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JP2013039305A - ガイドワイヤ - Google Patents

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JP2013039305A
JP2013039305A JP2011179466A JP2011179466A JP2013039305A JP 2013039305 A JP2013039305 A JP 2013039305A JP 2011179466 A JP2011179466 A JP 2011179466A JP 2011179466 A JP2011179466 A JP 2011179466A JP 2013039305 A JP2013039305 A JP 2013039305A
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hollow resin
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Atsushi Tsunezumi
篤史 常住
Satoshi Namima
聡志 浪間
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Asahi Intecc Co Ltd
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Abstract

【課題】
本発明は、先端部が柔軟であり、デバイスデリバリー性に優れるガイドワイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のガイドワイヤは、先端部、後端部、及び、前記先端部側と前記後端部側との間に位置する中間部からなるコアシャフトと、内部に前記先端部が挿通されることにより前記先端部を覆っている中空コイル体と、内部に前記中間部が挿通されることにより前記中間部を覆っている中空樹脂体とを含んで形成されたガイドワイヤであって、前記中間部の形状は、前記中間部の最後端部側から最先端部側に向かうにつれて縮径したテーパー状であり、前記中空樹脂体の剛性は、前記中空コイル体の剛性よりも高いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤに関する。
従来、経皮的冠動脈形成術に使用される医療用機械器具の一つとして、バルーンやステント等のデバイスを病変部まで導くために使用されるガイドワイヤが知られている。
このようなガイドワイヤとして、例えば、特許文献1には、近位部に位置する中空の金属製ハイポチューブと、ハイポチューブに連結されており、複数の孔を有する樹脂製チューブと、樹脂製チューブに連結されており遠位部に位置するコイル体と、金属製ハイポチューブ、樹脂製チューブ及びコイル体の内部を近位部側から遠位部側まで連通するコアシャフトとからなるガイドワイヤが開示されている。
なお、ガイドワイヤにおいては、コアシャフトの先端部側がガイドワイヤの遠位部側であり、コアシャフトの後端部側がガイドワイヤの近位部側である。
ガイドワイヤの遠位部は体内に挿入されることにより病変部に到達し、ガイドワイヤの近位部は医師等の手技者によって操作される。
特開平03−90166号公報
特許文献1に記載された従来のガイドワイヤは、遠位部の可撓性(柔軟性)が高いとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の従来のガイドワイヤを使用してステント等のデバイスを病変部まで運ぼうとすると、血管が大きく湾曲した部位(以下、単に湾曲部ともいう)においては、デバイスの運搬動作に伴ってガイドワイヤが蛇行して所望のルートから外れやすくなり、デバイスデリバリー性が低いという問題がある。
特に、より細径の末梢病変部での治療に適用するため、ガイドワイヤを細径化した場合には、ガイドワイヤの剛性が低くなるのでこの傾向が顕著である。
本発明者らは、上記問題の原因について種々検討した。
その結果、従来のガイドワイヤのうちで、樹脂製チューブとその内部を貫通するコアシャフトとからなる部分(以下、単にチューブ領域ともいう)を曲げると略一定の曲率で曲がり、最先端部側に向かうにつれて徐々に剛性が低くなる構造(以下、単に徐変構造ともいう)を有していないことが分かった。
そのため、ガイドワイヤを押し進めることによりチューブ領域が湾曲部に位置した場合には、チューブ領域が血管の湾曲に充分に追従することができず、デバイスの運搬に伴ってガイドワイヤが蛇行しやすくなると考えられた。
本発明者らが得られた知見に基づいてデバイスデリバリー性を向上させるべく、さらに検討を続けた結果、チューブ領域を形成するコアシャフトの形状をテーパー状とし、当該領域を形成するコアシャフトの形状として均一径の円柱状(円筒状)の形状を排除することにより、チューブ領域を理想的な徐変構造にすることが可能となり、使用時に良好なデバイスデリバリー性を発揮することができることを見出し、合わせてガイドワイヤの遠位部の柔軟性を損なわない点も加味することにより本発明のガイドワイヤを完成させた。
即ち、本発明のガイドワイヤは、先端部、後端部、及び、前記先端部側と前記後端部側との間に位置する中間部からなるコアシャフトと、
内部に前記先端部が挿通されることにより前記先端部を覆っている中空コイル体と、
内部に前記中間部が挿通されることにより前記中間部を覆っている中空樹脂体とを含んで形成されたガイドワイヤであって、
前記中間部の形状は、前記中間部の最後端部側から最先端部側に向かうにつれて縮径したテーパー状であり、
前記中空樹脂体の剛性は、前記中空コイル体の剛性よりも高いことを特徴とする。
本発明のガイドワイヤの構成及び効果について、以下に図面を用いて詳しく説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るガイドワイヤを模式的に示す平面図である。
図2(a)は、図1に示すガイドワイヤに係る中空樹脂体を模式的に示す斜視図である。
図1に示す本発明のガイドワイヤ1は、コアシャフト2と中空コイル体3と中空樹脂体4とを含んで形成されている。
コアシャフト2は、先端部2a、後端部2b及び先端部2a側と後端部2b側との間に位置する中間部2cから形成されている。なお、図1に示す例では、中間部2cと後端部2bとの間には、中間部2cと接続した円筒状の第一接続部2d及び後端部2bと接続したテーパー状の第二接続部2dからなる接続部2dが形成されている。なお、接続部の形状は、特に限定されず、円柱状や、テーパー状や、上述した円柱状とテーパー状との組み合わせ等であってもよい。また、接続部が形成されておらず、中間部と後端部とが直接結合していてもよい。
コアシャフト2の中間部2cの形状は、中間部2cの最後端部(第一接続部2d)側から最先端部(先端部2a)側に向かうにつれて縮径したテーパー状である。
最も柔軟な先端部2aと最も剛性の高い後端部2bとの間に位置する中間部2cは、その形状がテーパー状であるので、後端部2b側から先端部2a側に向かうにつれて剛性が徐変的に低くなっている。
中空コイル体3は、内部に先端部2aが挿通されることにより先端部2aを覆っている。
図1及び図2(a)に示す中空樹脂体4は、内部に中間部2cが挿通されることにより中間部2cを覆っている。
また、中空樹脂体4の剛性は、中空コイル体3の剛性よりも高い。
従って、ガイドワイヤ1の遠位部1aの剛性は、中間部2cと中間部2cを覆っている中空樹脂体4とからなるチューブ領域Xの最後端部側から最先端部側にかけて徐々に低くなっており、チューブ領域Xの最先端部側よりも先端部2aと先端部2aを覆っている中空コイル体3とからなる先端領域Yにおいてより低くなっている。
それゆえ、ガイドワイヤ1の遠位部1aは、先端に向かうにつれて段階的に柔軟になっている。
また、先端部のみならず中間部までも中空コイル体により覆われている従来のガイドワイヤと比べると、本発明のガイドワイヤ1では中空コイル体3よりも剛性が高い中空樹脂体4により中間部2cが覆われているので、チューブ領域Xがデバイスデリバリー性を損なわない程度に一定の剛性を保持している。
従って、本発明のガイドワイヤ1は、血管内を押し進めることによりチューブ領域Xが湾曲部に位置した場合であっても、チューブ領域X及び先端領域Yからなる遠位部が血管の湾曲に追従することが可能となり、しかもチューブ領域Xがある程度の剛性を保持しているので、デバイスをデリバリーしてもガイドワイヤ1が蛇行しにくい。
このように、本発明のガイドワイヤ1は、デバイスデリバリー性に優れる。
本発明のガイドワイヤにおいては、前記中空樹脂体のうちで、前記先端部側に位置する第一端部の厚みは、前記後端部側に位置する第二端部の厚みよりも薄いことが望ましい。
本発明のガイドワイヤにおいては、前記中空樹脂体には、前記中空樹脂体の長手軸方向に対して垂直な方向に沿って複数の溝部が形成されており、前記第一端部側に形成された溝部の数は、前記第二端部側に形成された溝部の数よりも多いことが望ましい。
本発明のガイドワイヤにおいては、前記中空樹脂体には、前記中空樹脂体の長手軸を中心軸としてらせん状に切られたらせん溝部が形成されており、前記第一端部側のらせん溝部のピッチは、前記第二端部側のらせん溝部のピッチよりも狭いことが望ましい。
本発明のガイドワイヤにおいては、前記中空コイル体の内部には、複数の素線を撚り合わせてなる中空撚線体が配置されており、前記中空撚線体は、内部に前記先端部が挿通されることにより前記先端部を覆っていることが望ましい。
本発明の第一実施形態に係るガイドワイヤを模式的に示す平面図である。 図2(a)は、図1に示すガイドワイヤに係る中空樹脂体を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、第三実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体を模式的に示す斜視図であり、図2(c)は、第四実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体を模式的に示す斜視図である。
(第一実施形態)
以下、本発明のガイドワイヤの一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のガイドワイヤは、上述した本発明のガイドワイヤと同様の構成を有しているため、以下の説明では、図1を参照しながら説明する。
なお、本発明のガイドワイヤに係る説明と重複する事項については、説明を省略する。
図1に示す本実施形態のガイドワイヤ1は、コアシャフト2と、先端中空コイル体3a及び後端中空コイル体3bからなる中空コイル体3と、中空樹脂体4と、中空撚線体5とから形成されている。
コアシャフト2は、先端側から後端側に向かって、最も小径で剛性が低く柔軟な先端部2a、中間部2c、第一接続部2d、第二接続部2d、最も大径で剛性が高く硬い後端部2bの各部材から形成されている。
先端部2aは、中間部2cの最先端部と結合しており最先端部8側に向かって縮径している断面円形状のテーパー部7と、テーパー部7に結合している最先端部8とから形成されている。
最先端部8の形状は平板状であり、コアシャフト2の長手軸方向に対して垂直な方向における最先端部8の断面形状は細長矩形状である。
このため、先端部2aは後端側から先端側に向かって剛性が徐々に低く柔軟であり、なかでも最先端部8は平板状であるので、特に柔軟性が高い。
なお、先端部の形状は、全体が平板状であってもよく、全体がテーパー状であってもよい。
後端部2bは円柱状であり、その最大径は、先端部2a、中間部2c、第一接続部2d及び第二接続部2dの各々の最大径よりも大きい。
なお、後端部2bの最後端には、延長用のガイドワイヤを接続するための接続部が取り付けられていてもよい。
中間部2cの形状は、中間部2cの最後端部側から最先端部側に向かうにつれて縮径したテーパー状であり、長手軸方向に垂直な方向に沿って切断した断面形状は、円形状である。
中間部2cの最先端部の径は先端部2aの最後端部の径と一致しており、中間部2cの最後端部の径は接続部2d(第一接続部2d)の最先端部の径と一致している。
また、中間部2cの最後端部の径は、0.1〜0.3mmであり、中間部2cの最先端部の径は、0.05〜0.15mmであることが望ましく、中間部2cの長さは、100〜300mmであることが望ましい。
中間部2cが中空樹脂体4により覆われた際に、チューブ領域Xがより理想的な徐変構造をとることができるからである。
中間部2cと後端部2bとの間には、中間部2cと接続した円筒状の第一接続部2d及び後端部2bと接続したテーパー状の第二接続部2dからなる接続部2dが形成されている。
コアシャフト2は、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線、タングステン線等の材料から構成されていてもよい。
上記ステンレスとしては、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト、フェライト二相ステンレス及び析出硬化ステンレス等のステンレスが挙げられる。
これらのなかでは、オーステナイト系ステンレスであることが望ましく、特にSUS304、SUS316又はSUS316Lであることがより望ましい。
先端中空コイル体3aは、単一の素線3aをらせん状に巻回することにより形成されており、内部に貫通孔を有する管状体である。なお、先端中空コイル体は、複数の素線をらせん状に巻回することにより形成されていてもよい。
先端中空コイル体3aを形成する素線3aは、例えば、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト、フェライト二相ステンレス又は析出硬化ステンレス等のステンレス、Ni−Ti合金等の超弾性合金、タングステンから形成されていることが望ましい。
先端中空コイル体3aの内部には、中空撚線体5が配置されている。
中空撚線体5は、複数の素線5aをらせん状に撚り合わせることにより形成されており、内部に貫通孔を有する管状体である。
中空撚線体5は、中空撚線体5の内部に先端部2aが挿通されることにより、先端部2aを覆っている。
先端中空コイル体3aは、内部に中空撚線体5及び先端部2aが挿通されることにより中空撚線体5及び先端部2aを覆っている。
先端中空コイル体3aと中空撚線体5と先端部2aとにより、先端領域Yが形成されている。
中空撚線体5を形成する素線5aは、先端中空コイル体3aを形成する素線3aと同様の材料から形成されていることが望ましい。
先端部2aの最先端部8と、先端中空コイル体3aの最先端部と、中空撚線体5の最先端部とは、先端チップ6により固定されている。
また、先端部2aの最後端部と、先端中空コイル体3aの最後端部と、中空撚線体5の最後端部とは、中間第一ロウ付け部9により固定されている。
先端チップ6及び中間第一ロウ付け部9を形成する材料としては、例えば、アルミニウム合金ロウ、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn−Pb合金、Sn−Au合金、Pb−Ag合金、Sn−Ag合金等の材料が挙げられる。
これらの中では、金ロウ、Sn−Au合金、Sn−Ag合金が特に好ましい。ロウ付け部の強度がより高くなるからである。
図1及び図2(a)に示す中空樹脂体4は、略均一の外径、内径及び厚さを有しており、内部に貫通孔を有する管状体である。
中空樹脂体4は、内部に中間部2cが挿通されることにより中間部2cを覆っている。
中空樹脂体4と中間部2cとにより、チューブ領域Xが形成されている。
中空樹脂体4の厚さは、0.05〜0.1mmであることが望ましい。
中空樹脂体4の長さは、中間部2cの長さと略同一であり、100〜300mmであることが望ましい。
中間部2cが中空樹脂体4により覆われた際に、チューブ領域Xがより理想的な徐変構造をとることができるからである。
中空樹脂体4の材料としては、例えば、ポリアリーレンスルフィド、ポリアルキド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロナノン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハライド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリスルホンアミド、ポリウレア、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリオレフィン、ポリシロキサン、またはこれらの熱可塑性ポリマーの少なくとも1つを用いた組み合わせであることが望ましい。
これらの中では、ポリイミドであることが特に望ましい。
中空樹脂体4は管状体であるので、単一の素線をらせん状に巻回してなる先端中空コイル体3aよりも剛性が高く、曲がりにくい。
なお、本明細書でいう剛性とは、ガイドワイヤの長手軸方向に対して垂直な方向に外力が加えられた場合における各部材の変形のしやすさ(曲がりやすさ)をいうものとする。
後端中空コイル体3bは、単一の素線3bをらせん状に巻回することにより形成されており、内部に貫通孔を有する管状体である。なお、後端中空コイル体は、複数の素線をらせん状に巻回することにより形成されていてもよい。
後端中空コイル体3bを形成する素線は、先端中空コイル体3aを形成する素線3aと同様の材料から形成されていることが望ましい。
後端中空コイル体3bは、内部に第一接続部2dが挿通されることにより第一接続部2dを部分的に覆っている。これにより、先端中空コイル体3aと後端中空コイル体3bとにより中空樹脂体4が挟み込まれて固定されることとなる。
なお、後端中空コイル体は、第一接続部の一部を覆っていてもよいし、全部を覆っていてもよい。また、後端中空コイル体は、形成されていなくともよいが、この場合は、中空樹脂体の最後端部を固定するための当接部が第一接続部に形成されていることが望ましい。
第一接続部2dの最先端部と、後端中空コイル体3bの最先端部とは、中間第二ロウ付け部10により固定されている。
また、第一接続部2dの中間部と、後端中空コイル体3bの最後端部とは、後端ロウ付け部11により固定されている。
中間第二ロウ付け部10及び後端ロウ付け部11を形成する材料としては、先端チップ6及び中間第一ロウ付け部9を形成する材料と同様の材料であることが望ましい。
先端中空コイル体3aの外径、中空樹脂体4の外径及び後端中空コイル体3bの外径は、略同一である。そのため、血管内や病変部をスムーズに通過することができる。
本実施形態のガイドワイヤは、例えば、上述した所定形状となるように金属棒材に対してテーパー加工を施すことによりコアシャフトを作製し、後端中空コイル体、中空樹脂体、中空撚線体及び先端中空コイル体の各内腔内に作製したコアシャフトを挿入した後、各部材を所定の位置でロウ付けすることにより製造することができる。
なお、テーパー加工としては、例えば、センタリング研磨等の切削加工、セージング加工、引き抜き加工等が挙げられる。
本実施形態のガイドワイヤの作用効果を以下に列挙する。
(1)本実施形態のガイドワイヤでは、中空コイル体が細径の先端部を覆っており、中空コイル体よりも剛性が高い中空樹脂体がテーパー状の中間部を覆っている。
それゆえ、ガイドワイヤの遠位部の剛性がチューブ領域の最後端部側から最先端部側にかけて徐々に低くなっており、先端領域の剛性がより低くなっている。
従って、ガイドワイヤの遠位部は、先端に向かうにつれて段階的に柔軟になっており、血管等の内腔を損傷しにくい。
(2)チューブ領域の最後端部側から最先端部側にかけて剛性が徐々に低くなっているので、チューブ領域が湾曲部に位置した場合であっても、血管の湾曲に追従することが可能となり、しかも、中空コイル体よりも剛性が高い中空樹脂体により中間部が覆われていることによってチューブ領域がデバイスデリバリー性を損なわない程度に一定の剛性を保持しており、デバイスをデリバリーしてもガイドワイヤが蛇行しにくく、デバイスデリバリー性に優れる。
(3)中空樹脂体がポリイミドから形成されている場合には、上記(2)の効果をより好適に享受することができる。
(4)中空撚線体が先端部を覆っているので、ガイドワイヤの近位部に加えられたトルクが遠位部の先端にまで効率よく伝わり、トルク伝達性に優れる。
(第二実施形態)
本実施形態のガイドワイヤは、中空樹脂体のうちで、先端部側に位置する第一端部の厚みが後端部側に位置する第二端部の厚みよりも薄いこと以外は、上述した第一実施形態のガイドワイヤと同様の構成を有している。
よって、第一実施形態のガイドワイヤと重複する事項については説明を省略する。
中空樹脂体の構成について具体的に説明すると、本実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体は、略均一の外径を有しており、内部に貫通孔を有する管状体である。
その厚みは、第二端部側から第一端部側にいくにつれて徐々に薄くなっており、このため、中空樹脂体の内径は第一端部側が大きく、第二端部側が小さく、その形状はテーパー状である。
本実施形態のガイドワイヤは、上述した第一実施形態のガイドワイヤの作用効果(1)〜(4)に加えて、以下の作用効果(5)を発揮することができる。
(5)中間部がテーパー形状であり、先端領域側に向かうにつれて徐々に柔軟になっているのに加えて、後端部側に位置する第二端部よりも先端部側に位置する第一端部の方が中空樹脂体の厚みが薄くなっているので、ガイドワイヤの遠位部は、よりなだらかな傾斜をもって徐々に柔軟になっている。
従って、本実施形態のガイドワイヤは、血管の湾曲により追従することが可能となり、デバイスデリバリー性により優れる。
(第三実施形態)
本実施形態のガイドワイヤは、中空樹脂体に中空樹脂体の長手軸方向に対して垂直な方向に沿って複数の溝部が形成されており、先端部側に位置する第一端部側に形成された溝部の数が後端部側に位置する第二端部側に形成された溝部の数よりも多いこと以外は、上述した第二実施形態のガイドワイヤと同様の構成を有しているので、重複する事項については説明を省略する。
図2(b)は、第三実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体を模式的に示す斜視図である。
図2(b)に示す本実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体20は、略均一の外径、内径及び厚さを有しており、内部に貫通孔を有する管状体である。
中空樹脂体20の外周には、中空樹脂体20の長手軸方向に対して垂直な方向に沿って複数の溝部21が形成されている。
複数の溝部21は、中空樹脂体20の長手軸に沿って所定の間隔を空けて整列している。
先端部側に位置する第一端部22には、後端部側に位置する第二端部23よりもより多くの溝部21が形成されている。
このため、第一端部22は、第二端部23よりも剛性が低く、柔軟である。
溝部21の長さは、中空樹脂体20の外周の長さの1/5〜1/2程度の長さであることが望ましい。
第二端部23に比べて、第一端部22が、ある程度の強度を確保しつつより柔軟になるからである。
本実施形態のガイドワイヤは、上述した第一実施形態のガイドワイヤの作用効果(1)〜(5)に加えて、以下の作用効果(6)を発揮することができる。
(6)形成密度が異なる複数の溝部が形成されているため、先端部側に位置する第一端部は、後端部側に位置する第二端部に比べてより剛性が低く、より柔軟である。
従って、チューブ領域が血管の湾曲に沿ってさらに追従しやすくなり、デバイスデリバリー性にさらに優れる。
(第四実施形態)
本実施形態のガイドワイヤは、中空樹脂体に中空樹脂体の長手軸を中心軸としてらせん状に切られたらせん溝部が形成されており、先端部側に位置する第一端部側のらせん溝部のピッチが後端部側に位置する第二端部側のらせん溝部のピッチよりも狭いこと以外は、上述した第二実施形態のガイドワイヤと同様の構成を有している。
よって、第二実施形態のガイドワイヤと重複する事項については説明を省略する。
図2(c)は、第四実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体を模式的に示す斜視図である。
図2(c)に示す本実施形態のガイドワイヤに係る中空樹脂体30は、略均一の外径、内径及び厚さを有しており、内部に貫通孔を有する管状体である。
中空樹脂体30の外周には、中空樹脂体30の長手軸を中心軸としてらせん状に切られたひとつながりのらせん溝部31が形成されている。
第一端部32側のらせん溝部31のピッチL1は、第二端部33側のらせん溝部31のピッチL2よりも狭く、第一端部32側から第二端部33側に向かうにつれて、ピッチL1がピッチL2へと徐々に広くなっている。
このため、第一端部32は、第二端部33よりも剛性が低く、柔軟である。
なお、らせん溝部31は、本実施形態のように、ひとつながりのらせん溝部が一個のみ形成されていてもよいし、ひとつながりのらせん溝部が複数個形成されていてもよい。
本実施形態のガイドワイヤは、上述した第一実施形態のガイドワイヤの作用効果(1)〜(5)及び第三実施形態の作用効果(6)と略同様の作用効果を発揮することができる。
また、(7)ガイドワイヤの外周にらせん溝部が形成されているので、ガイドワイヤの遠位部が病変部に対してあたかもネジのように食い込むことが可能となり、病変部の貫通性に優れる。
(可変例)
本発明のガイドワイヤにおいて、中間部の形状は、中間部の最後端部側から最先端部側に向かうにつれて縮径したテーパー状であればよく、その断面形状は、上述した円形状の他、楕円形状、長円形状、円弧と直線とにより囲まれた変形円形状、矩形状、正n角形状(nは、3以上の正の整数)等の形状であってもよい。
本発明のガイドワイヤにおいて、中空コイル体の内部には、中空撚線体が配置されていてもよいが、中空撚線体は配置されていなくともよい。
中空コイル体の内部に中空撚線体が配置されていない場合には、ガイドワイヤの遠位部の柔軟性をより高くすることができる。
本発明のガイドワイヤにおいて、中空樹脂体のうちで、先端部側に位置する第一端部の厚みは、後端部側に位置する第二端部の厚みよりも厚くてもよい。この場合には、チューブ領域の剛性をチューブ領域の最先端部側においてもより高くすることができるので、より高いデバイスデリバリー性を求める際に望ましい。
本発明のガイドワイヤにおいて、中空樹脂体に中空樹脂体の長手軸方向に対して垂直な方向に沿って複数の溝部が形成されている場合、第一端部側に形成された溝部の数と、第二端部側に形成された溝部の数とは略同一であってもよい。
本発明のガイドワイヤにおいて、中空樹脂体に中空樹脂体の長手軸を中心軸としてらせん状に切られたらせん溝部が形成されている場合、第一端部側のらせん溝部のピッチは、第二端部側のらせん溝部のピッチと略同一であってもよい。
本発明のガイドワイヤにおいて、中空樹脂体は、短尺の中空樹脂小体(ユニット)が、長手軸方向に複数個連結されてなるものであってもよい。
この場合、各ユニットは、第一実施形態で述べた中空樹脂体の材料と同様の材料から形成されていることが望ましい。
また、各ユニットを形成する材料は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
各ユニットを形成する材料が異なっている場合、先端部側(第一端部側)のユニットを形成する樹脂の硬度が、後端部側(第二端部側)のユニットを形成する樹脂の硬度よりも低いと、先端部側がより柔軟になるので望ましい。
本発明のガイドワイヤにおいて、ガイドワイヤの外表面には、親水性材料が被覆されていてもよい。
ガイディングカテーテル内、管状器官内又は体内組織内におけるガイドワイヤの摺動抵抗を低減させ、ガイドワイヤをスムーズに移動させることができるからである。
上記親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミドのブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸塩等が挙げられる。
これらの中では、ヒアルロン酸塩がより望ましい。
本発明のガイドワイヤにおいて、中空樹脂体に中空樹脂体の長手軸方向に対して垂直な方向に沿って複数の溝部が形成されており、先端部側に位置する第一端部側に形成された溝部の数が後端部側に位置する第二端部側に形成された溝部の数よりも多い場合には、第三実施形態で説明したように、中空樹脂体のうちで、先端部側に位置する第一端部の厚みが後端部側に位置する第二端部の厚みよりも薄いことが望ましいが、中空樹脂体の厚みは第一実施形態で説明したように全体に渡って略均一であってもよい。
また、本発明のガイドワイヤにおいて、中空樹脂体に中空樹脂体の長手軸を中心軸としてらせん状に切られたらせん溝部が形成されており、先端部側に位置する第一端部側のらせん溝部のピッチが後端部側に位置する第二端部側のらせん溝部のピッチよりも狭い場合には、第四実施形態で説明したように、中空樹脂体のうちで、先端部側に位置する第一端部の厚みが後端部側に位置する第二端部の厚みよりも薄いことが望ましいが、中空樹脂体の厚みは第一実施形態で説明したように全体に渡って略均一であってもよい。
1 ガイドワイヤ
2 コアシャフト
2a コアシャフトの先端部
2b コアシャフトの後端部
2c コアシャフトの中間部
3a、3b 中空コイル体
4 中空樹脂体

Claims (5)

  1. 先端部、後端部、及び、前記先端部側と前記後端部側との間に位置する中間部からなるコアシャフトと、
    内部に前記先端部が挿通されることにより前記先端部を覆っている中空コイル体と、
    内部に前記中間部が挿通されることにより前記中間部を覆っている中空樹脂体とを含んで形成されたガイドワイヤであって、
    前記中間部の形状は、前記中間部の最後端部側から最先端部側に向かうにつれて縮径したテーパー状であり、
    前記中空樹脂体の剛性は、前記中空コイル体の剛性よりも高いことを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記中空樹脂体のうちで、前記先端部側に位置する第一端部の厚みは、前記後端部側に位置する第二端部の厚みよりも薄い請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記中空樹脂体には、前記中空樹脂体の長手軸方向に対して垂直な方向に沿って複数の溝部が形成されており、
    前記第一端部側に形成された溝部の数は、前記第二端部側に形成された溝部の数よりも多い請求項2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記中空樹脂体には、前記中空樹脂体の長手軸を中心軸としてらせん状に切られたらせん溝部が形成されており、
    前記第一端部側のらせん溝部のピッチは、前記第二端部側のらせん溝部のピッチよりも狭い請求項2に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記中空コイル体の内部には、複数の素線を撚り合わせてなる中空撚線体が配置されており、
    前記中空撚線体は、内部に前記先端部が挿通されることにより前記先端部を覆っている請求項1〜4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
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