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JP2013188958A - インクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセット - Google Patents

インクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセット Download PDF

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JP2013188958A
JP2013188958A JP2012057260A JP2012057260A JP2013188958A JP 2013188958 A JP2013188958 A JP 2013188958A JP 2012057260 A JP2012057260 A JP 2012057260A JP 2012057260 A JP2012057260 A JP 2012057260A JP 2013188958 A JP2013188958 A JP 2013188958A
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Abstract

【課題】記録媒体に影響されることなく、色ムラや白抜けがなく、フェザリング及びカラーブリードが抑制でき、鮮明な画像を得ることができるインクジェットインク記録方法及び、当該記録方法に用いられるインクジェット記録用インクセットを提供することを目的とする。
【解決手段】受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェットインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法であって、前記受理溶液は、2価以上の金属塩を含有する受理溶液であり、前記インクジェットインクは、少なくとも顔料、樹脂、界面活性剤及び水性溶媒を含有するインクジェットインクであり、該受理溶液及び該インクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、該受理溶液と該インクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下であることを特徴とするインクジェット記録方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセットに関するものである。
印刷分野ではインクジェットによる印刷方式が発達し、広く実用化している。
インクジェットプリンターを用いて印刷する際、プリントヘッドから吐出したインク滴は印刷用紙に着弾した後、浸透、定着してドットを形成し、このドットが多数集まることによって画像が形成される。このドットの形成過程は鮮明な画像を形成する上で重要である。
記録媒体には非塗工紙、塗工紙、布帛等の他、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等さまざまのものが用いられる。
非塗工紙は、セルロースの水酸基が多数存在する親水性物質で、水になじみ易い性質がある。このような親水性の記録媒体に、水性インクを用いた場合には、インクが記録媒体に浸透しやすいため、記録媒体の繊維に沿ってフェザリングと呼ばれるにじみが起こりやすく、色材が記録媒体の表面にとどまらないため、記録媒体表面の色材濃度が低くなり、鮮明な画像が得られず、更ににじみが大きくなると、色材が裏抜けするという問題があった。
塗工紙は、基材表面に粒子系が0.1〜0.3μm程度のカオリンや炭酸カルシウム等を主体とする顔料とバインダーを水に分散させた溶液(塗工液)の塗工が行われ、表面にコート層が形成され平滑化されたもので、この顔料を固定するために使用される合成ラテックス等のバインダーは、顔料粒子間の空隙を埋めて表面を疎水性にする。塗工紙としては、コート紙やアート紙等が挙げられ、カレンダー、ポスター、雑誌のカラーページ等、高度な再現性が求められる印刷物に用いられる。近年、印刷物の小ロット多品種化が進んでおり、従来のオフセット印刷の代替として、高速印刷に対応しやすいオンデマンドプリントであるインクジェット印刷が注目されており、印刷本紙、特にコート紙などの塗工紙へのインクジェットインクを用いた印刷が期待されている。
記録媒体に塗工紙等、表面が疎水性の記録媒体を用いると、水性インクは記録媒体中に浸透しにくいため、上記非塗工紙のような親水性の記録媒体で生じる、フェザリングは発生しにくい。
一方、当該疎水性の記録媒体にインクジェット法により着弾した水性インクは、ドットが十分に広がらずドット径が小さいという問題があった。ドット径が小さい場合には、記録媒体表面に色材が均一に塗工出来ないために、印刷ムラが生じたり、ドット間に過大な隙間が生じて白抜けを生じることがあった。また、水性インクの液滴が記録媒体表面上にとどまったままとなるため、色材が定着しにくく、異なる色の境界領域での不均一な色混じりが起こり、カラーブリードと呼ばれるにじみが生じやすいという問題があった。
上述の通り、非塗工紙のような親水性の記録媒体におけるフェザリングや裏抜けの問題と、塗工紙のような表面が疎水性の記録媒体におけるカラーブリードの問題は、その発生メカニズムが全く異なるものであり、記録媒体によらず、にじみの問題が生じないインクジェット記録方法が求められていた。
これまで、水性インクジェットインクには、色材として染料が使用されることが多かった。しかし、染料はインク中に溶解しているため、上質紙、普通紙と呼ばれる、吸収性が高い非塗工紙においては、水や溶剤が紙繊維に吸収されるのに伴って広がり、フェザリングと呼ばれるにじみが起こり、鮮明な印刷物を得ることが困難であった。
そこで、インクを吸収、定着させる成分を含んだ層を、記録媒体表面に前もって塗工した、専用紙と呼ばれる被記録紙が提案されてきた(例えば、特許文献1、2、3、4、5)。また、他には、インク中に溶解しているアニオン性の染料を、アミンや金属イオンなどのカチオン性物質によって不溶化する技術(例えば、特許文献6、7、8、9)や、インク中に含まれる樹脂成分を、ポリアリルアミン誘導体やカチオン性オリゴマーや、金属イオンによって凝集させることにより、染料または顔料を定着させる技術(例えば、特許文献10、11、12)が提案されてきた。これらの技術は、普通紙や上質紙と呼ばれる、吸収性が高い非塗工紙についてのものであった。
また、紙料に含まれる炭酸カルシウムを利用して定着性の向上を図る技術を用いたインクジェットインク(例えば、特許文献13、14)も提案されているが、コート紙、アート紙などの塗工紙に印刷する際に起こるカラーブリードや、上質紙・中質紙などの非塗工紙等に印刷する際に起こるフェザリングは十分に抑制することが出来ず、さらに鮮明な画像の印刷が望まれていた。
特開昭57−069054号公報 特開平1−63185号公報 特開平6−143797号公報 特開2000−168228号公報 特開2009−178912号公報 特開昭63−299970号公報 特開平5−202328号公報 特開平8−080664号公報 特開2001−162920号公報 特開平08−193175号公報 特開平08−197840号公報 特開平11−034478号公報 特表2009−513802号公報 特表2009−515007号公報
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、記録媒体に影響されることなく、色ムラや白抜けがなく、フェザリング及びカラーブリードが抑制でき、鮮明な画像を得ることができるインクジェットインク記録方法、及び、色ムラや白抜けがなく、フェザリングやカラーブリードによるにじみが抑制でき、鮮明な画像を得ることができるインクジェット記録用インクセットを提供することを目的とする。
本発明に係るインクジェット記録方法は、受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェットインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法であって、
前記受理溶液は、2価以上の金属塩を含有する受理溶液であり、
前記インクジェットインクは、少なくとも顔料、樹脂、界面活性剤及び水性溶媒を含有するインクジェットインクであり、
該受理溶液及び該インクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、該受理溶液と該インクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下であることを特徴とする。
また、本発明に係るインクジェット記録用インクセットは、受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェット方式でインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法に用いる受理溶液及びインクジェットインクを組み合わせたインクセットであって、
前記受理溶液は、2価以上の金属塩を含有する受理溶液であり、
前記インクジェットインクは、少なくとも顔料、樹脂、界面活性剤及び水性溶媒を含有するインクジェットインクであり、
該受理溶液及び該インクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、該受理溶液と該インクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセットにおいては、前記2価以上の金属塩が、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩及び亜鉛塩よりなる群から選択される1種以上の金属塩であることが、色ムラや白抜けを生じず、フェザリングやカラーブリードを抑制する点から好ましい。
本発明のインクジェット記録方法においては、前記受理溶液の記録媒体への付着方法がスプレー法、コーター法、インクジェット法、グラビア法又はフレキソ法であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセットにおいては、前記顔料が自己分散型の顔料であることが、色ムラや白抜けを生じず、フェザリングやカラーブリードを抑制する点から好ましい。
本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセットにおいては、前記顔料が自己分散型の顔料であることが、色ムラや白抜けを生じず、フェザリングやカラーブリードを抑制する点から好ましく、当該自己分散型の顔料が、少なくとも1つのP−OまたはP=O結合を有するリン含有基が表面に結合した顔料であることがより好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用インクセットにおいては、前記顔料が分散剤によって分散されていることが、色ムラや白抜けを生じず、フェザリングやカラーブリードを抑制する点から好ましく、当該分散剤が高分子分散剤を含むことがより好ましい。
本発明によれば、記録媒体に影響されることなく、色ムラや白抜けがなく、フェザリング及びカラーブリードが抑制でき、鮮明な画像を得ることができるインクジェットインク記録方法、及び、色ムラや白抜けがなく、フェザリングやカラーブリードによるにじみが抑制でき、鮮明な画像を得ることができるインクジェット記録用インクセットを提供することができる。
特に、本発明によれば、記録媒体に塗工紙を用いた場合においても、色ムラや白抜けがなく、カラーブリードが抑制された、鮮明な画像を得ることができる。
実施例6のインクジェット記録用インクジェットインクセットを用いて印刷した印刷物の拡大写真である。 比較例4のインクジェット記録用インクジェットインクセットを用いて印刷した印刷物の拡大写真である。 比較例19のインクジェット記録用インクジェットインクセットを用いて印刷した印刷物の拡大写真である。
以下、本発明に係るインクジェット記録方法、及び本発明に係るインクジェット記録用インクセットについて詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸、及び/又はアクリル酸を表す。
[インクジェット記録方法]
本発明に係るインクジェット記録方法は、受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェットインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法であって、
前記受理溶液は、2価以上の金属塩を含有する受理溶液であり、
前記インクジェットインクは、少なくとも顔料、樹脂、界面活性剤及び水性溶媒を含有するインクジェットインクであり、
該受理溶液及び該インクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、該受理溶液と該インクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下であることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体に影響されることなく、色ムラや白抜けがなく、フェザリング及びカラーブリードが抑制された、鮮明な画像を得ることが可能となる。
特に、本発明によれば、記録媒体に表面が疎水性の塗工紙等を用いた場合においても、色ムラや白抜けがなく、カラーブリードを抑制された、鮮明な画像を得ることができる。
上記本発明のインクジェット記録方法により、上記のような効果を発揮する作用としては、未解明ではあるが以下のように推定される。
非塗工紙など、親水性の記録媒体を用いた場合には、水性インクが記録媒体に浸透しやすいため、色材が記録媒体の表面にとどまらず記録媒体表面の色材濃度が低くなったり、紙の繊維に沿って広がり易いため、フェザリングが起こりやすく鮮明な画像が得られないという問題があった。本発明においては、記録媒体の印刷面に予め、2価以上の金属塩を含む受理溶液を塗布することにより、インクジェット方式により付着した水性インク中の顔料は、2価以上の金属塩との相互作用によりその分散状態が変化し、記録媒体表面に定着するものと推定される。これにより、フェザリングが抑制された画像を得ることができるものと推定される。
疎水性の記録媒体に上記の手法を適用した場合には、インクが浸透しにくいため、フェザリングは発生しにくいが、ドット径が小さく印刷面が充分にインクで埋まらないため、印刷ムラや白抜けが生じやすいという問題がある。本発明においては、上記受理溶液と上記インクジェットインクの表面張力を32mN/m以下とすることにより、基材表面に対する受理溶液の濡れ性を向上させて、受理用液を基材表面に十分に、素早く行き渡らせ、またインクジェットインクの濡れ性を向上してインクジェットインクのドット径を大きくすることで印刷ムラや白抜けがなくなるとともに、当該受理溶液と当該インクジェットインクの表面張力の差を5mN/m以下としたインクセットを用いることによって、受理溶液とインクジェットインクとが直ちに混合して顔料の分散状態を速やかに変化させて、カラーブリードを生じることなく、インクが定着するものと推定される。
このように、本発明のインクジェット記録方法によれば、記録媒体の種類によらず、フェザリングやカラーブリードを抑制し、印刷ムラや白抜けがない鮮明な画像を得ることができるものと推定される。
<記録媒体>
本発明のインクジェット記録方法において、記録媒体は、特に制限されず、親水性であっても、疎水性であっても好適に用いることができる。記録媒体としては、例えば、更紙、中質紙、上質紙などの非塗工紙;コート紙、アート紙、キャスト紙などの塗工紙;綿、化繊織物、絹、麻、不織布などの布帛;ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックフィルム;金属、金属蒸着紙、ガラス、合成ゴム、天然ゴム、皮革等が挙げられる。なお、塗工紙には、パルプ紙等の吸収性基材を塗工したものだけでなく、プラスチックフィルム等の非吸収性基材の印刷面に塗工層を設けたものも含まれる。
本発明のインクジェット記録方法は、中でも、表面が疎水性で、インクの浸透性が低い塗工紙において好適に用いることができ、記録媒体が塗工紙の場合であっても色ムラがなく、カラーブリードが抑制された鮮明な画像を得ることができる。
<受理溶液>
本発明において「受理溶液」とは、インクジェット記録方法で印刷を行う時の印刷品質を向上させるために、インクジェットインクを記録媒体の印刷面に適用する前に、当該印刷面に適用される前処理インクである。
本発明のインクジェット記録方法において用いられる受理溶液は、少なくとも2価以上の金属塩を含むものであり、必要に応じて更に他の成分を含むものであってもよい。2価以上の金属塩を含むことにより、顔料と相互作用し、フェザリングやカラーブリードを抑制し、印刷ムラや白抜けのない鮮明な画像を得ることができる。
本発明の受理溶液は、2価以上の金属塩を含んでいれば特に限定されないが、通常は溶媒を含むものである。また、当該受理溶液は、必要に応じて、更に他の成分を含んでいてもよいものである。以下、本発明の受理溶液に含まれる各成分について説明する。
(1)2価以上の金属塩
本発明において2価以上の金属塩は、前記記録媒体上におけるインクの定着性を向上させるものである。
上記2価以上の金属塩としては、多価金属イオンと当該多価金属イオンに結合する陰イオンから構成される2価以上の金属塩であれば特に限定されず、無機金属塩であっても、有機酸金属塩であってもよい。中でも、顔料と相互作用し、フェザリングやカラーブリードを抑制し、印刷ムラや白抜けのない鮮明な画像を得ることができる点から、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩及び亜鉛塩よりなる群から選択される1種以上であることが好ましい。2価以上の金属塩は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機金属塩の具体例としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの無機金属塩の中でも、一般に水への溶解度の高い塩化物、または硝酸塩がより好ましい。更に、これらの無機金属塩の中でも、水への溶解度および、後述するインクジェットインク中の成分との相互作用が効率よく、素早く起こる点から塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムがより好ましく、塩化カルシウムが特に好ましい。
また、有機酸金属塩の具体例としては、例えば、パントテン酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、酢酸、乳酸等の有機酸の、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、亜鉛塩などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの有機酸金属塩の中でも、水への溶解度および、後述するインクジェットインク中の成分との相互作用の点から、パントテン酸、プロピオン酸、および酢酸のカルシウム塩がより好ましい。
上記2価以上の金属塩の水への溶解度は、0.1モル/リットル以上が好ましい。前記2価以上の金属塩の水への溶解度が0.1モル/リットル以上であれば、金属イオンと、後述する顔料表面との相互作用により、定着性がより向上する。
受理溶液中における、2価以上の金属塩の含有量は特に限定されない。中でも、定着性の点から、2価以上の金属塩の濃度が0.005〜2.0モル/リットルであることが好ましく、0.01〜1.0モル/リットルであることがより好ましく、0.1〜0.5モル/リットルであることが更により好ましい。上記下限値以上であれば、フェザリングやカラーブリードを充分に抑制することができる。一方、上記上限値を超える場合には、受理溶液の保存中に金属塩が析出する恐れがある。
(2)溶媒
受理溶液は、通常、溶媒を含むものである。受理溶液における溶媒の種類は、特に限定されない。中でも水性溶媒であることが好ましい。なお、本発明において「水性溶媒」とは、水、水溶性有機溶媒及びこれらの混合物のことをいう。また、前記記録媒体に受理溶液を付着させる際に、前記2価以上の金属塩が、前記記録媒体の表面上にある状態を形成することが可能な溶媒が好ましい。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−n−ブタノール等の1価のアルコール類;1−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、3−メトキシプロパンアミド、3−ブトキシプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−メトキシプロパンアミド、N,N−ジブチル−3−メトキシプロパンアミド、N,N−ジブチル−3−ブトキシプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−ブトキシプロパンアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、イソブチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類:メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール類;エチレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル)エーテル、ジプロピレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル,イソブチル)エーテル等のモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールのジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素複素環化合物;γ−ブチロラクトン、スルホラン等の環状化合物等が挙げられる。これらの水および水溶性有機溶媒は、単独でもまたは混合物としても使用することができる。
尚、受理溶液をインクジェット方式により記録媒体に付着させる場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミンなどの高沸点有機溶媒を使用することができる。記録媒体として紙基材を用いる場合には、基材のカールとコックリング(波打ち)を抑える点から、水と水溶性有機溶剤を併用することが好ましい。
(3)その他の成分
本発明において受理溶液は、必要に応じて、更に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、表面張力を調整するための界面活性剤のほか、後述する樹脂が挙げられる。界面活性剤は、後述するインクジェットインクにおける界面活性剤と同様のものが使用できる。
上記受理溶液に含まれる樹脂としては、親水性基を有する樹脂や、カチオン系もしくはノニオン系樹脂エマルションが挙げられる。このような樹脂を用いると、例えば、塩化カルシウム等の潮解性を有する2価以上の金属塩が受理用液の保存中に固まりを形成するのを抑制し、記録媒体に塗布した際には非吸収体への付着性が低い金属塩の付着性を向上することができる。
上記受理溶液の表面張力は、記録媒体の印刷面に対する受理溶液の濡れ性を充分なものとする点から、32mN/m以下である。中でも、色ムラや白抜けが抑制でき、鮮明な画像を得ることができる点から、30mN/m以下であることが好ましく、28mN/m以下であることがより好ましい。一方、受理溶液をインクジェット法により基材表面に付着させる場合には、吐出ヘッドからのインクの吐出安定性を良好にする点から、受理溶液の表面張力を20mN/m以上とすることが好ましい。
受理溶液の表面張力は、上記溶媒及び上記界面活性剤を適宜選択することにより調整することができる。
なお、本発明における表面張力は、測定温度25℃にてWilhelmy法(協和界面科学製 型式:CBVP−Z)で測定された値である。
<インクジェットインク>
本発明のインクジェット記録方法において用いられるインクジェットインクは、少なくとも顔料と、樹脂と、界面活性剤と、水性溶媒を含有するものであり、必要に応じて他の成分を含有してもよい。
以下、本発明のインクジェットインクに含まれる各成分について説明する。
(1)顔料
本発明において顔料は特に限定されず、従来インクジェットインクに使用されている顔料、例えば、硫酸バリウム、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸バリウム、硫酸バリウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、合成マイカ、アルミナ等の無機顔料、又は有機顔料等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。具体的な有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、染料からの誘導体、フタロシアニン系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、ニッケルアゾ系顔料、イソインドリノン系有機顔料、ピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、キナクリドン系固溶体顔料、ペリレン系固溶体顔料等の有機固溶体顔料、その他の顔料として、カーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、213、214
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48、49、52、53、57、97、112、122、123、149、168、177、180、184、192、202、206、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、 71、
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、
C.I.ピグメントグリーン7、36、58
C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
また、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、無機固溶体顔料等を挙げることができる。
また、本発明において顔料は、記録媒体表面への定着性の点から、自己分散型の顔料を用いることができる。自己分散型の顔料とは、顔料表面に直接、親水性基を修飾させた顔料をいう。自己分散型の顔料に用いられる親水性基としては、受理溶液の2価の金属塩との相互作用が強く、顔料定着性に優れる点から、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン含有基等が好ましい。中でも、少なくとも1つのP−OまたはP=O結合を有するリン含有基を有する自己分散型の顔料を用いることが好ましい。
上記リン含有基としては、例えば、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、亜ホスフィン酸基、ホスファイト基、ホスフェート基、ジホスフェート基、トリホスフェート基、ピロホスフェート基等が挙げられ、更に、これらの部分エステル、又は、塩であってもよい。中でも、リン含有基は、ホスホン酸基、ホスホン酸基の部分エステルまたはホスホン酸塩であることが好ましく、2つ以上のホスホン酸基、ホスホン酸基の部分エステルまたはホスホン酸塩を含むことが好ましい。なお、「部分エステル」とは、ホスホン酸基が、−PORHを有する部分ホスホン酸エステル基またはその塩であることを意味する。ここで、Rはアリール、アルカリール,アラルキルまたはアルキル基である。
P−OまたはP=O結合を有するリン含有基としては、以下の(i)〜(viii)に記載するリン含有基が例示できるが、本発明のリン含有基はこれらの例示されたものに限定されない。
(i)リン含有基が少なくとも2つのホスホン酸基またはその塩を含む場合、これらのホスホン酸基の一方または両方は部分ホスホン酸エステル基であってもよい。また、これらのホスホン酸基の一方が式−POを有するホスホン酸エステルであり、他方が部分ホスホン酸エステル基、ホスホン酸基またはその塩のいずれかであってもよい。中でも、これらのホスホン酸基の少なくとも一つは、ホスホン酸、その部分エステルまたはその塩であることが好ましい。なお、「その塩」とは、ホスホン酸基が、カチオン対イオンを有し、部分的にまたは完全にイオン化されていることを意味する。
官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、これらのホスホン酸基の一方または両方は、部分イオン化形態または完全イオン化形態のいずれかであってもよい。中でも、官能基は少なくとも2つのホスホン酸基を含み、これらのホスホン酸基の一方または両方は式−PO、−PO(一塩基塩)または−PO 2−2+(二塩基塩)を有することが好ましい。ここで、Mは、Na、K、Li、またはNR などのカチオンである。Rは、同じであっても異なっていてもよく、水素または有機基(置換されたまたは置換されていないアリールおよび/またはアルキル基など)を表す。
(ii)リン含有基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩を含む基を挙げることができる。すなわち、官能基としては、同じ炭素原子に直接的に結合されている少なくとも2つのホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。このような基は、1,1−ジホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩と称される場合がある。
このようなリン含有基としては、例えば、式−CQ(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。Qは、ジェミナル位に結合されており、H、R、OR、SRまたはNR(ここで、Rは同じであっても異なっていてもよく、H、C1〜C18(C1〜C18は炭素原子数が1〜18であることを意味する。以下同様に表示する。)の飽和もしくは不飽和の分枝状もしくは非分枝状アルキル基、C1〜C18の飽和もしくは不飽和の分枝状もしくは非分枝状アシル基、アラルキル基、アルカリール基またはアリール基である。)である。Qは、例えば、H、R、OR、SRまたはNR(ここで、Rは同じであっても異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル基またはアリール基である。)であり、H、OHまたはNHであることが好ましい。さらに、前官能基としては、式−(CH−CQ(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。ここで、Qは上述したとおりである。
nは0〜9であり、0〜3であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
(iii)前記官能基としては、式−X−(CH−CQ(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。ここで、Qおよびnは上述したとおりである。Xは、アリーレン基、ヘテロアリーレン基.アルキレン基、ビニリデン基、アルカリーレン基、アラルキレン基、環式または複素環式基である。Xは、フェニレン基、ナフタレン基またはビフェニレン基などのアリーレン基(1つまたはそれ以上のアルキル基またはアリール基などの任意の基でさらに置換されていてもよい。)であることが好ましい。Xがアルキレン基である場合、Xとしては、置換または非置換アルキレン基(分枝状であっても非分枝状であってもよく、1つまたはそれ以上の基(芳香族基など)で置換されていてもよい。)が例示される。また、Xとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基などのC1〜C12基が例示される。Xは、顔料に直接的に結合されていることが好ましい。これは、顔料とXとの間に他の原子または基がないことを意味する。
Xは、1つまたはそれ以上の有機基でさらに置換されていてもよい。このような有機基としては、例えば、R’、OR’、COR’,COOR’、OCOR’、カルボン酸塩、ハロゲン、CN、NR’、SOH、スルホネート、サルフェート、NR’(COR’)、CONR’、イミド、NO、ホスフェート、ホスホネート、N=NR’、SOR’、NR’SOR’およびSONR’が挙げられる。ここで、R’は、同じであっても異なっていてもよく、独立に水素、分枝状または非分枝状C1〜C20の置換もしくは非置換の飽和または不飽和炭化水素(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換アルカリールまたは置換もしくは非置換アラルキル)である。
(iv)前記官能基としては、式−X−Sp−(CH)n−CQ(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。ここで、X、Qおよびnは上述したとおりである。Spは、スペーサー基(二つの基間の連結体である。)である。Spとしては、結合または連結基が挙げられる。連結基としては、例えば、−CO−、−OC−、−CO−、−OSO−、−SO−、−SO−、−SOO−、−SOS−、−SONR”−、−O−、−S−、−NR”−、−NR”CO−、−CONR”−、NR”CO−、−OCNR”−、−NR”CONR”、−N(COR”)CO−、−CON(COR”)−、−NR”COCH(CHCOR”)−およびその環式イミド、−NR”COCHCH(COR”)−およびその環式イミド、−CH(CHCOR”)CONR”−およびそれの環式イミド、−CH(COR”)CHCONR”−およびそれの環式イミド(フタルイミドおよびマレイミドを含む。)、スルホンアミド基(−SONR”−および−NR”SO−基を含む。)、アリーレン基、アルキレン基が挙げられる。R”は、同じであっても異なっていてもよく、水素または有機基(置換されたまたは置換されていないアリール基またはアルキル基など)を表す。前記式の構造に示すように、少なくとも2つのホスホン酸基またはその塩を含む基は、スペーサー基Spを通じてXに結合される。Spは、−CO−、−OC−、−O−、−NR”−、−NR”CO−または−CONR”−、−SONR”−、−SOCHCHNR”−、−SOCHCHO−または−SOCHCHS−(ここで、R”はHまたはC1〜C6アルキル基である。)であることが好ましい。
(v)また、官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つの式−N−[(CH(PO)]を有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基を挙げることができる。ここで、mは同じであっても異なっていてもよく、1〜9であり、1〜3であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。さらに、官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つの式−(CH−N−[(CH(PO)]を有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基を挙げることができる。ここで、nは0〜9(例えば1〜9)であり、0〜3(例えば1〜3)であることが好ましい。mは上述したとおりである。また、官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つの式−X−(CH−N−[(CH(PO)]を有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基を挙げることができる。ここで、X、mおよびnは上述したとおりである。Xはアリーレン基であることが好ましい。さらに、官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つの式−X−Sp−(CH−N−[(CH(PO)]を有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基を挙げることができる。ここで、X、m、nおよびSpは上述したとおりである。
(vi)官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つの式−CR=C(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基を挙げることができる。Rは、H、C1〜C18の飽和もしくは不飽和の分枝状もしくは非分枝状アルキル基、C1〜C18の飽和もしくは不飽和の分枝状もしくは非分枝状アシル基、アラルキル基、アルカリール基またはアリール基である。Rは、H、C1〜C6アルキル基またはアリール基であることが好ましい。
(vii)さらに、官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、2つより多いホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩を含む基であってもよい。このような官能基としては、例えば、式−X−[CQ(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる.XおよびQは上述したとおりである。Xはアリーレン基、ヘテロアリーレン基.アルキレン基、アルカリーレン基またはアラルキレン基であることが好ましい。pは1〜4であり、好ましくは2である。
(viii)また、官能基が少なくとも2つのホスホン酸基を含む場合、官能基としては、少なくとも1つのビシナルビスホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩を含む基であってもよい。この場合、これらの基が互いに隣接していることを意味する。このような官能基は、例えば、隣接炭素原子に結合された2つのホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。このような基は、1,2−ジホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩と称される。2つのホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩を含む基としては、芳香族基またはアルキル基が挙げられる。ビシナルビスホスホン酸基としては、ビシナルアルキル基もしくはビシナルアリールジホスホン酸基、その部分エステルまたはその塩が挙げられる。具体的に、官能基としては、式−C−(POを有する基、その部分エステルまたはその塩を含む基が挙げられる。ここで、それらの酸、エステルまたは塩基は互いにオルトの位置にある。
自己分散型の顔料は、上記有機顔料、又は上記無機顔料に、従来公知の方法で、上記親水性基を導入することにより得られる。
顔料に、P−OまたはP=O結合を有するリン含有基を導入する方法は、例えば、米国特許第5,554,739号明細書、第5,707,432号明細書、第5,837,045号明細書等の記載された方法とすることができる。
顔料の平均分散粒径は、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されない。用いる顔料の種類によっても異なるが、顔料の分散性及び分散安定性が良好で、充分な着色力を得る点から、メジアン径(D50)が5〜200nmの範囲内であることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。メジアン径が上記の上限値以下であれば、インクジェットヘッドのノズル目詰まりを起こしにくく、再現性の高い均質な画像を得ることができ、得られる印刷物を高品質のものとすることができる。メジアン径が上記の下限値以下の場合には耐光性が低下する場合がある。
なお、本発明において、顔料の平均分散粒子径は、測定温度25℃にて濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製、型式:FPAR−1000)を用いて測定したものである。
本発明において、顔料の含有量は適宜調整されればよい。顔料の種類によっても異なるが、インクジェットインク全体における、顔料の含有量は、分散性と着色力を両立する点から、0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
(2)樹脂
インクジェットインクに用いられる樹脂は、顔料の前記記録媒体への浸透を抑制して、当該記録媒体の表面への顔料の定着を促進するものである。当該樹脂としては、定着性に優れ、印刷物の耐水性に優れる点から樹脂エマルションが好ましい。
本発明において樹脂エマルションとは、連続相が水であり、分散粒子が樹脂微粒子である水性分散液を意味する。上記樹脂エマルションは、一般に連続相である水が蒸発や浸透などにより減少すると、増粘・凝集する性質を持ち、顔料の印刷用紙への浸透を抑制して該用紙への定着を促進する効果を有する。
樹脂エマルションは、例えば、水と、モノマーと、乳化剤と、重合開始剤とを混合して乳化重合反応させ、反応後に中和させて製造することができる。乳化剤としては、通常の高分子型界面活性剤を用いても良く、不飽和結合を有する反応性乳化剤を用いても良い。また、樹脂エマルションは、乳化重合反応させることなく、樹脂微粒子を、界面活性剤と共に、水と混合することによっても得ることができる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンと(メタ)アクリル酸エステルからなる樹脂微粒子及び界面活性剤を水中に添加して混合することにより得ることができる。この場合、樹脂成分と界面活性剤との混合割合(重量比)は、通常10:1〜5:1程度が好ましく、界面活性剤の使用量が該範囲より少ないとエマルションが形成しづらくなり、一方、前記範囲以外では、インクの耐水性や浸透性が低下するおそれがあり好ましくない。
樹脂エマルションを構成する樹脂成分の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン(シリコン)樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸のような酸基を含有する樹脂、あるいはこれらの混合形であることが好ましい。特に、樹脂微粒子に(メタ)アクリル樹脂を含むことが好ましい。これら樹脂は、共重合の形態が特に限定されるものではなく、例えばブロックコポリマー、ランダムコポリマーなどとすることができる。
これらの樹脂成分としては、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体が好ましく、また、その平均粒子径はエマルションを形成できれば特に限定されないが、500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、更に100nm以下がより好ましい。樹脂エマルションを構成する樹脂成分の粒子径が500nmより大きく、顔料粒子径との差が大きくなると、インクジェットインクから吐出されてドットを形成する際に樹脂、エマルション粒子から形成される樹脂粒子同士が接触してその隙間に顔料粒子が存在するようになり、海島構造を形成し、顔料の定着性が阻害されるおそれがある。
(i)乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤
前記乳化重合の際に使用する乳化剤および重合開始剤について説明する。
乳化剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤を用いることができる。また、反応性界面活性剤を用いることもできる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸水素、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどを用いることができる。
重合のための連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、ジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテン等を用いることができる。
(ii)モノマー成分
(ii−1)モノマー
前記乳化重合の際に使用するモノマーは、好ましくは、不飽和ビニルモノマーを用いる。不飽和ビニルモノマーの具体例としては、一般的に乳化重合で使用されるアクリル酸エステルモノマー類、メタクリル酸エステルモノマー類、芳香族ビニルモノマー類、ビニルエステルモノマー類、ビニルシアン化合物モノマー類、ハロゲン化モノマー類、オレフィンモノマー類、ジエンモノマー類が挙げられる。
その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン化モノマー類;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニルモノマー類;エチレン、プロピレン、イソプロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニルモノマー類が挙げられる。カルボキシル基を有さないモノマーには、カルボキシル基を有する不飽和ビニルモノマーの利用が必須となるが、好ましいその例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸が挙げられ、メタクリル酸の利用が好ましい。
(ii−2)架橋性モノマー
また、樹脂エマルションを形成している樹脂微粒子を、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性モノマーによって架橋された構造とすることができる。重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性モノマーの例としては、ポリエテレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3一ブチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物;ジビニルベンゼンが挙げられる。
さらに、前記モノマーに加えて、アクリルアミド類または水酸基含有モノマーを添加することによって、さらに印刷安定性を向上させることが出来る。アクリルアミド類の具体例としてはアクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。また、水酸基含有モノマーの具体例としては2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられ、これらを一種または二種以上の混合物として使用することができる。
(iii)中和剤
乳化重合反応終了後に、使用する中和剤としては、塩生成基の種類に応じて酸または塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸.グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類,アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
中和度としては、特に限定されるものではない。中でも、樹脂エマルションのpHは7〜10であることが好ましいが、イオン性成分の濃度は、樹脂エマルションの導電率が高くならないように、調節する必要がある。
(iv)樹脂エマルションの分子量
樹脂エマルションの分子量は、1,000〜1,000,000であることが好ましい。インクジェットインク中の樹脂エマルションの含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂エマルションの固形分の含有量が、インクジェットインク全量に対して、例えば0.05〜20質量%程度とすることができる。
(v)樹脂エマルションの導電率
本発明のインクジェットインク中に色材として顔料を使用する場合、特に前記自己分散型の顔料を使用する場合には、樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率が低いことで、樹脂エマルションと表面処理顔料との反応性を低くし、インクジェットインクの保存安定性を向上することができる。なお、「樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液」とは、樹脂エマルションを固形分濃度が1質量%となるように水に溶解または分散させた液をいう。
樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率は、例えば、樹脂成分の種類、モノマー種、反応機構、乳化剤の種類、乳化剤の添加の有無、中和剤の種類などによって調整することができる。
樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率が低いことは、樹脂エマルション自体が有するイオン性基およびそのイオン性基の対イオンのインク中の存在量がわずかであることを示すものと考えられる。また、樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率が低いことは、樹脂エマルションの製造に由来するイオン性物質などの不純物のインク中の存在量がわずかであることを示すものと考えられる。また、樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率が低いことは、樹脂成分の極性が低い、あるいは酸価が低いことを示すものと考えられる。
樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率は、300μS/cm以下が好ましく、200μS/cm以下がより好ましく、150μS/cm以下が更に好ましい。上記導電率が高いと、樹脂エマルション中のイオン性基およびその対イオンあるいはイオン性不純物が表面処理顔料の分散安定性に影響を及ぼすおそれがある。このように、樹脂エマルション中のイオンを減らすことで表面処理顔料の分散性への影響を抑えることから、樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率は低ければ低いほど好ましいが、下限値は20μS/cm程度である。上記導電率が低すぎるものは樹脂エマルションの分散性が劣ったり、安定した品質の樹脂エマルションを製造したりすることが困難である。
なお、上記導電率の測定方法としては、まず樹脂エマルションをイオン交換水で希釈して固形分1質量%に調整し、次いで導電率計(Eutech Instruments製、型式:EC Testr 11+)を使用し、樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率を測定する方法を採用する。
(3)界面活性剤
インクジェットインクにおける界面活性剤は、インクジェット方式におけるインクの吐出安定性を向上するとともに、インクジェットインクの表面張力を調整するために用いられる。界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、表面張力の調整性が優れる点から、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン(シリコン)系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤等が好ましく用いられる。具体例としては、エマール、ラテムル、ペレックス、ネオペレックス、デモール(いずれも、アニオン系界面活性剤;花王株式会社製)、サンノール、リポラン、ライポン、リパール(いずれも、アニオン系界面活性剤;ライオン株式会社製)、ノイゲン、エパン、ソルゲン(いずれも非イオン性界面活性剤;第一工業製薬株式会社製)エマルゲン、アミート、エマゾール(いずれも非イオン性界面活性剤;花王株式会社製)、ナロアクティー、エマルミン、サンノニック(いずれも非イオン性界面活性剤;三洋化成工業株式会社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG、2502、ダイノール604、ダイノール607(いずれも、アセチレングリコール系界面活性剤;エアープロダクツ社製)、オルフィンE1004、E1010、PD004、EXP4300(いずれも、アセチレングリコール系界面活性剤;日信化学工業株式会社製)、メガファック(フッ素系界面活性剤;DIC株式会社製)、サーフロン(フッ素系界面活性剤;AGCセイミケミカル社製)、BYK302、306、307、331、333、345、347、348、349、3455(いずれもシリコーン(シリコン)系界面活性剤;ビックケミー社製)、KP−110、112、323、341、6004(いずれもシリコーン(シリコン)系界面活性剤;信越化学株式会社製)などが挙げられる。界面活性剤の含有量は、水溶性有機溶媒や他の界面活性剤の含有量に応じて適宜調整される。界面活性剤の含有量は、インクジェットインク全量に対して、0.01〜3.0質量%程度とすることが好ましく、0.1〜2.0質量%の範囲内であることがより好ましい。
(4)水性溶媒
インクジェットインクに用いられる水性溶媒としては、水及び水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒は、前記受理溶液において例示された水溶性有機溶媒と同様のものとすることができる。水及び水溶性有機溶媒は、単独でもまたは混合物としても使用することができる。
中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミンなどの高沸点有機溶媒を使用することが好ましい。また、記録媒体として紙基材を用いる場合には、基材のカールとコックリング(波打ち)を抑える点から、水と水溶性有機溶剤を併用することが好ましい。
これらの水溶性有機溶媒は、単独でもまたは混合物としても使用することができる。また、水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが好ましい。インクジェットインクが水を含有する場合、水の含有量は、特に限定されるものではないが、該インクジェットインク全量に対して、例えば、20〜80質量%程度とすることができ、30〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
(5)その他の成分
本発明においてインクジェットインクは、必要に応じて、更に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、分散剤、浸透剤,湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、消泡剤、脱酸素剤などが挙げられる。
(5−1)分散剤
本発明においては、顔料を分散させるために、顔料分散剤を用いることができる。本発明において、顔料分散剤は特に限定されない。例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン(シリコン)系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプトラクトン系の主鎖を有し、側鎖に、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等の極性基を有する分散剤等が挙げられる。このような高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;スチレン、αメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物とアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの共重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの編成物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリエチレンイミン誘導体(ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩基);ポリアリルアミン誘導体(ポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド又はエステルとアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物とを反応させて得られる反応生成物)等が挙げられる。高分子分散剤としては、中でも、不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類であることが、フェザリング及びカラーブリードを抑制する点から好ましい。
具体例として、SARTOMER社製「SMA1440」(スチレン−マレイン酸−マレイン酸エステル系高分子分散剤 重量平均分子量7,000、酸価185mgKOH/g)、BASFジャパン社製「ジョンクリル682」(スチレン−アクリル酸系高分子分散剤 重量平均分子量 1,700、酸価238mgKOH/g)、岐阜セラック社製「RY72」(スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル系高分子分散剤 重量平均分子量14,800、酸価170mgKOH/g)などが挙げられる。
本発明においては、上記の顔料分散剤を1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明において、顔料分散剤を用いる場合、その含有量は特に限定されない。顔料の種類によっても異なるが、顔料100質量%に対して顔料分散剤は、通常3〜80質量%であり、分散性及び分散安定性の点から、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
(5−2)浸透剤
本発明のインクジェットインクは、更に浸透剤を含んでいてもよい。本発明において浸透剤は特に限定されず、上記水性溶剤のうち、浸透性を有するものを用いることもできる。浸透剤としては、例えば、1,2−アルキルジオール、グリコールエーテル、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性等が挙げられる。1,2−アルキルジオールの具体例としては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。グリコールエーテルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル.ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
浸透剤を用いる場合、浸透剤の添加量は、インクジェットインクの全量に対して、1〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
(5−3)湿潤剤
本発明のインクジェットインクは、さらに湿潤剤を含んでいてもよい。湿潤剤は、特に限定されないが、180℃以上の沸点を有し、かつ吸水性と保水性を有する水溶性有機溶媒からなるものが好ましい。好ましい湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール等が挙げられる。上記湿潤剤を用いる場合、その添加量は、インクジェットインクの全量に対して、好ましくは5〜50質量%の範囲であり、より好ましくは5〜35質量%の範囲である。
また、本発明のインクジェットインクは、湿潤剤として、三級アミンを用いることもできる。三級アミンの例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。湿潤剤として三級アミンを用いる場合、その添加量は、インクジェットインク全量に対して、好ましくは0.3〜3.0質量%範囲程度であり、より好ましくは、0.5〜1.0質量%範囲程度である。
本発明において湿潤剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
インクジェットインク中の固形分は、インクジェットインク全体に対して、0.1〜30質量%の範囲内であることが好ましい。なお、固形分とは、インクジェットインクにおける水性溶媒以外の成分を表す。
<インクジェットインクの調製方法>
インクジェットインクの調製方法は、特に限定されない。例えば、水性溶媒に自己分散型の顔料を加え、分散した後、樹脂、界面活性剤及び必要に応じてその他の成分を添加して調製する方法、水性溶媒に、顔料と分散剤を加えて分散した後、樹脂、界面活性剤及び必要に応じてその他の成分を添加して調製する方法、水性溶媒に顔料と樹脂と界面活性剤と必要に応じてその他の成分を添加した後、顔料を分散して調製する方法等が挙げられる。
インクジェットインクの表面張力は、32mN/m以下である。中でも、色むらや白抜けが抑制できる点から、30mN/m以下であることが好ましく、28mN/m以下であることがより好ましい。一方、吐出ヘッドからのインクの吐出安定性を良好にする点から、インクジェットインクの表面張力を20mN/m以上とすることが好ましい。
さらに、前記受理溶液を用いることにより、フェザリングを抑制し、鮮明な画像を得ることが出来る。
また、インクジェットインクの表面張力と、前記受理溶液の表面張力の差が5mN/m以下である。中でも、カラーブリードが抑制でき、鮮明な画像を得ることができる点から、3mN/m以下であることが好ましい。
インクジェットインクの表面張力は、上記溶媒及び上記界面活性剤を適宜選択することにより調整することができる。
[インクジェット記録用インクセットを用いた印刷方法]
本発明に係るインクジェット記録用インクセットは、受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェット方式でインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法に用いる受理溶液及びインクジェットインクを組み合わせたものである。
本発明のインクジェット記録用インクジェットセットを用いることにより、記録媒体によらず、色ムラがなく、フェザリング及びカラーブリードが抑制でき、鮮明な画像を得ることができる。
受理溶液の記録媒体への付着方法
受理溶液の記録媒体への付着方法は、印刷する部分のみ、又は印刷面前面に付着できる方法であれば、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。中でも、スプレー法、コーター法、インクジェット法、グラビア法又はフレキソ法を用いることが好ましく、インクジェット法により塗布することが特に好ましい。インクジェット法によれば、版を変えることなく印刷画像を変更でき、任意の場所へ塗布することも、全面へ塗布することも容易に変更することできる。
顔料との相互作用の点から、受理溶液は、2価以上の金属塩の記録媒体への付着量が20〜2000μモル/cmとなるように塗布されることが好ましい。
受理溶液の記録媒体への付着時期は、印刷前であれば特に限定されない。予め、受理溶液を記録媒体に塗布して乾燥させてから用いてもよく、印刷直前に塗布してもよい。記録媒体として、塗工紙などの疎水性の基材を用いる場合には、色ムラや白抜けを改善し、カラーブリードを抑制する点から、受理溶液を印刷直前に塗布することが好ましい。
印刷直前に塗布することで基材表面上に受理溶液が多く存在するため、顔料との反応がより迅速に起こり、受理溶液の効果がより発現しやすくなる。この点でもインクジェット法によって受理用液を塗布することが好ましい。
インクジェットインクを付着させて印刷する方法
インクジェットインクは、記録媒体の該受理溶液付着部上に、インクジェット法により付着させて印刷する。本発明においては、受理溶液が完全に乾燥する前に、インクを付着させることが、色ムラや白抜けがなく、フェザリングやカラーブリードを抑制する点から好ましい。このため、本発明のインクセットを用いる場合には、印刷面に付着した受理溶液を乾燥させるプロセスや時間を削減することができ、大量印刷や高速印刷にも好適に用いることができる。
本発明のインクジェットインクは、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式などのいずれのインクジェット記録装置にも適用することができるが、中でも、凝集物が発生し難く、吐出安定性に優れる点から、ピエゾ方式のインクジェット記録装置に用いられることが好ましい。ピエゾ方式の記録ヘッドは、圧力発生素子として圧電振動子を用い、圧電振動子の変形により圧力室内を加圧・減圧してインク滴を吐出させる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「質量部」を表す。
(製造例1〜11)受理溶液の調製
下記表1に示す組成となるように、それぞれ、溶媒に金属塩と、樹脂を加えて溶解し、水を加えて全量を100質量部とし、受理溶液A〜Kを調製した。得られた受理溶液A〜Kの表面張力は25℃にてWilhelmy法により測定した。
なお、表中の略号は次の通りである。
E1010:日信化学工業(株)製 アセチレングリコール系界面活性剤 オルフィンE1010
BYK348:ビックケミー社製 シリコン系界面活性剤 BYK348
D607:エアープロダクツ社製 アセチレングリコール系界面活性剤 ダイノール607
PG:プロピレングリコール
GLY:グリセリン
1,3−PD:1,3−プロパンジオール
DEG:ジエチレングリコール
(製造例12)顔料分散体A(黒)の調製
Kieczykowski等,J.Org.Chem.,1995,Vol.60,P.8310-8312、および米国特許第4,922,007号明細書に示された手順と同様の手順を用いて、[2−(4−アミノフェニル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジイル]ビスホスホン酸−ナトリウム塩を製造した。まず、500mL三つ口フラスコに、凝縮器の頂部にガス出口を備えた凝縮器、温度計および乾燥窒素入口、および100mL均圧添加漏斗を取り付けた。このフラスコに、最初に、32gの亜リン酸(380mmol)および160mLのメタンスルホン酸(溶媒)を添加した。この撹拌混合物に、57.4gのアミノフェニル酢酸(380mmol)を少しずつ添加した。この撹拌混合物を65℃に1〜2時間加熱して、固体分を完全に溶解させた。この系全体を乾燥窒素でフラッシュし、固体分のすべてが溶解した後に、温度を40℃に減じた。この加熱溶液に、添加漏斗を通じて70mLのPCl(800mmol)をゆっくり添加した。反応により生じたHClガスは、ガス出口を通じて排出した。添加が完了した後、反応混合物を2時間撹拌かつ40℃にて加熱した。次いで、温度を65〜70℃に上げ、この混合物を一晩撹拌した。生じた清澄な茶色溶液を室温に冷却し、600gの氷/水混合物中への添加により急冷した。
この水性混合物を1Lビーカー中に入れ、90〜95℃に4時間加熱した(ビーカーの頂部をガラス板で覆った)。次いで、この混合物を室温に冷却し、この混合物のpHを50%NaOH溶液で4〜5に調整した。この混合物を氷浴で5℃に2時間冷却し、次いで生じた固体分を吸引濾過により集め、1Lの冷脱イオン水で洗浄し、60℃にて一晩乾燥して、白色またはオフホワイト色の固体生成物(収量は48g、収率は39%であった。)を得た。得られた固体生成物のH−NMRデータ(DO/NaOH)は、次のとおりであった。すなわち、7.3(2H,d)、6.76(2H,d)、3.2(2H,t)。得られた固体生成物の13C−NMRデータ(DO/NaOH)は、それぞれ、141、130、128、112、73であった。
カーボンブラック(Black Pearls(登録商標)700カーボンブラック(Cabot社製))20g、上記固体生成物20mmol、硝酸20mmol、及び脱イオン水200mLを、室温にてシルヴァーソン(Silverson)混合機(6000rpm)で混合した。30分後、この混合物中に少量の水中に溶解させた亜硝酸ナトリウム(20mmol)をゆっくり添加した。温度は混合によって60℃に達し、これを1時間進行させた。これにより、カーボンブラックに上記固体生成物が修飾した自己分散型の顔料(少なくとも2つのホスホン酸基またはその塩が結合されている顔料を含む。)が生成された。pHをNaOH溶液で8〜9に調整し、30分後、自己分散型の顔料の生じた分散液を、20容量部の脱イオン水を用いてスペクトラム(Spectrum)メンブランでダイアフィルトレーションし、固体分15質量%に濃縮し、顔料分散体A(黒)を得た。
(製造例13〜15)顔料分散体A(青)、顔料分散体A(黄)、及び顔料分散体A(赤)の調製
製造例12において、カーボンブラックの代わりに、C.I.ピグメントブルー15:4(PB15:4)、C.I.ピグメントレッド122(PR122)、C.I.ピグメントイエロー74(PY74)をそれぞれ用いた以外は、製造例12と同様にして、顔料分散体A(青)、顔料分散体A(黄)、及び顔料分散体A(赤)を得た。
(製造例16)顔料分散体B(黒)の調製
イオン交換水80.1gに、スチレン−アクリル酸系高分子分散剤(BASFジャパン社製「ジョンクリル682」重量平均分子量1,700、酸価238mgKOH/g)3.0gと、トリエタノールアミン1.8gを溶解させ、カーボンブラックを15gと消泡剤(エアープロダクツ社製「サーフィノール104E」)を0.1g加え、ジルコニアビースを用いてペイントシェーカーにて分散し、顔料分散体B(黒)を得た。
(製造例17〜19)顔料分散体B(青)、顔料分散体B(黄)、及び顔料分散体B(赤)の調製
製造例16において、カーボンブラックの代わりに、PB15:4、PR122、及びPY74をそれぞれ用いた以外は、製造例16と同様にして、顔料分散体B(青)、顔料分散体B(黄)、及び顔料分散体B(赤)を得た。
(製造例20)樹脂エマルションの調製
下記方法により、樹脂エマルションを調製した。尚、得られた樹脂エマルションの平均粒子径は25℃にて濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製、型式:FPAR−1000)を用いて測定した。
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管および滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、反応性界面活性剤(花王(株)製、商品名:ラテムルPD−104)0.75g、過硫酸カリウム0.04g、アクリル酸3gと純水150gを仕込み、25℃にて攪拌し混合した。これに、スチレン22.5g、メタクリル酸メチル60g、メタクリル酸エチル30g、アクリル酸2−エチルヘキシル34.5gの混合物を滴下してプレエマルションを調製した。また、機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管および滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、反応性界面活性剤(花王(株)製、商品名:ラテムルPD−104)3g、過硫酸カリウム0.01gと純水200gを70℃にて攪拌し混合した。その後、調製した前記プレエマルションを3時間かけてフラスコ内に滴下した。70℃でさらに3時間加熱熟成した後冷却し、アンモニア水溶液でpHを8となるよう調整し、#150メッシュ(日本織物製)にて濾過し、500gの樹脂エマルション(固形分30質量%)を得た。得られた樹脂エマルションの平均粒子径は90nmであった。
また、樹脂エマルションの固形分1質量%水溶液の導電率は69.2μS/cmであった。
(製造例21)インクジェットインク(以下、単にインクということがある)の調製
下記表2のインクA(黒)の行に記載した組成に従い、顔料分散体、樹脂エマルション、界面活性剤、及び溶媒を混合し、更に水を加えて全量を100質量部とし、インクA(黒)を得た。
また、上記インクA(黒)の調製において、顔料分散体A(黒)に代えて、顔料分散体A(青)、顔料分散体A(赤)、及び顔料分散体A(黄)を用いた以外は、インクA(黒)の調製と同様にして、インクA(青)、インクA(赤)、及びインクA(黄)をそれぞれ得た。以下、インクA(黒)、インクA(青)、インクA(赤)、インクA(黄)をまとめて、単に、「インクA」と称する場合がある。インクB以下についても同様である。
(製造例22〜30)インクB〜インクJの調製
上記表2の各行に記載した組成に従い、上記製造例21と同様にして、インクB〜インクJを得た。
得られたインクA〜Jの表面張力は25℃にてWilhelmy法により測定した。インクA(黒)〜インクJ(黒)の表面張力を表2に示す。なお、インクの表面張力は顔料の種類によらなかった。すなわち、インクA(青)、インクA(赤)、及びインクA(黄)の表面張力はインクA(黒)の表面張力と同じであり、インクB〜インクJについても同様であった。
(実施例1)
記録媒体としては、塗工紙(王子製紙製、ミラーコート・プラチナ)用いた。上記受理溶液Bをインクジェット法(コニカミノルタ製 型番:KM512 液滴量10pL、解像度720dpi)により上記塗工紙の印刷面に付着させた。次いで、当該受理溶液付着部に、インクジェット法(液滴量10pL、解像度720dpi)により上記インクBに属する各色(黒、青、赤、黄)のインクを異なる色が隣接するパターンを形成するように印刷した。
(実施例2〜19)
実施例1において、受理溶液とインクの組み合わせを、表3に記載のものに変えた以外は、実施例1と同様にして印刷した。
(比較例1〜26)
実施例1において、受理溶液とインクの組み合わせを、表3に記載のものに変えた以外は、実施例1と同様にして印刷した。
(実施例20)
実施例15において、記録媒体を、非吸収体(東洋紡製、コスモシャインA8300)に代えた以外は、実施例15と同様にして印刷した。
(比較例27)
実施例20において、受理溶液を用いなかった以外は、実施例20と同様にして印刷した。
[評価方法]
上記実施例1〜20及び比較例1〜27で得られた印刷物のべた埋まり及びにじみについて、目視により評価した。結果を表3〜4に示す。
(1)べた埋まり評価基準
A:印刷ムラ、白抜けが観察されず、印刷面が十分にインクで埋まっている(ドット径が十分に広がっている)と判断された。
B:わずかに印刷ムラがあるが、印刷面は埋まっていた。
C:わずかに基材面が露出しており(白抜け)、印刷面の埋まりが不十分であった。
D:著しく基材面が露出しており、印刷面の埋まりが不十分であった。
べた埋まり評価がA又はB評価であれば、実用範囲内である。
(2)にじみ(カラーブリード)評価基準
A:にじみが認められず、鮮明な画像であった。
B:わずかににじみが認められるが、鮮明な画像であった。
C:にじみが認められ、鮮明な画像が得られなかった。
D:著しいにじみが認められた。
にじみ(カラーブリード)評価がA又はB評価であれば、実用範囲内である。
[実施例1〜20、比較例1〜27の結果のまとめ]
受理溶液、及びインクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、受理溶液とインクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下である、実施例1〜20のインクジェット記録方法によれば、記録媒体として塗工紙や非吸収体を用いた場合でも、べた埋まりが良好で鮮明な画像が得られることが明らかとなった。一例として、実施例6で得られた印刷物の黄色と黒色が隣接する部分の拡大写真を図1に示す。図1の写真が示す通り実施例6で得られた印刷物は、にじみや白抜けがなく鮮明な画像が得られた。
比較例1及び6は、べた埋まりの評価が悪かったが、カラーブリードの評価は、表面張力差が全くないか、極めて小さいため、良好であった。
表面張力が、32mN/mを超えるインクA、F又はIを用いた比較例1、6、9、10、12、13、15、18、20〜23、25及び26は、印刷面の埋まりが不十分であり、色ムラが生じた。
また、受理溶液とインクジェットインクの表面張力差が5mN/mを超える、比較例4、5、7、8、11、13、15、16では、カラーブリードが認められ、鮮明な画像が得られなかった。一例として、比較例4で得られた印刷物の黄色と黒色が隣接する部分の拡大写真を図2に示す。一方、表面張力差が5mN/mを超えていてもカラーブリードがA又はBと評価された比較例3、10、12、14、17、20〜22、25及び26は、べた埋まりが悪く印刷面の埋まりが不十分であった。
受理溶液を用いなかった比較例18、19及び27は、べた埋まりの評価もカラーブリードの評価も悪かった。また、2価の金属塩を有しない受理溶液Iを用いた比較例23及び24も同様に、べた埋まりの評価もカラーブリードの評価も悪かった。一例として、比較例19で得られた印刷物の黄色と黒色が隣接する部分の拡大写真を図3に示す。
(実施例21)
実施例2において、記録媒体として、非塗工紙(王子製紙製、OK上質紙)用いた以外は、実施例2と同様にして印刷した。
(実施例22)
実施例9において、記録媒体として、非塗工紙(王子製紙製、OK上質紙)用いた以外は、実施例9と同様にして印刷した。
(実施例23)
実施例10において、記録媒体として、非塗工紙(王子製紙製、OK上質紙)用いた以外は、実施例10と同様にして印刷した。
(比較例28)
比較例7において、記録媒体として、非塗工紙(王子製紙製、OK上質紙)用いた以外は、比較例7と同様にして印刷した。
(比較例29)
比較例1において、記録媒体として、非塗工紙(王子製紙製、OK上質紙)用いた以外は、比較例1と同様にして印刷した。
(比較例30)
実施例21において、受理溶液を用いず、インクDを用いた以外は、実施例21と同様にして印刷した。
[評価方法]
上記実施例21〜23及び比較例28〜30で得られた印刷物のにじみについて、目視により評価した。結果を表5に示す。
(1)にじみ(フェザリング)評価基準
A:にじみが認められず、鮮明な画像であった。
B:わずかに繊維にそったにじみが認められた。
C:繊維に沿ったにじみが認められた。
D:著しくにじみ、裏抜けが認められた。
にじみ(フェザリング)評価がA評価であれば、実用範囲内である。
[実施例21〜23、比較例28〜30の結果のまとめ]
受理溶液、及びインクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、受理溶液とインクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下である、実施例21〜23のインクジェット記録方法によれば、記録媒体として非塗工紙を用いた場合でも、鮮明な画像が得られることが明らかとなった。
表面張力が32mN/mを超える受理溶液及びインクを用いて、非塗工紙に印刷を行った比較例29は、フェザリングの結果が良好であった。一方、比較例29において非塗工紙に印刷を行ったものと同一の受理溶液及びインクを用いて塗工紙に印刷を行った比較例1の結果から、塗工紙の場合(比較例1)には、受理溶液やインクの表面張力が32mN/mを超える場合には、べた埋まりが悪いものであった。
表面張力差が5mN/m以下となるように、受理溶液とインクを組み合わせて、非塗工紙に印刷を行った実施例21では、フェザリングが良好であり、実施例21において非塗工液に印刷を行ったものと同一の受理溶液及びインクを用いて塗工紙に印刷を行った実施例2においても、べた埋まり及びカラーブリードが良好であった。一方、受理溶液とインクの表面張力差が5mN/mを超える組み合わせで、非塗工紙に印刷を行った比較例28は、フェザリングが良好であったが、比較例28において非塗工液に印刷を行ったものと同一の受理溶液及びインクを用いて塗工紙に印刷を行った比較例7はにじみが認められ、カラーブリードの評価が悪かった。
また同様に、表面張力差が5mN/m以下となるように、受理溶液とインクを組み合わせて、非塗工紙に印刷を行った実施例22及び23では、フェザリングが良好であり、実施例22及び23において非塗工液に印刷を行ったものと同一の受理溶液及びインクを用いて塗工紙に印刷を行った実施例9及び10においても、べた埋まり及びカラーブリードが良好であったのに対して、受理溶液とインクの表面張力差が5mN/mを超える組み合わせで、非塗工紙に印刷を行った比較例29は、フェザリングが良好であったが、比較例29において非塗工液に印刷を行ったものと同一の受理溶液及びインクを用いて塗工紙に印刷を行った比較例1はべた埋まりの評価が悪かった。
このことから、非塗工紙の場合には色ムラや白抜け、にじみの問題が生じないインクジェット記録方法であっても、塗工紙の場合には色ムラや白抜け、にじみの問題を生じることがあることが明らかとなった。
本発明のインクジェット記録方法によれば、記録媒体として非塗工紙を用いた場合に限らず、塗工紙、非吸収体を用いた場合であっても、色ムラや白抜けがなく、鮮明な画像が得られることが明らかとなった。

Claims (13)

  1. 受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェットインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法であって、
    前記受理溶液は、2価以上の金属塩を含有する受理溶液であり、
    前記インクジェットインクは、少なくとも顔料、樹脂、界面活性剤及び水性溶媒を含有するインクジェットインクであり、
    該受理溶液及び該インクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、該受理溶液と該インクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記2価以上の金属塩が、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩及び亜鉛塩よりなる群から選択される1種以上の金属塩であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記受理溶液の記録媒体への付着方法が、スプレー法、コーター法、インクジェット法、グラビア法又はフレキソ法であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記顔料が自己分散型の顔料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記自己分散型の顔料が、少なくとも1つのP−OまたはP=O結合を有するリン含有基が表面に結合した顔料であることを特徴とする、請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記顔料が、分散剤によって分散されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記分散剤が、高分子分散剤を含むことを特徴とする、請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 受理溶液を記録媒体の印刷面に付着させ、該受理溶液付着部にインクジェット方式でインクを付着させて印刷するインクジェット記録方法に用いる受理溶液及びインクジェットインクを組み合わせたインクセットであって、
    前記受理溶液は、2価以上の金属塩を含有する受理溶液であり、
    前記インクジェットインクは、少なくとも顔料、樹脂、界面活性剤及び水性溶媒を含有するインクジェットインクであり、
    該受理溶液及び該インクジェットインクの表面張力が32mN/m以下であり、該受理溶液と該インクジェットインクの表面張力の差が5mN/m以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  9. 前記2価以上の金属塩が、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩及び亜鉛塩よりなる群から選択される1種以上の金属塩であることを特徴とする、請求項8に記載のインクジェット記録用インクセット。
  10. 前記顔料が自己分散型の顔料であることを特徴とする請求項8又は9に記載のインクジェット記録用インクセット。
  11. 前記自己分散型の顔料が、少なくとも1つのP−OまたはP=O結合を有するリン含有基が表面に結合した顔料であることを特徴とする、請求項10に記載のインクジェット記録用インクセット。
  12. 前記顔料が分散剤によって分散されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載のインクジェット記録用インクセット。
  13. 前記分散剤が、高分子分散剤を含むことを特徴とする、請求項12に記載のインクジェット記録用インクセット。
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