JP2013185884A - 水質分析計 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼管への試料注入の有無を判定できる燃焼式の水質分析計を提供する。
【解決手段】水質分析計は、液体の試料を注入するための試料注入部18と、試料注入部18から注入された試料を燃焼管36内で燃焼させる燃焼部32と、試料の燃焼によって燃焼管36内で発生したガスの成分を検出する検出部43と、燃焼管36への試料の注入に起因する燃焼管36の温度変化を検出可能な温度検出器39と、温度検出器39からの温度検出信号の変化の大きさに基づいて燃焼管36への試料注入の有無を判定する演算部56と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】水質分析計は、液体の試料を注入するための試料注入部18と、試料注入部18から注入された試料を燃焼管36内で燃焼させる燃焼部32と、試料の燃焼によって燃焼管36内で発生したガスの成分を検出する検出部43と、燃焼管36への試料の注入に起因する燃焼管36の温度変化を検出可能な温度検出器39と、温度検出器39からの温度検出信号の変化の大きさに基づいて燃焼管36への試料注入の有無を判定する演算部56と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、水質分析計に関し、特に、液体の試料を注入するための試料注入部と、試料注入部から注入された試料を燃焼管内で燃焼させる燃焼部と、試料の燃焼によって燃焼管内で発生したガスの成分を検出する検出部と、を備えた燃焼式の水質分析計に関する。
液体の試料を燃焼管内で燃焼させたときに発生するガスの成分を検出することにより、試料中の目的成分の濃度を測定する燃焼式の水質分析計がある(例えば特許文献1を参照。)。このような水質分析計として、例えば、燃焼式のTOC(全有機炭素)計、接触熱分解方式のTN(全窒素)計、燃焼式のTOD(全酸素要求量)計、燃焼式のTOC/TN計などがある。
従来の燃焼式の水質分析計は、燃焼管への試料注入動作が行なわれたにもかかわらず測定値がゼロであった場合、実際の測定値がゼロであるのか、試料切れや装置異常などの不具合によって燃焼管に試料が注入されなかったのかを判別することができなかった。この問題は、特に、測定値が非常に小さい試料が水質分析計で測定されている場合に顕著になる。
本発明は、燃焼管への試料注入の有無を判定できる燃焼式の水質分析計を提供することを目的とする。
本発明にかかる水質分析計は、液体の試料を注入するための試料注入部と、試料注入部から注入された試料を燃焼管内で燃焼させる燃焼部と、試料の燃焼によって燃焼管内で発生したガスの成分を検出する検出部と、を備えた燃焼式の水質分析計であって、上記燃焼管への試料の注入に起因する上記燃焼管の温度変化を検出可能な温度検出器と、上記温度検出器からの温度検出信号の変化の大きさに基づいて上記燃焼管への試料注入の有無を判定する演算部と、を備えたことを特徴とするものである。
本願発明者らは、燃焼管に試料が注入されて燃焼管内で試料が気化するときに燃焼管の温度が変化することを見いだした。燃焼管の温度変化を観察することにより、燃焼管への試料注入の有無を判定することができる。
本発明の水質分析計において、上記演算部は、時間軸に対する上記温度検出信号の変化のピーク形状に基づいて上記燃焼管への試料注入の良否を判定するようにしてもよい。
本発明の水質分析計は、燃焼管への試料の注入に起因する燃焼管の温度変化を検出可能な温度検出器と、温度検出器からの温度検出信号の変化の大きさに基づいて燃焼管への試料注入の有無を判定する演算部と、を備えているので、燃焼管への試料注入の有無を判定できる。
図1は一実施例を説明するための概略構成図である。図2は同実施例が適用されたTOC/TN計を説明するための概略構成図である。まず、TOC/TN計の構成について説明する。
TOC/TN計はTOCとTNをともに測定できる燃焼式の水質分析計である。
環境水などの試料が連続して流れる採水管1に、その試料の一部をTOC/TN計本体内の分岐部3を経てドレン出口12へ排出する流路が接続されている。分岐部3には、採水した試料を分析部に導くために、試料注入部18の8ポートバルブ14の1つのポートが接続されている。
環境水などの試料が連続して流れる採水管1に、その試料の一部をTOC/TN計本体内の分岐部3を経てドレン出口12へ排出する流路が接続されている。分岐部3には、採水した試料を分析部に導くために、試料注入部18の8ポートバルブ14の1つのポートが接続されている。
試料注入部18は8ポートバルブ14とそれに接続されたマイクロシリンジ16によって構成されている。マイクロシリンジ16は、8ポートバルブ14のいずれのポートとも接続できるように、8ポートバルブ14の共通ポートに接続されている。
8ポートバルブ14のそれぞれのポートには、分岐部3のほか、酸容器20、標準液容器22、希釈水溶液24、オフライン試料容器26、燃焼部32の試料注入部34、ドレン出口28、及びドレン出口12が接続されている。
酸容器20は、IC(無機炭素)を測定するときに試料を酸性にするために添加する酸を収容するものである。標準液容器22は校正用の標準液を収容するものである。希釈水溶液24は希釈や洗浄に使用するための水を収容するものである。オフライン試料容器26はオフラインで測定される試料を収容するものである。ドレン出口28は不要な気体を排出するためのものである。ドレン出口12は不要な液体を排出するためのものである。
符号40はガス精製・流量制御部である。ガス精製・流量制御部40は、空気入口42から取り込んだ空気から炭素成分を除去して精製ガスを生成し、流量を調節して送り出すために設けられている。
ガス精製・流量制御部40のガス出口には、流路41a,41b,41cが接続されている。流路41aは、精製ガスをスパージガス又はキャリアガスとしてマイクロシリンジ16に供給するためのものである。流路41bは、精製ガスをキャリアガスとして燃焼部32に供給するためのものである。流路41cは、オゾン発生部50に精製ガスを供給するためのものである。
燃焼部32は、試料注入部34、燃焼管36及び加熱炉38を備えている。試料注入部34は燃焼管36に試料やキャリアガスを注入するためのものである。燃焼管36内に、試料中の炭素成分をCO2(二酸化炭素)に変換し、窒素成分をNO(一酸化窒素)に変換する酸化触媒37が充填されている。加熱炉38は、燃焼管36を所定の温度に加熱するためのものである。
燃焼部32に温度検出器39が設けられている。温度検出器39は燃焼管36と加熱炉38との間に配置されている。温度検出器39の先端(温度検出部位)は、燃焼管36内で試料が触媒37に接触する位置の近傍に配置されている。燃焼管36への試料の注入に起因する燃焼管36の温度変化を効率よく検出するためである。
燃焼管36の下流部は検出部43に接続されている。検出部43は、除湿・ガス処理部44、赤外線ガス分析部46及び化学発光分析部48を備えている。除湿・ガス処理部44は、燃焼管36から供給される気体中の水分を除去する除湿器やハロゲン成分を除去するハロゲンスクラバーなどを備えている。除湿・ガス処理部44の下流部はCO2を検出する赤外線ガス分析部46に接続されている。赤外線ガス分析部46の下流部はNOを検出するための化学発光分析部48に接続されている。化学発光分析部48にはオゾン発生部50からオゾンが供給されている。化学発光分析部48の下流部は、オゾンキラー52を介してドレン出口54に接続されている。
温度検出器39の出力、赤外線ガス分析部46の出力及び化学発光分析部48の出力は演算部56に入力される。演算部56には、キーボード60及びレコーダ62が接続されている。演算部56は制御部58に接続されている。制御部58は8ポートバルブ14、マイクロシリンジ16及び加熱炉38の動作を制御する。また、制御部58は演算部56からの出力に応じて赤外線ガス分析部46及び化学発光分析部48の検出器感度を制御する。演算部56と制御部58はCPU(中央処理装置)と記憶装置により実現される。
次に、同実施例におけるTC(全炭素)測定、TN測定及びTOC測定の動作を説明する。
(TC測定及びTN測定)
制御部58からの制御信号により、8ポートバルブ14によりマイクロシリンジ16が分岐部3に接続される。マイクロシリンジ16が駆動されてマイクロシリンジ16に一定量の試料が採水される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が希釈水24に接続されて、マイクロシリンジ16中の試料に所定量の希釈水が加えられる。
(TC測定及びTN測定)
制御部58からの制御信号により、8ポートバルブ14によりマイクロシリンジ16が分岐部3に接続される。マイクロシリンジ16が駆動されてマイクロシリンジ16に一定量の試料が採水される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が希釈水24に接続されて、マイクロシリンジ16中の試料に所定量の希釈水が加えられる。
マイクロシリンジ16中の試料が燃焼部32の試料注入口34を経て燃焼管36に注入される。燃焼管36内の触媒37は加熱炉38によって所定の温度に加熱されている。試料中の炭素成分はCO2に変換され、窒素成分はNOに変換される。このとき、燃焼管36の温度は演算部56によって温度検出器39の温度検出信号に基づいて監視されている。
燃焼管36で発生したCO2及びNOは、ガス精製・流量制御部40から流路41bを経て供給されたキャリアガスとともに、検出部43に送られる。除湿・ガス処理部44で冷却、除湿及びハロゲン除去がされた後、赤外線ガス分析部46でCO2が検出される。続いて化学発光分析部48でNOが検出される。それらの検出信号は演算部56に送られる。演算部56は、それらの検出信号からピークの面積値を求め、検量線に基づいてTC濃度とTN濃度を求める。
(IC測定、TOC測定)
TC測定及びTN測定の時と同様にして、マイクロシリンジ16に一定量の試料が採水される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が希釈水24に接続されて、マイクロシリンジ16中の試料に所定量の希釈水が加えられる。
TC測定及びTN測定の時と同様にして、マイクロシリンジ16に一定量の試料が採水される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が希釈水24に接続されて、マイクロシリンジ16中の試料に所定量の希釈水が加えられる。
マイクロシリンジ16は酸添加部20に接続される。マイクロシリンジ16中の試料に少量の酸が加えられる。その後、マイクロシリンジ16は試料注入口34に接続される。ガス精製・流量制御部40から流路41aを経てスパージガスがマイクロシリンジ16に供給される。試料中のICから発生したCO2はスパージガスとともに燃焼管36を経て検出部43に送られる。
除湿・ガス処理部44で冷却、除湿及びハロゲン除去がされた後、赤外線ガス分析部46でCO2が検出される。検出信号は演算部56に送られる。演算部56は、その信号からピークの面積値を求め、検量線に基づいてIC濃度を求める。演算部56は、TC濃度とIC濃度の差からTOC濃度も求める。
次に、図3を参照して、燃焼管36への試料注入の有無を判定する動作を説明する。
図3は、時間軸に対する燃焼管36の温度変化の一例を示した図である。図3において、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
図3は、時間軸に対する燃焼管36の温度変化の一例を示した図である。図3において、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
図3において、各ピークは注入1回分の温度変化を示す。試料の注入間隔は例えば5〜10分である。燃焼管36へ注入した試料量は例えば30μL(マイクロリットル)である。
燃焼管36に試料が注入されるたびに、燃焼管36の温度に1℃程度の温度変化が見られる。演算部56は、この温度変化の大きさに基づいて燃焼管36への試料注入の有無を判定する。例えば、演算部56は、燃焼管36の温度変化が0.5度以上のときは燃焼管36に試料が注入されたと判定し、燃焼管36の温度変化が0.5度未満のときは燃焼管36に試料が注入されなかったと判定する。
演算部56は、試料注入動作が行なわれたにもかかわらず、燃焼管36に所定の大きさ以上の温度変化が見られなかったときに、何らかの不具合で燃焼管36に試料が注入されなかったと判断する。これにより、例えば、試料切れや、試料注入系の機械的異常など不具合が検知される。
また、演算部56は、時間軸に対する温度検出信号の変化のピーク形状に基づいて燃焼管36への試料注入の良否を判定するようにしてもよい。
図3に示されるように、試料が燃焼管36に注入されたときの、時間軸に対する温度検出信号変化の形状はピーク形状になる。
図3に示されるように、試料が燃焼管36に注入されたときの、時間軸に対する温度検出信号変化の形状はピーク形状になる。
燃焼管36に注入された試料が触媒37に対して適切に注入されていれば、試料は瞬時に燃焼される。このとき、温度検出信号変化のピーク形状は、シャープになる。また、ピークが治まるまでの時間は比較的短い。
仮に、燃焼管36に注入された試料が触媒37に対して適切に注入されていない場合、試料の燃焼には比較的時間が要される。このとき、温度検出信号変化のピーク形状は、なだらかになる。また、ピークが治まるまでの時間は比較的長くなる。
したがって、演算部56は、時間軸に対する温度検出信号の変化のピーク形状に基づいて、例えばピークの立ち上がり時間や立ち下り時間にしきい値を設けることにより、燃焼管36への試料注入の良否を判定することができる。
以上の実施例は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本発明が適用される水質分析計は、TOC/TN計に限定されない。本発明は、液体の試料を注入するための試料注入部と、試料注入部から注入された試料を燃焼管内で燃焼させる燃焼部と、試料の燃焼によって燃焼管内で発生したガスの成分を検出する検出部と、を備えた燃焼式の水質分析計であれば、どのような構成の水質分析計であっても適用できる。例えば、燃焼式のTOC計や接触熱分解方式のTN計、燃焼式のTOD計などが挙げられる。
例えば、本発明が適用される水質分析計は、TOC/TN計に限定されない。本発明は、液体の試料を注入するための試料注入部と、試料注入部から注入された試料を燃焼管内で燃焼させる燃焼部と、試料の燃焼によって燃焼管内で発生したガスの成分を検出する検出部と、を備えた燃焼式の水質分析計であれば、どのような構成の水質分析計であっても適用できる。例えば、燃焼式のTOC計や接触熱分解方式のTN計、燃焼式のTOD計などが挙げられる。
また、本発明の水質分析計において、試料注入部、燃焼部、検出部の構成は上記実施例に限定されない。試料注入部は燃焼部へ液体の試料を注入できる構成であればどのような構成であってもよい。燃焼部は、試料注入部から注入された試料を燃焼管内で燃焼させることができる構成であればどのような構成であってもよい。検出部は、試料の燃焼によって燃焼管内で発生したガスの成分を検出できる構成であればどのような構成であってもよい。
また、燃焼部に対する温度検出器の配置は、上記実施例の温度検出器39の配置に限定されない。温度検出器は、燃焼管への試料の注入に起因する燃焼管の温度変化を検出できる位置であれば、どのような位置に配置されていてもよい。
18 試料注入部
32 燃焼部
36 反応管
39 温度検出器
43 検出部
56 演算部
32 燃焼部
36 反応管
39 温度検出器
43 検出部
56 演算部
Claims (2)
- 液体の試料を注入するための試料注入部と、試料注入部から注入された試料を燃焼管内で燃焼させる燃焼部と、試料の燃焼によって燃焼管内で発生したガスの成分を検出する検出部と、を備えた燃焼式の水質分析計において、
前記燃焼管への試料の注入に起因する前記燃焼管の温度変化を検出可能な温度検出器と、
前記温度検出器からの温度検出信号の変化の大きさに基づいて前記燃焼管への試料注入の有無を判定する演算部と、を備えたことを特徴とする水質分析計。 - 前記演算部は、時間軸に対する前記温度検出信号の変化のピーク形状に基づいて前記燃焼管への試料注入の良否を判定する請求項1に記載の水質分析計。
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