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JP2013020229A - 光接続部材及び光接続構造 - Google Patents

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JP2013020229A
JP2013020229A JP2012096905A JP2012096905A JP2013020229A JP 2013020229 A JP2013020229 A JP 2013020229A JP 2012096905 A JP2012096905 A JP 2012096905A JP 2012096905 A JP2012096905 A JP 2012096905A JP 2013020229 A JP2013020229 A JP 2013020229A
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Tomomi Sano
知巳 佐野
Susumu Inoue
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】複数のコアを有するマルチコアファイバと複数の単一コアファイバとを簡単な構成で効率的に接続できる光接続部材を提供する。
【解決手段】光接続部材1は、第1端面13aと第2端面14aとを結ぶ導波部12によってMCF2と複数のSCF3との間の光接続を実現する。この光接続部材1では、複数の導波部12のそれぞれにおいて、第1端面13aとの接続端12Aが第1端面13aに直交する直線部分となっている。さらに、第2端面14aとの分岐端12Bが第2端面14aに直交する直線部分となっている。これにより、導波部12を通った光が第1端面13a及び第2端面14aからほぼ垂直に出射するため、光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信システムに好適に適用されるマルチコアファイバなどの光素子に対し、複数の単一コアファイバなどの光学部品を効率的に接続するための光接続部材、及びその光接続構造に関する。
従来、1つの送信局と複数の加入者との間の光通信を可能にするFTTH(Fiber To The Home)サービスを提供するため、多段の光スプリッタを介在させることで1本の光ファイバを各加入者が共有する、いわゆるPON(Passive Optical Network)システムが実現されている。しかしながら、PONシステムでは、輻輳制御(Congestion Control)や受信ダイナミックレンジの確保など、将来的な伝送容量の増加に対する技術的課題を有している。
この技術的課題を解決する手段の一つとして、SS(Single Star)システムへの移行が考えられる。SSシステムへ移行する場合は、局内側においてファイバ心数がPONシステムに対して増大するため、局内側光ケーブルにおいて極細径化・超高密度化が必須となる。極細径・超高密度化用の光ファイバとしては、例えば、同一のクラッド内に複数のコアを備えたマルチコアファイバを用いることが好適である。
マルチコアファイバとして、例えば特許文献1に開示された光ファイバは、その断面において二次元に配置された7本以上のコアを有している。また、例えば特許文献2には、複数のコアが一直線上に並列された光ファイバが開示されており、光導波部・半導体光集積素子との接続が容易になる旨が記載されている。
特開平05−341147号公報 特開平10−104443号公報
しかしながら、上述のような複数のコアを有するマルチコアファイバへの接続対象として想定されるネットワーク資源、例えば一般の光学機器などは、単一コアファイバを介して局と接続することを前提にしているのが現状である。このため、マルチコアファイバと複数の単一コアファイバとの接続構成が重要となり、簡単な構成で接続損失を抑えられる光接続手段が求められている。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、複数のコアを有するマルチコアファイバなどの光素子と複数の単一コアファイバなどの光学部品とを簡単な構成で効率的に接続できる光接続部材、及び当該光接続部材と光素子などを接続する光接続構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る光接続部材は、互いに平行な光軸を有する複数の光入出力部を有する光素子を他の光学部品に接続する光接続部材であって、光素子側の第1端部及び他の光学部品側の第2端部を有する本体部と、本体部内に配置され、第1端部と第2端部とを結ぶように延在する複数の導波部とを備えている。この光接続部材では、複数の導波部のそれぞれは、第1端部において、複数の光入出力部の配列に対応するように配列されており且つ互いに平行である直線部分を有していることを特徴としている。
この光接続部材は、第1端部と第2端部とを結ぶ導波部によってマルチコアファイバなどの光素子と複数の単一ファイバなどの光学部品との間に光接続を実現する。この光接続部材では、複数の導波部それぞれが、第1端部において、複数の光出力部の配列に対応するように配列されており且つ互いに平行である直線部分を有している。これにより、複数の導波部の光軸が第1端部側において互いに平行となるため、光接続部材の光軸とマルチコアファイバなどの光素子の光軸とを容易に一致させることができ、光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。また、この光接続部材は、第1端部側において複数の導波部それぞれが互いに平行となる領域を備えていることになるため、良好な接続面を得るために光接続部材の接続面をある程度、研磨する場合であっても、導波部の平行度を維持することが可能である。
上記の光接続部材では、複数の導波部のそれぞれは、第1端部において、複数の光入出力部の二次元配列に対応するように二次元に配列されていてもよい。
上記の光接続部材では、複数の導波部のそれぞれは、第2端部において、他の光学部品の配列に対応するように一次元に配列されており且つ互いに平行である直線部分を有していてもよい。この場合、複数の導波部の光軸が第2端部側において互いに平行となるため、光接続部材の光軸と複数の単一コアファイバなどの光学部品の光軸とを容易に一致させることができ、光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。また、この光接続部材は、第2端部側において複数の導波部それぞれが互いに平行となる領域を備えていることになるため、良好な接続面を得るために光接続部材の接続面をある程度、研磨する場合であっても、導波部の平行度を維持することが可能である。
上記の光接続部材では、本体部は、複数の導波部の外径と略等しい内径を有する複数の貫通孔を有し、複数の導波部は、複数の貫通孔にそれぞれ収容されて固定されていてもよい。この場合において、複数の導波部は、複数の光入出力部間の距離に等しいクラッド径を有する単一コアファイバによってそれぞれ形成されていてもよく、例えば、光素子がマルチコアファイバの場合、マルチコアファイバのコア配列は、通常、コア間距離が等しくなるように形成される。したがって、上記構成により、マルチコアファイバのコア配列と同じように導波部が配列された第1端部を容易に得られる。
上記の光接続部材では、複数の導波部は、本体部内に形成された複数の貫通孔に、本体部よりも屈折率の高い液体を充填することによってそれぞれ形成されていてもよい。また、複数の導波部は、本体部内に形成された複数の貫通孔の内壁に光反射膜を被膜させることによってそれぞれ形成されていてもよい。これらいずれの場合であっても、光の接続損失を抑えた導波部を簡単に構成できる。
上記の光接続部材では、第1端部は、円筒形状になっていてもよい。この場合、マルチコアファイバなどの光素子を汎用的な円筒状のフェルールに固定した上で、マルチコアファイバなどの光素子の端面と光接続部材の端面とをスリーブを介して容易に接続できる。また、第2端部には、他の光学部品の光軸と複数の導波部の第2端部における光軸とが一致するように他の光学部品に接続するためのガイド部が設けられていてもよい。
上記の光接続部材では、第1端部において、各導波部の端面が等間隔に配列されていてもよい。この場合、例えば、光素子がマルチコアファイバであると、マルチコアファイバのコア配列は、通常、コア間距離が等しくなるように二次元配列される。したがって、上記構成の第1端部を形成することにより、マルチコアファイバの接続が容易となる。
また、上記課題の解決のため、本発明に係る光接続部材は、複数のコアを有するマルチコアファイバと複数の単一コアファイバとを接続する光接続部材であって、マルチコアファイバの端面に接続される第1端面と、複数の単一コアファイバに分岐される第2端面と、第1端面と第2端面とを結ぶように延在する複数の導波部とを有する本体部を有し、複数の導波部のそれぞれは、少なくとも第1端面との接続端が第1端面に直交する直線部分となっていることを特徴としている。
この光接続部材は、第1端面と第2端面とを結ぶ導波部によってマルチコアファイバと複数の単一コアファイバとの間の光接続を実現する。この光接続部材では、複数の導波部のそれぞれにおいて、少なくとも第1端面との接続端が第1端面に直交する直線部分となっている。これにより、導波部を通った光が第1端面及び第2端面からほぼ垂直に出射するため、マルチコアファイバと複数の単一コアファイバの接続部における光軸を容易に一致させることができ、光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
また、上記課題の解決のため、本発明に係る光接続構造は、上述した何れかの光接続部材と、互いに平行な光軸を有する複数の光入出力部を有し、光接続部材に接続される光素子とを備えている。この光接続構造では、光素子は、第1端部の光素子側の第1端面における複数の導波部と光素子の複数の入出力部とが対向するように、光接続部材に接続されていることを特徴としている。この場合、光素子の複数の光入出力部は、所定の回転軸を中心に点対称に配置され、第1端面における複数の導波部と対向するよう回転角を調整して接続されるようにしてもよい。これにより、光素子と光接続部材との接続を容易に行うことができる。
上記光接続構造では、光素子は、複数のコアが共通のクラッドに包囲されたマルチコアファイバであり、マルチコアファイバは、ガイド部材によって光接続部材に対して位置決めされて固定される光フェルールによって保持されていてもよい。この場合、マルチコアファイバ及び光フェルールには、マルチコアファイバの回転角を規制する規制構造が設けられていてもよい。これにより、マルチコアファイバと光接続部材との回転方向における位置決めを容易に行うことができる。
上記光接続構造では、光素子は、複数の受発光部を二次元状に配列した受発光素子であり、受発光素子の複数の受発光部それぞれを、複数の導波部に光接続させるための集光光学系を更に備えるようにしてもよい。この場合、VCSELのように複数の受発光部を備えた受発光素子を他の光学部品に、接続損失を好適に抑えて接続することができる。
本発明によれば、複数の光入出力部を有する光素子と他の光学部品とを簡単な構成で効率的に接続できる。
本発明に係る光接続部材及び光接続構造の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示した光接続部材の一部を切り欠いて示す平面図である。 本体部の第1端面を示す図である。 本体部の第2端面を示す図である。 図1に示した光接続部材の製造工程の一例を示す斜視図である。 図5の後続の工程を示す斜視図である。 成型直後の本体部の第1端部を示す斜視図である。 本発明に係る光接続部材の変形例を示す図である。 本発明に係る光接続部材の別の変形例を示す図である。 本発明に係る光接続構造の変形例を示す斜視図である。 図10に示した光接続構造に用いられる受発光素子を示す平面図である。 図1に示した光接続構造に用いられるマルチコアファイバ及び光フェルールの変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る光接続部材及び光接続構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光接続部材及び当該光接続部材を用いた光接続構造の一実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示した光接続部材の一部を切り欠いて示す平面図である。図1に示すように、光接続部材1は、マルチコアファイバ(以下「MCF」)2と、複数の単一コアファイバ(以下「SCF」)3とを接続する光接続部材である。光接続部材1を用いて、光素子の一例であるMCF2と光学部品の一例であるSCF3とを光学的に接続し、光接続構造C1が構成される。
MCF2は、同一のクラッド内に複数のコア(光入出力部)が互いの光軸が平行となるように配置されたファイバである。MCF2の複数のコアは、コア間距離がそれぞれ等しくなるように配置されていることが好ましい。コア配列は、直線的な一次元配列であってもよいが、例えば三角格子状や四方配列といった二次元配列であることが好ましい。
本実施形態のMCF2は、三角格子状の配列となっており、クラッドの中心位置に1つ、及びその周りに60°間隔で6つ、計7つのコアが互いに等間隔となるように配置されている。つまり、MCF2のコアは、中心に位置する回転軸を中心に点対称に配置されている。なお、例えば中心コアが存在しない場合には厳密な三角格子配列とは異なるが、本発明においては、中心コアの存在を仮想した場合に三角格子配列が実現される配列をも含むものとする。
一方、SCF3は、MCF2と同径のコアを有すると共に、MCF2のコア間距離に等しくなるように、少なくとも先端部分のクラッド径が細径化されたファイバである。SCF3の先端には、MTコネクタ4が取り付けられており、SCF3の先端部分の光軸が互いに平行になるようにSCF3がMTコネクタによって固定されている。MTコネクタ4の先端面4aには、光接続部材1を取り付けるためのガイドピン5,5が設けられており、ガイドピン5,5の間には、MCF2のコア数に応じて、7本のSCF3の先端が所定のピッチで横一列に露出している。
光接続部材1は、図1及び図2に示すように、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂やPEI(ポリエーテルイミド)樹脂といった一般的な光コネクタを構成するのに用いられるプラスチック樹脂によって形成された本体部11と、本体部11内に設けられた複数(ここでは7本)の導波部12とを備えている。本体部11は、MCF2の端面に接続される第1端面13aを含む第1端部13と、SCF3の端面に接続される第2端面14aを含む第2端部14と、第1端部13と第2端部14との間に位置する中間部15とを有している。
第1端部13は、MCF2が挿入されたフェルール7の外径と同径の円筒形状をなしており、その端面が断面円形の第1端面13aとなっている。第1端部13の長さは、例えばMCF2のコア径の5倍以上となっている。一方、第2端部14は、略直方体形状をなしており、その端面がMTコネクタ4の先端面4aと同形の第2端面14aとなっている。
第2端部14の長さは、第1端部13と同様に、例えばMCF2のコア径の5倍以上となっている。この第2端部14には、MTコネクタ4のガイドピン5,5が嵌合する嵌合孔16,16(ガイド部)が設けられている。中間部15は、円筒状の第1端部13と略長方形状の第2端部14とを繋ぐように第1端部13側から第2端部14側にかけて裾広がりとなる形状を有している。
導波部12は、より具体的には、第1端部13の第1端面13aと第2端部14の第2端面14aとを結ぶように本体部11内に延在する貫通孔17内に隙間無く配置(収容)されたSCF18によって構成されている。貫通孔17は、SCF18の外径と略等しい内径を有する。SCF18は、SCF3と同様のファイバであり、MCF2のコア間距離に等しくなるようにクラッド径が細径化されている。
複数の導波部12のそれぞれは、第1端面13aとの接続端12Aが第1端面13aに直交する直線部分となっている。複数の導波部12の第1端部13における、これら直線部分からなる接続端12Aは、互いに平行となるように配列されている。さらに、第2端面14aとの分岐端12Bが第2端面14aに直交する直線部分となっている。複数の導波部12の第2端部14における、これら直線部分からなる分岐端12Bは、互いに平行となるように配列されている。
本実施形態で用いる「直交」は、例えば第1端面13aに対する角度が90度±0.5度の範囲内であることを示すが、光接続部材による接続精度に応じてこの範囲を適宜増減できることは当業者にとって自明である。接続端12A及び分岐端12Bの長さは、例えばMCF2のコア径の5倍以上となっている。導波部12の中間部分は、第1端面13aと第2端面14aとの間で本体部11の形状に沿って緩やかに湾曲し、接続端12A及び分岐端12B同士を繋いでいる。
導波部12の一端面は、MCF2のコアの位置とSCF18のコアの位置とが対応するように第1端面13aに露出しており、図3に示すように、第1端面13aの中心位置に1つ、及びその周りに60°間隔で6つ、計7つが互いに等間隔となるように配置されている。また、導波部12の他端面は、SCF3のコアの位置とSCF18のコアの位置とが対応するように第2端面14aに露出しており、図4に示すように、嵌合孔16,16の間に所定のピッチで横一列に配置されている。
つまり、複数の導波部12は、図3に示されるように、その接続端12Aにおいて、MCF2の複数のコアに対応するように二次元状に(即ち、コアを結ぶ直線が多角形を形成するように)配列されている。一方、複数の導波部12は、図4に示されるように、その分岐端12Bにおいて、SCF3の複数のコアに対応するように1次元状に(即ち、コアを結ぶ直線が一直線を形成するように)配列されている。
以上のような構成を有する光接続部材1では、MCF2のコア位置と第1端面13a上の導波部12の位置とを合わせた状態、つまりMCF2のコアと第1端面13a上の導波部12とがそれぞれ対向するように互いに回転角を調整した状態で、フェルール7によって固定されたMCF2の端面と本体部11の第1端面13aとを割りスリーブ19(ガイド部材)内で当接させる。さらに、第2端部14の嵌合孔16,16にガイドピン5,5を嵌合してMTコネクタ4の先端面4aと本体部11の第2端面14aとを当接させることにより、導波部12を介してMCF2とSCF3とを接続することができる。
このとき、光接続部材1では、複数の導波部12のそれぞれにおいて、第1端面13aとの接続端12Aが第1端面13aに直交する直線部分であり、これら直線部分が互いに平行となっている。これにより、MCF2と導波部12の接続部における光軸を容易に一致させることができる。さらに、第2端面14aとの分岐端12Bが第2端面14aに直交する直線部分であり、これら直線部分が互いに平行となっている。これにより、導波部12とSCF3の接続部における光軸をも容易に一致させることができる。従って、光が第1端面13a及び第2端面14aから斜めに出射する場合に比べて、光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
上述した光接続部材1は、例えば射出成型によって形成することができる。この場合、まず、図5に示すように、本体部11の形状に応じた窪み部22,22を有する一対の金型21,21を用意する。窪み部22,22は、それぞれ本体部11の幅方向の一方の半分部分の形状と他方の半分部分の形状とに対応しており、金型21,21が閉じたときに、金型21,21内に本体部11と同型の空間S(図6参照)を形成するようになっている。窪み部22,22には、第1端部13の形成位置よりも先端側に小径部24が設けられている。
次に、弾性部材からなる複数(MCF2のコア数と同数)の成型ピン23を用意し、窪み部22,22間に配置する。この状態で、図6に示すように、一対の金型21,21を閉じると、各成型ピン23の先端が小径部24によって互いに平行になるように束ねられると共に、空間S内で弾性変形によって緩やかに変形した状態となる。これにより、各成型ピン23のそれぞれが、第1端面13aに直交する直線部分と第2端面14aに直交する直線部分とを有することとなる。その後、金型21,21の樹脂注入孔(不図示)から樹脂を注入し、成型ピン23を引き抜くと、複数の貫通孔17が形成された本体部11が得られる。
このとき得られた本体部11の第1端面13aには、図7に示すように、小径部24の形状に対応した凸部25が残存する。したがって、凸部25を研磨等によって除去することにより、第1端面13aが形成される。貫通孔17は、第1端部13における接続端12Aに対応する互いに平行な直接部分を有しているため、このような研磨等を行った場合でも導波部12の光軸の平行度が維持される。最後に、各貫通孔17にSCF18を挿入することにより、光接続部材1が得られる。なお、凸部25の突出量が小さい(例えばコア径と同程度)場合には凸部25が残存したままであってもよい。MCF2と接続した場合にも、凸部25が損傷する恐れが小さいからである。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、種々の変形を適用できる。例えば上述した実施形態では、貫通孔17にSCF18を配置して導波部12を構成したが、図8に示すように、MCF2のコア径と同径の貫通孔37を形成し、貫通孔37内に本体部11よりも屈折率の高い液体38を充填することによって導波部12を形成してもよい。液体38としては、例えばシリコーン樹脂などを含むマッチングオイルを用いることができる。
また、図9に示すように、MCF2のコア径と同径の貫通孔47を形成し、貫通孔47の内壁を光反射膜48で被膜することによって導波部12を形成してもよい。光反射膜48としては、例えば無電解めっき等で形成されたAu膜が挙げられる。以上のような構成によっても、光の接続損失を抑えた導波部12を簡単に構成できる。
さらに、貫通孔17に配置するSCF18は、第2端面14aから十分な長さをもって延出していてもよい。こうすると、光接続部材1の第2端面14aから延出するSCF18を、ガイドピンなしで直接他の光デバイスに接続することができる。なお、この場合には上記の実施形態とは異なり導波部12とSCF3の第2端面14aにおける接続部が存在しないため、第2端面14aとの分岐端12Bが第2端面14aに直交する直線部分は存在しなくても良い。また、この場合、光接続部材1の内部に固定されるSCF18を被覆付光ファイバとすることが好ましい。
すなわち、SCF18は、第1端面13a側において細径化され、かつ被覆が除去された状態となっており、被覆の少なくとも一部が光接続部材1の内部に固定されていることが好ましい。このような光接続部材1を形成する場合には、成型ピン23として一方の端部が大径(被覆径に相当)で、他方の端部が小径(被覆除去部分の外径に相当)であるものを用い、大径側が第2端面14a側を向くように配置して、上記と同様のプロセスで本体部11を射出成形すればよい。
また、上述した実施形態では、図1に示すように光接続部材1をMCF2に接続した光接続構造の例を説明したが、図10に示すように、光接続部材1を受発光素子57に結合レンズ59(集光光学系)を介して接続するようにした光接続構造C2としてもよい。この受発光素子57は、図11に示すように、MCF2のコア配列と同様に配列された複数(図11の例では7つ)の受発光部52を備えており、光接続構造C2によれば、光接続構造C1と同様に、複数の導波部12と複数の受発光部52における光軸を容易に一致させることができる。従って、光素子の一例として受発光素子57を用いた場合であっても、光が第1端面13a及び第2端面14aから斜めに出射する場合に比べて、光の接続損失を好適に抑えることが可能となる。
また、上述した実施形態では、断面円形形状のMCF2を光フェルール7に挿入した例を用いて説明したが、図12に示すように、MCF62の一部を切り欠いて平坦面62aを設け、光フェルール67の内孔にこの平坦面62aに対応する平坦面67aを設ける構成にしてもよい。この規制構造によれば、MCF62の回転を光フェルール67によって規制することができる。なお、上述した製造方法では、成型ピン23を用いて本体部11に貫通孔17を形成した後、貫通孔17にSCF18を配置して導波部12を構成するようにしたが、成型ピン23を使用せずにSCF18を最初から一対の金型21,21に配置して導波部12を構成するようにしてももちろんよい。
1…光接続部材、2…MCF、3…SCF、12…導波部、12A…接続端、12B…分岐端、13…第1端部、13a…第1端面、14…第2端部、14a…第2端面、18…SCF、37,47…貫通孔、38…液体、48…光反射膜、C1,C2…光接続構造。

Claims (16)

  1. 互いに平行な光軸を有する複数の光入出力部を有する光素子を他の光学部品に接続する光接続部材であって、
    前記光素子側の第1端部及び前記他の光学部品側の第2端部を有する本体部と、
    前記本体部内に配置され、前記第1端部と前記第2端部とを結ぶように延在する複数の導波部と、を備え、
    前記複数の導波部のそれぞれは、前記第1端部において、前記複数の光入出力部の配列に対応するように配列されており且つ互いに平行である直線部分を有していることを特徴とする光接続部材。
  2. 前記複数の導波部のそれぞれは、前記第1端部において、前記複数の光入出力部の二次元配列に対応するように二次元に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の光接続部材。
  3. 前記複数の導波部のそれぞれは、前記第2端部において、前記他の光学部品の配列に対応するように一次元に配列されており且つ互いに平行である直線部分を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光接続部材。
  4. 前記本体部は、前記複数の導波部の外径と略等しい内径を有する複数の貫通孔を有し、
    前記複数の導波部は、前記複数の貫通孔にそれぞれ収容されて固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の光接続部材。
  5. 前記複数の導波部は、前記複数の光入出力部間の距離に等しいクラッド径を有する単一コアファイバによってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光接続部材。
  6. 前記複数の導波部は、前記本体部内に形成された複数の貫通孔に、前記本体部よりも屈折率の高い液体を充填することによってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光接続部材。
  7. 前記複数の導波部は、前記本体部内に形成された複数の貫通孔の内壁に光反射膜を被膜させることによってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光接続部材。
  8. 前記第1端部は、円筒形状になっていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の光接続部材。
  9. 前記第2端部には、前記他の光学部品の光軸と前記複数の導波部の前記第2端部における光軸とが一致するように前記他の光学部品に接続するためのガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の光接続部材。
  10. 前記第1端部において、前記各導波部の端面が等間隔に配列されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の光接続部材。
  11. 複数のコアを有するマルチコアファイバと複数の単一コアファイバとを接続する光接続部材であって、
    前記マルチコアファイバの端面に接続される第1端面と、
    前記複数の単一コアファイバに分岐される第2端面と、
    前記第1端面と前記第2端面とを結ぶように延在する複数の導波部とを有する本体部を有し、
    前記複数の導波部のそれぞれは、少なくとも前記第1端面との接続端が前記第1端面に直交する直線部分となっていることを特徴とする光接続部材。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載の光接続部材と、
    互いに平行な光軸を有する前記複数の光入出力部を有し、前記光接続部材に接続される光素子と、を備え、
    前記光素子は、前記本体部の前記光素子側の第1端面における前記複数の導波部と前記光素子の前記複数の光入出力部とが対向するように、前記光接続部材に接続されていることを特徴とする光接続構造。
  13. 前記光素子の前記複数の光入出力部は、所定の回転軸を中心に点対称に配置されており、前記第1端面における前記複数の導波部と対向するよう回転角を調整して接続されることを特徴とする請求項12に記載の光接続構造。
  14. 前記光素子は、複数のコアが共通のクラッドに包囲されたマルチコアファイバであり、
    前記マルチコアファイバは、ガイド部材によって前記光接続部材に対して位置決めされて固定される光フェルールによって保持されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の光接続構造。
  15. 前記マルチコアファイバ及び前記光フェルールには、前記マルチコアファイバの回転を規制する規制構造が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の光接続構造。
  16. 前記光素子は、複数の受発光部を二次元状に配列した受発光素子であり、
    前記受発光素子の前記複数の受発光部それぞれを、前記複数の導波部に光接続させるための集光光学系を更に備えることと特徴とする請求項12〜15の何れか一項に記載の光接続構造。
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