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JP2013068562A - 圧力センサ - Google Patents

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JP2013068562A
JP2013068562A JP2011208694A JP2011208694A JP2013068562A JP 2013068562 A JP2013068562 A JP 2013068562A JP 2011208694 A JP2011208694 A JP 2011208694A JP 2011208694 A JP2011208694 A JP 2011208694A JP 2013068562 A JP2013068562 A JP 2013068562A
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Takeshi Shiojiri
健史 塩尻
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】広い圧力領域で感度の良い圧力センサ1を提供する。
【解決手段】絶縁性基材2と、絶縁性基材2の一方主面に設けられた有機トランジスタ10と、有機トランジスタ10のソース電極12に所定電圧を印加する電圧電源30と、電圧電源30とソース電極12との間に、ソース電極12と直列に接続された感圧導電体20と、感圧導電体20は、圧力抵抗特性の異なる複数の感圧導電シート21,22が積層されて構成されていることを特徴とする圧力センサを提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フレキシブルな圧力センサに関する。
この種の技術に関し、有機トランジスタが形成された高分子フィルムの主面に、電極が形成された感圧導電ゴムシートを貼り合わせたフレキシブル検知装置が知られている(特許文献1)。
特開2005−150146号公報
一般に、有機トランジスタのオン抵抗はMΩオーダーと高いため、ソース−ドレイン間の電位差を変動させるためには、押圧時の感圧導電ゴムシートの抵抗変化は数MΩから数100kΩのオーダーで変動することが望ましい。
しかしながら、感圧導電ゴムシートが示す押圧時の抵抗変化の範囲が狭い場合には、押圧力によっては圧力センサとしての感度が不足するという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、押圧力の強さにかかわらず、感度の良好な圧力センサを提供することである。
[1]本発明は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の一方主面に設けられた有機トランジスタと、前記有機トランジスタのソース電極に所定電圧を印加する電圧電源と、前記電圧電源と前記ソース電極との間に配置され、前記ソース電極と直列に接続された感圧導電体と、を備え、前記感圧導電体は、圧力抵抗特性の異なる複数の感圧導電シートが積層されて構成されていることを特徴とする圧力センサを提供することにより、上記課題を解決する。
[2]上記発明の感圧導電シートは、第1圧力領域における圧力に対する抵抗変化率が、第1圧力領域以外の第2圧力領域における圧力に対する抵抗変化率よりも大きい第1感圧導電シートと、前記第2圧力領域における前記圧力に対する抵抗変化率が、前記第1感圧導電シートの前記第2圧力領域における前記圧力に対する抵抗変化率よりも高い第2感圧導電シートと、を少なくとも含むように構成することができる。
[3]上記発明の感圧導電シートは、ゴム系材料製のシートであり、ゴム系材料の全量に対して第1の添加率で硬度調整剤が添加された材料からなる第1感圧導電シートと、前記ゴム系材料の全量に対し、前記第1の添加率とは異なる第2の添加率で前記硬度調整剤が添加された材料からなる第2感圧導電シートと、を少なくとも含むように構成することができる。
本発明によれば、有機トランジスタのソース電極とドレイン電極との間に、ソース電極と直列に接続される感圧導電体を、圧力特性の異なる複数の感圧導電シートの積層体として構成するので、広い圧力領域におけるソース−ドレイン間の電位差の変動量を大きくすることができる。この結果、押圧力の強さにかかわらず、感度の良好な圧力センサを提供することができる。
本発明の実施形態に係る圧力センサの単位構成の回路図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの単位構成の断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの感圧導電シート及び感圧導電体の圧力抵抗特性の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る圧力センサを図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る圧力センサをマトリックス状に配置して、タッチパネル式入力装置に適用した例を説明する。
図1、図2は、本発明の本実施形態の圧力センサ1の一例の構成を示す図である。本実施形態では、図1及び図2に示す圧力センサ1は、所定の操作面に沿ってマトリックス状に配置され、タッチパネルディスプレイを構成する。なお、本実施形態の圧力センサ1の用途は、タッチパネルディスプレイに限定されず、指紋センサ、スイッチなどに適用することができる。
図1に示すように、本実施形態の圧力センサ1は、有機トランジスタ10と、感圧導電体20と、電圧電源30とを備える。有機トランジスタ10は、有機半導体層15を用いたトランジスタであり、ゲート電極11と、ソース電極12と、ドレイン電極13とを備える。電圧電源30は、有機トランジスタ10のソース電極12に所定電圧VDDを印加する。有機トランジスタ10は、所定電圧VDDの印加時におけるソース-ドレイン間の電流値に応じた信号を外部の信号処理装置40へ出力する。信号処理装置40は有機トランジスタ10から取得した信号に基づいて、押圧位置又は押圧力を検出する。
図1に、有機トランジスタ(FET)10と感圧導電体20とを組み合わせた圧力センサ1の回路図を示す。本実施形態の圧力センサ1では、感圧導電体20は、電圧電源30と有機トランジスタ10の間に設けられており、有機トランジスタ10のソース電極12と感圧導電体20とが直列に接続された構造となっている。
有機トランジスタ10がオン状態になるようにワードライン(WL)の電圧(VWL)と電源電圧VDDを設定すると、有機トランジスタ10の出力特性の線形領域において、ソース-ドレイン間を流れる電流量は、ソース-ドレイン間の電位差に比例して変化する。また、電圧電源30により一定の電圧を加えたときのソース-ドレイン間の電位差は、ソース電極12と直列に接続された感圧導電体20の抵抗値に依存する。
感圧導電体20は、押圧により受けた圧力に応じて抵抗値が変化する可変抵抗部材として機能する。本実施形態の感圧導電体20は、導電体粒子が弾性のある高分子ゴムなどに分散された材料等からなり、押圧すると抵抗値が低下する特性を有する。特に限定されないが、本実施形態の感圧導電シート21としては、例えば、シリコーンゴムにグラファイトを添加して形成された感圧導電ゴムシートを用いることができる。感圧導電シート21は圧力印加によりシリコーンゴムが圧縮されると、導電物質であるグラファイトが相互に接触し、導電経路が形成されて抵抗値が減少するという原理となっている。つまり、感圧導電体20を押圧して圧力を印加すると、この圧力印加によって感圧導電体20の抵抗値が低下するので、ソース-ドレイン間の電位差は大きくなり、流れる電流量が増加する。感圧導電体20に与える押圧力と電流量とを予め取得しておけば、電流量に応じた信号の変化を読み取ることで圧力センサ1に印加される圧力量(押圧力)を検知することができる。
図2は、図1に示す回路を有する本実施形態の圧力センサ1の断面図である。図2に示すように、有機トランジスタ10を構成するゲート電極11、ソース電極12、ドレイン電極13は、絶縁性基材2の一方主面に形成され、ゲート絶縁層14に覆われたゲート電極11の上(積層方向に沿う図面の上方向、以下同じ)には、有機半導体層15が形成されている。この有機半導体層15の上には絶縁層17を介して感圧導電体20が形成されている。さらに、感圧導電体20の上面(積層方向に沿う図面の上側の面、以下同じ)はカバー部材50により覆われている。図2に示す圧力センサ1では、カバー部材50の上面Pが押圧されると、有機トランジスタ10はその押圧力に応じた信号を出力する。
図2に示すように、感圧導電体20は、第1パッド電極18、18aを介してソース電極12と直列に接続されている。本実施形態の感圧導電体20は、圧力抵抗特性の異なる複数の感圧導電シート21,22を積層することにより構成されている。本例では2枚の感圧導電シート21,22を積層する例を示すが、3枚以上の感圧導電シート21,22を積層してもよい。また、同図に示すように、感圧導電体20の上側に積層された感圧導電シート22の上面(カバー部材50との境界面)には第2パッド電極19が形成されている。この第2パッド電極19は、電圧電源30と接続している。電圧電源30と接続された第2パッド電極19と第1パッド電極18とは、感圧導電体20(21,22)を介して導通している。
本実施形態において、感圧導電体20を構成する複数の感圧導電シート21,22は、その圧力抵抗特性が異なる。本実施形態の圧力抵抗特性とは、押圧時における印加圧力値に対する抵抗値の変化の態様である。圧力抵抗特性は、所定の印加圧力値の領域における抵抗値、抵抗値の変化量などに基づいて評価することができる。
ここで、異なる圧力抵抗特性の感圧導電シート21,22を積層して用いる理由を説明する。図3に、シリコーンゴムにグラファイトを添加して形成された第1感圧導電シート21と第2感圧導電シート22の圧力抵抗特性を示す。図3に示す第1感圧導電シート21は、押圧時における印加圧力が20kPa未満の低圧領域において比較的に大きな抵抗変化率を示すが、20kPaを超える中高圧領域において、抵抗変化率が急激に低くなる。このような感圧導電シートを感圧導電体20として用いると押圧時の印加圧力が20kPa以上となった場合の圧力変化を正確に検出することができず、圧力センサの感度が低くなる。他方、押圧時の印加圧力が20kPa以上の領域で抵抗変化率の大きい感圧導電シートを用いると、今度は印加圧力が20kPa未満の領域で圧力センサの感度が低くなる。
本実施形態では、第1感圧導電シート21と圧力抵抗特性が異なる第2感圧導電シート22を、第1感圧導電シート21に積層して感圧導電体20を構成する。第2感圧導電シート22は、押圧時における印加圧力が20kPaを超える領域において、図3に示すように第1感圧導電シート21の抵抗変化率よりも高い抵抗変化率を有する。
このように異なる圧力抵抗特性を有する第1感圧導電シート21と第2感圧導電シート22とを積層すると、図3に示す「積層時の合成抵抗値」のように、印加圧力が20kPa未満の低圧領域だけではなく、印加圧力が20kPa以上の中高圧領域でも、高い抵抗変化率を示す。つまり、図3に示す第1感圧導電シート21や第2感圧導電シート22が積層された感圧導電体20の圧力抵抗特性は、第1感圧導電シート21又は第2感圧導電シート22の単独の圧力抵抗特性よりも、印加圧力の広い領域において高い抵抗変化率を示す。
特に限定されないが、本実施形態では、押圧時における印加圧力の第1圧力領域(低圧領域に相当)における圧力に対する抵抗変化率が、第1圧力領域以外の第2圧力領域(中高圧領域に相当)における圧力に対する抵抗変化率よりも大きい第1感圧導電シート21と、第2圧力領域における圧力に対する抵抗変化率が、第1感圧導電シートの圧力に対する抵抗変化率よりも高い第2感圧導電シート22と、を少なくとも含むように感圧導電体20を構成することができる。
第1感圧導電シート21の圧力抵抗特性に偏りがあり、押圧時における印加圧力の第1圧力領域における圧力に対する抵抗変化率が第1圧力領域以外の第2圧力領域における圧力に対する抵抗変化率よりも大きい場合、つまり第2圧力領域における抵抗変化率が低い場合には、この第1感圧導電シート21のみを用いると第2圧力領域における感度が低くなる可能性がある。このような第2圧力領域において低下する感度を補うため、本実施形態では、第2圧力領域における圧力に対する抵抗変化率が、第1感圧導電シートの圧力に対する抵抗変化率よりも高い第2感圧導電シート22を第1感圧導電シート21に積層して圧力抵抗特性が合成された感圧導電体20を利用する。
このように、印加圧力の領域(値域)によって異なる抵抗変化率を示す複数の感圧導電シート21,22を用いることにより、ある印加圧力の領域で抵抗変化率が低い第1感圧導電シート21を用いても、その印加圧力の領域で抵抗変化率が高い第2感圧導電シート22を積層させることで、第1感圧導電シート21の圧力抵抗特性を補うことができ、結果として広い範囲で抵抗変化率の大きい合成された圧力抵抗特性を得ることができる。この結果、第1圧力領域においても第2圧力領域においても圧力センサとしての感度を良好に保つことができる。
ここで、感圧導電シート21の圧力抵抗特性を調整する手法について説明する。
まず、感圧導電シート21,22として、シリコーンゴムにグラファイトが添加されたシートを用いる場合には、グラファイトの添加量を変えることで感圧導電シートの圧力抵抗(P-R)特性を調整することが可能である。
また、感圧導電シート21,22の硬度を調整することにより、これらの圧力抵抗特性を変化させることができる。硬度が異なると押圧されたときの感圧導電シート21,22の圧縮度が異なるため抵抗値も変化するからである。例えば、本実施形態の感圧導電シート21,22として、シリコーンゴムなどのゴム系材料製のシートを用いることができるが、この場合は、シリカ系粉体充填剤などの硬度調整剤を用いてシリコーンゴムの硬度を調整することができる。特に限定されないが、本実施形態では、ゴム系材料の全量に対して第1の添加率で硬度調整剤が添加された材料からなる第1感圧導電シート21と、硬度調整剤がゴム系材料の全量に対する第1の添加率とは異なる第2の添加率で添加された材料からなる第2感圧導電シート22と、を積層して感圧導電体20を構成することができる。第1の添加率と第2の添加率との大小関係は特に限定されず、硬度調整剤に応じて適宜に設定することができる。
例えば、硬度調整剤としてシリカ系分体充填剤を用いた場合において、感圧導電シート21、22のゴム系材料に対するシリカ系粉体充填剤の添加量が多いと、ゴム硬度が高く(硬く)なる傾向があり、逆に添加量が少ないとゴム硬度が低く(柔らかく)なる傾向がある。このため、本実施形態では、ゴム系材料の全量に対して第1の添加率でシリカ系粉体充填剤を添加したゴム系材料で作製された硬い第1感圧導電シート21と、ゴム系材料の全量に対して第1の添加率よりも低い第2の添加率でシリカ系粉体充填剤を添加したゴム系材料で作製された柔らかい第2感圧導電シート22とを積層して、圧力抵抗特性が合成された所望の感圧導電体20を構成することができる。
なお、感圧導電シート21、22のゴム硬度を低く(柔らかく)する場合には、硬度調整剤として、シリコーン系のオイルを添加する又はシリコーン系のオイルの添加量を増やすという手法を用いることもできる。つまり、硬い感圧導電シート21、22を得る場合には粉分の多いシリコーンゴムを用い、柔らかい感圧導電シート21、22を得る場合には、オイル分が多いシリコーンゴムを用いることができる。
本実施形態では、グラファイトの添加量、シリカ系粉体充填剤などの硬度調整剤の添加量、シリコーン系のオイルの添加量によって圧力抵抗特性を調整することができるので、用いる感圧導電シート21,22の圧力抵抗特性と上記添加量との関係を予め対応づけておけば、上記添加量を調整することにより任意の圧力抵抗特性の感圧導電シート21,22を作製し、これを用いて所望の圧力抵抗特性の感圧導電体20を構成することができる。この結果、所望の圧力抵抗特性の圧力センサ1を得ることができる。
このように、相対的に低い圧力値の領域で抵抗変化が大きい感圧導電シート21、中高圧の圧力値の領域で抵抗変化が大きい感圧導電シート22を重ねて感圧導電体20を構成し、これを電圧電源30と有機トランジスタ10のソース電極12の間に電気的に直列に挿入することにより、広い圧力領域で大きな抵抗変化が起きるため、ソース-ドレイン間の電位差も大きくなり、結果として、広い圧力領域で感度の良い圧力センサ1を提供することができる。
以下、図4〜図10に基づいて、本実施形態の圧力センサ1の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、絶縁性基材2の一方主面にゲート電極11を形成する。絶縁性基材2としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミドなどの高分子フィルムを用いることができる。ゲート電極11の形成手法は特に限定されず、インクジェット法又はグラビアオフセット法などの印刷技術や、真空蒸着又はスパッタ法などの形成方法によりゲート電極11を形成する。ゲート電極11の材料としては、例えば、AgやCuなどの金属のナノ粒子インクや、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))/PSS(ポリスチレンスルホン酸)などの導電性高分子や、AuやAlなどの金属材料を用いることができる。ゲート電極11を形成した後に、必要に応じてオーブンなどで焼成を行う。
次に、図5に示すように、ゲート電極11の周囲に、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いて、例えばスクリーン印刷などの方法で土手(堰)として機能する絶縁層16を形成する。絶縁層16を形成した後に、必要に応じてオーブンなどで乾燥させる。なお、本例の絶縁層16は、必ずしも必要ではなく、後の工程や、後の工程において用いられる材料に応じて形成すればよい。続いて、例えばポリイミド系樹脂などの樹脂材料を用いて、例えばインクジェット法などの印刷技術を用いて、ゲート電極11を覆うようにゲート絶縁膜14を形成する。絶縁膜14を形成した後に、必要に応じてオーブンなどで加熱し、乾燥や架橋を行う。
次に、図6に示すように、ソース電極12とドレイン電極13を形成する。ソース電極12及びドレイン電極13の形成手法は特に限定されず、インクジェット法又はグラビアオフセット法などの印刷技術や、真空蒸着又はスパッタ法などの形成方法によりソース電極12とドレイン電極13を形成する。ソース電極12とドレイン電極13の材料としては、例えば、AgやCuなどの金属のナノ粒子インクや、PEDOT/PSSなどの導電性高分子や、AuやAlなどの金属材料を用いることができる。ソース電極12とドレイン電極13を形成した後に、必要に応じてオーブンなどで焼成を行う。
次に、図7に示すように、有機半導体層15を形成する。有機半導体層15の形成手法は特に限定されず、例えばインクジェット法やフレキソ印刷法などの印刷技術や、真空蒸着などの成膜方法を用いることができる。また、有機半導体材料としては、ペンタセンのほか、アントラセン、テトラセン、ヘキサセン等のアセン類、又はα − オリゴチオフェン類、例えばクォーターチオフェン(4 T) 、セキシチオフェン、オクタチオフェンなどの多環芳香族炭化水素系材料の1種または2種以上を混合して用いることができる。そのほか、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3− オクチルチオフェン)、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ビス−N,N’−(4−メトキシフェニル)−ビス−N,N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ベンゾチアジアゾール)などの出願時に知られた有機半導体材料を用いることができる。
また、有機半導体層15の形成手法も特に限定されず、インクジェット法やフレキソ印刷法などの印刷技術や、真空蒸着法、スプレー法などの手法を用いることができる。
本実施形態では、有機半導体層15を用いて圧力センサ1を作製するので、低温プロセスで製造できる。また、プラスチック基板を用いることができるので、フレキシブルかつ軽量であり、壊れにくい素子を提供することができる。また、有機トランジスタ10は、印刷法で形成することができるため、無機半導体層を作製するためのフォトリソグラフィー法と比較して製造工程を大幅に簡略化でき、製造時に使用する材料も大幅に削減することができる。このため、製造時の環境負荷を抑えるとともに製造コストを抑制することができる。
次に、図8に示すように、有機半導体層15を覆う絶縁層17を形成する。絶縁層17の材料は特に限定されず、例えばパリレン(パラキシリレン系ポリマー)などの絶縁体材料を用いることができる。また、絶縁層17の形成手法も特に限定されず、例えば蒸着法などの形成方法により成膜することができる。また、同図に示すように、絶縁層17には、製品においてソース電極12と導通する第1パッド電極18の一部を構成するビア18a用のビアホール18a´を形成する。ビアホール18a´の形成手法は特に限定されないが、本例ではCOレーザーにより穿孔してビアホール18a´を形成する。
次に、図9に示すように、先の工程において形成したビアホール18a´に、導電性材料を充填して、ソース電極12と導通する第1パッド電極18を形成する。第1パッド電極18の形成に用いられる導電性材料は特に限定されないが、AuやAgなどの金属材料や、これらを含む導電性ペーストを用いることができる。また、第1パッド電極18の形成手法は特に限定されないが、インクジェット法などの印刷技術や、真空蒸着法やスパッタ法などの成膜方法を用いることができる。また、予めビア18aと電極とを含む第1パッド電極18が形成されている絶縁層17を準備しておき、図7に示す有機半導体層15を形成した半製品にこの絶縁層17をラミネートすることにより、図9に示す半製品を得ることができる。
次に、図10に示すように第1パッド電極18と接するように、圧力抵抗(P-R)特性の異なる2枚の感圧導電シート21,22を絶縁層17の上にラミネートする。本例では、2枚の感圧導電シート21,22を積層する例を示すが、必要に応じて枚数を増やすことができる。また、感圧導電シート21,22の積層順序は特に限定されず、感圧導電シート21,22のいずれを上又は下に配置しても構わない。
最後に、第2パッド電極19が形成されたPETやPENなどの高分子フィルムを、感圧導電シート22の上にラミネートすることで、先に説明した図2に示す本実施形態の圧力センサ1を作製することができる。第2パッド電極19の材料は特に限定されず、例えばAuやCuなどの導電性材料を用いることができる。
なお、有機トランジスタ10を作製するための材料や作製手法は、上記に限定されず、出願時に知られた材料及び作製手法を適宜に適用することができる。
本明細書及び図面では、説明の便宜から一単位の圧力センサ1を例に説明するが、本実施形態では図2に示す圧力センサ1を複数個準備して、縦横に操作面(押圧面と平行な面)にマトリックス状に配置して面状の圧力センサ1を作製し、タッチパネルディスプレイを構成することができる。このように面状の圧力センサ1を作製することにより、同じくマトリックス状に配置された各有機トランジスタ10の検出結果に基づいて操作面における圧力の分布信号を検出することができる。また、所定の押圧力に対するソース電極12とドレイン電極13との間の電流変化を予め取得しておくことにより、圧力センサ1が押圧された場合の圧力の大きさをも検出することができる。
以上のとおり、本発明において本実施形態に係る有機トランジスタ10と感圧導電体20を組み合わせた圧力センサ1によれば、圧力抵抗特性の異なる感圧導電シート21,22を積層させて、電圧電源30とソース電極12との間に、ソース電極12と直列に接続するので広い範囲の押圧力に対するソース−ドレイン間の電位差の変動量を大きくすることができる。この結果、押圧力の強さにかかわらず、感度の良好な圧力センサ1(タッチパネルディスプレイ)を提供することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…圧力センサ
2…絶縁性基材
10…有機トランジスタ
11…ゲート電極
12…ソース電極
13…ドレイン電極
14…ゲート絶縁層
15…有機半導体層
16,17…絶縁層
18,18a…第1パッド電極(18…電極,18a…ビア)
18a´…ビアホール
19…第2パッド電極
20…感圧導電体
21…第1感圧導電シート
22…第2感圧導電シート
30…電圧電源
40…信号処理装置
50…カバー部材

Claims (3)

  1. 絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材の一方主面に設けられた有機トランジスタと、
    前記有機トランジスタのソース電極に所定電圧を印加する電圧電源と、
    前記電圧電源と前記ソース電極との間に配置され、前記ソース電極と直列に接続された感圧導電体と、を備え、
    前記感圧導電体は、圧力抵抗特性の異なる複数の感圧導電シートが積層されて構成されていることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記感圧導電シートは、
    第1圧力領域における圧力に対する抵抗変化率が、第1圧力領域以外の第2圧力領域における圧力に対する抵抗変化率よりも大きい第1感圧導電シートと、
    前記第2圧力領域における前記圧力に対する抵抗変化率が、前記第1感圧導電シートの前記第2圧力領域における前記圧力に対する抵抗変化率よりも高い第2感圧導電シートと、を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記感圧導電シートは、ゴム系材料製のシートであり、
    ゴム系材料の全量に対して第1の添加率で硬度調整剤が添加された材料からなる第1感圧導電シートと、
    前記ゴム系材料の全量に対し、前記第1の添加率とは異なる第2の添加率で前記硬度調整剤が添加された材料からなる第2感圧導電シートと、を少なくとも含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサ。
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