JP2013141601A - イオン誘導式歯肉溝洗浄システム - Google Patents
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Abstract
【課題】歯肉溝内の洗浄において、歯肉溝内深部に抗菌性物質を送達し、歯肉溝周囲の組織上に吸着させる一方で、歯肉溝内の細菌や炎症性産物を洗浄、排出する機能を有する、歯肉溝洗浄システムを提供する。
【解決手段】水に溶けて電気的極性を有し細菌の抑制作用を有する物質の水溶液を洗浄水19として、ハンドピースに設置したノズルから洗浄水を低圧放出して歯肉溝21内を洗浄する際に、生体側電極と洗浄水側電極をバッテリーと接続して成るイオン誘導用通電回路によって、生体内と洗浄水放水経路を導電経路に含むイオン誘導回路を機能させ、歯肉溝内の周囲組織上に制菌性を有したイオン物質を電気的に誘導して吸着させ、歯肉溝内における細菌の生存と増殖を抑制することを手段とするものである。
【選択図】図6
【解決手段】水に溶けて電気的極性を有し細菌の抑制作用を有する物質の水溶液を洗浄水19として、ハンドピースに設置したノズルから洗浄水を低圧放出して歯肉溝21内を洗浄する際に、生体側電極と洗浄水側電極をバッテリーと接続して成るイオン誘導用通電回路によって、生体内と洗浄水放水経路を導電経路に含むイオン誘導回路を機能させ、歯肉溝内の周囲組織上に制菌性を有したイオン物質を電気的に誘導して吸着させ、歯肉溝内における細菌の生存と増殖を抑制することを手段とするものである。
【選択図】図6
Description
本願発明は、ノズルから洗浄水を放水して歯肉溝内の洗浄を行うことを目的とした、歯肉溝洗浄システムに関するものである。
従来、歯周病の治療あるいは予防には、歯肉溝内に在る歯周病菌の殺菌消毒の他、歯肉溝内から滲出液や血液、あるいは炎症性産物や浮遊細菌、バイオフィルム等を洗浄除去して、清潔な状態を保つことが必要であった。
しかしながら、様々な形態をした歯ブラシでも、歯肉溝内深部にブラシ毛を届かせ刷掃作用を発揮させることが極めて困難であったため、ブラシの作用を補う様々な手段の開発が行われてきた。
この様な中、水流や超音波による物理的な洗浄が行われたが、十分な効果を得るには至らず、それを補うために化学的抗菌剤を用いた洗浄が検討されてきた。
しかしながら、化学的抗菌剤の使用には、安全性の確保と抗菌作用の確保の間に、二律背反の利点欠点を有しており、使用濃度に配慮する必要があった他、予防目的や慢性化膿性炎症等で、抗菌剤の長期連用を必要とする場合には、薬剤による様々な副作用の発現を警戒する必要があった。
一方、抗菌剤の中には電気的な極性を有しているものがあり、抗菌剤を電気的な力で生体側に誘導して、細菌やバイオフィルムに吸着させることの可能な種類のものがあった。
さらに、細菌はグルコースなどの有機物や還元型の金属イオンを電子供与体とし、酸素や硝酸イオン、硫酸イオンなどを電子受容体として、電子供与体と電子受容体の間で電子の受け渡し、すなわち酸化還元反応を行って、その過程で生じるエネルギーを生命活動に利用しているため、被洗浄野上のイオン環境を変え、細菌が行う酸化反応あるいは還元反応に影響を与えることで、細菌の生存と増殖に影響を及ぼすことが可能であった。
また、細菌の生存と増殖には周囲のイオンバランスや浸透圧が重要な要素であること、塩素イオンが多い環境では細菌の増殖が抑制されること等が知られていた。
しかしながら、様々な形態をした歯ブラシでも、歯肉溝内深部にブラシ毛を届かせ刷掃作用を発揮させることが極めて困難であったため、ブラシの作用を補う様々な手段の開発が行われてきた。
この様な中、水流や超音波による物理的な洗浄が行われたが、十分な効果を得るには至らず、それを補うために化学的抗菌剤を用いた洗浄が検討されてきた。
しかしながら、化学的抗菌剤の使用には、安全性の確保と抗菌作用の確保の間に、二律背反の利点欠点を有しており、使用濃度に配慮する必要があった他、予防目的や慢性化膿性炎症等で、抗菌剤の長期連用を必要とする場合には、薬剤による様々な副作用の発現を警戒する必要があった。
一方、抗菌剤の中には電気的な極性を有しているものがあり、抗菌剤を電気的な力で生体側に誘導して、細菌やバイオフィルムに吸着させることの可能な種類のものがあった。
さらに、細菌はグルコースなどの有機物や還元型の金属イオンを電子供与体とし、酸素や硝酸イオン、硫酸イオンなどを電子受容体として、電子供与体と電子受容体の間で電子の受け渡し、すなわち酸化還元反応を行って、その過程で生じるエネルギーを生命活動に利用しているため、被洗浄野上のイオン環境を変え、細菌が行う酸化反応あるいは還元反応に影響を与えることで、細菌の生存と増殖に影響を及ぼすことが可能であった。
また、細菌の生存と増殖には周囲のイオンバランスや浸透圧が重要な要素であること、塩素イオンが多い環境では細菌の増殖が抑制されること等が知られていた。
本願発明は、歯肉溝内の洗浄において、歯肉溝内深部に抗菌性物質を送達し、歯肉溝周囲に吸着させる一方で、歯肉溝内の細菌や炎症性産物等を洗浄、排出する機能を有する、歯肉溝洗浄システムの開発を課題とするものである。
本願発明は、水に溶けて電気的極性を有し細菌の抑制作用を有する物質の水溶液を洗浄水として、ハンドピースに設置したノズルから洗浄水を低圧放出して歯肉溝内を洗浄する際に、生体側電極と洗浄水側電極をバッテリーと接続して成るイオン誘導用通電回路によって、生体内と洗浄水放水経路を導電経路に含むイオン誘導回路を発現させ、歯肉溝内周囲に制菌性を有したイオン物質を電気的に誘導して吸着させ、歯肉溝内における細菌の生存と増殖を抑制することを手段とするものである。
以下、本願発明の請求項2にもとづいて、塩化セチルピリジニウムと鉄イオン結合ラクトフェリンを配合した非アルカリ性水溶液を洗浄水とする、イオン誘導式歯肉溝洗浄システムの実施例を、図面にもとづいて説明する。
図1は、歯肉溝洗浄用のノズルが可撤式であるハンドピースの斜視図を示すもので、樹脂製ノズル(13)の基部に位置させた樹脂製固定用ナット(14)で、ノズルをハンドピース本体に固定するものである。
ハンドピース本体の外側には、生体側電極(1)と放水ポンプリモートスイッチ(12)が設置してあり、ハンドピースを持つ手で生体側電極に触れ、洗浄水の放水と停止を制御することができる。
ハンドピース本体の外側には、生体側電極(1)と放水ポンプリモートスイッチ(12)が設置してあり、ハンドピースを持つ手で生体側電極に触れ、洗浄水の放水と停止を制御することができる。
図2は、ハンドピース本体の内部を透視的に示した模式図である。
絶縁性樹脂でできたハンドピース本体の内側には、リード線でバッテリーと接続されているパイプ状の洗浄水側電極(2)が洗浄水の導水管を兼ねて設置され、ハンドピース本体の外側にはリード線でバッテリーと接続されている生体側電極(1)が設置されている。
洗浄水側電極(2)と生体側電極(1)は、基本的には共に白金電極または、金あるいは白金メッキを施したチタン、または白金メッキを施した高耐蝕性ステンレス等の、白金代替電極とするものであるが、炭素電極を白金代替電極の替わりとして使用することも可能である。
ハンドピースと装置本体部とを接続している導水−導電用チューブ(15)内には、洗浄水を導く導水用チューブの他、ハンドピースに設置された放水ポンプリモートスイッチ(12)に接続するリード線(10)、(11)、同じく、ハンドピースに設置された洗浄水側電極(2)と生体側電極(1)に接続するそれぞれのリード線(4)、(3)等が、絶縁されて包埋され並走している。
絶縁性樹脂でできたハンドピース本体の内側には、リード線でバッテリーと接続されているパイプ状の洗浄水側電極(2)が洗浄水の導水管を兼ねて設置され、ハンドピース本体の外側にはリード線でバッテリーと接続されている生体側電極(1)が設置されている。
洗浄水側電極(2)と生体側電極(1)は、基本的には共に白金電極または、金あるいは白金メッキを施したチタン、または白金メッキを施した高耐蝕性ステンレス等の、白金代替電極とするものであるが、炭素電極を白金代替電極の替わりとして使用することも可能である。
ハンドピースと装置本体部とを接続している導水−導電用チューブ(15)内には、洗浄水を導く導水用チューブの他、ハンドピースに設置された放水ポンプリモートスイッチ(12)に接続するリード線(10)、(11)、同じく、ハンドピースに設置された洗浄水側電極(2)と生体側電極(1)に接続するそれぞれのリード線(4)、(3)等が、絶縁されて包埋され並走している。
図3は、ノズルをハンドピース本体に固定した状態を示す斜視図である。
図4は、本実施例の電気回路の模式図である。
イオン誘導用回路と放水ポンプ制御回路は、それぞれ可変抵抗器を有し、それぞれの調節が可能である。
イオン誘導用回路のバッテリー電圧は10V以下とし、洗浄水の生体への放水によって成立するイオン誘導回路には、流れる電流を200μA以下とするものである。
イオン誘導用回路と放水ポンプ制御回路は、それぞれ可変抵抗器を有し、それぞれの調節が可能である。
イオン誘導用回路のバッテリー電圧は10V以下とし、洗浄水の生体への放水によって成立するイオン誘導回路には、流れる電流を200μA以下とするものである。
図5は、洗浄水貯水タンク(18)と電気回路の主要部分を設置した装置本体部に、ハンドピースを収納した状態を示す斜視図である。
図6は、樹脂製ノズルの先端を歯肉溝(21)上部に位置させて、歯肉溝内部を洗浄する際の様子を示す模式図である。
本実施例では、塩化セチルピリジニウム(CPC)と鉄イオン結合ラクトフェリン(LF)を溶解した水溶液を洗浄水とし、ハンドピースの外側の把握部に手と接するように設置した生体側電極(1)の極性を陰極に、ハンドピースの中の洗浄水導水経路内に洗浄水と接するように設置した洗浄水側電極(2)の極性を陽極に設定して使用するものであり、ノズルからの吐水流と電位勾配によってCPCとLFを歯肉溝内深部に誘導送達して、静電気力によって吸着させる機能を有するものである。
以上のように構成した本願発明による請求項2の、イオン誘導式歯肉溝洗浄システム。
本実施例では、塩化セチルピリジニウム(CPC)と鉄イオン結合ラクトフェリン(LF)を溶解した水溶液を洗浄水とし、ハンドピースの外側の把握部に手と接するように設置した生体側電極(1)の極性を陰極に、ハンドピースの中の洗浄水導水経路内に洗浄水と接するように設置した洗浄水側電極(2)の極性を陽極に設定して使用するものであり、ノズルからの吐水流と電位勾配によってCPCとLFを歯肉溝内深部に誘導送達して、静電気力によって吸着させる機能を有するものである。
以上のように構成した本願発明による請求項2の、イオン誘導式歯肉溝洗浄システム。
本願発明の請求項3は、食塩水を洗浄水として用いるものであり、生体側電極を陽極に、洗浄液側電極を陰極に設定するものである。これによって、歯肉溝内にClイオンを送達して電気的に吸着させる一方で、歯肉溝内からCaイオン,Kイオン,Mgイオン,Feイオン等の還元型金属イオン物質を電気的な力で離反させ、洗浄水の弱圧な吐出流で穏やかに排出する機能を有するもので、化学的抗菌剤を用いないで生物学的に歯肉溝内の細菌を抑制する作用を有している。
被洗浄者と洗浄者が異なる場合には、装置の仕様が個人で使用するものと一部異なるものであり、本実施例においてハンドピースに設置したスイッチは洗浄者が操作するか、あるいは洗浄者が操作するフットスイッチとし、ハンドピースに設置した生体側電極は被洗浄者が把握あるいは被洗浄者に装着する様式の生体側電極とするものである。
本願発明の効果を下記に示す。
a.本願発明請求項1では、導電性を有する洗浄水の放水によって、洗浄水放水経路と生体内を導電経路として含むイオン誘導回路が成立して機能する。これによって被洗浄部と洗浄水側電極の間にある洗浄水の中に、電位差のある電場が発生する。
被洗浄部上の各種イオン物質は、生体側と同じ電気的極性を有するイオン物質が静電気的反発力を受けて生体側から離反し、洗浄水の吐水流によって排出される。逆に、生体側と異なる電気的極性を有するイオン物質が静電気的引力を受けて被洗浄部に誘導され吸着される。
b.本願請求項2では、塩化ベンコザルコニウム等のプラスの電気的極性を有した陽極性抗菌剤を用いるものであり、同じく陽極性の電気的極性を有するイオン性物質を電気的な引力で被洗浄部に誘導して吸着させることが可能である。これによって、狭小な空間内へも抗菌性物質を送達し吸着させることが可能となり、抗菌性物質の使用濃度を低めても、歯肉溝内への作用濃度を維持することが可能であり、長期連用における副作用発現の危険性を減少させ、安全性を高める効果を期待することができる。
さらに、摂取可能な陽イオン性抗菌剤である塩化セチルピリジニウム(CPC)と、陽イオンである鉄イオンと結合している牛乳成分のラクトフェリンを配合して、非アルカリ性の水溶液として歯肉溝内の洗浄に用いることにより、ラクトフェリンが有するリポポリサッカライド(LPS)等の菌体毒素の中和作用と抗菌作用、CPCの抗菌作用等を同時に作用させることが可能となり、安全性を保って歯周病の改善に大きな効果を期待することができる。
c.本願発明請求項3は、家庭での長期セルフケアを目的として、洗浄水に極めて安全性の高い食塩水を用いるものであるが、食塩水を洗浄水とすることにより、被洗浄部上に存在し細菌の生存に必要とされる鉄イオン、カルシュウムイオン、カリユウムイオン、マグネシュウムイオン等の還元型金属イオンを被洗浄部から排出するだけではなく、陰イオンである塩素イオンを被洗浄部に誘導して吸着すること等が可能である。
細菌が発育する環境として、浸透圧が重要な要素であることは良く知られている。同時に、その調節物質として、浸透圧に関与する各種イオン物質の比率も重要とされている。さらに、細菌の生息環境において塩素イオンが過剰にある場合、細胞膜の透過性が変化して、細菌の活動が阻止されることも知られている。
従って、本願発明の請求項3は、被洗浄部から陽イオンである還元型金属イオンが排出される一方で、陰イオンである塩素イオンが引き寄せられて被洗浄部における塩素イオン濃度が高くなることから、被洗浄部上の細菌に対して、異なる生物学的メカニズムを組み合わせた相乗的抑制作用を有するものである。
d.電気的な極性を有した物質の、狭小な空間内の粘膜への、直接的なドラッグデリバリーシステムとして利用することが可能である。
e.水道水へのフッ素添加の代わりに、調理用食塩にフッ素を含有させている諸外国があり、これらの国々では、フッ素を含有した食塩を用いて洗浄水とすることにより、歯周病の予防処置とウ蝕の予防処置を同時に行うことができる。
f.本願請求項3は、薬剤を用いずに食塩と乾電池でなる一般的な素材と簡単な物理化学的手段を用いるものであるが、細菌に対して複合的で生物学的な抑制作用を有しており、長期連用しても組織の傷害や耐性菌の出現、あるいはアレルギーの発症等がなく、極めて安全性が高い利点がある。
g.本願発明は、歯肉溝や根管、口腔内の洗浄消毒の他、鼻腔やその他粘膜面の洗浄消毒、あるいは創傷部位や化膿部位等の洗浄消毒に用いることができる。
h.本願発明は、食塩水を電気分解する機能を有しているものではなく、塩素化合物を生成する機能を有しているものでもない。
口腔内にて治療や予防を目的として長期連用しても、電解水による組織の損傷や歯牙を脱灰する恐れ等がなく、安全性が高い特徴を有している。
a.本願発明請求項1では、導電性を有する洗浄水の放水によって、洗浄水放水経路と生体内を導電経路として含むイオン誘導回路が成立して機能する。これによって被洗浄部と洗浄水側電極の間にある洗浄水の中に、電位差のある電場が発生する。
被洗浄部上の各種イオン物質は、生体側と同じ電気的極性を有するイオン物質が静電気的反発力を受けて生体側から離反し、洗浄水の吐水流によって排出される。逆に、生体側と異なる電気的極性を有するイオン物質が静電気的引力を受けて被洗浄部に誘導され吸着される。
b.本願請求項2では、塩化ベンコザルコニウム等のプラスの電気的極性を有した陽極性抗菌剤を用いるものであり、同じく陽極性の電気的極性を有するイオン性物質を電気的な引力で被洗浄部に誘導して吸着させることが可能である。これによって、狭小な空間内へも抗菌性物質を送達し吸着させることが可能となり、抗菌性物質の使用濃度を低めても、歯肉溝内への作用濃度を維持することが可能であり、長期連用における副作用発現の危険性を減少させ、安全性を高める効果を期待することができる。
さらに、摂取可能な陽イオン性抗菌剤である塩化セチルピリジニウム(CPC)と、陽イオンである鉄イオンと結合している牛乳成分のラクトフェリンを配合して、非アルカリ性の水溶液として歯肉溝内の洗浄に用いることにより、ラクトフェリンが有するリポポリサッカライド(LPS)等の菌体毒素の中和作用と抗菌作用、CPCの抗菌作用等を同時に作用させることが可能となり、安全性を保って歯周病の改善に大きな効果を期待することができる。
c.本願発明請求項3は、家庭での長期セルフケアを目的として、洗浄水に極めて安全性の高い食塩水を用いるものであるが、食塩水を洗浄水とすることにより、被洗浄部上に存在し細菌の生存に必要とされる鉄イオン、カルシュウムイオン、カリユウムイオン、マグネシュウムイオン等の還元型金属イオンを被洗浄部から排出するだけではなく、陰イオンである塩素イオンを被洗浄部に誘導して吸着すること等が可能である。
細菌が発育する環境として、浸透圧が重要な要素であることは良く知られている。同時に、その調節物質として、浸透圧に関与する各種イオン物質の比率も重要とされている。さらに、細菌の生息環境において塩素イオンが過剰にある場合、細胞膜の透過性が変化して、細菌の活動が阻止されることも知られている。
従って、本願発明の請求項3は、被洗浄部から陽イオンである還元型金属イオンが排出される一方で、陰イオンである塩素イオンが引き寄せられて被洗浄部における塩素イオン濃度が高くなることから、被洗浄部上の細菌に対して、異なる生物学的メカニズムを組み合わせた相乗的抑制作用を有するものである。
d.電気的な極性を有した物質の、狭小な空間内の粘膜への、直接的なドラッグデリバリーシステムとして利用することが可能である。
e.水道水へのフッ素添加の代わりに、調理用食塩にフッ素を含有させている諸外国があり、これらの国々では、フッ素を含有した食塩を用いて洗浄水とすることにより、歯周病の予防処置とウ蝕の予防処置を同時に行うことができる。
f.本願請求項3は、薬剤を用いずに食塩と乾電池でなる一般的な素材と簡単な物理化学的手段を用いるものであるが、細菌に対して複合的で生物学的な抑制作用を有しており、長期連用しても組織の傷害や耐性菌の出現、あるいはアレルギーの発症等がなく、極めて安全性が高い利点がある。
g.本願発明は、歯肉溝や根管、口腔内の洗浄消毒の他、鼻腔やその他粘膜面の洗浄消毒、あるいは創傷部位や化膿部位等の洗浄消毒に用いることができる。
h.本願発明は、食塩水を電気分解する機能を有しているものではなく、塩素化合物を生成する機能を有しているものでもない。
口腔内にて治療や予防を目的として長期連用しても、電解水による組織の損傷や歯牙を脱灰する恐れ等がなく、安全性が高い特徴を有している。
1.生体側電極
2.洗浄水側電極(兼 ハンドピース内導水管)
3.生体側電極リード線
4.洗浄水側電極リード線
5.バテリーI
6.電源スイッチ兼コントローラーI
7.放水ポンプ
8.バッテリーII
9.電源スイッチ兼コントローラーII
10.放水ポンプリモートスイッチリード線I
11.放水ポンプリモートスイッチリード線II
12.放水ポンプリモートスイッチ
13.ノズル
14.ノズル固定用ナット
15.導水−導電用チューブ
16.放水ポンプ用ダイアルスイッチ(電源スイッチ兼コントローラー)
17.イオン誘導用ダイアルスイッチ(電源スイッチ兼コントローラー)
18.洗浄水貯水タンク
19.洗浄水
20.歯牙
21.歯肉溝
22.歯肉
23.手
24.生体内導電経路
2.洗浄水側電極(兼 ハンドピース内導水管)
3.生体側電極リード線
4.洗浄水側電極リード線
5.バテリーI
6.電源スイッチ兼コントローラーI
7.放水ポンプ
8.バッテリーII
9.電源スイッチ兼コントローラーII
10.放水ポンプリモートスイッチリード線I
11.放水ポンプリモートスイッチリード線II
12.放水ポンプリモートスイッチ
13.ノズル
14.ノズル固定用ナット
15.導水−導電用チューブ
16.放水ポンプ用ダイアルスイッチ(電源スイッチ兼コントローラー)
17.イオン誘導用ダイアルスイッチ(電源スイッチ兼コントローラー)
18.洗浄水貯水タンク
19.洗浄水
20.歯牙
21.歯肉溝
22.歯肉
23.手
24.生体内導電経路
Claims (3)
- 放水ポンプ、放水ポンプ制御回路、洗浄水貯水タンク、放水ノズルを有したハンドピース等を主要構成要素とし、洗浄水貯水タンク内の洗浄水をノズルから放水して歯肉溝内の洗浄を行うことを目的とした歯肉溝洗浄装置において、
白金電極または耐酸性の高い白金代替電極でなる陰・陽一組の電極の内、ハンドピースの中の洗浄水導水路内に洗浄水と接するよう一方の電極を設置して洗浄水側電極とし、ハンドピースの外側に生体と接するよう他方の電極を設置して生体側電極として、それぞれの電極をバッテリーと接続し、洗浄水放水経路と生体内を導電経路に含んで成立するよう構成したイオン誘導用通電回路を歯肉溝洗浄装置に設置することを特徴とする、イオン誘導式歯肉溝洗浄システム。 - 洗浄水側電極を陽電極とし、生体側電極を陰電極として、陽イオン性抗菌剤を含んだ水溶液を洗浄水とすることを特徴とする、請求項1のイオン誘導式歯肉溝洗浄システム。
- 洗浄水側電極を陰電極とし、生体側電極を陽電極として、食塩水を洗浄水とすることを特徴とする、請求項1のイオン誘導式歯肉溝洗浄システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021007656A (ja) * | 2019-07-01 | 2021-01-28 | 義人 上田 | 歯周ポケット薬液注入器 |
JP2021094323A (ja) * | 2019-12-19 | 2021-06-24 | 株式会社エム・ディ・インスツルメンツ | 歯周病治療装置 |
JP2021186636A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 義人 上田 | イオン導入式歯根膜麻酔器 |
US11284706B2 (en) | 2014-12-23 | 2022-03-29 | Koninklijke Philips N.V. | Method and system for oral PH change |
EP4406509A1 (de) * | 2023-01-30 | 2024-07-31 | Justus-Liebig-Universität Gießen | Reinigungsvorrichtung zur entfernung von biofilmen im dentalbereich |
-
2012
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WO2024160707A1 (de) * | 2023-01-30 | 2024-08-08 | Justus-Liebig-Universität Giessen | Reinigungsvorrichtung zur entfernung von biofilmen im dentalbereich |
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