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JP2013008607A - 電流開閉器及び直流電流開閉器 - Google Patents

電流開閉器及び直流電流開閉器 Download PDF

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JP2013008607A
JP2013008607A JP2011141400A JP2011141400A JP2013008607A JP 2013008607 A JP2013008607 A JP 2013008607A JP 2011141400 A JP2011141400 A JP 2011141400A JP 2011141400 A JP2011141400 A JP 2011141400A JP 2013008607 A JP2013008607 A JP 2013008607A
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Shoji Haneda
正二 羽田
Minoru Okada
實 岡田
Haruki Wada
晴樹 和田
Fumio Mura
文夫 村
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Abstract

【課題】アーク放電を発生させないで、直流及び/又は低周波交流の高圧及び/又は大電流路の電流を遮断する。
【解決手段】電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
電極2には容量素子の一端が接続され、電極3には容量素子の他端が接続され、電極1は外部の電源の一方の極性の電位が印加される電極であり、電極3は外部の一方の極性の電位を出力又は非出力する電極であり、電極1、記電極2及び電極3が接触状態のときは、電流開閉器の開閉部が閉であり、電極2と電極3が離隔状態のときは、電流開閉器の開閉部が開であることを実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流開閉器において、高電圧直流、高電圧低周波交流、大電流直流及び大電流低周波交流に対応し、直流電流開閉器において、高電圧直流及び大電流直流に対応可能な、電流開閉器及び直流電流開閉器に関する。
高圧及び/又は大電流の直流電流を遮断するとき、直流スイッチの電極間にアーク放電が発生し、直流電流は交流に比して遮断が容易ではなく、このため、直流スイッチはアーク放電を消去するため装置が大きく高価であり、直流を給電することが望ましいデータセンタなどの負荷(サーバ等)に対しても、従来から、系統(商用電源)の交流を直流変換し(停電時等のバッテリーバックアップのため)し、さらに該直流を交流変換して給電し、末端の負荷において各負荷が該交流を直流に変換し負荷に電力を供給している。
これら変換の都度、電力損失が発生し、かつ設備構築にも、設備価格が高価かつ設備機種が多く、多大な費用を必要とする。
さらに、近年においては、CO排出規制などにも関連し、直流・交流変換、さらに交流・直流変換を必要としない電力効率に優れる高圧直流給電方式(系統電源を直流変換し、負荷直前の降圧DC/DCコンバータまで高圧直流を給電する方式)が検討されている。
したがって、高圧及び/又は大電流の直流給電方式において、上記の直流遮断が難しいという問題点を解決する課題が存在する。
特開2003−208829号公報
特許文献1は、直流遮断器に関するものであるが、以下の問題が存在する。
以下、この出願の明細書の段落「0028」を下記に引用して説明する。
「この遮断器は、図1に示すように、導電支持板11に固定した一対の板ばね10(弾性電極)と、この板ばね10に常時は接触する固定電極20とを具え、板ばね10と固定電極20との間に絶縁板30を抜き差しすることで導通・遮断を行うものである。」
以上が特許文献1の記載の一部である。
一般に、直流、交流を問わず、開閉器(スイッチ)における両電極の導通接触部は、凹凸による表面加工が施され、両電極が閉じているとき(導通状態)、この両電極の導通接触部の凹凸部は相互に接触し導通している。したがって、両導通接触部の間に物を挿入することは困難である(仮に先端部が薄いテーパ状板版であっても。)。
また、上記挿入を容易にするためには、両導通接触部に凹凸を形成せず、つるつる状平面とすると、一般に、両導通接触部における接触導通性が悪い。
導通接触部が、凹凸による表面加工されている場合は、両導通接触部の接触導通性は良好である。
以上の現状に鑑み、本発明の電流開閉器及び直流電流開閉器は、高圧及び/又は大電流の直流電流において、開閉器を断とすべく電極間を開くとき、電極間に絶縁体を挿入させず、両導通接触部間にアーク放電を発生させないことを実現する。
さらにまた、本発明の電流開閉器においては、高圧及び/又は大電流の低周波交流及においても、アーク放電を発生させずに電流を遮断する電流開閉器を実現する。
上記の目的を実現するべく本発明は以下の構成とする。
(1)請求項1に係る電流開閉器は、
電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
前記電極2の電位は前記容量素子の一端に伝達されるべく構成され、
前記電極3の電位は前記容量素子の他端に伝達されるべく構成され、
前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔し非導通状態となるとき、該電極2から前記容量素子及び前記外部の負荷を介して前記部分へ電流が流れ、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする。
(2)請求項2に係る電流開閉器は、
電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
前記電極2の電位は前記容量素子の一端に伝達されるべく構成され、
前記電極3の電位は前記容量素子の他端に伝達されるべく構成され、
前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔する一瞬、該電極2と該電極3との電位差が“0”又は極めて小さく、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする。
(3)請求項3に係る電流開閉器は、請求項1又は2において、
前記電極2と前記電極3を接触させた導通状態を保持し、該電極2と前記電極1を接触させ導通状態とすることにより、該電極3に前記外部の電源の前記一方の極性の電位を出力することを特徴とする。
(4)請求項4に係る直流電流開閉器は、
電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と整流素子との直列接続回路と、を備え、
前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
前記電極2の電位は前記直列接続回路の一端に伝達されるべく構成され、
前記電極3の電位は前記直列接続回路の他端に伝達されるべく構成され、
前記直列接続回路の前記整流素子は、前記外部の電源の前記の一方の極性の電位に順方向であり、
前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔し非導通状態となるとき、該電極2から前記直列接続回路及び前記外部の負荷を介して前記部分へ電流が流れ、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする。
(5)請求項5に係る直流電流開閉器は、
電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と整流素子との直列接続回路と、を備え、
前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
前記電極2の電位は前記直列接続回路の一端に伝達されるべく構成され、
前記電極3の電位は前記直列接続回路の他端に伝達されるべく構成され、
前記直列接続回路の前記整流素子は、前記外部の電源の前記の一方の極性の電位に順方向であり、
前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔する一瞬、該電極2と該電極3との電位差がほぼ“0”又は極めて小さく、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする。
(6)請求項6に係る電流開閉器は、
電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
前記電極2には前記容量素子の一端が接続され、前記電極3には該容量素子の他端が接続され、前記電極1は外部の電源の一方の極性の電位が印加される電極であり、該電極3は該外部の該一方の極性の電位を出力又は非出力する電極であり、該電極1、該電極2及び該電極3が接触状態のときは、電流開閉器の開閉部が閉であり、該電極2と該電極3が離隔状態のときは、電流開閉器の開閉部が開であることを特徴とする。
(7)請求項7に係る直流電流開閉器は、
電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と整流素子との直列接続回路と、を備え、
前記電極2には前記直列接続回路の一端が接続され、前記電極3には該直列接続回路の他端が接続され、前記電極1は外部の電源の一方の極性の電位が印加される電極であり、前記直列接続回路の前記整流素子は、該外部の電源の該一方の極性の電位に順方向であり、該電極3は該外部の電源の該一方の極性の電位を出力又は非出力する電極であり、該電極1、該電極2及び該電極3が接触状態のときは、直流電流開閉器の開閉部が閉であり、該電極2と該電極3が離隔状態のときは、直流電流開閉器の開閉部が開であることを特徴とする。
(8)請求項8に係る電流開閉器は、請求項1、2、3又は6のいずれかにおいて、
前記容量素子の両端に抵抗素子1が並列接続されていることを特徴とする。
(9)請求項7に係る直流電流開閉器は、請求項4、5又は7のいずれかにおいて、
前記容量素子の両端に抵抗素子1が並列接続されていることを特徴とする。
(10)請求項8に係る直流電流開閉器は、請求項4、5又は7のいずれかにおいて、
前記整流素子の両端に抵抗素子2が並列接続されていることを特徴とする。
(A)本発明による電流開閉器は、アーク放電を発生させないで、高電圧直流、高電圧低周波交流、大電流直流及び大電流低周波交流電流を遮断できる。
(B)本発明による直流電流開閉器は、アーク放電を発生させないで、高電圧直流及び大電流直流を遮断できる。
(C)本発明による電流開閉器及び直流電流開閉器は、開閉器遮断(OFF)時にアーク放電を発生させることがなく、かつ、従来技術と比較し、構造が極めて小型簡素で製造コストが低い。
(D)特に、本発明による電流開閉器及び直流電流開閉器は、高電圧用に使用する場合、該開閉器に流れる電流容量が小さくなるため、さらに小型化が実現できる。
(E)従来技術のアーク放電消去開閉器は、アーク放電の発生は元来阻止できないものと容認して、発生するアーク放電を如何に小規模とするか、発生したアーク放電を如何に消去するかが課題であったが、本発明による電流開閉器及び直流電流開閉器は、アーク放電自体を発生させない開閉器である。
は、本発明による電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器を応用した直流電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器を応用した直流電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器を応用した直流電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。 は、本発明による電流開閉器を応用した直流電流開閉器の実施の形態を示す構成図である。
各実施の形態の説明の前に、本発明の基本事項を説明する。
各実施の形態において共通する本発明の基本的技術思想は、本発明の電流開閉器の実施の形態である電流開閉器を遮断(OFF)とする場合において、電流開閉器の導通時接触していた両電極が離隔を開始した瞬間、容量素子により、両電極間の電位差を“0”とし、 同様に、本発明の電流開閉器を応用した直流電流開閉器の実施の形態である直流電流開閉器を遮断(OFF)とする場合において、直流電流開閉器の導通時接触していた両電極が離隔を開始した瞬間、容量素子により、両電極間の電位差を極めて小さくし、離隔した両電極間に発生すべくアーク放電を発生させないことである。
(1)電流開閉器の実施の形態
(1−1)ハードウェア構造及び電気回路構成
図1〜図4は、本発明による実施の形態である電流開閉器の基本的原理を示す模式的ハードウェア構造図(電極1、電極2及び電極3)及び電気回路構成(C及びR1)である。
なお、本発明の基本部分に関係しない付帯的要素は各図において割愛しているが、明細書にて文言上で説明する。
以下、図1〜図4を参照して、本発明の電流開閉器の実施の形態であるハードウェア構造及び電気回路構成を説明する。
本発明の電流開閉器の開閉部は、図1〜図4において、Et1で示される電極1、Et2で示される電極2、Et3で示される電極3で構成され、電極2Et2と電極3Et3を離隔させ、電極2Et2と電極3Et3が非導通、又は、電極2Et2と電極3Et3を接触させ、電極2Et2と電極3Et3が導通となることにより開閉器の機能を発揮する。
電極2Et2と電極3Et3を離隔させ、開閉部の電流を遮断(負荷への電力供給断)したうえで、さらにその後、電極1Et1と電極2Et2を離隔させる。
なお、以降、電極1Et1、電極2Et2、電極3Et3をそれぞれ単に、電極Et1、電極Et2、電極Et3と称す。
特許請求の範囲では、これらの電極をそれぞれ、電極1、電極2、電極3と称す。
ただし、電極Et1、電極Et2、電極Et3のみでは、アーク放電を発生しない通常の電圧・電流の範囲内(すなわち、通常の開閉器が使用される電圧・電流の範囲内)において、開閉機能を有するものの、高電圧直流、高電圧交流、高電圧ではなくとも大電流直流又は高電圧ではなくとも大電流交流電流の遮断時にアーク放電が発生し開閉器を断(OFF)とすることはできない。
すなわち、本発明の電流開閉器及び後述する本発明の直流電流開閉器は、各電極を含むメカニカル部分のみ(すなわち、本発明の基本的技術思想である容量素子Cを除外した)において、アーク放電を意識しない通常の電圧範囲における耐圧、電流容量を満足するのみでよく、アーク放電阻止は電気回路で実現する。
したがって、本発明の電流開閉器及び後述する本発明の直流電流開閉器の開閉部はアーク放電を消滅させるための装置が不要で小型となる。
なお、上記及び明細書中の、高電圧(高圧)、低電圧(低圧)、高電圧ではない電圧、(低電圧とも一概に限定できないが。)大電流直流及び交流(周波数)は定性的表現のため、後述にて説明を補足する。
アーク放電を阻止するため、図1〜図4において“C”で表される容量素子(以降、容量素子Cと称す。特許請求の範囲では容量素子と称す。)を必要とする。
なお、必要に応じて、R1で表される抵抗素子(以降、抵抗素子R1と称す。特許請求の範囲では抵抗素子1と称す。)を容量素子Cに並列接続する。
本発明の電流開閉器には、Li3で表される電流路3、Li4で表される電流路4、Li5で表される電流路5が存在する。
電流路3、電流路4、電流路5は、容量素子Cと抵抗素子R1との並列接続回路を電極Et2、電極Et3間に接続する。
以降、電流路3、電流路4、電流路5を、それぞれ、電流路Li3、電流路Li4、電流路Li5と称す。
また、電極Et3と、T3で表される電位出力用端子T3を接続する負荷L動作用電流路は電流路Li3である。
電流路Li3、電流路Li4、電流路Li5は、電極Et2と電極Et3を容量素子Cで接続する。
外部の電源の一方の極性の電位が印加されるT1で表される端子T1に、Li1で表される電流路1により電極Et1が接続される。
外部の電源の他方の極性の電位が印加されるT2で表される端子T2に、Li2で表される電流路2によりT4で表される電位出力用の端子T4が接続される。
以降、電流路1、電流路2をそれぞれ、電流路Li1、電流路Li2と称す。
なお、本発明の電流開閉器には、他方の極性の電位を伝達する端子T2、電流路Li2及び端子T4は必須要素ではない。
すなわち、外部の電源の一方の極性の電流路Li3を遮断すれば、電流が断となる。よって、本発明の電流開閉器には、端子T2、電流路Li2、端子T4は必須要素ではない。
電極Et1、電極Et2及び電極Et3が全て接触(閉じている。)とき、端子T1の電位は、端子T3に出力される。
各要素の接続関係を説明する。
端子T1には、電流路Li1を介して電極Et1が接続されている。
端子T2には、電流路Li2を介して端子T4が接続されている。
電極Et2には、電流路Li4を介して、容量素子Cと抵抗素子R1の並列接続回路の一端が接続されている。
端子T3には、電流路Li5を介して、容量素子Cと抵抗素子R1の並列接続回路の他端が接続されている。
電極Et3は、電流路Li3を介して端子T3に接続されている。
端子T3、端子T4間には、外部の要素である負荷Lが接続されている。
電極Et1と電極Et3の間に電極Et2が存在する。
電極Et1を図示しない電流開閉器の筐体に固定してもよく、電極Et1に対して電極Et2及び電極Et3を可動可能とする。
電極Et1を固定とするか可動とするかは任意として、これら3個の電極は、いずれも相対的に全ての電極を離隔させて電流開閉器を非導通とし若しくは全ての電極を接触させ電流開閉器を導通とし、又は、電極Et2から電極Et3を離隔させ電流開閉器を非導通(負荷L電流断)とし若しくは電極Et2から電極Et3を離隔させた後、電極Et1から電極Et2を離隔させ、電極Et2を電極Et3に接触させることが可能である。
本発明の電流開閉器の本来のスイッチ動作すなわち負荷Lへの電力の供給/非供給(遮断)は、電極Et2と電極Et3の接触/非接触(離隔)で行なわれる。
電極Et1と電極Et2の離隔は、負荷L電流を遮断した後、電流開閉器を完全にOFFする場合である。
本発明の電流開閉器の通常の遮断は、電極Et1と電極Et2が接触させた状態で、電極Et3のみ、電極Et2から離隔させることである。
本発明の電流開閉器の通常の第2の遮断は、電極Et1と電極Et2の離隔であり電流開閉器を完全にOFFする場合である。
本発明の電流開閉器の通常の導通は、電極Et2と電極Et3が接触させた状態で、電極Et2を電極Et1に接触させることである。
上記、3個の電極の動作は、図示しない本発明外の外力(ソレノイド、モータ、バネ、手動、等)により働くものとする。
これら3個のそれぞれの電極の離隔動作は、図2を正視し、該図に示すように、電極Et1を基準として、電極Et3を上方向に平行移動させて電極Et2から離隔させるか、若しくは、図示しないが、電極Et3を横方向に水平移動させて電極Et2から離隔させるか、又は、上記離隔方法において電極Et3に回転を伴わせて電極Et2から離隔させるか若しくは別の如何なる離隔動作も可とし任意である。
図3を正視し、該図に示すように、電極Et1を基準として、電極Et2を上方向に平行移動させて電極Et1から離隔させるか、若しくは、図示しないが、電極Et2を横方向に水平移動させて電極Et1から離隔させるか、又は、上記離隔方法において電極Et2に回転を伴わせて電極Et1から離隔させるか若しくは別の如何なる離隔動作も可とし任意である。
または、図2において、電極Et2を基準として、電極Et3を上方向に平行移動させて電極Et2から離隔させるか、若しくは、図示しないが、電極Et3を横方向に水平移動させて電極Et2から離隔させるか、又は、上記離隔方法において電極Et3に回転を伴わせて電極Et2から離隔させるか若しくは別の如何なる離隔動作も可とし任意である。
さらにまた、図2において、電極Et2を基準として、電極Et1を下方向に平行移動させて電極Et2から離隔させるか、若しくは、図示しないが、電極Et1を横方向に水平移動させて電極Et2から離隔させるか、又は、上記離隔方法において電極Et1に回転を伴わせて電極Et2から離隔させるか若しくは別の如何なる離隔動作も可とし任意である。
また、図2において、電極Et3を基準として、電極Et1及び電極Et2を下方向に平行移動させて電極Et3から離隔させるか、若しくは、図示しないが、電極Et1及び電極Et2を横方向に水平移動させて電極Et3から離隔させるか、又は、上記離隔方法において電極Et1及び電極Et2に回転を伴わせて電極Et3から離隔させるか若しくは別の如何なる離隔動作も可とし任意である。
図4において、電極Et2を基準として、電極Et3を電極Et2に接触させてもよい。これは、この状態で、電極Et2を電極Et1に接触させて、電流開閉器をONに遷移させる前段階である
電極の離隔動作と接触動作は、上記それぞれの離隔動作に対して逆の経路をとる。
このように、3個のいずれかの電極を基準として、他の電極を移動させることが可能である。
このような動作が可能であるということは、離隔する電極間にアーク放電が発生しないためであり、電極間の電流容量を確保できれば、如何なる電極の形状、離隔形態も可とする電流開閉器の形状の自由度、離隔動作の自由度を与えるものである。
上記について補足すると、スイッチのようなものは、スイッチの設置位置により、元来、上下左右の区別が存在しないため、電極の離隔方向は極座標的に無数あり、また、離隔する電極において、どの電極を離隔動作の基準位置とするかは開閉器の製造上、用途の問題であり、これらを特定する必要性はない。
どの電極の組み合わせが接触/非接触であるかが、本発明の電流開閉器及び本発明の直流電流開閉器の基本的技術思想である容量素子Cの一端及び他端の電位を制御する(容量素子Cの充放電)ことにおいて重要である。
また、各電極の離隔のための移動には、該移動を自在とし、かつ、移動軌道を保持するための支えが必要であるが、これは本発明の本質ではないため、図示を割愛している。
用途、必要に応じて適切な移動を可能とする支持体(支え)を考慮することで足りる。
さらにまた、本発明は電流スイッチであるため、感電を防止するための任意の絶縁体から構成される筐体が必要であるが、これも本発明の本質ではないため、必要に応じて適切な筐体を考慮することで足りるので図示を割愛している。
以上説明したハードウェア構造及び電気回路構成は、高電圧直流、高電圧交流、高電圧ではなくとも(低電圧とも一概に限定できないが。)大電流直流又は高電圧ではなくとも(低電圧とも一概に限定できないが。)大電流低周波交流電流を遮断するとき、アーク放電を発生させないための必要最小限の必須要素を記載している。
図1〜図4は、本発明の電流開閉器がアーク放電を発生させないで、電流を遮断できる原理を示すものである。
したがって、代表的に図1〜図4により、本発明の電流開閉器のハードウェア構造及び電気回路構成を説明し、後述する動作説明もこれに基づく。
必須要素という観点からは、外部の電流源の一方の極性の電位を伝送する電流路のみを遮断することで足りるので、端子T2、端子T4及び電流路Li2も本発明の電流開閉器には不要とも言える。すなわち、必須要素ではない。
逆に、系統のhot側とcold側の区別が不明で、関電防止等のために両方をOFFしたい場合は、この電流開閉器又は直流電流開閉器を一方の極性及び他方の極性の電流路に挿入することも好適である。
(1−2)ハードウェア及び電気回路の動作
図1〜図4を参照し、本発明の電流開閉器のハードウェア及び電気回路の動作を説明する、
図1は、電極Et1、電極Et2及び電極Et3が全て接触している状態であり、端子T1、端子T2間に外部の電源を接続した場合を考える。
たとえば、外部の高電圧直流電源電位を印加するとする。外部の直流電源の一方の極性の電位を正極として、端子T1に印加し、外部の直流電源の他方の極性の電位を負極として、端子T2に印加したとする。
外部の負荷Lが要求する条件により、外部の高圧直流電源又は高圧ではないが大電流直流電源を接続することもある。「高圧の電流値<高圧ではないが大電流値」。左式のような電流の大小関係が一般的である。
また、高圧又は高圧ではない(以下、低圧と称することもある。)電圧の大きさの大小関係による区分により、「高圧の電流値≪低圧の大電流値」ともなる。
端子T1に印加された正極電位は、電流路Li1、電極Et1、電極Et2及び電極Et3に伝達され、電流路Li3を介して端子T3に出力される。
端子T2に印加された負極電位は、電流路Li2を介して端子T4に直結しているため、端子T4に外部の直流電源の負極電位が出力される。
端子T3、端子T4間に外部の要素である負荷Lを接続すると該負荷Lに電力が供給される。これがスイッチ(本発明の電流開閉器)ON(電流開閉器が導通している状態であり、電流開閉器が閉の状態)の状態である。
図1では、容量素子Cの電荷は、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li5の経路で完全に放電されている。
次に図2を参照して、本発明の電流開閉器の動作を説明する。
図2は、スイッチ(本発明の電流開閉器)OFF(電流開閉器が非導通している状態であり、電流開閉器が開の状態)の状態である。
図2においては、電極Et3が電極Et2から離隔し、電極Et2と電極Et3が非接触であるため、端子T1、端子T3間は非導通であり、負荷Lに電力が供給されない。
図2に遷移する前の図1の状態で、容量素子C(コンデンサ)は、容量素子Cの一端(正極)から、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li5、容量素子Cの他端(負極)の経路で放電されている。
電極Et2が電極Et3及び電極Et1に接触していない状態では、容量素子Cの放電は、抵抗素子R1を介して行われる。
本発明の電流開閉器を遮断(OFF、すなわち、負荷Lへの電力供給を断とする。)するため、図1の状態から図2の状態に遷移(すなわち、電極Et3を電極Et2から離隔する。)するとき、仮に、図1、図2に示す容量素子Cが存在しないで、容量素子Cの両端部が開放(オープン。)されていると、電極Et2と電極Et3との間にアーク放電が発生し、電極Et3を電極Et2から遠ざけても、アーク放電が伸びるのみでアーク放電は消滅しない。
この理由は、容量素子Cが存在しな場合で、端子T1と端子T2との間に高電圧直流電源を印加した場合、電極Et1及び電極Et2は端子T1の電位であり、図2において電極Et3は、電極Et2と離隔しているため、電極Et3は、端子T3の電位(すなわち、端子T2の電位)であり、図1から図2に遷移するすなわち電極Et3が電極Et2から離隔するとき、電極Et2と電極Et3との間に、端子T1と端子T2間の電位差が発生しアーク放電が発生する。
または、高電圧ではないが大電流直流電源を同様に接続し、端子T3、端子T4間に大電流(大容量負荷Lを接続)を流している場合も、アーク放電が発生する。
すなわち、高電圧及び/又は大電流が流れる電流路を遮断するとき、該遮断部に必然的にアーク放電が発生する。
しかしながら、本発明の電流開閉器には、電極Et2と電極Et3との間に容量素子Cが接続されているため、電極Et3が電極Et2から離隔する一瞬、電極Et2と電極Et3間に発生すべくアーク放電電流の代替電流が容量素子Cを介して流れるため該アーク放電は発生しない。
該アーク放電代替電流の電流路は、電極Et2から電流路Li4、容量素子C、電流路Li5、端子T3、負荷L、端子T4、電流路Li2、端子T2である。
これを別の観点から考察すると、電極Et2と電極Et3との間に容量素子Cが接続されているため、電極Et3が電極Et2から離隔する一瞬は、電極Et2の電位と電極Et3の電位が同電位であり、電極Et2と電極Et3との電位差が、“0”Vであるためである。
仮に、容量素子Cが完全に放電していない場合は、電極Et2と電極Et3との電位差は極めて小さいものとなる。
電位差がなければ又は小さいければ、アーク放電は発生しない。
電極Et3が電極Et2から離隔する一瞬は、容量素子Cを流れる電流位相は進み、容量素子Cの端子間電圧位相は遅れ、該端子間電位差は “0”Vである。
したがって、電極Et2と電極Et3との間にアーク放電が発生しない。
容量素子Cの一端すなわち電極Et2と容量素子Cの他端すなわち電極Et3との電位差と、電極Et2と電極Et3との時間を考慮した離隔間隔を考えると、電極Et2から電極Et3が離隔する際、すなわち電極Et2と電極Et3との離隔間隔が、離隔した一瞬である無限小から、Xmm/msの速度で離隔する過程で、電極Et2の電位と電極Et3の電位とが電極間電位差放電(アーク放電ではない。)を発生する電位差に至るまで容量素子Cが充電(容量素子Cの端子間電位差の増大)される時刻には、電極Et3が電極Et2から必要十分離隔する。
Xは、電極Et3が外力により移動させられる単位時間(ms)あたりの離隔距離である。
該電位差放電は、概略、電極間隔1mm以下、電位差1,000V以上で発生すると言われている。電極Et2と電極Et3との電位差が1,000Vでも、離隔間隔が1mm超となれば、該離隔した間隔に電位差放電を発生することはなく、かつ、これが発生しさらにアーク放電に移行することはない。
ここで、電位差放電とは一般的に、電極間に高圧を印加した場合に発生する電極間の絶縁耐圧を超えた場合に発生する放電である。
端子T1、端子T2間に、高電圧ではないが大電流直流電源を接続した場合は、さらに電位差放電が発生することは困難である。ただ、電極Et2と電極Et3の離隔時瞬間のアーク放電に留意すればよい。
なお、端子T3、端子T4間の電流値(負荷L電流値)により、容量素子Cの容量を決める。該電流値が大きい程、容量素子Cの容量を大きくする必要がある。
また、電極Et3が電極Et2から離隔する速度も重要であり、容量素子Cの充電による容量素子Cの端子間電位差と電極Et2と電極Et3の離隔間隔において、アーク放電を発生しないで離隔した後、電極Et2と電極Et3に電位差放電が発生しないように離隔間隔を大とすべく離隔速度を大とする。
なお、本発明の電流開閉器では、容量素子Cは、通常の容量すなわちμF単位、通常の開閉器の電極接点切り離し速度で十分である。
図1においては、容量素子Cに蓄積されている電荷は“0”であり、容量素子Cの一端と他端の電位差は“0”Vであり、容量素子Cの一端と他端の電位は、電極Et2、電極Et3、電極Et1及び端子T1の電位であったが、図2において、電極Et2と電極Et3が離隔して微小時間(容量素子Cと負荷Lとの時定数にもよるが)経過後、容量素子Cの他端の電位は、端子T2の電位(端子T2の電位を基準として“0”電位)に漸近していく。
すなわち、容量素子Cの端子間電位差は、端子T1と端子T2間の電位差となる。
よって、電極Et2と電極Et3との電位差は、端子T1と端子T2との電位差と同一となり、本来電位差放電が発生する電位差に達するが、電極Et2と電極Et3が必要十分に離隔し、該放電が発生せず、かつアーク放電に移行することはない。
なお、抵抗素子R1は、容量素子Cに充電された電荷を放電するためのものであが、図2の状態では、該抵抗素子R1が端子T1と端子T2間の閉回路を構成する要素であるため、アーク放電を発生せず負荷Lに電力を供給しなくなった現在でも負荷Lの電力入力両端間(すなわち、端子T3、端子T4間)に、端子T1と端子T2間に印加された電位の一部(抵抗素子R1の抵抗値と負荷L直流抵抗値の比にもよるが)が発生しているため、電極Et2を次の段階に遷移(図3及び図4に)させる。
抵抗素子R1の抵抗値をあまり小さくすると、電極Et2から電極Et3を離隔して、本発明の電流開閉器を断とした場合も、抵抗素子R1を介して負荷L電流が流れるため、抵抗素子R1の抵抗値は、容量素子Cの電荷を放電する程度のものとする。
なお、図2の状態では、容量素子Cは、外部の一方の極性(正極)の電位が印加された端子T1にから、電流路Li1、電極Et1、電極Et2、電流路Li4、容量素子C、電流路Li5、端子T3、負荷L、端子T4、電流路Li2、外部の他方の極性(負極)の電位が印加された端子T2の電流路で充電される。
図2〜図4を参照して、次の段階における本発明の電流開閉器の動作を説明する。
図2の状態において、容量素子Cの一端の電位は、電極Et2、電極Et1及び端子T1の電位であるが、図3の状態に遷移(電極Et2が電極Et1から離隔する。)する直前は、容量素子Cの他端の電位が、端子T2の電位の電位となっているか又は、これに近い電位となっている必要がある。すなわち、容量素子Cの端子間電位差が、端子T1と端子T2との電位差又はこれに近い電位差となっている必要がある。
これを満足している場合、図2の状態から図3の状態(電極Et1から電極Et2の離隔)に遷移しても、電極Et1と電極Et2間にはアーク放電は発生しない。
これは、電極Et1と電極Et2が離隔する一瞬、電極Et1と電極Et2間の電位差が“0”又は小さいためである。
次に、図3において、容量素子Cの電荷は抵抗素子R1を介して放電を開始し、容量素子Cの端子間電圧は無限小に漸近(これに要する時間は、容量素子Cと抵抗素子R1の時定数による。)していく。
仮に、図2の状態から瞬間的(または、速く)に図4の状態へ遷移したとすると、容量素子Cの電荷が抵抗素子R1を介して放電する時間を与えられずに電極Et2と電極Et3が導通し、容量素子Cに蓄積された電荷により容量素子Cには短絡電流が流れる。
短絡経路は、容量素子Cの一端から、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li15、容量素子Cの他端である。
このような事象が発生すると、電極Et2及び電極Et3の接触部に損傷を与える可能性がある。
すなわち、電極Et2、電極Et3間に大電流が流れ、電極Et2と電極Et3が完全に接触する直前の瞬間は、電極Et2と電極Et3との接触抵抗が大きく(すなわち、不完全接触の瞬間時の接触抵抗)該接触部分に発熱が発生し両電極の溶融、両電極間の容着など両電極の接触部分に損傷を来す。
このような事象を回避するため、図3の状態を維持する時間を少し設け、蓄積された容量素子Cの電荷を抵抗素子R1により放電させることが好適である。
図3の状態では容量素子Cの端子間は短絡されずに、容量素子Cの蓄積電荷を抵抗素子R1により放電できる。
このような状態のままで、次にスイッチ(本発明の電流開閉器)ON(電流開閉器が導通している状態であり、電流開閉器が閉の状態)を迎えるまで放置していてもかまわない。
次にスイッチ(本発明の電流開閉器)ONの状態に遷移するときは、図4(すなわち、電極Et2と電極Et3を接触させている状態)の状態を維持しながら、電極Et2を電極Et1に接触させる。
すなわち、図1に復帰(スイッチON)する。
上記の過程(図4すなわち、電極Et2と電極Et3を接触させている状態)を経過しない(図3すなわち、電極Et2と電極Et3を離隔させている状態)で、先に電極Et2を電極Et1に接触させて(図2の状態)から、その後、電極Et3を電極Et2に接触させ、スイッチ(本発明の電流開閉器)ONの状態(図1の状態)に遷移させると、容量素子Cの両端は、電極Et2と電極Et3により短絡される。
図2の状態では、容量素子Cが充電される。
図1の状態に遷移する前の図2の状態において容量素子Cに充電された電荷が、図1の状態において、急激に放電されるため、電極Et2、電極Et3間に大電流が流れ、電極Et2と電極Et3が完全に接触する直前の瞬間は、電極Et2と電極Et3との接触抵抗が大きく(すなわち、不完全接触の瞬間時の接触抵抗)該接触部分に発熱が発生し両電極の溶融、両電極間の容着など両電極の接触部分に損傷を来す。
この理由は、図2の状態では、外部の電源の一方の極性の電位すなわち正極電位が印加されている端子T1から、電流路Li1、電極Et1、電極Et2、電流路Li4、容量素子C、電流路Li5、端子T3、負荷L、端子T4、電流路Li2、外部の電源の他方の電位すなわち負極電位が印加されている端子T2の電流経路により、容量素子Cが充電され、放電できないためである。
したがって、この場合、本発明の電流開閉器が図1の状態に遷移したとき、容量素子Cに充電された電荷が、容量素子Cの一端から、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li5、容量素子Cの他端の経路により急激に放電される。
これを防止するため、図4の状態(電極Et2と電極Et3の接触関係)を維持しつつ電極Et2を電極Et1に接触させると、図1の状態に遷移し、遷移前の段階で容量素子Cが充電されないので、スイッチ(本発明の電流開閉器)ONの状態に復帰でき、容量素子Cの放電は有り得ない。
本発明の実施の形態において、端子T1に正極電位、端子T2に負極電位(端子T2を基準電位とするから端子T2は“0”電位)を印加する一例で動作説明をしたが、端子T1に負極電位、端子T2に正極電位(端子T2を基準電位とするから端子T2は“0”電位)を印加しても良く、又は、端子T1、端子T2間に低周波交流電源を接続してもよい。
すなわち、高電圧低周波交流又は低電圧大電流低周波交流電源を端子T1と端子T2に接続し、端子T3と端子T4に負荷Lを接続し、電極Et2から電極Et3を離隔(図1から図2への遷移)し、本発明の電流開閉器を開(OFF)としても電極Et2と電極Et3間にアーク放電は発生しない。
これは、上記、直流電源を端子T1と端子T2間に接続した場合における電極Et2から電極Et3を離隔した動作説明と近似している。
すなわち、電極Et3が電極Et2から離隔する一瞬は、電極Et3と電極Et2の電位差は、“0”電位であり、低周波交流のサイクルによる電極Et2の電位の変化が、電極Et3が電極Et2から離隔する速度に対して、緩慢(よって、交流の微小区間では直流に近似可能)であるから、電極Et2と電極Et3の電位差が大となる前に、電極Et2と電極Et3には電位差放電が発生しない離隔間隔距離を確保することができる。
よって、高電圧低周波交流又は低電圧大電流低周波交流電源を端子T1と端子T2に接続して、電極Et2から電極Et3を離隔したときの動作説明は、上記、直流電源を端子T1と端子T2に接続して、電極Et2から電極Et3を離隔した動作説明と近似するため、これを援用し重複する説明を割愛する。
さらに、高電圧低周波交流又は低電圧大電流低周波交流電源を端子T1と端子T2に接続し、図1から図2への遷移を経てから、電極Et2を電極Et1から離隔(図2から図3への遷移)させる場合も、直流を端子T1と端子T2に印加し、図1から図2への遷移を経てから、電極Et2を電極Et1から離隔(図2から図3への遷移)させる場合と同様の説明となるため、これを援用し重複する説明を割愛する。
ただし、直流と低周波交流の相違点は、低周波交流においては、アーク放電が発生しても、電位“0”クロス点でアーク放電が自ら消滅するという点である。
本発明の電流開閉器を使用しなければ、すなわち、一般の交流電源を扱う交流開閉器で上記交流電流を断とするとき、アーク放電が発生する。
上記交流電流とは、ある程度の高電圧、ある程度の大電流の交流を示す。
本発明の電流開閉器はこのような低周波交流に対しても、アーク放電を発生させない効果がある。
本発明の電流開閉器を使用すると上記の直流電流を断とするとき、従来の直流電流遮断専用の大きく高価な開閉器を必要としない。
本発明の電流開閉器を使用すると上記の交流電流を断とするとき、従来の交流用である大きく高価な開閉器を必要としない。
(2)直流電流開閉器の実施の形態
(2−1)ハードウェア構造及び電気回路構成
図5〜図8は、本発明による実施の形態を示す直流電流開閉器の基本的原理を示す模式的ハードウェア構造図(電極1、電極2及び電極3)及び電気回路構成(C、R1、D及びR2)である。
なお、本発明の基本部分に関係しない付帯的要素は各図において割愛しているが、明細書にて文言上で説明する。
以下、図5〜図8を参照して、本発明の直流電流開閉器の実施の形態のハードウェア構造及び電気回路構成を説明する。
ただし、電流開閉器の実施の形態である図1〜図4と、直流電流開閉器の実施の形態である図5〜図8において共通するところの説明は重複するので、図5〜図8において図1〜図4と共通する要素(各素子等)は同一符号を付し、電流開閉器の実施の形態である図1〜図4の説明を援用し重複する説明を割愛する。両者において相違する箇所の説明を付加する。
電流開閉器の図1〜図4と直流電流開閉器図の5〜図8の相違点。
図5〜図8においては、図1〜図4における容量素子Cと抵抗素子R1の並列接続回路に、Dで表示される整流素子であるダイオードD(以下、ダイオードDと称す。)及びR2で表示される抵抗素子である抵抗素子R2(以下抵抗素子R2と称す。)の並列接続回路が、直列接続されている点である。
なお、特許請求の範囲においては、ダイオードDを整流素子、抵抗素子R2を抵抗素子2と称す。
容量素子Cと抵抗素子R1の並列接続回路と、ダイオードDと抵抗素子R2の並列接続回路は、図5〜図8を正視して、左右入れ替えてもよい。
以上、本実施の形態は、ダイオードDと抵抗素子R2の並列接続回路が付加された要素が電流開閉器の実施の形態と相違するところである。
なお、ダイオードDは、端子T1、端子T2に印加される電位に対して順方向に接続される。
なお、電流開閉器の実施の形態において、説明した低周波交流関する説明は、本直流電流開閉器の実施の形態では行なわない。
本発明は直流電流開閉器であるためである。
(2−2)ハードウェア及び電気回路の動作
図5〜図8を参照し、本発明の直流電流開閉器のハードウェア及び電気回路の動作を説明する。
図5は、電極Et1、電極Et2及び電極Et3が全て接触している状態であり、端子T1、端子T2間に外部の電源を接続した場合を考える。
たとえば、外部の高電圧直流電源又は高電圧ではないが大電流直流電源を接続するとする。外部の直流電源の一方の極性の電位を正極として、端子T1に印加し、外部の直流電源の他方の極性の電位を負極として、端子T2に印加したとする。
外部の負荷Lが要求する条件により、外部の高圧直流電源又は高圧ではないが大電流電源を端子T1、端子T2間に接続する。「高圧の電流値<高圧ではないが大電流の電流値」。左式のような電流の大小関係が一般的である。
また、高圧、低圧の電圧の大きさの大小関係による区分により、「高圧の電流値≪高圧ではないが大電流の電流値」ともなる。
端子T1に印加された正極電位は、電流路Li1、電極Et1、電極Et2及び電極Et3に伝達され、電流路Li3を介して端子T3に出力される。
端子T2に印加された負極電位は電流路Li2を介して端子T4に直結しているため、端子T4に外部の負極電位が出力される。
端子T3、端子T4間に外部の要素である負荷Lを接続すると該負荷Lに電力が供給される。これがスイッチ(本発明の直流電流開閉器)ON(直流電流開閉器が導通している状態であり、直流電流開閉器が閉の状態)の状態である。
次に図6を参照して、本発明の直流電流開閉器の動作を説明する。
図6は、スイッチ(本発明の直流電流開閉器)OFF(直流電流開閉器が非導通している状態であり、直流電流開閉器が開の状態)の状態である。
図6においては、電極Et3が電極Et2から離隔し、電極Et2と電極Et3が非接触であるため、端子T1、端子T3間は非導通であり、負荷Lに電力が供給されない。
図6に遷移する前の図5の状態はで、容量素子C(コンデンサ)は、抵抗素子R1及び抵抗素子R2を介して略完全に放電されているとする。
放電は、基本的には容量素子Cに並列接続されている抵抗素子R1を介して行われるが、下記の放電経路でも放電される。
放電経路は、図6に遷移する前の図5において、容量素子Cの一端(正極)から、抵抗素子R2、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li5、容量素子Cの他端(負極)である。
本発明の直流電流開閉器を遮断(OFF、すなわち、負荷Lへの電力供給を断とする。)するため、図5の状態から図6の状態に遷移(すなわち、電極Et3を電極Et2から離隔する。)させるとき、図5、図6に示す容量素子Cが存在しないで、容量素子Cの両端部が開放(オープン)されているとすると、電極Et2と電極Et3との間にアーク放電が発生し、電極Et3を電極Et2から遠ざけても、アーク放電が伸びるのみでアーク放電は消滅しない。
この理由は、図6において、容量素子Cが存在しないで、端子T1、端子T2間に高電位差を印加している場合、電極Et3が電極Et2から離隔する瞬間及びその後、電極Et1及び電極Et2の電位は端子T1の極性の電位であり、電極Et3の電位は端子T3及び端子T2の極性の電位であり、電極Et2と電極Et3との間に、端子T1と端子T2との間の高電位差が発生するためである。
このような状態であるため、容量素子Cが存在しない場合に、図5において、電極Et3を電極Et2から離隔すると両電極間にアーク放電が発生し継続する。
また、端子T1、端子T2間に、低圧を印加している場合でも、端子T3、端子T4間に大電流(大容量負荷を接続)を流していると、容量素子Cが存在しない場合に、図5において、電極Et3を電極Et2から離隔すると両電極間にアーク放電が発生し継続する。
しかしながら、本発明の直流電流開閉器には、電極Et2と電極Et3間に容量素子Cが接続されている(ダイオードDと抵抗素子R2との並列接続回路を介して)ため、電極Et2と電極Et3の離隔時に、電極Et2と電極Et3との間に発生すべくアーク放電電流の代替電流がダイオードD及び容量素子Cを介して流れるためアーク放電は発生しない。
該アーク放電代替電流の電流路は、電極Et2から電流路Li4、ダイオードD、容量素子C、電流路Li5、端子T3、負荷L、端子T4、電流路Li2、端子T2である。
これを別の観点から考察すると、電極Et2と電極Et3との間に容量素子Cが接続(ダイオードDと抵抗素子R2との並列接続回路を介して)されているため、電極Et3が電極Et2から離隔する一瞬は、電極Et2の電位と電極Et3の電位がほぼ同電位であり、電極Et2と電極Et3との電位差が、略“0.6”V(ほぼ“0”)であるためである。
仮に、容量素子Cが完全に放電していない場合は、、電極Et2と電極Et3との電位差は極めて小さいものとなる。
電位差がほぼ“0”又は小さいければ、アーク放電は発生しない。
ダイオードDを流れる電流値が大であると、ダイオードDの順方向降下電圧が若干大きくなるが。
電極Et3が電極Et2から離隔する瞬間は、容量素子Cを流れる電流位相は進み、容量素子Cの端子間電圧位相は遅れ、該端子間電位差は略“0.6”Vである。
したがって、電極Et2と電極Et3との間にアーク放電が発生しない。
容量素子Cの一端すなわち電極Et2と容量素子Cの他端すなわち電極Et3との電位差と、電極Et2と電極Et3との時間を考慮した離隔間隔を考えると、電極Et2から電極Et3が離隔する際、すなわち電極Et2と電極Et3との離隔間隔が、離隔した一瞬である無限小から、Xmm/msの速度で離隔する過程で、電極Et2の電位と電極Et3の電位とが電極間電位差放電(アーク放電ではない。)を発生する電位差に至るまで容量素子Cが充電(容量素子Cの端子間電位差の増大)される時刻には、電極Et3が電極Et2から必要十分離隔する。
Xは、電極Et3が外力により移動させられる単位時間(ms)あたりの離隔距離である。
該電位差放電は、概略、電極間隔1mm以下、電位差1,000V以上で発生すると言われている。電極Et2と電極Et3との電位差が1,000Vでも、離隔間隔が1mm超となれば、該離隔した間隔に電位差放電を発生することはなく、かつ、これが発生しさらにアーク放電に移行することはない。
ここで、電位差放電とは一般的に、電極間に高圧を印加した場合に発生する電極間の絶縁耐圧を超えた場合に発生する放電である。
端子T1、端子T2間に、高電圧ではないが大電流直流電源を接続した場合は、さらに電位差放電が発生することは困難である。ただ、電極Et2と電極Et3の離隔時瞬間のアーク放電に留意すればよい。
なお、端子T3、端子T4間の電流値(負荷L電流値)により、容量素子Cの容量を決める。該電流値が大きい程、容量素子Cの容量を大きくする必要がある。
また、電極Et3が電極Et2から離隔する速度も重要であり、容量素子Cの充電による容量素子Cの端子間電位差と電極Et2と電極Et3の離隔間隔において、アーク放電を発生しないで離隔した後、電極Et2と電極Et3に電位差放電が発生しないように離隔間隔を大とすべく離隔速度を大とする。
なお、本発明の電流開閉器では、容量素子Cは、通常の容量すなわちμF単位、通常の開閉器の電極接点切り離し速度で十分である。
図5においては、容量素子Cに蓄積されている電荷は“0”であり、容量素子Cの一端と他端の電位差は略“0.6”Vであり、容量素子Cの一端と他端の電位は、ほぼ、電極Et2、電極Et3、電極Et1及び端子T1の電位であったが、図6において、電極Et2と電極Et3が離隔して微小時間(容量素子Cと負荷Lとの時定数にもよるが)経過後、容量素子Cの他端の電位は、端子T2の電位(端子T2の電位を基準としてほぼ“0”電位)に漸近していく。
ここで、上記及び以降、ダイオードDの順方向電圧降下を無視する(ダイオードDの順方向電圧降下を考慮する場合「ほぼ」という表現とする。)。
すなわち、容量素子Cの端子間電位差は、ほぼ、端子T1と端子T2間の電位差となる。
よって、電極Et2と電極Et3との電位差は、端子T1と端子T2との電位差と、ほぼ、同一となり、本来電位差放電が発生する電位差に達するが、電極Et2と電極Et3が必要十分に離隔し、該放電が発生せず、かつアーク放電に移行することはない。
なお、抵抗素子R1は、容量素子Cに充電された電荷を放電するためのものであが、図2の状態では、該抵抗素子R1が端子T1と端子T2間の閉回路を構成する要素であるため、アーク放電を発生せず負荷Lに電力を供給しなくなった現在でも負荷Lの電力入力両端間(すなわち、端子T3、端子T4間)に、端子T1と端子T2間に印加された電位の一部(抵抗素子R1の抵抗値と負荷L直流抵抗値の比にもよるが)が発生しているため、電極Et2を次の段階に遷移(図7及び図8に)させる。
抵抗素子R1の抵抗値をあまり小さくすると、電極Et2から電極Et3を離隔して、本発明の電流開閉器を断とした場合も、ダイオードD(抵抗素子R2を無視)及び抵抗素子R1を介して負荷L電流が流れるため、抵抗素子R1の抵抗値は、容量素子Cの電荷を放電する程度のものとする。
なお、図6の状態では、容量素子Cは、外部の一方の極性(正極)の電位が印加された端子T1にから、電流路Li1、電極Et1、電極Et2、電流路Li4、ダイオードD(抵抗素子R2を無視)、容量素子C、電流路Li5、端子T3、負荷L、端子T4、電流路Li2、外部の他方の極性(負極)の電位が印加された端子T2の電流路で充電される。
図6〜図8を参照して、次の段階における本発明の電流開閉器の動作を説明する。
図6の状態において、容量素子Cの一端の電位は、電極Et2、電極Et1及び端子T1の電位であるが、図7の状態に遷移(電極Et2が電極Et1から離隔する。)する直前は、容量素子Cの他端の電位が、ほぼ、端子T2の電位の電位となっているか又は、これに近い電位となっている必要がある。すなわち、容量素子Cの端子間電位差が、ほぼ、端子T1と端子T2との電位差又はこれに近い電位差となっている必要がある。
これを満足している場合、図6の状態から図7の状態(電極Et1から電極Et2の離隔)に遷移しても、電極Et1と電極Et2間にはアーク放電は発生しない。
これは、電極Et1と電極Et2が離隔する一瞬、電極Et1と電極Et2間の電位差が、ほぼ“0”V又は小さいためである。
次に、図8において、容量素子Cの電荷は抵抗素子R1及び抵抗素子R2を介して放電を開始し、容量素子Cの端子間電圧は無限小に漸近(これに要する時間は、容量素子Cと、抵抗素子R1とR2の並列接続抵抗値の時定数による。)していく。
仮に、図6の状態から瞬間的(または、速く)に図8の状態へ遷移して、容量素子Cの電荷が抵抗素子R1を介して放電する時間を与えられずとも、ダイオードDが容量素子Cの充電電位極性と逆方向であるため、電極Et2、電極Et3間には、抵抗素子R2を介した容量素子Cの放電電流が流れるため、容量素子Cの両端子間は短絡しない。
したがって、このような事象(図6の状態から瞬間的(または、速く)に図8の状態へ遷移)が発生しても、容量素子C両端の短絡は無く、容量素子Cから大電流が流れず、電極Et2、電極Et3の接触部ダメージ(電流開閉器の実施の形態で説明した溶融、溶着など)を与えてしまうことがない。
すなわち、電極Et2及び電極Et3の接触部の溶融、電極Et2、電極Et3間の容着などの事象が発生しない。
したがって、図7の状態を維持する時間を設ける必要はない。
図8の状態では容量素子Cの端子間は短絡されずに、容量素子Cの電荷を抵抗素子R1、抵抗素子R2を介してそれぞれ別に放電できる。
抵抗素子R2を介しての容量素子Cの電荷の放電経路は、容量素子Cの一端、抵抗素子R2、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li5、容量素子Cの他端となる。
図8において、容量素子Cの電荷は抵抗素子R1及び抵抗素子R2を介して放電を開始し、容量素子Cの端子間電圧は無限小に漸近(これに要する時間は、容量素子Cと、抵抗素子R1と抵抗素子R2の並列接続回路の時定数による。)していく。
このような状態(図8)のままで、次にスイッチ(本発明の直流電流開閉器)ON(直流電流開閉器が導通している状態であり、直流電流開閉器が閉の状態)を迎えるまで放置していてもかまわない。
次にスイッチ(本発明の直流電流開閉器)ONの状態に遷移するときは、図8の状態を維持しながら、電極Et2を電極Et1に接触させる必要はない。
本発明の直流電流開閉器では、上記の過程を経過(すなわち、図8の状態を維持すること)しないで、先に電極Et2を電極Et1に接触させる(図6の状態)ことができる。
次に、電極Et3を電極Et2に接触させ、スイッチ(本発明の直流電流開閉器)ONの状態(図5の状態)に遷移させても、容量素子Cの充電電位極性がダイオードDの順方向とは逆であり、容量素子Cの電荷は、抵抗素子R2を介して放電されるため、電極Et2の接触部及び電極Et3の接触部にダメージ(溶融、溶着など)を与えることはない。
この容量素子Cの放電経路は、容量素子Cの一端から、抵抗素子R2、電流路Li4、電極Et2、電極Et3、電流路Li3、電流路Li5、容量素子Cの他端である。
本発明の実施の形態において、端子T1に正極電位、端子T2に負極電位を印加する一例で動作説明をしたが、端子T1に負極電位、端子T2に正極電位を印加しても良い。
上記のように、端子T1、端子T2間に逆極性の電位を印加する場合は、ダイオードDのアノードとカソードを逆にする。すなわち、図5〜図8とは逆極性でダイオードを接続する。
本発明の実施の形態は、直流専用のアーク放電阻止、直流電流開閉器であるが、電極Et2の振る舞い、すなわち、電極Et3が電極Et2から離隔した後、電極Et2の電極Et3への接触及び電極Et2が電極Et1から離隔した後、電極Et2の電極Et1への接触に係る制御が簡単である利点がある。
本発明の実施の形態において、端子T1に正極電位、端子T2に負極電位を印加する一例で動作説明をしたが、端子T1に負極電位、端子T2に正極電位を印加しても良い。
上記のように、端子T1、端子T2間に逆極性の電位を印加する場合は、ダイオードDのアノードとカソードを逆にする。すなわち、図5〜図8とは逆極性でダイオードを接続する。
(3)補足説明
前述の(1−1)ハードウェア構造及び電気回路構成における「高電圧、高電圧ではない(低電圧とも一概に限定できないが。)電圧、大電流及び交流(周波数)の定性的表現」の補足説明。
高電圧(高圧)/低電圧(低圧)/「高電圧ではない」は、定性的であるが、これらについて、各電極を含むメカニカル部分において、特にアーク放電を意識しない通常の電圧範囲における耐圧・電流容量を満足するごく一般的なメカニカルスイッチについて、これらを説明する。
(3−1)電圧及び電流値
一般に知られているアーク放電を発生する電極間電位差は、高電圧300V程度以上であり、300Vから見ると低電圧と考えられる48未満程度(48Vより大きく低下しない電圧)でも、電極間を流れる電流が大きいと、たとえば、数十A〜数千A〜数万Aなどの電流値で、アーク放電が発生すると言われている。
すると、アーク放電を発生する電極間電位差は、300V程度以上としたが、電極間を流れる電流が、電極間電位差300V程度以上場合の電流値より大きいと、たとえば、特に高電圧ではない100V、200V程度でもアーク放電は発生することとなる。
当然ではあるが、このアーク放電は、電圧が印加されている電極間が開となるとき発生する場合のものである。
すなわち、電極間にアーク放電が発生する電極間電位差は、流れる電流に大きく依存することとなる。
したがって、本明細書で高圧、低圧と表現されていても、上記の電流値を考慮したものと考える必要がある。すなわち、電極間電流値によって、電極間に印加される高圧/低圧におけるアーク放電が発生する区分が相違する。
(3−2)交流の周波数
交流の周波数については、容量素子Cを使用し、ダイオードDを使用しない本発明の電流開閉器について、説明を付加する。
交流の周波数は、本発明の電流開閉器に適用する場合、おおよそ100Hz程度以下であり、一般には、系統の周波数(50Hz、60Hz)を意味する。
これは、前述した、ごく一般的なメカニカルスイッチ(アーク放電を考慮しない)を本発明の実施の形態の電極に使用し、容量素子Cを付加したときの交流周波数である。
当然ではあるが、交流の周波数は、容量素子Cの容量、電極の離隔速度(これは、電極の質量(すなわち、電極の電流容量に起因する。)、電極を移動させる外力とも関係するが)に依存する。
電極の離隔速度は、ごく一般的なメカニカルスイッチを本発明の実施の形態に使用した一般的な条件下であるため、容量素子Cの容量は、交流の周波数によりほぼ決定される。
交流では、電極の離隔時アーク放電が発生しなくても、離隔途中で交流電位が変化し、電極間電位差が大きくなり、電位差放電が発生し、これがアーク放電に移行する場合がある。
したがって、開閉器の電極の質量(これは、電極の電流容量に起因する。)及び両電極を離隔する速度(これは、電極を離隔させる外力に起因する。)と重要な因果関係が存在する。
Et1、Et2、Et3 電極1〜電極3
C 容量素子
D 整流素子
R1、R2 抵抗素子1,2
Li1〜Li5 電流路1〜5
T1〜T4 端子1〜4

Claims (10)

  1. 電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
    前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
    前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
    前記電極2の電位は前記容量素子の一端に伝達されるべく構成され、
    前記電極3の電位は前記容量素子の他端に伝達されるべく構成され、
    前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
    前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔し非導通状態となるとき、該電極2から前記容量素子及び前記外部の負荷を介して前記部分へ電流が流れ、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする電流開閉器。
  2. 電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
    前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
    前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
    前記電極2の電位は前記容量素子の一端に伝達されるべく構成され、
    前記電極3の電位は前記容量素子の他端に伝達されるべく構成され、
    前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
    前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔する一瞬、該電極2と該電極3との電位差が“0”又は極めて小さく、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする電流開閉器。
  3. 前記電極2と前記電極3を接触させた導通状態を保持し、該電極2と前記電極1を接触させ導通状態とすることにより、該電極3に前記外部の電源の前記一方の極性の電位を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の電流開閉器。
  4. 電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と整流素子との直列接続回路と、を備え、
    前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
    前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
    前記電極2の電位は前記直列接続回路の一端に伝達されるべく構成され、
    前記電極3の電位は前記直列接続回路の他端に伝達されるべく構成され、
    前記直列接続回路の前記整流素子は、前記外部の電源の前記の一方の極性の電位に順方向であり、
    前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
    前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔し非導通状態となるとき、該電極2から前記直列接続回路及び前記外部の負荷を介して前記部分へ電流が流れ、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする直流電流開閉器。
  5. 電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と整流素子との直列接続回路と、を備え、
    前記電極1には外部の電源の一方の極性の電位が印加されるべく構成され、
    前記電極2は前記電極1と接触又は非接触可能に構成され、前記電極3は該電極2と接触又は非接触可能に構成され、
    前記電極2の電位は前記直列接続回路の一端に伝達されるべく構成され、
    前記電極3の電位は前記直列接続回路の他端に伝達されるべく構成され、
    前記直列接続回路の前記整流素子は、前記外部の電源の前記の一方の極性の電位に順方向であり、
    前記電極1、前記電極2及び前記電極3が導通状態にあるとき、該電極1に印加される前記外部の電源の前記一方の極性の電位は該電極3から出力され、
    前記電極3と、前記外部の電源の他方の極性の電位が印加されている部分、との間に外部の負荷が接続され、前記電極1と前記電極2が導通している状態において該電極2と該電極3が離隔する一瞬、該電極2と該電極3との電位差がほぼ“0”又は極めて小さく、該電極2と該電極3との間にアーク放電が発生しないことを特徴とする直流電流開閉器。
  6. 電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と、を備え、
    前記電極2には前記容量素子の一端が接続され、前記電極3には該容量素子の他端が接続され、前記電極1は外部の電源の一方の極性の電位が印加される電極であり、該電極3は該外部の該一方の極性の電位を出力又は非出力する電極であり、該電極1、該電極2及び該電極3が接触状態のときは、電流開閉器の開閉部が閉であり、該電極2と該電極3が離隔状態のときは、電流開閉器の開閉部が開であることを特徴とする電流開閉器。
  7. 電極1と、電極2と、電極3と、容量素子と整流素子との直列接続回路と、を備え、
    前記電極2には前記直列接続回路の一端が接続され、前記電極3には該直列接続回路の他端が接続され、前記電極1は外部の電源の一方の極性の電位が印加される電極であり、前記直列接続回路の前記整流素子は、該外部の電源の該一方の極性の電位に順方向であり、該電極3は該外部の電源の該一方の極性の電位を出力又は非出力する電極であり、該電極1、該電極2及び該電極3が接触状態のときは、直流電流開閉器の開閉部が閉であり、該電極2と該電極3が離隔状態のときは、直流電流開閉器の開閉部が開であることを特徴とする直流電流開閉器。
  8. 前記容量素子の両端に抵抗素子1が並列接続されていることを特徴とする請求項1、2、3又は6のいずれかに記載の電流開閉器。
  9. 前記容量素子の両端に抵抗素子1が並列接続されていることを特徴とする請求項4、5又は7のいずれかに記載の直流電流開閉器。
  10. 前記整流素子の両端に抵抗素子2が並列接続されていることを特徴とする請求項4、5又は7のいずれかに記載の直流電流開閉器。
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