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JP2013166820A - 太陽電池用封止材 - Google Patents

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JP2013166820A JP2012029702A JP2012029702A JP2013166820A JP 2013166820 A JP2013166820 A JP 2013166820A JP 2012029702 A JP2012029702 A JP 2012029702A JP 2012029702 A JP2012029702 A JP 2012029702A JP 2013166820 A JP2013166820 A JP 2013166820A
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Abstract

【課題】製造時の安全性が高く、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)の架橋速度を十分に向上、かつ発泡を抑制できる太陽電池用封止材を提供する。
【解決手段】酢酸ビニルより形成される構造単位を25〜35重量%有するエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、下記式(I)に示す有機過酸化物(I)及び希釈剤(B)を含む組成物(C)と、を含む太陽電池用封止材であって、前記組成物(C)の含有量が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜4.0重量部であり、前記組成物(C)中の有機過酸化物(I)と希釈剤(B)との重量比(I:B)が、100:20〜50であり、希釈剤(B)の比重が0.75以上、0.87以下であることを特徴とする。
【化1】
Figure 2013166820

【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池のセルを封止する太陽電池用封止材に関連し、特に、エチレン-酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと称す場合がある)を架橋剤である有機過酸化物によって架橋する太陽電池用封止材に関するものである。
近年、水力・風力・原子力発電や太陽光・熱発電、バイオマス発電などの二次エネルギーが、化石燃料の代替エネルギー源として注目されており、中でも無尽蔵の太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換することのできる太陽電池による発電方式が注目され、開発が進められている。
一般的な太陽電池モジュールの基本的構成は、図1に示すように、複数の太陽電池用セル(太陽電池素子)101が、表面(光入射側)保護用のガラス板102と耐候性を有するバックカバー103とによって挟持され、ガラス板102とバックカバー103との間には、これらを接着し、太陽電池用セル101を封止するためのEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)やポリビニルブチラールなどの熱可塑性透明樹脂から成る封止材104が介装されている。
太陽電池モジュールに用いられるEVA封止材は、EVAと有機過酸化物を含む組成物を押出成形、もしくはカレンダー成形によりシート状に成形したものである。EVAに加えられた有機過酸化物が熱により分解してEVAを架橋させると、架橋度の指標となるゲル分率が向上される。EVAのゲル分率を向上することによりEVA封止材の耐熱性及び強度を向上することができ、屋外等の環境下で使用される太陽電池にはゲル分率が80%以上であるEVAが必要である。したがって、屋外等で使用される太陽電池を提供するためには、有機過酸化物をEVA中に含有させてEVAを架橋することが不可欠となっている。そのため、有機過酸化物による架橋においては、加熱により有機過酸化物を分解させる工程が必要となる。
従来、EVA中に含有させる有機過酸化物としては、下記式(II)に示す2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(II)のような1時間半減期温度(T1h)が138℃であるジアルキルパーオキサイド型のものが用いられることがあった。その場合、分解および架橋反応をする時間が遅いために、封止工程における生産性が低いという問題点があった。なお、半減期温度とは有機過酸化物の半分が分解する温度のことである。
Figure 2013166820
しかしながら、T1hが100〜130℃と低いパーオキシエステル型のような有機過酸化物を使用すると、短時間での架橋が可能になるものの、封止材に有機過酸化物の分解物に起因するものと思われる発泡(膨れ)現象が起こる問題が生じ易いことが知られている。発泡は、EVA封止材の密着性を低下させる要因となり、封止性能が低下、太陽電池の寿命と発電効率が低下するという問題が生じる。
そこで特許文献1には、T1hが130〜160℃のジアルキルパーオキサイド型の有機過酸化物と、T1hが100〜135℃のアルキルパーオキシエステル型、もしくは、パーオキシケタール型の有機過酸化物を特定の割合で配合することにより、架橋時間の短縮と発泡の問題を解決する方法が示されている。しかしながら、太陽電池市場の拡大に伴い、更なる架橋時間の短縮が望まれるようになり、T1hが高いジアルキルパーオキサイド型の有機過酸化物を含まずに、さらに短時間で架橋することが求められている。
また、特許文献2には、下記式(III)に示されるT1hが126.5℃と低いパーオキシケタール型の有機過酸化物、n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート(III)のみを用いた場合、有機過酸化物の分解によって生じたガスによる太陽電池セルの移動が多く、製品の不具合が生じることが示されている。この問題に対して、T1hが92.1℃と低いパーオキシエステル型の有機過酸化物であって、下記式(IV)に示されるt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(IV)を加えることにより、ガスによる不具合解決と速架橋が同時に達成されたことが示されている。しかしながら、T1hが著しく低い有機過酸化物(IV)を含んでおり、封止材を成形する段階で分解・架橋が進むため、早期架橋(スコーチ)の問題が生じた。
Figure 2013166820


Figure 2013166820

これに対し、下記式(I)で表される有機過酸化物(I)(1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)については、T1hが111.1℃で速架橋可能であるとともに、その理論は必ずしも明らかではないが、それ自体の熱分解による発泡が起こりにくいことが知られている。なお、この有機過酸化物(I)については、特許文献3に速架橋可能な有機過酸化物として挙げられているとともに、特許文献4で、架橋工程で熱分解することによるガスの発生を高く抑制して発泡を抑えられる有機過酸化物の一つとして挙げられている。したがって、この有機過酸化物(I)を用いれば、発泡を抑制しながらの速架橋が期待される。
Figure 2013166820

特開平11−26791号公報 10−928441(B1 KR) 特開平6−177412号公報 特開2008−91772号公報
ところで、一般に、有機過酸化物は、自己反応性を有するために取り扱い時の危険性が非常に高い。そのため、安全性を確保するために、希釈剤無しでは消防法第5類第2種に該当する比較的安全性の高い有機過酸化物しか工業的には使用されないのが実情である。有機過酸化物(I)のような工業純品で消防法第5類第1種に該当する危険性の高い有機過酸化物を用いる場合には、当該有機過酸化物に希釈剤を加えることにより、第5類第2種に該当する混合物にして使用される。その場合、有機過酸化物の希釈剤としては、一般にトルエン、エチルベンゼン、炭化水素溶剤が用いられる。
ところが、太陽電池用封止材の製造においては、希釈剤を添加すると、安全性が高まる一方で希釈剤によって発泡が引き起こされる問題があった。したがって、これまでの工業的な太陽電池用封止材の製造においては、有機過酸化物(I)の使用は困難とされていた。
しかしながら、特許文献3でも、特許文献4でも、希釈剤による発泡の問題は考慮されていない。なお、発泡の抑制を目的とした特許文献4では、工業純品で消防法第5類第2種に該当する比較的安全性の高い有機過酸化物である、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンやtert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンが、特に好ましいとされている。これらは、希釈剤の添加が不要であり、希釈剤による発泡の問題は生じない。したがって、より速架橋可能な有機過酸化物(I)を工業的な太陽電池用封止材の製造に用いる場合に引き起こされる希釈剤による発泡の問題は未だ解決されていないと言える。
そこで、本発明者は、有機過酸化物(I)を工業的に実用化すべく鋭意検討した。その結果、有機過酸化物(I)に対してある特定の比重の希釈剤を特定の割合で用いることによって安全性を高め、そのうえで、EVAに対して特定の割合で含有させることで、太陽電池用封止材の発泡が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、EVAに対して速架橋が可能な有機過酸化物(I)を含有させるあたり、有機過酸化物(I)を希釈剤で希釈して安全性を確保しつつも、希釈剤に起因する発泡を抑制することを目的とする。
そのための手段として、本発明の太陽電池用封止材は、酢酸ビニルより形成される構造単位を25〜35重量%有するエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、上記式(I)に示す有機過酸化物(I)及び希釈剤(B)を含む組成物(C)の含有量が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜4.0重量部であり、組成物(C)中の有機過酸化物(I)と希釈剤(B)との重量比(I:B)が、100:20〜50であり、希釈剤(B)の比重が0.75以上、0.87以下であることを特徴とする。
このとき、前記希釈剤(B)がイソパラフィン系炭化水素、及び石油系炭化水素から選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素からなることが好ましい。
本発明の太陽電池用封止材によれば、ガスの生成が少ない有機過酸化物(I)と、所定比重の希釈剤(B)を所定の割合で混合させた組成物(C)を用いることにより、工業的にも安全性が保たれつつも、該組成物(C)をEVAに対して所定の割合で混合することで発泡を防止しながら短時間で架橋させてEVAのゲル分率を十分に向上することができる。
一般的な太陽電池モジュールの基本的構造を示す断面図である。 本発明の実施例に関連し、有機過酸化物(I)と希釈剤(1)の重量比と、得られる組成物の比重の相関関係を示すグラフである。
本発明の太陽電池用封止材(以下、単に封止材又はEVA封止材と称する場合がある)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(A)と、有機過酸化物(I)と希釈剤(B)とを含む組成物(C)と、を含んでおり、太陽電池モジュールにおいて太陽電池用セルを封止するために用いられる。以下において、その構成を説明する。
<エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(A)>
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(A)はエチレンと酢酸ビニルとの共重合体であり、本発明で用いられるEVA(A)は、酢酸ビニルを構造単位で25〜35重量%含んでいる。この酢酸ビニル含有率が35重量%を超えると、粘着性が増大して取り扱いが困難になる。一方、酢酸ビニル含有率が25重量%未満になると、封止材が硬くなるため加工性が低下し、また、封止材は硬化に伴い緩衝材としての機能が低下するため、封止材で保護されている太陽電池用セルが衝撃により割れやすくなるので好ましくない。
<組成物(C)>
組成物(C)は、上記式(I)で表される有機過酸化物(I)、すなわち、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンと希釈剤(B)とを含む。有機過酸化物(I)は、熱分解時におけるガスの発生が少なく、T1hが111.1℃と低いためにゲル分率が80%以上になるようEVAを速架橋することができる。しかし、自己反応性が非常に高いために取り扱い時の危険性が高く、工業的に使用するためには、希釈剤を添加することにより安全性を高める必要がある。
<希釈剤(B)>
希釈剤(B)は、有機過酸化物(I)の安全性を高め、かつそれ自体が発泡の要因とならないことが求められる。希釈剤(B)としては、比重が0.75以上、0.87以下の希釈剤を用いる。より好ましくは、比重を0.78以上、0.82以下、さらに好ましくは0.78以上、0.80以下とする。希釈剤(B)の比重が0.75未満になると発泡を引き起こし、0.87を超えると架橋阻害を引き起こし、ゲル分率が低下する。希釈剤(B)としては、液状の飽和炭化水素が好適である。より具体的には、イソパラフィン系炭化水素、石油系炭化水素が挙げられ、さらにはこれら2種以上を比重が上記範囲となるように混合した希釈剤などが挙げられる。
比重は、JIS Z 8804−1994に準じて15℃で測定を行った。この規格で示される比重とは、15℃で測定された液体の質量と、それと同体積の圧力101325Paのもとにおける4℃の純粋な水の質量との比のことであり、無名数で表される。
希釈剤(B)は有機過酸化物(I)の合成時に添加し、その際の添加量を変えることにより、有機過酸化物(I)と希釈剤(B)との重量比(I:B)が、100:20〜50(すなわち、100:20〜100:50)の範囲で調節される組成物(C)が得られる。
有機過酸化物(I)と希釈剤(B)を混合し、組成物(C)を得ることも可能であるが、有機過酸化物(I)は工業純品で消防法第5類第1種に該当する自己反応性の高い化合物であるため、そのような方法は安全性に問題があるため避けることが望ましい。
このとき有機過酸化物(I)と希釈剤(B)との重量比(I:B)は、100:20〜50(すなわち、100:20〜100:50)である。有機過酸化物(I)100重量部に対して、希釈剤(B)が20重量部より少ないと、組成物(C)の自己反応性が高く、消防法第5類第1種に該当するため、取り扱い時の危険性が高く、工業的な使用が困難となる。一方、有機過酸化物(I)100重量部に対して、希釈剤(B)が50重量部より多くなると、過剰な希釈剤(B)が発泡を引き起こす。
また、組成物(C)の比重については、上記JIS規格によって測定が可能であるが、有機過酸化物(I)と希釈剤(B)の重量比とそれぞれの比重から算出することも可能である。
EVA封止材中における組成物(C)の含有量は、EVA100重量部に対して0.1〜4.0重量部とし、より好ましくは0.3〜3.0重量部とする。EVA100重量部に対して有機過酸化物(I)の含有量が0.1重量部未満では、架橋反応後のEVAのゲル分率(架橋度)が低く、架橋時間が長くなるため、実用に適さない。一方、EVA100重量部に対して有機過酸化物(I)の含有量が4.0重量部を超えると、過剰な有機過酸化物(I)及び希釈剤(B)が発泡を引き起こす。さらにはEVAの架橋が速くなり過ぎて、太陽電池モジュール製造時の取り扱いが困難となり好ましくない。
このように有機過酸化物(I)と希釈剤(B)とを所定の割合で混合した組成物(C)は、工業的に安全に使用することができる。さらに、EVA(A)に対して適当な量で添加した場合、発泡に問題がないゲル分率80%以上の架橋されたEVAを得ることができる。
(その他の添加剤)
本発明の封止材には、必要に応じてその他種々の添加剤を配合することができる。例えば、接着性を高めるためにカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては、例えば有機珪素化合物や有機チタン化合物を挙げることができる。有機珪素化合物としては、ビニル基、メタクリロキシアルキル基、アクリロキシアルキル基、エポキシ基のような反応性有機基と、ハロゲン、アルコキシ基、アセトキシ基のような加水分解性基とを有する化合物を例示できる。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランのような不飽和基を有する化合物の1種または2種以上を使用できる。カップリング剤は、EVA100重量部に対して、0.1〜10重量部程度、好ましくは0.5〜5重量部程度配合すればよい。
また、架橋速度や架橋効率を高めるために、架橋助剤を配合することができる。架橋助剤としては、例えばポリアリル化合物やポリ(メタ)アクリロキシ化合物のような多不飽和化合物等を挙げることができる。具体的には、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエートのようなポリアリル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリロキシ化合物の1種または2種以上を使用できる。
さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤などを配合することもできる。酸化防止剤としては、例えばフェノール系安定剤、硫黄系安定剤、燐酸系安定剤などが挙げられる。光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等が挙げられる。着色剤としては、例えば酸化チタン等が挙げられる。
(製造方法)
封止材は、EVA(A)、有機過酸化物(I)と希釈剤(B)とを含む組成物(C)、及び必要に応じて適宜配合されるその他の添加剤を含む組成物を、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの汎用の混練装置を使用して、実質的に有機過酸化物が分解しない温度、具体的には50〜110℃程度で混練し、一般的には押出成形やカレンダー成形等によりシート状にされる。シート状とする場合は、その厚みは0.1〜1.0mm程度とすればよい。なお、封止材の形状は、太陽電池モジュールの形状などに合わせて適宜変更可能であり、シート状に限定されるものではない。
その後は、従来から公知の方法にて太陽電池モジュールを製造すればよい。すなわち、太陽電池用セルを少なくとも2枚の封止材で挟み、その両外側にガラス板及びバックカバーを重ね合わせた状態で、有機過酸化物の分解温度以上、具体的には115℃以上、好ましくは120℃以上の温度で加熱・加圧することにより接着・封止することで、太陽電池モジュールを製造できる。なお、より接着性を高めるため、ガラス板やバックカバーは予めプライマー処理しておくと好ましい。また、封止材は太陽電池用セルにラミネートしておくこともできる。
加熱は、有機過酸化物がほぼ完全に分解するまで行うことが好ましい。この加熱処理により、EVAが架橋され、封止材とその他の構成要素とが強固に接着される。加熱処理は、二段階で行うこともできる。例えば、真空条件下において1〜5分程度加熱して仮接着を行い、次いで常圧下にてさらに5〜30分程度加熱して完全に接着することもできる。このようにして製造される太陽電池モジュールの封止材においては、EVAの架橋密度の指標となるゲル分率が80%以上、好ましくは90%以上となっていることが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
<組成物(C)の合成>
まず、以下の(I)〜(V)の有機過酸化物(PO)と、飽和炭化水素溶剤からなる希釈剤(B)(希釈剤1〜7)を用い、実施例および比較例に使用する組成物(C)を合成した。各組成物(C)の組成を実施例については表1、2に、比較例については表3、4に示す。組成物(C)の合成に関しては、従来知られている有機過酸化物(PO)の合成反応時に希釈剤(B)を添加する手順で行った。得られた組成物(C)を用いて下記消防法判定による安全性の判定、および比重測定を行った。判定結果を、実施例については表1、2に、比較例については表3、4に示す。
[有機過酸化物(PO)]
(I) 1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油株式会社製『パーヘキサC』)
(II) 2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油株式会社製『パーヘキサ25B』)
(III) n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート(日油株式会社製『パーヘキサV』)
(IV) t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油株式会社製『パーブチルO』)
(V) ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製『パークミルD』)
[希釈剤(B)]
(1)日油株式会社製『NAS-4』
(2)日油株式会社製『NAS-5H』
(3)日油株式会社製『NAS-3』
(4)日油株式会社製『ポリブテン0SH』
(5)エクソンモービル社製『プライモールN27』
(6)日油株式会社製『NAS-2』
(7)日油株式会社製『ポリブテン30SH』
Figure 2013166820
Figure 2013166820
Figure 2013166820
Figure 2013166820
<消防法判定>
組成物(C)について、消防法で規定された圧力容器試験を行い、消防法判定を行った。細孔径9.0mm、および1.0mmのオリフィス板での破裂回数を求めた。9.0mmのオリフィス板で5回以上破裂した場合、危険性の高い消防法の第5類第1種に分類した。9.0mmのオリフィス板で4回以下、かつ1.0mmのオリフィス板で5回以上破裂した場合を、比較的安全性の高い消防法の第5類第2種に分類した。
<比重測定>
組成物(C)について、JIS Z 8804:1994に準じて比重測定を行った。今回用いた有機過酸化物や希釈剤、それらからなる組成物の各比重は、上記JIS規格による手法で測定が可能である。しかしこの組成物の比重は、構成される有機過酸化物と希釈剤の比重から算出することもまた可能であり、その計算式は以下に示される。表1等に示されるように各重量比と、得られる組成物(C)の比重には相関性がある。例として、比重0.943の有機過酸化物(I)と比重0.792の希釈剤(1)の重量比と、得られる組成物の比重の相関関係を表5、および図2に示した。
[式1] ρ12=(W1+W2)/(W1/ρ1+W2/ρ2)
ρ12:物質1と物質2の混合物の比重
W1、W2:物質1と物質2のそれぞれの重量
ρ1、ρ2:物質1と物質2のそれぞれの比重
Figure 2013166820
<封止材の成形>
次に、得られた各組成物(C)を用い、酢酸ビニル含有量が28重量%のEVA(A)100重量部に対して、表1〜4に示される重量比で組成物(C)を混合し、80℃で押出成型により加熱圧延することにより0.5mm厚のEVA封止材を成形し、実施例及び比較例の各EVA封止材を得た。
得られたそれぞれのEVA封止材を用い、発泡試験、スコーチ試験及びゲル分率の測定を行った。その結果を実施例については表1、2に、比較例については表3、4に示す。
<発泡試験>
各実施例および比較例において作製されたEVA封止材を縦3cm、横6cmに切り出し、MSパウチフィルム(株式会社明光商会製)に挟み、加熱してラミネート加工したものを135℃で10分間加熱し、その際に発生するガスによるフィルムの膨れを目視で観察し、評価した。比較例3−1と同等レベルの膨らみであった場合を◎、僅かにふくらみが大きい場合を○、膨らみが顕著に大きい場合を×として評価した。
<スコーチ試験>
JIS K 6300−2:2001に準じて、各実施例および比較例の封止材を用いて、JSRトレーディング(株)製キュラストメーターV型により、上型及び下型の温度を100℃に設定し、±1°の振幅角度でトルク測定を行った。100℃で架橋した場合の最小トルク値から0.1N・mに達するまでの時間をスコーチ時間として求めた。スコーチ時間が13分以上の場合を○、13分未満の場合を×として評価した。
<ゲル分率の測定>
各実施例および比較例において作製されたEVA封止材を用いて、JSRトレーディング(株)製キュラストメーターにより、135℃で10分架橋を行った。架橋後のEVA封止材を秤量し(Xg)、これを110℃のキシレン中に12時間浸漬して、110℃のキシレン中で洗浄・乾燥させた200メッシュの金網で不溶解分をろ過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Yg)、ゲル分率を算出した(ゲル分率(重量%)=(Y/X)×100)。
比較例3−1のEVA封止材は、T1hが高い有機過酸化物(II)を含んでいたため、発泡しにくい反面、ゲル分率が短時間で向上しなかった。比較例3−2のEVA封止材は、T1hが低い有機過酸化物(IV)を含んでいたため、EVA封止材を成形する温度に近い100℃におけるトルク値上昇が速かった。そのため、早期架橋(スコーチ)を起こし易く、成形時の取り扱いが困難であった。比較例3−3のEVA封止材は、芳香族の有機過酸化物(V)を含んでいたため、発泡が顕著であった。加えて、組成物(C)の比重が高く、取り扱いが困難であった。
これに対し、実施例1−1〜3−4においては、T1hがより高く発泡しにくい有機過酸化物(II)を含む比較例3−1と遜色ない程度に発泡が少なく、且つ、短時間で速架橋が可能であり、ゲル分率が80%以上のEVA封止材が得られた。実施例1−1〜3−4と比較例1−1〜2−2の結果について消防法判定に着目すると、組成物(C)は、有機過酸化物(I)100重量部に対して希釈剤(B)を20重量部以上含むことで、より安全性の高い消防法の第5類第2種に判定される。すなわち、有機過酸化物(I)の自己反応性を低く抑えることができ、より安全な使用が可能なことがわかる。一方、比較例1−1及び1−2のEVA封止材は、組成物(C)の自己反応性が高く、安全な使用が困難であった。また、実施例2−1,2と比較例1−4とを比較すると、組成物(C)の組成が、有機過酸化物(I)100重量部に対して希釈剤(B)が50重量部以下であると発泡しにくいことがわかる。これらのことから、組成物(C)は、有機過酸化物(I)100重量部に対して希釈剤(B)を20〜50重量部とすることがわかる。
実施例1−1〜1−4と比較例1−3との比較から、EVA(A)100重量部に対する組成物(C)の重量比が0.1〜4重量部であると発泡しにくいことがわかる。一方、組成物(C)の重量比が5以上であると多くの発泡が見られた。
実施例1−1,3−1〜3−4と比較例2−1との比較から、希釈剤(B)の比重が0.75より小さいと、発泡しやすくなることがわかる。また、実施例1−1,3−1〜3−4と比較例2−2とを比較すると、希釈剤(B)の比重が0.87を超えると、架橋阻害を起こし、ゲル分率が短時間で向上しないことがわかる。これらのことから、希釈剤(B)の比重は0.75以上、0.87以下とすることがわかる。また、実施例1−1,3−1の結果から、希釈剤(B)の比重が0.78以上、0.82以下であると、より発泡しにくいことがわかり、希釈剤(B)の比重が0.78以上、0.80以下であると、短時間でのゲル分率がより高くなることがわかる。
101 太陽電池用セル
102 ガラス板
103 バックカバー
104 封止材

Claims (2)

  1. 酢酸ビニルより形成される構造単位を25〜35重量%有するエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、下記式(I)に示す有機過酸化物(I)及び希釈剤(B)を含む組成物(C)と、を含む太陽電池用封止材であって、
    前記組成物(C)の含有量が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜4.0重量部であり、
    前記組成物(C)中の有機過酸化物(I)と希釈剤(B)との重量比(I:B)が、100:20〜50であり、
    前記希釈剤(B)の比重が0.75以上、0.87以下であることを特徴とする太陽電池用封止材。
    Figure 2013166820

  2. 前記希釈剤(B)がイソパラフィン系炭化水素、及び石油系炭化水素から選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素からなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用封止材。
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