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JP2013184451A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 Download PDF

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JP2013184451A
JP2013184451A JP2012053340A JP2012053340A JP2013184451A JP 2013184451 A JP2013184451 A JP 2013184451A JP 2012053340 A JP2012053340 A JP 2012053340A JP 2012053340 A JP2012053340 A JP 2012053340A JP 2013184451 A JP2013184451 A JP 2013184451A
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head
nozzle plate
ink
head structure
inkjet
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JP2012053340A
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Hideaki Nishimura
秀明 西村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】ヘッドカバーとヘッド部材の間隙へのインクの侵入、堆積を防止する。
【解決手段】ヘッド構造体10の側面のノズル板21近傍に設けた窪み部31とヘッドカバー20との間で閉空間32を形成し、同閉空間に封止材34を充填する。封止材充填経路用の貫通孔33をヘッド構造体10の裏面側のベースプレート30に開口させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像記録装置もしくは画像形成装置として広く使用されている。
このインクジェット記録装置に使用されるインクジェットヘッドについて、ノズルクリーニング時のワイパとの接触や記録用紙ジャム時の記録用紙との衝突等による外力から保護するためのヘッドカバーを、ノズル孔(インク滴吐出口)が形成されたノズル板側から被せるように装着する構成が知られている。
しかし、薄手の金属板材を絞り加工して作製されたようなヘッドカバーをノズル板の周縁部に当接させただけでは、ヘッドカバーとノズル板の隙間を塞ぐことは難しいうえ、記録用紙の衝突等によってヘッドカバーが変形してノズル板とヘッドカバーの隙間が拡大し、ノズル板その他のヘッド部材とヘッドカバーの間にインクが浸透および堆積するという問題がある。
この問題を改善するため、ノズル板の周縁部とヘッドカバーとを接着剤を用いて接合することが考えられる。しかし、インクの付着を抑制する目的でフルオロカーボン等を含むような撥液材料で処理されたノズル板表面とヘッドカバーとの間では十分な接着強度を得られない。
ヘッドカバーの接着強度を上げるため、ヘッドカバーと接合されるノズル板の周縁部を非撥液処理面とする構成が特許文献1に開示されている(特許文献1の図1、図2、段落0030〜0032を参照)。しかし、撥液処理後のノズル板の周縁部の撥液材料膜を除去したり、予めノズル板周縁部にマスクを施して撥液材料を成膜したりする必要があり、製造工程数が増加してコスト高になる。ノズル面への接着剤はみ出しを防ぐためにフィルム接着剤を用いる等の考慮が必要で、これもコスト高の要因となる等の問題がある。
ノズル板とヘッドカバーとを接着するのではなく、液室ユニット(ノズル板と振動板の積層ユニット)と接合される駆動ユニットのヘッドフレームの外形を液室ユニットより大きくし、液室ユニット側面より突出したヘッドフレーム周縁部と、ヘッドカバーのノズル板近傍部とを接着剤により接合する構成も特許文献1に開示されている(特許文献1の図3、段落0038を参照)。しかし、ノズル板側を上に向けた状態で、ヘッドフレーム周縁部に接着剤をノズル板の高さまで盛り上げるように塗布することとなり、接着剤の塗布作業、塗布量の管理が難しく、接着剤の塗布量・盛り上がり量の不足による接着強度不足が起きやすい等の問題がある。
本発明の主たる目的は、ノズル板等のヘッド部材とヘッドカバーの間へのインクの浸透、堆積をより確実に防止することができ、かつ、特許文献1の構成におけるような問題点を回避できるインクジェットヘッドを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
外部より供給される電気信号に応じて、ノズル板に設けられたノズル孔よりインク滴を吐出させる機能を有するヘッド構造体と、前記ノズル板の周縁部及び前記ヘッド構造体の側面を覆うヘッドカバーとを具備するインクジェットヘッドにおいて、
前記ヘッド構造体の側面に設けられた前記ノズル板の端面が含まれる窪み部と前記ヘッドカバーとの間に形成された閉空間と、
前記閉空間に充填された封止材と、
前記閉空間への封止材充填経路として利用可能な、前記ヘッド構造体の前記ノズル板と反対側の面に開口した貫通孔とを有することを特徴とするインクジェットヘッドである。
本発明によれば、インクジェットヘッドにおけるノズル板等とヘッドカバーの間隙へのインクの浸透、堆積をより確実に防止することができ、また、特許文献1に開示された構成におけるような問題点を回避できる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットの概略外観斜視図である。 上記インクジェットヘッドの概略分解斜視図である。 上記インクジェットヘッドのヘッド構造体の概略分解斜視図である。 上記ヘッド構造体の断面構造の説明図である。 上記ヘッド構造体の側面閉空間に封止材を充填した状態の断面構造の説明図である。 上記ヘッド構造体の側面閉空間への封止材充填工程の説明図である。 キャリッジの一例に上記インクジェットヘッドを装着した状態を示す概略外観斜視図である。 上記インクジェットヘッドが使用されるインクジェット記録装置の一例を説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの概略外観斜視図であり、図2は同インクジェットヘッドの概略分解斜視図である。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係るインクジェットヘッド100は、インク滴吐出機能を有するヘッド構造体10と、このヘッド構造体10の側面やインク滴吐出面21cの周縁部等を覆うためのヘッドカバー20と、ハウジング40と、このハウジング40に固定されたコネクタ基板42とから概ね構成される。
このインクジェットヘッド100は、インクジェット記録装置のキャリッジに装着される。図7に、インクジェットヘッド100が装着されたキャリッジの一例を示す。
ハウジング40はヘッド構造体10、ヘッドカバー20及びインクカートリッジもしくはインクタンク(不図示)を保持するもので、通常、モールド成型される。ハウジング40は、キャリッジ93(図7)に装着した時にインク滴吐出面21cに対し垂直な方向の位置基準となる位置基準面40aと、キャリッジ93の側面にある開口部93d(図7)と係合する突起部40cと、ヘッド構造体10の内部のインク流路と接続されるインク供給口部73を備える。このインク供給口部73にはシール部材44が取り付けられる。シール部材44の材料として、インクに対する耐溶剤性の高い弾性体を用いることができ、具体的には例えば、フッ素ゴムやシリコーンゴムやEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を好適に用いることができる。
コネクタ基板42は、キャリッジ93に設けられるコネクタ(図示せず)と電気的に接続する複数のパッド42aを有し、また、ヘッド構造体10の内部の電気機械変換素子を駆動するための駆動IC(図示せず)とFPC(Flexible Printed Circuit)41を介して接続される。インクジェット記録装置から供給される電気信号は、キャリッジ93のコネクタ(不図示)、コネクタ基板42、FPC41を介してヘッド構造体10内の電気機械変換素子の駆動ICに伝達される。ヘッド構造体10とヘッドカバー20は、ネジ43によってハウジング40に締め付け固定されるが、そのためのネジ孔40fがハウジング40に設けられている。
ヘッド構造体10は、FPC41を経由して外部より供給される電気信号に応じて、インク滴吐出面21cに設けられたノズル孔(インク滴吐出開口)よりインク滴を吐出させる機能を有するもので、その内部に、ノズル孔に対応した多数の個別液室、個別液室内のインクをノズルから滴として吐出させるための圧力を発生する手段(アクチュエータ)、複数の個別液室にインクを供給するためのインク流路等を備える。次に、ヘッド構造体10の具体的構造について説明する。
図3はヘッド構造体10の概略分解斜視図である。図4はヘッド構造体10の断面構造説明図である。
ヘッド構造体10は、ノズル板21、アクチュエータ基板22、インク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27、ベースプレート30を構成部材とし、これら構成部材を図示の順に積層し接合したものであり、図4に模式的に示すような内部断面構造を有する。
ノズル板21は複数のノズル孔(インク滴吐出口)21a(図4)を並べたノズル孔列21bを有する。本実施形態では、ノズル孔列21bは4本、平行に設けられている。ノズル板21の露出される側の面(図3では上面)が、インク滴吐出面21cとなる。
アクチュエータ基板22は、ノズル板21のノズル孔21aにインクを供給するためのノズル孔と1対1対応の個別液室(加圧液室又は圧力発生室と呼ばれることもある)22fと、振動板22g上に順次形成された下部電極、圧電体、上部電極から構成される電気機械変換素子22h、この電気機械変換素子22hを駆動するための駆動IC22i、複数の個別液室22fに接続したノズル孔列21bと1対1対応の共通液室22jを有する。電気機械変換素子22hは、駆動IC22iより供給される電気信号を機械振動に変換し、この機械振動によって個別液室22fの一つの壁面をなす振動板22gを介して個別液室22fの内部のインクを加圧し、個別液室内のインクをノズル孔21aよりインク滴として吐出させるための圧電式アクチュエータとして働くものである。
インク流路基板23,24,25はアクチュエータ基板22内の共通液室22jに接続した、共通液室22jと1対1対応のインク流路(これも共通液室と呼ぶ)23j,24j,25jを有する。ダンパ部材26,27は、共通液室内の流体残留振動を抑制するための部材である。
ノズル板21及びアクチュエータ基板22の短辺(ノズル孔列21bと直交する側の辺)のサイズは、インク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27の短辺のサイズより狭小とされている。これにより、図4に示すように、ヘッド構造体10の長辺側の側面に、アクチュエータ基板22の端面とノズル板21の端面を底面とする窪み部31が形成される。
ベースプレート30は、キャリッジ93に装着時に記録用紙搬送方向Y(図7)の位置基準となる位置基準面30aと、ネジ43を通すための孔30fを有する。ベースプレート30とダンパ部材25,26は、対応した位置に、インク流路基板の共通液室にインクを供給するためのインク供給孔30c,27c,26cを4個ずつ有する。また、インク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27、ベースプレート30は、対応した位置に、ピンアライメント用開口23b,24b,25b,26b,27b,30bと、封止材充填経路用孔23d,24d,25d,26d,27d,30dを有する。
本実施形態では、ノズル板21は4本のノズル孔列21bを持ち、ノズル孔列毎に異なった色のインクを供給することにより、4色のインク滴を吐出させることができる。ノズル板21の材質としてはSUS等の板材を用いるのが好適であり、そのノズル孔をプレス加工法によって形成するのが好適である。また、ノズル板21には、不均一なインクの付着によるインク滴の吐出曲がりなどの吐出不良を防止するため、撥液材料が表面処理される。その撥液材料としては、表面エネルギーが小さいフルオロカーボンを含む有機材料を好適に用いることができ、蒸着法や浸漬法によりノズル板21の表面に塗布したものを用いるのが好適である。
アクチュエータ基板22の電気機械変換素子22hは、例えばゾルゲル法を用いた成膜方式および半導体プロセスによって形成される。これによれば電気機械変換素子22hの高密度化が容易である。ここで、ゾルゲル法とは、金属アルコキシド等の金属有機化合物を溶液系で加水分解、重縮合させて金属−酸素−金属結合を成長させ、最終的に焼結することにより完成させる無機酸化物の作製方法である。ゾルゲル法により成膜される圧電体材料として、具体的には、酢酸鉛、イソプロポキシドジルコニウム、イソプロポキシドチタンを出発材料にし、これらの出発材料を、共通溶媒としてのメトキシエタノールに溶解させたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料を好適に用いることができる。
インク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27、ベースプレート30は、同一種類の金属板材を用いて平板形状に形成すると、その成型が容易であり、また、それらの接合時に加熱処理を行っても熱膨張差による反りを生じない。その金属板材としては、SUS、あるいはFe−Ni合金を好適に用いることができる。その加工方法としては、プレス加工法、エッチング法、レーザー加工法等が挙げられるが、コスト面からプレス加工法を好適に用いることができる。
次に、インクジェットヘッド100の組立工程について説明する。
まず、ノズル板21とアクチュエータ基板22とからなる第1構造体61、インク流路基板23,24,25とダンパ部材26,27とベースプレート30とからなる第2構造体62を別々に組み立てる。次に、第1構造体と第2構造体を接合して一つのヘッド構造体10とする。
第1構造体61については、ノズル板21の長手方向に形成された直径が数10μmから数100μm程度のピンアライメント用開口穴を介して、アクチュエータ基板22上のアライメントパターンを光学的に観察することによって、ノズル板21とアクチュエータ基板22のアライメントを行う。そして、予め接合面に接着剤を塗布したアクチュエータ基板22とノズル板61とを加圧加熱することによって、ノズル版21とアクチュエータ基板22とを接合する。この接合のための接着剤としては、使用されるインクに対し耐溶剤性の高い接着剤を用いることができ、具体的にはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂を含有する熱硬化型接着剤を好適に用いることができる。アクチュエータ基板61にFPC41の一端を接続する。
第2構造体62については、接合面に予め熱硬化型接着剤を塗布したインク流路基板23,24,25とダンパ部材26,27とベースプレート30を接合治具(図示せず)に順次積層し、加圧加熱を行うことによって接合する。アライメントは、インク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27及びベースプレート30の対応位置に設けられたピンアライメント用開口部23b,24b,25b,26b,27b,30bに接合治具のピンを挿入することによって行う。
次に、第1構造体61のノズル板21の表面に設けられたピンアライメント用開口穴と、第2構造体62のベースプレート30の位置基準面30aとを光学的にアライメントし、予め接合面に前記熱硬化型接着剤を塗布した第1構造体61と第2構造体62とを加圧加熱することによって接合する。かくして、キャリッジの特定部位と係合する位置基準面を有するベースプレート30とノズル板21とが高精度に位置決めされたヘッド構造体10が完成する。
また、本実施形態においては、アクチュエータ基板22にはピンアライメント用開口穴を配置することが不要となり、アクチュエータ基板22の外形をインク流路基板23,24,25の外形よりもミリメートルオーダで小さく形成することができ、その分だけウェハからのアクチュエータ基板取数を増加させることができる。よって、MEMS技術を利用して圧電素子を形成した従来のインクジェットヘッドよりコストを低減可能となる。
上述のようにして完成したヘッド構造体10とヘッドカバー20を、図2に示すように、ハウジング40にネジ43によって締め付け固定する。これにより、ベースプレート30のインク供給孔30cとシール部材44とが結合し、シール部材44を介してインク供給口部73とヘッド構造体10のインク流路(共通液室)とが接続される。ヘッド構造体10のアクチュエータ基板22に一方の端が接続されているFPC41をハウジング40側に折り曲げ、その他方の端をコネクタ基板42と接続する。これで、アクチュエータ基板22内の駆動ICとコネクタ基板42とが電気的に接続された。
ヘッドカバー20は、略箱形部20aとフランジ部20bとから構成される。ヘッドカバー20が締め付け固定された状態では、ヘッド構造体10のインク滴吐出面21cすなわちノズル板21の表側面の周縁部、ヘッド構造体10の側面をなすノズル板21、アクチュエータ基板22、インク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27の端面、及び、FPC41のアクチュエータ基板22との接続部分が略箱形部20aによって覆われる。また、ヘッドカバー20のフランジ部20bによって、ベースプレート30のダンパ部材27より外側に延在する面部分が覆われる。フランジ部20bに、ネジ43を通すための孔20fが形成される。このようなヘッドカバー20の材料としてノズル板21と同じSUSを用いることができるが、これのみに限定されるものではない。
さて、前述の通り、ヘッド構造体10の長辺側側面のノズル板側に窪み部31が形成される(図4参照)。したがって、図5に示すように、このヘッド構造体10の側面の窪み部31とそれを覆うヘッドカバー20によって閉空間32が作られる。ヘッド構造体10のインク流路基板23,24,25、ダンパ部材26,27及びベースプレート30の対応位置に設けられた孔23d,24d,25d,26d,27d,30dによって、ヘッド構造体10のベースプレート30からインク流路基板23まで貫通して閉空間32に連通する貫通孔33が形成される。この貫通孔33を封止材充填経路として利用し、閉空間32に斜線ハッチングで示すように封止材34を充填することによって、本実施形態のインクジェットヘッド100は完成する。なお、閉空間32もしくは窪み部31の断面形状は、図4及び図5に示したものにのみ限定されるわけではない。また、ヘッド構造体10の部材構成は図3に示したものに限定されるわけではなく、インク滴を吐出させるための圧力を発生する手段として静電式アクチュエータ等を用いることも可能である。
図6は、閉空間32への封止材充填工程の説明図である。ハウジング40はインク流路部材70を有する。このインク流路部材70は、ヘッド構造体10の各共通液室(インク流路)に対応したインクカートリッジもしくはインクタンク95(図8)が嵌合する複数の突起部72を有する。このインク流路部材70には、ヘッド構造体10の封止材充填経路用貫通孔33(23d,24d,25d,26d,27d)に対応して開口穴71が設けられている。この開口穴71を通して、ディスペンサのシリンジ300を封止材充填経路用貫通孔33に挿入し、閉空間32に封止材34を充填する。この封止材としては、使用されるインクに対する耐溶剤性の高い接着剤を用いることが好適であり、具体的にはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂を含有する接着剤を好適に用いることができる。
以上のような封止構造によって、ヘッド構造体10のノズル板21やアクチュエータ基板22等の構成部材とヘッドカバー20の隙間が良好に封止される。また、封止材によってヘッド構造体10のアクチュエータ基板22やインク流路基板23等とヘッドカバー20とが十分な接着面積をもって強固に接合されるため、記録用紙の衝突やワイパの接触等による外力が加わっても、ヘッドカバー20の変形やヘッドカバー20とヘッド構造体10の間隙の拡大を防止することができる。よって、ヘッドカバー20とヘッド構成体10のノズル板21等との間へのインクの浸透、堆積をより確実に防止することができる。閉空間32への封止材充填作業においては、特許文献1の図3の構成におけるような接着剤の塗布量・盛り上がり量の管理や接着面積不足といった問題はない。
なお、ヘッドカバー20は、封止材の流れ出しを抑制するために底面部(ノズル板21と当接する部分)に絞り加工が施されていることが望ましいが、折り曲げ加工による間隙が形成されている場合でも、該間隙部を封止材で予め封止したり、封止性がある軟質部材を配置した治具上で封止材を充填したり、封止材の粘度を適宜調節したりすることによって、該間隙からの封止材の流れ出しを抑制可能である。
インクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド100を主走査移動させながら画像記録が行われるが、この主走査移動方向は、普通、ノズル孔列21bと直交する方向である。したがって、記録用紙の衝突やノズルクリーニング用ワイパの接触等による外力は、主としてノズル板21の長辺側のヘッドカバー20の側壁部分に加わる。また、ノズル板21の長辺部分とヘッドカバー20の間隙に堆積したインクは記録画像の汚染に直結するため、ノズル板21の長辺部分とヘッドカバー20の間隙の拡大を極力抑える必要がある。以上のことから、ヘッド構造体10のノズル板長辺側の側面に閉空間31を形成し封止材を充填する構成は効果的である。ただし、ヘッド構造体10のノズル板短辺側の側面にも同様の閉空間を形成して封止材を充填することも可能である。
封止材充填経路用貫通孔33、開口穴71の径、配置、個数は適宜変更してよい。封止材充填経路のための専用の貫通孔を設けず、他の目的のために設けられた貫通孔を封止材充填経路として利用することも可能である。例えば、ピンアライメント用開口23b,24b,25b,26b,27b,30bを封止材充填経路として利用することも可能である。
インクジェットヘッド100は、インクジェット記録装置の備える例えば図7に示すようなキャリッジ93に装着して使用される。インクジェットヘッド100は、例えば次のような手順で装着される。キャリッジ93に、図中下側よりインクジェットヘッド100を押し込み、そのインク滴吐出面21cをキャリッジ93の窓部93cより突出させる。キャリッジ93の内壁面にインクジェットヘッド100の位置基準面40aを当接させつつ、インクジェットヘッド100を矢印Aの方向へスライドさせ、位置基準面30aをキャリッジ93の位置決め突起部93aに係合させる。この際、インクジェットヘッド100の突起部40cがキャリッジ93の開口部93dに係合し、キャリッジ93に対してインクジェットヘッド100は固定される。キャリッジ93に対し、インクジェットヘッド100は、位置基準面30aと位置決め突起部93aとの係合により記録用紙搬送方向Yについて位置決めされ、位置基準面40aとキャリッジ93の内壁面との係合によりインク滴吐出面の垂直方向への位置決めがなされる。
ここに示したキャリッジ93は、例えば図8に示すようなインクジェット記録装置51に使用されるものであり、主ガイドロッド91(図8)が摺動自在に嵌合するガイドロッド嵌合部91aと、従ガイドロッド92(図8)と係合する段部93eを備える。
図8に示したインクジェット記録装置51について説明する。このインクジェット記録装置51において、キャリッジ93は、後方側(記録用紙搬送方向下流側)のガイドローラ嵌合部91aに主ガイドロッド91が摺動自在に嵌合し、前方側(記録用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に段部93eが摺動自在に支持される。主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト106が張装されている。キャリッジ93はタイミングベルト106に固定されており、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が主走査方向Xに往復駆動される。
キャリッジ93には、前述のように、インクジェットヘッドがインク滴吐出面を下に向けて装着される。また、インクジェットヘッドにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)のインクを供給するためのインクカートリッジもしくはインクタンク95が交換可能にキャリッジ93に装着される。インクカートリッジもしくはインクタンク95は、上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
図8では図示省略されているが、記録用紙の搬送機構があり、これは副走査モータ107によって駆動される。記録時には、キャリッジ93を主走査方向に移動させながら、画像信号に応じてインクジェットヘッドを駆動することにより、停止している記録用紙にインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作が終わると、記録用紙を所定量搬送し、次の記録動作を行う。
キャリッジ93の移動方向の記録領域を外れた位置(図中右端位置)に、インクジェットヘッドの吐出不良を回復するための回復装置117が設けられている。この回復装置117は、キャップ手段と、吸引手段と、クリーニング手段であるワイパ部材とを備える公知の構成のものでよい。印字待機中に、キャリッジ93は回復装置117へ移動させられ、キャッピング手段でインクジェットヘッドのインク滴吐出面をキャッピングしてインク滴吐出口(ノズル孔)が湿潤状態に保つことにより、インク乾燥による吐出不良を防止する。これとは別に、記録途中などに記録と関係しないインク滴吐出を行うことにより、全てのインク滴吐出口のインク粘度を一定にして安定した吐出性能を維持することも行われる。
インク滴吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でインクジェットヘッドのインク滴吐出面を密封し、チューブを通して吸引手段でインク滴吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、インク吐出口面に付着したインクやゴミ等をクリーニング手段であるワイパ部材により払拭し吐出不良の回復を図る。ここで吸引されたインクは、廃インク溜(図示しない)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
さて、以上に説明した実施形態に係るインクジェットヘッドにおいては、ヘッドカバー20によって、ヘッド構造体10の側面及びインク滴吐出面の周縁部が覆われるので、キャリッジ93の走査方向X、記録用紙搬送方向Yのいずれについても記録用紙とヘッド構造体10との接触を防止し、記録用紙との接触に伴うヘッド構造体10の破損を防止することができる。さらに、ヘッドカバー20は、ベースプレート30のダンパ部材から外側に延出する面部分の表面を覆うことにより、インク滴吐出面のインク払拭を行うクリーニング部材とベースプレート30との接触を防止する。ヘッドカバー20は、ヘッド構造体10の側面やベースプレート30等を覆うことにより、ノズル孔より記録用紙に対しインクが吐出される際に発生するインクミストの付着を防止する働きをする。このように、ヘッド構造体10にインクが付着しにくい構造となっており、これは堆積したインクによる記録用紙の汚染防止に効果的である。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態にのみに限定されるものではなく、様々に変形した実施形態をとり得るものである。
10 ヘッド構造体
20 ヘッドカバー
21 ノズル板
21a ノズル孔(インク滴吐出開口)
21b ノズル孔列
21c インク滴吐出面
22 アクチュエータ基板
22f 個別液室
22g 振動板
22h 電気機械変換素子
22i 駆動IC
22j 共通液室
23,24,25 インク流路基板
26,27 ダンパ基板
30 ベースプレート
31 窪み部
32 閉空間
33 封止材充填経路用貫通孔
34 封止材
40 ハウジング
91 主ガイドロッド
92 従ガイドロッド
93 キャリッジ
97 主走査モータ
106 タイミングベルト
107 副走査モータ
117 回復装置
300 シリンジ
特開平10−16240号公報

Claims (4)

  1. 外部より供給される電気信号に応じて、ノズル板に設けられたノズル孔よりインク滴を吐出させる機能を有するヘッド構造体と、前記ノズル板の周縁部及び前記ヘッド構造体の側面を覆うヘッドカバーとを具備するインクジェットヘッドにおいて、
    前記ヘッド構造体の側面に設けられた前記ノズル板の端面が含まれる窪み部と前記ヘッドカバーとの間に形成された閉空間と、
    前記閉空間に充填された封止材と、
    前記閉空間への封止材充填経路として利用可能な、前記ヘッド構造体の前記ノズル板と反対側の面に開口した貫通孔とを有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記ヘッド構造体の前記ノズル板と反対側の面を構成する部材は前記ヘッド構造体の側面より外側へ延びた面部分を有し、前記ヘッドカバーは前記面部分を覆うフランジ部を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記ヘッド構造体は、前記ノズル板の各ノズル孔に対応した個別液室と、前記電気信号に応じて前記個別液室内のインクを対応した前記ノズル孔からインク滴として吐出させるための圧力を発生する手段とを有する、前記ノズル板と接合されたアクチュエータ基板を含み、前記窪み部に前記ノズル板の端面及び前記アクチュエータ基板の端面が含まれることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 記録用紙に対しインクジェットヘッドよりインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドが請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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US10105946B2 (en) 2016-07-21 2018-10-23 Seiko Epson Corporation Fluid ejection device

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