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JP2013153934A - 衣類乾燥機 - Google Patents

衣類乾燥機 Download PDF

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JP2013153934A
JP2013153934A JP2012016638A JP2012016638A JP2013153934A JP 2013153934 A JP2013153934 A JP 2013153934A JP 2012016638 A JP2012016638 A JP 2012016638A JP 2012016638 A JP2012016638 A JP 2012016638A JP 2013153934 A JP2013153934 A JP 2013153934A
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JP2012016638A
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Katsuya Wakita
克也 脇田
Junichi Nawama
潤一 縄間
Mariko Nomura
真理子 野村
Tomoyuki Kikukawa
智之 菊川
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Panasonic Corp
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Abstract

【課題】衣類に付着した雑菌を効果的に除菌する。
【解決手段】送風手段に9より送風される乾燥用空気を加熱する加熱手段5、16と、乾燥用空気の温度を検知する温度検知手段18と、ドラム1に投入された衣類等の量を検知する布量検知手段17と、乾燥運転を制御する制御手段22とを備え、加熱手段5、16は、乾燥運転時に設定される第1の温度と、除菌運転時に設定される第1の温度より高い第2の温度を有し、制御手段22は、布量検知手段17によって検知した布量が定格容量に対して所定量以下のときに、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にしたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、衣類等の乾燥をおこなう衣類乾燥機に関するものである。
近年、衣類乾燥機において、衣類の乾燥をヒートポンプ方式によって行うようにしたものは、ヒーターで加熱する衣類乾燥機と比べて、乾燥を行う温風温度が低いために、衣類の熱的損傷が少なく、省エネルギーの観点からも優れた乾燥方式であるため注目されている。
ヒートポンプ方式の衣類乾燥機では、衣類を収容した乾燥室の空気を、ヒートポンプの蒸発器と凝縮器を配設した風路を通して循環させ、蒸発器においては空気中の水分の冷却除湿を行い、凝縮器においては空気を加熱して乾燥室に送り込むことを繰り返すことによって衣類の乾燥を行っている。
しかしながら、ヒートポンプを利用した乾燥方式においては、乾燥空気の温度が低いために日常生活の中で衣類に付着した雑菌の種類によっては、衣類から除くことが難しく、衣類乾燥後も付着菌が生存しているために、付着菌の代謝物による不快臭が発生することがあった。
この衣類に付着した雑菌を除くために、乾燥させている衣類の乾燥率が一定の値になった際に、循環させている空気を蒸発器と凝縮器が配設されている循環風路から、外に一旦放出し、加熱部材を介して送風温度を高めた後、再び循環風路内に導入する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、乾燥室内の温度を温度センサにて観測しながらヒーターの駆動を制御し、あらかじめ設定した下限温度と上限温度の内に乾燥室内の温度が保たれるようにして、殺菌運転をおこなうようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の衣類乾燥機の構成を示したものである。図7において、51は筐体、52は水槽、53は水槽52内に回転可能に設けられたドラム、54はドラム53を回転駆動するモータ、55はドラム53内の空気の吸い込み口、56は循環風路、57は温風の吹き出し口、58はヒートポンプ装置の蒸発器、59は同凝縮器、60は循環風路56に送風する送風ファン、61は循環風路56を通る空気を放出する放出口、62は放出口61から放出される空気量を制御するダンパ装置、63はPTCヒーターである。
図8は、同衣類乾燥機の乾燥運転時におけるタイムチャートで、ヒートポンプ装置の圧縮機、PTCヒーター63、送風ファン60、ダンパ装置62の状態および空気温度と乾燥率を示したものである。図8において、乾燥運転開始時をT0、衣類の乾燥率が90%に到達した時点をT1、乾燥運転終了時をT2としている。乾燥運転が開始されると、圧縮機および送風ファン60に通電され、ON状態となる。
ここで、ダンパ装置62を全開状態とすることにより、ドラム53内の湿った空気が吸い込み口55から循環風路56内へと導かれ、一部の空気は開かれている放出口61から循環風路56外へ排出されるが、吸い込まれた空気の大部分は、蒸発器58にて除湿された後に凝縮器59にて加熱され、乾いた温風となって吹き出し口57より再び水槽52およびドラム53内へと吹き出される。
乾燥工程が進むにつれて、ドラム53内へ吹き出される温風の入口側温度は上昇し、ドラム53内より循環風路56へと導かれる温風出口温度も、衣類が含む水分を取り込みながら上昇していく。温風の入口と出口の温度差より決定する乾燥率も工程の進行とともに増加し、乾燥率が90%となった時点(T1)で圧縮機をOFFし、ダンパ装置62を全閉する。
このとき、送風ファン60はON状態であるため、乾燥風は循環風路56へと流れ、さらに、PTCヒーター63が設置されている開口部より、循環風路56内へと流れることとなる。
ここで、T1より若干遅れてPTCヒーター63をON状態とし、循環している温風のさらなる加熱を行う。温風の出口温度が60℃に到達した後、PTCヒーター63を30分間ON、OFF動作させ、乾燥率100%となった時点(T2)で乾燥終了としている。
特開2008−301940号公報 特開平2−255199号公報
しかしながら、前記従来の構成では、衣類に付着した雑菌を除菌するために、乾燥用空気を高温にするだけでは、乾燥運転時に衣類が絡んだり、重なり合ったりして衣類の内部に包み込まれた部分は、直接高温の乾燥風が当たることがなく、衣類の温度が除菌に必要な温度まで加熱することができずに温度ムラが生じ、投入した衣類全体で観た場合に、乾燥はするものの除菌に関しては不十分であり、衣類全体をくまなく除菌することができないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、衣類に付着した雑菌を効果的に除菌することができる衣類乾燥機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の衣類乾燥機は、送風手段により送風される乾燥用空気を加熱する加熱手段と、乾燥用空気の温度を検知する温度検知手段と、ドラムに投入された衣類等の量を検知する布量検知手段と、乾燥運転を制御する制御手段とを備え、前記加熱手段は、乾燥運転時に設定される第1の温度と、除菌運転時に設定される第1の温度より高い第2の温度を有し、前記制御手段は、前記布量検知手段によって検知した布量が定格容量に対して所定量以下のときに、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にしたものである。
これによって、ドラム内で衣類同士が絡みにくく、分散した状態の衣類を略均等に加熱することが可能となり、除菌を目的とする第2の温度まで、衣類の一部のみを過剰に加熱することなく、衣類全体を効果的に除菌することが可能となる。
本発明の衣類乾燥機は、ドラム内の衣類にムラなく温風を当てることができ、衣類全体を、除菌可能な高い温度で効果的に除菌することができる。
本発明の実施の形態1における衣類乾燥機のシステム概略図 同衣類乾燥機の動作を示すフローチャート 同衣類乾燥機の動作を示すタイムチャート 本発明の実施の形態2における洗濯乾燥機の概略構成図 (a)(b)同洗濯乾燥機の動作説明図 同洗濯乾燥機の動作を示すタイムチャート 従来の衣類乾燥機の概略構成図 同衣類乾燥機の動作を示すタイムチャート
第1の発明は、筐体内に回転可能に設けたドラムと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムに乾燥用空気を送風する送風手段と、前記送風手段により送風される乾燥用空気を前記ドラムに導入する循環風路と、乾燥用空気を加熱する加熱手段と、乾燥用空気の温度を検知する温度検知手段と、前記ドラムに投入された衣類等の量を検知する布量検知手段と、乾燥運転を制御する制御手段とを備え、前記加熱手段は、乾燥運転時に設定される第1の温度と、除菌運転時に設定される第1の温度より高い第2の温度を有し、前記制御手段は、前記布量検知手段によって検知した布量が定格容量に対して所定量以下のときに、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にしたことにより、ドラム内で衣類同士が絡みにくく、分散した状態の衣類を略均等に加熱することが可能となり、除菌を目的とする第2の温度まで、衣類の一部のみを過剰に加熱することなく、ドラム内の衣類にムラなく温風を当てることができ、衣類全体を除菌可能な高い温度で満遍なく効果的に除菌することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、ドラム内の衣類等の乾燥度合いを検知する乾燥検知手段を設け、制御手段は、前記乾燥検知手段により検知した乾燥度が所定値以上になったときに布量を検知するようにしたことにより、濡れた衣類が投入されて乾燥運転が開始された際に、衣類の吸水特性等の違いによって、運転開始時には重いと判断され、除菌運転が不可と判定された場合においても、乾燥が進行した状況では、綿等に代表されるような衣類の種類によっては実容量をより正確に判定することが可能となり、除菌運転の可否を精度良く判定することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、乾燥運転時に乾燥用空気を加熱するヒーターとヒートポンプ装置を設け、乾燥運転において設定される第1の温度は、前記ヒートポンプ装置の凝縮器を加熱手段とし、除菌運転において設定される第2の温度は、前記ヒーターを加熱手段としたことにより、乾燥に用いる温風の加熱において、衣類を収容しているドラムの加熱および衣類の温度を上昇させながら、衣類が吸収している水分に熱エネルギーを与えてその蒸発を促進させ、ほぼ吸収している水分の蒸発が終了する恒湿乾燥終了までの、乾燥工程の中で大部分を占める運転では、エネルギー効率の高いヒートポンプによる加熱を行い、除菌工程では、除菌に必要な温風の高温加熱が容易なヒーターで加熱することで、除菌運転を行う際のトータルエネルギーの低減が可能となり、消費電力量を少なくして効果的に除菌することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、ヒーターで加熱された温風の吹き出し口をドラムの前面開口部側に設け、除菌運転時は、前記ドラムの前面に設けた開口部から前記ドラム内に向けて送風するようにしたことにより、除菌に適した高温の温風をドラム内の衣類に対して、直接吹き付けることができるようになり、ドラム内に投入された衣類の雑菌を効果的に除菌することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、除菌運転で設定された定格布量をA、乾燥運転で設定された定格布量をBとしたとき、A<Bとなるように設定したことにより、乾燥運転および除菌運転を効果的に実行することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けたドラムと、前記水槽に洗濯水を給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水手段と、洗濯および乾燥運転を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、乾燥運転時に布量検知手段によって布量を検知し、検知した布量が乾燥運転で設定された定格容量に対して所定量以下のとき、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にしたことにより、洗濯から乾燥まで連続して運転した際に、洗濯時に雑菌を汚れ等とともに洗い流した後、さらに乾燥工程を行うことで、減少させた衣類表面に付着した菌を乾燥死滅させることが可能となり、ドラム内に投入された衣類の雑菌を効果的に除菌することができる。
第7の発明は、特に、第6の発明において、除菌運転で設定された定格布量をA、乾燥運転で設定された定格布量をB、洗濯運転で設定された定格布量をCとしたとき、
A<B<Cとなるように設定したことにより、洗濯運転、乾燥運転および除菌運転を効果的に実行することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における衣類乾燥機のシステム概略図、図2は、同衣類乾燥機の動作を示すフローチャート、図3は、同衣類乾燥機の動作を示すタイムチャートである。
図1〜図3において、乾燥対象である衣類等の繊維製品を収容して乾燥させるドラム1は、衣類乾燥機の筐体内に回転自在に設けられ、モータ2によって回転駆動される。ヒートポンプ装置3は、冷媒を圧縮する圧縮機4と、圧縮後の高温高圧の冷媒の熱を放熱する凝縮器(加熱手段)5と、高圧の冷媒の圧力を減圧して冷媒の圧力差を維持するためのキャピラリーチューブ等の絞り手段6と、減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う蒸発器7と、これらを冷媒が循環するように管路8で接続している。
乾燥用空気は、送風ファン(送風手段)9により送風され、給気口10からドラム1内へ供給されて、ドラム1内の衣類から水分を蒸発させる。衣類から水分を奪って湿気を多く含んだ状態の乾燥用空気は、排気口11から循環風路12を通ってヒートポンプ装置3の蒸発器7と凝縮器5へと導かれる。
排気口11から循環風路12に流入した乾燥用空気は、蒸発器7で冷却除湿された後、凝縮器5で加熱されて送風ファン9により給気口10からドラム1内へ導入され、ドラム1と循環風路12を矢印イ方向に循環して衣類乾燥を進行させる。
循環風路12には、切替弁13、14を設けている。切替弁13は、蒸発器7の風上側に配設されて第2風路15の入口側と連通接続している。切替弁14は、凝縮器5の風下側に配設されて第2風路15の出口側と連通接続している。
切替弁13、14は、循環風路12を流れる乾燥用空気をヒートポンプ装置3の蒸発器7と凝縮器5を通過する第1の状態と、第2風路15を通過する第2の状態とに切り替えられる。第2風路15には、この第2風路15を通過する乾燥用空気を加熱するヒーター(加熱手段)16が設けられている。
ドラム1内に投入された衣類の量は布量検知手段17によって検知される。布量検知手段17は、ドラム1内の重量変化を検知して投入量を判定する手段や、ドラム1を回転させてモータ2の電流値やトルク量等の一般的な技術によって検知される。
ドラム1内で撹拌されている衣類の乾燥状態を検知する乾燥検知手段は、循環風路12の給気口10の近傍(温風の入口側)に設けた温度検知手段18と、排気口11の近傍(温風の出口側)に設けた温度検知手段19により、ドラム1に導入される乾燥用空気の温度と、ドラム1から排出される乾燥用空気の温度を各々サーミスタ等で検知するようにしている。
制御手段22は、モータ2、ヒートポンプ装置3の圧縮機4、送風ファン9、ヒーター16等を制御し、乾燥運転を制御する。
以上のように構成された衣類乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。まず、ドラム1内に乾燥するための衣類を投入すると、布量検知手段17によって投入された衣類の量が判定され、乾燥時間の仮設定がなされて乾燥運転が開始される。
乾燥運転が開始されると、モータ2によりドラム1が回転する。また、運転開始と同時に送風ファン9が駆動し、給気口10からドラム1内に導入された乾燥用空気は、ドラム1内で衣類と接触した後、排気口11から循環風路12に流入する。
乾燥運転の開始時は、送風ファン9によって送風される乾燥用空気が循環風路12を矢印イ方向へ流れるように、切替弁13、14を第1の状態に切り替え、排気口11から循環風路12に流入した乾燥用空気は、蒸発器7と凝縮器5を通過してドラム1と循環風路12を循環する。
ドラム1内で衣類と接触して湿度が高くなった乾燥用空気は、蒸発器7によって冷却され、空気中に含んでいた水蒸気は凝縮されて液体となり低温の乾燥空気となった後に下流の凝縮器5へと流れていく。
低温の乾燥空気は、凝縮器5において加熱されることで乾いた温風となり、循環風路12を通って再び給気口10からドラム1内に導入され、ドラム1内で撹拌されている衣類から水分を奪って排気口11から循環風路12に流入し、衣類乾燥が進行する。
給気口10と排気口11の近傍に配設されている温度検知手段18、19の出力から乾燥を検知する乾燥検知手段により、乾燥運転中は、その進行状況、すなわち、衣類の乾燥状態の検知をおこなう。乾燥検知は、例えば、排気口11から排出される乾燥用空気の温度又は/及び湿度と、給気口10からドラム1内に導入される乾燥用空気の温度又は/及び湿度の差分によって、ドラム1内の衣類の乾燥状態を推定する。
乾燥運転の進行により、衣類の乾燥状態が例えば90%と検出されると、布量検知手段17によってドラム1内の布量を検知し、定格容量に対してあらかじめ設定された所定量以下と判断された場合は除菌運転可能と判定し、除菌運転の工程を続けて実行する。
除菌運転では、乾燥用空気が第2風路15を流れる第2の状態になるように、切替弁13、14を切り替え、同時にヒーター16に通電して第2風路15を流れる乾燥用空気をさらに加熱し、再び循環風路12を通ってドラム1内へ導入する。
加熱手段としてのヒーター16は、抵抗加熱によるヒーターのほか、PTCヒーター等でもよく、第2風路15を流れる乾燥空気を80℃以上に加熱することができるものであればよい。
ヒーター16が配設された第2風路15を乾燥用空気が流れている間においても、温度検知手段18、19による乾燥用空気の測定は継続し、乾燥状態が103%と判断された測定値を示した場合において乾燥運転を終了する。
なお、ヒーター16による乾燥運転を所定時間行った後に、切替弁13、14を切り替えて第1の状態とし、再びヒートポンプ装置3による乾燥運転を行い、乾燥状態が103%と判断された際に乾燥運転を終了させるようにしてもよい。
図2は、乾燥運転時の動作を示すフローチャートである。乾燥運転が開始され、一定時間経過した後にドラム1内で撹拌されている衣類の乾燥度の測定を行い、乾燥度が90%を超えていない場合には乾燥運転を継続し、再度乾燥度を測定する。乾燥度が90%を超えた場合は、投入衣類の重量測定を行い、投入衣類量が例えば定格容量の30%と判断された場合は、除菌運転の工程へと進む。
乾燥運転および除菌運転は、各々定格布量が設定してあり、除菌運転で設定された定格布量をAとし、乾燥運転で設定された定格布量をBとしたとき、A<Bとなるように設定している。除菌運転では、ドラム1内で撹拌されている衣類が分散していることが好ましく、衣類の一部のみを過熱することなく、全体を満遍なく高い温度で効果的に除菌することができる。
一方、乾燥運転では、ドラム1内で衣類が撹拌されている状態であれば、除菌運転時より低い温風で乾燥可能であり、衣類の一部のみを過熱することなく、除菌運転時より多量の衣類を効率よく乾燥することができ、乾燥運転と除菌運転を効果的に実行することができる。
ここで、除菌運転の実行可能な所定量より多くの衣類が投入されていると判定された場合に、ドラム1内から衣類の一部を取り出すことにより、衣類を所定量以下にして、除菌運転を実行するようにしてもよい。
また、除菌運転を実行する前の乾燥工程においては、エネルギー効率の高いヒートポンプ装置3により乾いた温風をドラム1内に供給し、乾燥運転を実行する。この場合、排気口11から循環風路12に流入した乾燥用空気は、蒸発器7と凝縮器5を通過してドラム1と循環風路12を循環する。
制御手段22は、定期的あるいは連続してドラム1内に送風される温風の温度を温度検知手段18により検知しながらヒーター16をON状態とし、温風の温度が80℃に達した時点でヒーター16のON/OFFを繰り返しながら80℃で略一定の温風とし、同状態を一定時間T(例えば10分)継続する。その後、ヒーター16をOFFし、切替弁13、14を第1の状態に切り替えて乾燥運転を継続する。そして、乾燥度を測定し、103%以上となった場合に乾燥運転を終了する。
図3は、乾燥運転時の動作を示すタイムチャートで、乾燥運転開始時より乾燥運転終了までの、圧縮機4、ヒーター(加熱手段)16、切替弁13、14、送風ファン9および乾燥用空気の温度と乾燥率を示したものである。
乾燥運転が始まると、圧縮機4が駆動し、冷凍サイクル内を冷媒が循環することによりヒートポンプ装置3の蒸発器7の温度が低下し、凝縮器5の温度が上昇してくる。このとき、第2風路15内にあるヒーター(加熱手段)16はOFF状態である。
また、切替弁13、14は、乾燥用空気が蒸発器7と凝縮器5を通過して矢印イのように流れる第1の状態となっている。送風ファン9は、乾燥運転の開始より終了までON状態で、ドラム1内の空気を循環風路12内へと導き、再びドラム1内へと送り出している。
乾燥運転の初期には、ドラム1内への温風入口である乾燥用空気の給気口10側の温度は低下しているものの、時間とともに凝縮器5の熱を吸熱しながら温度は上昇し、やがて恒率乾燥と呼称される領域に入り一定の値となる。ドラム1からの温風出口である乾燥用空気の排気口11側の温度は、衣類から除去した水分を含んでいるため、入口側よりやや遅れて徐々に温度が上がっていく。
温風の入口である給気口10側と、温風の出口である排気口11側の温度が徐々に近づくにつれて、乾燥率も時間とともに増加していく。乾燥率が90%になった時点(T1)で衣類の重量測定が行われ、例えば乾燥運転に対する定格容量である6kgに対してその半分となる3kgといったように、定格容量に対して一定の比率以下の容量と判断された場合に除菌運転の工程へと進められる。ここで一定の比率以下の容量と判断される衣類の量は、乾燥運転に対して設定されている衣類量より少ないことが好ましい。
除菌運転では、乾燥用空気が第2風路15に流れるように、切替弁13、14を第2の状態に切り替えるとともに、圧縮機4を停止させる。そして、第2風路15内に配設されたヒーター16をONにする。
ここで、乾燥用空気を加熱する熱源をヒーター16に切り替えることにより、温風入り口温度は上昇し、ドラム1内に80℃の高温の乾燥風を送り込むことが可能となる。温風入り口温度が80℃に到達した後は、ヒーター16のON/OFFを繰り返し、乾燥率が100%になるまで、乾燥用空気が第2風路15を通って循環風路12を循環する。
乾燥率が100%に到達した時点(T2)で、再び切替弁13、14を第1の状態に切り替えて、乾燥用空気がヒートポンプ装置3の蒸発器7および凝縮器5を通過するようにし、圧縮機4も作動させる。そして、さらに乾燥運転を続けた後、乾燥率が103%となった時点(T3)で、乾燥運転を終了させる。
なお、ヒーター16加熱による除菌運転の時間は、投入された衣類が均一に80℃の温度まで到達する時間であればよい。
以上のように、本実施の形態においては、筐体内に回転可能に設けたドラム1と、ドラム1を回転駆動するモータ2と、ドラム1に乾燥用空気を送風する送風手段9と、送風手段9により送風される乾燥用空気をドラム1に導入する循環風路12と、乾燥用空気を加熱する加熱手段5、16と、乾燥用空気の温度を検知する温度検知手段18と、ドラム1に投入された衣類等の量を検知する布量検知手段17と、乾燥運転を制御する制御手段22とを備え、加熱手段5、16は、乾燥運転時に設定される第1の温度と、除菌運転時に設定される第1の温度より高い第2の温度を有し、制御手段22は、布量検知手段17によって検知した布量が定格容量に対して所定量以下のときに、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にしたものであり、ドラム1内で衣類同士が絡みにくく、分散した状態の衣類を略均等に加熱することが可能となり、除菌を目的とする第2の温度まで、衣類の一部のみを過熱することなく、ドラム1内の衣類にムラなく温風を当てることができ、衣類全体を満遍なく除菌可能な高い温度で効果的に除菌することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における洗濯乾燥機の概略構成図、図5(a)(b)は、同衣類乾燥機の動作説明図、図6は、同洗濯乾燥機の動作を示すタイムチャートである。本実施の形態の特徴は、除菌運転時は、ヒーター16で加熱された温風をドラム1の前面に設けた開口部30からドラム1内に向けて送風するようにしたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図4において、筐体23内にドラム1を回転可能に内包した水槽24を弾性支持している。止水弁25を設けた給水管26から洗剤ケース27を介して注水口28から水槽24内に洗濯水が給水される。切替弁13に第2風路15の一端が連通接続されており、この第2風路15にヒーター(加熱手段)16と第2送風ファン29を設けている。第2風路15の乾燥用空気の出口側の他端は、ドラム1の前面に設けた開口部30からドラム1内に向けて送風するように開口した吹き出し口31を設けている。
ドラム1は、略有底略円筒状に設けてあり、その回転軸1aを前上がりに傾斜させて配設している。ドラム1の後部下方が位置する水槽24の底部に排水口32が設けてあり、排水弁33を設けた排水路34から水槽24内の洗濯水を機外へ排出する。ドラム1の周側壁面に多数の透孔35を設け、水槽24内と連通している。注水口28から水槽24内に給水された洗濯水は、透孔35を通ってドラム1内に流入する。
また、吹き出し口31からドラム1内に送風された乾燥用空気は、透孔35を通って水槽24内へ流出し、排気口11から循環風路12へ流入する。乾燥用空気が水槽24から循環風路12へ流入する排気口11は、水槽24の上方前部に設けられ、循環風路12から水槽24へ導入される給気口10は、水槽24の後部上方に設けられている。
ドラム1の周側壁面に複数のバッフル36を設けている。バッフル36は、ドラム1内に突出するように設けられ、ドラム1の正逆回転動作により中の衣類を回転方向へ持ち上げ、ドラム1内の上部から衣類を落下させる。洗濯工程では、衣類に対して落下による叩き洗いの作用で洗濯し、乾燥工程では、ドラム1内で衣類を撹拌し、送風される乾燥用空気との接触を良好にする。
本実施の形態においては、通常の洗濯を実行した後に、続けて乾燥運転まで行う洗濯乾燥機を示している。通常の洗濯(洗い、すすぎ、脱水)工程の説明は省略する。本実施の形態は、循環風路12に乾燥用空気を送風する送風ファン9を設け、第2風路15に、ヒーター(加熱手段)16と第2送風ファン29を設けている。
ヒートポンプ装置3の凝縮器(加熱手段)5で加熱された温風は、循環風路12を通って水槽24の後部上方に設けた給気口10からドラム1内に送風され、ヒーター16で高温に加熱された温風は、第2風路15の吹き出し口31より、ドラム1の前面に設けた開口部30からドラム1内に向けて送風される。
ヒートポンプ装置3で加熱された温風は、ドラム1およびドラム1内の衣類全体の温度を上昇させることができ、ヒーター16で加熱された高温の温風は、ドラム1内の衣類に向けて直接吹き付けられるようにしている。これにより、高温の乾燥風の熱エネルギーがドラム1等の加熱に使われることなく、衣類の温度を除菌に必要な温度まで無駄なく上昇させることができる。
図5は、ヒーター16で加熱された温風の吹き出し口31を、ドラム1の前面に設けた開口部30側の周方向に複数設けた場合の動作を示したものであり、ドラム1の正逆回転によって衣類が落下する方向と対向するように、温風の吹き出し口31a、31bを切り替えるようにしたものである。
ドラム1内に投入された衣類は、ドラム1の回転とともにドラム1の内周面に設けられているバッフル36によって上方まで持ち上げられ、底部に向かって落下する。
図5(a)のように、ドラム1が矢印のように左回りである場合は、衣類はドラム1内の右上方から下方に向かって矢印ロ方向へ落下する。このとき、開口部30の左下方に配設された吹き出し口31aから高温の温風を吹き付けることにより、落下してくる衣類と対向して温風が当たり、乾燥度が例えば90%を超えた衣類は保持している水分量が減少して軽量となっているため、吹き付けられた温風により拡がった状態の衣類に対して、例えば80℃の高温の温風を直接衣類に当てることが可能となる。
また、図5(b)のように、ドラム1が矢印のように右回りである場合は、衣類はドラム1内の左上方から下方に向かって矢印ハ方向へ落下する。このとき、開口部30の左下方に配設された吹き出し口31bから高温の温風を吹き付けることにより、落下してくる衣類と対向して温風を当てることができる。
なお、吹き出し口31a、31bの切り替えは、ドラム1の反転動作に連動して弁(図示せず)により行うことで、衣類の落下方向と対向させながら高温風を直接衣類に当てることが可能となる。
図6は、乾燥運転時の動作を示すタイムチャートで、乾燥運転開始時より乾燥運転終了までの、圧縮機4、ヒーター(加熱手段)16、切替弁13、送風ファン9、第2送風ファン29および乾燥用空気の温度と乾燥率を示したものである。
乾燥運転が始まると、圧縮機4が駆動し、冷凍サイクル内を冷媒が循環することによりヒートポンプ装置3の蒸発器7の温度が低下し、凝縮器5の温度が上昇してくる。このとき、第2風路15内にあるヒーター(加熱手段)16はOFF状態である。
また、切替弁13は、乾燥用空気が蒸発器7から凝縮器5を通過して循環風路12に送風される第1の状態となっている。送風ファン9は、ON状態でドラム1内の空気を循環風路12内へと導き、再びドラム1内へと送り出している。第2送風ファン29はOFF状態である。
乾燥運転の初期には、ドラム1内へ温風入口である乾燥用空気の給気口10側の温度は低下しているものの、時間とともに凝縮器5の熱を吸熱しながら温度は上昇し、やがて一定の吹き出し温度となる。ドラム1からの温風出口である乾燥用空気の排気口11側の温度は、衣類から除去した水分を含んでいるため、入口側よりやや遅れて徐々に温度が上がっていく。
温風の入口である給気口10側と、温風の出口である排気口11側の温度が徐々に近づくにつれて、乾燥率も時間とともに増加していく。乾燥率が90%になった時点(T1)で、投入された衣類の重量検知が行われ、例えば乾燥運転に対する定格容量である6kgに対してその半分となる3kgといったように、定格容量に対して一定の比率以下の容量と判断された場合に除菌運転の工程へと進められる。除菌運転の工程では、乾燥用空気が第2風路15に流れるように切替弁13を第2の状態に切り替え、圧縮機4を停止させるとともに、第2風路15内に配設されたヒーター16および第2送風ファン29をONにする。
ここで、ヒートポンプ装置3からヒーター16に切り替えることにより、吹き出し口31からドラム1内の衣類に80℃の高温の温風を当てながら送風することができる。
温風の入口である乾燥用空気の吹き出し口31から送風される温風の温度は、吹き出し口31の近傍に設けた温度検知手段37によって検知され、この温度検知手段37で検知した温度が80℃に到達した後は、ヒーター16の電源ON/OFFを繰り返しながら、乾燥率が100%になる時間T2まで第2風路15へ乾燥用空気の導入を行う。
乾燥率が100%に到達した時点(T2)で、再び切替弁13をヒートポンプ装置3の蒸発器7および凝縮器5を通過する第1の状態へと切り替え、圧縮機4と送風ファン9も駆動する。さらに乾燥運転を続けた後、乾燥率が103%となった時点(T3)にて、乾燥運転を終了する。なお、ヒーター16で加熱される乾燥運転は、ドラム1内の衣類が略80℃に加熱される時間である。
洗濯運転、乾燥運転および除菌運転は、各々定格布量が設定してあり、除菌運転で設定された定格布量をAとし、乾燥運転で設定された定格布量をBとし、洗濯運転で設定された定格布量をCとしたとき、A<B<Cとなるように設定している。除菌運転では、ドラム1内で撹拌されている衣類が分散していることが好ましく、衣類の一部のみを過熱することなく、全体を満遍なく高い温度で効果的に除菌することができる。
一方、乾燥運転では、ドラム1内で衣類が撹拌されている状態であれば、除菌運転時より低い温風で乾燥可能であり、衣類の一部のみを過熱することなく、除菌運転時より多量の衣類を効率よく乾燥することができ、乾燥運転と除菌運転を効果的に実行することができる。
さらに、洗濯運転では、洗濯可能な洗濯物の定格容量を最大限活用し、まとめ洗いによって効率よく洗濯することができ、各々の工程に適した洗濯運転、乾燥運転および除菌運転を効果的に実行することができる。
以上のように、本発明にかかる衣類乾燥機は、ドラム内の衣類にムラなく温風を当てることができ、衣類全体を除菌可能な高い温度で効果的に除菌することができるので、衣類乾燥機として有用である。
1 ドラム
2 モータ
5 凝縮器(加熱手段)
9 送風ファン(送風手段)
12 循環風路
16 ヒーター(加熱手段)
17 布量検知手段
18 温度検知手段
22 制御手段

Claims (7)

  1. 筐体内に回転可能に設けたドラムと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムに乾燥用空気を送風する送風手段と、前記送風手段により送風される乾燥用空気を前記ドラムに導入する循環風路と、乾燥用空気を加熱する加熱手段と、乾燥用空気の温度を検知する温度検知手段と、前記ドラムに投入された衣類等の量を検知する布量検知手段と、乾燥運転を制御する制御手段とを備え、前記加熱手段は、乾燥運転時に設定される第1の温度と、除菌運転時に設定される第1の温度より高い第2の温度を有し、前記制御手段は、前記布量検知手段によって検知した布量が定格容量に対して所定量以下のときに、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にした衣類乾燥機。
  2. ドラム内の衣類等の乾燥度合いを検知する乾燥検知手段を設け、制御手段は、前記乾燥検知手段により検知した乾燥度が所定値以上になったときに布量を検知するようにした請求項1記載の衣類乾燥機。
  3. 乾燥運転時に乾燥用空気を加熱するヒーターとヒートポンプ装置を設け、乾燥運転において設定される第1の温度は、前記ヒートポンプ装置の凝縮器を加熱手段とし、除菌運転において設定される第2の温度は、前記ヒーターを加熱手段とした請求項1または2記載の衣類乾燥機。
  4. ヒーターで加熱された温風の吹き出し口をドラムの前面開口部側に設け、除菌運転時は、前記ドラムの前面に設けた開口部から前記ドラム内に向けて送風するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
  5. 除菌運転で設定された定格布量をA、乾燥運転で設定された定格布量をBとしたとき、
    A<Bとなるように設定した請求項1〜4のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
  6. 筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けたドラムと、前記水槽に洗濯水を給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水手段と、洗濯および乾燥運転を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、乾燥運転時に布量検知手段によって布量を検知し、検知した布量が乾燥運転で設定された定格容量に対して所定量以下のとき、乾燥用空気を第2の温度に加熱して除菌運転を実行可能にした請求項1〜4のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
  7. 除菌運転で設定された定格布量をA、乾燥運転で設定された定格布量をB、洗濯運転で設定された定格布量をCとしたとき、
    A<B<Cとなるように設定した請求項6記載の衣類乾燥機。
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