JP2013094793A - ホットプレス成形方法、及びホットプレス成形による成形品、並びに、ホットプレス用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホットプレス成形の冷却時における、材料の熱収縮を抑制し、それに伴う不良を回避する。
【解決手段】加熱された材料をプレス成形し、前記材料を型内で保持した状態で冷却するホットプレス成形方法であって、前記材料をプレス成形する際に、当該材料の長手方向両端部に、当該長手方向に対する曲げ部分を含む形状変化を成形し、前記冷却時の材料の長手方向への熱収縮力に抗した抵抗を付与する。本発明の一実施形態では、前記プレス成形時に材料に成形される形状変化は、前記材料の長手方向両端部の表面に設けられる微小な突起である。
【選択図】図3
【解決手段】加熱された材料をプレス成形し、前記材料を型内で保持した状態で冷却するホットプレス成形方法であって、前記材料をプレス成形する際に、当該材料の長手方向両端部に、当該長手方向に対する曲げ部分を含む形状変化を成形し、前記冷却時の材料の長手方向への熱収縮力に抗した抵抗を付与する。本発明の一実施形態では、前記プレス成形時に材料に成形される形状変化は、前記材料の長手方向両端部の表面に設けられる微小な突起である。
【選択図】図3
Description
本発明は、ホットプレス成形技術に関する。
従来、焼き入れ温度まで加熱した材料を型内でプレス成形しながら冷却することにより焼入れするホットプレス成形が広く用いられている(例えば、特許文献1)。
ホットプレス成形の対象となる鋼材等の金属材料は、加熱されることにより膨張し、冷却することにより収縮する。材料が型内で収縮することにより、成形品が型に食い付く、成形品形状の寸法に誤差が生じるなどの不良が生じ得る。
このため、ホットプレス装置内で冷却する際の材料の熱収縮によって引き起こされる不良を回避する技術が求められている。
このため、ホットプレス装置内で冷却する際の材料の熱収縮によって引き起こされる不良を回避する技術が求められている。
本発明のホットプレス成形方法は、加熱された材料をプレス成形し、前記材料を型内で保持した状態で冷却するホットプレス成形方法であって、前記材料をプレス成形する際に、当該材料の長手方向両端部に、当該長手方向に対する曲げ部分を含む形状変化を成形し、前記冷却時の材料の長手方向への熱収縮力に抗した抵抗を付与する。
本発明のホットプレス成形方法の一実施形態では、前記プレス成形時に材料に成形される形状変化は、前記材料の長手方向両端部の表面に設けられる複数の微小な突起であることが好ましい。
本発明のホットプレス成形方法の別実施形態では、前記プレス成形時に材料に成形される形状変化は、前記材料の長手方向両端に成形されるフランジであることが好ましい。
本発明のホットプレス成形品は、上記ホットプレス成形方法のうち何れかのホットプレス成形方法によって得られるものである。
本発明のホットプレス用金型の一実施形態は、上型及び下型を具備し、当該上型と下型とで加熱された材料を挟み込むことによって、前記材料をプレス成形するとともに、型内で保持することによって、前記材料を冷却するホットプレス用金型であって、前記下型において、前記材料の長手方向端部に相当する部位に、前記上型に向けて突出する凸部、又は上型から下型に向けて陥没する凹部が複数設けられ、前記上型には、前記下型に設けられる凸部又は凹部に応じた凹部又は凸部が複数設けられるとともに、前記下型に設けられる凸部又は凹部、及び前記上型に設けられる凹部又は凸部は、前記上型と下型によるプレス成形の際に、材料の長手方向端部の表面に複数の微小な突起を成形する。
本発明のホットプレス用金型の別実施形態は、上型及び下型を具備し、当該上型と下型とで加熱された材料を挟み込むことによって、前記材料をプレス成形するとともに、型内で保持することによって、前記材料を冷却するホットプレス用金型であって、前記上型及び下型は、前記プレス成形の際に、前記材料の長手方向端に前記上型から下型に向けて、又は前記下型から上型に向けて屈曲するフランジを成形する。
本発明によれば、ホットプレス成形の冷却時における、材料の熱収縮を抑制し、それに伴う不良を回避することができる。
図1に示すように、ホットプレス装置は、ホットプレス用金型1を具備する。ホットプレス用金型1は、上型10及び下型20を具備し、上型10と下型20とで材料2を挟み込んでプレス成形する。上型10は、移動装置に支持され、上下方向に移動可能である。下型20は、移動不能に固定されている。
材料2は、鋼材等の焼入れ可能な金属材料である。材料2は、通電加熱等によって焼入れ温度以上に加熱された状態でホットプレス用金型1に投入される。材料2は、ホットプレス用金型1のプレス成形によって所定の製品形状(図2参照)に成形されるとともに、型内で所定時間保持されることによって、冷却されて焼入れされる(ホットプレス成形される)。
材料2は、鋼材等の焼入れ可能な金属材料である。材料2は、通電加熱等によって焼入れ温度以上に加熱された状態でホットプレス用金型1に投入される。材料2は、ホットプレス用金型1のプレス成形によって所定の製品形状(図2参照)に成形されるとともに、型内で所定時間保持されることによって、冷却されて焼入れされる(ホットプレス成形される)。
図2に示すように、材料2は、ホットプレス成形によって、一方向を長手方向とする矩形状から、長手方向に沿って連続するハット断面を有する成形品3に成形される。言い換えれば、ホットプレス用金型1によって材料2を短手方向に沿って折り曲げ成形することによって、ハット断面を有する成形品3に成形する。
本実施形態のホットプレス用金型1を用いた成形品3としては、図2に示すようなピラーアウターの他に、ロッカーアウター等が挙げられる。
本実施形態のホットプレス用金型1を用いた成形品3としては、図2に示すようなピラーアウターの他に、ロッカーアウター等が挙げられる。
図2に示すように、成形品3の長手方向両端部における天板面には、突起30・30・・・が成形される。突起30は、材料2の一部を曲げ成形することによって成形されている。つまり、突起30は、材料2の長手方向に対して傾斜する曲げ部分を含む形状変化である。突起30は、材料2の平面から上方(又は下方)に向けて半球状に突出する微小な突起として複数成形される。
突起30・30・・・は、成形品3における天板面に成形され、その長手方向及び短手方向にそれぞれ所定の間隔を空けて、分散した状態で設けられる。突起30・30・・・の大きさ、形状及び個数は、例えば後工程での取付作業、組付作業等に支障をきたさないように、つまり成形品3の製品としての機能を損なわないように設定される。
突起30・30・・・は、成形品3における天板面に成形され、その長手方向及び短手方向にそれぞれ所定の間隔を空けて、分散した状態で設けられる。突起30・30・・・の大きさ、形状及び個数は、例えば後工程での取付作業、組付作業等に支障をきたさないように、つまり成形品3の製品としての機能を損なわないように設定される。
以上のように、微小な突起30とは、成形品3の製品としての機能を損なわない程度の大きさに形成される半球状、半楕円球状、立方体状、直方体状、又は錐台状等の立体形状を有し、成形品3の平面部分(特に、長手方向に延在する平面)から表面側又は裏面側に突出する突起である。また、突起30の設置個数は、前記形状、大きさを考慮した上で、材料2の長手方向の熱収縮力に抗した十分な抵抗を付与できる数に設定される。
例えば、突起30の表面からの突出長は、材料2の板厚と同程度又はそれよりも小さく設定されることが好ましく、材料2の板厚を1.4mmとした場合、半球状に形成される突起30の径は3mm以下であることが好ましい。
例えば、突起30の表面からの突出長は、材料2の板厚と同程度又はそれよりも小さく設定されることが好ましく、材料2の板厚を1.4mmとした場合、半球状に形成される突起30の径は3mm以下であることが好ましい。
図3に示すように、上型10には、上方に向けて陥没する凹部11・11・・・が形成されており、下型20には、上方に向けて突出する凸部21・21・・・が形成されている。これら凹部11・11・・・及び凸部21・21・・・は、材料2に突起30・30・・・を成形するために設けられるものであり、突起30・30・・・に応じた形状を有する。プレス成形時に、材料2の長手方向両端部における一部を各凹部11と凸部21とで挟み込むことによって、各突起30を成形する。
このように、上型10及び下型20で、材料2を挟み込んで突起30・30・・・を成形した後に、型内で材料2を所定時間保持することによって材料2を冷却して、ホットプレスの成形品3が得られる。
このように、上型10及び下型20で、材料2を挟み込んで突起30・30・・・を成形した後に、型内で材料2を所定時間保持することによって材料2を冷却して、ホットプレスの成形品3が得られる。
以上のように、本実施形態では、ホットプレス用金型1によるプレス成形時、つまり、型内での冷却が進んで材料2が成形品3としてホットプレス成形される前に、上型10の凹部11・11・・・及び下型20の凸部21・21・・・で材料2を挟み込むことによって、突起30・30・・・を設けている。
ここで、加熱された金属材料を冷却する場合、長手方向両端部から中央部に向けて収縮していくとともに、長手方向への収縮量は短手方向への収縮量よりも大きくなることが一般的である。これに対し、長手方向両端部に突起30・30・・・を設けて、材料2の平面方向に対して傾斜するような形状変化を付けることによって、収縮始点に収縮力に抗する抵抗を付与することができる。従って、冷却時における長手方向への収縮を良好に防止でき、変形及び型への食い付きを防止できる。
また、突起30・30・・・は、微小な突起として設けられることにより、製品強度、変形モード等に影響を与えることがない。すなわち、製品形状に対して断面モーメントを大幅に増大するものでもなく、折れの起点となることもない。このように、突起30・30・・・は、製品形状に大きな制約を与えることがなく、突起30・30・・・を含む成形品3の設計が容易となっている。
ここで、加熱された金属材料を冷却する場合、長手方向両端部から中央部に向けて収縮していくとともに、長手方向への収縮量は短手方向への収縮量よりも大きくなることが一般的である。これに対し、長手方向両端部に突起30・30・・・を設けて、材料2の平面方向に対して傾斜するような形状変化を付けることによって、収縮始点に収縮力に抗する抵抗を付与することができる。従って、冷却時における長手方向への収縮を良好に防止でき、変形及び型への食い付きを防止できる。
また、突起30・30・・・は、微小な突起として設けられることにより、製品強度、変形モード等に影響を与えることがない。すなわち、製品形状に対して断面モーメントを大幅に増大するものでもなく、折れの起点となることもない。このように、突起30・30・・・は、製品形状に大きな制約を与えることがなく、突起30・30・・・を含む成形品3の設計が容易となっている。
収縮防止の観点から、突起30・30・・・は、成形品3の機能性を損なわない箇所であれば、長手方向端に近い方が好ましい。ここでの成形品3の機能性を損なわない箇所とは、成形品3の製品強度、変形モードに影響を与えない箇所である。
成形品3の製品形状において、その天板面又は側壁面に穴、切り欠き等を有する場合は、突起30・30・・・は、それらが設けられる箇所よりも端部側に設けられる。
一般的に、成形品3に上記のような穴、切り欠きを設ける場合は、ホットプレス成形時に同時に加工することが多く、そのためのトリムパンチ等の加工刃が金型内に備わっていることが多い。本実施形態のように、突起30・30・・・をそれらの形状変化の外側(中央部から見て端部側)に設けることにより、突起30・30・・・よりも内側の領域での熱収縮を防止できるため、穴及び切り欠きの位置、又は寸法に影響を与えることがなく、加工品質を向上できる。
一般的に、成形品3に上記のような穴、切り欠きを設ける場合は、ホットプレス成形時に同時に加工することが多く、そのためのトリムパンチ等の加工刃が金型内に備わっていることが多い。本実施形態のように、突起30・30・・・をそれらの形状変化の外側(中央部から見て端部側)に設けることにより、突起30・30・・・よりも内側の領域での熱収縮を防止できるため、穴及び切り欠きの位置、又は寸法に影響を与えることがなく、加工品質を向上できる。
また、成形品3の製品形状がロッカーアウターである場合も、同様の技術的思想で突起30・30・・・を成形することによって、冷却時における長手方向への収縮を良好に防止でき、変形及び型への食い付きを防止できる。
以上の実施形態では、突起30・30・・・は、下型20から上型10に向けて(上方に)突出するものとして説明しているが、上型10から下型20に向けて(下方に)突出するものでも良く、その突出方向については限定されない。
また、各突起30の突出方向を成形品3の機能性に応じて選択することも可能である。つまり、突起30の突出方向について上方及び下方が混在していても良い。
また、各突起30の突出方向を成形品3の機能性に応じて選択することも可能である。つまり、突起30の突出方向について上方及び下方が混在していても良い。
図4に示すように、突起30・30・・・を設ける代わりに、成形品3の長手方向両端にフランジ40・40を設けることも可能である。本実施形態も突起30・30・・・を成形する実施形態と同様に、プレス成形時に材料2の長手方向端部に、材料2の長手方向(平面方向)に対する曲げ部分を成形し、長手方向への収縮力に抵抗を付与するものである。
フランジ40・40は、材料2の長手方向両端を下側(又は上側)に折り曲げることによって成形される。各フランジ40は、材料2の平面方向に対して45°よりも大きい角度であって、プレス成形によって成形可能な角度を有する傾斜面として成形品3の両端に設けられる。フランジ40は、60°から80°の角度を有する傾斜面として成形されることが好ましい。
なお、フランジ40・40の屈曲方向は、図4に示すように、上型10から下型20に向かうものでも、その反対向きに下型20から上型10に向かうものでも良い。
なお、フランジ40・40の屈曲方向は、図4に示すように、上型10から下型20に向かうものでも、その反対向きに下型20から上型10に向かうものでも良い。
このように、材料2の長手方向両端を折り曲げ成形することによって、成形品3の長手方向の長さがフランジ40・40間の長さに保持され、長手方向への収縮力に抗する抵抗を付与することができる。従って、冷却時における長手方向への収縮を防止でき、変形及び型への食い付きを防止できる。
なお、フランジ40・40が成形される長手方向両端は、後工程でトリミングして最終製品として使用する、若しくは、製品形状の一部として利用することもできる。
なお、フランジ40・40が成形される長手方向両端は、後工程でトリミングして最終製品として使用する、若しくは、製品形状の一部として利用することもできる。
また、成形品3の製品形状としては、長手方向の端面が開放している形状も適用可能である。例えば、図5に示すように、シンプルなハット断面が長手方向に連続する形状(図5(a))、壁面が傾斜面として成形される略ハット断面が長手方向に連続する形状(図5(b))が適用可能である。
1:ホットプレス用金型、2:材料、3:成形品、10:上型、11:凹部、20:下型、21:凸部、30:突起、40:フランジ
Claims (6)
- 加熱された材料をプレス成形し、前記材料を型内で保持した状態で冷却するホットプレス成形方法であって、
前記材料をプレス成形する際に、当該材料の長手方向両端部に、当該長手方向に対する曲げ部分を含む形状変化を成形し、前記冷却時の材料の長手方向への熱収縮力に抗した抵抗を付与するホットプレス成形方法。 - 前記プレス成形時に材料に成形される形状変化は、前記材料の長手方向両端部の表面に設けられる複数の微小な突起である請求項1に記載のホットプレス成形方法。
- 前記プレス成形時に材料に成形される形状変化は、前記材料の長手方向両端に成形されるフランジである請求項1に記載のホットプレス成形方法。
- 請求項1から3の何れか一項に記載のホットプレス成形方法によって得られるホットプレス成形品。
- 上型及び下型を具備し、当該上型と下型とで加熱された材料を挟み込むことによって、前記材料をプレス成形するとともに、型内で保持することによって、前記材料を冷却するホットプレス用金型であって、
前記下型において、前記材料の長手方向端部に相当する部位に、前記上型に向けて突出する凸部、又は上型から下型に向けて陥没する凹部が複数設けられ、
前記上型には、前記下型に設けられる凸部又は凹部に応じた凹部又は凸部が複数設けられるとともに、
前記下型に設けられる凸部又は凹部、及び前記上型に設けられる凹部又は凸部は、前記上型と下型によるプレス成形の際に、材料の長手方向端部の表面に複数の微小な突起を成形するホットプレス用金型。 - 上型及び下型を具備し、当該上型と下型とで加熱された材料を挟み込むことによって、前記材料をプレス成形するとともに、型内で保持することによって、前記材料を冷却するホットプレス用金型であって、
前記上型及び下型は、前記プレス成形の際に、前記材料の長手方向端に前記上型から下型に向けて、又は前記下型から上型に向けて屈曲するフランジを成形するホットプレス用金型。
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