JP2013180121A - 無針注射器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】注射針を介することなく、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する注射器であって、注射目的物質を収容する収容部と、少なくとも点火薬の燃焼により収容部に収容された注射目的物質に対して加圧し、該加圧された該注射目的物質を注射対象領域に対して射出するとともに、該射出された注射目的物質の一部を該注射対象領域内の目的部位に侵入させる、射出部と、を備えるように構成する。
【選択図】図6A
Description
対象領域の硬さ(注射目的物質に対する抵抗力)等に応じて適宜設定される。なお、所定押圧力は、注射が行われる前の状態から注射が完了した状態の間、一定であってもよく、途中で変更することもできる。このように押圧力を調整することで、ノズルから押し出される注射目的物質が注射対象領域に対して貫通するエネルギーを調整しており、広義の意味において、点火薬による注射目的物質の射出力を調整していることにもなる。
ル4側から見た側面図である。注射器1は、注射器本体2を有し、該注射器本体2の中央部には、その軸方向に延在し、軸方向に沿った径が一定である貫通孔14が設けられている。そして、貫通孔14の一端は、該貫通孔14の径より大きい径を有する燃焼室9に連通し、残りの一端は、ノズル4に至る。更に、燃焼室9の、貫通孔14との連通箇所とは反対側に、イニシエータ20が、その点火部が該連通箇所に対向するように設置される。
うにガス発生剤の量や形状、配置を調整することで、燃焼室9内での発生圧力を適宜調整できる。
図1に示す注射器1においては、上記の通り、イニシエータ20が備える点火薬22が点火され燃焼する際に生じる加圧力が、注射液MLの射出の駆動源となる。本実施例では、生きたマウスに対して、所定の注射目的物質を含む注射液を注射することとし、そのた
め点火薬22としてZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム混合物)を35mg使用する。なお、この点火薬22が燃焼することにより燃焼室9内で発生する圧力推移は、図3に示す通りである。点火時点(経過時間0secの時点)では瞬間的に20MPa超の圧力が発生
し、その直後は圧力が急降下するが、0.02〜0.05secにかけて緩やかに圧力が低下し、概
ね5MPa付近を推移する。このように、点火薬22のみを注射液射出の駆動源とする場合は、点火時は急峻な圧力発生があるものの、その後は、緩やかに圧力が低下していくのが特徴である。なお、このときの注射器1における燃焼室9の容積は、0.5ccである。また図3は常温で作動させたときの圧力推移である。
<その他の実験条件>
(注射液について)
射出される注射液として(すなわち、注射器1の貫通孔14内に収容される注射液として)、ルシフェラーゼあるいはLacZをコードしたプラスミドを27μL使用した。ルシフェ
ラーゼ等がマウスの皮膚構造体の所定の部位(表皮直下の比較的浅い部位)に到達し、そこで拡散すると、遺伝子発現を外部から目視、または注射部位の顕微鏡観察で確認することができる。
(押圧条件)
本実施例では、注射器1のマウス生体への注射時にあたり、ノズル4の射出口をマウス生体に押圧した状態で注射、すなわちイニシエータ20の点火が行われた。この射出口の押圧力は、射出口がマウス生体に完全に覆われるように、且つマウス生体の表面に対して垂直に掛けられる荷重であり、射出された注射液の挙動に影響を及ぼすパラメータの一つと考えられる。以下に、当該押圧力を含めて、各実験の条件を表にまとめる。なお、表1は実験1〜3の条件を示し、表2は参考実験1〜3の条件を示し、表3は参考実験4〜6の条件を示すものである。押圧力は、注射対象のマウスを載せた秤(電子天秤など)を、固定している注射器1のノズル4に対してジャッキを使って押しあて、そのときの秤が指す目盛りを押圧力とした。
次に、以下に上記実験条件に従った実験結果を示す。まず、下記の表4は、ルシフェラーゼを注射されたマウスにおける、ルシフェラーゼ活性(相対発光量:RLU/Protein)の
測定値である。マウスの場合、ルシフェラーゼが表皮直下の部位に拡散することで、ルシフェラーゼによる発光量が顕著となる。
、注射によってマウス生体の目的部位へ侵入した注射液量の比率を示すものである。具体的には、マウス生体の目的部位に注射されなかった注射液の量を測定することで、当該注
射侵入率の算出を行った。なおこのとき、装填された量からマウスの目的部位に達しなかった量を除く量は、マウスの目的部位に達したという判断を前提とする。そして、上記実験2および実験3では、イニシエータ20によって図3に示す加圧力が発生する条件のもとで、注射器1内に装填された注射液の一部のみが、マウス生体の内部に注射されたことになる。
また、上記表4における活性部視認大きさとは、ルシフェラーゼ活性が生じている箇所についての、視認可能な大きさであり、実験1〜3については、その活性箇所の写真を図4A、図4B、図4Cにそれぞれ示している。また、参考実験1については、その活性箇所の写真を図5に示している。その他の参考実験については、基本的に参考実験1と同程度の視認大きさであったため、上記表4にその旨を記載することでそれぞれの活性箇所の写真の記載は割愛した。なお、各活性箇所の写真について、大きさの把握を可能にするために、活性箇所を点線で囲むとともに、当該活性箇所に1mmの目盛りを有する定規を並べ
ている。
らないようにイニシエータ20での点火薬22の燃焼が行われると、ルシフェラーゼ活性を外部から明確に且つ容易に把握することが可能な状態となる。このことは、実験2、3での注射によれば、ルシフェラーゼ活性をマウスの表皮直下の部位(目的部位)で発現させていることを意味する。一方で、上記注射侵入率が100%となるケース(実験1、およ
び各参考実験)では、ルシフェラーゼ活性をマウスの表皮直下に確認することは難しい状態である。
った。注射侵入率が50%の組織片の顕微鏡写真を示す図6Aを見ると、図中点線で囲って
いる表皮直下の部位(目的部位)にLacZによる遺伝子発現箇所(図中、濃く表わされている箇所)を広く見出すことができる。このことは、注射器1によって射出されたLacZを含む注射液は、マウス生体の深部に入り込まずに表皮直下の部位に留まり、そこで拡散したことを意味している。一方で、注射侵入率が100%の組織片の顕微鏡写真を示す図6Bを見ると、図6Aとは異なり、図中点線で囲っている表皮直下の部位にはLacZによる遺伝子発現箇所を見出すことはできない。このケースでは、射出された注射液は、顕微鏡写真の視野外の、マウス生体の深部にまで到達していると考えられる。
侵入するようにその射出を行うことで、マウス生体内部での、注射液の侵入深さを比較的浅い部位に好適に調整することが可能となると言える。特に、実験2、3、4が示すように、注射器1の射出口の押圧力を比較的小さくすることで(本実施例の場合、17g程度)、射出時における注射液の侵入率を100%に至らないように調整することが可能であり、その結果、比較的浅い部位での注射液の拡散を実現することができる。
上述までの実施例は、注射対象がマウスに係る例であったが、マウス以外の生体を注射対象としてもよい。例えば、マウスより大きな生体としてウサギが挙げられる。この場合、注射効果を上げるために、図8に示すように、注射器1の構造を図1に示す構造と違えてもよい。図8に示す注射器1では、注射器側に装填し得る注射液量が増量されるように、貫通孔14の内径が図1に示す構造よりも大きくされている。そのため、表面張力を利用した注射液の収容が困難となるため、注射液MLが封止部材7と封止部材8に挟まれた閉空間に収容される構成が採用される。
ニトロセルロース:98.1重量%
ジフェニルアミン:0.8重量%
硫酸カリウム :1.1重量%
黒鉛(外割) :微量
することが可能となる。
押圧力を調整しながら注射を行うことで、ウサギ生体の比較的浅い部位にも好適に注射液を拡散させることができ、その部分において注射液の活性が有針注射器での活性以上になることを確認することができた。また、図8に示す注射器1は、ウサギ以外にも、ブタやラットへの注射にも有効であることを本出願人は確認した。
本発明に係る注射器1によれば、上述した注射液を皮膚構造体に注射する場合以外にも、例えば、再生医療の分野において、注射対象となる細胞や足場組織・スキャフォールドに培養細胞、幹細胞等を播種することが可能となる。例えば、特開2008−206477号公報に示すように、移植される部位及び再細胞化の目的に応じて当業者が適宜決定し得る細胞、例えば、内皮細胞、内皮前駆細胞、骨髄細胞、前骨芽細胞、軟骨細胞、繊維芽細胞、皮膚細胞、筋肉細胞、肝臓細胞、腎臓細胞、腸管細胞、幹細胞、その他再生医療の分野で考慮されるあらゆる細胞を、注射器1により注射することが可能である。
2・・・・注射器本体
4・・・・ノズル
5・・・・ホルダー
6・・・・ピストン
7、8・・・・封止部材
9・・・・燃焼室
10・・・・凹部
11・・・・流路
20・・・・イニシエータ
22・・・・点火薬
30・・・・ガス発生剤
Claims (3)
- 注射針を介することなく、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する注射器であって、
前記注射目的物質を収容する収容部と、
少なくとも点火薬の燃焼により前記収容部に収容された前記注射目的物質に対して加圧し、該加圧された該注射目的物質を前記注射対象領域に対して射出するとともに、該射出された注射目的物質の一部を該注射対象領域内の目的部位に侵入させる、射出部と、を備える、
無針注射器。 - 前記注射目的物質の一部が前記注射対象領域内の目的部位に侵入可能となるように、前記注射目的物質が注射器本体から射出される射出口が、前記注射対象領域の表面に所定押圧力で押圧された状態で、前記射出部による前記注射目的物質の射出が行われる、
請求項1に記載の無針注射器。 - 前記点火薬は、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬、アルミニウムと酸化銅を含む火薬、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬のうち何れか一つの火薬、又はこれらのうち複数の組み合わせからなる火薬である、
請求項1又は請求項2に記載の無針注射器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012047065A JP2013180121A (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | 無針注射器 |
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JP2012047065A JP2013180121A (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | 無針注射器 |
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Family
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013180121A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010155060A (ja) * | 2000-11-30 | 2010-07-15 | Biovalve Technologies Inc | 注射システム |
-
2012
- 2012-03-02 JP JP2012047065A patent/JP2013180121A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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JP2010155060A (ja) * | 2000-11-30 | 2010-07-15 | Biovalve Technologies Inc | 注射システム |
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