解あるいは分散された結着材と負極活物質とを含むスラリーを集電体に塗工し、その塗工物を第二の溶媒Bに浸漬したのち、溶媒A及び溶媒Bを除去することによって形成させる方法が例示される。
溶媒Bには、溶媒Aと相溶性があり、かつ溶媒Aに対して貧溶媒であることが好ましい。溶媒Bは前記条件を満たしていれば、特に限定されないが、どの非水溶媒に対しても効果のある水であることが好ましい。
溶媒Bには、溶媒Aと相溶性があり、かつ溶媒Aに対して貧溶媒であることが好ましい。溶媒Bは前記条件を満たしていれば、特に限定されないが、どの非水溶媒に対しても効果のある水であることが好ましい。
結着材の孔径は、溶媒Bでの浸漬時間及び/又は温度によって制御することができる。
浸漬時間は、5秒以上、15分以下であることが好ましく、より好ましくは7秒以上、13分以下、特に好ましくは10秒以上、10分以下である。5秒未満の場合は結着材に孔が形成されないおそれがあり、15分より長い場合は所望の径よりも大きな孔が形成され、電池の特性が低下するおそれがある。
浸漬時間は、5秒以上、15分以下であることが好ましく、より好ましくは7秒以上、13分以下、特に好ましくは10秒以上、10分以下である。5秒未満の場合は結着材に孔が形成されないおそれがあり、15分より長い場合は所望の径よりも大きな孔が形成され、電池の特性が低下するおそれがある。
溶媒Bの温度は、溶媒A及び溶媒Bの融点よりも高く、沸点よりも低いことが好ましい。融点未満の場合、溶媒A及び溶媒Bが固体状態であるので結着材に孔が形成されず、一方、沸点よりも高い場合は、溶媒が気化し、取り扱いが難しくなる。所望の径の孔が得られること、取り扱いの容易さから、溶媒Bの温度は5℃以上80℃未満、より好ましくは10℃以上70℃未満、特に好ましくは10℃以上60℃未満である。5℃未満の場合は所望の径よりも大きな孔が形成され、電池特性が低下するおそれがある。一方、80℃以上の場合は所望の径よりも大きな孔が形成され、電池特性が低下するおそれがある。
集電体上への負極活物質層の担持方法は、特に限定されないが、例えばスラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に溶媒を除去する方法、スプレーにより集電体に付着させた後に溶媒を除去する方法、スラリーに集電体を含浸させた後に溶媒を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。雰囲気としては室温、あるいは高温とした空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。負極の形成時点は、後述の正極を形成する前でも、後でもよい。
負極活物質、導電助材及び結着材の混合物を溶媒に分散させない場合は、負極活物質、導電助材、及び結着材を均一に混合するために、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いて混合物を作製したのちに、集電体に担持することが好ましい。混合物を集電体に担持する方法としては、特に限定されないが、混合物を集電体に塗布した後にプレスする方法が好ましい。プレスするとき、加熱させても良い。また、負極作製後、ロールプレス機などを用いて負極を圧縮させてもよい。負極の圧縮は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の実施形態において、負極の厚みTは0.05mm以上5mm以下であるのが好ましい。0.05mmより小さい場合には電池の大型化が困難となり、5mmより大きい場合には電極内部まで電解液を浸透させることが困難になることに加え、イオンの拡散距離が大きくなることから、電池としての性能が得られない傾向がある。より好ましくは、0.1mm以上3mm以下であり、この範囲の厚みであれば物質拡散は容易に進行する傾向がある。また、負極の厚みTは、集電体の全面にわたって、集電体の厚みと比べてxmm厚いことが好ましい。ここで“x”として0mmを超え2mm以下の範囲であることが好ましい。“x”が0mmの場合は、負極から集電体が露出し後述のセパレータを破壊する傾向がある。2mmより厚い場合は負極活物質混合物が脱落する可能性がある。なお、脱落防止のために、後述のセパレータで覆ってもよい。
負極の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であれば、負極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。一方、4.0g/cm3より大きい場合は、後述の電解液が負極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。
負極は、圧縮させてもよい。圧縮法は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮時点は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
負極は、圧縮させてもよい。圧縮法は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮時点は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の実施形態において負極は、その単位面積1cm2の正方形を底面とし、負極の厚みTを高さとする直方体当たり、1mAh以上50mAh以下の電気容量を有することが好ましい。1mAh未満である場合は電池の大きさが大きくなる場合があり、一方、50mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。負極の電気容量の算出は、負極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出できる。
<2.正極>
本発明の非水電解質二次電池に用いられる正極は、少なくとも正極活物質層と集電体とで構成される。正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、好ましくはさらに結着材を含み、必要に応じて導電助材を含む。
正極活物質は、特に限定されないが、サイクル安定性が優れることから、リチウムマンガン化合物であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる正極は、少なくとも正極活物質層と集電体とで構成される。正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、好ましくはさらに結着材を含み、必要に応じて導電助材を含む。
正極活物質は、特に限定されないが、サイクル安定性が優れることから、リチウムマンガン化合物であることが好ましい。
リチウムマンガン化合物としては、例えば、Li2MnO3、LiaMbMn1−bNcO4(0<a≦34、0≦b≦0.5、1≦c≦2、Mは2〜13族でかつ第3、4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種、Nは14〜16族でかつ第3周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)、Li1+xMyMn2―x―yO4(0≦x≦0.34、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)で表されるリチウムマンガン化合物が挙げられる。ここでのMは、2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素から選ばれる少なくとも1種であるが、安定性向上の効果が大きい点から、Al、Mg、Zn、Ni、Co、Fe及びCrが好ましく、Al、Mg、Zn、Ni及びCrがより好ましく、Al、Mg、Zn及びNiがさらに好ましい。また、ここでのNは安定性向上の効果が大きい点から、Si、P及びSが好ましい。
中でも、正極活物質の安定性が高いことから、Li1+xMyMn2―x―yO4(0≦x≦0.34、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)で表されるリチウムマンガン化合物であることが特に好ましい。x<0の場合は、正極活物質の容量が減少する傾向がある。また、x>0.34の場合は炭酸リチウムなどの不純物が多く含まれるようになる傾向がある。y=0の場合は、正極活物質の安定性が低くなる傾向がある。また、y>0.6の場合はMの酸化物などの不純物が多く含まれるようになる傾向がある。
リチウムマンガン化合物は、スピネル構造であることが好ましい。スピネル構造の場合、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さいからである。
リチウムマンガン化合物は、CuKα線による粉末X線回折の(400)面の半値幅が0.5°以下であることが好ましい。0.5°より大きいと、正極活物質の結晶性が低いため、電極の安定性が低下する場合がある。
リチウムマンガン化合物は、CuKα線による粉末X線回折の(400)面の半値幅が0.5°以下であることが好ましい。0.5°より大きいと、正極活物質の結晶性が低いため、電極の安定性が低下する場合がある。
リチウムマンガン化合物は、X線回折によるリートベルト解析法による8aサイトに占めるリチウム含有率は、90%以上であることが好ましい。90%未満であると、正極活物質の結晶中の欠陥が多いため、電極の安定性が低下する場合がある。
リチウムマンガン化合物の粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることは取り扱いの観点からさらに好ましい。ここでの粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
リチウムマンガン化合物の粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることは取り扱いの観点からさらに好ましい。ここでの粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
リチウムマンガン化合物の比表面積は、0.1m2/g以上50m2/g以下であることは所望の出力密度を得やすいことから好ましい。比表面積はBET法での測定により算出できる。
リチウムマンガン化合物の嵩密度は、0.2g/cm3以上2.0g/cm3以下であることが好ましい。0.2g/cm3未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となり、2.0g/cm3より大きい場合では後述の導電助材、結着材との混合が困難となる傾向がある。
リチウムマンガン化合物の嵩密度は、0.2g/cm3以上2.0g/cm3以下であることが好ましい。0.2g/cm3未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となり、2.0g/cm3より大きい場合では後述の導電助材、結着材との混合が困難となる傾向がある。
リチウムマンガン化合物は、リチウム化合物、マンガン化合物、必要に応じてMの化合物、Nの化合物を500°C以上、1500°C以下で加熱処理することによって得ることができる。500°C未満、又は1500°Cより高いと、所望の構造をした正極活物質を得ることができない場合がある。加熱処理は、リチウム化合物及びマンガン化合物、必要に応じてMの化合物やNの化合物を混合して加熱処理もよいし、マンガン化合物とMの化合物やNの化合物とを加熱処理した後に、リチウム化合物と加熱処理してもよい。正極活物質の結晶性を向上させるため、加熱処理後、再び500°C以上、1500°C以下で再加熱処理してもよい。再加熱処理の温度は、最初におこなった温度と同じでもよいし、違っていてもよい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下でおこなってもよい。加熱処理には、特に限定されないが、例えば、箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムなどを用いることができる。これらリチウム化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
マンガン化合物としては、例えば、二酸化マンガン等のマンガン酸化物、炭酸マンガン、硝酸マンガン、マンガン水酸化物などを用いることができる。これらマンガン化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
マンガン化合物としては、例えば、二酸化マンガン等のマンガン酸化物、炭酸マンガン、硝酸マンガン、マンガン水酸化物などを用いることができる。これらマンガン化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
Mの化合物としては、例えば、炭酸化物、酸化物、硝酸化物、水酸化物、硫酸化物などを用いることができる。LiaMbMn1−bNcO4やLi1+xMyMn2―x―yO4に含まれるMの量は、加熱処理時におけるMの化合物の量で制御することができる。Mの化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
Nの化合物としては、例えば、単体、酸化物、オキソ酸及びその塩などを用いることができる。LiaMbMn1−bNcO4やLi1+xMyMn2―x―yO4に含まれるNの量は、加熱処理時におけるNの化合物の量で制御することができる。Nの化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
Nの化合物としては、例えば、単体、酸化物、オキソ酸及びその塩などを用いることができる。LiaMbMn1−bNcO4やLi1+xMyMn2―x―yO4に含まれるNの量は、加熱処理時におけるNの化合物の量で制御することができる。Nの化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
例えば、Li1+xMyMn2―x―yO4(0≦x≦0.34、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)で表わされるリチウムマンガン化合物を製造する場合、リチウム化合物、マンガン化合物及びMの化合物の配合比は、リチウム、マンガン及びMの原子比をそれぞれ1+x(リチウム)、2−x−y(マンガン)、及びy(M)、但し、0≦x≦0.34、0<y≦0.6を満たす範囲で選択される。例えば、Mn/Liの原子比1.5の正極活物質を作製する場合、原料の性状や加熱条件によって配合比を1.5前後とするが、多少の幅をもたせてもよい。
正極活物質の表面には、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
正極活物質混合物には結着材を混合してよい。前述した負極活物質層に使用される結着材で例示されたものを同様に適用できる。結着材は正極の作製しやすさから、非水溶媒又は水に、溶解又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は、前述した非水溶媒で例示されたものを同様に適用できる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
正極活物質混合物には結着材を混合してよい。前述した負極活物質層に使用される結着材で例示されたものを同様に適用できる。結着材は正極の作製しやすさから、非水溶媒又は水に、溶解又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は、前述した非水溶媒で例示されたものを同様に適用できる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において、正極活物質混合物に含まれる結着材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。結着材種は、活物質と集電体が良好な密着性を示し、結果として優れたサイクル特性を示す電池が得られるという観点から、PVdFもしくはPTFEを用いることが好ましい。前記範囲及び前記結着材種であれば、正極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができ、結果としてサイクル特性が向上する。
正極には必要に応じて導電助材を含有してもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料もしくは金属微粒子が好ましい。炭素材料としては、前述の負極に含有されうる炭素材料と同一のものが例示される。金属微粒子として、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金が挙げられる。また、無機材料の微粒子にめっきを施したものでもよい。これら炭素材料及び金属微粒子は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
正極に含まれる導電助材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは1重量部以上15重量部以下である。この範囲であれば、正極の導電性が確保される。また、結着材との接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。一方、30重量部よりも多量の導電助材を使用した場合、導電助材の占める体積が増大し、エネルギー密度が低下する傾向がある。
正極の結着材は、負極の結着材に適用したのと同様の方法で、孔を形成させても良い。
本発明の非水電解質二次電池の正極に用いられる集電体は前述した負極に用いられる集電体で例示されたもの(ただし銅以外)及び箔状のものを同様に適用できる。
本発明の非水電解質二次電池は、例えば、正極活物質、導電助材、及び結着材を含む正極活物質層を集電体に担持することによって作製されるが、作製方法の容易さから、正極活物質、導電助材、結着材及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体の外面に充填及び塗布した後に、溶媒を除去することによって正極を作製する方法が好ましい。また、正極活物質、導電助材及び結着材の混合物を溶媒に分散させず、そのまま集電体に担持させても良い。
本発明の非水電解質二次電池の正極に用いられる集電体は前述した負極に用いられる集電体で例示されたもの(ただし銅以外)及び箔状のものを同様に適用できる。
本発明の非水電解質二次電池は、例えば、正極活物質、導電助材、及び結着材を含む正極活物質層を集電体に担持することによって作製されるが、作製方法の容易さから、正極活物質、導電助材、結着材及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体の外面に充填及び塗布した後に、溶媒を除去することによって正極を作製する方法が好ましい。また、正極活物質、導電助材及び結着材の混合物を溶媒に分散させず、そのまま集電体に担持させても良い。
前述した負極の作製における、スラリーの作製法、スラリーの固形分濃度、スラリーに用いる溶媒、集電体上への活物質層の担持方法、電極の圧縮は、正極の作製においても同様に適用できる。
正極の厚みは特に限定されないが、0.05mm以上5mm以下であることが好ましい。0.05mmより小さい場合には大型化が困難となり、5mmより大きい場合には電極内部まで電解液を浸透させることが困難になることに加え、イオンの拡散距離が大きくなることから、電池としての性能が得られない傾向がある。より好ましくは、0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。この範囲の厚みであれば物質拡散は容易に進行する傾向がある。また、正極厚みは、集電体の厚みに比べてxmm厚いことが好ましい。ここで“x”として0mmを超え2mm以下の範囲であることが好ましい。0mmの場合は、正極活物質混合物から集電体が露出し後述のセパレータを破壊する傾向がある。2mmより厚い場合は正極活物質混合物が脱落する可能性がある。また、脱落防止のために、後述のセパレータで覆ってもよい。
正極の厚みは特に限定されないが、0.05mm以上5mm以下であることが好ましい。0.05mmより小さい場合には大型化が困難となり、5mmより大きい場合には電極内部まで電解液を浸透させることが困難になることに加え、イオンの拡散距離が大きくなることから、電池としての性能が得られない傾向がある。より好ましくは、0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。この範囲の厚みであれば物質拡散は容易に進行する傾向がある。また、正極厚みは、集電体の厚みに比べてxmm厚いことが好ましい。ここで“x”として0mmを超え2mm以下の範囲であることが好ましい。0mmの場合は、正極活物質混合物から集電体が露出し後述のセパレータを破壊する傾向がある。2mmより厚い場合は正極活物質混合物が脱落する可能性がある。また、脱落防止のために、後述のセパレータで覆ってもよい。
本発明において、正極活物質層の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であれば、正極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。一方、4.0g/cm3より大きい場合は、後述の電解液が正極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。正極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮方法は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮時点は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明において、正極の1cm2あたりの電気容量は、1mAh以上50mAh以下であることが好ましい。1mAh未満である場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合があり、一方、50mAhより多い場合は電池の大きさが大きくなる場合がある。正極の1cm2あたりの電気容量の算出は、正極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出できる。正極1cm2あたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる正極の重量で制御する方法、例えば、前述の正極塗工時の塗工厚みで制御することができる。
<3.負極と正極の容量比及び面積比>
本発明の非水電解質二次電池における正極の電気容量と負極の電気容量との比は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.7≦B/A≦1.3 (1)
但し、式(2)中、Aは正極1cm2あたりの電気容量を示し、Bは負極1cm2あたりの電気容量を示す。
本発明の非水電解質二次電池における正極の電気容量と負極の電気容量との比は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.7≦B/A≦1.3 (1)
但し、式(2)中、Aは正極1cm2あたりの電気容量を示し、Bは負極1cm2あたりの電気容量を示す。
B/Aが0.7未満である場合は、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる場合があり、一方、B/Aが1.3より大きい場合は電池反応に関与しない負極活物質多いために副反応が起こる場合がある。
本発明の非水電解質二次電池における正極と負極との面積比は、特に限定されないが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池における正極と負極との面積比は、特に限定されないが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
1≦D/C≦1.2 (2)
(但し、Cは正極の面積、Dは負極の面積を示す。)
D/Cが1未満である場合は、例えば先述のB/A=1の場合、負極の容量が正極よりも小さくなるため、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる恐れがある。一方、D/Cが1.2より大きい場合は、正極と接していない部分の負極が大きいため、電池反応に関与しない負極活物質が副反応を起こす場合がある。正極及び負極の面積の制御は特に限定されないが、例えば、スラリー塗工の際、塗工幅を制御することによって行うことができる。
(但し、Cは正極の面積、Dは負極の面積を示す。)
D/Cが1未満である場合は、例えば先述のB/A=1の場合、負極の容量が正極よりも小さくなるため、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる恐れがある。一方、D/Cが1.2より大きい場合は、正極と接していない部分の負極が大きいため、電池反応に関与しない負極活物質が副反応を起こす場合がある。正極及び負極の面積の制御は特に限定されないが、例えば、スラリー塗工の際、塗工幅を制御することによって行うことができる。
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータと負極との面積比は特に限定されないが、下記式(3)を満たすことが好ましい。
1≦F/E≦1.5 (3)
(但し、Eは負極の面積、Fはセパレータの面積を示す。)
F/Eが1未満である場合は、正極と負極とが接触し、1.5より大きい場合は外装に要する体積が大きくなり、電池の出力密度が低下する場合がある。
1≦F/E≦1.5 (3)
(但し、Eは負極の面積、Fはセパレータの面積を示す。)
F/Eが1未満である場合は、正極と負極とが接触し、1.5より大きい場合は外装に要する体積が大きくなり、電池の出力密度が低下する場合がある。
<4.セパレータ>
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータとしては、多孔質材料又は不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、電解液を構成する有機溶媒に対して溶解しないものが好ましく、具体的にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、セルロース、ガラスのような無機材料が挙げられる。
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータとしては、多孔質材料又は不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、電解液を構成する有機溶媒に対して溶解しないものが好ましく、具体的にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、セルロース、ガラスのような無機材料が挙げられる。
セパレータの厚みは1〜500μmが好ましい。1μm未満であるとセパレータの機械的強度の不足により破断し、内部短絡する傾向がある。一方、500μmより厚い場合、電池の内部抵抗と、正極負極の電極間距離が増大することにより、電池の負荷特性が低下する傾向がある。より好ましい厚みは、10〜50μmである。
<5.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
<5.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、これに加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。また、高分子に電解液をしみこませたゲル状電解質も用いることができる。
溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SO2CF3)2などは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
<6.非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の片面又は両面に一種類の電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、他方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
バイポーラ電極とする場合、集電体を介した正極と負極の液絡を防止する必要がある。このため、バイポーラ電極自体、正極側の面と負極側の面との間で、液体を通さない構造とする。
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の片面又は両面に一種類の電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、他方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
バイポーラ電極とする場合、集電体を介した正極と負極の液絡を防止する必要がある。このため、バイポーラ電極自体、正極側の面と負極側の面との間で、液体を通さない構造とする。
また、バイポーラ電極とする場合は、向き合うバイポーラ電極の正極側と負極側との間にセパレータを配置し、正極側と負極側とが対向した層からの液絡を防止するため正極及び負極の周辺部に絶縁材料が配置されている。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含浸している。ただし、非水電解としてゲル状のものを使用する場合は、電解質が正極及び負極に含浸していても良く、正極・負極間のみにある状態でもよい。ゲル状電解質により正極・負極間が直接接触していなければ、セパレータを使用する必要はない。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含浸している。ただし、非水電解としてゲル状のものを使用する場合は、電解質が正極及び負極に含浸していても良く、正極・負極間のみにある状態でもよい。ゲル状電解質により正極・負極間が直接接触していなければ、セパレータを使用する必要はない。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極及びセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回し、あるいは積層した後に添加してもよい。ゲル状の非水電解質を使用する場合は、モノマーを含浸させた後ゲル状にしても、予めゲル状にした後に正極と負極の間に配置してもよい。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極及びセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回し、あるいは積層した後に添加してもよい。ゲル状の非水電解質を使用する場合は、モノマーを含浸させた後ゲル状にしても、予めゲル状にした後に正極と負極の間に配置してもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記積層体を倦回し、あるいは複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガス等を放出するための機構が備わっていてもよい。また、劣化した当該非水電解質二次電池の機能を回復させるための添加剤を電池外部から注入する機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電池容量を発現するまで積層させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって作製することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
<実施例1>
(孔径確認用サンプルの作製)
孔径確認用キャスト膜を次のとおりに作製した。
最初に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)溶液(5wt%、「第一の溶媒A」としてのNMP溶液)を、クリアランス300μmのドクターブレードを用いてガラス板に塗工した。次に、PVdFを塗工したガラス板を、「第二の溶媒B」としての脱イオン水に10秒間浸漬させた後に、上澄み液を除去した。最後に、120℃のオーブン(放射型)で乾燥させることによって、孔径確認用キャスト膜を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜100nmの孔が複数形成されていることを確認した。
(孔径確認用サンプルの作製)
孔径確認用キャスト膜を次のとおりに作製した。
最初に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)溶液(5wt%、「第一の溶媒A」としてのNMP溶液)を、クリアランス300μmのドクターブレードを用いてガラス板に塗工した。次に、PVdFを塗工したガラス板を、「第二の溶媒B」としての脱イオン水に10秒間浸漬させた後に、上澄み液を除去した。最後に、120℃のオーブン(放射型)で乾燥させることによって、孔径確認用キャスト膜を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜100nmの孔が複数形成されていることを確認した。
(負極の作製)
負極活物質のLi4Ti5O12を、文献(Journal of Electrochemical Society, 142, 1431(1995))に記載されている方法で作製した。
すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって負極活物質を作製した。
負極活物質のLi4Ti5O12を、文献(Journal of Electrochemical Society, 142, 1431(1995))に記載されている方法で作製した。
すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって負極活物質を作製した。
この負極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を6.8重量部、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)結着材(KF7305、クレハ化学社製)(固形分濃度5wt%、NMP溶液)を固形分6.8重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーを、クリアランス300μmのドクターブレードを用いてアルミニウム箔(厚さ20μm)に塗工した後に、水中に溶存するイオンの大部分を除去した脱イオン水(25℃)に10秒浸漬させた。その後、150℃で真空乾燥することによって負極活物質層の表面の見える結着剤が多孔化された負極(片面塗工)を作製した。
<実施例2>
脱イオン水(25℃)に30秒浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜400nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例3>
脱イオン水(25℃)に1分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径200〜1000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例4>
脱イオン水(25℃)に5分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径300〜1200nmの範囲で多孔化していることを確認した。この実施例4のキャスト膜をSEM観察した写真を、図3に掲載する。
脱イオン水(25℃)に30秒浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜400nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例3>
脱イオン水(25℃)に1分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径200〜1000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例4>
脱イオン水(25℃)に5分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径300〜1200nmの範囲で多孔化していることを確認した。この実施例4のキャスト膜をSEM観察した写真を、図3に掲載する。
<実施例5>
脱イオン水(25℃)に10分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径300〜2000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例6>
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜200nmの範囲で多孔化していることを確認した。このジメチルホルムアミドが「第一の溶媒A」に相当する。
脱イオン水(25℃)に10分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径300〜2000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例6>
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜200nmの範囲で多孔化していることを確認した。このジメチルホルムアミドが「第一の溶媒A」に相当する。
<実施例7>
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例2と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜500nmの範囲で多孔化していることを確認した。
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例2と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径10〜500nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例8>
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は実施例3と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径100〜1200nmの範囲で多孔化していることを確認した。
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は実施例3と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径100〜1200nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例9>
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例4と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径200〜1500nmの範囲で多孔化していることを確認した。
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例4と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径200〜1500nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<実施例10>
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例5と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径500〜2000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
結着材にビフェニルテトラカルボン酸とジアミノジフェニルエーテルとから合成されたポリイミドのジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5wt%)を用いたこと以外は、実施例5と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径500〜2000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<比較例1>
脱イオン水(25℃)に浸漬させないこと以外は実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、多孔化していないことを確認した。図4は比較例1のキャスト膜をSEM観察した写真を示す。
<比較例2>
脱イオン水(80℃)に10分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径3000〜10000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
脱イオン水(25℃)に浸漬させないこと以外は実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、多孔化していないことを確認した。図4は比較例1のキャスト膜をSEM観察した写真を示す。
<比較例2>
脱イオン水(80℃)に10分浸漬させたこと以外は、実施例1と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径3000〜10000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<比較例3>
脱イオン水(25℃)に浸漬させないこと以外は、実施例5と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、多孔化していないことを確認した。
<比較例4>
脱イオン水(80℃)に10分浸漬させたこと以外は、実施例5と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径3000〜10000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
脱イオン水(25℃)に浸漬させないこと以外は、実施例5と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、多孔化していないことを確認した。
<比較例4>
脱イオン水(80℃)に10分浸漬させたこと以外は、実施例5と同様に孔径確認用キャスト膜及び負極を作製した。このキャスト膜をSEM観察した結果、孔径3000〜10000nmの範囲で多孔化していることを確認した。
<充放電試験>
負極の容量評価のため、次の充放電試験を行って測定した。ここで「放電」をチタン酸リチウムへのリチウム挿入反応、「充電」とチタン酸リチウムからのリチウム脱離反応と定義する。
前述した各電極を16mmΦに打ち抜き動作極を作製した。Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ(ポリオレフィン系多孔質膜、厚み25μm)/Li金属の順に、試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。
負極の容量評価のため、次の充放電試験を行って測定した。ここで「放電」をチタン酸リチウムへのリチウム挿入反応、「充電」とチタン酸リチウムからのリチウム脱離反応と定義する。
前述した各電極を16mmΦに打ち抜き動作極を作製した。Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ(ポリオレフィン系多孔質膜、厚み25μm)/Li金属の順に、試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。
この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.1C相当(放電レート「1C」相当とは半電池を定電流放電して1時間で放電終了となる電流値のことである。例えば放電レート「0.1C」相当とは10時間で放電終了となる電流値のことである)の電流値で定電流放電(終止電圧:1.0V)及び定電流充電(終止電圧:2.0V)を5回繰り返し、5回目の放電容量を負極の0.1C相当の放電容量とした。ここで「放電容量」とは、電池の放電を開始してから放電が終了するまでの時間Tに電流Iをかけた値“TI”を言う。電池の内部抵抗が小さいほど放電容量(TI値)は大きくなる。
同様に、この半電池を25℃で0.5C;1.0C;2.0C及び5.0C相当の各電流値で定電流放電(終止電圧:1.0V)させ、0.1C相当の電流値で定電流充電(終止電圧:2.0V)をおこなった。充放電を5回繰り返し、5回目の放電容量を、0.5C;1.0C;2.0C及び5.0C相当の放電容量とした。
0.1C相当の電流値での放電容量を100としたときの0.5C;1.0C;2.0C及び5.0C相当の電流値での放電容量を算出し、比較した。
0.1C相当の電流値での放電容量を100としたときの0.5C;1.0C;2.0C及び5.0C相当の電流値での放電容量を算出し、比較した。
図1は、横軸に放電レート(単位:C)相当の電流値をとり、縦軸に0.1C相当の電流値での放電容量を100としたときの各放電容量値をプロットしたグラフである。このグラフから実施例1〜5では、大電流、例えば5.0C相当の電流を流したときの放電容量が、0.1C相当の電流を流したときの放電容量から低下する割合は、比較例1,2に比べて低いことが分かる。特に実施例1→5→4→3→2の順に低下する割合が低くなっており、脱イオン水(25℃)に30秒浸漬させた実施例2が約83%と、低下する割合が最も低い(電極に長い時間、大電流を流すことができることを表している)。これより浸漬時間が長くても短くても放電容量は若干低下している。
また脱イオン水(25℃)に浸漬させなかった比較例1では、5.0C相当の電流を流したときの放電容量が、0.1C相当の電流を流したときの放電容量から大きく低下している。これは電極の内部抵抗が大きく、長い時間、大電流を流すことができないことを表している。
高温(80℃)の脱イオン水に10分浸漬させた比較例2では、孔径の範囲は3000〜10000nmと、実施例に比べて一桁大きくなっている。大電流での放電容量も測定できないくらいに低下している。これは孔が大きくなりすぎたため、チタン酸リチウム、導電助材の構造が寸断され、負極全体の電子伝導経路が寸断され、その結果、負極自体の抵抗率が上昇したためと推察される。
高温(80℃)の脱イオン水に10分浸漬させた比較例2では、孔径の範囲は3000〜10000nmと、実施例に比べて一桁大きくなっている。大電流での放電容量も測定できないくらいに低下している。これは孔が大きくなりすぎたため、チタン酸リチウム、導電助材の構造が寸断され、負極全体の電子伝導経路が寸断され、その結果、負極自体の抵抗率が上昇したためと推察される。
図2は、図1と同様、横軸に放電レート(単位:C)相当の電流値をとり、縦軸に0.1C相当の電流値での放電容量を100としたときの各放電容量値をプロットしたグラフである。このグラフから実施例6〜10では、大電流、例えば5.0C相当の電流を流したときの放電容量が、0.1C相当の電流を流したときの放電容量から低下する割合は、比較例3,4に比べて低いことが分かる。特に実施例6→10→9→8→7の順に低下する割合が低くなっており、脱イオン水(25℃)に30秒浸漬させた実施例7が約83%と、低下する割合が最も低い(電極に長い時間、大電流を流すことができることを表している)。これより浸漬時間が長くても短くても放電容量は若干低下している。特に浸漬時間を短くした実施例6(10秒)では放電容量が低下している。
また脱イオン水(25℃)に浸漬させなかった比較例3では、放電容量が、0.1C相当の電流を流したときの放電容量から大きく低下している。
高温(80℃)の脱イオン水に10分浸漬させた比較例4では、孔径の範囲は3000〜10000nmと、実施例に比べて一桁大きくなっている。大電流での放電容量も測定できないくらいに低下している。
高温(80℃)の脱イオン水に10分浸漬させた比較例4では、孔径の範囲は3000〜10000nmと、実施例に比べて一桁大きくなっている。大電流での放電容量も測定できないくらいに低下している。
Claims (7)
- 正極、負極、セパレータ及び非水電解質を用いて構成される非水電解質二次電池に用いられ、
前記負極が少なくとも負極活物質及び結着材を含む負極活物質層と、該負極活物質層を付着させた集電体とによって構成され、
前記負極活物質がチタン酸化物を含み、前記集電体に付着された負極活物質層に含まれる結着材に孔径10nm以上、2000nm以下の孔が複数形成されている、非水電解質二次電池用負極活物質層。 - 前記結着材が高分子化合物である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質層。
- 前記チタン酸化物が、スピネル構造を有するチタン酸リチウムである、請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池用負極活物質層。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質層を製造する方法であって、
前記結着材を溶解または分散した溶液と前記負極活物質を含む混合物とを集電体に形成させた後に、前記結着材を溶解または分散した溶液に含まれる第一の溶媒Aを、前記溶媒Aと相溶性のある第二の溶媒Bで抽出する、非水電解質二次電池用負極活物質層の製造方法。 - 前記第二の溶媒Bは水である、請求項4に記載の非水電解質二次電池用負極活物質層の製造方法。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質層を負極に含む、非水電解質二次電池。
- 請求項6に記載の非水電解質二次電池を複数個接続してなる組電池。
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JP2012058337A JP2013191484A (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 負極活物質層、その製造方法及び非水電解質二次電池 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3025054A1 (fr) * | 2014-08-25 | 2016-02-26 | Renault Sas | Batterie comprenant un materiau pour electrode negative adherant au collecteur de courant anodique |
CN112204794A (zh) * | 2018-05-31 | 2021-01-08 | 株式会社村田制作所 | 非水电解质二次电池 |
WO2021149539A1 (ja) * | 2020-01-23 | 2021-07-29 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
WO2022260405A1 (ko) * | 2021-06-09 | 2022-12-15 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 접착력이 개선된 이차전지용 분리막 |
-
2012
- 2012-03-15 JP JP2012058337A patent/JP2013191484A/ja active Pending
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FR3025054A1 (fr) * | 2014-08-25 | 2016-02-26 | Renault Sas | Batterie comprenant un materiau pour electrode negative adherant au collecteur de courant anodique |
WO2016030389A1 (fr) * | 2014-08-25 | 2016-03-03 | Renault S.A.S | Batterie comprenant un materiau pour électrode négative adherant au collecteur de courant anodique |
CN112204794A (zh) * | 2018-05-31 | 2021-01-08 | 株式会社村田制作所 | 非水电解质二次电池 |
CN112204794B (zh) * | 2018-05-31 | 2024-03-19 | 株式会社村田制作所 | 非水电解质二次电池 |
WO2021149539A1 (ja) * | 2020-01-23 | 2021-07-29 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
JP7545422B2 (ja) | 2020-01-23 | 2024-09-04 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
WO2022260405A1 (ko) * | 2021-06-09 | 2022-12-15 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 접착력이 개선된 이차전지용 분리막 |
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