以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメント(あるいは小数点「.」を含む8セグメント)やドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域(表示画面)を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定の題材やテーマに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第1始動領域とは異なる始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞(第1始動入賞)の発生などにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞(第2始動入賞)の発生などにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」または「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」あるいは「7」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」や「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。他の一例として、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、確変制御と時短制御をともに終了させてもよい。
こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。時短制御と高開放制御がともに行われている遊技状態を、高ベース状態ともいい、高ベース状態であることを高ベース中であるともいう。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、一部または全部の飾り図柄が大当り組合せの一部または全部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部または全部で飾り図柄が大当り組合せの一部または全部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)は、各回の擬似連変動(再可変表示)が実行される以前に停止表示(仮停止表示)される飾り図柄であって、例えば通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を含む特殊な飾り図柄(擬似連図柄となるカード図柄)となっている。
カード図柄(擬似連図柄)を停止表示することのように、「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って実行される画像表示などの所定演出は、再変動演出という。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5C)にて画像表示(例えばカード図柄の仮停止表示)を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出のさらなる一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。このとき、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出用模型(可動部材)の動作態様が変化するように制御されてもよいし、複数の演出用模型(可動部材)のうちで動作するものが変化するように制御されてもよい。
再変動演出として、カード図柄(擬似連図柄)といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。
予告演出のうちには、先読み予告となるものが含まれている。先読み予告は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告は、連続予告ともいう。先読み予告では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、可変表示中予告ともいう。
飾り図柄の可変表示中においては、リーチ演出や再変動演出、予告演出といった各種演出が実行され、これらの演出における演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。こうした大当り期待度に応じて演出態様が異なる各種演出は、示唆演出ともいう。この実施の形態では、示唆演出が実行された後の特定タイミングにて期待度昇格演出を実行することにより、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出が、大当り期待度のより高い演出態様を示す演出に変更されたことを報知できる。すなわち、期待度昇格演出は、先行して実行された示唆演出にて所定の大当り期待度に対応した演出態様となった後に、その演出態様の変更を報知してより高い大当り期待度であることを認識可能にする。
期待度昇格演出は、既に実行された示唆演出が終了した後の特定タイミングにて、あるいは、先に開始された示唆演出が継続して実行されている特定タイミングにて、実行されるものであればよい。すなわち、期待度昇格演出は、先に示唆演出が実行される所定期間より後に、あるいは、示唆演出の実行が開始される所定タイミングより後に、特定タイミングとなることで実行が開始されるものであればよい。また、示唆演出のうちには、例えば予告演出のように、いずれかの演出態様で実行されたときに、その演出自体が実行されないときよりも大当り期待度が高くなるものがある。この場合、所定期間あるいは所定タイミングにて実行可能な示唆演出が実行されなかったときでも、所定期間あるいは所定タイミングより後の特定タイミングにて、期待度昇格演出が実行されて示唆演出の演出態様を報知することで、大当り期待度が高められたことを遊技者が認識できるようにしてもよい。さらに、期待度昇格演出のうちには、示唆演出の演出態様が変更されることを報知して、大当り期待度が高められたことを認識可能にする昇格成功演出だけでなく、示唆演出の演出態様が変更されないことを報知して、大当り期待度が高められないことを認識可能にする昇格失敗演出が含まれてもよい。昇格失敗演出としては、示唆演出の演出態様が変更されないものだけでなく、大当り期待度がより低い演出態様に変更されたことを報知するものがあってもよい。あるいは、示唆演出の演出態様が変更されるか否かを報知しないことにより、大当り期待度が高められないことを認識可能にする昇格失敗演出が含まれてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、この場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されることがある。なお、再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「確変」であるともいう。こうして「確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、確変状態に制御される。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、画像表示装置5の画面上における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生時における所定の判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドである。この実施の形態では、始動入賞の発生時に抽出した所定の乱数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1や変動パターン種別決定用の乱数値MR3など)について、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定し、その判定結果に応じて異なるデータが、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより第1始動入賞が発生したときに、第1始動条件が成立したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより第2始動入賞が発生したときに、第2始動条件が成立したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて合計保留記憶数通知コマンドを送信する場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する始動口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「第1大当り」または「第2大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーAのみ、またはスーパーAに続くスーパーBといった、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
この実施の形態では、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に、まずは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行される。その後、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることを認識可能に報知する発展演出が実行される。発展演出に続いてスーパーAのリーチ演出が実行され、スーパーAのリーチ演出が終了してからスーパーBのリーチ演出が実行されるというのが、スーパーBのリーチ演出に至る基本的な演出の進行手順となっている。ただし、スーパーAのリーチ演出が実行されるより前に期待度昇格演出が実行されてノーマルのリーチ演出をスーパーBのリーチ演出に変更すると報知された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行されずにスーパーBのリーチ演出について実行が開始されることもある。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうちで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターン(非リーチ変動パターン)が含まれる変動パターン種別と、リーチ状態となる変動パターン(リーチ変動パターン)が含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」となる場合のうちで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンが含まれる変動パターン種別には、例えば「擬似連」の可変表示演出といった所定の可変表示演出が実行されない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出が実行されてノーマルのリーチ演出を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出が実行されてスーパーリーチ(スーパーAまたはスーパーB)のリーチ演出を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とがあればよい。また、スーパーAやスーパーBのリーチ演出を伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーAのみであるかスーパーBまでも含むか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図10に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1において確変制御が行われない遊技状態(通常状態または時短状態)であるか、確変制御が行われる遊技状態(確変状態)であるかという確変制御の有無に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。特図表示結果決定テーブル130において、複数種類の特図表示結果に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。
図7に示す特図表示結果決定テーブル130の設定例では、遊技状態が確変状態(高確状態)である場合の「確変制御あり」に対応して、通常状態または時短状態(低確状態)である場合の「確変制御なし」よりも多くの決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、確変制御が行われない通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、特図表示結果決定テーブル130における決定用データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときよりも大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において同一のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果(例えば「小当り」など)に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」または「確変」といった大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態とするか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果に対応している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「1」または「2」)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、大当り種別決定テーブル131における同一のテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、複数種類の大当り種別に対する決定値の割当てが異なるテーブルデータを用意してもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」または「確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」である場合と「確変」である場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおける決定値は、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定されるように、各変動パターン種別に割り当てられる部分があってもよい。一例として、大当り種別が「非確変」である場合には決定値が割り当てられない特定の変動パターン種別に対して、大当り種別が「確変」である場合にのみ所定の決定値が割り当てられてもよい。これにより、所定の大当り種別に決定された場合には、所定の大当り種別以外に決定された場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cにおいて変動パターン種別CA2−3に割り当ていられている決定値に比べて多くの決定値が、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおいて変動パターン種別CA3−3に割り当てられている。ここで、変動パターン種別CA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンが分類される変動パターン種別である。一方、変動パターン種別CA3−3は、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応してスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンが分類される変動パターン種別である。こうした設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
変動パターン決定テーブル133において、変動パターン種別CA2−3の場合では、変動パターンPA3−1から、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−3、変動パターンPA3−4となるに従って、また、変動パターンPA3−5から、変動パターンPA3−6、変動パターンPA3−7、変動パターンPA3−8となるに従って、決定値の割当てが少なくなる。一方、変動パターン種別CA3−3の場合では、変動パターンPA5−1から、変動パターンPA5−2、変動パターンPA5−3、変動パターンPA5−4となるに従って、また、変動パターンPA5−5から、変動パターンPA5−6、変動パターンPA5−7、変動パターンPA5−8となるに従って、決定値の割当てが多くなる。
図5に示すように、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−8と、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−8とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。このような変動パターン決定テーブル133の設定により、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められるように、変動パターン決定テーブル133にて決定値が変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、予告決定用の乱数値や、期待度昇格演出実行決定用の乱数値などを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値や、複数種類の再変動演出からいずれを実行するかを選択して決定するために用いられる再変動演出決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されてもよい。
再変動演出は、「擬似連」の可変表示演出において擬似連変動が行われること遊技者が認識可能に報知する演出動作である。予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでに、その可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)を予告する演出動作である。
この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに、互いに演出態様が異なる再変動演出や複数の予告演出を、組み合わせて実行することができる。また、例えば特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、先読み予告となる予告演出を実行することができる。再変動演出や予告演出(先読み予告と可変表示中予告を含む)、さらには演出態様(ノーマル、スーパーA、スーパーBなど)が異なるリーチ演出も含めて、大当り遊技状態となる可能性を示唆する示唆演出となる。
複数の予告演出は、それぞれが実行される演出装置を異ならせてもよいし、同一の演出装置を用いて実行されるタイミングや動作態様の一部または全部を異ならせてもよい。例えば、複数のタイミングにて同一または別個の演出装置を用いて実行可能な可変表示中予告として、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告が、設けられていればよい。
図12および図13は、再変動演出、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告のそれぞれにおける演出態様(演出内容)を例示している。図12(A1)〜(A3)に示すように、再変動演出では、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに特殊なカード図柄が仮停止表示される。そして、再変動演出のカード図柄に含まれる所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型記号の個数は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が1加算されるごとに1増加するように表示される。「擬似連」の可変表示演出では、擬似連回数の増加に伴い、大当り期待度が高くなる。したがって、再変動演出は、カード図柄の表示態様に応じて大当り期待度が異なり、カード図柄に含まれる星型記号の個数が多いときに、その星型記号の個数が少ないときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。
このように、再変動演出では、例えばカード図柄といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が決定されることに伴い、例えばカード図柄に含まれる星型記号の個数といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
図12(B1)や(B2)に示すように、メッセージ予告では、例えば飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上に表示された文字画像により、所定のキャラクタが発するセリフを報知する。そして、メッセージ予告は、文字画像の表示態様に応じて大当り期待度が異なり、図12(B2)に示す文字画像の表示色が黒色である黒文字のメッセージ予告MS2であるときに、図12(B1)に示す文字画像の表示色が白色(白抜き)である白文字のメッセージ予告MS1であるときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。
なお、文字画像によりキャラクタが発するセリフを報知するものに限定されず、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声により、キャラクタが発するセリフを報知してもよい。文字画像の表示色に応じて大当り期待度を異ならせるものに限定されず、セリフを発するキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。キャラクタ画像の表示態様の他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)における一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。さらには、文字画像の表示とともにスピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、演出態様の一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は異なるものと認識可能にすることで、異なる大当り期待度を示唆できれよい。
このように、メッセージ予告では、例えばキャラクタが発するセリフの文字画像といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば文字画像の表示色といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
ステップアップ予告は、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化可能(ステップアップ可能)な予告演出である。なお、ステップアップ予告では、最初に出現した演出態様が次の段階に変化することなく、予告演出の実行を終了させることがあるようにしてもよい。
一例として、図13(A1)〜(A4)に示すように、ステップアップ予告では、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示SUE1〜SUE4により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)すればよい。他の一例として、飾り図柄の可変表示中に遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)してもよい。その他にも、スピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、任意の演出態様を所定の順番に従って複数段階に変化(ステップアップ)させてもよい。
ステップアップ予告は、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り期待度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。図13(A5)に示すように、ステップアップ予告SU1〜SU4はそれぞれ、演出態様が変化するステップ数が互いに異なり、ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1から、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2、ステップ数が「3」のステップアップ予告SU3、ステップ数が「4」のステップアップ予告SU4となるに従って、大当り期待度が高くなる。
ステップアップ予告における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)における一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。
なお、ステップアップ予告におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「非確変大当り」や「確変大当り」となる可能性(確変期待度)、特定のリーチ演出が実行される可能性(特定リーチ期待度)などを異ならせてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
図13(B1)〜(B3)に示すように、リーチ成立時予告では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、所定のキャラクタ(蝶)を示す演出画像群を表示する。一例として、リーチ成立時予告では、同一または類似した多数のキャラクタとなる蝶を示す演出画像群が画像表示装置5の画面上を通過するような演出が行われる。この場合、他の予告演出(例えばメッセージ予告やステップアップ予告など)にて用いられるキャラクタとは異なる種類のキャラクタを示す演出画像群を表示する演出動作が行われてもよいし、他の予告演出にて用いられるキャラクタと同じ種類のキャラクタを示す演出画像群を表示する演出動作が行われてもよい。他の予告演出にて用いられるキャラクタとは異なる種類でも共通するテーマのキャラクタ(例えば同じ映画やアニメの登場人物を模したキャラクタなど)を示す演出画像群を表示する予告演出が行われてもよい。リーチ成立時予告は、演出画像群により示されるキャラクタ(例えば蝶)の数に応じて大当り期待度が異なる。例えば図13(B1)に示すリーチ成立時予告GR1では蝶の数が「1」であり、図13(B2)に示すリーチ成立時予告GR2では蝶の数が「3」であり、図13(B3)に示すリーチ成立時予告GR3では蝶の数が「5」であり、この順に大当り期待度が高くなる。
なお、演出画像群により示されるキャラクタの数に応じて大当り期待度を異ならせるものに限定されず、演出画像群により示されるキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。キャラクタ画像の他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)を異ならせてもよい。さらには、演出画像群の表示とともにスピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、演出態様の一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音声、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は異なるものと認識可能にすることで、異なる大当り期待度を示唆できればよい。
このように、リーチ成立時予告では、例えば蝶のキャラクタを示す演出画像群といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば演出画像群により示される蝶の数といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
画像表示演出は、例えば再変動演出におけるカード図柄、メッセージ予告におけるセリフの文字画像、リーチ成立時予告における蝶のキャラクタのように、所定の示唆演出における演出画像の全部または一部を所定画像として表示する場合に、大当り遊技状態となるか否かや、大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)に応じて異なる割合で、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示するものであればよい。また、示唆演出が実行されるときに画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の一部を所定画像とするものに限定されず、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の全部を所定画像として、その所定画像の一部の表示態様を、大当り遊技状態となるか否かや大当り期待度に応じて異なる割合で、異なる表示態様で表示するものであってもよい。
図14は、メッセージ予告、ステップアップ予告およびリーチ成立時予告における大当り期待度の段階を示している。この実施の形態において、メッセージ予告では、予告なし、メッセージ予告MS1、メッセージ予告MS2の順に、大当り期待度が高くなる。ステップアップ予告では、予告なし、ステップアップ予告SU1、ステップアップ予告SU2、ステップアップ予告SU3、ステップアップ予告SU4の順に、大当り期待度が高くなる。リーチ成立時予告では、予告なし、リーチ成立時予告GR1、リーチ成立時予告GR2、リーチ成立時予告GR3の順に、大当り期待度が高くなる。こうした予告演出の期待度は、例えば低期待度、中期待度、高期待度といった、複数の段階に区分けすることができる。なお、低期待度の予告演出は「弱予告」とも称され、中期待度の予告演出は「中予告」とも称され、高期待度の予告演出は「強予告」とも称される。
低期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%未満」であることを示唆する。中期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%以上30%未満」であることを示唆する。高期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「30%以上」であることを示唆する。こうした予告演出により示唆される大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)は、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて各予告演出における演出態様の選択割合を異ならせることで、予め設定できればよい。例えば低期待度の予告演出は、中期待度や高期待度の予告演出に比べて、大当りとなるときに選択される割合が低く、ハズレとなるときに選択される割合が高くなればよい。また、高期待度の予告演出は、低期待度や中期待度の予告演出に比べて、大当りとなるときに選択される割合が高く、ハズレとなるときに選択される割合が低くなればよい。ここで、大当り遊技状態となる可能性が0%の場合には、常に可変表示結果が「ハズレ」となり、大当り遊技状態にはならないことを意味している。また、大当り遊技状態となる可能性が100%の場合には、常に可変表示結果が「大当り」となり、必ず大当り遊技状態となることを意味している。
この実施の形態では、先読み予告の一例として、図柄停止予告が設けられている。図15は、図柄停止予告における演出態様(演出内容)を例示している。図柄停止予告では、飾り図柄の可変表示で最終停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄(中図柄)を、特殊な飾り図柄(連続予告図柄としてのカード図柄)に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告可能にする。図柄停止予告にて停止表示されるカード図柄(連続予告図柄)は、再変動演出にて停止表示されるカード図柄(擬似連図柄)とは少なくとも一部の表示態様が異なる(例えば星型記号の表示色が青色となる)。
図柄停止予告と再変動演出とでは、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊なカード図柄を停止表示させるという演出態様において共通している。一方、例えばカード図柄に含まれる星型記号の表示色などを異ならせることにより、具体的な演出態様においては、いずれの演出動作が実行されたかを認識可能な程度に相違していてもよい。なお、遊技者が容易に認識できる程度に相違させるものに限定されず、遊技者が認識困難あるいは認識不可能な程度(例えばカード図柄の表示画像における1画素分の表示色を異ならせることなど)に相違させたものであってもよい。
図柄停止予告のカード図柄に含まれる所定の表示色(例えば青色など)を有する星型記号の個数は、図柄停止予告の繰返し実行回数(連続予告回数)が1加算されるごとに1増加するように表示される。図柄停止予告では、連続予告回数の増加に伴い、大当り期待度が高くなる。したがって、図柄停止予告は、カード図柄の表示態様に応じて大当り期待度が異なり、カード図柄に含まれる星型記号の個数が多いときに、その星型記号の個数が少ないときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。
また、図柄停止予告では、星型記号の個数の他に、例えばカード図柄の地柄模様に応じて大当り期待度が異なり、図15(B1)〜(B3)に示すカード図柄の地柄模様が特殊模様(例えばサクラの花柄など)となる図柄停止予告ZU2であるときに、図15(A1)〜(A3)に示すカード図柄の地柄模様が通常模様(例えば無地の青色など)となる図柄停止予告ZU1であるときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。
このように、図柄停止予告では、例えばカード図柄といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で図柄停止予告の繰返し実行回数(連続予告回数)が決定されることに伴い、例えばカード図柄に含まれる星型記号の個数といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。また、図柄停止予告では、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば地柄模様といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
この実施の形態では、ステップアップ予告を先読み予告として実行することもできる。例えば、複数回の可変表示にわたりステップアップ予告を繰返し実行することにより、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告可能にする。こうしたステップアップ予告の繰返し実行回数が増加するに伴い、大当り期待度が高くなる。複数回の可変表示に対応して実行されるステップアップ予告では、その繰返し実行回数が加算されたときに、演出態様が変化する回数(ステップ数)が減少しないまたは減少しにくいように、各回の演出態様が設定されればよい。
先読み予告として実行されるステップアップ予告と、可変表示中予告として実行されるステップアップ予告とでは、同一の演出態様としてもよいし、一部または全部の演出態様を異ならせてもよい。例えば、ステップ数の増加に伴い表示されるキャラクタを変化させるという演出態様において共通する一方、表示されるキャラクタの種類や数、表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、具体的な演出態様においては、いずれの予告演出が実行されたかを認識可能な程度に相違していてもよい。なお、遊技者が容易に認識できる程度に相違させるものに限定されず、遊技者が認識困難あるいは認識不可能な程度(例えばキャラクタの表示画像における1画素分の表示色を異ならせることなど)に相違させたものであってもよい。
その他にも、先読み予告としては、保留表示予告が設けられていてもよい。保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示が実行されるより前に、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラの花柄など)とすることや、表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。
保留表示予告は、予告対象となる可変表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されればよい。一方、図柄停止予告やステップアップ予告は、予告対象となる可変表示に対する始動入賞が発生した後に開始される可変表示から演出を開始し、その先読み予告の対象となる可変表示が開始されるよりも前の1回または複数回の可変表示において実行される。
図柄停止予告やステップアップ予告といった先読み予告は、複数回の可変表示にわたって連続して実行されるものであってもよいし、例えば、予告対象となる可変表示が開始される直前の1回のみの可変表示においてのみ実行されるものであってもよい。また、例えば、予告対象となる可変表示が開始されるよりも前の可変表示から先読み予告を開始して、その予告対象となる可変表示の直前に実行される可変表示までで先読み予告を終了するものであってもよいし、予告対象となる可変表示中においても先読み予告が継続して実行されるものであってもよい。さらに、複数回の可変表示にわたって連続して実行されるものに限定されず、例えば、1回おきまたは2おきに間欠的に複数回の可変表示において実行されるものであってもよい。
先読み予告としては、図柄停止予告やステップアップ予告、保留表示予告の他にも、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、予告対象となる可変表示における可変表示結果などに基づいてストーリーの結果を表示するような演出が実行されてもよい。より具体的には、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、可変表示結果が「大当り」となる場合には試合やバトルに勝利する演出を行い、可変表示結果が「ハズレ」であれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、勝敗などの結果を表示するものではなく、物語などの所定のストーリーを複数回の可変表示にわたり順に展開させていくような演出を実行してもよい。
図16(A)は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が3回であり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることに基づいてスーパーBのリーチ演出まで実行される変動パターンPA3−8、PA5−8に対応して、期待度昇格演出が実行されない場合における各種演出の実行タイミングを示している。この場合、各回の擬似連変動(第1擬似連〜第3擬似連)が実行されるよりも前の初回変動、第1擬似連、第2擬似連が行われる期間、すなわち擬似連チャンス目となる飾り図柄が導出される以前の所定期間に対応して、メッセージ予告、可変表示中予告としてのステップアップ予告、再変動演出を実行するタイミングが、例えば変動パターンに対応した演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)などにより、予め定められている。また、最終回の擬似連変動(第3擬似連)が開始された後の最終変動時には、メッセージ予告、可変表示中予告としてのステップアップ予告の他に、リーチの成立に対応したリーチ成立時予告や、ノーマル、スーパーA、スーパーBの各リーチ演出を実行するタイミングが、例えば変動パターンに対応した演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)などにより、予め定められている。
一例として、図16(B)に示すように、タイミングTY00、TY10、TY20、TY30は、メッセージ予告の実行開始タイミングとなる。タイミングTY01、TY11、TY21、TY31は、ステップアップ予告の実行開始タイミングとなる。タイミングTY02、TY12、TY22は、再変動演出の実行開始タイミングとなる。タイミングTY03は、リーチ成立時予告の実行開始タイミングとなる。こうした複数のタイミングで実行される複数の予告演出を含む示唆演出における演出態様(演出内容)は、使用パターンとなる演出パターン(例えば予告パターン)に対応して設定されればよい。
メッセージ予告は、初回変動や擬似連変動において飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して実行が開始される変動開始時予告となっている。ステップアップ予告は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄が変動(全図柄変動)している所定期間にて実行される全図柄変動中予告となっている。このように、変動開始時予告、全図柄変動中予告、リーチ成立時予告あるいは再変動演出、さらにはリーチ演出といった複数の示唆演出は、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの複数のタイミングのうち、それぞれの示唆演出に応じた所定タイミングにて実行が開始されるように、例えば変動パターンに対応した演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)などにより、それぞれの実行タイミングが予め定められていればよい。
1の予告演出における演出態様(演出内容)に対応して予め用意された複数の演出パターン(予告パターン)は、予め設定された複数の予告カテゴリ(予告演出分類)のうちいずれかに含まれてもよい。すなわち、各予告カテゴリは、予め分類(グループ化)された単一または複数の予告パターンを含むように構成されていればよい。1の予告演出に対応する複数の予告パターンは、例えば予告パターンに応じた予告演出の大当り期待度や、各予告パターンに対する演出態様(演出内容)の少なくとも一部といった、所定の基準に基づいて、1の予告演出に対応して予め設定された複数の予告カテゴリのいずれかに分類されればよい。
変動開始時予告としてのメッセージ予告では、例えば低期待度のメッセージ予告MS1と中期待度のメッセージ予告MS2とで互いに異なる演出態様(文字画像の表示色)となる。一方、全図柄変動中予告としてのステップアップ予告では、例えば低期待度から高期待度までの4段階に対応したステップアップ予告SU1とステップアップ予告SU2とステップアップSU3とステップアップ予告SU4とで互いに異なる演出態様(ステップ数)となる。リーチ成立時予告では、例えば低期待度のリーチ成立時予告GR1と中期待度のリーチ成立時予告GR2と高期待度のリーチ成立時予告GR3とで互いに異なる演出態様(蝶の数)となる。
このように、複数の予告演出により示唆される大当り期待度は、所定の段階数に応じて0%〜100%の範囲を複数段階に区分けしたものであればよい。一例として、高期待度の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性が所定の第1基準値以上であることを示唆できればよく、低期待度の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性が第1基準値よりも低い所定の第2基準値未満であることを示唆できればよい。この場合、中期待度の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性が第1基準値未満で第2基準値以上であることを示唆できればよい。再変動演出やリーチ演出といった予告演出とは異なる示唆演出についても、その演出態様に応じて異なる大当り期待度となる。したがって、予告演出以外の示唆演出における大当り期待度も、複数の段階に区分けすることができる。
複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行される示唆演出により示唆できる大当り期待度の上限値に比べて、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行される示唆演出により示唆できる大当り期待度の上限値が高く(大きく)なることがあるように設定されればよい。例えば、変動開始時予告であるメッセージ予告の場合は、中期待度のメッセージ予告MS2における大当り期待度が最も高くなる。一方、全図柄変動中予告であるステップアップ予告の場合は、大当り期待度が最も高いステップアップ予告SU4によって、メッセージ予告MS2よりも高い大当り期待度が示唆される。すなわち、複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行可能な示唆演出のうち大当り期待度が最も高い段階に対応した示唆演出と比べて、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な示唆演出のうち大当り期待度が最も高い段階に対応した示唆演出の方が、より高い大当り期待度となることがあるように設定されていればよい。
複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の最も高い段階に比べて、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の最も高い段階の方が低くなることもあるように設定してもよい。これに対して、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度が最も高い段階は、第1タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の最も高い段階に比べて、常に大当り期待度が高くなる(単調上昇する)ように設定されてもよい。
大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)の段階数は、大当り期待度が0%〜100%の範囲のうちで、演出態様が異なる示唆演出のそれぞれにより示唆可能な大当り期待度の範囲の区分数(区域数)を示している。一例として、メッセージ予告のように、低期待度(メッセージ予告MS1)と中期待度(メッセージ予告MS2)とに対応して異なる演出態様となる場合には、予告なしの場合を含めた大当り期待度の段階数が「3」となる。ステップアップ予告のように、4種類の演出態様(ステップアップ予告SU1〜SU4)に対応して異なる大当り期待度となる場合には、予告なしの場合を含めた大当り期待度の段階数が「5」となる。リーチ成立時予告のように、低期待度(リーチ成立時予告GR1)と中期待度(リーチ成立時予告GR2)と高期待度(リーチ成立時予告GR3)とに対応して異なる演出態様となる場合には、予告なしの場合を含めた大当り期待度の段階数が「4」となる。再変動演出については、擬似連変動の実行回数に対応して異なる演出態様となり、擬似連変動が実行されない場合を含めた大当り期待度の段階数が「4」となる。リーチ演出については、ノーマル、スーパーA、スーパーBの順に大当り期待度が高くなり演出態様も異なることから、リーチ演出が実行されない場合(非リーチの場合)を含めた大当り期待度の段階数が「4」となる。
このように、大当り期待度の段階数は、複数のタイミングのうちいずれで実行される示唆演出であるかに応じて、異なるように設定されている。そして、例えば変動開始時予告としてのメッセージ予告では大当り期待度の段階数が「3」であるのに対し、全図柄変動中予告としてのステップアップ予告では大当り期待度の段階数が「5」である。すなわち、複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行される示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数に比べて、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行される示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数の方が多くなることがあるように設定されている。
複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数に比べて、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数の方が少なくなることがあるようにしてもよい。これに対して、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数は、第1タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数に比べて、常に多くなる(単調増加する)ように設定されてもよい。
複数のタイミングのうち1のタイミングにて実行される示唆演出は、演出態様を異ならせることにより、異なる大当り期待度を遊技者が認識可能に示唆するようにしている。したがって、各々の示唆演出における演出態様の種類数は、その示唆演出により示唆可能な大当り期待度の段階数と等しくなればよい。あるいは、各々の示唆演出における複数の演出態様のうちには、互いに異なる演出態様により同一の大当り期待度を示唆するものがあってもよい。この場合のように、各々の示唆演出における演出態様の種類数は、その示唆演出により示唆可能な大当り期待度の段階数よりも多くなるように設定してもよい。
例えば再変動演出とリーチ成立時予告のように、大当り期待度の段階数が同一になる示唆演出であっても、それぞれの示唆演出に対応して、大当り期待度の第1基準値や第2基準値を異ならせてもよい。より具体的な一例として、再変動演出は非リーチの場合にも実行可能であり(例えば図5に示す変動パターンPA1−4を参照)、再変動演出の大当り期待度は低期待度が「5%未満」で中期待度が「5%以上20%未満」で高期待度が「20%以上」となるように設定してもよい。一方、リーチ成立時予告はリーチ成立の場合にのみ実行可能であり、リーチ成立時予告の大当り期待度は低期待度が「30%未満」で中期待度が「30%以上60%未満」で高期待度が「60%以上」となるように設定してもよい。このように、示唆演出が複数段階の大当り期待度のいずれになるかは、示唆演出の実行タイミングごとに、異なる基準で分類(段階分け)されてもよい。また、例えばスーパーAのリーチ演出が実行されたときには大当り期待度が「10%以上40%未満」になる一方、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには大当り期待度が「80%以上」になるといったように、特定の示唆演出が実行されたときには、大当り遊技状態となる可能性が飛躍的に向上することが示唆されるようにしてもよい。
複数のタイミングのうち1のタイミングで実行可能な示唆演出は、その示唆演出が実行されるか否かや、実行された場合の演出態様により、大当り期待度が所定範囲内であることを示唆してもよいし、大当り期待度が具体的な単一の数値(例えばパーセント値)であることを示唆(報知)してもよい。例えば、低期待度の示唆演出は、大当り期待度が「10%未満」となる範囲内であることを示唆してもよいし、「10%未満」である特定の数値(例えば5%など)を示唆(報知)してもよい。ただし、示唆演出の実行割合は、乱数値を示す数値データの偏りなどにより、実際の遊技を実行した場合に、設計段階での設定とは相違することがある。これにより、各示唆演出の大当り期待度も、実際の遊技を実行した場合に、設計段階での設定とは相違することがある。したがって、各示唆演出により示唆可能な大当り期待度は、遊技の進行上において実際に大当り遊技状態となる確率と厳密に合致する必要はなく、おおよその目安となる範囲や数値を示唆することができればよい。
示唆演出により大当り期待度が具体的な単一の数値であることを示唆する場合に、大当り期待度の段階数は、複数のタイミングのうち1のタイミングで実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の個数(要素数)を示すことになればよい。一例として、複数のタイミングのうち1のタイミングで実行可能な示唆演出が、実際に実行されるか否かや、実行される場合の演出態様を異ならせることにより、「5%」、「15%」、「25%」、「50%」、「70%」の大当り期待度を示唆できるとする。この場合には、示唆演出により示唆可能な大当り期待度の個数(要素数)は「5」であり、大当り期待度の段階数も「5」となる。
例えば低期待度と中期待度の示唆演出のあいだや、中期待度と高期待度の示唆演出のあいだでは、示唆可能な大当り期待度の範囲に共通(重複)する部分があってもよい。一例として、低期待度の示唆演出は「30%未満」の大当り期待度を示唆し、中期待度の示唆演出は「20%以上60%未満」の大当り期待度を示唆し、高期待度の示唆演出は「50%以上」の大当り期待度を示唆してもよい。
各タイミングにて実行可能な示唆演出の演出態様を選択するときには、1のタイミングで実行される示唆演出により示唆される大当り期待度と、他のタイミングで実行される示唆演出により示唆される大当り期待度とが、予め禁止された関係になることがないように設定されてもよい。例えば変動開始時予告となるメッセージ予告のうちで、中期待度のメッセージ予告MS2が実行された後に、全図柄変動中予告となるステップアップ予告が実行されない組合せや、比較的に大当り期待度の低いステップアップ予告SU1またはステップアップ予告SU2が実行されるような予告演出の組合せにはならない。
高期待度の示唆演出は大当り期待度が第1基準値以上であることを示唆する一方、低期待度の示唆演出は大当り期待度が第1基準値よりも低い第2基準値未満であることを示唆する。この場合、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値以上であることを予告する高期待度の示唆演出が実行されるときに、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値よりも低い第2基準値未満であることを予告する低期待度の示唆演出が実行されないように制限してもよい。
なお、示唆演出が複数段階の大当り期待度のいずれになるかは、示唆演出の実行タイミングごとに、異なる基準で分類(段階分け)されてもよい。すなわち、示唆演出の実行タイミングが異なれば、低期待度と中期待度と高期待度とに段階分けするための第1基準値や第2基準値を異ならせてもよい。したがって、実行タイミングが異なる複数の示唆演出のあいだでは、第1基準値や第2基準値が一致しないことがあり、例えば1のタイミングで実行される示唆演出を高期待度と中期待度とに段階分けするための第1基準値が、他のタイミングで実行される示唆演出を中期待度と低期待度とに段階分けするための第2基準値よりも低くなることがあってもよい。こうした設定においても、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値(第1タイミングに対応した基準値)以上であることを示唆する高期待度の示唆演出が実行される場合に、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第2基準値(第2タイミングに対応した基準値)未満であることを示唆する低期待度の示唆演出が実行されないように制限してもよい。
示唆演出により大当り期待度が具体的な単一の数値(例えばパーセント値)であることを示唆する場合もある。したがって、大当り遊技状態となる可能性が第1基準値以上であることを示唆する場合には、第1基準値以上の所定範囲内であることを示唆する場合と、第1基準値以上となる具体的な単一の数値であることを示唆する場合とが含まれている。また、大当り遊技状態となる可能性が第2基準値未満であることを示唆する場合には、第2基準値未満の所定範囲内であることを示唆する場合と、第2基準値未満となる具体的な単一の数値であることを示唆する場合とが含まれている。
例えば中期待度のメッセージ予告MS2と比較的に大当り期待度が高いステップアップ予告SU3とが実行された後に、低期待度のリーチ成立時予告GR1が実行されるような演出の組合せにはならないように、示唆演出の補正などが行われてもよい。このように、複数のタイミングのうち所定タイミング(例えばステップアップ予告が実行される全図柄変動中のタイミング)以前のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定期待度未満であることを示唆する示唆演出が実行されない場合には、所定タイミングより後のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定期待度未満であることを予告する示唆演出が実行されないように制限してもよい。あるいは、複数のタイミングのうち所定タイミング以前のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定期待度以上であることを示唆する示唆演出のみが実行された場合には、所定タイミングより後のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定期待度未満であることを示唆する示唆演出は実行されず、所定期待度以上であることを予告する示唆演出が実行されるようにしてもよい。
1のタイミングで実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度と、他のタイミングで実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度とが、所定関係になることを禁止するように制限するものに限定されず、例えば所定関係以外の関係になる場合よりも決定割合が極めて低くなるように、所定関係以外の関係になる示唆演出が実行されにくいように制限してもよい。例えば、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り期待度が第1基準値以上であることを示唆する高期待度の示唆演出が実行される場合に、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り期待度が第2基準値未満であることを示唆する示唆演出が実行されにくいように制限してもよい。
こうした示唆演出における組合せの禁止や制限が行われる場合に、複数のタイミングのうち第1タイミングで大当り期待度の高い示唆演出が選択されると、第2タイミングで選択することができる示唆演出の演出態様が限定されてしまい、演出内容が単調になるおそれがある。そこで、第1タイミングより遅い第2タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数は、第1タイミングにて実行可能な示唆演出により示唆できる大当り期待度の段階数に比べて多くなるように設定することで、示唆演出の演出内容が単調になることを防止して、多様な示唆演出を実行可能にしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出を実行可能な変動パターンが指定された場合に、1回分の擬似連変動(初回変動を含む)が開始されてから擬似連チャンス目が仮停止表示されるまでの所要時間を利用して、期待度昇格演出を実行可能にする。すなわち、期待度昇格演出は、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターン(再可変表示パターン)が使用パターンに決定されたことに基づいて実行可能となり、1回分の擬似連変動を期待度昇格演出に置換して実行する。これにより、期待度昇格演出が実行される場合には、変動パターンに対応する擬似連回数よりも1回少ない擬似連変動が実行されることになる。ただし、擬似連回数が1回の変動パターンであれば、初回変動の部分が期待度昇格演出に置換して実行されることから、擬似連変動が実行されなくなる。なお、1回分の擬似連変動を期待度昇格演出に置換して実行するものに限定されず、例えば2回といった複数回の擬似連変動を期待度昇格演出に置換して実行するものであってもよい。あるいは、例えばノーマルのリーチ演出や発展演出といった、擬似連変動とは異なる所定の演出期間を期待度昇格演出に置換して実行するものであってもよい。
このように、擬似連変動の実行回数を変動パターンに対応する擬似連回数(本来の擬似連回数)よりも少なくすることで生じる可変表示時間の余剰部分を使って、期待度昇格演出を実行すればよい。ただし、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに期待度昇格演出が実行される演出期間は、減少させた擬似連変動が本来ならば実行されるはずであった期間(変動演出期間)と、合致させる必要はない。例えば、変動パターンに対応する擬似連回数よりも少ない擬似連変動を実行した後に(擬似連回数が1回の変動パターンであれば擬似連変動を実行せずに)、まずは飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として、ノーマルのリーチ演出などを開始してから、特定タイミングにて期待度昇格演出が実行されるようにすればよい。すなわち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後の特定タイミングにて、期待度昇格演出が実行されるようにすればよい。
期待度昇格演出では、リーチ演出や再変動演出、予告演出といった示唆演出について、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出を行った後に、その演出により報知された演出態様を、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出に変更して報知する。こうした複数の示唆演出のうち、再変動演出やメッセージ予告、リーチ成立時予告、図柄停止予告といった所定の示唆演出では、所定画像を表示する画像表示演出が行われ、大当り期待度に応じて所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示する。この場合、期待度昇格演出では、既に実行された画像表示演出における所定画像の表示態様を示す演出を、所定画像の一部の表示態様が大当り期待度のより高い表示態様となる所定画像を示す演出に変更して表示する。
また、ステップアップ予告といった所定の示唆演出では、演出態様を1段階から複数段階まで段階的に変化可能であり、演出態様が変化する段階数(ステップ数)の増加に伴い大当り期待度が高くなる。この場合、期待度昇格演出では、既に実行されたステップアップ予告の段階数(ステップ数)を示す演出を、より多くの段階数(ステップ数)を示す演出に変更して報知する。
期待度昇格演出において、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出は、その示唆演出をすべて最初から実行し直すものである必要はなく、演出態様に応じた大当り期待度を遊技者が認識できるように、少なくとも示唆演出の一場面を含むものであればよい。あるいは、示唆演出とは異なる演出ではあるものの、既に実行された示唆演出の演出態様を示す態様報知情報を含んだ演出が実行されることにより、遊技者が示唆演出の演出態様を認識(確認)できるようにしてもよい。また、期待度昇格演出は示唆演出とは異なり、擬似連変動ごとに示唆演出の演出態様を変化させる場合のように、期待度昇格演出の前後にて飾り図柄の可変表示を繰返し実行する期間(変動演出期間)は不要である。
一例として、ステップアップ予告SU2が示唆演出として実行された後に、期待度昇格演出によりステップアップ予告SU4への変更を報知するものとする。この場合、期待度昇格演出では、示唆演出の演出態様として、ステップアップ予告SU2における演出表示SUE1と演出表示SUE2の全部をやり直した上で、ステップアップ予告SU4における演出表示SUE1〜SUE4の全部を変更後(昇格後)の演出態様として切替表示してもよい。このようにしても、期待度昇格演出の前後や演出態様を変更する前後における変動演出期間が不要になることから、可変表示の長期化や演出の間延びを防止できる。あるいは、期待度昇格演出にて報知する示唆演出の演出態様として、ステップアップ予告SU2における演出表示SUE1と演出表示SUE2の全部をやり直した上で、ステップアップ予告SU4に含まれる演出表示SUE4だけを変更後(昇格後)の演出態様として表示してもよい。あるいは、期待度昇格演出にて報知する示唆演出の演出態様として、ステップアップ予告SU2に含まれる演出表示SUE2だけをやり直した上で、ステップアップ予告SU4における演出表示SUE1〜SUE4の全部を変更後(昇格後)の演出態様として切替表示してもよい。あるいは、期待度昇格演出にて報知する示唆演出の演出態様として、ステップ予告SU2に含まれる演出表示SUE2だけをやり直した上で、ステップアップ予告SU4に含まれる演出表示SUE4だけを変更後(昇格後)の演出態様として表示してもよい。
なお、期待度昇格演出において、示唆演出の演出態様が、例えば大当り遊技状態になることの確定を報知する演出態様となる場合のように、大当り期待度が極めて高い特別の演出態様(プレミア演出など)となる場合には、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出を行うことなく、特別の演出態様を示す演出が報知されるようにしてもよい。
期待度昇格演出の実行が開始される特定タイミングは、例えばノーマルのリーチ演出が開始された後のタイミングTM01や、発展演出が開始された後のタイミングTM02、スーパーAのリーチ演出が開始された後のタイミングTM03といった、予め定められた複数のタイミングのうちから選択して設定することができる。なお、特定タイミングには、例えばノーマルのリーチ演出が開始される前のタイミング(リーチ成立となる以前のタイミング)といった、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの任意のタイミングを設定できるようにしてもよい。
図17は、変動パターンPA3−8、PA5−8に対応して、タイミングTM01を特定タイミングとして期待度昇格演出が実行される場合における各種演出の実行タイミングを示している。この場合、2回目の擬似連変動である第2擬似連にて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となりリーチ成立となった後に、ノーマルのリーチ演出が開始されてから特定タイミングであるタイミングTM01となることにより、期待度昇格演出の実行が開始される。このように、変動パターンPA3−8、PA5−8に対応する擬似連変動の実行回数は3回であるところ(図5を参照)、擬似連回数を2回に減少させたことにより生じる可変表示時間の余剰部分を使って、タイミングTM01を特定タイミングとして期待度昇格演出を実行することができる。
図18は、変動パターンPA3−8、PA5−8に対応して、タイミングTM02を特定タイミングとして期待度昇格演出が実行される場合における各種演出の実行タイミングを示している。この場合、第2擬似連にてリーチ成立となった後に、ノーマルのリーチ演出に続いて発展演出が開始されてから特定タイミングであるタイミングTM02となることにより、期待度昇格演出の実行が開始される。
図19は、変動パターンPA3−8、PA5−8に対応して、タイミングTM03を特定タイミングとして期待度昇格演出が実行される場合における各種演出の実行タイミングを示している。この場合、第2擬似連にてリーチ成立となった後に、ノーマルのリーチ演出と発展演出に続いてスーパーAのリーチ演出が開始されてから特定タイミングであるタイミングTM03となることにより、期待度昇格演出の実行が開始される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの複数のタイミングにて、互いに演出態様(演出内容)が異なる複数の示唆演出が実行される場合に、期待度昇格演出では、複数の示唆演出のそれぞれについて、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出が、大当り期待度のより高い演出態様を示す演出に変更されたことを、所定順序で報知すればよい。このときには、既に実行された示唆演出の順序や実行間隔(開始タイミングの時間差あるいは示唆演出ごとのインターバル期間など)にかかわらず、特定タイミングにて開始された期待度昇格演出では、複数の示唆演出に対応して、演出態様の変更を報知する演出が連続的(順次)に行われるようにすればよい。
例えば、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに、第1タイミングにて第1の示唆演出が実行され、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて第2の示唆演出が実行されたとする。この場合、第1タイミングと第2タイミングとの時間差にかかわらず、第2タイミングより後の特定タイミングにて期待度昇格演出の実行が開始され、第1の示唆演出における演出態様を変更する報知と、第2の示唆演出における演出態様を変更する報知とを、所定順序で連続的に行うようにすればよい。したがって、擬似連変動ごとに複数のタイミングで複数の示唆演出の演出態様を変化させる場合のように、1の示唆演出が終了してから他の示唆演出が開始されるまでのインターバルにて飾り図柄の可変表示を実行する期間(変動演出期間)は、期待度昇格演出を実行すれば不要になる。
なお、複数の示唆演出が実行される場合に、第1タイミングにて第1の示唆演出が開始され、その実行が終了した後に、第2タイミングにて第2の示唆演出が開始されてもよい。あるいは、第1タイミングにて第1の示唆演出が開始され、その実行が終了するより前に、第2タイミングにて第2の示唆演出が開始されるものであってもよい。すなわち、複数の示唆演出に含まれる1の示唆演出は、他の示唆演出と重複(競合)して実行される期間を含んでもよいし、他の示唆演出とは重複(競合)せずに所定のインターバル期間が設けられるものであってもよい。
図20は、先読み予告となる予告演出が実行される場合における実行タイミングの一例を示している。この例では、3回目の可変表示が先読み予告による予告対象の可変表示となり、1回目および2回目の可変表示における所定期間に対応して、ステップアップ予告や図柄停止予告を実行するタイミングが、例えば変動パターンに対応した演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)などにより、予め定められている。
図20に示すタイミングTY01は、図16〜図19の場合と同様に、ステップアップ予告の実行開始タイミングとなる。また、タイミングTR01、TR02は、図柄停止予告の実行開始タイミングとなる。こうした予告対象となる可変表示より前に1回または複数回の可変表示にて実行可能な複数の先読み予告を含む示唆演出における演出態様(演出内容)は、使用パターンとなる演出パターン(例えば予告パターン)に対応して設定されればよい。先読み予告による予告対象となる3回目の可変表示では、例えば変動パターンPA3−8、PA5−8に対応して、図17〜図19に示すようなタイミングTM01〜TM03のいずれかを特定タイミングとする期待度昇格演出を実行することができる。
なお、先読み予告として保留表示予告が実行される場合には、始動入賞が発生したときに、始動入賞記憶表示エリア5Hにて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位の表示態様を更新することに伴って実行が開始され、予告対象となる可変表示が開始されるときに、保留表示が消去されることにより実行が終了すればよい。予告対象となる可変表示が開始された後には、保留表示予告での演出態様を遊技者が認識可能に示す演出を行うことで、あるいは保留表示予告を継続して行うことで、期待度昇格演出にて変更(昇格)される前の演出態様を報知してもよい。
先読み予告として実行される図柄停止予告やステップアップ予告、保留表示予告のそれぞれにおける演出態様(演出内容)に対応して予め用意された複数の演出パターン(予告パターン)は、可変表示中予告として実行されるメッセージ予告やステップアップ予告、リーチ成立時予告の演出パターンと同様に、予め設定された複数の予告カテゴリ(予告演出分類)のうちのいずれかに含まれてもよい。また、先読み予告として実行される図柄停止予告やステップアップ予告、保留表示予告により示唆される大当り期待度は、可変表示中予告と同様に複数段階に区分けしたものであればよい。第1タイミングや第2タイミングといった複数のタイミングにて実行可能な示唆演出により示唆される大当り期待度の設定も、可変表示中予告と同様の設定であればよい。なお、複数の先読み予告を実行可能な複数のタイミングは、予告対象となる可変表示より前に実行される複数回の可変表示にわたって設定されたものでもよいし、複数の先読み予告が1回の可変表示中に所定の順番に従って実行される場合に、その1回の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでに設定されたものでもよい。
リーチ演出や再変動演出、予告演出といった複数の示唆演出が実行される場合に、全部の示唆演出について、期待度昇格演出により演出態様が変更されるか否かを報知してもよい。一方、複数の示唆演出が実行される場合に、一部の示唆演出についてのみ、期待度昇格演出により演出態様が変更されるか否かを報知してもよい。複数の示唆演出のうちで既に実行された示唆演出についてのみ、期待度昇格演出により演出態様が変更されるか否かを報知してもよい。一方、複数の示唆演出のうちで実行されなかった示唆演出についても、期待度昇格演出により所定の演出態様となるか否かを報知してもよい。期待度昇格演出により演出態様が変更されるか否かの報知などを行う示唆演出の数は、「昇格演出総数」ともいう。
昇格演出総数は、期待度昇格演出の実行開始タイミングである特定タイミングが、複数のタイミングTM01〜TM03のうちいずれとなるかに応じて、異なる演出数に決定されてもよいし、異なる決定割合で決定されてもよい。一例として、ノーマルのリーチ演出が開始された後のタイミングTM01にて期待度昇格演出の実行が開始される場合には、昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)となり、図柄停止予告(先読み予告ありの場合)、再変動演出、メッセージ予告、ステップアップ予告の演出態様が変更されるか否かを、期待度昇格演出により報知する。一方、発展演出が開始された後のタイミングTM02やスーパーAのリーチ演出が開始された後のタイミングTM03にて期待度昇格演出の実行が開始される場合には、タイミングTM01の場合と同様に昇格演出総数が「3」や「4」になることもあれば、タイミングTM01の場合とは異なり昇格演出総数が「5」(先読み予告なしの場合)や「6」(先読み予告ありの場合)になることもある。昇格演出総数が「5」や「6」の場合には、図柄停止予告(先読み予告ありの場合)、再変動演出、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出といった、この実施の形態における示唆演出の全部について、演出態様が変更されるか否かを、期待度昇格演出により報知する。
特定タイミングに決定可能な複数のタイミングTM01〜TM03のうち、比較的に遅いタイミングにて期待度昇格演出の実行が開始されるときには、比較的に早いタイミングにて期待度昇格演出の実行が開始されるときよりも、より多くの示唆演出について演出態様が変更されるか否かを報知する割合が高くなればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型を構成する可動部材など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予告パターンの決定結果に応じて実行される単一または複数の予告演出のそれぞれについて、演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図21(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図21(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型に含まれる可動部材における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図21(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図21(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、予告パターンの決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型に含まれる可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出を実行可能な変動パターンが指定されたことに基づいて、期待度昇格演出が実行される場合がある。そして、期待度昇格演出の実行が開始される特定タイミングは、タイミングTM01〜TM03といった複数のタイミングのいずれかに決定される。こうした期待度昇格演出の有無や、特定タイミングの設定に対応して、期待度昇格演出を実行可能な変動パターンごとに、複数の演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)を予め用意しておけばよい。
図22は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が3回であり、スーパーBのリーチ演出まで実行される変動パターンPA3−8、PA5−8に対応して、期待度昇格演出の有無や特定タイミングに応じた演出制御パターンの設定例を示している。この設定例では、変動パターンPA3−8や変動パターンPA5−8が変動パターン指定コマンドにより指定された場合に、期待度昇格演出の有無や特定タイミングの決定結果に応じて、異なる演出制御パターンを決定することができる。したがって、期待度昇格演出を実行せずに3回の擬似連変動を実行する場合や、1回分の擬似連変動を期待度昇格演出に置換して実行する場合(特定タイミングがタイミングTM01〜TM03のいずれかとなる場合)のそれぞれに対応して、各種の演出動作を制御することができる。
図22では、変動パターンPA3−8と変動パターンPA5−8について、演出制御パターンの設定例を示しているが、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出を実行可能な他の変動パターンについても同様に、期待度昇格演出の有無や、特定タイミングの設定に対応して、複数の演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)を予め用意すればよい。こうして、この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出を伴う変動パターンに決定されたことに基づいて、期待度昇格演出を実行することができる。なお、ノーマルのリーチ演出を含めた任意のリーチ演出を伴う変動パターンに基づいて期待度昇格演出を実行可能にするものに限定されず、例えば「擬似連」の可変表示演出とスーパーリーチ(スーパーAまたはスーパーB)のリーチ演出を伴う特定の変動パターンに決定されたときに限り、期待度昇格演出が実行可能になるようにしてもよい。あるいは、「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンであれば、リーチ演出を伴わない非リーチ変動パターンであっても、期待度昇格演出が実行可能になるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図23(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図23(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図23(B1)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと、図23(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bとを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2特図保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞(第1始動入賞)があったときには、第1保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞口への始動入賞(第2始動入賞)があったときには、第2保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)を対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンド(第2保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)を対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信したコマンドを、その受信順序に従って第1始動入賞時コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの空き領域に格納していく。例えば、第1始動入賞に基づく第1保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第1保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。一方、第2始動入賞に基づく第2保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第2保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。
第1始動入賞や第2始動入賞の発生時には、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図23(B1)および(B2)に示すようなバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図23(B1)ではバッファ番号「1」および「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納され、図23(B2)ではバッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図23(B1)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、バッファ番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図23(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのうち、バッファ番号「3」に対応した領域については、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。すなわち、第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数よりもバッファ番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第2特図保留記憶数が第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容から特定される第2特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりもバッファ番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における相違は矛盾(不整合)となり得る。
例えば第1始動入賞や第2始動入賞の発生時には、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納される始動入賞時のコマンド(入賞時判定結果指定コマンドなど)に基づいて、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かの判定や、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出が実行される特定の変動パターンとなる可変表示が保留記憶されているか否かの判定が行われる。こうした判定結果に応じた所定割合で、先読み予告を実行するか否かが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、先読み予告が実行されないように制限してもよい。あるいは、コマンド受信の異常発生に応じた設定に基づいて、先読み予告を実行するか否かや、先読み予告の演出態様が決定されてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5の画面上における表示動作の制御処理を実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサ(画像処理プロセッサ)であってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやコントローラセンサユニット35Aまたはプッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図24のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図24に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理として、図24に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図26は、始動入賞判定処理として、図25のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図24に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。続いて、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
なお、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいてステップS212の入賞時乱数値判定処理が実行されないように制限してもよい。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高ベース状態や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。また、第1始動入賞の発生時に高ベース状態や大当り遊技状態であることを示す入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に送信するための設定を行うことで、先読み予告が実行されないように制限してもよい。
図27は、入賞時乱数値判定処理として、図26のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図25のステップS110、図29)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。また、後述する変動パターン設定処理(図25のステップS111、図30)により、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出を伴う所定表示態様となる可変表示が実行されるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図27に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であると特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図26のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、図26のステップS209にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データが所定の非リーチ擬似連なし範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS404)。図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bの設定では、乱数値MR3が「1」〜「120」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、「擬似連」の可変表示演出を実行しない非リーチ変動パターンだけが含まれる変動パターン種別に決定される。また、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cの設定では、乱数値MR3が「1」〜「149」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、「擬似連」の可変表示演出を実行しない非リーチ変動パターンだけが含まれる変動パターン種別に決定される。ステップS404の処理では、こうした時短制御の有無に応じて変化する非リーチ擬似連なし範囲を設定して、乱数値MR3がこの範囲内に含まれるか否かを判定すればよい。なお、現在の遊技状態にかかわらず、例えば「1」〜「120」の範囲といった、一定の非リーチ擬似連なし範囲を設定してもよい。
ステップS404にて非リーチ擬似連なし範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、入賞時第1判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS405)、入賞時乱数値判定処理を終了する。図28に示すように、入賞時第1判定結果指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」であることと、非リーチ擬似連なしであることに対応した非リーチハズレ時擬似連なし共通範囲内を通知するための入賞時判定結果指定コマンドである。
ステップS404にて非リーチ擬似連なし範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、乱数値MR3を示す数値データが所定のリーチ擬似連あり範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS406)。図6に示すように、変動パターン種別CA2−2と変動パターン種別CA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、「擬似連」の可変表示演出が実行されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンを含むように分類されている。図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bの設定では、乱数値MR3が「220」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別CA2−2と変動パターン種別CA2−3のいずれかに決定される。また、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cの設定でも、乱数値MR3が「220」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別CA2−2と変動パターン種別CA2−3のいずれかに決定される。ステップS406の処理では、こうした時短制御の有無にかかわらず一定のリーチ擬似連あり範囲を設定して、乱数値MR3がこの範囲内に含まれるか否かを判定すればよい。なお、時短制御の有無に応じて変動パターン種別CA2−2と変動パターン種別CA2−3のいずれかに決定される乱数値MR3の範囲が変化する場合などでは、現在の遊技状態に応じて異なるリーチ擬似連あり範囲を設定してもよい。
ステップS406にてリーチ擬似連あり範囲内であると判定された場合には(ステップS406;Yes)、入賞時第2判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS407)、入賞時乱数値判定処理を終了する。図28に示すように、入賞時第2判定結果指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」であることと、リーチ擬似連ありであることに対応したリーチハズレ擬似連あり共通範囲内を通知するための入賞時判定結果指定コマンドである。
ステップS406にてリーチ擬似連あり範囲内ではないと判定された場合には(ステップS406;No)、入賞時第3判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。図28に示すように、入賞時第3判定結果指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」であることと、非リーチ擬似連なし範囲やリーチ擬似連あり範囲といった共通範囲内ではないことに対応したハズレ時共通範囲外を通知するための入賞時判定結果指定コマンドである。
ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、乱数値MR3を示す数値データが所定の大当り擬似連あり範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS409)。図6に示すように、変動パターン種別CA3−2と変動パターン種別CA3−3は、可変表示結果が「大当り」となる場合に、「擬似連」の可変表示演出が実行されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンを含むように分類されている。図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aの設定では、乱数値MR3が「100」〜「251」のいずれかであれば、現在の遊技状態や大当り種別、合計保留記憶数などにかかわらず、変動パターン種別CA3−2と変動パターン種別CA3−3のいずれかに決定される。ステップS409の処理では、こうした大当り擬似連あり範囲を設定して、乱数値MR3がこの範囲内に含まれるか否かを判定すればよい。
ステップS409にて乱数値MR3が大当り擬似連あり範囲内であると判定された場合には(ステップS409;Yes)、入賞時第4判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS410)、入賞時乱数値判定処理を終了する。図28に示すように、入賞時第4判定結果指定コマンドは、可変表示結果が「大当り」であることと、「擬似連」の可変表示演出が実行されることに対応した大当り時擬似連共通範囲内を通知するための入賞時判定結果指定コマンドである。
ステップS409にて乱数値MR3が大当り擬似連あり範囲内ではないと判定された場合には(ステップS409;No)、入賞時第5判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS411)、入賞時乱数値判定処理を終了する。図28に示すように、入賞時第5判定結果指定コマンドは、可変表示結果が「大当り」であることと、大当り擬似連あり範囲といった共通範囲内ではないことに対応した大当り時擬似連共通範囲外を通知するための入賞時判定結果指定コマンドである。
図26に示す始動入賞判定処理や図27に示す入賞時乱数値判定処理では、図26におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図27に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図27に示すステップS405、S407、S408、S410、S411の処理が実行される。これらの処理が実行されてから、図24に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)および入賞時判定結果指定コマンド(入賞時第1〜第5判定結果指定コマンドのいずれか)という2つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込ごとにステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出を実行可能な変動パターンが指定された場合に、1回分の擬似連変動が実行される所要時間を利用して、期待度昇格演出を実行可能にする。そこで、図27に示す入賞時乱数値判定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されることに対応した乱数値MR3の共通範囲の範囲内であるか否かを判定することにより、期待度昇格演出が実行可能な変動パターンに決定されるか否かを、可変表示が開始されるよりも前に予め識別する。一方、1回分の擬似連変動が実行される所要時間に代えて、例えばノーマルリーチやスーパーリーチといったリーチ演出が実行される所要時間を利用して期待度昇格演出を実行可能にしてもよい。この場合には、始動入賞の発生に基づいて抽出された乱数値MR3を示す数値データなどを用いて、所定のリーチ演出が実行される乱数値MR3の共通範囲の範囲内であるか否かを判定することで、期待度昇格演出が実行可能な変動パターンに決定されるか否かを予め識別してもよい。また、ノーマルリーチとスーパーリーチのうちいずれのリーチ演出が実行されるかを予め判定し、その判定結果に応じた所定割合で先読み予告の有無や演出態様を決定してもよい。
図25のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄またはハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理やステップS113の特別図柄停止処理により、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bを用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が実行され、可変表示結果となる確定特別図柄(最終停止図柄)が導出される。すなわち、特別図柄変動処理や特別図柄停止処理は、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理における決定結果や設定内容に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を行い、表示結果を導出表示させるための処理を含んでいる。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定すればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図29は、特別図柄通常処理として、図25のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」または「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態であるか否かを特定すればよい。確変フラグは、確変制御が行われる確変状態に制御されるときにオン状態にセットされる。一方、確変状態が終了するときには、確変フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが「非確変」または「確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「確変」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではない判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」または「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図30は、変動パターン設定処理として、図25のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS264;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、ステップS267の処理では、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS267の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図31は、図25のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図25に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。
ステップS323にて大当り種別が「確変」であり「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS323;No)、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた時短フラグをオン状態にセットする。また、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を時短回数カウンタに設定すればよい。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。
ステップS325の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理の実行を終了させる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図32のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図32に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図33は、コマンド解析処理として、図32のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図33に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。このとき、第1保留記憶数通知コマンドではないと判定された場合には(ステップS502;No)、受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS503)。第2保留記憶数通知コマンドではないと判定された場合には(ステップS503;No)、入賞時判定結果指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。
ステップS502にて第1保留記憶数通知コマンドであると判定された場合や(ステップS502;Yes)、ステップS503にて第2保留記憶数通知コマンドであると判定された場合(ステップS503;Yes)、あるいは、ステップS504にて入賞時判定結果指定コマンドであると判定された場合には(ステップS504;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bといった始動入賞時コマンドバッファのいずれかにおいて、空き領域の先頭に受信コマンドを格納してから(ステップS505)、ステップS501の処理に戻る。
一例として、第1保留記憶数通知コマンドとともに入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aにおける空き領域のうちで、バッファ番号が最も小さい格納領域に、第1保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。一方、第2保留記憶数通知コマンドとともに入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおける空き領域のうちで、バッファ番号が最も小さい格納領域に、第2保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS504にて受信コマンドが入賞時判定結果指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS504;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS505)、ステップS501の処理に戻る。
保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留通知情報ともいう。保留通知情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを特定可能に示す始動口入賞指定コマンドを設けてもよい。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1や乱数値MR3を示す数値データの抽出値に基づく判定結果を指定する演出制御コマンドである入賞時判定結果指定コマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、入賞時判定結果指定コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に入賞時判定結果指定コマンドを受信できた場合には、保留記憶数通知コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている保留記憶数通知コマンドと対応付けて、受信した入賞時判定結果指定コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、保留記憶数通知コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した入賞時判定結果指定コマンドを格納すればよい。
図34は、演出制御プロセス処理として、図32のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告となる予告演出を実行するか否かを決定する先読み予告実行決定処理を実行する(ステップS161)。図35は、図34のステップS161にて実行される先読み予告実行決定処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す先読み予告実行決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS701)。
ステップS701の処理に続いて、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS702)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに少なくとも保留記憶数通知コマンドまたは入賞時判定結果指定コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより、受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS702;No)、先読み予告実行決定処理を終了する。
ステップS702にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS702;Yes)、既に先読み予告を実行中であるか否かを判定する(ステップS703)。例えば、ステップS703の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み予告フラグがオンであるときに、先読み予告を実行中であると判定すればよい。先読み予告フラグは、複数種類の先読み予告のうち、いずれかが実行されるときにオン状態にセットされる。なお、複数種類の先読み予告にそれぞれ対応して、複数の先読み予告フラグを設けてもよい。また、例えば保留表示予告のように、重複して実行可能な先読み予告については、先読み予告フラグを設けなくてもよい。ステップS703にて先読み予告を実行中であると判定された場合には(ステップS703;Yes)、先読み予告実行決定処理を終了する。
この実施の形態では、既に先読み予告演出を実行中であるときには、さらに先読み予告演出を実行するための処理が行われないようにして、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。一方、可変表示態様が「非リーチ」に決定される旨の入賞時判定結果に基づき先読み予告演出が実行されているときに、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の入賞時判定結果やスーパーリーチを伴う変動パターンに決定される旨の入賞時判定結果が得られたときには、実行中の先読み予告演出からスーパーリーチや大当りの予告演出へと切り替えてもよい。また、例えば保留表示予告のように、他の予告演出と重複して実行可能な先読み予告が実行中であるときには、さらに先読み予告を実行可能にしてもよい。あるいは、既に実行されている先読み予告の演出態様にかかわらず、さらに先読み予告を実行可能にしてもよい。
ステップS703にて先読み予告を実行中ではないと判定された場合には(ステップS703;No)、先読み予告の実行が制限される先読み予告制限があるか否かを判定する(ステップS704)。一例として、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく先読み予告を実行しないように、先読み予告制限を設定してもよい。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて先読み予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して先読み予告演出を実行すると、可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。そこで、高ベース状態であるときには第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出の実行を制限することにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。大当り遊技状態であるときにも、同様の先読み予告制限を設定してもよい。
また、ステップS704の処理では、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が所定数未満(例えば「2」未満など)である場合に、先読み予告を実行しないように先読み予告制限を設定してもよい。特図保留記憶数が「1」であるときには、予告対象となる可変表示の他に保留記憶されている可変表示がない。したがって、図柄停止予告などの先読み予告を予告対象となる可変表示が実行されるより前に実行できないことから、先読み予告を実行しないように制限すればよい。なお、例えば保留表示予告のように、始動入賞が発生すれば直ちに実行を開始できる先読み予告については、特図保留記憶数による先読み予告制限を設けないようにしてもよい。
ステップS704にて先読み予告制限ありと判定された場合には(ステップS704;Yes)、先読み予告実行決定処理を終了する。一方、先読み予告制限なしと判定された場合には(ステップS704;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS705)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS706)。ステップS706の処理では、例えば保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおけるバッファ番号「3」の格納領域に、第2特図保留記憶数が「1」であることを通知する第2保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶状態から特定される第2特図保留記憶数と、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS706にて正常に受信できなかったと判定された場合には(ステップS706;No)、先読み予告実行決定処理を終了する。一方、正常に受信できたと判定された場合には(ステップS706;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されている前回までの入賞時判定結果指定コマンドをチェックして(ステップS707)、先読み予告を実行可能な入賞時判定結果であるか否かを判定する(ステップS708)。例えば、ステップS707の処理では、最新の入賞時判定結果指定コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を読み取る。ステップS708の処理では、ステップS707における読取結果により、予告対象となる可変表示より前に可変表示結果が「大当り」となるものが含まれている場合には、先読み予告を実行不可能であると判定すればよい。あるいは、予告対象となる可変表示より前に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる入賞時判定結果が含まれている場合に、先読み予告を実行不可能であると判定してもよい。すなわち、最新の入賞時判定結果指定コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果がすべて、非リーチハズレ時擬似連なし共通範囲内に対応した入賞時第1判定結果であるときに、先読み予告を実行可能であると判定してもよい。なお、例えば保留表示予告のように、リーチ演出が実行されても演出の連続性が損なわれない先読み予告については、入賞時判定結果にかかわらず、先読み予告を実行可能と判定してもよい。
ステップS708にて先読み予告を実行不可能であると判定された場合には(ステップS708;No)、先読み予告実行決定処理を終了する。一方、先読み予告を実行可能であると判定された場合には(ステップS708;Yes)、先読み予告を実行するか否かという先読み予告の有無を決定する(ステップS709)。一例として、ステップS709の処理では、先読み予告の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告実行決定テーブルを選択してセットする。先読み予告実行決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された入賞時判定結果指定コマンドの指定内容などに応じて、先読み予告実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告実行決定テーブルを参照することにより、先読み予告の有無を決定すればよい。
図36は、ステップS709の処理における先読み予告の有無の決定例を示している。この決定例では、入賞時判定結果や特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)に応じて、先読み予告の有無が決定される割合を異ならせている。具体的な一例として、入賞時判定結果が「非リーチハズレ時擬似連なし」や「上記以外のハズレ」であれば、先読み予告を実行しない「予告なし」に決定される割合が「予告あり」に決定される割合よりも十分に高く、また、特図保留記憶数が多くなるに従って「予告なし」に決定される割合が高くなる。一方、入賞時判定結果が「リーチハズレ時擬似連」や「上記以外の大当り」であれば、「予告あり」に決定される割合が「予告なし」に決定される割合よりも十分に高い。さらに、入賞時判定結果が「大当り時擬似連」であれば、常に「予告あり」に決定される。また、「上記以外の大当り」であれば、特図保留記憶数が多くなるに従って「予告あり」に決定される割合が高くなる。こうした設定により、先読み予告が実行されたときに、「擬似連」の可変表示演出やリーチ演出が実行される可能性が高められる。また、先読み予告の実行回数が増加するに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が増大し、遊技者の期待感を高めることができる。
図35に示すステップS709の処理による決定に基づいて、先読み予告を実行しない「予告なし」であるか否かを判定する(ステップS710)。このとき、「予告なし」であれば(ステップS710;Yes)、先読み予告実行決定処理を終了する。一方、先読み予告を実行する「予告あり」の場合には(ステップS710;No)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた先読み予告フラグをオン状態にセットする(ステップS711)。また、先読み予告の総実行回数を設定する(ステップS712)。
ステップS712の処理では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるか否かに応じた総実行回数の設定が行われればよい。例えば、第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームであるかにかかわらず、始動入賞が発生した順に特図ゲームが実行される場合には、合計保留記憶数から予告対象となる可変表示に対応して「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告の総実行回数として設定すればよい。一方、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、予告対象となる可変表示が第2特図を用いた特図ゲームに対応して行われるのであれば、第2特図保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告の総実行回数として設定すればよい。この場合に、予告対象となる可変表示が第1特図を用いた特図ゲームに対応して行われるのであれば、合計保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告の総実行回数として設定すればよい。なお、予告対象となる可変表示においても先読み予告を実行する場合には、それぞれの保留記憶数から「1」を差し引くことなく、先読み予告の総実行回数として設定すればよい。
ステップS712の処理を実行した後には、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた先読み予告カウンタのカウント初期値として「0」を設定する(ステップS713)。そして、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた予告対象判定結果バッファに、予告対象となる可変表示の入賞時判定結果を示すデータを記憶させてから(ステップS714)、先読み予告実行決定処理を終了する。
図35に示す先読み予告実行決定処理では、ステップS709の処理により先読み予告を実行するか否かが決定され、実行すると決定された場合に、ステップS711〜S714の処理を実行して、先読み予告を実行するための設定が行われる。ただし、図柄停止予告やステップアップ予告といった先読み予告については、この時点で実行が開始されるものではなく、可変表示の開始に対応して実行される先読み予告演出設定処理(図37のステップS521)に基づいて、それぞれの先読み予告の実行を開始するための設定が行われる。これに対して、先読み予告として保留表示予告が実行される場合には、始動入賞が発生した時点で、特図保留記憶数を示す表示が更新されることに伴い、保留表示予告の実行が開始されてもよい。例えば、ステップS709の処理により先読み予告を実行することが決定されたときに、保留表示予告の演出態様に応じた予告パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定する。このときには、例えば予告対象の可変表示結果が「大当り」となるか否かや、その他の入賞時判定結果などに応じて異なる割合で、複数の予告パターンのいずれかに決定されればよい。そして、決定された予告パターンに対応する表示態様で始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位の表示を更新することにより、保留表示予告の実行が開始されればよい。
先読み予告の有無を決定する割合は、図36に示すようなものに限定されず、主基板11から伝送された入賞時判定結果指定コマンドの指定内容に応じた所定割合で先読み予告の有無などを決定することができればよい。例えば、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるか否かに応じて異なる割合に設定してもよい。あるいは、ノーマルリーチやスーパーリーチといったリーチ演出のうちいずれのリーチ演出が実行されるかに応じて異なる割合に設定してもよい。すなわち、特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となるか否かなどを、始動入賞の発生時に予測した結果に基づく所定割合で、先読み予告を実行するか否かを決定できればよい。
図34に示すステップS161にて先読み予告実行決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図37は、図34のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出設定処理を実行する(ステップS521)。図38は、図37のステップS521にて実行される先読み予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図38に示す先読み予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS721)。このとき、先読み予告フラグがオフであれば(ステップS721;No)、先読み予告が実行されないことから、そのまま先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告フラグがオンであるときには(ステップS721;Yes)、先読み予告カウンタの格納値である先読み予告カウント値を1加算するように更新する(ステップS722)。そして、更新後の先読み予告カウント値が「1」であるか否かを判定する(ステップS723)。
始動入賞の発生に基づいて先読み予告を実行することが決定されたときには、図35に示すステップS713の処理により、先読み予告カウンタのカウント初期値として「0」が設定される。その後、可変表示の開始に対応してステップS722の処理が実行されることにより、先読み予告カウント値が「1」に更新されたときには、始動入賞時の決定に基づく初回の先読み予告が実行されることになる。一方、先読み予告カウント値が「1」以外の値に更新されたときには、既に先読み予告の実行が開始されており、前回の可変表示でも先読み予告が実行されたことを示している。そこで、先読み予告カウント値が「1」以外である場合には(ステップS723;No)、前回の予告演出内容を読み出す(ステップS724)。
ステップS723にて先読み予告カウント値が「1」であると判定された場合や(ステップS723)、ステップS724の処理を実行した後には、例えば予告対象判定結果バッファの記憶データといった、予告対象となる可変表示の入賞時判定結果を示すデータを読み出す(ステップS725)。そして、今回の可変表示における図柄停止予告を決定する(ステップS726)。図39(A)および(B)は、ステップS726の処理における図柄停止予告の決定例を示している。
図39(A)に示すように、先読み予告カウント値が「1」の場合には、ステップS725の処理により読み出した入賞時判定結果に応じた所定割合で、図柄停止予告の演出内容が決定される。一方、図39(B)に示すように、先読み予告カウント値が「2」以上の場合には、入賞時判定結果だけでなく、前回の演出内容にも応じた所定割合で、図柄停止予告の演出内容が決定される。こうした設定により、今回の可変表示で実行される図柄停止予告の大当り期待度は、前回の可変表示で実行された図柄停止予告の大当り期待度よりも低くなることがないように、その演出内容を決定することができる。なお、今回の図柄停止予告の大当り期待度が、前回の図柄停止予告の大当り期待度よりも低くなりにくいように、その演出内容が決定されてもよい。
図39(A)に示す決定例では、入賞時判定結果が「上記以外の大当り」である場合に、図柄停止予告ZU2に決定される割合が十分に高く、図柄停止予告ZU1に決定される割合が十分に高い。その他の入賞時判定結果である場合には、図柄停止予告ZU1に決定される割合が十分に高く、図柄停止予告ZU2に決定される割合が十分に低い。こうした設定により、図柄停止予告ZU2となった場合には、図柄停止予告ZU1の場合よりも大当り期待度が高められる。
図39(A)および(B)に示す決定例では、入賞時判定結果が「リーチハズレ時擬似連」または「大当り時擬似連」である場合に、大当り期待度の低い図柄停止予告ZU1にのみ決定されるように設定されている。こうした設定により、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出が実行可能な変動パターンに決定されて期待度昇格演出が実行される可能性がある場合に、示唆演出となる先読み予告の演出内容として大当り期待度の高い演出内容が決定されることを抑制して、期待度昇格演出で先読み予告の演出態様を大当り期待度がより高い演出態様に変更しやすくすることができる。
図柄停止予告では星型記号を含むカード図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示されるところ、カード図柄に含まれる星型記号の個数は、先読み予告カウント値と同数になるように設定されればよい。これにより、カード図柄に含まれる星型記号の個数は、図柄停止予告が実行されるごとに、1ずつ増加するように設定することができる。
図38に示すステップS726の処理により図柄停止予告を決定した後には、今回の可変表示における先読み予告としてのステップアップ予告を決定する(ステップS727)。図40(A)および(B)は、ステップS727の処理におけるステップアップ予告の決定例を示している。
図40(A)に示すように、先読み予告カウント値が「1」の場合には、ステップS725の処理により読み出した入賞時判定結果に応じた所定割合で、ステップアップ予告の演出内容が決定される。一方、図40(B)に示すように、先読み予告カウント値が「2」以上の場合には、入賞時判定結果だけでなく、前回の演出内容にも応じた所定割合で、ステップアップ予告の演出内容が決定される。こうした設定により、今回の可変表示で実行されるステップアップ予告の大当り期待度は、前回の可変表示で実行されたステップアップ予告の大当り期待度よりも低くなることがないように、その演出内容を決定することができる。なお、今回のステップアップ予告の大当り期待度が、前回のステップアップ予告の大当り期待度よりも低くなりにくいように、その演出内容が決定されてもよい。
図40(A)および(B)に示す決定例では、入賞時判定結果が「上記以外の大当り」である場合に、先読み予告の実行回数が増加するに従ってステップアップ予告SU2やステップアップ予告SU3に決定される割合が高くなりやすい。その他の入賞時判定結果である場合には、ステップアップ予告を実行しない「予告なし」またはステップアップ予告SU1に決定されやすく、ステップアップ予告SU2やステップアップ予告SU3に決定される割合は高くない。こうした設定により、ステップアップ予告SU2やステップアップ予告SU3となった場合には、ステップアップ予告が実行されない場合やステップアップ予告SU1の場合よりも大当り期待度が高められる。また、先読み予告が実行されるごとにステップアップ予告において演出態様が変化する段階数(ステップ数)が増加する場合には、増加しない場合よりも大当り期待度が高められる。
図40(A)および(B)に示す決定例では、入賞時判定結果が「リーチハズレ時擬似連」または「大当り時擬似連」である場合に、ステップアップ予告を実行しない「予告なし」またはステップアップ予告SU1、SU2のいずれかに決定されるように設定されている。こうした設定により、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出が実行可能な変動パターンに決定されて期待度昇格演出が実行される可能性がある場合に、示唆演出となる先読み予告の演出内容として大当り期待度の高い演出内容が決定されることを抑制して、期待度昇格演出で先読み予告の演出態様を大当り期待度がより高い演出態様に変更しやすくすることができる。
図38に示すステップS727の処理によりステップアップ予告を決定した後には、ステップS726、S727の処理により決定された今回の可変表示における先読み予告の演出内容を記憶させる(ステップS728)。例えば、演出制御バッファ設定部193などに設けられた前回予告バッファに、演出内容の決定結果を特定可能に示すデータを記憶させればよい。その後、先読み予告カウント値が先読み予告の総実行回数に達したか否かを判定する(ステップS729)。
ステップS729にて総実行回数に達していないと判定された場合には(ステップS729;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、総実行回数に達したと判定された場合には(ステップS729;Yes)、先読み予告の実行設定を初期化するための処理を実行する。すなわち、先読み予告フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS730)、先読み予告の総実行回数を消去する(ステップS731)。そして、先読み予告カウンタをクリアしてから(ステップS732)、先読み予告演出設定処理を終了する。
図39および図40に示す決定例では、先読み予告が実行される場合に、少なくとも図柄停止予告は実行することができるように、決定割合が設定されている。一方、ステップアップ予告は、先読み予告として実行されることもあれば、実行されないこともあるように、決定割合が設定されている。このように、図柄停止予告やステップアップ予告といった、複数種類の先読み予告が実行可能な場合に、少なくとも1種類の先読み予告は実行することができるように、決定割合が設定されていればよい。なお、1種類の先読み予告が実行される場合に、他の種類の先読み予告が重複して実行されることがないように、決定割合が設定されてもよい。特定の先読み予告が実行される場合にのみ、他の種類の先読み予告が重複して実行されることがないように、決定割合が設定されてもよい。
図38に示す先読み予告演出設定処理では、ステップS722の処理により予告カウント値を更新するごとに、ステップS726、S727の処理により今回の可変表示にて実行する図柄停止予告やステップアップ予告の演出内容を決定する。したがって、複数回の可変表示にわたり先読み予告としての図柄停止予告やステップアップ予告が実行される場合には、各回の可変表示が開始されることに対応して、それぞれの演出内容が順次に決定される。これに対して、複数回の可変表示にわたり実行される図柄停止予告やステップアップ予告の演出内容を、一括して決定するようにしてもよい。例えば、先読み予告を実行する可変表示の回数ごとに、図柄停止予告やステップアップ予告といった各種の先読み予告について、複数回の可変表示にわたる演出内容の組合せパターンを予め複数パターン用意しておき、所定割合でいずれかの組合せパターンを使用パターンに決定すればよい。
図37に示すステップS521にて先読み予告演出設定処理を実行した後には、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS522;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、図柄停止予告が実行される場合に対応して、ステップS524の処理では、例えば図38に示すステップS726の処理により決定されたカード図柄を含む非リーチ組合せの確定飾り図柄が設定されればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。一例として、ステップS526の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS525、S526の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中演出決定処理を実行する(ステップS529)。可変表示中演出決定処理は、「擬似連」などの可変表示演出や可変表示中予告となる予告演出が実行される場合に対応して、各種の演出態様を決定するための処理を含んでいる。また、可変表示中演出決定処理は、期待度昇格演出を実行するか否かや期待度昇格演出を実行する場合の特定タイミングを決定するための処理などを含んでいる。
ステップS529にて可変表示中演出決定処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS530)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、期待度昇格演出の有無、期待度昇格演出の実行が開始される特定タイミングなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、各種の予告演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS530の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
図41は、図37のステップS529にて実行される可変表示中演出決定処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す可変表示中演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定する(ステップS601)。続いて、特定した変動パターンに対応して、「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出がともに実行されるか否かを判定する(ステップS602)。
ステップS602にて「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出がともに実行されると判定した場合には(ステップS602;Yes)、期待度昇格演出を実行するか否かという期待度昇格演出の有無と、実行する場合における特定タイミング(期待度昇格演出の実行を開始するタイミング)とを決定する(ステップS603)。一例として、ステップS603の処理では、予め用意された期待度昇格演出実行決定テーブルを選択し、期待度昇格演出の有無や特定タイミングを決定するための使用テーブルに設定する。期待度昇格演出実行決定テーブルでは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに応じて、期待度昇格演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、期待度昇格演出を実行しない場合に対応する「昇格演出なし」の決定結果や、期待度昇格演出を実行する場合における実行開始が可能な複数のタイミングTM01〜TM03などに、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した期待度昇格演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、期待度昇格演出実行決定テーブルを参照することにより、期待度昇格演出の有無や特定タイミングを決定すればよい。
図42(A)は、ステップS603の処理における決定例を示している。この決定例では、変動パターンに応じて、期待度昇格演出の有無や期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングの決定割合を異ならせている。より具体的に、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のリーチ変動パターンである変動パターンPB2−1、PB2−2、PA3−1〜PA3−4、PA3−6〜PA3−8のいずれかであるときに比べて、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り変動パターンである変動パターンPB4−1、PB4−2、PA5−1〜PA5−4、PA5−6〜PA5−8のいずれかであるときには、期待度昇格演出を実行しない「昇格演出なし」に決定される割合が大幅に低くなっている。したがって、期待度昇格演出が実行されたときには、実行されないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高められる。
変動パターンPB2−1、PB2−2、PB4−1、PB4−2では、ノーマルのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。そのため、発展演出や、スーパーAあるいはスーパーBのリーチ演出が実行されない。したがって、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングとしては、ノーマルのリーチ演出が開始された後のタイミングTM01だけに決定できるように、決定割合が設定されている。
変動パターンPA3−2〜PA3−4、PA5−2〜PA5−4では、期待度昇格演出が実行されない場合に、ノーマルのリーチ演出と発展演出が実行された後、スーパーAのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。そのため、スーパーAのリーチ演出が開始された後のタイミングTM03で期待度昇格演出の実行を開始してしまうと、可変表示時間が経過するまでに期待度昇格演出の実行を完了できなくなるおそれがある。したがって、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングとしては、ノーマルのリーチ演出が開始された後のタイミングTM01と、発展演出が開始された後のタイミングTM02とのうち、いずれかに決定できるように、決定割合が設定されている。
変動パターンPA3−6〜PA3−8、PA5−6〜PA5−8では、ノーマルのリーチ演出と発展演出が実行された後、スーパーAとスーパーBのリーチ演出が順次に実行されてから可変表示結果が導出される。したがって、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングとしては、ノーマルのリーチ演出が開始された後のタイミングTM01、発展演出が開始された後のタイミングTM02、スーパーAのリーチ演出が開始された後のタイミングTM03のいずれにも決定できるように、決定割合が設定されている。
図41に示すステップS603の処理による決定に基づいて、期待度昇格演出を実行しない「昇格演出なし」であるか否かを判定する(ステップS604)。このとき、「昇格演出なし」以外であれば(ステップS604;No)、昇格演出総数を決定する(ステップS605)。昇格演出総数は、期待度昇格演出において演出態様が変更されるか否かが報知される示唆演出の数である。
ステップS605における処理の一例として、予め用意された昇格演出総数決定テーブルを選択し、昇格演出総数を決定するための使用テーブルに設定する。昇格演出総数決定テーブルでは、期待度昇格演出の実行開始タイミングである特定タイミングの決定結果や、変動パターンに応じて、昇格演出総数決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数種類の昇格演出総数に割り当てられていればよい。この実施の形態では、昇格演出総数が「3」〜「6」のいずれかに決定される。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した昇格演出総数決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、昇格演出総数決定テーブルを参照することにより、昇格演出総数を決定すればよい。
図42(B)は、ステップS605の処理における昇格演出総数の決定例を示している。この決定例では、期待度昇格演出の実行開始タイミングがタイミングTM01であることに対応して、変動パターンにかかわらず、昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)に決定されるように、決定割合が設定されている。したがって、ノーマルのリーチ演出が開始された後のタイミングTM01にて期待度昇格演出の実行が開始される場合には、昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)となる。期待度昇格演出の実行開始タイミングがタイミングTM02である場合のうち、変動パターンPA3−2〜PA3−4、PA5−2〜PA5−4のいずれかであるときには、昇格演出総数が「3」〜「6」のいずれかに決定されるように、決定割合が設定されている。一方、タイミングTM02である場合のうち、変動パターンPA3−6〜PA3−8、PA5−6〜PA5−8のいずれかであるときには、昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)に決定されるように、決定割合が設定されている。期待度昇格演出の実行開始タイミングがタイミングTM03であることに対応して、いずれの変動パターンでも、昇格演出総数が「3」〜「6」のいずれかに決定されるように、決定割合が設定されている。
図42(B)に示す決定例では、タイミングTM03である場合に、タイミングTM02である場合よりも高い割合で、昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)や「4」(先読み予告ありの場合)よりも多い「5」(先読み予告なしの場合)または「6」(先読み予告ありの場合)に決定されるように、決定割合が設定されている。また、タイミングTM01である場合には、昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)に決定されて「5」(先読み予告なしの場合)または「6」(先読み予告ありの場合)には決定されることがないように、決定割合が設定されている。このような設定により、特定タイミングに決定可能な複数のタイミングTM01〜TM03のうち、比較的に遅いタイミングにて期待度昇格演出の実行が開始されるときには、比較的に早いタイミングにて期待度昇格演出の実行が開始されるときよりも、より多くの示唆演出について演出態様が変更されるか否かを報知する割合を、高くすることができる。
なお、複数のタイミングTM01〜TM03に応じた所定割合で昇格演出総数を決定するものに限定されず、複数のタイミングTM01〜TM03ごとに、昇格演出総数を予め対応付けて設定しておいてもよい。この場合、特定タイミングに決定可能な複数のタイミングTM01〜TM03のうち、比較的に遅いタイミングにて期待度昇格演出の実行が開始されるときには、比較的に早いタイミングにて期待度昇格演出の実行が開始されるときよりも、より多くの示唆演出について演出態様が変更されるか否かを報知するように、タイミングTM01〜TM03と昇格演出総数との対応関係を設定すればよい。
図41に示すステップS605の処理による決定に続いて、期待度昇格演出において昇格後の演出内容として報知される演出態様を決定する(ステップS606)。一例として、ステップS606の処理では、図42(C)に示すように、昇格対象演出や昇格演出総数に応じた演出内容が決定されればよい。昇格対象演出は、期待度昇格演出において演出態様が変更されるか否かが報知される示唆演出である。図42(C)に示す決定例では、それぞれの昇格対象演出について、期待度昇格演出で大当り期待度がより高い演出態様に変更されるように、昇格後の演出内容が決定される。例えば再変動演出は、期待度昇格演出が実行されることにより擬似連変動の実行回数が変動パターンに対応する擬似連回数よりも1回少なくなることから、期待度昇格演出における変更前には、変動パターンに対応する演出態様よりも大当り期待度が低い演出態様になっている。そこで、昇格後の演出内容を変動パターンに対応する演出態様とすることにより、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを報知できる。
図柄停止予告やメッセージ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出は、複数の演出態様のうちで大当り期待度が最も高い演出態様が、昇格後の演出内容として決定される。したがって、期待度昇格演出では、少なくとも大当り期待度がより低い演出態様に変更されることはない。また、ステップアップ予告は、複数の演出態様のうちで大当り期待度が比較的に高いステップアップ予告SU3またはステップアップ予告SU4の演出態様が、昇格後の演出内容として決定される。この場合、期待度昇格演出では、昇格前の演出内容がステップアップSU4の演出態様であり、なおかつ、昇格後の演出内容がステップアップSU3の演出態様であれば、大当り期待度がより低い演出態様に変更されてしまうことがある。しかしながら、その決定割合は極めて低く、それ以外の演出内容であれば、少なくとも大当り期待度がより低い演出態様に変更されることはない。なお、ステップS607の処理における決定内容により、この実施の形態における期待度昇格演出では、可変表示中予告となる予告演出の大当り期待度が常により高い演出態様に変更されることを報知できる。
ステップアップ予告についても、図柄停止予告やメッセージ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出と同様に、複数の演出態様のうちで大当り期待度が最も高い演出態様であるステップアップ予告SU4のみが、昇格後の演出態様として決定されるようにしてもよい。図柄停止予告やメッセージ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出について、複数の演出態様のうちで大当り期待度が最も高い演出態様だけでなく、複数の演出態様のうちで大当り期待度が比較的に高い演出態様も、昇格後の演出態様として決定されることがあってもよい。
変動パターンPA3−2〜PA3−4、PA5−2〜PA5−4では、期待度昇格演出が実行されない場合に、ノーマルのリーチ演出と発展演出が実行された後、スーパーAのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。これらの変動パターンのいずれかであるときに、ステップS603の処理によりタイミングTM02が特定タイミングに決定されるとともに、ステップS605の処理により昇格演出総数が「5」(先読み予告なしの場合)または「6」(先読み予告ありの場合)に決定され、ステップS606の処理により昇格後の演出内容としてスーパーBのリーチ演出が決定される場合がある。この場合には、タイミングTM02にて期待度昇格演出が実行された後に、本来であればスーパーAのリーチ演出が実行されるところを、スーパーBのリーチ演出に差し替えて実行すればよい。あるいは、スーパーAのリーチ演出が実行されてスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの場合には、常に昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)に決定されて、リーチ演出の演出態様がスーパーAのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーBの演出態様に変更されることがないようにしてもよい。あるいは、スーパーAのリーチ演出が実行されてスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの場合に、昇格演出総数が「5」(先読み予告なしの場合)または「6」(先読み予告ありの場合)となったときには、リーチ演出について大当り期待度がより高い演出態様に変更されるか否かの報知を行うものの、スーパーBの演出態様に変更されることは報知されないように制限(昇格失敗)してもよい。あるいは、タイミングTM02が特定タイミングに決定されたときには、常に昇格演出総数が「3」(先読み予告なしの場合)または「4」(先読み予告ありの場合)に決定されてもよい。
なお、変動パターンPA3−6〜PA3−8、PA5−6〜PA5−8のいずれかが指定された場合に、ステップS603の処理により特定タイミングとしてタイミングTM02に決定されたときでも、ステップS605の処理により所定割合で昇格演出総数が「5」(先読み予告なしの場合)または「6」(先読み予告ありの場合)に決定されることがあってもよい。変動パターンPA3−6〜PA3−8、PA5−6〜PA5−8では、期待度昇格演出が実行されない場合に、ノーマル、スーパーA、スーパーBのリーチ演出が順次に実行されてから可変表示結果が導出される。これらの変動パターンのいずれかであるときに、特定タイミングがタイミングTM02で昇格演出総数が「5」(先読み予告なしの場合)または「6」(先読み予告ありの場合)に決定され、昇格後の演出内容としてスーパーBのリーチ演出が決定される場合がある。この場合には、タイミングTM02にて期待度昇格演出が実行された後に、スーパーBのリーチ演出が開始されるまで所定の繋ぎ演出を実行してもよいし、スーパーBのリーチ演出が開始されるまで期待度昇格演出を延長して実行してもよい。
図41のステップS602にて「擬似連」の可変表示演出やリーチ演出が実行されないと判定した場合や(ステップS602;No)、ステップS604にて「昇格演出なし」と判定した場合(ステップS604;Yes)、あるいはステップS606の処理を実行した後には、擬似連変動が実行されない擬似連なし時または擬似連変動が実行される場合の最終変動時の演出内容を決定する(ステップS607)。ステップS607の処理では、メッセージ予告やステップアップ予告、リーチ成立時予告といった可変表示中予告となる予告演出について、実行の有無や演出態様が決定される。
ステップS607における処理の一例として、図43(A)は、期待度昇格演出が実行される期待度昇格演出ありの場合における、予告演出の決定例を示している。図43(A)に示す決定例では、それぞれの予告演出について、期待度昇格演出で大当り期待度がより高い演出態様に変更されるように、期待度昇格演出における変更前(昇格前)の演出内容となるものが決定される。すなわち、図43(A)に示す決定例で決定可能となる予告演出の演出内容はいずれも、ステップS606の処理で決定可能となる図42(C)に示すような予告演出の演出内容よりも、大当り期待度が低いものになっている。これにより、この実施の形態における期待度昇格演出では、予告演出の大当り期待度が常により高い演出態様に変更されることを報知できる。
なお、期待度昇格演出では、予告演出の大当り期待度が常により高い演出態様に変更されるものに限定されず、演出態様の変更が行われない場合があってもよいし、大当り期待度が低い演出態様に変更される場合があってもよい。また、図42(C)と図43(A)に示す決定例のように、ステップS606とステップS607の処理で決定可能な演出内容の全部を予め設定しておくものに限定されず、ステップS606の処理により決定された演出内容に基づいて、ステップS607の処理にて大当り期待度が同一か低い演出内容となるように、昇格前の演出内容として決定可能な演出内容の一部または全部を設定してもよい。
大当り期待度にかかわらず、所定割合で変更前(昇格前)の演出内容となるものを決定可能とし、期待度昇格演出において大当り期待度がより高い演出態様に変更できないような場合には、変更前(昇格前)の演出内容を他の演出内容に差し替えてもよい。あるいは、決定された演出内容での予告演出などを、実行しないように制限してもよい。
示唆演出において大当り期待度に応じて演出態様を異ならせる系統が複数ある場合に、期待度昇格演出における変更後(昇格後)の演出態様として、複数系統のうち1の系統における演出態様を変更する一方で、他の系統における演出態様を変更しないように制限してもよい。一例として、ステップアップ予告の演出態様を異ならせる系統として、ステップ数を増加させることにより大当り期待度を高める系統(第1系統)と、各段階(ステップ)で表示させるキャラクタの表示態様(例えばキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄の一部または全部など)を変化させることにより大当り期待度を高める系統(第2系統)とがあるものとする。この場合、期待度昇格演出では、例えば第2系統といった少なくとも1つの系統におけるステップアップ予告の演出態様を変更できるように、ステップS606、S607の処理にて、変更前(昇格前)と変更後(昇格後)の演出態様が決定されてもよい。こうして、期待度昇格演出では、例えば変更前(昇格前)のステップアップ予告におけるキャラクタの表示柄を通常柄(無地など)とする一方、変更後(昇格後)のステップアップ予告におけるキャラクタの表示柄を特別柄(サクラの花柄など)としてもよい。あるいは、期待度昇格演出により複数系統における演出態様を変更するように、ステップS606、S607の処理にて、変更前(昇格前)と変更後(昇格後)の演出態様が決定されてもよい。すなわち、図41に示すステップS606、S607の処理では、示唆演出において異なる演出態様により大当り期待度を異ならせる複数系統のうち、一部または全部の系統における演出態様を変更するように、変更前(昇格前)と変更後(昇格後)の演出態様が決定されればよい。
この実施の形態では、ステップアップ予告が先読み予告として実行された後に、予告対象の可変表示にて可変表示中予告として実行されることもある。先読み予告としてステップアップ予告が実行された後に、例えば予告対象となる可変表示にて期待度昇格演出が実行される場合には、図43(A)に示すように、先読み予告として実行されたステップアップ予告の演出態様(演出内容)に基づいて、期待度昇格演出における変更前(昇格前)の演出態様(演出内容)となるものが決定される。これにより、変更前(昇格前)の演出内容は、先読み予告として実行されたステップアップ予告の演出内容よりも大当り期待度が低いものになることが防止される。また、期待度昇格演出では、ステップアップ予告の大当り期待度がより高い演出内容に変更されることを報知できる。
図43(B1)および(B2)は、期待度昇格演出が実行されない期待度昇格演出なしの場合における、予告演出の決定例を示している。このうち、図43(B1)は飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならない非リーチ時の決定例を示す一方、図43(B2)はリーチ状態になるリーチ時の決定例を示している。図43(B1)および(B2)に示す決定例では、複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行可能な予告演出の演出態様が大当り期待度の高い特定演出態様に決定される場合に、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行可能な予告演出の演出態様が大当り期待度の低い通常演出態様には決定されないように、複数の予告演出を組み合わせる決定割合が設定されている。
例えばメッセージ予告については、メッセージ予告MS2が実行される場合に、メッセージ予告が実行されない場合やメッセージ予告MS1が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるように、決定割合が設定されている。また、ステップアップ予告については、ステップアップ予告が実行されない場合よりも、ステップアップ予告SU1〜SU4のいずれかが実行される場合に大当り期待度が高くなり、ステップアップ予告SU1、ステップアップ予告SU2、ステップアップ予告SU3、ステップアップ予告SU4の順に大当り期待度が高くなるように、決定割合が設定されている。リーチ成立時予告については、リーチ成立時予告が実行されない場合よりも、リーチ成立時予告GR1〜GR3のいずれかが実行される場合に大当り期待度が高くなり、リーチ成立時予告GR1、リーチ成立時予告GR2、リーチ成立時予告GR3の順に大当り期待度が高くなるように、決定割合が設定されている。
一方、図42(A)に示す決定割合に基づき図42(C)に示すような昇格後の演出内容が設定される場合と、図43(B1)および(B2)に示す決定割合とを比較すると、メッセージ予告について、期待度昇格演出なしの場合にメッセージ予告MS2が実行される場合よりも、期待度昇格演出における昇格後の演出内容としてメッセージ予告MS2の演出態様が報知される場合に大当り期待度がより高くなるように、期待度昇格演出の実行割合や予告演出の決定割合が設定されている。また、ステップアップ予告について、期待度昇格演出なしの場合にステップアップ予告SU3やステップアップ予告SU4が実行される場合よりも、期待度昇格演出における昇格後の演出内容としてステップアップ予告SU3やステップアップ予告SU4の演出態様が報知される場合に大当り期待度がより高くなるように、期待度昇格演出の実行割合や予告演出の決定割合が設定されている。さらに、リーチ成立時予告について、期待度昇格演出なしの場合にリーチ成立時予告GR2が実行される場合よりも、期待度昇格演出における昇格後の演出内容としてリーチ成立時予告GR2の演出態様が報知される場合に大当り期待度がより高くなるように、期待度昇格演出の実行割合や予告演出の決定割合が設定されている。このように、期待度昇格演出において昇格後の演出内容として特定の演出態様が報知された場合には、示唆演出において特定の演出態様となる場合よりも、大当り期待度を高めることができる。
この実施の形態では、ステップアップ予告が先読み予告として実行された後に、予告対象の可変表示にて可変表示中予告として実行されることもある。先読み予告としてステップアップ予告が実行された場合に、図43(B1)および(B2)に示す決定割合でステップアップ予告を決定すると、可変表示中予告として実行されるステップアップ予告の演出態様(演出内容)が、先読み予告として実行されたステップアップ予告の演出態様(演出内容)よりも大当り期待度が低いものに決定されてしまうことがある。そこで、可変表示中予告として実行するステップアップ予告の決定割合は、先読み予告としてステップアップ予告が実行されたか否かに応じて、異ならせるようにしてもよい。この場合、先読み予告としてステップアップ予告が実行された後に可変表示中予告としてもステップアップ予告が実行される場合には、可変表示中予告における演出態様(演出内容)が、先読み予告における演出態様(演出内容)よりも大当り期待度の低いものに決定されないあるいは決定されにくいように、演出態様の決定割合が設定されていればよい。また、可変表示中予告として実行されるステップアップ予告の演出態様(演出内容)と、先読み予告として実行されるステップアップ予告の演出態様(演出内容)を、互いに異なる演出態様(演出内容)となるように設定して、それぞれの予告演出で異なる大当り信頼度を認識可能に報知できるものとしてもよい。
図41に示すステップS607の処理に続いて、変動パターンが「擬似連」の可変表示演出を実行するものであるか否かを判定する(ステップS608)。このとき、「擬似連」の可変表示演出を実行しない擬似連なしであれば(ステップS608;No)、可変表示中演出決定処理を終了する。一方、「擬似連」の可変表示演出を実行する擬似連ありの場合には(ステップS608;Yes)、各回の擬似連変動が実行されるよりも前に実行されるメッセージ予告、ステップアップ予告、再変動演出などを決定するための処理が実行される。この場合には、まず、変動パターンに対応する擬似連回数(「1」〜「3」のいずれか)を変数xにセットする(ステップS609)。
ステップS609の処理を実行した後には、期待度昇格演出を実行しない「昇格演出なし」であるか否かを判定する(ステップS610)。このとき、期待度昇格演出を実行する「昇格演出なし」以外であれば(ステップS610;No)、1回分の擬似連変動を期待度昇格演出に置換して実行することに対応させるために、変数xを1減算しておく(ステップS611)。
ステップS610にて「昇格演出なし」である場合や(ステップS610;Yes)、ステップS611の処理を実行した後には、変数xが「0」であるか否かを判定する(ステップS612)。このとき、変数xが「0」以外であれば(ステップS612;No)、変数xに対応する擬似連回数の擬似連変動より前(直前)の変動中に実行される予告演出を決定する(ステップS613)。例えば変数xが「3」である場合には、第3擬似連変動より前の第2擬似連変動中に実行される予告演出を決定する。なお、第3擬似連変動は、擬似連回数が3回である場合の最終変動となり、その擬似連変動中に実行される予告演出は、ステップS607の処理により既に決定されている。
ステップS613の処理により決定される予告演出には、変動開始時予告であるメッセージ予告と、全図柄変動中予告であるステップアップ予告とがある。ステップS613における処理の一例として、図44(A)は、メッセージ予告の決定例を示している。図44(A)に示す決定例では、ステップS607またはステップS613の処理により1つ先に決定した予告内容に応じて、メッセージ予告が、予告なし、メッセージ予告MS1、メッセージ予告MS2のいずれかに決定される。なお、1つ先に決定した予告内容は、可変表示中演出決定処理の実行を開始してから終了するまでに、ステップS607またはステップS613の処理が前回実行されたときに決定された予告演出の有無および演出態様であればよい。図44(A)に示す決定例において、1つ先に決定した予告内容が予告なしであれば、メッセージ予告を実行しない予告なしにのみ決定される。一方、1つ先に決定した予告内容がメッセージ予告MS1であれば、予告なし、または、メッセージ予告MS1のいずれかに決定される。1つ先に決定した予告内容がメッセージ予告MS2であれば、予告なし、メッセージ予告MS1、メッセージ予告MS2のいずれにも決定可能になる。
この実施の形態では、ステップアップ予告が先読み予告として実行された後に、予告対象の可変表示にて可変表示中予告として実行されることもある。図44(B1)は、先読み予告としてステップアップ予告が実行されなかった場合に、ステップS613の処理によるステップアップ予告の決定例を示している。図44(B1)に示す決定例では、ステップS607またはステップS613の処理により1つ先に決定した予告内容に応じて、ステップアップ予告が、予告なし、ステップアップ予告SU1〜ステップアップ予告SU3のいずれかに決定される。この決定例において、1つ先に決定した予告内容が予告なしであれば、ステップアップ予告を実行しない予告なしにのみ決定される。一方、1つ先に決定した予告内容がステップアップ予告SU1であれば、予告なし、または、ステップアップ予告SU1のいずれかに決定される。1つ先に決定した予告内容がステップアップ予告SU2であれば、予告なし、ステップアップ予告SU1、ステップアップ予告SU2のいずれかに決定される。1つ先に決定した予告内容がステップアップ予告SU3またはステップアップ予告SU4であれば、予告なし、ステップアップ予告SU1〜ステップアップ予告SU3のいずれかに決定される。
図44(B2)は、先読み予告としてステップアップ予告が実行され、なおかつ期待度昇格演出が実行される場合に、ステップS613の処理によるステップアップ予告の決定例を示している。期待度昇格演出が実行される場合には、ステップS607の処理が実行されることにより、期待度昇格演出における変更前(昇格前)のステップアップ予告として、ステップアップ予告SU1またはステップアップ予告SU2に決定される。また、ステップアップ予告が先読み予告として実行される場合に、入賞時判定結果が「リーチハズレ時擬似連」や「大当り時擬似連」となって期待度昇格演出が実行可能になっているときには、図38に示すステップS727の処理が実行されることにより、ステップアップ予告SU1またはステップアップ予告SU2に決定される(「予告なし」であれば先読み予告としてのステップアップ予告は実行されないので)。そこで、ステップS613の処理では、図44(B2)に示すように、1つ先に決定した予告内容と、先読み予告での演出内容(最終の演出内容)とに応じて、擬似連変動前の変動中に実行されるステップアップ予告の演出内容が決定される。これにより、先読み予告を実行した後に「擬似連」の可変表示演出が行われる可変表示にて実行されるステップアップ予告の演出内容は、先読み予告として実行されたステップアップ予告の演出内容よりも大当り期待度が低いものになることが防止される。
図41に示す可変表示中演出決定処理では、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行される場合に対応して、ステップS607の処理により最終変動時のメッセージ予告やステップアップ予告を決定し、続いてステップS609の処理によりセットした変数xをステップS611の処理で1ずつ減算しながら、ステップS613の処理が実行される。したがって、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、最終変動から初回変動へと遡る順序で、メッセージ予告やステップアップ予告における予告内容が決定される。そして、図44(A)や図44(B1)、図44(B2)に示すような決定例により、初回変動や各回の擬似連変動においてメッセージ予告やステップアップ予告が実行される場合に、前回の変動中(初回変動または擬似連変動)にて実行された予告内容よりも今回の変動中にて実行される予告内容が大当り期待度の低いものにはならないように、それぞれの予告内容を決定することができる。なお、前回の変動中にて実行された予告内容よりも今回の変動中にて実行される予告内容が大当り期待度の低いものに決定されにくいように、メッセージ予告やステップアップ予告の決定割合が設定されてもよい。
先読み予告としてステップアップ予告が実行される一方で、期待度昇格演出が実行されない場合にも、図44(B2)に示す決定例と同様に、1つ先に決定した予告内容と、先読み予告での演出内容とに応じた所定割合で、擬似連変動前の変動中に実行されるステップアップ予告の演出内容が決定されればよい。ただし、期待度昇格演出が実行されない場合には、1つ先に決定した予告内容として、予告なし、ステップアップ予告SU1〜SU4のいずれにも決定されることがある。これらの決定内容のそれぞれに応じて、前回の変動中(初回変動または擬似連変動)にて実行された予告内容よりも今回の変動中にて実行される予告内容が大当り期待度の低いものに決定されないあるいは決定されにくいように、ステップアップ予告の決定割合が設定されればよい。
ステップS613の処理に続いて、変数xに対応する演出回数(順番)の再変動演出を決定する(ステップS614)。例えば変数xが「3」である場合には、第3擬似連変動が開始される直前に仮停止表示されるカード図柄(3つの星型記号を含む)を決定する。ステップS614の処理を実行した後には、ステップS611の処理に進んで変数xの値を1減算し、減算後の変数xが「0」になるまで、ステップS613、S614の処理を繰返し実行する。そして、ステップS612の処理にて変数xが「0」であると判定されたときに(ステップS612;Yes)、可変表示中演出決定処理を終了する。
図41に示す可変表示中演出決定処理では、ステップS606の処理により図42(C)に示すような昇格後の演出内容を決定するとともに、ステップS607の処理により図43(A)に示すような昇格前の演出内容を決定する。これにより、期待度昇格演出が実行される場合に対応した各種の示唆演出(変更前/昇格前)における演出態様と、期待度昇格演出による変更後(昇格後)の演出態様とを、順次に決定することができる。一方、変更前(昇格前)の示唆演出における演出態様や、期待度昇格演出による変更後(昇格後)の演出態様などを、一括して決定するようにしてもよい。この場合には、例えば変更前(昇格前)の演出態様や変更後(昇格後)の演出態様を組み合わせた演出態様組合せパターンを予め複数パターン用意しておき、期待度昇格演出が実行される場合には、いずれかの演出態様組合せパターンを使用パターンに決定すればよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行される場合についても、ステップS609〜S614の処理により初回変動や擬似連変動ごとの予告演出や再変動演出を順次に決定するものに限定されず、すべての予告演出や再変動演出を一括して決定するようにしてもよい。例えば、予告演出や再変動演出の演出パターンを組み合わせた演出組合せパターンを、擬似連回数などに応じて予め複数パターン用意しておき、所定割合でいずれかの演出組合せパターンを使用パターンに決定すればよい。
期待度昇格演出の有無や実行開始タイミングとなる特定タイミング、昇格演出総数などについても、予告演出や再変動演出などの示唆演出とともに、一括して決定するようにしてもよい。例えば、期待度昇格演出や予告演出、再変動演出といった各種演出について、実行の有無や演出態様の組合せパターンを、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンなどに応じて予め複数パターン用意しておき、所定割合でいずれかの組合せパターンを使用パターンに決定すればよい。
あるいは、初回変動や擬似連変動における示唆演出(昇格前)の演出内容を決定してから、期待度昇格演出の有無や実行開始タイミングとなる特定タイミング、昇格演出総数、さらには昇格後の演出内容を決定してもよい。この場合には、期待度昇格演出の有無にかかわらず、示唆演出(昇格前)の演出内容を決定した後、昇格後の演出内容として、昇格前の演出内容よりも大当り期待度が低い演出内容には決定されないあるいは決定されにくいように、演出態様の決定割合が設定されていればよい。また、昇格後の演出内容を、昇格前の演出内容にかかわらず所定割合で決定した後、期待度昇格演出において大当り期待度がより高い演出態様に変更できないような場合には、昇格前の演出内容を他の演出内容に差し替えることや、昇格前の予告演出などを実行しないように制限することで、期待度昇格演出において大当り期待度が低い演出態様に変更されてしまうことを防止してもよい。
図41に示す可変表示中演出決定処理では、図柄停止予告やステップアップ予告が先読み予告として実行された後に、期待度昇格演出にて演出内容が変更されることを報知できるように、変更前(昇格前)の演出態様と変更後(昇格後)の演出態様とが決定される。こうした図柄停止予告やステップアップ予告に代えて、あるいは図柄停止予告やステップアップ予告とともに、保留表示予告が先読み予告として実行された後に、期待度昇格演出にて演出内容が変更されることを報知できるように、保留表示予告の演出態様が決定されてもよい。一例として、保留表示予告が既に実行された場合には、その保留表示予告における演出態様よりも大当り期待度が高い演出態様を、変更後(昇格後)の演出態様として決定すればよい。この場合、入賞時判定結果が「リーチハズレ時擬似連」や「大当り時擬似連」であるときに実行される保留表示予告の演出態様として、大当り期待度が高い演出態様に決定されないあるいは決定されにくいように、決定割合が設定されていればよい。こうした保留表示予告が実行された場合には、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hと同枠あるいは別枠で変動中特図表示エリアを設け、予告対象となる可変表示が開始されてから可変表示結果が導出される以前において、保留表示予告の演出態様を特定可能に示す表示が行われるようにしてもよい。
所定のストーリー性をもつ先読み予告が実行された後に、期待度昇格演出にて演出内容が変更されることを報知できるように、変更前(昇格前)の演出態様と変更後(昇格後)の演出態様とが決定されてもよい。一例として、物語などの所定のストーリーを複数回の可変表示にわたり順に展開させていくような演出が実行される場合に、背景画像の表示色(例えば青色であるか金色であるかなどで、金色の場合には大当り期待度が高い)や表示柄(例えばサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)といった演出態様を、既に実行された先読み予告よりも大当り期待度が高い演出態様に変更するように、変更後(昇格後)の演出態様などが決定されればよい。
図45は、図34のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図45に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS542)。予告演出実行期間は、例えばメッセージ予告やステップアップ予告、リーチ成立時予告といった、所定の予告演出に対応して選択された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS542にて予告演出実行期間であるときには(ステップS542;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS543)。
一例として、ステップS543の処理では、予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS542にて予告演出実行期間ではないときや(ステップS542;No)、ステップS543の処理を実行した後には、再変動演出を実行するための再変動演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS544)。再変動演出実行期間は、変動パターンなどに対応して選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS544にて再変動演出実行期間であるときには(ステップS544;Yes)、再変動演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS545)。
ステップS544にて再変動演出実行期間ではないときや(ステップS544;No)、ステップS545の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS546)。リーチ演出実行期間は、変動パターンなどに対応して選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS546にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS546;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS547)。
ステップS546にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS546;No)、ステップS547の処理を実行した後には、期待度昇格演出を実行するための期待度昇格演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS548)。期待度昇格演出実行期間は、期待度昇格演出を実行する場合の実行開始タイミングである特定タイミングなどに対応して選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、例えば飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後の演出実行期間として、予め定められていればよい。ステップS548にて期待度昇格演出実行期間であるときには(ステップS548;Yes)、期待度昇格演出処理を実行する(ステップS549)。期待度昇格演出処理は、期待度昇格演出が実行される場合に対応して、各種の演出動作を制御するための処理を含んでいる。
ステップS548にて期待度昇格演出実行期間ではないときや(ステップS548;No)、ステップS549の期待度昇格演出処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS550)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS541にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS541;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS551)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS551;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS551にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS551;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS552)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS553)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS554)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS548の処理にて判定される期待度昇格演出実行期間は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後の演出実行期間として設定されたものでなくてもよく、リーチ状態とする前の演出実行期間として、特図変動時演出制御パターンにおいて予め定められていてもよい。一例として、リーチ演出を伴わない非リーチ変動パターンのうちで、「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターン(図5に示す変動パターンPA1−4など)であっても期待度昇格演出を実行可能にした場合には、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングとして、リーチ状態とする前の所定タイミングに決定可能となるように予め設定しておく。そして、変動パターンに応じた所定割合で、リーチ状態とする前のタイミングを、特定タイミングに決定することができればよい。
図46は、図45のステップS549にて実行される期待度昇格演出処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す期待度昇格演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、昇格演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS621)。昇格演出中フラグは、期待度昇格演出の実行が開始されることに対応して、後述するステップS623の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS621にて昇格演出中フラグがオフであるときには(ステップS621;No)、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた昇格演出カウンタのカウント初期値として「1」を設定する(ステップS622)。このときには、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた昇格演出中フラグをオン状態にセットする(ステップS623)。
ステップS623の処理を実行した後には、区切り演出時間となる所定時間を設定する(ステップS624)。区切り演出時間は、複数の示唆演出について演出態様を示す演出が変更されることを報知する場合に、それぞれの報知が行われる前または後に、各報知の区切りとなる区切り演出を実行するための演出時間である。ステップS624の処理を実行したときには、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた区切り演出フラグをオン状態にセットする(ステップS625)。
ステップS625の処理に続いて、区切り演出を実行することにより、昇格回数と昇格対象になる示唆演出とを報知する(ステップS626)。ここで、昇格回数は、期待度昇格演出において示唆演出の演出態様が大当り期待度のより高い演出態様に変更されることを報知する回数であり、昇格演出カウント値によって指定される。昇格対象になる示唆演出は、予め昇格回数と対応付けて、例えば図柄停止予告、再変動演出、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出といった、複数の示唆演出のいずれかが設定されればよい。保留表示予告が先読み予告として実行される場合には、昇格対象になる示唆演出に保留表示予告が含まれてもよい。演出制御用CPU120は、特図変動時演出制御パターンに基づく各種指令を表示制御部123や音声制御部13、ランプ制御部14などに対して伝送させ、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯などにより、昇格回数や昇格対象になる示唆演出を報知する区切り演出を実行可能にすればよい。
こうしたステップS626の処理における区切り演出の実行で昇格回数が報知されることにより、期待度昇格演出において演出態様が大当り期待度のより高い演出態様に変更される示唆演出の数を、遊技者が認識可能になる。なお、期待度昇格演出が昇格失敗演出を含む場合には、期待度昇格演出において演出態様が変更されるか否かの演出を行う示唆演出の数が、区切り演出における昇格回数として報知されればよい。すなわち、昇格回数は、演出態様が大当り期待度のより高い演出態様に変更される可能性のある示唆演出の数を示していてもよいし、実際に大当り期待度のより高い演出態様に変更される示唆演出の数のみを示していてもよい。このように、区切り演出は、複数の示唆演出について演出態様を示す演出が変更されることを報知する場合に、各報知の区切りとして実行される演出である。また、区切り演出は、昇格回数や昇格対象になる示唆演出を報知することなどにより、以後に実行される(あるいは既に実行された)変更演出において、演出態様が変更されるか否かを報知する対象となる示唆演出を、遊技者が認識可能にするものであればよい。なお、区切り演出は、昇格回数や昇格対象になる示唆演出を報知するものでなくてもよく、期待度昇格演出を複数期間に区分けして、それぞれの期間で実行される複数の変更演出を、遊技者が認識しやすくする演出であればよい。
ステップS626の処理により区切り演出を実行するときには、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型などを構成する複数の可動部材のうち、昇格演出カウント値に応じた可動部材の演出動作制御を行う(ステップS627)。一例として、画像表示装置5の周囲には、花形あるいは所定のエンブレムなどを模した合計6個の演出用模型を構成する可動部材が配置されていればよい。この場合、昇格演出カウント値に対応する示唆演出として、図柄停止予告、再変動演出、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出のうち、いずれの示唆演出における演出態様を変更する演出が行われるかに応じて、異なる可動部材を動作(例えば移動、振動、回転のいずれかなど)させる演出動作制御を行う。例えば演出制御用CPU120は、各々の可動部材に連結されたソレノイドやモータなどの電磁アクチュエータを駆動するための駆動制御信号を生成し、いずれかの電磁アクチュエータを駆動するための駆動回路に供給すればよい。なお、可動部材を用いた演出動作制御に代えて、あるいは可動部材を用いた演出動作制御とともに、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体を点灯させるための演出動作制御といった、区切り演出の実行を報知する所定の演出動作制御が行われるようにしてもよい。このときにも、昇格演出カウント値に応じて、例えば発光体の点灯態様(発光色、輝度、発光期間、点滅回数、点灯部材位置、点灯部材数のいずれかなど)といった、所定の演出態様を異ならせるように演出動作制御が行われてもよい。このような昇格演出カウント値に応じて演出態様を異ならせることにより、昇格回数や昇格対象となる示唆演出を、遊技者が認識可能に報知できればよい。
ステップS627の処理を実行した後には、区切り演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS628)。このとき、区切り演出時間が経過していなければ(ステップS628;No)、期待度昇格演出処理を終了する。一方、区切り演出時間が経過したときには(ステップS628;Yes)、区切り演出フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS629)。また、昇格回数(昇格演出カウント値)に応じた昇格対象となる示唆演出について、昇格前後の演出内容を特定する(ステップS630)。
ステップS630の処理に続いて、昇格前の演出を再び実行して示唆演出での演出態様を報知するか否かを判定する(ステップS631)。そして、昇格前の演出を再び実行する場合には(ステップS631;Yes)、昇格前演出報知期間となる所定期間を設定する(ステップS632)。なお、いずれの示唆演出についても昇格前の演出態様を示す演出が行われる場合には、ステップS631の処理を実行せずにステップS632の処理で昇格前演出報知期間を設定してもよい。一方、例えば可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となることの確定を示す演出態様となる場合のように、特別な演出態様に変更される場合には、昇格前の演出態様を再び報知することなく、特別な演出態様が直ちに報知されるようにしてもよい。
ステップS631にて昇格前の演出を再び実行しないと判定された場合や(ステップS631;No)、ステップS632の処理を実行した後には、昇格演出時間となる所定時間を設定してから(ステップS633)、期待度昇格演出処理を終了する。昇格演出時間は、期待度昇格演出にて複数の示唆演出のうちで昇格対象となるいずれか1つの示唆演出の演出態様を示す演出が行われてから、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出が完了するまでの所要時間として、特図変動時演出制御パターンなどにおいて予め設定されていればよい。
ステップS621にて昇格演出中フラグがオンであると判定されたときには(ステップS621;Yes)、区切り演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS634)。そして、区切り演出フラグがオンである場合には(ステップS634;Yes)、ステップS626の処理に進んで、区切り演出の実行を継続させる。なお、区切り演出の実行が開始されるときに演出制御用CPU120が行った制御設定に基づいて、例えば表示制御部123のVDPといった各種処理回路が、継続して区切り演出を実行するための処理(例えば動画再生処理など)を実行可能な場合には、ステップS626の処理ではなくステップS628の処理に進むようにすればよい。
ステップS634にて区切り演出フラグがオフであると判定されたときには(ステップS634;No)、昇格演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS635)。そして、昇格演出時間が経過していない場合には(ステップS635;No)、昇格前演出報知期間であるか否かを判定する(ステップS636)。昇格前演出報知期間であるときには(ステップS636;Yes)、昇格前の示唆演出における演出内容(演出態様)を報知する(ステップS637)。一方、昇格演出報知期間ではないときには(ステップS636;No)、昇格後の大当り期待度がより高い演出内容(演出態様)を報知する(ステップS638)。なお、昇格前演出報知期間の開始時における演出制御用CPU120が行った制御設定に基づいて、各種処理回路が昇格前の示唆演出における演出内容を継続して報知するための処理(例えば動画再生処理など)を実行可能な場合には、昇格前演出報知期間の開始時にステップS637の処理を1回実行して、その後は昇格前演出報知期間が終了するまで待機してもよい。また、演出制御用CPU120による制御設定に基づいて、各種処理回路が昇格後の演出内容を継続して報知するための処理(例えば動画再生処理など)を実行可能な場合には、昇格前演出報知期間の終了時にステップS638の処理を1回実行して、その後は昇格演出時間が経過するまで待機してもよい。
ステップS635にて昇格演出時間が経過したと判定されたときには(ステップS635;Yes)、昇格演出カウント値が昇格演出総数に達したか否かを判定する(ステップS639)。そして、昇格演出総数に達したときには(ステップS639;Yes)、昇格演出中フラグをクリアしてから(ステップS640)、期待度昇格演出処理を終了する。一方、昇格演出総数に達していないときには(ステップS639;No)、昇格演出カウント値を1加算してから(ステップS641)、ステップS624の処理に戻り、次の昇格対象となる示唆演出に応じた区切り演出を実行するための制御などが行われればよい。
図46に示す期待度昇格演出処理では、ステップS624、S625の処理に基づいてステップS626〜S633の処理が実行されることなどにより、まずは区切り演出を実行して、その区切り演出が終了した後に、示唆演出の演出態様が変更されるか否かを報知する変更演出が行われる。これに対して、区切り演出の一部または全部は、昇格前の演出内容の報知あるいは昇格後の演出内容の報知のうち、一部または全部と重複(同時並行)して実行されてもよい。一例として、区切り演出のうちで昇格回数を特定可能に表示するための演出画像は、示唆演出の演出態様が変更されるか否かを報知する演出が行われているときにも継続して表示されてもよい。
また、示唆演出の演出態様が変更されるか否かを報知する変更演出が実行される以前に区切り演出が行われることに代えて、あるいは、このような区切り演出とともに、変更演出が実行された以後に演出態様の変更結果などを特定可能に報知する変更結果報知演出が行われるようにしてもよい。例えば、変更結果報知演出では、それぞれの示唆演出について変更する前後の演出態様や、それぞれの示唆演出の演出態様を変更することによって高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)といった、それぞれの示唆演出について演出態様の変更結果が報知されればよい。また、変更結果報知演出には、複数の示唆演出について演出態様が変更された合計回数(総演出数)を報知する変更総数報知演出が含まれてもよい。
図46に示す期待度昇格演出処理では、ステップS626の処理により区切り演出を実行するとともに、ステップS627の動作制御により昇格回数に応じた可動部材を動作させる。これにより、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯とともに、演出用模型などに含まれる可動部材を動作させて、期待度昇格演出により演出態様が変更される対象となる示唆演出を、遊技者が認識可能にすることができる。なお、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作により、区切り演出を実行することができればよい。区切り演出を実行することなく、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出が、大当り期待度のより高い演出態様に変更されるか否かの報知を開始することがあってもよい。区切り演出が実行されない場合には、昇格前または昇格後の演出内容を報知するとともに、昇格回数や昇格対象になる示唆演出が報知されてもよい。
図46に示すステップS638の処理により昇格後の演出内容を報知するときには、ステップS637の処理により行われた昇格前の演出内容の報知も継続して行われるようにしてもよい。すなわち、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出と、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出とが、同時に(並行して)行われるものであってもよい。この場合、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出が先に開始されてから、所定時間が経過したことなどに基づいて、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出が後に開始されてもよい。そして、示唆演出の演出態様を示す演出が先に終了してから、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出が後に終了してもよい。このように、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出のうち少なくとも一部と、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出のうち少なくとも一部とが、同時に(並行して)行われるものであればよい。
図46に示す期待度昇格演出処理では、ステップS636の処理にて昇格前演出報知期間ではないと判定されることにより、ステップS638の処理が実行されて昇格後の演出内容が報知される。これに対して、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの一方または双方に対する指示操作を検出した結果に基づいて、昇格後の演出内容が報知されるようにしてもよい。一例として、昇格前演出報知期間と共通または別個に、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの一方または双方に対する指示操作を有効に検出する操作検出期間を設定する。そして、ステップS635の処理により昇格演出時間が経過したと判定されるまでに、操作検出期間であるときには、昇格前の演出内容を報知するとともに、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの一方または双方に対する指示操作を検出したか否かを判定する。このとき、所定の指示操作が検出されたことに対応して、昇格後の演出内容が報知されるようにすればよい。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の表示領域では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。
そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が第1状態(例えば開放状態)に変化するラウンドが行われることで、遊技者が多数の賞球を得られる有利な状態となる。このように、パチンコ遊技機1において、可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づく特図ゲームや、それに対応して実行される飾り図柄の可変表示は、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合よりも遊技者の有利度が高い遊技となる。
特別図柄や飾り図柄の変動パターンとして、「擬似連」の可変表示演出を実行して飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる再可変表示パターンが用意されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図30に示すステップS269の処理により再可変表示パターンを決定すると、ステップS272の処理や図24に示すステップS17のコマンド制御処理により、決定した再可変表示パターンを指定する変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して伝送させる。
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が図41に示すステップS602の処理にて「擬似連」の可変表示演出とリーチ演出がいずれも実行されると判定したときに、ステップS603の処理により期待度昇格演出の有無と特定タイミングとが決定される。これにより、再可変表示パターンでの可変表示が行われるときには、期待度昇格演出を実行することができる。
ステップS603の処理により期待度昇格演出を実行すると決定されるときには、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングが、複数のタイミングTM01〜TM03のいずれかに決定される。複数のタイミングTM01〜TM03はいずれも、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立よりも後になるように、予め定められている。したがって、期待度昇格演出は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、可変表示結果が導出されるまでの複数のタイミングのいずれかにて、実行が開始される。
ステップS603の処理により期待度昇格演出を実行すると決定されたことに基づいて、ステップS605の処理により、昇格演出総数が決定される。このときには、期待度昇格演出の実行開始タイミングがタイミングTM01〜TM03のいずれであるかに応じた所定割合で、昇格演出総数が決定される。そして、タイミングTM01〜TM03のうちで、より遅いタイミングが実行開始タイミングとなる場合には、より多くの昇格演出総数に決定される割合が高められる。これにより、タイミングTM01〜TM03といった複数のタイミングに含まれる第1タイミングよりも遅い第2タイミングが特定タイミングに決定されたときには、第1タイミングが特定タイミングに決定されたときよりも、期待度昇格演出にて多くの示唆演出の演出態様を示す演出が変更されやすくなる。なお、複数のタイミングTM01〜TM03と昇格演出総数とを予め対応付けて設定しておくことで、複数のタイミングに含まれる第1タイミングよりも遅い第2タイミングが特定タイミングに決定されたときには、第1タイミングが特定タイミングに決定されたときよりも、期待度昇格演出にて多くの示唆演出の演出態様を示す演出が変更されるようにしてもよい。
図41に示す可変表示中演出決定処理では、ステップS607の処理により最終変動時の演出内容を決定した後、ステップS609〜S614の処理を実行することにより、初回変動へと遡って予告演出や再変動演出の演出内容を決定する。そして、ステップS613の処理では、図44に示すように、1つ先に決定した予告内容に応じてメッセージ予告やステップアップ予告を決定する。こうした決定処理により、特に初回変動や擬似連変動ごとに実行されるメッセージ予告やステップアップ予告といった予告演出については、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出するまでの複数のタイミングにて大当り期待度を示唆(予告)する示唆演出(予告演出)が実行される場合に、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り期待度が第1基準値以上となる特定演出態様の示唆演出(予告演出)が実行された後、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り期待度が第2基準値未満となる通常演出態様の示唆演出(予告演出)が実行されない(または実行されにくい)。
図47および図48は、例えば図5に示す変動パターンPA5−7といった、「擬似連」の可変表示演出における擬似連回数が2回に設定された再可変表示パターンに基づいて期待度昇格演出が実行される場合の演出動作例を示している。期待度昇格演出は、1回分の擬似連変動を実行するための所要時間を用いて実行される。したがって、実際に実行される擬似連回数は、変動パターンに対応する擬似連回数よりも1回少なくなり、この演出動作例では1回の擬似連変動が行われる。
この演出動作例において、図47(A)に示すように特図保留記憶数が「3」であるときに、3つ目(保留番号が「3」)の保留記憶情報に基づいて入賞時判定結果が「大当り時擬似連」であると判定されたとする。このとき、図35に示すステップS709の処理により、先読み予告を実行する「予告あり」に決定されたことに基づいて、ステップS711の処理により先読み予告フラグがオン状態にセットされるとともに、ステップS712の処理により先読み予告の総実行回数が「2」に設定される。その後、図47(B)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図38に示すステップS726の処理により、図柄停止予告ZU1に決定される。なお、ステップS727の処理では、ステップアップ予告を実行しない「予告なし」に決定される。
こうした設定や決定に基づいて、図47(B)に示すような飾り図柄の可変表示が開始された後、確定飾り図柄として図47(C)に示すような1つの星型記号を含むカード図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される。これにより、先読み予告の1回目に対応する図柄停止予告ZU1が実行される。続いて、図47(D)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図38に示すステップS726の処理により、図柄停止予告ZU1に決定される。また、ステップS727の処理では、ステップアップ予告SU1に決定される。
これらの決定結果に基づいて、図47(D)に示すような飾り図柄の可変表示が開始された後には、図47(E)に示すようなステップアップ予告SU1が実行される。また、確定飾り図柄として図47(F)に示すような2つの星型記号を含むカード図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される。こうして、先読み予告の2回目に対応するステップアップ予告SU1と図柄停止予告ZU1が実行される。
その後、図47(G)に示すように、先読み予告による予告対象となる可変表示が開始される。このとき、図41に示すステップS603の処理により、スーパーAのリーチ演出が開始された後のタイミングTM03が、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングとして決定される。また、図41に示すステップS607の処理により、最終変動となる第1擬似連変動における予告演出の演出内容が、メッセージ予告MS1、ステップアップ予告SU2、リーチ成立後予告GR2に決定される。さらに、図41に示すステップS613の処理により、第1擬似連変動前の初回変動における予告演出の演出内容が、メッセージ予告SU1、ステップアップ予告SU1に決定される。
図47(G)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されたときには、初回変動における変動開始時予告の実行タイミングTY00に対応して、メッセージ予告MS1が実行される。続いて、メッセージ予告MS1の実行が終了し、初回変動における全図柄変動中予告の実行タイミングTY01になると、ステップアップ予告SU1が実行される。その後、第1擬似連変動より前の初回変動における再変動演出の実行タイミングTY02に対応して、1個の星型記号を含むカード図柄が仮停止表示されることで、第1の再変動演出が実行される。
擬似連チャンス目が仮停止表示された後、全部の飾り図柄が再び変動を開始することで、第1擬似連変動が行われる。このとき、第1擬似連変動における変動開始時予告の実行タイミングTY10に対応して、図47(H)に示すようなメッセージ予告MS1が実行される。続いて、図47(H)に示すようにメッセージ予告MS1の実行が終了し、第1擬似連変動における全図柄変動中予告の実行タイミングTY11になると、図47(I)に示すようなステップアップ予告SU2が実行される。その後、図47(J)に示すように、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Cにて同一の飾り図柄が停止表示されることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる(リーチ成立)。
図47(J)に示すようなリーチ成立のときには、リーチ成立時予告の実行タイミングTY03となり、図48(A)に示すようなリーチ成立時予告GR2が実行される。続いて、リーチ成立に基づき図48(B)に示すようなノーマルのリーチ演出が実行される。その後、図48(C)に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示することなどにより、発展演出が実行される。ここでは、スーパーAのリーチ演出が実行されることを報知している。この報知に対応して、図48(D)に示すようなスーパーAのリーチ演出が実行される。
こうして図48(D)に示すようなスーパーAのリーチ演出が開始された後に、タイミングTM01となることにより、期待度昇格演出の実行が開始される。このときには、例えば図48(E)に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示することなどにより、期待度昇格演出の実行が開始されることを報知すればよい。続いて、図48(F)に示すような期待度昇格演出の実行中となり、その後には図48(G)に示すようなスーパーBのリーチ演出が実行される。そして、例えば図48(H)に示すような大当り組合せの飾り図柄が導出されて、可変表示結果が「大当り」となる。
図48(F)に示すような期待度昇格演出の実行中には、図46に示すステップS624〜S641の処理により、例えば図49に示すように、既に実行された複数の示唆演出について、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出に変更されることが連続的に報知される。このとき、複数の示唆演出のうちで1の示唆演出の演出態様を示す演出の変更が行われた後には、区切り演出を実行してから、他の示唆演出の演出態様を示す演出の変更が行われる。
図50〜図52は、期待度昇格演出における演出動作の一例を示している。この演出動作例では、昇格演出総数が「6」であり、昇格回数が「1」の昇格1回目にて、図柄停止予告の連続予告図柄(カード図柄)が変更されるか否かが報知される。また、昇格回数が「2」の昇格2回目にて、再変動演出の擬似連図柄(カード図柄)が変更されるか否かが報知される。昇格回数が「3」の昇格3回目には、メッセージ予告の予告内容が変更されるか否かが報知される。昇格回数が「4」の昇格4回目には、ステップアップ予告の予告内容が変更されるか否かが報知される。昇格回数が「5」の昇格5回目には、リーチ成立時予告の予告内容が変更されるか否かが報知される。昇格回数が「6」の昇格6回目には、リーチ演出の演出内容が変更されるか否かが報知される。図41に示すステップS606の処理では、昇格後の演出内容として、図柄停止予告の演出態様は地柄模様が特殊模様(サクラの花柄)となる図柄停止予告ZU2、再変動演出の演出態様は2個の星型記号を含んだ擬似連図柄(カード図柄)、メッセージ予告の演出態様は文字画像の表示色が黒色となる黒文字のメッセージ予告MS2、ステップアップ予告の演出態様はステップ数が「4」のステップアップ予告SU4、リーチ成立時予告の演出態様は蝶の数が「5」のリーチ成立時予告GR3、リーチ演出の演出態様はスーパーBに、それぞれ決定されたとする。
図46に示すステップS622の処理により昇格演出カウント値が初期値「1」に設定されたときには、図50(A)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われる。図50(A)に示す区切り演出により、示唆演出の演出態様が変更される回数が「1」の昇格1回目であることと、昇格対象となる示唆演出の演出態様が図柄停止予告の予告内容であることが、報知される。続いて、図50(B)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行された図柄停止予告の演出態様として、地柄模様が通常模様(無地)の連続予告図柄(カード図柄)を示す演出が行われる。そして、図50(C)に示すような演出画像の表示などにより、地柄模様が特殊模様(サクラの花柄)の連続予告図柄(カード図柄)を示す演出に変更されることを報知する。図柄停止予告では、地柄模様が通常模様(無地)の図柄停止予告ZU1よりも、特殊模様(サクラの花柄)の図柄停止予告ZU2の方が大当り期待度は高くなる。したがって、特殊模様(サクラの花柄)の図柄停止予告ZU2に変更されることにより、既に実行された示唆演出としての図柄停予告に比べて、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
なお、図46に示すステップS636の処理により昇格前演出報知期間が終了したと判定されることで、ステップS638の処理により昇格後の演出内容が報知されてもよい。一方、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する指示操作が検出されることで、昇格後の演出内容が報知されてもよい。図50(C)に示す演出画像が表示された後には、例えば図50(D)に示すような演出画像の表示などにより、図柄停止予告におけるカード図柄の地柄模様が通常模様(無地)に対応した「弱」の大当り期待度から特殊態様(サクラの花柄)に対応した「強」の大当り期待度に変更されたことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)が、報知されてもよい。
こうして昇格1回目の昇格演出時間が経過したときには、図46に示すステップS639の処理にて、昇格演出カウント値が「1」であって昇格演出総数の「6」には達していないことから、ステップS641の処理により昇格演出カウント値が1加算されて「2」に更新される。そして、ステップS624〜S626の処理により、図50(E)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われる。図50(E)に示す区切り演出により、示唆演出の演出態様が変更される回数が「2」の昇格2回目であることと、昇格対象となる示唆演出の演出態様が再変動演出における擬似連図柄(カード図柄)であることが、報知される。続いて、図50(F)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行された再変動演出の演出態様として1個の星型記号を含んだ擬似連図柄(カード図柄)を示す演出が行われる。そして、図50(G)に示すような演出画像の表示などにより、2個の星型記号を含んだ擬似連図柄(カード図柄)を示す演出に変更されることを報知する。変動パターンに対応する擬似連回数は2回であることから、変更後の擬似連図柄(カード図柄)は2個の星型記号を含むものになればよい。「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動の実行回数(擬似連回数)が増加するに従って大当り期待度が高くなる。したがって、2回の擬似連変動に対応した2個の星型記号を含む擬似連図柄(カード図柄)に変更されることにより、既に実行された示唆演出としての再変動演出に比べて、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図50(G)に示す演出画像が表示された後には、例えば図50(H)に示すような演出画像の表示などにより、擬似連変動の実行回数(擬似連回数)が増加したことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)が、報知されてもよい。こうして昇格2回目の昇格演出時間が経過すると、昇格演出カウント値が1加算されて「2」に更新される。そして、図50(I)に示す区切り演出により、示唆演出の演出態様が変更される回数が「3」の昇格3回目であることと、昇格対象となる示唆演出の演出態様がメッセージ予告の予告内容であることが、報知される。
図50(I)に示すような区切り演出に続いて、図50(J)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行されたメッセージ予告の演出態様として、文字画像の表示色が白色である白文字のメッセージ予告MS1を示す演出が行われる。そして、図51(A)に示すような演出画像の表示などにより、文字画像の表示色が黒色である黒文字のメッセージ予告MS2を示す演出に変更されることを報知する。メッセージ予告では、白文字のメッセージ予告MS1よりも、黒文字のメッセージ予告MS2の方が大当り期待度は高くなる。したがって、黒文字のメッセージ予告MS2に変更されることにより、既に示唆演出として実行された白文字のメッセージ予告MS1に比べて、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図51(A)に示す演出画像が表示された後には、例えば図51(B)に示すような演出画像の表示などにより、メッセージ予告でのセリフが白文字から黒文字に変更されたことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)が、報知されてもよい。こうして昇格3回目の昇格演出時間が経過すると、昇格演出カウント値が1加算されて「4」に更新される。そして、図51(C)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われる。図51(C)に示す区切り演出により、示唆演出の演出態様が変更される回数が「4」の昇格4回目であることと、昇格対象となる示唆演出の演出態様がステップアップ予告の予告内容であることが、報知される。
図51(C)に示すような区切り演出に続いて、図51(D)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行されたステップアップ予告の演出態様として、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2を示す演出が行われる。そして、図51(E)に示すような演出画像の表示などにより、ステップ数が「4」のステップアップ予告SU4を示す演出に変更されることを報知する。ステップアップ予告では、ステップ数が増加するに従って大当り期待度が高くなる。したがって、ステップ数が「4」のステップアップ予告SU4に変更されることにより、既に示唆演出として実行されたステップ数が「2」のステップアップ予告SU2に比べて、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図51(E)に示す演出画像が表示された後には、例えば図51(F)に示すような演出画像の表示などにより、ステップアップ予告でのステップ数が「2」から「4」に変更されたことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)が、報知されてもよい。こうして昇格4回目の昇格演出時間が経過すると、昇格演出カウント値が1加算されて「5」に更新される。そして、図51(G)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われる。図51(G)に示す区切り演出により、示唆演出の演出態様が変更される回数が「5」の昇格5回目であることと、昇格対象となる示唆演出の演出態様がリーチ成立時予告の予告内容であることが、報知される。
図51(G)に示すような区切り演出に続いて、図51(H)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行されたリーチ成立時予告の演出態様として、演出画像群により示される蝶の数が「3」のリーチ成立時予告GR2を示す演出が行われる。そして、図51(I)に示すような演出画像の表示などにより、蝶の数が「5」のリーチ成立時予告GR3を示す演出に変更されることを報知する。リーチ成立時予告では、演出画像群により示される蝶のキャラクタ数が増加するに従って大当り期待度が高くなる。したがって、蝶の数が「5」のリーチ成立時予告GR3に変更されることにより、既に示唆演出として実行された蝶の数が「3」のリーチ成立時予告GR2に比べて、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図51(I)に示す演出画像が表示された後には、例えば図51(J)に示すような演出画像の表示などにより、リーチ成立時予告での蝶の数(蝶群)が「3」に対応した「中」の大当り期待度から「5」に対応した「高」の大当り期待度に変更されたことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)が、報知されてもよい。こうして昇格5回目の昇格演出時間が経過すると、昇格演出カウント値が1加算されて「6」に更新される。そして、図52(A)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われる。図52(A)に示す区切り演出により、示唆演出の演出態様が変更される回数が「6」の昇格6回目であることと、昇格対象となる示唆演出の演出態様がリーチ演出の演出内容であることが、報知される。
図52(A)に示すような区切り演出に続いて、図52(B)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行されたリーチ演出の演出態様として、スーパーAのリーチ演出を示す演出が行われる。そして、図52(C)に示すような演出画像の表示などにより、スーパーBのリーチ演出に変更されることを報知する。リーチ演出では、ノーマル、スーパーA、スーパーBの順に、大当り期待度が高くなる。したがって、スーパーBのリーチ演出に変更されることにより、既に示唆演出として実行されたスーパーAのリーチ演出に比べて、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図52(C)に示す演出画像が表示された後には、例えば図52(D)に示すような演出画像の表示などにより、リーチ演出がスーパーAからスーパーBに変更されたことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)が、報知されてもよい。こうして昇格6回目の昇格演出時間が経過すると、昇格演出カウント値が「6」であることから、図46に示すステップS640の処理が実行されることなどにより、期待度昇格演出の実行が終了する。このときには、例えば図52(E)に示すような演出画像の表示などにより、複数の示唆演出について演出態様が大当り期待度のより高い演出態様に変更された合計回数(総演出数)は、図柄停止予告、再変動演出、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告、リーチ演出の全部からなる「6」であることが報知されてもよい。
図53は、期待度昇格演出における演出動作について、図50〜図52とは異なる他の一例を示している。この演出動作例では、昇格演出総数が「3」であり、昇格回数が「1」の昇格1回目にて、図柄停止予告の演出内容が変更されるか否かが報知され、昇格回数が「2」の昇格2回目にて、メッセージ予告の演出内容が変更されるか否かが報知され、昇格回数が「3」の昇格3回目にて、ステップアップ予告の演出内容が変更されるか否かが報知される。このように、図柄停止予告といった先読み予告が実行される場合に、図41に示すステップS605の処理では、図42(B)に示す昇格演出総数「4」よりも少ない昇格演出総数「3」が決定されてもよい。あるいは、図41に示すステップS605の処理ににより決定された昇格演出総数に対応する示唆演出の一部について、期待度昇格演出で演出内容が変更されるか否かを報知するように設定してもよい。
この演出動作例では、先読み予告の総実行回数が「1」に設定される。そして、先読み予告が実行された後の予告対象となる可変表示では、図53(A)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われる。続いて、図53(B)に示すような演出画像の表示などにより、既に実行された図柄停止予告の演出態様として、地柄模様が通常模様(無地)の連続予告図柄(カード図柄)を示す演出が行われる。このときには、先読み予告が1回実行されたことに対応して、カード図柄に1個の星型記号が含まれている。その後、この演出動作例では、図53(C)に示すような演出画像の表示などにより、連続予告図柄(カード図柄)を示す演出が変更されることに対応する報知が行われない。これにより、既に実行された示唆演出としての図柄停止予告における演出態様が、大当り期待度のより高い演出態様に変更されないことを認識可能にする。その後、例えば図53(D)に示すような演出画像の表示などにより、図柄停止予告の大当り期待度が高められなかったことを示す「ランクアップ失敗」などが、報知されてもよい。
図53(D)に示す演出画像の表示に続いて、図53(E)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われ、昇格2回目であることや昇格対象はメッセージ予告であることが、報知される。この演出動作例では、示唆演出としてのメッセージ予告が実行されない「予告なし」であったとする。この場合には、図53(F)に示すような演出画像の表示などにより、メッセージ予告が実行されなかったことを示す演出が行われる。そして、図53(G)に示すような演出画像の表示などにより、文字画像の表示色が黒色である黒文字のメッセージ予告MS2を示す演出に変更されることを報知する。メッセージ予告が実行されなかった場合に比べると、白文字のメッセージ予告MS1の方が大当り期待度は高く、黒文字のメッセージ予告MS2はさらに大当り期待度が高くなる。したがって、黒文字のメッセージ予告MS2を示す演出により、大当り期待度がより高い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図53(G)に示す演出画像が表示された後には、例えば図53(H)に示すような演出画像の表示などにより、メッセージ予告の実行がないセリフなしから黒文字に変更されたことや、それにより高められた大当り期待度の段階数(ランクアップ数)に対応する「2ランクアップ」が、報知されてもよい。図53(H)に示す演出画像の表示に続いて、図53(I)に示すような演出画像を表示する区切り演出が行われ、昇格3回目であることや昇格対象はステップアップ予告であることが、報知される。この演出動作例では、図53(J)に示すような演出画像の表示により、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2を示す演出を報知した後、図53(K)に示すような演出画像の表示により、ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1を示す演出に変更されることを報知する。ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1は、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2よりも大当り期待度が低くなる。したがって、ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1に変更されることにより、既に示唆演出として実行されたステップ数が「2」のステップアップ予告SU2に比べて、大当り期待度がより低い演出態様に変更されたことを認識可能に報知できる。
図53(K)に示す演出画像が表示された後には、例えば図53(L)に示すような演出画像の表示などにより、ステップアップ予告でのステップ数が「2」から「1」に変更されたことや、それにより低くなった大当り期待度の段階数(ランクダウン数)に対応する「1ランクダウン」が、報知されてもよい。こうして昇格3回目の昇格演出時間が経過すると、昇格演出カウント値が昇格演出総数に達することから、期待度昇格演出の実行が終了する。このときには、例えば図53(M)に示すような演出画像の表示などにより、複数の示唆演出について演出態様が大当り期待度のより高い演出態様に変更された合計回数(総演出数)は、ステップアップ予告のみであることに対応して、「1」であることが報知されてもよい。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも多くの示唆演出における演出態様を示す演出が、期待度昇格演出において大当り期待度がより高い演出態様を示す演出に変更されることを報知してもよい。可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、所定数以上の示唆演出における演出態様を示す演出が、期待度昇格演出において大当り期待度がより高い演出態様を示す演出に変更されることを報知してもよい。期待度昇格演出において示唆演出の演出態様を示す演出が変更されるときには、可変表示結果が「大当り」となる場合に、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも、大当り期待度が高くなる段階数(ランクアップ数)が多くなるようにしてもよい。期待度昇格演出において示唆演出の演出態様を示す演出が変更されるときには、可変表示結果が「大当り」となる場合に、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、大当り期待度が高くなる段階数(ランクアップ数)が所定数以上になるようにしてもよい。
例えば図53(I)〜(L)に示したように、期待度昇格演出において、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出が、大当り期待度のより低い演出態様を示す演出に変更された場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性が低くなるようにしてもよい。一方、この場合には、法則崩れにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が飛躍的に高くなるようにしてもよい。
こうした期待度昇格演出を実行することなく、擬似連変動などの再変動を実行することで、既に実行された複数の示唆演出における演出態様を変更する場合には、例えば飾り図柄の可変表示状態との違和感を防止するなどの観点から、既に実行された示唆演出の順序や実行間隔にあわせて、それぞれの示唆演出における演出態様を変更することが考えられる。図54は、再変動の実行により複数の示唆演出における演出態様を変更する昇格動作例の実行タイミングを示している。
図54に示す昇格動作例では、昇格演出総数が「5」であり、図19に示した期待度昇格演出が実行される場合と同様にスーパーAのリーチ演出が開始された後のタイミング(タイミングTM03に対応)にて、昇格前の変動を終了し、昇格用の擬似連変動を開始させる。このときには、変動開始時予告の実行タイミングTY30に対応してメッセージ予告を実行することにより、大当り期待度がより高い演出態様に変更されるか否かを認識可能に報知する。その後、飾り図柄の全部が変動している全図柄変動中に全図柄変動中予告の実行タイミングTY31となることで、ステップアップ予告を実行することにより、大当り期待度がより高い演出態様に変更されるか否かを認識可能に報知する。また、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が減速して停止表示されてリーチ成立となり、リーチ成立時予告の実行タイミングTY33となる。このとき、リーチ成立時予告を実行することにより、大当り期待度がより高い演出態様に変更されるか否かを認識可能に報知する。
さらに、例えばノーマルのリーチ演出を実行中に再変動演出の実行タイミングTY32となり、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて擬似連図柄(カード図柄)を一旦停止表示することなどにより、大当り期待度がより高い演出態様に変更されるか否かを認識可能に報知する。その後、発展演出とスーパーAのリーチ演出を実行してから、スーパーBのリーチ演出を実行することで、リーチ演出の演出態様を大当り期待度がより高い演出態様とする変更が報知される。
このように、擬似連変動などの再変動を実行することで、既に実行された複数の示唆演出における演出態様を変更する場合には、それぞれの示唆演出が実行される前後、あるいは1の示唆演出が終了してから他の示唆演出が開始されるまでのインターバルにて、飾り図柄の可変表示を実行する期間(変動演出期間)が生じることがある。また、例えばノーマル、スーパーA、スーパーBのような複数のリーチ演出が所定順序で実行される場合に、リーチ演出の演出態様が大当り期待度のより高い演出態様に変更されることを明確に報知する観点などから、一旦実行されたリーチ演出についても、再変動の後に再び最初から実行されることもある。そのため、図19と図54との比較からも明らかなように、期待度昇格演出を実行しない場合には、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が長くなってしまうおそれがある。
一方、期待度昇格演出では、既に実行された示唆演出の順序や実行間隔(開始タイミングの時間差あるいは示唆演出ごとのインターバル期間など)にかかわらず、複数の示唆演出に対応して、演出態様の変更を報知する演出が連続的(順次)に行われる。すなわち、複数の示唆演出が実行される場合に、第1タイミングにて第1の示唆演出が開始され、所定期間が経過した後に、第2タイミングにて第2の示唆演出が開始されるように複数のタイミングが設定されていても、期待度昇格演出では、第1の示唆演出について演出態様を示す演出が変更されるか否かの報知が開始されてから、所定時間の経過を待つことなく、第2の示唆演出について演出態様を示す演出が変更されるか否かの報知が開始される。これにより、可変表示時間の長期化を防止しつつ、大当り遊技状態における遊技といった有利な遊技が実行される期待感を円滑に高めることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、予告演出、再変動演出およびリーチ演出といった複数の示唆演出について、期待度昇格演出において大当り期待度がより高い演出態様を示す演出に変更されるか否かを報知するものとして説明した。これに対して、既に実行された1の示唆演出について、大当り期待度がより高い演出態様を示す演出に変更されるか否かを報知する期待度昇格演出が実行されるものであってもよい。
上記実施の形態では、図柄停止予告やステップアップ予告が先読み予告として実行された後、先読み予告による予告対象となる可変表示において期待度昇格演出が実行されて、演出内容が変更されるか否かを報知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば先読み予告となる予告演出の実行が開始された後、予告対象となる可変表示が実行されるより前に期待度昇格演出が実行されて、先読み予告の演出内容が変更されるか否かを報知してもよい。この場合、例えば図37に示すステップS529にて可変表示中演出決定処理が実行されたときに、先読み予告を実行中であるか否かの判定を行い、実行中であると判定されたときには、先読み予告についての期待度昇格演出を実行するか否かを決定する。そして、期待度昇格演出を実行すると決定されたときには、前回の可変表示にて既に実行された先読み予告の演出態様(演出内容)を報知してから、図38に示すステップS726、S727の処理による決定結果などに基づいて、今回の可変表示における先読み予告の演出態様(演出内容)を報知すればよい。
また、期待度昇格演出は、1回の可変表示において実行されるものに限定されず、複数回の可変表示にわたり実行されるものであってもよい。一例として、図柄停止予告やステップアップ予告といった先読み予告が3回の可変表示にわたり連続して実行される場合に、1回目の可変表示において先読み予告の実行が開始された後、2回目と3回目の可変表示(2回の可変表示)にわたり期待度昇格演出が実行されて、先読み予告の演出内容が変更されるか否かを報知してもよい。この場合でも、3回の可変表示にわたり連続して実行された先読み予告の順序や実行間隔にあわせて、3回の可変表示にわたり演出態様が変更されることを報知する場合に比べれば、可変表示回数の増加による可変表示時間の長期化を防止しつつ、大当り遊技状態における遊技といった有利な遊技が実行される期待感を円滑に高めることができる。
このように、先読み予告の期待度昇格演出は、先読み予告が実行された後の所定タイミングにて実行が開始されるものであればよく、予告対象となる可変表示より前に行われる可変表示にて実行されてもよいし、複数回の可変表示にわたり実行されてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、示唆演出や期待度昇格演出といった所定演出を実行するための画像表示装置5における画像表示動作やスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作や演出用模型に含まれる可動部材の動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えば予告演出や再変動演出、リーチ演出といった、演出態様に応じて大当り遊技状態となる可能性を示唆する示唆演出が実行された後に、タイミングTM01〜TM03のいずれかといった特定タイミングにて期待度昇格演出が実行される。期待度昇格演出では、既に実行された示唆演出の演出態様を示す演出を、大当り期待度がより高い演出態様に変更するか否かが報知される。これにより、大当り遊技状態となる期待感を円滑に高めて、遊技興趣を向上させることができる。
そして、先読み予告となる予告演出のように、可変表示結果が「大当り」となるか否かが判定された可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて大当り遊技状態となる可能性を示唆する示唆演出が実行された後の特定タイミングにて、期待度昇格演出が実行される。これにより、先読み予告が実行された場合に大当り遊技状態となる期待感を円滑に高めて、遊技興趣を向上させることができる。
また、例えばタイミングTM01〜TM03といった複数のタイミングのうちから、期待度昇格演出の実行開始タイミングとなる特定タイミングが決定される。これにより、複数のタイミングにて期待度昇格演出が実行される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
タイミングTM01〜TM03といった複数のタイミングのうち、より遅いタイミングが実行開始タイミングとなる場合には、期待度昇格演出にて多くの示唆演出の演出態様を示す演出が変更されやすくなる。これにより、期待度昇格演出が実行されるタイミングに対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
期待度昇格演出は、再可変表示パターンが使用パターンに決定されたことに基づいて実行可能となる。そして、1回分の擬似連変動を期待度昇格演出に置換して実行する。これにより、「擬似連」の可変表示演出における擬似連回数が少ない場合、あるいは「擬似連」の可変表示演出が実行されない場合でも、期待度昇格演出により大当り遊技状態となる期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。また、再可変表示パターンを用いて期待度昇格演出を実行可能にすることで、変動パターンや演出制御コマンドの種類数が増大することを防止して、期待度昇格演出の実行に伴う遊技制御や演出制御の処理負担を軽減することができる。
例えばメッセージ予告などの示唆演出では、所定画像を表示する画像表示演出が行われ、大当り期待度に応じて所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示する。この場合、期待度昇格演出では、既に実行された画像表示演出における所定画像の表示態様を示す演出を、所定画像の一部の表示態様が大当り期待度のより高い表示態様となる所定画像を示す演出に変更して表示する。これにより、画像表示演出が実行された場合に大当り遊技状態となる期待感を円滑に高めて、遊技興趣を向上させることができる。
例えばステップアップ予告などの示唆演出では、演出態様を1段階から複数段階まで段階的に変化(ステップアップ)させ、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも大当り期待度が高いことを示唆する。この場合、期待度昇格演出では、既に実行されたステップアップ予告におけるステップ数を示す演出を、より多いステップ数を示す演出に変更して表示する。これにより、ステップアップ演出が実行された場合に大当り遊技状態となる期待感を円滑に高めて、遊技興趣を向上させることができる。
期待度昇格演出では、複数の示唆演出について演出態様を示す演出が変更されることを報知する場合に、それぞれの報知が行われる前または後に、区切り演出が実行される。これにより、既に実行された複数の示唆演出のうちいずれの演出態様が変更されるかを、遊技者が明確に認識することができる。
区切り演出では、例えば昇格回数といった、演出態様が変更される示唆演出の数を報知する。また、区切り演出では、例えば昇格対象演出といった、演出態様が変更される示唆演出の種類を報知する。区切り演出の実行に対応して、例えば演出用模型を構成する複数の可動部材のいずれかといった、所定の可動部材を動作させる。これらの一部または全部により、期待度昇格演出において演出態様が変更される示唆演出に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図41に示すステップS603の処理では図42(A)に示すような決定割合で期待度昇格演出の有無が決定される。一方、図41に示すステップS607の処理では、期待度昇格演出が実行されない場合に対応して、図43(B1)および(B2)に示すような決定割合で予告演出が決定される。こうして、期待度昇格演出において昇格後の演出内容として特定の演出態様が報知された場合には、示唆演出において特定の演出態様となる場合よりも、大当り期待度が高められる。これにより、期待度昇格演出における演出態様の変更に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
期待度昇格演出は、例えばタイミングTM01〜TM03のいずれかといった、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後の特定タイミングにて実行が開始される。これにより、リーチ状態となった後の演出に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。