[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2013061021A - 伝動歯車装置 - Google Patents

伝動歯車装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013061021A
JP2013061021A JP2011200163A JP2011200163A JP2013061021A JP 2013061021 A JP2013061021 A JP 2013061021A JP 2011200163 A JP2011200163 A JP 2011200163A JP 2011200163 A JP2011200163 A JP 2011200163A JP 2013061021 A JP2013061021 A JP 2013061021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission gear
boss
power transmission
flange
oil hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011200163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5580269B2 (ja
Inventor
Toshimasa Mitsubori
敏正 三堀
Atsushi Ogasawara
敦 小笠原
Norio Hayashi
典生 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2011200163A priority Critical patent/JP5580269B2/ja
Publication of JP2013061021A publication Critical patent/JP2013061021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5580269B2 publication Critical patent/JP5580269B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】フランジ部が設けられる中空の回転軸に、円筒状のボス部ならびに該ボス部から半径方向外方に張り出す円板部とを一体に有する動力伝達歯車が軸方向相対移動および相対回転を可能として支持され、回転軸および動力伝達歯車間にダンパスプリングが介設され、動力伝達歯車がフリクションスプリングでフランジ部側に向けて付勢される伝動歯車装置において、動力伝達歯車のボス部に設けられる油孔を増やすことなく、動力伝達歯車の両側面での潤滑性を確保する。
【解決手段】回転軸65の内周に一端を開口させて回転軸65に設けられる供給油孔128の他端が、ボス部68aのフランジ部65b寄り内周面に少なくとも一部を対向させて回転軸65の外周に開口され、ボス部68aの内周に一端を開口させてボス部68aに設けられるボス部油孔129の他端が、フランジ部65bとは反対側でボス部68aの外周に開口される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関を含むパワーユニットの動力伝達系に配設されるとともに半径方向外方に張り出すフランジ部が設けられる中空の回転軸と、該回転軸を同軸に囲繞する円筒状のボス部ならびに外周に複数の歯が設けられるようにして前記ボス部から半径方向外方に張り出す円板部を一体に有して前記回転軸に軸方向相対移動および相対回転を可能として支持されるとともに前記内燃機関からの回転動力を受けて回転する動力伝達歯車と、前記回転軸および前記動力伝達歯車間に介設されるダンパスプリングと、前記動力伝達歯車および前記フランジ部間で摩擦力を発生させて前記回転軸および前記動力伝達歯車間の相対回転を抑制すべく前記動力伝達歯車を前記フランジ部側に向けて付勢するフリクションスプリングとを備える伝動歯車装置に関する。
内燃機関のクランクシャフトからの回転動力を受けて回転するようにして一次減速装置の一部を構成する被動歯車が、該被動歯車および回転軸間の動力の伝達を断・接するクラッチ機構の一部を構成するクラッチアウタの軸方向外方に配置され、クラッチアウタと、前記被動歯車および前記クラッチアウタ間に配置されるクラッチアウタサイドプレートとの接触部分に潤滑油を供給するための油孔が、前記被動歯車が一体に有する円筒状のボス部に設けられるようにしたものが、特許文献1で知られている。
特許第4179694号公報
上記特許文献1で開示されたものでは、内燃機関からの回転動力を受けて回転する動力伝達歯車としての被動歯車のクラッチ機構側に臨む一側面側に潤滑油を供給するために、被動歯車のボス部に油孔が設けられているのであるが、クラッチ機構の特性によっては、被動歯車の前記クラッチ機構とは反対側に臨む他側面側でも摩耗が激しい場合があり、その場合、一側面側と同様に被動ギヤの他側面側にも潤滑油を供給する必要がある。しかるに被動歯車のボス部に、被動歯車の他側面側に潤滑油を導く油孔を新たに設けると、油孔の加工工数が増加するだけでなく、ボス部の強度低下を招く可能性がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、動力伝達歯車のボス部に設けられる油孔の個数を増やすことなく、動力伝達歯車の両側面での潤滑性を確保し得るようにした伝動歯車装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関を含むパワーユニットの動力伝達系に配設されるとともに半径方向外方に張り出すフランジ部が設けられる中空の回転軸と、該回転軸を同軸に囲繞する円筒状のボス部ならびに外周に複数の歯が設けられるようにして前記ボス部から半径方向外方に張り出す円板部を一体に有して前記回転軸に軸方向相対移動および相対回転を可能として支持されるとともに前記内燃機関からの回転動力を受けて回転する動力伝達歯車と、前記回転軸および前記動力伝達歯車間に介設されるダンパスプリングと、前記動力伝達歯車および前記フランジ部間で摩擦力を発生させて前記回転軸および前記動力伝達歯車間の相対回転を抑制すべく前記動力伝達歯車を前記フランジ部側に向けて付勢するフリクションスプリングとを備える伝動歯車装置において、前記回転軸の内周に一端を開口させて前記回転軸に設けられる供給油孔の他端が、前記ボス部の前記フランジ部寄り内周面に少なくとも一部を対向させて前記回転軸の外周に開口され、前記ボス部の内周に一端を開口させて前記ボス部に設けられるボス部油孔の他端が、前記円板部を前記フランジ部との間に挟む位置で前記ボス部の外周に開口されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記ボス部の外周への前記ボス部油孔の開口部が、前記円板部の前記フランジ部とは反対側の側面に当接する前記フリクションスプリングに対応した位置に配置されることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記供給油孔の前記回転軸の外周への開口部の一部が前記ボス部の内周から露出するように、前記ボス部の前記フランジ部側端部が形成されることを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ボス部油孔よりも大径に形成される前記供給油孔の前記回転軸の外周への開口部が、前記ボス部油孔の前記ボス部の内周への開口部および前記フランジ部間に配置されることを第4の特徴とする。
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記動力伝達歯車の前記フランジ部側内周部と、前記フランジ部との間に環状のワッシャが介装され、該ワッシャの内周面および前記回転軸の外周面間に環状間隙が形成されることを第5の特徴とする。
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ボス部油孔が、前記ボス部の外周に近接するにつれて前記フランジ部から遠ざかるように傾斜して形成され、前記円板部の前記フランジ部とは反対側の側面に当接する前記フリクションスプリングが、半径方向外方に向かうにつれて前記フランジ部から遠ざかるように傾斜した皿ばねであることを第6の特徴とする。
本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ダンパスプリングを前記動力伝達歯車の前記円板部に設けられる収容孔に保持するようにして前記円板部の前記フランジ部と反対側の側面に対向して前記回転軸に固定されるサイドプレートと、前記円板部との間に前記フリクションスプリングが介装されることを第7の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第7の特徴の構成のいずれかに加えて、前記動力伝達歯車が、前記回転軸と同軸に配置される一対のクラッチ機構がそれぞれ備えるクラッチアウタに挟まれる位置に配置されることを第8の特徴とする。
なお実施の形態の一次減速装置60が本発明の伝動歯車装置に対応し、実施の形態の伝動筒軸65が本発明の回転軸に対応し、実施の形態の一次被動歯車68が本発明の動力伝達歯車に対応し、実施の形態の第2サイドプレート76が本発明のサイドプレートに対応する。
本発明の第1の特徴によれば、回転軸に設けられる供給油孔がボス部のフランジ部寄り内周面に少なくとも一部を対向させて回転軸の外周に開口され、ボス部に設けられるボス部油孔が、円板部をフランジ部との間に挟む位置でボス部の外周に開口されるので、回転軸内から供給油孔を介して供給される潤滑油の一部が、動力伝達歯車のフランジ部側に臨む一側面側に供給され、回転軸内から供給油孔を介して供給される潤滑油の残部は、動力伝達歯車のボス部の内周および回転軸の外周間を経てボス部油孔から動力伝達歯車の他側面側に供給されることになり、ボス部に設けられるボス部油孔の配置を工夫することで、ボス部油孔の個数を増やすことなく動力伝達歯車の両側面側に潤滑油を供給可能として潤滑性を確保することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、ボス部の外周へのボス部油孔の開口部が、フリクションスプリングに対応した位置に配置されるので、ボス部油孔からの潤滑油をフリクションスプリングに直接導くようにしてフリクションスプリングおよび動力伝達歯車間の潤滑性を確保することができる。
本発明の第3の特徴によれば、回転軸の外周への供給油孔の開口部の一部がボス部で覆われることなく露出するので、供給油孔からフランジ部側に潤滑油を直接供給するようにして動力伝達歯車およびフランジ部間の潤滑性を高めることができる。
本発明の第4の特徴によれば、供給油孔がボス部油孔よりも大径に形成されており、ボス部の内周へのボス部油孔の開口部およびフランジ部間に、回転軸の外周への供給油孔の開口部が配置されるので、供給油孔からの潤滑油を動力伝達歯車の両側面側に効果的に分配して潤滑性の向上を図ることができる。
本発明の第5の特徴によれば、動力伝達歯車のフランジ部側内周部およびフランジ部間にワッシャが介装され、そのワッシャの内周面および回転軸の外周面間に環状間隙が形成されるので、環状間隙に供給油孔からの潤滑油を溜めるようにして潤滑性能を維持することができる。
本発明の第6の特徴によれば、ボス部油孔がボス部の外周に近接するにつれてフランジ部から遠ざかるように傾斜しており、半径方向外方に向かうにつれてフランジ部から遠ざかるように傾斜した皿ばねであるフリクションスプリングが、動力伝達歯車における円板部のフランジ部とは反対側の側面に当接するので、ボス部油孔からフリクションスプリング側に向けて供給される潤滑油をフリクションスプリングに沿わせて該フリクションスプリングの外周側まで供給することができる。
本発明の第7の特徴によれば、ダンパスプリングを動力伝達歯車に保持するサイドプレートと、動力伝達歯車が有する円板部との間にフリクションスプリングが介装されるので、フリクションスプリングを受けるリテーナを特別に設けることを不要として、部品点数の低減に寄与することができる。
さらに本発明の第8の特徴によれば、回転軸に支持される一対のクラッチ機構がそれぞれ備えるクラッチアウタに挟まれるようにして動力伝達歯車が配置されるので、クラッチアウタ間に挟まれることで周囲からの飛散潤滑油による潤滑が期待できない動力伝達歯車の両側面側に有効に潤滑油を供給して潤滑性の向上を図ることができる。
自動二輪車の右側面図である。 内燃機関の要部を図1と同一方向から見て示す拡大側面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の4矢示部拡大図である。 図4の5矢示部拡大図である。
本発明の実施の形態について図1〜図5を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、上下および左右の各方向は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支したフロントフォーク11を操向可能に支承するヘッドパイプ12と、該ヘッドパイプ12から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム13…と、それらのメインフレーム13…よりも急傾斜で後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム14…と、前記メインフレーム13…の後端から下方に延びる左右一対のセンターフレーム15…と、該センターフレーム15…の上部から後上がりに延びる左右一対のシートレール16…と、前記センターフレーム15…の中間部および前記シートレール16…の後部間を結ぶリヤフレーム17…とを備える。
前記メインフレーム13…、ダウンフレーム14…およびセンターフレーム15…で囲まれる領域には、多気筒たとえば2気筒である内燃機関Eと、該内燃機関Eの機関本体18に一部が内蔵される変速機M(図3参照)とを備えるパワーユニットPが車体フレームFで支持されるようにして配置され、該パワーユニットPが発揮する動力で駆動される後輪WRを後端部で軸支するスイングアーム19の前端部が、前記センターフレーム15…に上下揺動可能に支承される。また前記内燃機関Eの上方でメインフレーム13…に収納ボックス20が搭載され、該収納ボックス20の後方にタンデム型の乗車用シート21が前記シートレール16…で支持されるようにして配置され、乗車用シート21の下方に燃料タンク22が配置される。
図2において、前記内燃機関Eの機関本体18は、車幅方向に延びる軸線を有するクランクシャフト25を回転自在に支承するクランクケース26と、前傾したシリンダ軸線Cを有してクランクケース26の前部上端に結合されるシリンダブロック27と、該シリンダブロック27の上端に結合されるシリンダヘッド28と、該シリンダヘッド28の上端に結合されるヘッドカバー29と、前記クランクケース26の下部に結合されるオイルパン30とを備える。
図3を併せて参照して、前記クランクケース26は、クランクシャフト25の軸線を通る水平面に沿う割り面で上下に分割可能とした上ケース半体31および下ケース半体32が結合されて成るものであり、シリンダブロック27は上ケース半体31と一体に形成される。
前記シリンダブロック27は、車幅方向に並列して配置される複数たとえば2つのシリンダボア33,33を有するものであり、それらのシリンダボア33…にピストン34…が摺動可能に嵌合され、シリンダボア33…の配列方向すなわち車幅方向に沿って延びて前記クランクケース26で回転自在に支承される前記クランクシャフト25に前記ピストン34…が連接される。
前記クランクケース26の左側面には、前記クランクケース26との間に発電機室36を形成する発電機カバー35が結合され、発電機室36内に収容される発電機37のロータ38が、発電機室36内に突入した前記クランクシャフト25の端部に固定され、発電機37のステータ39は、前記ロータ38で囲繞されるようにして発電機カバー35に固定される。
またクランクケース26の上部には、図2で示すように、スタータモータ40が固定配置されており、そのスタータモータ40からの動力を伝達する減速歯車列41の一部を構成する被動歯車42が、一方向クラッチ43を介して前記ロータ38に連結される。
前記クランクケース26の右側面には、該クランクケース26との間にクラッチ室46を形成するクラッチカバー45が結合される。而して前記クランクケース26内には、前記クランクシャフト25と平行な軸線を有して該クランクケース26で回転自在に支承される第1および第2メインシャフト47,48と、カウンタシャフト49との間に選択的に確立可能な複数変速段の歯車列たとえば第1速〜第6速歯車列G1〜G6が設けられて成る変速機Mが収容される。
第1および第2メインシャフト47,48は同軸に配置されており、クランクケース26の右側壁を回転自在に貫通する第1メインシャフト47の一端部はクランクケース26の左側壁にボールベアリング50を介して回転自在に支承され、この第1メインシャフト47の他端部は前記クラッチカバー45で回転自在に支承される。また第2メインシャフト48は、第1メインシャフト47を同軸に囲繞して前記クランクケース26の右側壁を回転自在に貫通するものであり、クランクケース26の右側壁および第2メインシャフト48間にはボールベアリング51が介装され、第1および第2メインシャフト47,48間には、複数のニードルベアリング52,52…が介装される。
前記カウンタシャフト49の一端部は、クランクケース26の左側壁との間にボールベアリング53および環状のシール部材54を介在させてクランクケース26の左側壁後部から突出され、またカウンタシャフト49の他端部はクランクケース26の右側壁にニードルベアリング55を介して回転自在に支承される。
而して第1メインシャフト47およびカウンタシャフト49間に、第1速歯車列G1、第3歯車列G3および第5速歯車列G5が設けられ、第2メインシャフト48およびカウンタシャフト49間に、第2速歯車列G2、第4速歯車列G4および第6速歯車列G6が設けられる。
前記クランクケース26の左側壁から突出した前記カウンタシャフト49の一端部には駆動スプロケット56が固定されており、この駆動スプロケット56に巻き掛けられる無端状のチェーン(図示せず)により、変速機Mから出力される回転動力が前記後輪WRに伝達される。
而して前記内燃機関Eのクランクシャフト25から出力される回転動力を前記後輪WRに伝達する動力伝達系は、前記クランクシャフト25からの動力を伝達する伝動歯車装置としての一次減速装置60、第1クラッチ機構61、第2クラッチ機構62、前記変速機M、前記駆動スプロケット56および前記チェーンを含むように構成されるものであり、一次減速装置60と、一次減速装置60および第1メインシャフト47間に介設される第1クラッチ機構61と、一次減速装置60および第2メインシャフト48間に介設される第2クラッチ機構62とが前記クラッチ室46に収容される。
また前記クラッチ室46内で前記クランクシャフト25の端部にはパルサ63が固着されており、このパルサ63の外周に対向するようにして前記クラッチ室46内に配置される回転速センサ64がクラッチカバー45に固定される。
図4において、第1メインシャフト47の他端寄り中間部には、前記動力伝達系に配設される回転軸としての中空の伝動筒軸65が第2メインシャフト48に軸方向で隣接するようにして相対回転可能に装着されており、この伝動筒軸65の軸方向中間部で半径方向外側方に張り出すように膨らんだ大径部65aと、その大径部65aの外周から半径方向外側方に張り出すフランジ部65bとが伝動筒軸65に一体に設けられる。第1クラッチ機構61は、伝動筒軸65および第1メインシャフト47間の動力断・接を切換可能として伝動筒軸65および第1メインシャフト47上に設けられ、第2クラッチ機構62は、伝動筒軸65および第2メインシャフト62間の動力断・接を切換可能として伝動筒軸65および第2メインシャフト48上に設けられる。
一次減速装置60は、前記クランクシャフト25とともに回転する一次駆動歯車67と、前記クランクシャフト25から一次駆動歯車67を介して回転動力が伝達されるのに応じて回転するようにして前記伝動筒軸65の大径部65aに軸方向相対移動および相対回転を可能として支持される動力伝達歯車としての一次被動歯車68と、前記伝動筒軸65および前記一次被動歯車68間に介設される複数のダンパスプリング69…と、前記一次被動歯車68および前記伝動筒軸65のフランジ部65b間で摩擦力を発生させて前記伝動筒軸65および前記一次被動歯車68間の相対回転を抑制すべく前記一次被動歯車68を前記フランジ部65b側に向けて付勢するフリクションスプリング70とを備える。
図5を併せて参照して、一次被動歯車68は、前記伝動筒軸65の大径部65aを同軸に囲繞する円筒状のボス部68aと、該ボス部68aから半径方向外方に張り出すとともに前記一次駆動歯車67に噛合する複数のハウジング72,72…が外周に設けられる円板部68bとを一体に有するものであり、前記円板部68bは、前記ボス部68aの前記フランジ部65b側の端部に一体に連設される。而して前記一次被動歯車68の前記フランジ部65b側内周部と、前記フランジ部65bとの間には、環状のワッシャ71が介装されており、このワッシャ71の内周面および前記伝動筒軸65における大径部65aの外周面間には環状間隙73が形成される。
前記ダンパスプリング69…は、コイルスプリングであり、前記一次被動歯車68の平板部68bに周方向等間隔に設けられた複数の収容孔74…に収容される。また前記円板部68bは、前記円板部68bの前記フランジ部65b側の側面に対向する第1サイドプレート75と、前記円板部68bの前記フランジ部65bと反対側の側面に対向する第2サイドプレート76とで挟まれており、それらのサイドプレート75,76で前記ダンパスプリング69…が前記収容孔74…に保持される。しかも第1および第2サイドプレート75,76の周方向に等間隔をあけた複数箇所には、円筒状のカラー77…が介在、配置されており、それらのカラー77…を貫通するリベット78…で第1および第2サイドプレート75,76が連結され、第1および第2サイドプレート75,76は伝動筒軸65に固定され、伝動筒軸65とともに回転する。
而して前記一次被動歯車68と、第1サイドプレート75、第2サイドプレート76および伝動筒軸65との間に相対回転が生じていない状態では、前記ダンパスプリング69…の両端は、一次被動歯車68ならびに第1および第2サイドプレート75,76に当接しており、前記相対回転が生じると、一次被動歯車68と第1および第2ダンパスプリング75,76との間で前記ダンパスプリング69…が圧縮され、ダンパスプリング69…が発揮するばね力で急激なトルク変化が緩衝されることになる。
また前記カラー77…を挿通せしめる複数の規制孔79…が前記伝動筒軸65の周方向に長い長孔状に形成されて一次被動歯車68の円板部68bに設けられており、一次被動歯車68と、第1および第2サイドプレート75,76すなわち伝動筒軸65との相対回動が、前記規制孔79…内で前記カラー77…が移動する範囲に規制される。
前記フリクションスプリング70は、半径方向外方に向かうにつれて前記フランジ部65bから遠ざかるように傾斜した皿ばねであり、2枚重ねられたフリクションスプリング70,70が、その内周側の小径端を一次被動歯車68における円板部68bの前記フランジ部65bとは反対側の側面に当接させるようにして、第2サイドプレート76および前記円板部68b間に介装される。
油圧クラッチである第1クラッチ機構61は、一次減速装置60よりも右側に配置されており、一次減速装置60とは反対側に開放した椀状に形成されて前記伝動筒軸65に相対回転不能に結合される第1クラッチアウタ80と、第1メインシャフト47に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ81と、第1クラッチアウタ80に軸方向の相対移動を可能として係合される複数枚の第1駆動摩擦板82,82…と、第1駆動摩擦板82,82…と交互に配置されるようにしつつ軸方向の相対移動を可能として第1クラッチインナ81に係合される複数枚の第1被動摩擦板83,83…と、複数枚ずつ交互に配置される第1駆動摩擦板82,82…および第1被動摩擦板83,83…のうち最外方の摩擦板に対向するリング状の第1受圧板84と、第1受圧板84に第1駆動摩擦板82,82…および第1被動摩擦板83,83…とは反対側から係合することを可能として第1クラッチアウタ80に装着される第1止め輪85と、第1駆動摩擦板82,82…および第1被動摩擦板83,83…を第1受圧板84との間に挟む押圧部86aを外周部に有して第1クラッチアウタ80に液密にかつ摺動可能に嵌合されるとともに第1クラッチアウタ80との間に第1油圧室87を形成する第1ピストン86と、第1ピストン86を第1油圧室87の容積を縮小させる側に付勢する第1クラッチばね88とを備え、第1クラッチインナ81およびクラッチカバー45間にボールベアリング89が介装される。すなわち第1メインシャフト47の他端部は第1クラッチインナ81を介してクラッチカバー45に回転自在に支承されている。
このような第1クラッチ機構61では、第1油圧室87に液圧が作用していない状態では動力伝達を遮断したクラッチオフ状態にあり、第1油圧室87への油圧の作用時に第1クラッチ機構61は、クランクシャフト25から一次減速装置60、ダンパスプリング69および伝動筒軸65を介して第1クラッチアウタ80に伝達される回転動力を第1メインシャフト47に伝達するクラッチオン状態となる。
油圧クラッチである第2クラッチ機構62は、一次減速装置60を第1クラッチ機構61との間に挟むようにして第1クラッチ機構61よりもクランクケース26側に配置されるものであり、前記クランクケース26側に向けて開放した筒状に形成されるとともに一次被動歯車68を第1クラッチアウタ80との間に挟むようにして前記伝動筒軸65に相対回転不能に結合される第2クラッチアウタ90と、第2メインシャフト48に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ91と、第2クラッチアウタ90に軸方向の相対移動を可能として係合される複数枚の第2駆動摩擦板92,92…と、第2駆動摩擦板92,92…と交互に配置されるようにしつつ軸方向の相対移動を可能として第2クラッチインナ91に係合される複数枚の第2被動摩擦板93,93…と、複数枚ずつ交互に配置される第2駆動摩擦板92,92…および第2被動摩擦板93,93…のうち最外方の摩擦板に対向するリング状の第2受圧板94と、第2受圧板94に第2駆動摩擦板92,92…および第2被動摩擦板93,93…とは反対側から係合することを可能として第2クラッチアウタ90に装着される第2止め輪95と、第2駆動摩擦板92,92…および第2被動摩擦板93,93…を第2受圧板94との間に挟む押圧部96aを外周部に有して第2クラッチアウタ90に液密にかつ摺動可能に嵌合されるとともに第2クラッチアウタ90との間に第2油圧室97を形成する第2ピストン96と、第2ピストン96を第2油圧室97の容積を縮小させる側に付勢する第2クラッチばね98とを備える。
このような第2クラッチ機構62では、第2油圧室97に液圧が作用していない状態では動力伝達を遮断したクラッチオフ状態にあり、第2油圧室97への油圧の作用時に第2クラッチ機構62は、クランクシャフト25から一次減速装置60、ダンパスプリング69および伝動筒軸65を介して第2クラッチアウタ90に伝達される回転動力を第2メインシャフト48に伝達するクラッチオン状態となる。
第1クラッチ機構61の第1クラッチアウタ80および前記伝動筒軸65には、第1油圧室87に通じる第1油路100が設けられ、第1メインシャフト47の外周には第1油路100に通じる第1環状凹部101が設けられる。また第2クラッチ機構62の第2クラッチアウタ90および前記伝動筒軸65には、第2油圧室97に通じる第2油路102が設けられ、第1メインシャフト47の外周には第2油路102に通じる第2環状凹部103が設けられる。
第1メインシャフト47のクラッチカバー45側端部には、相互に平行な第1および第2軸方向油路104,105が内端を閉じるとともに軸方向に延びるようにして設けられ、第1軸方向油路104は第1環状凹部101および第1油路100を介して第1油圧室87に連通し、第2軸方向油路105は第2環状凹部103および第2油路102を介して第2油圧室97に連通する。しかも第1軸方向油路104の外端開口部は栓部材106で閉じられ、第2軸方向油路105の外端は開放したままである。
またクラッチカバー45側で第1メインシャフト48の端部は、前記クラッチカバー45に嵌合固定される筒部材107に液密に嵌入されており、筒部材107の外周およびクラッチカバー45との間に形成される環状の第1油室108に第1軸方向油路104を通じさせる連通路110が第1メインシャフト48および前記筒部材107に設けられる。また第1メインシャフト47および前記筒部材107と、前記クラッチカバー45との間には、第2軸方向油路105に通じる第2油室109が形成される。
図2に注目して、クラッチカバー45の下部には第1オイルフィルタ111が設けられ、第1オイルフィルタ111の後方に位置するレベルゲージ挿入筒112がクラッチカバー45の下部から上方に延びるようにして該クラッチカバー45に設けられる。またオイルパン30内のオイルを汲み上げるようにして機関本体18に内蔵される第1のオイルポンプ(図示せず)から吐出される制御用のオイルが第1オイルフィルタ111に供給され、この第1オイルフィルタ111で浄化されたオイルの油圧を第1クラッチ機構61および第2クラッチ機構62毎に制御するための油圧制御装置113が、側面視で前記レベルゲージ挿入筒112の一部と重なるようにして前記クラッチカバー45の内面側に配設される。しかも第1オイルフィルタ111には、第1オイルフィルタ111に供給される油圧を検出するオイルフィルタ用油圧センサ114が付設され、前記油圧制御装置113で制御された第1および第2クラッチ機構61,62毎の油圧を個別に検出する第1および第2油圧センサ115,116がクラッチカバー45に配設される。
またクラッチカバー45には、前記油圧制御装置113で油圧が制御された第1クラッチ機構61用のオイルを第1油室108に導くための第1制御供給油路117と、前記油圧制御装置113で油圧が制御された第2クラッチ機構62用のオイルを第2油室109に導くための第2制御供給油路118とが設けられる。
また前記機関本体18内には、前記第1のオイルポンプとは別の第2のオイルポンプ(図示せず)が潤滑用のオイルを吐出するようにして内蔵されており、この第2のオイルポンプから吐出されるオイルは、前記機関本体18におけるクランクケース26の前壁下部に取付けられる第2オイルフィルタ119で浄化され、潤滑用オイルの供給油圧を検出する潤滑用油圧センサ120がクランクケース26の前面に取付けられる。
図3および図4に注目して、第1メインシャフト47内には、第2オイルフィルタ119で浄化された潤滑用オイルを第1メインシャフト47の周囲の被潤滑部に供給可能とした潤滑用油路123が設けられる。
この潤滑用油路123には、クラッチカバー45とは反対側の第1メインシャフト47の端部から潤滑用オイルが供給されるものであり、第1メインシャフト47に同軸に設けられる上流側油路123aと、上流側油路123aよりも小径に形成されて第1メインシャフト47の軸線と平行に延びる下流側油路123bとから成るものであり、この実施例1で下流側油路123bは、第1および第2軸方向油路104,105の直径と同一の直径を有するように形成される。
上流側油路123aは、第1メインシャフト47の前記クラッチカバー45とは反対側の端部に外端を開口するようにして第1メインシャフト47に穿孔加工されるものであり、第1メインシャフト47の軸線に沿う方向に並ぶ第1および第2油圧クラッチ61,62のうち第2油圧クラッチ62に側面視で重なる位置に、上流側油路123aの内端が配置される。一方、下流側油路123bは、上流側油路123aの内端に通じるようにして第1メインシャフト47の前記クラッチカバー45側の端部から穿孔加工され、下流側油路123bの外端はプラグ124で閉じられる。
而して第1メインシャフト47の軸方向に間隔をあけた複数箇所には、変速機Mの複数箇所ならびに第1および第2メインシャフト47,48間に潤滑用オイルを供給する油孔125,125…が、潤滑用油路123の上流側油路123aに内端を通じさせるようにして設けられる。
また前記潤滑用油路123の下流側油路123bに内端を通じさせる複数の連通路126…が、前記伝動筒軸65における大径部65aの軸方向中間部に対応する位置で伝動筒軸65の内周に設けられる環状溝127に外端を通じさせるようにして第1メインシャフト47に設けられ、前記伝動筒軸65の大径部65aには、前記環状溝127に通じるようにして伝動筒軸65の内周に一端を開口させる複数の供給油孔128…が伝動筒軸65の半径方向に延びるようにして設けられ、この供給油孔128…の他端は、一次被動歯車68におけるボス部68aの前記フランジ部65b寄り内周面に少なくとも一部を対向させて前記伝動筒軸65における大径部65aの外周に開口される。
また前記ボス部68aの内周には、前記供給油孔128…から潤滑油を供給可能とした環状溝130が設けられており、その環状溝130に通じるようにして一端をボス部68aの内周に開口させる複数のボス部油孔129…が前記ボス部68aに設けられ、これらのボス部油孔129…の他端が、一次被動歯車68における前記円板部68bを前記フランジ部65bとの間に挟む位置で前記ボス部68aの外周に開口される。しかも前記ボス部油孔129…は、前記ボス部68aの外周に近接するにつれて前記フランジ部65bから遠ざかるように傾斜して形成される。
また前記ボス部68aの外周への前記ボス部油孔129…の開口部は、一次被動歯車68における前記円板部68bの前記フランジ部65bとは反対側の側面に当接する前記フリクションスプリング70…に対応した位置に配置される。而して前記フリクションスプリング70…が、半径方向外方に向かうにつれて前記フランジ部65bから遠ざかるように傾斜した皿ばねであり、フリクションスプリング70…の内周側の小径端が前記円板部68bの前記フランジ部65bとは反対側の側面に当接しているので、前記フリクションスプリング70…の小径端の前記円板部68bへの接触部に対応した位置に前記ボス部68aの外周への前記ボス部油孔129…の開口部が配置されることになる。
ところで前記供給油孔128の直径D1は前記ボス部油孔129の直径D2よりも大きく設定されるものであり、各供給油孔128…の前記伝動筒軸65における大径部65aの外周への開口部は、前記ボス部油孔129…の前記ボス部68aの内周への開口部すなわち環状溝130および前記フランジ部65b間に配置される。
また前記供給油孔128…の前記伝動筒軸65における大径部65aの外周への開口部の一部が、前記ボス部68aの内周から露出するように、前記ボス部68aの前記フランジ部65b側端部が形成されており、この実施の形態では、前記ボス部68aの前記フランジ部65b側端部の内周部にテーパ状の面取り68cが前記供給油孔128…の一部を露出させるようにして形成される。これによって供給油孔128…は、前記一次被動歯車68の前記フランジ部65b側内周部および前記フランジ部65b間に介装されるワッシャ71の内周面と、伝動筒軸65における大径部65aの外周面との間に形成される前記環状間隙73に直接通じることになる。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、パワーユニットPの動力伝達系に配設されるとともに半径方向外方に張り出すフランジ部65bが設けられる中空の伝動筒軸65に、前記伝動筒軸65を同軸に囲繞する円筒状のボス部68aと、該ボス部68aから半径方向外方に張り出すとともに外周に複数の歯72…が設けられる円板部68bとを一体に有して一次減速装置60の一部を構成する一次被動歯車68が、軸方向相対移動および相対回転を可能として支持されており、伝動筒軸65の内周に一端を開口させて該伝動筒軸65に設けられる供給油孔128…の他端が、前記ボス部68aの前記フランジ部65b寄り内周面に少なくとも一部を対向させて前記伝動筒軸65の外周に開口され、前記ボス部68aの内周に一端を開口させて前記ボス部68aに設けられるボス部油孔129…の他端が、前記円板部68bを前記フランジ部65bとの間に挟む位置で前記ボス部68aの外周に開口されるので、伝動筒軸65内から供給油孔128…を介して供給される潤滑油の一部が、一次被動歯車68のフランジ部65b側に臨む一側面側に供給され、伝動筒軸65内から供給油孔128…を介して供給される潤滑油の残部は、一次被動歯車68のボス部68aの内周および伝動筒軸65の外周間を経てボス部油孔129…から一次被動歯車68の他側面側に供給されることになり、ボス部68aに設けられるボス部油孔129…の配置を工夫することで、ボス部油孔129…の個数を増やすことなく一次被動歯車68の両側面側に潤滑油を供給可能として潤滑性を確保することができる。
また前記ボス部68aの外周への前記ボス部油孔129…の開口部が、一次被動歯車68における前記円板部68bの前記フランジ部65bとは反対側の側面に当接するフリクションスプリング70…に対応した位置に配置されるので、ボス部油孔129…からの潤滑油をフリクションスプリング70…に直接導くようにしてフリクションスプリング70…および一次被動歯車68間の潤滑性を確保することができる。
また前記供給油孔128…の前記伝動筒軸65の外周への開口部の一部が前記ボス部68aの内周から露出するように、前記ボス部68aの前記フランジ部65b側端部が形成されるので、伝動筒軸65の外周への供給油孔128…の開口部の一部がボス部68aで覆われることなく露出することになり、供給油孔128…からフランジ部65b側に潤滑油を直接供給するようにして一次被動歯車68およびフランジ部65b間の潤滑性を高めることができる。
また前記ボス部油孔129…よりも大径に形成される前記供給油孔128…の前記伝動筒軸65の外周への開口部が、前記ボス部油孔129…の前記ボス部68aの内周への開口部および前記フランジ部65b間に配置されるので、供給油孔128…からの潤滑油を一次被動歯車68の両側面側に効果的に分配して潤滑性の向上を図ることができる。
また前記一次被動歯車68の前記フランジ部65b側内周部と、前記フランジ部65bとの間に環状のワッシャ71が介装され、該ワッシャ71の内周面および前記伝動筒軸65の外周面間に環状間隙73が形成されるので、環状間隙73に供給油孔128…からの潤滑油を溜めるようにして潤滑性能を維持することができる。
またボス部油孔129…が、前記ボス部68aの外周に近接するにつれて前記フランジ部65bから遠ざかるように傾斜して形成され、一次被動歯車68における前記円板部68bの前記フランジ部65bとは反対側の側面に当接する前記フリクションスプリング70…が、半径方向外方に向かうにつれて前記フランジ部65bから遠ざかるように傾斜した皿ばねであるので、ボス部油孔129…からフリクションスプリング70…側に向けて供給される潤滑油をフリクションスプリング70…に沿わせて該フリクションスプリング70…の外周側まで供給することができる。
またダンパスプリング69を一次被動歯車68の前記円板部68bに設けられる収容孔74に保持するようにして前記円板部68bの前記フランジ部65bと反対側の側面に対向する第2サイドプレート76が前記伝動筒軸65に固定されており、この第2サイドプレート76と、前記円板部68bとの間に前記フリクションスプリング70…が介装されるので、フリクションスプリング70…を受けるリテーナを特別に設けることを不要として、部品点数の低減に寄与することができる。
さらに一次被動歯車68が、前記伝動筒軸65と同軸に配置される一対の第1および第2クラッチ機構61,62がそれぞれ備える第1および第2クラッチアウタ80,90に挟まれる位置に配置されるので、両クラッチアウタ80,90間に挟まれることで周囲からの飛散潤滑油による潤滑が期待できない一次被動歯車68の両側面側に、有効に潤滑油を供給して潤滑性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施の形態では、内燃機関Eのクランクシャフト25および第1および第2クラッチ機構61,62間に設けられる一次減速装置60に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、一次減速装置60に限定されることなく、内燃機関Eを含むパワーユニットPの動力伝達系に配設される中空の回転軸に動力伝達歯車が相対回転可能に支持され、回転軸および動力伝達歯車68間にダンパスプリングが介設され、前記動力伝達歯車と回転軸のフランジ部間で摩擦力を発生させるように動力伝達歯車が付勢されるようにした伝動歯車装置に関連して広く実施可能である。
60・・・伝動歯車装置である一次減速装置
61,62・・・クラッチ機構
65・・・回転軸である伝動筒軸
65b・・・フランジ部
68・・・動力伝達歯車である一次被動歯車
68a・・・ボス部
68b・・・円板部
69・・・ダンパスプリング
70・・・フリクションスプリング
71・・・ワッシャ
72・・・歯
73・・・環状間隙
74・・・収容孔
76・・・サイドプレートである第2サイドプレート
80,90・・・クラッチアウタ
128・・・供給油孔
129・・・ボス部油孔
E・・・内燃機関
P・・・パワーユニット

Claims (8)

  1. 内燃機関(E)を含むパワーユニット(P)の動力伝達系に配設されるとともに半径方向外方に張り出すフランジ部(65b)が設けられる中空の回転軸(65)と、該回転軸(65)を同軸に囲繞する円筒状のボス部(68a)ならびに外周に複数の歯(72)が設けられるようにして前記ボス部(68a)から半径方向外方に張り出す円板部(68b)を一体に有して前記回転軸(65)に軸方向相対移動および相対回転を可能として支持されるとともに前記内燃機関(E)からの回転動力を受けて回転する動力伝達歯車(68)と、前記回転軸(65)および前記動力伝達歯車(68)間に介設されるダンパスプリング(69)と、前記動力伝達歯車(68)および前記フランジ部(65b)間で摩擦力を発生させて前記回転軸(65)および前記動力伝達歯車(68)間の相対回転を抑制すべく前記動力伝達歯車(68)を前記フランジ部(65b)側に向けて付勢するフリクションスプリング(70)とを備える伝動歯車装置において、前記回転軸(65)の内周に一端を開口させて前記回転軸(65)に設けられる供給油孔(128)の他端が、前記ボス部(68a)の前記フランジ部(65b)寄り内周面に少なくとも一部を対向させて前記回転軸(65)の外周に開口され、前記ボス部(68a)の内周に一端を開口させて前記ボス部(68a)に設けられるボス部油孔(129)の他端が、前記円板部(68b)を前記フランジ部(65b)との間に挟む位置で前記ボス部(68a)の外周に開口されることを特徴とする伝動歯車装置。
  2. 前記ボス部(68a)の外周への前記ボス部油孔(129)の開口部が、前記円板部(68b)の前記フランジ部(65b)とは反対側の側面に当接する前記フリクションスプリング(70)に対応した位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の伝動歯車装置。
  3. 前記供給油孔(128)の前記回転軸(65)の外周への開口部の一部が前記ボス部(68a)の内周から露出するように、前記ボス部(68a)の前記フランジ部(65b)側端部が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の伝動歯車装置。
  4. 前記ボス部油孔(129)よりも大径に形成される前記供給油孔(128)の前記回転軸(65)の外周への開口部が、前記ボス部油孔(129)の前記ボス部(68a)の内周への開口部および前記フランジ部(65b)間に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の伝動歯車装置。
  5. 前記動力伝達歯車(68)の前記フランジ部(65b)側内周部と、前記フランジ部(65b)との間に環状のワッシャ(71)が介装され、該ワッシャ(71)の内周面および前記回転軸(65)の外周面間に環状間隙(73)が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の伝動歯車装置。
  6. 前記ボス部油孔(129)が、前記ボス部(68a)の外周に近接するにつれて前記フランジ部(65b)から遠ざかるように傾斜して形成され、前記円板部(68b)の前記フランジ部(65b)とは反対側の側面に当接する前記フリクションスプリング(70)が、半径方向外方に向かうにつれて前記フランジ部(65b)から遠ざかるように傾斜した皿ばねであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の伝動歯車装置。
  7. 前記ダンパスプリング(69)を前記動力伝達歯車(68)の前記円板部(68b)に設けられる収容孔(74)に保持するようにして前記円板部(68b)の前記フランジ部(65b)と反対側の側面に対向して前記回転軸(65)に固定されるサイドプレート(76)と、前記円板部(68b)との間に前記フリクションスプリング(70)が介装されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の伝動歯車装置。
  8. 前記動力伝達歯車(68)が、前記回転軸(65)と同軸に配置される一対のクラッチ機構(61,62)がそれぞれ備えるクラッチアウタ(80,90)に挟まれる位置に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の伝動歯車装置。
JP2011200163A 2011-09-14 2011-09-14 伝動歯車装置 Active JP5580269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011200163A JP5580269B2 (ja) 2011-09-14 2011-09-14 伝動歯車装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011200163A JP5580269B2 (ja) 2011-09-14 2011-09-14 伝動歯車装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013061021A true JP2013061021A (ja) 2013-04-04
JP5580269B2 JP5580269B2 (ja) 2014-08-27

Family

ID=48185859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011200163A Active JP5580269B2 (ja) 2011-09-14 2011-09-14 伝動歯車装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5580269B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117740A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 スズキ株式会社 自動二輪車のプライマリドリブンギヤ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120520A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Honda Motor Co Ltd ダンパスプリングを備えるクラッチ
JP2007315434A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Honda Motor Co Ltd 変速装置およびその組立方法
JP2010196637A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Honda Motor Co Ltd 車両用パワーユニット

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120520A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Honda Motor Co Ltd ダンパスプリングを備えるクラッチ
JP2007315434A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Honda Motor Co Ltd 変速装置およびその組立方法
JP2010196637A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Honda Motor Co Ltd 車両用パワーユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117740A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 スズキ株式会社 自動二輪車のプライマリドリブンギヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5580269B2 (ja) 2014-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5468439B2 (ja) 車両の変速装置
JP7261645B2 (ja) ハイブリッド車両
AU2014319735B8 (en) Vehicle power unit
JP2007321790A (ja) エンジンユニットおよび鞍乗型車両
JP2008274976A (ja) 自動二輪車用パワーユニット
JP5758224B2 (ja) 車両用パワーユニットの油圧クラッチ制御装置
JP5513199B2 (ja) エンジンの油圧クラッチ用油路構造
JP4451437B2 (ja) 自動二輪車用パワーユニット
JP5497508B2 (ja) エンジンの油圧クラッチ用油路構造
JP5580269B2 (ja) 伝動歯車装置
US8291770B2 (en) Oil passage forming member fitted with hydraulic pressure sensor
EP2546550B1 (en) Transmission apparatus and saddle type vehicle including the same
US11781642B2 (en) Power unit and vehicle including power unit
JP5848738B2 (ja) 内燃機関
JP6108299B2 (ja) 動力伝達装置
JP4490942B2 (ja) 四輪駆動車両用エンジン
JP2007315199A (ja) エンジンにおけるウォータポンプ配設構造
JP2013019480A (ja) 変速装置およびそれを備える鞍乗型車両
JP2018105355A (ja) 遊星ギア装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5580269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250