JP2013190394A - パターン照明装置、及び測距装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の第1の実施形態に係るパターン照明装置1は、図示しない計測対象物までの距離を計測するために、計測対象物にパターンを投光するパターン照明装置1であって、パターン光5を投光するための光を出射する半導体レーザ(光源)2と、この半導体レーザ2から出射された光を平行光に変換するカップリングレンズ(光学手段)3と、カップリングレンズ3により変換された平行光を回折する回折光学素子4と、を備え、回折光学素子4から出射されて計測対象物に投光されるパターン光5は、3階調以上の多階調の輝度分布を有する画素がランダムに配置されたパターンである。
【選択図】図1
Description
図9より1対の2次元センサ(105a、105b)は1対のレンズ(103a、103b)と組み合わせることで2つのカメラ(102a、102b)を構成して、計測対象物101が2つの2次元センサ(105a、105b)上に投影された夫々の画像から、ずれ(視差)を検出して三角測量の原理に基づいて距離を計測する。図9において計測対象物101からの光を同一の光学系からなる2つのカメラ102a、102bを配置して撮影する場合について考える。レンズ103aを介して得た計測対象物像104aと、レンズ103bを介して得た計測対象物像104bとは、計測対象物101の同一点が視差Δだけずれて2次元センサ105a、105bにそれぞれ104a、104bとして撮像され(図10参照)、複数の受光素子(画素)で受光され、電気信号に変換される。
A=Df/Δ・・・・(1)
(1)式より、基線長D、及びレンズの焦点距離fは既知であるから、視差Δを検出すれば計測対象物101までの距離Aを算出することができる。
その課題を解決するために、計測対象物の表面に対して所定の投光パターンを投光して計測対象の表面に模様を付ける従来技術として特許文献1には、所定の輝度階調を有する輝度ブロックをランダムに(すなわち、輝度変化に規則性がないように)配置したランダムパターンを用いることが開示されている。
また、特許文献3には、パターン生成方法として各部分数列によって表されるベクトルが互いに方向の異なるベクトルとなるように、数列を生成する方法が示され、誤った対応づけがなされる危険性を低減し、的確な対応づけを行うことができることが開示されている。またこのパターンを投光する手段として、プロジェクタや走査型の露光装置を用いることが開示されている。
また、特許文献3に開示されている走査型のレーザ露光装置は、レーザ光を変調しながら走査することでランダムパターンを表示する方式である。この方式では、計測対象物全体にランダムパターンを照射するためには、走査に要する時間が長くなる。従って、ステレオカメラのシャッタースピードはレーザ走査に要する時間によって制限されるため、短いシャッタースピードで撮影することはできない。その結果、動きの早いものや暗い場所での計測が困難となるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、高精度な距離計測を可能にするパターンを照射できる小型なパターン照明装置、及びそれを用いて計測対象までの距離を測定する測距装置を提供することを目的とする。
即ち、半導体レーザ2から出射されたレーザ光は、カップリングレンズ3によって平行光となる。平行光は回折光学素子4に入射して回折され、多階調の輝度分布を持つ光となる。この光は2値ではなく、図1(b)に示す多階調の輝度分布を持ち、最小単位である1つの画素のサイズは約1mm角である。この多階調の輝度分布をもった最小単位の画素がランダムに配置されたパターン光5が計測対象物に投光される。
本実施形態では半導体レーザ2は波長700〜900nm程度の近赤外光を発するレーザを想定している。波長がこれ以上に大きくなるとステレオカメラ(複眼撮像装置)に内蔵されている赤外カットフィルタでカットされたり、ステレオカメラのセンサ感度が低下してパターンが正確に検出できなくなってしまう。逆に半導体レーザ2の波長を400〜700nmの可視光にしても良い。可視光にすることでステレオカメラのセンサの検出感度が向上するというメリットがある。しかしその半面、レーザ光が眼で見えるため、人が危険を感じたり目障りになったりするといった課題が発生する。従って、計測対象物により波長を使い分けても構わない。
また、レーザパワーについてもAPC(Auto Power Control)回路7(図1)を用いて出射光をフィードバックして一定に保つことが望ましい。パターン照明の明るさを一定に保つことで、ステレオカメラにとって最適なシャッター時間を保つことができる。
また、半導体レーザ2は、一般的にパッケージサイズがφ3.5mm、φ5.6mmであり非常に小型である。カップリングレンズ3や回折光学素子4もほぼ同等のサイズで作られるため、従来のプロジェクタや走査型のレーザ露光装置に比べて本実施形態のパターン照明装置1は、サイズが格段に小さく作ることができるばかりでなく、走査部も無く信頼性も極めて高いものとなる。
以上のように本実施形態のパターン照明装置1は小型でありながら、高精度な測距を可能にするパターンを照射することができる。
ここで図3(a)のように光軸13a、13bの方向をZ軸とし、Z軸に垂直であり、且つ光軸13bから光軸13aへ向かう方向をY軸とし、Z軸とY軸の両方に直交する方向をX軸とする。レンズ12a、12bはXY平面上にありY軸上に両レンズの中心を配置した。この場合、視差Δが発生する方向はY軸方向となる。
以上の構成からなるステレオカメラ16は、図9、図10を用いて先に説明した三角測量の原理により計測対象物までの距離を計測できる。更に、図1に示したパターン照明装置1によりランダムパターンを照射すれば、計測対象物が単一色の表面をもつ物体であってもステレオ対応づけを行うことができる。加えてパターン照明装置1には走査部も無いため、動いているものでも精度良く計測することができる。
ここでステレオカメラ16のレンズ12a、12bの画角とパターン照明装置1のパターン出射角度の関係について説明する。図6は、本実施形態に係るパターン照明装置の出射角度とステレオカメラの画角との関係を表す図である。パターン照明装置1とステレオカメラ16を一体化した場合、パターン照明装置1を配置できる場所は図5に示すようにステレオカメラ16の周囲であるA〜Dの場所となる。従って、ステレオカメラ16の視野である画角全体にパターンを照射するためには、パターン出射角度αはステレオカメラ16の画角より大きくしなければならない。しかしながら、パターン出射角度αを大きくするためには、回折光学素子4をより微細に加工しなければならないため、加工上の制限からパターン出射角度αはあまり大きくはできない。そこでパターン照明装置1を配置する場所として図5のA又はCの位置ではなく、B又はDの位置とすることが望ましい。
図6の場合の出射角度αに比べて図7の方がパターン照明装置1の出射角度βが小さくすることができる。これはステレオカメラ16のAやCの位置にパターン照明装置1を配置すると、ステレオカメラ16の画角が大きい水平画角すべてをカバーするようにパターン照明装置1を配置しなければならないためである。水平画角すべてをカバーするためにはパターン照明装置1の出射角度αを大きくしなければならず、出射角度αを大きくするためには回折光学素子4の加工をより微細に加工しなければならない。
このようにパターン照明装置1をステレオカメラ16の基線長の方向に対して垂直方向の位置に配置することで、回折光学素子4の加工を難しくすることなく、ステレオカメラ16の視野を全てカバーできるようにパターン照明を行うことができる。垂直方向でもとりわけステレオカメラ16を2つのレンズの間の垂直方向に配置することでステレオカメラの視野近くに配置でき、回折光学素子4の加工精度を緩和できる。
図8(a)に示すような今まで説明してきたパターン照明装置の場合、回折光学素子4において回折せずに透過してしまう光(0次光)があると、照射するパターンのちょうど中心部に回折光学素子4に入射したレーザ光束のビーム径と同じ大きさのスポット光8が照射されることになる。0次光8が照射された部分は多階調の輝度分布が乱れてしまい、0次光8が照射される画面中心部は正確な測距ができなくなってしまう。
そこで図8(b)に示すように0次光8が照射するパターンの中に入らないようにする。即ち、図7で示したステレオカメラ16とパターン照明装置1の位置関係により、0次光を避けることができる。このようにすることで、0次光による輝度分布の乱れは発生しなくなり全画面で正確な測距ができるようになる。図8(b)の構成では回折効率が低下して照射するパターンが暗くなるが、半導体レーザ2の光出力を大きくすればパターンは明るくなり回折効率の低下はカバーすることが可能である。
Claims (5)
- 計測対象物までの距離を計測するために、該計測対象物を識別するためのパターンを投光するパターン照明装置であって、
前記パターンを投光する光源と、
該光源から投光された光を平行光に変換する光学手段と、
該光学手段により変換された平行光を回折する回折光学素子と、を備え、
該回折光学素子から出射されて前記計測対象物に投光される光は、3階調以上の多階調の輝度分布を有する画素がランダムに配置されたパターン光であることを特徴とするパターン照明装置。 - 請求項1に記載のパターン照明装置と、該パターン照明装置により投光されたパターン光が照射された計測対象物を撮影する複眼撮像装置と、該複眼撮像装置により撮影された夫々の画像から視差を演算して前記計測対象物までの距離を計算する制御部と、を備えたことを特徴とする測距装置。
- 前記回折光学素子からの出射角度が前記複眼撮像装置のレンズ画角より大きくなる位置に前記パターン照明装置を配置することを特徴とする請求項2に記載の測距装置。
- 前記パターン照明装置は、前記複眼撮像装置の光軸間の距離である基線長の方向に対して垂直方向に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の測距装置。
- 前記回折光学素子から出射されて前記計測対象物に投光されるパターン光に前記回折光学素子で生じる0次光が含まれないように前記パターン照明装置を配置することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の測距装置。
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