JP2013178417A - キャリブレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭小な走査領域を走査する構成の走査型内視鏡システムであっても、走査パターン中の照射スポットの位置を正確に検出し、理想的な走査パターンが得られるように較正することが可能なキャリブレーション装置を提供すること。
【解決手段】キャリブレーション装置が、光源から出射された光を所定の走査範囲内で周期的に走査する光走査装置を備えた走査型内視鏡システムのキャリブレーション装置であって、光走査装置から出射した光が入射し走査範囲を拡大するリレーレンズと、リレーレンズから出射した光を受光し該受光した光の受光面上での走査軌跡を検出する光検出手段と、光検出手段によって検出された走査軌跡が基準の走査軌跡となるように光走査装置から出射する光の走査パラメータを補正する補正手段と、を有する。
【選択図】図6
【解決手段】キャリブレーション装置が、光源から出射された光を所定の走査範囲内で周期的に走査する光走査装置を備えた走査型内視鏡システムのキャリブレーション装置であって、光走査装置から出射した光が入射し走査範囲を拡大するリレーレンズと、リレーレンズから出射した光を受光し該受光した光の受光面上での走査軌跡を検出する光検出手段と、光検出手段によって検出された走査軌跡が基準の走査軌跡となるように光走査装置から出射する光の走査パラメータを補正する補正手段と、を有する。
【選択図】図6
Description
この発明は、光源から出射された光を所定の走査範囲内で周期的に走査する光走査装置を備えた走査型内視鏡システムに関し、特に、走査光の走査軌跡を補正する走査型内視鏡システムのキャリブレーション装置に関する。
従来、光ファイバによって導光される光を観察部位に対して渦巻状に走査させ、観察部位からの反射光を受光して画像化する走査型内視鏡システムが知られている(例えば、特許文献1)。このような走査型内視鏡システムでは、シングルモード型の光ファイバを内視鏡内部に備えており、その基端部は、二軸アクチュエータによって片持ち梁状に保持される。二軸アクチュエータは、振動の振幅を変調および増幅させながら、ファイバ先端部を固有振動数に従って2次元的に振動させて(共振させて)、光ファイバの先端部を渦巻状に駆動させる。その結果、光ファイバによって光源から導光された照明光が観察部位を渦巻状に走査(スキャン)し、当該観察部位からの戻り光に基づきその照射領域(走査領域)の画像が取得される。
また、近年、特許文献1に記載されているような走査型内視鏡システムを走査型共焦点内視鏡システムに適用することも提案されている(例えば、特許文献2)。走査型共焦点内視鏡システムは、薬剤が投与された生体組織にレーザ光を照射し、その生体組織から発せられる蛍光のうち、共焦点光学系の焦点位置と共役の位置に配置されたピンホールを介した成分のみを抽出することにより、その生体組織を、通常の内視鏡光学系によって得られる観察像より高倍率で観察可能にするものである。特許文献2に記載の走査型共焦点内視鏡システムは、生体組織の特定の狭小領域をレーザ光で2次元又は3次元に走査することで、通常の内視鏡光学系によって得られる観察像の倍率では観察できないような微小な対象物を観察したり、生体組織の断層部を観察したりすることができるように構成されている。
特許文献1又は2に記載されているシステムにおいては、走査領域(観察部位)からの反射光又は蛍光を所定周期のタイミング(以下、「サンプリング点」という。)で受光し、各サンプリング点での輝度情報をモニタの表示座標系(内視鏡画像の画素位置)に割り当てて、二次元の内視鏡画像を表示している。従って、歪みの無い再現性の高い内視鏡画像を生成するためには、各サンプリング点の走査位置をモニタの表示座標系に正確に合わせる必要がある。そこで、この種の走査型内視鏡システムにおいては、実際の走査パターン(走査軌跡)をモニタしながら、理想的な走査パターンが得られるように較正(キャリブレーション)している(特許文献1)。
特許文献1に記載の走査型内視鏡システムは、光ファイバから出射される照明光をPSD(Position Sensitive Detector)によって受光し、走査パターン(走査軌跡)中の照射スポットの位置を検出しながら、二軸アクチュエータへの印加電圧の振幅、位相、周波数等を調整し、理想的な走査パターンが得られるように較正(キャリブレーション)している。しかしながら、このような手法は、特許文献1に記載の走査型内視鏡システムのように、比較的広い走査領域(例えば、直径10mmの走査領域)を走査する構成の走査型内視鏡システムにおいては有効であるが、特許文献2に記載の走査型共焦点内視鏡システムのように、狭小な走査領域(例えば、直径500μmの走査領域)を走査する構成の走査型共焦点内視鏡システムにおいては、PSDセンサの分解能の限界から、照射スポットの位置を正確に検出することができないといった問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、狭小な走査領域を走査する構成の走査型内視鏡システムであっても走査パターン中の照射スポットの位置を正確に検出し、理想的な走査パターンが得られるように較正することが可能なキャリブレーション装置を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明のキャリブレーション装置は、光源から出射された光を所定の走査範囲内で周期的に走査する光走査装置を備えた走査型内視鏡システムのキャリブレーション装置であって、光走査装置から出射した光が入射し、走査範囲を拡大するリレーレンズと、リレーレンズから出射した光を受光し、該受光した光の受光面上での走査軌跡を検出する光検出手段と、光検出手段によって検出された走査軌跡が基準の走査軌跡となるように光走査装置から出射する光の走査パラメータを補正する補正手段とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、光走査装置から出射された光の走査軌跡が、光検出手段上で、その分解能に影響されない程度に拡大されて受光されるため、狭小な走査領域を走査する構成の走査型内視鏡システムであっても、その走査軌跡を高い精度で検出することが可能となり、理想的な走査軌跡となるように較正することが可能となる。
また、受光面は、リレーレンズの光軸に対し垂直に配置され、リレーレンズの後側焦点が、受光面の中心の位置に略一致するように構成することができる。
また、リレーレンズ及び光検出手段を光走査装置に対して相対的に移動させる移動手段を備え、移動手段は、走査範囲の中心とリレーレンズの光軸とが略一致し、かつ、リレーレンズの前側焦点の位置が光走査装置から出射した光の集光位置に略一致するようにリレーレンズ及び光検出手段を移動することが好ましい。このような構成によれば、光走査装置から出射された光は、リレーレンズの倍率で正確に拡大される。また、リレーレンズから出射された光は、光検出手段の中心部を走査するため、光検出手段の受光面から外れることはない。
また、リレーレンズは、リレーレンズから出射した光の走査範囲が受光面に収まるように光走査装置から出射した光の走査範囲を拡大することが好ましい。
また、走査パラメータは、走査光の走査範囲を拡大又は縮小する第1のパラメータ、走査光の走査範囲の形状を変更する第2のパラメータ及び走査光の走査速度を変更する第3のパラメータの少なくとも1つを含むことができる。
また、補正手段によって補正された拡大走査光の走査軌跡を所定のタイミングでサンプリングし、各サンプリング点に対して2次元のラスタ座標を割り当てるリマップテーブル作成手段を有するように構成することができる。
また、リレーレンズと光検出手段とを単一の筐体内に収容することができる。この場合、筐体は、光検出手段を外光から遮蔽する遮蔽筐体であることが好ましい。このような構成によれば、外光の影響を排除できるため、走査光の走査軌跡を高いSN比で検出することが可能となる。
また、光走査装置は、光源から出射された所定の波長の励起光を被写体に出射し、走査型内視鏡システムは、励起光の集光点と共役の位置に配置された共焦点ピンホールと、励起光により励起された被写体から発生する蛍光を、共焦点ピンホールを介して受光し、所定の検出タイミングで画像信号を検出する画像信号検出手段と、検出された画像信号を用いて共焦点画像を生成する画像生成手段とを備えることができる。
本発明のキャリブレーション装置によれば、狭小な走査領域を走査する構成の走査型内視鏡システムであっても、走査パターン中の照射スポットの位置を正確に検出し、理想的な走査パターンが得られるように較正することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の走査型共焦点内視鏡システムについて説明する。
本実施形態の走査型共焦点内視鏡システムは、共焦点顕微鏡の原理を応用して設計されたシステムであり、高倍率かつ高解像度の被写体を観察するのに好適に構成されている。図1は、本発明の実施形態の走査型共焦点内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、走査型共焦点内視鏡システム1は、システム本体100、共焦点内視鏡200、モニタ300、キャリブレーション装置400を有している。走査型共焦点内視鏡システム1を用いた共焦点観察は、可撓性を有する管状の共焦点内視鏡200の先端面を被写体に当て付けた状態で行う。
システム本体100は、光源102、光分波合波器(光カプラ)104、ダンパ106、CPU108、CPUメモリ110、光ファイバ112、受光器114、映像信号処理回路116、画像メモリ118、映像信号出力回路120を有している。共焦点内視鏡200は、光ファイバ202、共焦点光学ユニット204、サブCPU206、サブメモリ208、走査ドライバ210を有している。
光源102は、CPU108の駆動制御に従い、患者の体腔内に投与された薬剤を励起させる励起光を出射する。励起光は、光分波合波器104に入射する。光分波合波器104のポートの一つには、光コネクタ152が結合している。光分波合波器104の不要ポートには、光源102から出射された励起光を無反射終端するダンパ106が結合している。前者のポートに入射した励起光は、光コネクタ152を通過して共焦点内視鏡200内に配置された光学系に入射する。
光ファイバ202の基端は、光コネクタ152を通じて光分波合波器104と光学的に結合している。光ファイバ202の先端は、共焦点内視鏡200の先端部に組み込まれた共焦点光学ユニット204内に収められている。光分波合波器104を出射した励起光は、光コネクタ152を通過して光ファイバ202の基端に入射後、光ファイバ202を伝送して光ファイバ202の先端から出射される。
図2(a)は、共焦点光学ユニット204の構成を概略的に示す図である。以下、共焦点光学ユニット204を説明する便宜上、共焦点光学ユニット204の長手方向をZ方向と定義し、Z方向に直交しかつ互いに直交する二方向をX方向、Y方向と定義する。図2(a)に示されるように、共焦点光学ユニット204は、各種構成部品を収容する金属製の外筒204Aを有している。外筒204Aは、外筒204Aの内壁面形状に対応する外壁面形状を持つ内筒204Bを同軸(Z方向)にスライド自在に保持している。光ファイバ202の先端(以下、符号「202a」を付す。)は、外筒204A、内筒204Bの各基端面に形成された開口を通じて内筒204Bに収容支持されており、走査型共焦点内視鏡システム1の二次的な点光源として機能する。点光源である先端202aの位置は、CPU108による制御に従って周期的に変化する。なお、図2(a)中、中心軸AXは、Z方向に配置された光ファイバ202の軸心を示しており、光ファイバ202の先端202aが振動していない状態のとき、中心軸AXは、光ファイバ202の光路と一致する。
サブメモリ208は、共焦点内視鏡200の識別情報や各種プロパティ等のプローブ情報を格納している。サブCPU206は、システム起動時にサブメモリ208からプローブ情報を読み出して、システム本体100と共焦点内視鏡200とを電気的に接続する電気コネクタ154を介してCPU108に送信する。CPU108は、送信されたプローブ情報をCPUメモリ110に格納する。CPU108は、格納したプローブ情報を必要時に読み出して共焦点内視鏡200の制御に必要な信号を生成して、サブCPU206に送信する。サブCPU206は、CPU108から送信された制御信号に従って走査ドライバ210に必要な設定値を指定する。
走査ドライバ210は、指定された設定値に応じたドライブ信号を生成して、先端202a付近の光ファイバ202の外周面に接着固定された二軸アクチュエータ204Cを駆動制御する。図2(b)は、二軸アクチュエータ204Cの構成を概略的に示す図である。図2(b)に示されるように、二軸アクチュエータ204Cは、走査ドライバ210と接続された一対のX軸用電極(図中「X」、「X’」)及びY軸用電極(図中「Y」、「Y’」)を圧電体上に形成した圧電アクチュエータである。
走査ドライバ210は、交流電圧Xを二軸アクチュエータ204CのX軸用電極間に印加して圧電体をX方向に共振させると共に、交流電圧Xと同一周波数であって位相が直交する交流電圧YをY軸用電極間に印加して圧電体をY方向に共振させる。交流電圧X、Yはそれぞれ、振幅が時間に比例して線形に増加して、時間(X)、(Y)をかけて実効値(X)、(Y)に達する電圧として定義される。光ファイバ202の先端202aは、二軸アクチュエータ204CによるX方向、Y方向への運動エネルギーが合成されることにより、X−Y平面に近似する面(以下、「XY近似面」と記す。)上において中心軸AXを中心に渦巻状のパターンを描くように回転する。先端202aの回転軌跡は、印加電圧に比例して大きくなり、実効値(X)、(Y)の交流電圧が印加された時点で最も大きい径を有する円の軌跡を描く。なお、本実施形態においては、先端202aの回転軌跡が理想的な走査軌跡となるように、後述するキャリブレーションによって、交流電圧X及びYの振幅、位相、周波数が調整されるようになっている。図3は、キャリブレーションによって調整された、XY近似面上の先端202aの回転軌跡を示す図である。
図4は、XY近似面上における光ファイバ202の先端202aのX(又はY)方向の変位量(振幅)と、共焦点内視鏡200の各動作タイミングとの関係を説明する図である。励起光は連続光(又はパルス光)であり、二軸アクチュエータ204Cへの交流電圧の印加開始直後から印加停止までの期間(以下、説明の便宜上、この期間を「サンプリング期間」と記す。)中、光ファイバ202の先端202aから出射される。上述したように、二軸アクチュエータ204Cへ交流電圧が印加されると、光ファイバ202の先端202aは、中心軸AXを中心に渦巻状のパターンを描くように回転するため、サンプリング期間中、光ファイバ202の先端202aから出射した励起光は、中心軸AXを中心とした所定の円形の走査領域を渦巻状に走査する。サンプリング期間が経過して二軸アクチュエータ204Cへの交流電圧の印加が停止すると、光ファイバ202の振動が減衰する。XY近似面上における先端202aの円運動は、光ファイバ202の振動の減衰に伴って収束し、光ファイバ202の振動は、所定時間後に略ゼロとなる(すなわち、先端202aは、中心軸AX上でほぼ停止する)。以下、説明の便宜上、サンプリング期間が終了してから先端202aが中心軸AX上にほぼ停止するまでの期間を「ブレーキング期間」と記す。ブレーキング期間の経過後、さらに所定時間の経過を待って、次のサンプリング期間が開始される。以下、説明の便宜上、ブレーキング期間が終了してから次のサンプリング期間の開始までの期間を「セトリング期間」と記す。セトリング期間は、光ファイバ202の先端202aを中心軸AX上に完全に停止させるための待機時間であり、セトリング時間を設けることにより、先端202aを精確に走査させることが可能となる。また、一フレームに対応する期間は、一つのサンプリング期間と一つのブレーキング期間で構成されており、セトリング期間を調整することによって、フレームレートを調整することができる。つまり、セトリング期間は、光ファイバ202の先端202aが完全に停止するまでの時間とフレームレートとの関係から適宜設定することができるようになっている。なお、ブレーキング期間を短縮するため、ブレーキング期間の初期段階に二軸アクチュエータ204Cに逆相電圧を印加して制動トルクを積極的に加えてもよい。
光ファイバ202の先端202aの前方には、対物光学系204Dが設置されている。対物光学系204Dは、複数枚の光学レンズで構成されており、図示省略されたレンズ枠を介して外筒204Aに保持されている。レンズ枠は、外筒204Aの内部において、内筒204Bと相対的に固定され支持されている。そのため、レンズ枠に保持された光学レンズ群は、外筒204Aの内部を内筒204Bと一体となってZ方向にスライドする。なお、外筒204Aの最先端(すなわち、対物光学系204Dの前方)には、図示省略されたカバーガラスが保持されている。
内筒204Bの基端面と外筒204Aの内壁面との間には、圧縮コイルばね204E及び形状記憶合金204Fが取り付けられている。圧縮コイルばね204Eは、自然長からZ方向に初期的に圧縮狭持されている。形状記憶合金204Fは、Z方向に長尺な棒形状を持ち、常温下で外力が加わると変形して、一定温度以上に加熱されると形状記憶効果で所定の形状に復元する性質を有している。形状記憶合金204Fは、形状記憶効果による復元力が圧縮コイルばね204Eの復元力より大きくなるように設計されている。走査ドライバ210は、サブCPU206が指定した設定値に応じたドライブ信号を生成して、形状記憶合金204Fを通電し加熱して伸縮量を制御する。形状記憶合金204Fは、伸縮量に応じて内筒204Bを光ファイバ202ごとZ方向に進退させる。
光ファイバ202の先端202aを出射した励起光は、対物光学系204Dを透過して被写体の表面又は表層でスポットを形成する。スポット形成位置は、点光源である先端202aの進退に応じてZ方向に変位する。すなわち、共焦点光学ユニット204は、二軸アクチュエータ204Cによる先端202aのXY近似面上の周期的な円運動とZ方向の進退を併せることで、被写体を三次元走査する。
光ファイバ202の先端202aは、対物光学系204Dの前側焦点位置に配置されているため、共焦点ピンホールとして機能する。先端202aには、励起光により励起された被写体の散乱成分(蛍光)のうち先端202aと光学的に共役な集光点からの蛍光のみが入射する。蛍光は、光ファイバ202を伝送後、光コネクタ152を通過して光分波合波器104に入射する。光分波合波器104は、入射した蛍光を光源102から出射される励起光と分離して光ファイバ112に導く。蛍光は、光ファイバ112を伝送して受光器114で検出される。受光器114は、微弱な光を低ノイズで検出するため、例えば光電子増倍管等の高感度光検出器としてもよい。
受光器114によって検出された検出信号は、映像信号処理回路116に入力される。映像信号処理回路116は、CPU108の制御下で動作して、検出信号を一定のレートでサンプルホールド及びAD変換してデジタル検出信号を得る。ここで、サンプリング期間中の光ファイバ202の先端202aの位置(軌跡)が決まると、当該位置に対応する観察領域(走査領域)中のスポット形成位置、当該スポット形成位置からの戻り光(蛍光)を検出してデジタル検出信号を得る信号取得タイミング(すなわち、サンプリング点)がほぼ一義的に決まる。後述するように、本実施形態においては、予め、キャリブレーション装置400を用いて先端202aの走査軌跡を測定している。そして、測定した走査軌跡が理想的な走査パターン(すなわち、理想的な渦巻状の走査パターン)となるように二軸アクチュエータ204Cへの印加電圧の振幅、位相、周波数等を調整し、サンプリング点と、当該サンプリング点が対応する画像上の位置(モニタ300に表示される内視鏡画像の画素位置)とを決定している。サンプリング点と内視鏡画像の画素位置(画素アドレス)との対応関係は、リマップテーブルとしてCPUメモリ110に格納される。例えば、内視鏡画像を水平方向(X方向)15ピクセル、垂直方向(Y方向)15ピクセルの画素で構成した場合、順次サンプリングされた励起光の位置(サンプリング点)と内視鏡画像の画素位置(ラスタ座標)との関係は図5のようになり、CPU108は、この関係に基づいて各サンプリング点に対応する内視鏡画像の画素位置(ラスタ座標)を求めてリマップテーブルを作成する。なお、図5においては、図面の見易さを考慮し、走査領域の中心部分と周辺部分の一部のサンプリング点を示しているが、実際には渦巻状の走査軌跡に沿って多数のサンプリング点が存在する。
映像信号処理回路116は、リマップテーブルを参照して、各サンプリング点で得られる各デジタル検出信号を対応する画素アドレスのデータとして割り当てる。以下、説明の便宜上、上記の割り当て作業をリマッピングと記す。映像信号処理回路116は、リマッピング結果に従って、各点像の空間的配列によって構成される画像の信号を画像メモリ118にフレーム単位でバッファリングする。バッファリングされた信号は、所定のタイミングで画像メモリ118から映像信号出力回路120に掃き出されて、NTSC(National Television System Committee)やPAL(Phase Alternating Line)等の所定の規格に準拠した映像信号に変換されてモニタ300に出力される。モニタ300の表示画面には、高倍率かつ高解像度の被写体の三次元共焦点画像(本明細書においては、単に「内視鏡画像」ともいう。)が表示される。
上述したように、被写体の画像はリマッピング作業によって構築されるため、歪みのない内視鏡画像を得るためには、先端202aを理想的な渦巻状の走査パターンとなるように回転させる必要がある。しかし、通常、走査型共焦点内視鏡システム1を構成する各部品の特性は所定の範囲でばらつくため、製品毎に固有の特性(以下、「製品固有特性」と記す。)を有し、単に組み立てただけでは図3に示したような理想的な走査軌跡は得られない。そこで、本実施形態の走査型共焦点内視鏡システム1では、このような製品固有特性をキャンセルするために、後述するキャリブレーションを行っている。
図6は、本実施形態のキャリブレーション時に用いられるキャリブレーション装置400の模式図である。キャリブレーションでは、光ファイバ202の先端202aの回転軌跡を検出し、この回転軌跡が理想的な回転軌跡となるように(すなわち、共焦点光学ユニット204から出射される励起光の走査軌跡が基準の走査軌跡となるように)、二軸アクチュエータ204Cに印加する交流電圧X及びYの振幅、位相、周波数を調整し、新たなリマップテーブルを作成する。以下、本明細書においては、キャリブレーションで調整される各パラメータ、主として交流電圧X及びYの振幅、位相、周波数、を「調整パラメータ」と総称する。なお、キャリブレーション装置400は、システム本体100と別個独立した構成として説明するが、システム本体100に組み込まれた一部の構成としてもよい。
図6に示されるように、キャリブレーション装置400は、ユニット支持具420、ケース402、XYZステージ408、ステージ駆動モータ410、キャリブレーション回路412等を有している。
ユニット支持具420は、キャリブレーション装置400の本体部(不図示)に固定された略円筒状の部材であり、その内径は、共焦点光学ユニット204の外径よりも僅かに大きく構成されている。キャリブレーション時、焦点光学ユニット204は、ユニット支持具420の内部に差し込まれ、X、Y、Zの各方向について位置決め固定される。
ケース402には、PSD404、PSD基板405、リレーレンズユニット406が取り付けられている。PSD404は、PSD基板405上に搭載され、受光面がXY平面上に位置(言い換えるとZ方向と直交)するようにケース402の基端面側に配置されている。PSD404は、共焦点光学ユニット204から出射される励起光を受光し、その位置(すなわち、受光面上における励起光の位置)を検出する(詳細は後述)。リレーレンズユニット406は、光軸がZ方向に向くように、ケース402の先端側(共焦点光学ユニット204側)に配置されている。リレーレンズユニット406は、内部に複数のレンズを備えた、いわゆる拡大光学系であり、その光軸及び後側焦点F2がPSD404の受光面の中心に位置するように配置されている。また、リレーレンズユニット406の前側焦点F1は、後述するキャリブレーションによって、共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点(すなわち、励起光の集光位置)と略一致するように調整される。すなわち、リレーレンズユニット406は、共焦点光学ユニット204から出射される励起光の集光位置における投影像(すなわち、励起光の走査領域(最大振れ幅))を拡大するように機能する。リレーレンズユニット406の倍率は、励起光の走査領域の大きさ、PSD404のサイズ、PSD404の位置検出分解能等の各種要因を総合的に勘案して決定される。ここで、通常入手可能なPSDを想定した場合、その位置検出分解能から、リレーレンズユニット406によって拡大された走査領域の大きさがPSD404の受光面上で1mm以上となるようにリレーレンズユニット406の倍率が設定されるのが望ましく、また、装置サイズ及び応答速度の観点からは、できる限りリレーレンズユニット406の倍率を小さく設定し、小さな受光面を有したPSD404を使用するのが望ましいため、リレーレンズユニット406の倍率は、2〜20倍程度に設定するのが好適である。そこで、本実施形態においては、共焦点光学ユニット204から出射される励起光の走査領域の直径(すなわち、励起光の集光位置における最大振れ幅)を500μmとし、通常入手可能なPSD404のサイズ、位置検出分解能及び応答速度を想定し、リレーレンズユニット406の倍率を10倍に設定している。従って、共焦点光学ユニット204から出射される励起光の走査軌跡は、リレーレンズユニット406によって拡大され、PSD404の受光面上で最大で直径5mmの円を描くように走査される。なお、ケース402内は、外光が入らないように遮光されており、PSD404は、共焦点光学ユニット204からの励起光を高いSN比で検出する。PSD404の検出電流は、PSD基板405を介してキャリブレーション回路414に出力される。
ケース402は、ステージ駆動モータ410によってX、Y、Zの各方向に移動可能なXYZステージ408上に固定されている。ステージ駆動モータ410は、例えば、ステッピングモータであり、後述するキャリブレーション時、キャリブレーション回路414からの信号を受信し、XYZステージ408を所定の方向に移動させる。なお、本実施形態においては、XYZステージ408の移動分解能(すなわち、ステージ駆動モータ410の1ステップに対するXYZステージ408の移動量)は、約10μmに設定されている。
キャリブレーション回路412は、CPU108と双方向に通信可能な回路である。キャリブレーション回路412は、キャリブレーション時、CPU108の制御の下、ステージ駆動モータ410を介してXYZステージ408を移動させる。また、キャリブレーション回路412は、PSD基板405から出力されるPSD404の検出電流を電圧に変換し、検出電圧としてCPU108に出力する。
図7は、キャリブレーション中に実行されるキャリブレーションプログラムのフローチャートである。キャリブレーションプログラムは、ユーザ(術者)が焦点光学ユニット204をユニット支持具420に差し込み、システム本体100のユーザインターフェース(不図示)から所定の指示を入力したことを契機に、CPU108によって実行されるサブルーチンである。なお、説明の便宜上、本明細書中の説明並びに図面において、キャリブレーションの各処理ステップは「S」と省略して記す。
図7に示すように、キャリブレーションプログラムが開始されると、CPU108は、S11を実行する。S11では、焦点光学ユニット204に対してケース402の位置を調整する。この処理においては、CPU108は、励起光が連続的に照射されるように光源102を制御し、かつ、二軸アクチュエータ204Cへの電圧印加を停止するように操作ドライバ210を制御する。この結果、光ファイバ202から出射される励起光は、中心軸AXに沿って進み、リレーレンズユニット406を通って、PSD404の受光面上に結像する(図6)。本明細書においては、二軸アクチュエータ204Cへの電圧印加がないときの励起光の初期的なスポット形成位置を、以下「初期スポット形成位置」と称する。
図8は、PSD404の受光面上における初期スポット形成位置Pを示す図である。上述したように、走査型共焦点内視鏡システム1は、製品固有特性を有するため、初期スポット形成位置は必ずしもPSD404の中心と一致せず、X及びY方向にずれて検出される。また、共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点も部品によって多少のばらつきがあるため、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点(すなわち、励起光の集光点)とは必ずしも一致しない。そこで、S11では、初期スポット形成位置がPSD404の受光面の中心と略一致するように、ケース402をX、Yの各方向に移動させ(XY調整)、また、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが略一致するように、ケース402をZの各方向に移動させている(Z調整)。
(XY調整)
PSD404は、一対のX方向の電極X1及びX2と、一対のY方向の電極Y1及びY2を備えており、PSD404の受光面上のスポット形成位置は、各電極から出力される電流を検出することによって求められる。具体的には、初期スポット形成位置PのPSD404の受光面上の位置Xp、Ypは、以下の式(数1及び数2)によって求められる。
ここで、IX1は、電極X1から出力される電流であり、IX2は、電極X2から出力される電流であり、IY1は、電極Y1から出力される電流であり、IY2は、電極Y2から出力される電流である。また、Lは、PSD404の受光面の中心から各電極までの距離である。
PSD404は、一対のX方向の電極X1及びX2と、一対のY方向の電極Y1及びY2を備えており、PSD404の受光面上のスポット形成位置は、各電極から出力される電流を検出することによって求められる。具体的には、初期スポット形成位置PのPSD404の受光面上の位置Xp、Ypは、以下の式(数1及び数2)によって求められる。
S11では、CPU108は、キャリブレーション回路412から入力されるPSD404の検出電圧より電極X1から出力される電流IX1、電極X2から出力される電流IX2、電極Y1から出力される電流IY1、電極Y2から出力される電流IY2をそれぞれ求め、上記数1及び数2の式に基づいて初期スポット形成位置PのPSD404の受光面上の位置Xp、Ypを求めている。そして、CPU108は、Xp及びYpが最小となるように(すなわち、初期スポット形成位置がPSD404の受光面の中心と略一致するように)、ステージ駆動モータ410を駆動し、XYZステージ408をX方向及びY方向に移動させる。しかし、上述したように、本実施形態のXYZステージ408は移動分解能を有し、また実際にはステージ駆動モータ410のバックラッシュ等も存在し、さらにこれらの誤差要因がリレーレンズユニット406によって拡大されるため、励起光のスポットをPSD404の受光面の中心に正確に一致させることは困難である。そこで、本実施形態においては、PSD404上における励起光の走査領域(直径5mm)よりも十分に大きな受光面(10mm×10mm)を有するPSD404を使用している。
図9は、S11によってXY調整が行われたときの様子を示す図である。なお、説明の便宜上、図9においては、初期スポット形成位置Pが、PSD404の受光面の中心Oに移動した状態を示している。初期スポット形成位置Pが、PSD404の受光面の中心Oに移動すると、励起光の走査領域Tは、受光面の中心Oを中心とする直径5mmの領域となる。そして、PSD404の受光面は、励起光の走査領域Tに比較して十分に大きく、走査領域Tを囲む斜線部の領域(幅約2.5mmに相当する領域)は、XY方向調整時の調整代αとして機能するようになっている。すなわち、ステージ駆動モータ410のバックラッシュ等が発生したとしても、走査領域TはPSD404の受光面内に必ず収まるように構成されている。
(Z調整)
図10は、PSD404の受光面をZ方向に移動させたときの移動量zと、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)との関係を示すグラフである。ここで、Z=0は、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが一致する時の位置である。図9に示すように、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが一致すると、PSD404の受光面において励起光が最も絞られ、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)が極値をとる。そこで、S11では、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)を、励起光のビーム径を表す指標として用い、Z調整をおこなっている。具体的には、CPU108は、キャリブレーション回路412から出力されるPSD404の検出電圧より電極X1から出力される電流IX1、電極X2から出力される電流IX2、電極Y1から出力される電流IY1、電極Y2から出力される電流IY2をそれぞれ求め、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)を求める。そして、CPU108は、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)が共に極値をとるように(すなわち、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが略一致するように)、ステージ駆動モータ410を駆動し、XYZステージ408をZ方向に沿って移動させる。
図10は、PSD404の受光面をZ方向に移動させたときの移動量zと、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)との関係を示すグラフである。ここで、Z=0は、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが一致する時の位置である。図9に示すように、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが一致すると、PSD404の受光面において励起光が最も絞られ、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)が極値をとる。そこで、S11では、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)を、励起光のビーム径を表す指標として用い、Z調整をおこなっている。具体的には、CPU108は、キャリブレーション回路412から出力されるPSD404の検出電圧より電極X1から出力される電流IX1、電極X2から出力される電流IX2、電極Y1から出力される電流IY1、電極Y2から出力される電流IY2をそれぞれ求め、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)を求める。そして、CPU108は、X方向の電流の総和(IX1+IX2)及びY方向の電流の総和(IY1+IY2)が共に極値をとるように(すなわち、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが略一致するように)、ステージ駆動モータ410を駆動し、XYZステージ408をZ方向に沿って移動させる。
このように、S11では、ケース402をX、Yの各方向に移動させるXY調整、およびケース402をZの各方向に移動させるZ調整が行われ、初期スポット形成位置がPSD404の受光面の中心と略一致し、かつ、リレーレンズユニット406の前側焦点F1と共焦点光学ユニット204の対物光学系204Dの焦点とが略一致するよう調整される。なお、上記では、説明の便宜上、XY調整、Z調整の順で説明したが、Z調整、XY調整の順に行うことも可能である。Z調整をXY調整よりも先に行うと、励起光のスポットを絞った状態でXY調整を行うことができるため、対物光学系204Dやリレーレンズユニット406の収差、対物光学系204Dの傾き、共焦点光学ユニット204の取り付け誤差等の影響を受け難く、XY調整を高精度に行うことが可能となる。次いで、処理は、S15に進む(図7)。
S15では、CPU108は、二軸アクチュエータ204Cに一律に決められた(すなわち、デフォルトの)交流電圧X及びYを印加して光ファイバ202の先端202aを回転させ、PSD404の受光面上を渦巻状に走査する励起光の走査軌跡を検出する。図11は、二軸アクチュエータ204Cにデフォルトの交流電圧X及びYを印加したときの励起光の走査軌跡を示す図である。上述したように、走査型共焦点内視鏡システム1は製品固有特性を有するため、デフォルトの交流電圧X及びYを印加した状態では、図3に示したような理想的な走査軌跡とはならず、例えば、楕円状に歪んだ走査軌跡となる。次いで、処理は、S16に進む。
S16では、CPU108は、S15で検出された励起光の走査軌跡を評価し、規定の公差内の走査軌跡であるか否か(すなわち、許容できる走査軌跡であるか否か)を判断する。規定の公差は、許容できる画像の歪み量等から予め定められており、CPU108は、S15で検出された励起光の走査軌跡から、走査領域の大きさ、形状(真円度)、走査速度等について評価する。S16において、公差内であると判断された場合(S16:YES)、処理は、S18に進み、公差内にないと判断された場合(S16:NO)、処理は、S17に進む。
S17では、CPU108は、二軸アクチュエータ204Cに印加する交流電圧X及びYの調整パラメータ(走査パラメータ)を変更する。具体的には、CPU108は、S16における励起光の走査軌跡の評価結果に基づいて、走査領域の大きさに問題がある場合には交流電圧X及びYの振幅を調整して、走査領域を拡大又は縮小する。また、走査領域の形状に問題がある場合には交流電圧X及びYの位相を調整して、走査領域の形状を変更する。また、走査領域の走査速度に問題がある場合には、交流電圧X及びYの周波数を調整して、励起光の走査速度を変更する。CPU108は、S16において公差内であると判断されるまでS15からS17までの処理を繰り返し実行する。その結果、S15で検出された励起光の走査軌跡は、図12に示すような理想的な走査軌跡となるように調整される。
S18では、CPU108は、S17によって調整された走査軌跡について、各サンプリング点と内視鏡画像の画素位置(画素アドレス)との対応関係を求めて新たなリマップテーブルを作成する。そして、作成したリマップテーブルをS17によって調整された調整パラメータ(すなわち、交流電圧X及びYの振幅、位相、周波数)と共にCPUメモリ110に格納し、本キャリブレーションプログラムを終了する。なお、S18において、CPUメモリ110に格納されたリマップテーブル及び調整パラメータは、新たなキャリブレーションが行われるまで、繰り返し使用される。
このように、本実施形態のキャリブレーションにおいては、共焦点光学ユニット204から出射される励起光の走査軌跡が、リレーレンズユニット406によって拡大されてPSD404で受光される。すなわち、共焦点光学ユニット204から出射される励起光の走査軌跡は、PSD404上で、その分解能に影響されない程度に拡大されて受光される。従って、本実施形態の走査型共焦点内視鏡システム1のように、狭小な走査領域を走査する構成の走査型内視鏡システムであっても、走査光の走査軌跡を高い精度で検出することが可能となり、さらに理想的な走査軌跡となるように較正(調整)することが可能となる。
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、CPU108がキャリブレーションプログラムを実行するものとして説明したが、この構成に限定されるものではなく、キャリブレーション回路412でキャリブレーションプログラムを実行する構成としてもよい。この場合、キャリブレーション回路412は、CPU108との通信によって、二軸アクチュエータ204Cの制御や調整パラメータの変更等を行うように構成される。
また、本実施形態のキャリブレーションプログラムのS11では、光ファイバ202の回転駆動を停止した状態でXY調整及びZ調整を行うように構成したが、例えば、制動期間中の励起光のスポット位置を初期スポット形成位置として検出すれば、光ファイバ202を回転駆動した状態であってもXY調整及びZ調整を行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、XYZステージ408の移動分解能やステージ駆動モータ410のバックラッシュ等を考慮し、PSD404上における励起光の走査領域に対し十分に大きな受光面積を有するPSD404を使用したが、XYZステージ408の移動分解能やステージ駆動モータ410のバックラッシュ等の誤差要因を小さくなるように構成すれば、励起光の走査領域をPSD404上でさらに拡大することも可能となる。
また、本実施形態のリレーレンズユニット406の倍率は10倍としたが、上述したように、リレーレンズユニット406の倍率は、2〜20倍程度に設定することが可能であり、PSD404上における励起光の走査領域がPSD404の受光面に収まる範囲で大きくすることにより、励起光の走査軌跡をより正確に検出することが可能となる。
また、本発明が適用可能なシステムは、本実施形態で説明した走査型共焦点内視鏡システムに限らない。リレーレンズユニット406によって拡大された走査領域をPSD404によって受光できればよく、一般的な走査型内視鏡システムに適用することが可能である。例えば走査領域の水平方向を往復走査するラスタスキャン方式や、走査領域を正弦波的に走査するリサージュスキャン方式等を採用する走査型内視鏡システムにも本発明を適用してもよい。
また、本実施形態の共焦点光学ユニット204は、共焦点内視鏡200の先端部に組み込まれた構成としたが、共焦点光学ユニット204は、例えば、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通されて使用される共焦点プローブに組み込まれてもよい。
また、キャリブレーション装置400に搭載される位置検出素子はPSDに限らない。PSD404は、CCD(Charge Coupled Device)やアレイ型PMT(Photomultiplier Tube)等の位置及び光量が検出可能な他の素子に置き換えてもよい。
1 走査型共焦点内視鏡システム
100 システム本体
102 光源
104 光分波合波器
106 ダンパ
108 CPU
110 CPUメモリ
112 光ファイバ
114 受光器
116 映像信号処理回路
118 画像メモリ
120 映像信号出力回路
200 共焦点プローブ
202 光ファイバ
204 共焦点光学ユニット
206 サブCPU
208 サブメモリ
210 走査ドライバ
400 キャリブレーション装置
402 ケース
404 PSD
405 PSD基板
406 リレーレンズユニット
408 XYZステージ
410 ステージ駆動モータ
412 キャリブレーション回路
100 システム本体
102 光源
104 光分波合波器
106 ダンパ
108 CPU
110 CPUメモリ
112 光ファイバ
114 受光器
116 映像信号処理回路
118 画像メモリ
120 映像信号出力回路
200 共焦点プローブ
202 光ファイバ
204 共焦点光学ユニット
206 サブCPU
208 サブメモリ
210 走査ドライバ
400 キャリブレーション装置
402 ケース
404 PSD
405 PSD基板
406 リレーレンズユニット
408 XYZステージ
410 ステージ駆動モータ
412 キャリブレーション回路
Claims (10)
- 光源から出射された光を所定の走査範囲内で周期的に走査する光走査装置を備えた走査型内視鏡システムのキャリブレーション装置であって、
前記光走査装置から出射した光が入射し、前記走査範囲を拡大するリレーレンズと、
前記リレーレンズから出射した光を受光し、該受光した光の受光面上での走査軌跡を検出する光検出手段と、
前記光検出手段によって検出された走査軌跡が基準の走査軌跡となるように前記光走査装置から出射する光の走査パラメータを補正する補正手段と、
を有することを特徴とするキャリブレーション装置。 - 前記受光面は、前記リレーレンズの光軸に対し垂直に配置され、
前記リレーレンズの後側焦点が、前記受光面の中心の位置に略一致することを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション装置。 - 前記リレーレンズ及び前記光検出手段を前記光走査装置に対して相対的に移動させる移動手段を備え、
前記移動手段は、前記走査範囲の中心と前記リレーレンズの光軸とが略一致し、かつ、前記リレーレンズの前側焦点の位置が前記光走査装置から出射した光の集光位置に略一致するように前記リレーレンズ及び前記光検出手段を移動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャリブレーション装置。 - 前記光検出手段は、前記リレーレンズの光軸上の光の位置及びビーム径を検出し、
前記移動手段は、前記リレーレンズの光軸上の光の位置が前記受光面の中心の位置と略一致し、かつ、前記ビーム径が最小となるように前記リレーレンズ及び前記光検出手段を移動することを特徴とする請求項3に記載のキャリブレーション装置。 - 前記リレーレンズは、前記リレーレンズから出射した光の走査範囲が前記受光面に収まるように前記光走査装置から出射した光の走査範囲を拡大する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のキャリブレーション装置。
- 前記走査パラメータは、前記走査光の前記走査範囲を拡大又は縮小する第1のパラメータ、前記走査光の前記走査範囲の形状を変更する第2のパラメータ及び前記走査光の走査速度を変更する第3のパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のキャリブレーション装置。
- 前記補正手段によって補正された前記拡大走査光の走査軌跡を所定のタイミングでサンプリングし、各サンプリング点に対して2次元のラスタ座標を割り当てるリマップテーブル作成手段を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のキャリブレーション装置。
- 前記リレーレンズと前記光検出手段とを単一の筐体内に収容したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のキャリブレーション装置。
- 前記筐体は、前記光検出手段を外光から遮蔽する遮蔽筐体であることを特徴とする請求項8に記載のキャリブレーション装置。
- 前記光走査装置は、前記光源から出射された所定の波長の励起光を被写体に出射し、
前記走査型内視鏡システムは、
前記励起光の集光点と共役の位置に配置された共焦点ピンホールと、
前記励起光により励起された被写体から発生する蛍光を、前記共焦点ピンホールを介して受光し、所定の検出タイミングで画像信号を検出する画像信号検出手段と、
前記検出された画像信号を用いて共焦点画像を生成する画像生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のキャリブレーション装置。
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