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JP2013001903A - 光硬化型インク組成物 - Google Patents

光硬化型インク組成物 Download PDF

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JP2013001903A
JP2013001903A JP2011138231A JP2011138231A JP2013001903A JP 2013001903 A JP2013001903 A JP 2013001903A JP 2011138231 A JP2011138231 A JP 2011138231A JP 2011138231 A JP2011138231 A JP 2011138231A JP 2013001903 A JP2013001903 A JP 2013001903A
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JP2011138231A
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English (en)
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Hiroaki Kida
浩明 木田
Hiroshi Fukumoto
福本  浩
Toru Saito
徹 齋藤
Keitaro Nakano
景多▲郎▼ 中野
Hironori Nakane
博紀 中根
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】硬化性に優れ、表面硬度が高く、かつ、伸張性に優れた光硬化型インク組成物を提供する。
【解決手段】光硬化型インク組成物であって、10〜30質量%の、下記一般式(I):CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3・・・(I)(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、下記一般式(II):
Figure 2013001903

(式中、R4及びR5は互いに独立して水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基であり、R4及びR5は結合していてもよく、R6は水素原子又はメチル基である。)で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物と、光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化型インク組成物に関する。
従来、被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されてきた。このうち、インクジェット方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。
近年、耐水性、耐溶剤性、及び耐擦性などの良好な画像を被記録媒体の表面に形成するため、インクジェット方式の記録方法において、紫外線を照射すると硬化する光硬化型インク組成物が使用されている。
例えば、特許文献1には、重合性化合物としてのアクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルとイソボニルアクリレート又は1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、重合開始剤と、顔料分散液と、界面活性剤と、からなるインク液が開示されている。
例えば、特許文献2には、特定のウレタンアクリレートと、ラウリルアクリレートと、アクリル酸2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル又はメタアクリル酸2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチルと、重合開始剤と、からなる放射線硬化性液状樹脂組成物が開示されている。
例えば、特許文献3には、ポリマー主鎖がポリ(アクリル酸n−ブチル)からなり、両末端にアクリロイル基を有する不飽和ポリマー(Mw=約7,000、Mw/Mn=1.2)と、ジエチレングリコールモノビニルエーテルアクリレートと、テトラエチレングリコールジアクリレートと、イソボルニルアクリレートと、N−ビニルピロリドンと、光重合開始剤と、顔料分散液と、からなる活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷用インクが開示されている。
例えば、特許文献4には、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルと、イソブチルアクリレートと、酸化防止剤としての1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン又はメトキシヒドロキノンと、光重合開始剤と、からなる光硬化用組成物が開示されている。
例えば、特許文献5には、70質量部以上のアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル又はメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルと、水酸基含有重合性化合物としての2−(ヒドロキシエトキシ)エチルビニルエーテルと、着色剤と、光重合開始剤と、からなる活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷用インクが開示されている。
例えば、特許文献6及び特許文献7には、N−ビニルカプロラクタムと、2−エチルヘキシルアクリレートと、イソオクチルアクリレートと、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルと、光重合開始剤と、重合禁止剤と、界面活性剤と、特定のアクリル樹脂と、からなる液体が開示されている。
例えば、特許文献8には、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル64.7wt%、トリプロピレングリコールジアクリレート16.45wt%、アクリル酸エステル系アクリル樹脂7.05wt%、及び光重合開始剤11.8wt%の組成からなる紫外線硬化型インクジェットインク組成物が開示されている。
例えば、特許文献9には、40〜47.5部のビニロキシエトキシエチルアクリレート又はビニロキシエトキシエチルメタクリレートと、40部〜47.5部の4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン又は4−アクリロイルオキシメチル−2−オキソ−1,3−ジオキソランと、光重合開始剤と、からなる活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。
特開2008−179136号公報 特開2005−60631号公報 特開2008−163080号公報 特開2005−255854号公報 特許第3461501号明細書 特開2009−226880号公報 特開2009−226863号公報 特開2008−280383号公報 特開2004−224841号公報
しかしながら、特許文献1〜9に開示された組成物、インク、又は液体は、硬化性、硬化膜の表面硬度、及び硬化膜の伸張性の点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、硬化性に優れ、硬化膜の表面硬度が高く、かつ、硬化膜の伸張性に優れた光硬化型インク組成物を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、所定構造及び所定量を有するビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、所定構造を有する1,3−ジオキソラン環を有する化合物と、光重合開始剤と、を含む光硬化型インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
光硬化型インク組成物であって、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、下記一般式(II):
Figure 2013001903
(式中、R4及びR5は互いに独立して水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基であり、R4及びR5は結合していてもよく、R6は水素原子又はメチル基である。)
で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物と、光重合開始剤と、を含む、光硬化型インク組成物。
[2]
前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくとも一方である、[1]に記載の光硬化型インク組成物。
[3]
前記1,3−ジオキソラン環を有する化合物の含有量が、該インク組成物の総質量に対して5〜60質量%である、[1]又は[2]に記載の光硬化型インク組成物。
[4]
前記1,3−ジオキソラン環を有する化合物の含有量が、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%である、[1]又は[2]に記載の光硬化型インク組成物。
[5]
該インク組成物の総質量に対して10〜40質量%のフェノキシエチル(メタ)アクリレートをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[6]
発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線を、300mJ/cm2以下の照射エネルギーで照射することにより硬化可能である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「硬化性」とは、光に感応して硬化する性質をいう。「伸張性」とはインクの硬化膜(塗膜)の伸びと換言でき、インク塗膜を硬化させて作製した記録物を引っ張ったときに、硬化膜がクラックを生じることなく伸びる性質をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味する。
[光硬化型インク組成物]
本発明の一実施形態に係る光硬化型インク組成物は、後述の一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、後述の一般式(II)で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物と、光重合開始剤と、を含む。そして、当該ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、光硬化型インク組成物の総質量(100質量%)に対して10〜30質量%である。
以下、本実施形態のインク組成物に含まれるか、又は所望により含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
〔重合性化合物〕
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、単独で、又は後述する光重合開始剤の作用により、光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
(ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類)
本実施形態において必須の重合性化合物であるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、分子中にビニル基及び(メタ)アクリル基を共に有する化合物であり、下記一般式(I)で示される。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
インク組成物がビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有することにより、インクの硬化性などを良好なものとすることができる。
上記の一般式(I)において、R2で表される2価の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方による酸素原子を有する置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の各有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記の一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。
上記したものの中でも、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが好ましい。
これらの中でも、低粘度で、引火点が高く、かつ、硬化性に優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが好ましく、さらに、臭気が低く、皮膚への刺激を抑えることができ、かつ、反応性及び密着性に優れるため、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、10〜30質量%であり、好ましくは15〜30質量%である。含有量が10質量%以上であると、硬化性を優れたものとすることができる。また、含有量が30質量%以下であると、硬化膜の伸張性を優れたものとすることができる。
上記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステル類と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類とカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類とアルキルビニルエーテル類とをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Eが好ましい。
(1,3−ジオキソラン環を有する化合物)
本実施形態において必須の重合性化合物である1,3−ジオキソラン環を有する化合物は、下記一般式(II)で示される。
Figure 2013001903
インク組成物が1,3−ジオキソラン環を有する化合物を含むことにより、硬化膜の表面硬度を良好なものとすることができる。
上記1,3−ジオキソラン環を有する化合物の製造方法としては、1,3−ジオキソラン化合物を有するアルコール化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応、及びアルカンジオールと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのエステル交換反応など、従来公知の方法が挙げられる。
上記の一般式(II)において、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基である。中でも、これらの中でも、水素原子、又はメチル基若しくはエチル基である炭素数1〜2のアルキル基が好適に用いられる。
なお、上記アルキル基が置換されている場合、置換基としては以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基、アミノ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アミド基、及びアシル基が挙げられる。
また、上記のR4及びR5は互いに結合していてもよく、結合パターンとしては、以下に限定されないが、例えば、単結合(飽和結合)、二重結合や三重結合(不飽和結合)、エーテル結合、エステル結合、及びウレタン結合が挙げられる。これらの中でも、低粘度且つ低臭気であるため、メチル基、エチル基、t−ブチル基、又は、ヘテロ原子である酸素原子に挟まれており、R4及びR5が結合している炭素原子と共に、シクロヘキシル構造を形成していることが好ましい。
上記の一般式(II)において、R6は水素原子又はメチル基である。なお、R6がメチル基である場合は、R6が水素原子の場合と比較して硬化速度が若干小さくなるものの、硬化後の膜の表面硬度が主として1,3−ジオキソラン環の骨格及び構造に由来する。そのため、R6がメチル基である場合は、R6が水素原子の場合と比較して、硬化速度が若干小さくなっても硬化膜の表面硬度は同等である。
上記の一般式(II)で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物の具体例としては、以下に限定されないが、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−アセトニル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルカーボネート、及び2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピオネートが挙げられる。これらの中でも、硬化性に一層優れるため、上記一般式におけるR6が水素原子(H)であるアクリレートが好ましい。また、これらの中でも、安全性が高く、低粘度で、かつ低臭気であるため、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン及び4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランのうち少なくとも一方が好ましい。
上記の1,3−ジオキソラン環を有する化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の1,3−ジオキソラン環を有する化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、下限値として、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。一方で、当該含有量の上限値として、60質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の表面硬度を一層高くすることができ、かつ、インクの硬化性を一層優れたものとすることができる。
(上記以外の重合性化合物)
また、上記のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類及び1,3−ジオキソラン環を有する化合物以外に、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーもさらに使用可能である(以下、「その他の重合性化合物」という。)。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
その他の重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中では、光重合開始剤などの添加剤との相溶性が良好なため、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチルアクリレートがより好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらの中でも、その他の重合性化合物は単官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。この場合、インク組成物が低粘度となり保存安定性に優れ、かつ、インクジェット方式で記録する場合に優れた吐出安定性が得られやすい。さらに塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性が増すため、単官能(メタ)アクリレート、好ましくはフェノキシエチル(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
さらに、上記単官能(メタ)アクリレートは、芳香環骨格、飽和脂環骨格、及び不飽和脂環骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を有することが好ましい。上記その他の重合性化合物が上記骨格を有する単官能(メタ)アクリレートであることにより、インク組成物の粘度を低下させることができる。
芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、不飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、光重合開始剤などの添加剤との相溶性が良好となり、さらに粘度及び臭気を低下させることができるため、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチルアクリレートがより好ましい。
本実施形態のインク組成物が上記のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類及び1,3−ジオキソラン環を有する化合物以外の重合性化合物を含む場合、当該重合性化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、70質量%以下であればよく、10〜60質量%が好ましい。含有量が上記範囲内であると、添加剤の溶解性に優れ、かつ、塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性に優れる。
また、本実施形態のインク組成物がフェノキシエチル(メタ)アクリレートを含む場合、このフェノキシエチル(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは10〜30質量%である。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の表面硬度を一層高くすることができ、かつ、インクの硬化性を一層優れたものとすることができる。
以上の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔光重合開始剤〕
本実施形態のインク組成物は光重合開始剤を含む。光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて画像を形成するために用いられる。光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、特にインクの硬化性を良好にすることができるため、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物のうち少なくともいずれかが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド化合物がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製)、Speedcure TPO(Lambson社製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤は、硬化速度が増大可能なため、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
〔色材〕
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含むことが好ましい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。なお、酸化チタンの市販品としては、例えば、CR60−2(石原産業社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製商品名)が挙げられる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとして、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は300nm以下が好ましく、50〜250nmがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インク組成物における吐出安定性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することができる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましい。
〔分散剤〕
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、LUBRIZOL社製のソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
〔その他の添加剤〕
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合禁止剤、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
[被記録媒体]
被記録媒体とは、本実施形態の光硬化型インク組成物が、後述するインクジェット記録方法を利用して、吐出される対象物のことを言う。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。後述のインクジェット記録方法は、水溶性インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水溶性インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該インク組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、水性インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、水性インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレートが挙げられる。
[インクジェット記録方法]
インクジェット記録方法は、本実施形態の光硬化型インク組成物を用いるものである。当該インクジェット記録方法は、被記録媒体上に、上記インク組成物を吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
〔吐出工程〕
上記吐出工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。インク組成物の吐出は、インク組成物を加温することなく行っても良いが、インクの粘度が所定値より高い場合は、インク組成物を所定の温度に加温することによって粘度を所定値まで下げた後に行うことが好ましい。上記所定値は、好ましくは25mPa・s以下、より好ましくは5〜20mPa・sである。このようにして、良好な吐出安定性が実現される。
本実施形態の紫外線硬化型インク組成物は、通常のインクジェット記録用インクで使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。かかるインクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こし得る。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが好ましい。
〔硬化工程〕
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、紫外線(光)の照射によって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
紫外線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、光硬化型インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。その一方で、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線硬化型インクジェット用光源として好ましい。これらの中でも、UV−LEDが特に好ましい。
ここで、発光ピーク波長が、好ましくは350〜420nmの範囲、より好ましくは365〜405nmの範囲にある紫外線であることが好ましい。本実施形態のインク組成物が上記範囲内の発光ピーク波長で硬化可能であると、本実施形態におけるインク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。なお、上記の際、照射エネルギーは、300mJ/cm2以下が好ましく、150〜250mJ/cm2がより好ましい。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。
上記の場合、本実施形態のインク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。本実施形態におけるインク組成物の組成によって照射時間を短縮することができ、その場合、印刷速度が増大する。他方、本実施形態におけるインク組成物の組成によって照射強度を減少させることもでき、その場合、装置の小型化やコストの低下が実現する。その際の紫外線照射には、UV−LEDを用いることが好ましい。このようなインク組成物は、上記波長範囲の紫外線照射により分解する光重合開始剤、及び上記波長範囲の紫外線照射により重合を開始する重合性化合物を含むことにより得られる。なお、発光ピーク波長は、上記の波長範囲内に1つあってもよいし複数あってもよい。複数ある場合であっても上記発光ピーク波長を有する紫外線の全体の照射エネルギーを上記の照射エネルギーとする。
このように、本実施形態によれば、硬化性に優れ、硬化膜の表面硬度が高く、かつ、硬化膜の伸張性に優れた光硬化型インク組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[使用原料]
下記の実施例及び比較例において使用した原料は、以下の通りである。
〔重合性化合物〕
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA〔商品名〕、日本触媒社(Nippon Shokubai Co., Ltd.)製商品名、以下では「VEEA」と略記した。)
・4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン(MEDOL−10、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製、以下では「ジオキソラン−1」と略記した。)
・4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン(CHDOL−10、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製、以下では「ジオキソラン−2」と略記した。)
・ビスコート#192(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製商品名、以下では「PEA」と略記した。)
・イソボルニルアクリレート(IBXA〔商品名〕、大阪有機化学工業社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製、表1〜4では「IBXA」と略記した。)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(APG−100〔商品名〕、新中村化学社製、表1〜4では「DPGDA」と略記した。)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(SR444NS、Sartomer社製、以下では「PETA」と略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、以下では「819」と略記した。)
・DAROCUR TPO(BASF社製商品名、固形分100%、以下では「TPO」と略記した。)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製商品名、以下では「DETX−S」と略記した。)
〔顔料〕
・ピグメントブラック7(カーボンブラック)(Microlith Black C−K〔商品名〕、BASF社製、以下では「ブラック」と略記した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名、以下では「Sol36000」と略記した。)
[実施例1〜11、比較例1〜7]
〔顔料分散物の作製〕
下記表1及び表2に記載の成分を、表1及び表2に記載の組成(単位:質量%)となるように混合し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより、ブラック色のインク組成物を得た。
なお、表1及び表2中、「その他モノマー」は上述のその他の重合性化合物を意味する。
Figure 2013001903
Figure 2013001903
[評価項目]
各実施例及び各比較例で調製した光硬化型インク組成物について、以下の方法により硬化性、表面硬度、及び伸張性を評価した。
(1.硬化性)
インクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製商品名)を用いて、各実施例及び各比較例の光硬化型インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下でPETフィルム(ルミラー125E20〔商品名〕、東レ社製)上に、インクのドット径が中ドットで印刷物の膜厚が10μmとなるような塗膜、即ちベタパターン画像(記録解像度720dpi×720dpi)を印刷した。併せて、キャリッジの横に搭載した紫外線照射装置内のUV−LEDから、照射強度が1,500mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を200mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。以上のようにして、PETフィルム上にベタパターン画像が印刷された記録物を作製した。なお、ベタパターン画像とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像である。
照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC.)製)を用いて行った。
塗膜に関する硬化性は、タックフリー時の照射エネルギーを指標として評価した。ここで、タックフリーといえるか否かは、下記の条件で判断した。すなわち、綿棒にインクが付着するか否か、又は被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付くか否かで判断し、綿棒にインクが付着せず、かつ被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付かない場合をタックフリーとした。その際、使用した綿棒は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)社製のジョンソン綿棒であった。擦る回数は往復10回とし、擦る強さは100g荷重とした。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:タックフリー時の照射エネルギー 200mJ/cm2以下、
B:タックフリー時の照射エネルギー 200mJ/cm2超300mJ/cm2以下、
C:タックフリー時の照射エネルギー 300mJ/cm2超。
(2.表面硬度)
上記硬化性の評価において作製した、膜厚2μmの硬化後の塗膜(硬化膜)に対して、JIS K5600−5−4に準じて鉛筆引っかき試験(鉛筆硬度)の評価を行った。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:H以上、
B:HB以上F以下、
C:B以下。
(3.伸張性)
各実施例及び各比較例の光硬化型インク組成物を、10mm×100mm試験片 IJ−180−10(3M社製商品名、PVC(塩ビ)メディア)の全面に厚さ5μmとなるよう塗布した。この塗膜に対し、発光ピーク波長が395nmである紫外線を200mJ/cm2照射しインクを硬化させて硬化膜を作製した。
引張り試験機 TENSILON(ORIENTEC社製商品名)を用いて、硬化膜が作製された各試験片を長手方向に両方から引張り、硬化膜にクラック(ひび)が発生したときの伸び率(2倍に伸びたら100%の伸び率とする。)を測定した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:伸び率が100%以上、
B:伸び率が50%以上100%未満、
C:伸び率が50%未満。
Figure 2013001903
Figure 2013001903
表3及び表4より、インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、一般式(II)で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物と、光重合開始剤と、を含む光硬化型インク組成物(実施例)は、そうでない光硬化型インク組成物(比較例)と比べて、硬化性に優れ、硬化膜の表面硬度が高く、かつ、硬化膜の伸張性に優れることが分かった。
また、1,3−ジオキソラン環を有する化合物の含有量がインク組成物の総質量に対して10質量%以上であると表面硬度が一層高くなり、当該含有量がインク組成物の総質量に対して30質量%以下であると硬化性に一層優れることが分かった。
また、PEAがインク組成物の総質量に対して10〜30質量%の範囲で含まれる場合、表面硬度が一層高くなるとともに硬化性に一層優れることが分かった。

Claims (6)

  1. 光硬化型インク組成物であって、
    該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、下記一般式(I):
    CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
    で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、
    下記一般式(II):
    Figure 2013001903
    (式中、R4及びR5は互いに独立して水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基であり、R4及びR5は結合していてもよく、R6は水素原子又はメチル基である。)
    で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物と、
    光重合開始剤と、を含む、光硬化型インク組成物。
  2. 前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくとも一方である、請求項1に記載の光硬化型インク組成物。
  3. 前記1,3−ジオキソラン環を有する化合物の含有量が、該インク組成物の総質量に対して5〜60質量%である、請求項1又は2に記載の光硬化型インク組成物。
  4. 前記1,3−ジオキソラン環を有する化合物の含有量が、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%である、請求項1又は2に記載の光硬化型インク組成物。
  5. 該インク組成物の総質量に対して10〜40質量%のフェノキシエチル(メタ)アクリレートをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
  6. 発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線を、300mJ/cm2以下の照射エネルギーで照射することにより硬化可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
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