JP2013184497A - ハイブリッド車両の電気部品取り付け構造 - Google Patents

Abstract

【課題】電気部品への排気管からの熱伝達を防止しつつ電気部品をフロアパネルの下方の空間に効率的に配置するハイブリッド車両の電気部品取り付け構造を提供すること。
【解決手段】リアフロアパネル１２の下方の空間に車両前後方向へ延びる排気管８と、少なくとも２つに分割された前側ケーブル部９Ａと後側ケーブル部９Ｂを相互に接続するジャンクションボックス２２とを配置した構造において、縦壁部１１の後側のリアフロアパネル１２の下方の空間に配置された排気管８のセンタ排気管８Ｂの上方に、順次、遮熱カバー２４と、水冷式の充電器２１と、ジャンクションボックス２２を配置した。
【選択図】図２

Description

本発明はハイブリッド車両の電気部品取り付け構造に関し、さらに詳しくは、フロアパネルの下方に電気部品を配置したハイブリッド車両の電気部品取り付け構造に関する。

一般に、エンジンを搭載した車両では、フロアパネルの下方の空間に燃料タンクと排気管が配置されている。また、エンジンの他に走行用モータを備えるハイブリッド車両では、バッテリと、インバータなどが搭載されている。このようなハイブリッド車両は、バッテリとインバータの間およびインバータと走行用モータとの間を連絡する電力ケーブルを備えている（例えば、特許文献１参照）。実際には、電力ケーブルは車両への組付けの都合上、複数の箇所で分割されている。そして、分割された電力ケーブルは、ジャンクションボックス（電気接続箱）によって相互に接続されている。さらに、バッテリを外部電源によって充電することが可能なハイブリッド車両では、上記の電気部品に加え、充電器を車両に搭載する必要がある。これらの部品を車両のフロア下に取り付ける場合、各部品をより効率的に配置することが必要である。

特開２０１０−１４３４０８号公報

しかしながら、排気管と燃料タンクをフロアパネルの下方に配置した場合には、排気管と燃料タンクとによって電気部品を配置するための空間が減少する問題があった。一方、ジャンクションボックスは、冷却機能を備えておらず、熱の影響を受けやすい電気部品である。したがって、ジャンクションボックスなどの電気部品には排気管の熱が伝わらにように配慮する必要があり、さらに配置スペースが制限されるという問題がある。

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、電気部品への排気管からの熱伝達を防止しつつ電気部品をフロアパネルの下方の空間に効率的に配置するハイブリッド車両の電気部品取り付け構造を提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、フロアパネルの下方に、車両前後方向へ延びるように配置された排気管と、充電器と、少なくとも２つに分割された電力ケーブルを相互に接続するジャンクションボックスと、を備えるハイブリッド車両の電気部品取り付け構造において、排気管の上方に充電器を配置し、充電器の上方にジャンクションボックスを配置し、充電器が冷却機能を有する冷却部を備えることを特徴とする。

上記態様としては、排気管と充電器との間に、遮熱カバーを配置することが好ましい。

上記態様としては、フロアパネルは、車両前後方向前側のフロントフロアパネルと、フロントフロアパネルの後端縁から立ち上がる縦壁部と、縦壁部の上端縁から車両前後方向後方へ向けて延在されるリアフロアパネルと、を備え、充電器およびジャンクションボックスを、縦壁部の車両前後方向後側の空間に配置したことを特徴とする。

本発明に係るハイブリッド車両の電気部品取り付け構造によれば、ジャンクションボックス、充電器などの電気部品への排気管から熱が伝達されることを防止でき、かつフロアパネルの下方に電気部品を効率的に配置することができる。

図１は、本発明の実施の形態に係る電気部品取り付け構造を備えたハイブリッド車両の側面説明図である。 図２は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の電気部品取り付け構造の要部を示す側面図である。 図３は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の電気部品取り付け構造の要部の構成図である。 図４は、本発明の実施の形態に係る電気部品取り付け構造を備えたハイブリッド車両の部品配置を示す平面説明図である。

以下に、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の電気部品取り付け構造の詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の寸法や寸法の比率や形状などは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率や形状が異なる部分が含まれている。なお、本実施の形態では、説明の便宜を図るために、図中において車両の前後方向、左右方向、ならびに上下方向を矢印で示す。

（ハイブリッド車両の概略構成）
図１および図４に示すように、本実施の形態では、ハイブリッド車両１は、車両前部１Ａのエンジンフード２で覆われたエンジンルーム３内に、エンジン４、モータ５、インバータ６が搭載されている。このエンジンルーム３内では、エンジン４の排気マニホルド７に排気管８が連結されている。モータ５とインバータ６とは、図示しない配線で接続されている。インバータ６には、高電圧ケーブル９が接続されている。

図１に示すように、ハイブリッド車両１の下部には、フロントフロアパネル１０と、縦壁部（縦パネル）１１と、リアフロアパネル１２と、が一体的に設けられている。縦壁部１１は、フロントフロアパネル１０の後端縁から立ち上がるように形成されている。また、リアフロアパネル１２は、縦壁部１１の上端縁から車両前後方向後側へ略水平方向に沿って延在されている。すなわち、リアフロアパネル１２は、フロントフロアパネル１０よりも縦壁部（段差部）１１を介して高い位置に配置されている。このようなフロアパネル構造において、排気管８は、フロントフロアパネル１０から下方に導出され、フロントフロアパネル１０およびリアフロアパネル１２の下面に沿って、車両前後方向の後側の端部まで延びるように配置されている。

また、図４に示すように、リアフロアパネル１２の下方には、燃料タンク２０が排気管８と干渉しない位置（車両幅方向左側）に配置されている。リアフロアパネル１２の下方における燃料タンク２０と干渉しない位置に、充電器２１と、ジャンクションボックス（電気接続箱）２２と、が上下に重なるように配置されている。また、リアフロアパネル１２の後部には、バッテリ（高電圧バッテリ）２３が配置されている。図４に示すように、本実施の形態では、充電器２１は、上記排気管８の上方に配置されている。そして、排気管８と充電器２１との間には、遮熱カバー２４が配置されている。また、ジャンクションボックス２２は、充電器２１の上方に所定の間隙２５を隔てて配置されている。

（排気管）
図１に示すように、本実施の形態では、排気管８は車両前後方向の前側から後側へ向けて、順次、フロント排気管８Ａと、センタ排気管８Ｂと、リア排気管８Ｃと、を備えている。フロント排気管８Ａの前端側には、図示しない触媒コンバータが設けられている。フロント排気管８Ａとセンタ排気管８Ｂとの間には、メインマフラー１３が介在されている。また、センタ排気管８Ｂとリア排気管８Ｃとの間には、サブマフラー１４が介在されている。このような排気管８は、複数箇所において、図示しないマフラーマウントで車体側に取り付けられている。

センタ排気管８Ｂは、車両前後方向における前側から後側へ向けて、フロントフロアパネル１０の中間部からリアフロアパネル１２の中間部に亘って配置されている。図２に示すように、センタ排気管８Ｂは、フロントフロアパネル１０の中間部の下方からフロントフロアパネル１０の後端縁１０Ａよりも所定長さＬだけ後側に略水平に延びるように形成されている。なお、図４の平面図に示すように、センタ排気管８Ｂは、車両前後方向後方に向かって、車両幅方向右側に向けて屈曲するように形成されている。すなわち、センタ排気管８Ｂは、メインマフラー１３の後側から斜め後方右側へ導かれている。センタ排気管８Ｂにおける、フロントフロアパネル１０の後端縁１０Ａより長さＬだけ後の位置には、上側へ向けて湾曲して立ち上がる起立部８Ｂａが形成されている。図１に示すように、センタ排気管８Ｂにおける、起立部８Ｂａの後側の部分は、車両前後方向の後方に向かって斜め下向きに湾曲しながらサブマフラー１４に連結されている。そして、サブマフラー１４の後側には、リア排気管８Ｃが連結されている。

（燃料タンク）
本実施の形態では、燃料タンク２０は、リアフロアパネル１２の下方における、フロアパネルにおける縦壁部１１の後側の空間に配置されている。加えて、燃料タンク２０は、上記排気管８におけるセンタ排気管８Ｂの車両幅方向左側に配置されている。したがって、この燃料タンク２０は、センタ排気管８Ｂに干渉されることがない。このような配置構造とすることにより、燃料タンク２０の容積を十分に確保することができる。

（遮熱カバー）
図２および図３に示すように、遮熱カバー２４は、充電器２１と排気管８のセンタ排気管８Ｂと間に配置されている。この遮熱カバー２４は、充電器２１の下面がセンタ排気管８Ｂと直接対向しないように、少なくとも充電器２１の下面の面積よりも大きい面積となるように設定されている。なお、この遮熱カバー２４は、下方からの飛び石などが充電器２１に衝突することを防止できる程度の剛性を有する、例えば金属、耐熱性を有する樹脂などの材料で形成される。遮熱カバー２４は、排気管８のセンタ排気管８Ｂから受けた輻射熱を充電器２１側へ伝達されることを防止する機能を有する。

（充電器）
図２および図３に示すように、本実施の形態で用いる充電器２１は、充電器本体部２１Ａと、この充電器本体部２１Ａの上に一体的に設けられたＤＣ／ＤＣコンバータ２１Ｂと、内部に形成された冷却部としての冷却水経路２１Ｃ（図３参照）と、を備えている。すなわち、充電器２１は、水冷式の冷却部を備えている。充電器本体部２１Ａには、充電用ケーブル２１Ｄが接続されている。図２に示すように、充電用ケーブル２１Ｄの先端部には、受電コネクタ（レセプタクル）２１Ｅが接続されている。受電コネクタ２１Ｅは、図示しない車体パネルに設けた図示しない給電開閉部に取り付けられている。この受電コネクタ２１Ｅは、図示しない給電コネクタ（給電プラグ）が接続されることにより、充電用ケーブル２１Ｄを介して充電器本体部２１Ａへ電力の供給を可能としている。

ＤＣ／ＤＣコンバータ２１Ｂは、バッテリ２３の高電圧を低電圧に変換し、低圧系の負荷に電力を供給するとともに、図示しない例えば１２Ｖバッテリを充電する機能を有する。図３に示すように、冷却水経路２１Ｃは、充電器本体部２１ＡとＤＣ／ＤＣコンバータ２１Ｂとの間の領域に形成されている。図２に示すように、充電器本体部２１Ａの車両前後方向前側には、冷却水経路２１Ｃに連通するように冷却水配管２６が接続されている。この冷却水配管２６は、車両前部１Ａのエンジンルーム３に設けられたモータ５側に延びるように配置されている。

（ジャンクションボックス）
図２および図４に示すように、ジャンクションボックス２２は、充電器２１の上方に間隙２５を隔てて車体側へ取り付けられている。図４に示すように、平面図で見ると、ジャンクションボックス２２は、充電器２１の占有領域内に重なるように配置されている。ジャンクションボックス２２は、高電圧ケーブル９における、インバータ６に接続された前側ケーブル部９Ａと、高電圧バッテリ２３に接続された後側ケーブル部９Ｂと、を接続している。加えて、このジャンクションボックス２２は、車両内部に配索された図示しないワイヤハーネスを分岐接続している。

以上、ハイブリッド車両１の電気部品取り付け構造について説明したが、以下、この構造における作用ならびに効果について説明する。このハイブリッド車両１の電気部品取り付け構造では、センタ排気管８Ｂの上方に充電器２１を配置し、その上方にジャンクションボックス２２を配置したため、充電器２１がセンタ排気管８Ｂからジャンクションボックス２２への熱伝達を防止することができる。

加えて、センタ排気管８Ｂと充電器２１との間には遮熱カバー２４が介在されているため、センタ排気管８Ｂから充電器２１への熱輻射による熱伝達を防止できる。また、遮熱カバー２４をセンタ排気管８Ｂと充電器２１との間に配置したことにより、充電器２１とジャンクションボックス２２を個別に遮熱カバー２４で覆う必要がなくなる。このため、充電器２１およびジャンクションボックス２２を個々に遮熱カバーで覆うための空間を削減できる。したがって、本実施の形態の電気部品取り付け構造では、遮熱カバー２４を設けたことにより、これらの電気部品をより効率的にリアフロアパネル１２の下方に配置できる。また、遮熱カバー２４は、下方からの飛び石などから充電器２１およびジャンクションボックス２２を保護することができる。さらに、充電器２１は、冷却水経路２１Ｃを備えた水冷式であるため、センタ排気管８Ｂから放出される熱量が変化しても充電器２１を適切な温度に維持することができる。

本実施の形態では、図２に示すように、縦壁部１１の車両前後方向後側の空間、すなわち、縦壁部１１の下端縁（フロントフロアパネル１０の後端縁１０Ａ）から所定距離Ｌだけ車両前後方向後側の位置までの空間に、充電器２１とジャンクションボックス２２を上下に配置している。縦壁部１１の後側の空間は、縦壁部１１を挟むフロントフロアパネル１０とリアフロアパネル１２との高低差を利用した上下に高さを有する空間である。したがって、このハイブリッド車両１の電気部品取り付け構造では、このような縦壁部１１の後側の空間を利用したことにより、センタ排気管８Ｂの上方に、遮熱板２４で覆われた充電器２１とジャンクションボックス２２を効率的に配置することができる。このように、本実施の形態に係るハイブリッド車両１によれば、充電器２１、ジャンクションボックス２２などの電気部品を排気管８からの熱伝達を防止しつつ、リアフロアパネル１２の下方の空間内に効率的に配置することができる。

（その他の実施の形態）
以上、実施の形態について説明したが、この実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。例えば、上記実施の形態では、水冷式の充電器２１を適用したが、空冷式の充電器やペルチェ素子で冷却される充電器を適用することも可能である。

上記実施の形態では、インバータ６をハイブリッド車両１の前部に配置、高電圧バッテリ２３をハイブリッド車両１の後部に配置したが、本発明はこのような配置に限定されるものではない。また、上記実施の形態では、ジャンクションボックス２２を平面的に見て充電器２１の占有領域内に配置したが、遮熱カバー２４の上方であれば、ジャンクションボックス２２が充電器２１の占有領域から部分的に外れた配置状態であってもよい。

１ ハイブリッド車両
４ エンジン
５ モータ
６ インバータ
８ 排気管
８Ｂ センタ排気管
９ 高電圧ケーブル
９Ａ 前側ケーブル部
９Ｂ 後側ケーブル部
１０ フロントフロアパネル
１０Ａ 後端縁
１１ 縦壁部
１２ リアフロアパネル
２０ 燃料タンク
２１ 充電器
２１Ａ 充電器本体部
２１Ｂ ＤＣ／ＤＣコンバータ
２１Ｃ 冷却水経路（冷却部）
２１Ｄ 充電用ケーブル
２１Ｅ 受電コネクタ
２２ ジャンクションボックス
２３ バッテリ
２４ 遮熱カバー
２５ 間隙
２６ 冷却水配管

Claims (3)

1. フロアパネルの下方に、車両前後方向へ延びるように配置された排気管と、充電器と、少なくとも２つに分割された電力ケーブルを相互に接続するジャンクションボックスと、を備えるハイブリッド車両の電気部品取り付け構造において、
   前記排気管の上方に前記充電器を配置し、当該充電器の上方に前記ジャンクションボックスを配置し、前記充電器が冷却機能を有する冷却部を備えることを特徴とするハイブリッド車両の電気部品取り付け構造。
2. 前記排気管と前記充電器との間に、遮熱カバーを配置したことを特徴とする請求項１に記載のハイブリッド車両の電気部品取り付け構造。
3. 前記フロアパネルは、車両前後方向前側のフロントフロアパネルと、該フロントフロアパネルの後端縁から立ち上がる縦壁部と、該縦壁部の上端縁から車両前後方向後方へ向けて延在されるリアフロアパネルと、を備え、
   前記充電器および前記ジャンクションボックスを、前記縦壁部の車両前後方向後側の空間に配置したことを特徴とする請求項１または請求項２に記載のハイブリッド車両の電気部品取り付け構造。

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