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JP2013094464A - 持ち易い箸 - Google Patents

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Shigeki Ishida
茂樹 石田
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Ishida Co Ltd
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Ishida Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明の目的は、滑りにくい機能を簡単に付与でき、更には、熱収縮性円筒フィルムと可撓性合成樹脂チューブを巧みな組み合わせで滑りにくさに加え特異な色彩効果を付与できる持ち易い箸、及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】 本発明は、箸1の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面に、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブ4が弾圧固定されており、更には箸の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面21に、有色の熱収縮性円筒フィルム3が熱収縮固定され、該熱収縮性円筒フィルム3の上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブ4が弾圧固定されている持ち易い箸1。
【選択図】図1

Description

本発明は、持ち手部分に持ち易い加工が施されている箸に関し、詳しくは、箸の長さ方向の一定範囲に滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されている持ち易い箸に関する。
現在、食事用の箸には、多くのタイプが提案されている。
素材としても、木、竹、プラスチック、金属等、種々のものが採用されている。
また、塗装や模様付けについても、合成塗料や漆を塗布したり、フィルムを使用するなどの多くの手段が提案されている。
これらの提案には、塗装や模様付けにより意匠効果を得るためのものの他、箸の機能性を高めるためのものがある。
例えば、塗装等の表面加工の工夫により劣化や腐食を防止するなどの手段の他、箸の断面形状に変化を付けて持ち易くする等の機能性向上手段が講じられてきた。
ところで、これらの機能性付与の一つに、箸を持った際に滑りにくく持ち易い、そして、食物を把持した際に食物をしっかりと把持して落としにくい等の機能性要求がある。
そしてこれらの機能性向上については、製造販売を行う者の立場として、製造効率の面でも優れたものが求められてきた。
このような背景のもと、例えば、特許文献1では、食品を挟み易くするために箸の先端部近傍を摩擦係数が大で耐熱性に優れたシリコンゴム等で被覆する提案がなされている。
また、特許文献2では、鉛筆や箸の握り部分に装着する滑り止め用のチューブ状の軟質弾性材の提案がなされている。
ところが、特許文献1については、食品を把持し易くすることに焦点を置いたもので箸を使う側にとっての提案ではない。
また、特許文献2については、鉛筆や箸に後付で装着するための部材の提案であり、箸特有の形状や洗浄等の使用環境への配慮がなされているとは言い難いものであった。
特開2008−80075号公報 特開2007−151846号公報
上記示したように従来の食事用の箸には、箸の使用目的に応じた機能性を高めるために多くの提案がなされてきた。
しかし、これらの提案は、滑らないと言う観点からは一定の効果は得られているものの、太さや持ちやすさ等の箸の使い勝手の点で未だ問題が残るところであり、満足のいく提案とは言えない。
本発明は、以上の事情を背景になされたものである。
すなわち、本発明の目的は、滑りにくい機能を簡単に付与でき、更には、熱収縮性円筒フィルムと可撓性合成樹脂チューブを巧みな組み合わせで滑りにくさに加え特異な色彩効果を付与できる持ち易い箸、及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、鋭意、研究した結果、箸に周囲溝を形成し、ここに可撓性合成樹脂チューブを固定することで、握った場合に滑りにくくなる知見を得、このことに基づいて、本発明を提供するに至ったものである。
即ち、本発明は、(1)、箸の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面に、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されている持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(2)、箸の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面に、有色の熱収縮性円筒フィルムが熱収縮固定され、該熱収縮性円筒フィルムの上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されている持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(3)、箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面とが、その境界部において面一となっている上記(1)又は(2)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(4)、可撓性合成樹脂チューブの端面と周囲溝側壁面とが密着している上記(1)又は(2)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(5)、周囲溝が、可撓性合成樹脂チューブの上方部が当接する部分と下方部が当接する部分の2つの箇所に形成されていて、且つ、箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面とがその境界部において面一となっている上記(1)又は(2)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(6)、周囲溝の底面に凸部が形成されている上記(2)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(7)、凸部が可撓性合成樹脂チューブ表面に及んでいる上記(6)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(8)、可撓性合成樹脂チューブが有色且つ透光性を有していて、熱収縮性円筒フィルムが透過して見える上記(2)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(9)、可撓性合成樹脂チューブがシリコン樹脂によりなり、熱収縮性円筒フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる上記(2)記載の持ち易い箸に存する。
即ち、本発明は、(10)、箸の長さ方向の一定の範囲に周囲溝を形成し、その後、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブを弾圧固定する持ち易い箸の製造方法に存する。
即ち、本発明は、(11)、箸の長さ方向の一定の範囲に周囲溝を形成し、その後、該周囲溝の底面に有色の熱収縮性円筒フィルムを熱収縮固定し、更にその後、この熱収縮性円筒フィルム上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブを弾圧固定し、熱収縮性円筒フィルムの色と可撓性合成樹脂チューブの色とを混色する持ち易い箸の製造方法に存する。
なお、本発明の目的に沿ったものであれば上記(1)〜(11)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明の持ち易い箸は、その長さ方向の一定の範囲に周囲溝を有していて、その底面に滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されているので、可撓性合成樹脂チューブがずれたり滑脱することがない。
そして丁度、手で箸を持つ一定の範囲に可撓性合成樹脂チューブが位置することにより、滑り止め効果が確実に得られる。
そして、本発明の持ち易い箸は、周囲溝の底面に有色の熱収縮性円筒フィルムが熱収縮固定され、その上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されているので、熱収縮性円筒フィルムの色が可撓性合成樹脂チューブを透過して可撓性合成樹脂チューブの色とが混色されて独特のカラー効果が得られる。
また、可撓性合成樹脂フィルムに文字や模様を付与すれば、識別機能や柄効果も得ることができる。
更に、有色の熱収縮性円筒フィルムにより周囲溝の底面を隠すことができるので、箸素材の状態や色に影響を受けずに、より鮮明な色効果を得ることができる。
このように、熱収縮性円筒フィルムと可撓性合成樹脂チューブを巧みな組み合わせで滑りにくさに加え特異な色彩効果を付与できるメリットがある。
そして、本発明の持ち易い箸は、箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面とが、その境界部において面一となっている場合には、持ち易い箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面とに段差がなく、使用の際、使用者の手の当接部分に引っかかる等の違和感がなく、使い勝手が良い利点がある。
加えて、可撓性合成樹脂チューブ端面と周囲溝側壁面とが密着している場合には隙間が生ぜず、チリやホコリが入り込むこともなく衛生的であり、且つ耐久性がある。
そして、本発明の持ち易い箸の周囲溝が、可撓性合成樹脂チューブの上方部が当接する部分と下方部が当接する部分の2つの箇所に形成されていて、且つ、箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面の上方部、並びに下方部において面一となっている場合には、可撓性合成樹脂チューブの中央部近傍は、箸本体より適宜、太くなって盛り上がった状態となっているので、特に、子供や手に力が入らない障害を持つ人には保持し易い利点がある。
加えて、可撓性合成樹脂チューブ表面と箸表面とに段差がなく手に違和感がない。
また周囲溝を形成する範囲が局所的な2カ所となり、可撓性合成樹脂チューブの長さより短くて済むので製造時の切削も効率的である。
更に強度的にも低下が少ない。
そして、本発明の持ち易い箸が、周囲溝の底面に凸部が形成されている場合には、熱収縮性円筒フィルム、並びに可撓性合成樹脂チューブの固定がより確実になり、滑脱や部分的なずれによる皺等の発生をも防止できる。
そして、本発明の持ち易い箸が、周囲溝の底面の凸部が可撓性合成樹脂チューブの表面にまで及んでいる場合には、この凹凸により使用の際の滑り防止をより確実にできる。
特に指の太い人に有用である。
そして、本発明の持ち易い箸に使用される可撓性合成樹脂チューブがシリコン樹脂である場合には、適宜な弾性を有しているので、これを拡張して箸に嵌入し易く、しかも一端嵌入された後は、その弾性により箸を弾圧して、ずれたり滑脱することがない。
また、その表面摩擦力により持ち易い箸を持った際の滑り防止効果が得られる。更に、快適なソフト感を得ることができる利点がある。
また一方では、可撓性合成樹脂チューブとして透光性を付与することが容易である。
そして、本発明の持ち易い箸に使用される熱収縮性円筒フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂である場合には、高い熱収縮性による箸表面への確実な固定効果が得られることに加えて多彩な色のフィルムが得られる利点がある。
そして、本発明の持ち易い箸が、箸の長さ方向の一定の範囲に周囲溝を形成し、その後、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブを弾圧固定する製造方法である場合には、単に周囲溝に可撓性合成樹脂チューブを嵌め込む作業のみで持ち易い箸を得ることができるので、接着剤や他の部材を必要とせず、極めて簡便であり、コストを低減できる利点がある。
そして、本発明の持ち易い箸が、周囲溝を形成して、その後、該周囲溝の底面に有色の熱収縮性円筒フィルムを熱収縮固定し、更にその後、この熱収縮性円筒フィルム上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブを弾圧固定し、熱収縮性円筒フィルムの色と可撓性合成樹脂チューブの色とを混色する製造方法である場合には、その製造が周囲溝形成、熱収縮性円筒フィルムの熱収縮固定、可撓性合成樹脂チューブの弾圧固定と順序立てて行え、簡便で時間を要しない。
併せて、前もって付与されている熱収縮性円筒フィルムの色と透光性の可撓性合成樹脂チューブの色の混色により、持ち易い箸の表面の色付けができ、特段の色付け工程や塗料等の材料を要せず極めて経済的である。
図1は、持ち易い箸を示す図であり、(A)は、その製造工程説明図、(B)は、その製造された持ち易い箸を示す外観図である。 図2は、箸の周囲溝に熱収縮性円筒フィルム、並びに可撓性合成樹脂チューブを固定した一部断面説明図である。 図3は、周囲溝が可撓性合成樹脂チューブの上方、下方部に位置する箇所にのみ2箇所設けられ、該周囲溝に熱収縮性円筒フィルム、並びに可撓性合成樹脂チューブが固定された一部断面説明図である。 図4は、周囲溝の底面に凸部が設けられている一部断面説明図である。 図5は、周囲溝の底面に凸部が設けられた箸に熱収縮性円筒フィルム、並びに可撓性合成樹脂チューブが固定された部分拡大断面説明図である。 図6は、形状を大きくして凸部を形成した周囲溝の底面に、熱収縮性円筒フィルム、並びに可撓性合成樹脂チューブを固定した状態を示す一部断面説明図である。 図7は、凸部の形状が図6とは異なる場合の一部断面説明図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態における持ち易い箸1は、図1(A)の製造工程説明図に示すように、一定長さの頭部11を残して、箸を持った際一定の範囲、例えば、手に接触する部分に、一定深さの周囲溝2が形成されている。
周囲溝が形成されている箸の部分、すなわち周囲溝軸25の形状については、基本的に丸断面とする。
尚、例えば箸本体が四角形断面である場合にはこの周囲溝軸25を4角形といった箸本体の断面に応じた形状とすることも可能である。
周囲溝2に、熱収縮性円筒フィルム3、並びに可撓性合成樹脂チューブ4が順に嵌入、固定される。
この際、熱収縮性円筒フィルム3は熱処理により周囲溝2に熱収縮固定され、可撓性合成樹脂チューブ4は熱収縮性円筒フィルム3の上に弾性により弾圧固定される。
詳しくは、図1(B)の外観図、図2の一部断面説明図から分かるように、周囲溝2には嵌入された熱収縮性円筒フィルム3が熱処理により熱収縮して周囲溝の底面21に熱収縮固定されている。
そして、この熱収縮性円筒フィルム3の上に、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブ4が弾圧固定されている。
弾圧固定については、可撓性合成樹脂チューブ4(例えば、シリコン樹脂製)が、適度な伸縮性を有していて、これを図1に二点鎖線で示すように、拡張状態の可撓性合成樹脂チューブ4Aにして周囲溝2に嵌め込む。
嵌入された可撓性合成樹脂チューブ4は、その弾性により周囲溝の底面21に弾圧固定される。
周囲溝2の深さを熱収縮性円筒フィルム3と可撓性合成樹脂チューブ4を重ねた厚みに形成しているので、図2の断面説明図に示すように、可撓性合成樹脂チューブ表面41と箸表面13とは、その境界部44において面一となっている。
熱収縮性円筒フィルム3と可撓性合成樹脂チューブ4は周囲溝2に確実に収まり、ずれて滑脱することがない。
また、可撓性合成樹脂チューブ4の端面42と周囲溝側壁面22とは密着していると、隙間が生じなくチリやホコリが入り込むことがなく衛生的である。
箸表面13と可撓性合成樹脂チューブ表面41に段差がないので洗浄の際や、使用中に引っかかることがなく使い勝手が良い。
上記、面一については、例えば、箸本体の断面が4角形で周囲溝軸25の断面が丸形である場合には、その境界部44では、箸本体の4角形の角の一部が、可撓性合成樹脂チューブ表面42よりも僅かに出ることになるが、このような僅かの出る状態は面一の範囲とする。
ここで、周囲溝2の深さを一定に形成すると、箸1が全体的になだらかな先細りに形成されているので周囲溝軸25の太さも先細りになる。
このような状態の箸1に熱収縮性円筒フィルム3と可撓性合成樹脂チューブ4とを嵌入、固定すれば、周囲溝2の上方では、周囲溝軸25の太さが大きく、下方では小さくなる。
この結果、可撓性合成樹脂チューブ4の下方の伸びが小さくて済み、その分、厚みが増すこととなる。このことにより可撓性合成樹脂チューブの下方(箸1の先端方向)においては可撓性合成樹脂チューブ表面41と箸表面13には微少な段差ができる場合があるが、周囲溝軸25の下方を適宜細く、つまり周囲溝2の深さを適宜大きくすることで、可撓性合成樹脂チューブ4の厚みの増加分を吸収させるとよい。
熱収縮性円筒フィルム3には、A色のポリエチレンテレフタレート樹脂が用いられていて熱処理により高い収縮性を発揮し、周囲溝2の底面21に熱収縮固定されている。
この熱収縮性円筒フィルム3上に、B色の可撓性合成樹脂チューブ4が弾圧固定される。
この可撓性合成樹脂チューブ4は、透光性を有するシリコン樹脂であり、下側に位置する熱収縮性円筒フィルム3のA色が透過し、A色とB色の2色が混色して混色色を醸し出している。
この場合、色(光)の3原則を応用すると、熱収縮性円筒フィルム3と可撓性合成樹脂チューブ4の色を組み合わせた多彩な色表現が可能となる。ここで、透光性とは透明や半透明のものを指し、その透明度については適宜選択すれば良い。
また、熱収縮性円筒フィルム3に模様や文字を付ければ、その模様や文字が透光性を有する可撓性合成樹脂チューブ4を通して浮かび上がり、意匠効果を得ることに加えて識別機能を付与することができる。
そして、有色の熱収縮性円筒フィルムを用いることで、箸表面を隠すことができ、箸素材の状態、色等に影響を受けずに、より鮮明な色効果を得ることができる。
ところで、図から分かるように、箸の頭部11については、箸1を持った際、頭部11近傍、すなわち箸端部から一定の範囲には、周囲溝が形成されてない。
すなわち頭部11近傍に可撓性合成樹脂チューブ4を被覆しない部分を設けている。
通常、箸を使う際、箸の頭部11(特に2本の箸のうち上側に位置する箸の頭部9)が上下に振れる動きをするが、この可撓性合成樹脂チューブ4を被覆しない部分があることで、指に接触しても、その振れの動きを妨げない。そのため使い勝手が良い。
特に、箸を使用する際、先端より離れた位置、すなわち、頭部に近い部分を掴む癖のある人は、頭部11近傍、が指に当たり易ため、効果が大である。
また使用者は箸を持った際、無意識に箸を回転させたり前後させて丁度使い勝手の良い位置に箸位置を調整するが、この時、箸1の頭部11のみが滑り易いことにより、その調整が簡単となり便利である。
頭部11の長さについては持ち易い箸1の見栄えやバランスに応じて適宜決定されれば良い。
また、幼児等が2本の持ち易い箸1を纏めて1本の状態に握りしめてフォークのように使用することがあるが、2本の持ち易い箸1の可撓性合成樹脂チューブ4同士がその摩擦力により互いにずれることがなく、握った状態で箸が安定する。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、図3の一部断面説明図に示すように、周囲溝2が可撓性合成樹脂チューブ4の上方部43、下方部43に位置する箇所にのみ2箇所設けられる。
その深さは、熱収縮性円筒フィルム3と可撓性合成樹脂チューブ4を重ねて箸1に嵌入した際、可撓性合成樹脂チューブ表面41が箸表面13と丁度、面一になる深さである。
また、2つの周囲溝2、2は、その内側方向に向かって傾斜した傾斜面23を有していてなだらかに箸表面13に到達する。
こうすることで、可撓性合成樹脂チューブ4は、その上方部43、下方部43の端面42は周囲溝側面22に当接して、自然な曲線を描いて箸表面13に連なる。
こうして構成された持ち易い箸1は、これを持った際、その持ち手部分が中膨れの状態となり、子供や保持力の小さい人には使い勝手が良い。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、図4の一部断面説明図に示すように周囲溝の底面21に凸部24が設けられる。この凸部24はいかなる形状でも良いが、本実施の形態ではスパイラル状に形成されている。
このように凸部を有する周囲溝2に熱収縮性円筒フィルム3、並びに可撓性合成樹脂チューブ4が嵌入、固定された場合、熱収縮性円筒フィルム3はその凸部24の形状に沿った形で熱収縮固定されて摩擦力が増し、ずれることがない。
この上に可撓性合成樹脂チューブ4を嵌入すれば、熱収縮性円筒フィルム3の表面に表出した凸部24によって確実に可撓性合成樹脂チューブ4が弾圧固定される
図5の部分拡大断面説明図に示すように、凸部24の形状を小さくすれば、その凸部24の形状が可撓性合成樹脂チューブ4の表面にまでは及ばない。
次に、図6の一部断面説明図に示すように、凸部24の形状を大きくすれば、その形状を可撓性合成樹脂チューブ表面41にまで及ばせることができる。
凸部24が可撓性合成樹脂チューブ表面41に及べば、持った際の止めになって一層保持力を向上させる効果がある。
図7は、凸部の形状が図6とは異なる場合の箸1の例を示す。
凸部24が波状に形成されており、その形状が可撓性合成樹脂チューブ表面41にまで及んでいることから、これも保持力を向上させるものである。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は要旨の変更のない限り、実施の形態のみに限定されるものではなく多様な変形例が可能である。
例えば、本発明に用いる箸の形状については、その断面が4角形のみならず、丸形状や3角形状であったり、多角形状であっても良く、周囲溝軸の断面をそれに合わせることも可能である。
熱収縮性円筒フィルム3や可撓性合成樹脂チューブ4の色についても限定されることはない。
また、下地として使用する熱収縮性円筒フィルム3は周囲溝2の全面に行き渡らせる必要はなく、目的に応じて短いものや間隔を開けて使用することができる。
更に熱収縮性円筒フィルム3や可撓性合成樹脂チューブ4の素材についても発明の目的に沿う限り他の採用も可能である。
本発明の箸は、少なくとも箸の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面に、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されているので、可撓性合成樹脂チューブがずれたり滑脱することがなく、滑り止め効果も確実に得られる。
また更に周囲溝の底面に有色の熱収縮性円筒フィルムが熱収縮固定され、その上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されているので、熱収縮性円筒フィルムの色が可撓性合成樹脂チューブを透過して可撓性合成樹脂チューブの色が混色されて独特のカラー効果が得られる等のメリットがある。
このような効果を期待する限り、例えば、台所用品の取手や、傘、杖、物干し棹等の生活用品などにも採用可能であるし、釣り竿等のスポーツ関連製品、或いは階段の手すり等のような建築用部材にも十分採用可能である。
1・・・箸(持ち易い箸)
11・・・頭部
13・・・箸表面
2・・・周囲溝
21・・・周囲溝の底面
22・・・周囲溝側壁面
23・・・傾斜部
24・・・凸部
25・・・周囲溝軸
3・・・熱収縮性円筒フィルム
4・・・可撓性合成樹脂チューブ
41・・・可撓性合成樹脂チューブ表面
42・・・端面
43・・・可撓性合成樹脂チューブの上方部、下方部
44・・・境界部

Claims (11)

  1. 箸の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面に、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されていることを特徴とする持ち易い箸。
  2. 箸の長さ方向の一定の範囲に形成された周囲溝の底面に、有色の熱収縮性円筒フィルムが熱収縮固定され、該熱収縮性円筒フィルムの上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブが弾圧固定されていることを特徴とする持ち易い箸。
  3. 箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面とが、その境界部において面一となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の持ち易い箸。
  4. 可撓性合成樹脂チューブの端面と周囲溝側壁面とが密着していることを特徴とする請求項1又は2記載の持ち易い箸。
  5. 周囲溝が、可撓性合成樹脂チューブの上方部が当接する部分と下方部が当接する部分の2つの箇所に形成されていて、且つ、箸表面と可撓性合成樹脂チューブ表面とがその境界部において面一となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の持ち易い箸。
  6. 周囲溝の底面に凸部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の持ち易い箸。
  7. 凸部が可撓性合成樹脂チューブ表面に及んでいることを特徴とする請求項6記載の持ち易い箸。
  8. 可撓性合成樹脂チューブが有色且つ透光性を有していて、熱収縮性円筒フィルムが透過して見えることを特徴とする請求項2記載の持ち易い箸。
  9. 可撓性合成樹脂チューブがシリコン樹脂によりなり、熱収縮性円筒フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂よりなることを特徴とする請求項2記載の持ち易い箸。
  10. 箸の長さ方向の一定の範囲に周囲溝を形成し、その後、滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブを弾圧固定することを特徴とする持ち易い箸の製造方法。
  11. 箸の長さ方向の一定の範囲に周囲溝を形成し、その後、該周囲溝の底面に有色の熱収縮性円筒フィルムを熱収縮固定し、更にその後、この熱収縮性円筒フィルム上に有色で且つ透光性を有する滑り止め用の可撓性合成樹脂チューブを弾圧固定し、熱収縮性円筒フィルムの色と可撓性合成樹脂チューブの色とを混色することを特徴とする持ち易い箸の製造方法。
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