可干渉距離の短い(低コヒーレンスな)光を利用した干渉装置及び干渉法は、白色光干渉法と呼ばれることがあり、光路長の正確な決定を可能とする。反射においてそのような装置を用いると、例えば、表面特性を求めるために、距離を求めること、ひいては表面を走査することができる。適切な試料であれば、試料内部の構造も測定可能であり、このことが光干渉断層撮影に繋がる。
この装置配置の特徴は、干渉計を構成する2つの光路であり、以下、これらをマイケルソン干渉計に準じて測定アーム及び参照アーム、又は、他の干渉計における装置配置に準じてより一般的な測定光路及び参照光路と呼ぶ。
既知の装置配置及び方法は、2つのグループに分けられる。
例えば移動可能な鏡によって参照アームの光路長を変化させ、検出器を1つ用いる装置配置は、参照アームの光路長に依存して、より正確には、参照アームと測定アームとの光路長差に依存して、干渉信号を生成する。当該信号は、測定光路と参照光路との差が可干渉距離よりも短い場合、特有の変調を示す。このような手順は、光コヒーレンス領域リフレクトメトリー(OCDR;optical coherence-domain reflectometry)と呼ばれる。
固定された参照アームを有する装置配置は、光学分光計を干渉信号のスペクトルを測定する検出器として用いる。当該スペクトルは、測定アームと参照アームとの光路長の差の関数として、波長に依存した特有の変調を示す。スペクトルについて数値的フーリエ変換を行うと、光路長の差を求めることができる。このような方法は、光学的フーリエ領域リフレクトメトリー(optical Fourier-domain reflectometry)又はスペクトル干渉測定(spectral interferometry)と呼ばれる。
1991年に、OCDRを用いて、光が試料を貫通できる範囲において生物学的な試料の深さプロフィールを測定できることが示された(Huang, "Optical coherence tomography," Science 254, 11,781,181, 1991)。コンピュータに基づく数値的手法と組み合わせて走査を行うことにより、試料の三次元的な再構成及び視覚化が可能となる(OCT)。
適切な光源が利用しやすくなると共に医学的応用に動機付けられて、光干渉断層撮影(OCT;optical coherence tomography)は、近年の急速な技術革新を経て、商業化が可能となった。
多数の技術的進歩にも関わらず、装置配置は未だに前記2つの方法の1つに基づいている。OCTとの用語は、通常、光コヒーレンス領域リフレクトメトリー(OCDR)に基づく装置を指している。これに対し、光学的フーリエ領域リフレクトメトリーに基づく装置については、一般に、スペクトルOCT(SOCT)又はフーリエ領域OCT(FDOCT)の用語が用いられる。
図1は、従来技術の装置配置によって生成される異なった測定信号を模式的に示す。
図2〜図8は、従来技術の種々のOCDR及びFDOCT装置を示す。これら全ての装置配置に共通して、初めに適切な空間単一モードの光源(BQ又はSQ)による光が参照アーム及び測定アームに分割され、各アームから反射されてきた光が重ね合わせられた後、結果としての干渉信号は再び空間単一モードの光として検出器(D)又は分光計(SA)に誘導される。信号強度は、アームの一方における変化する光路長の関数、又は、波長の関数として測定される。
図1上は、原理的には「光コヒーレンス領域リフレクトメトリー」(OCDR)による装置配置にて測定可能な干渉図形(インターフェログラム)(MI)の一例を示す。横軸(X)は干渉機構によって設定された光路長差を表し、縦軸(I)は測定信号の強度を表す。
図に示された高速変調のバーストは、それぞれ、試料内部からの反射を表しており、従って、試料の内部構造を求めることができる。
図1中央は、原理的には「光学的フーリエ領域リフレクトメトリー」又は「スペクトルOCT」(SOCT)による装置配置にて測定可能な分光写真(スペクトログラム)(MS)の一例を示す。横軸(λ)は波長を表し、縦軸(I)は各波長について測定された信号の強度を表す。
この図に示された信号の変調は、異なる変調の重ね合わせを示し、対応する光路長差毎の特性を示す。これらの変調におけるそれぞれの割合(proportion)は、数値フーリエ変換によってそれぞれが試料内部からの反射を表す測定結果に分離することができ、従って、試料の内部構造を求めることができる。
図1下は、撮像分光計を用いることにより「光学的フーリエ領域リフレクトメトリー」又は「スペクトルOCT」(SOCT)による装置配置にて測定可能な一連の分光写真(MAS)を例示している。個々の信号は干渉図形であり、図1中央に示す同様の干渉図形にそれぞれ対応する。
横軸(λ)は波長を示し、縦軸(I)は各波長毎に測定された信号強度を示す。もう一つの座標(n)は、個々の測定にそれぞれ付けられた通し番号である。
例えば撮像分光計に用いると、「スペクトルOCT」は、試料表面の概ね直線に沿った複数の点から信号を同時に検出できる。このことから、1つを超える位置の調査に用いたとすると、より高速に試料を走査することができる。
図2及び図3は、光コヒーレンス領域リフレクトメトリーに基づく装置を示す。図2はマイケルソン干渉計に基づく典型的な装置配置を示し、図3は光ファイバーを用いる代表的な装置配置を示す。どちらの装置も、広帯域スペクトルの光源(BQ)及び1つの検出器(D)を用いる。
図2による基本的な装置配置は、前記光源(BQ)からの光を平行化するためにレンズ(L1)を用いる。これにより得られた光線は、ビームスプリッター(T)によって分割され、一部は参照アームを通じて鏡(S)に誘導され、他の部分は集束レンズ(L2)を備える測定アームを通じて試料上に誘導される。両アームからの光は反射されてビームスプリッター(T)に戻され、重ね合わされて、検出器において光路差に依存する干渉信号を生成する。一般に使われる付加的な絞り(aperture)及び空間フィルタは図には示されていない。
図3による装置配置では、光は光ファイバー(F)を用いて誘導される。前記光源(BQ)からの光は初めに光ファイバー型ビームスプリッター(T)に到達し、これにより光は分割されて、参照アームを通じ且つコリメートレンズ(L4)を介して鏡(S)に到達すると共に、測定アームを通じ集束レンズ(L2)を介して試料に到達する。
一方のアームでは鏡(S)によって、他方のアームでは試料(P)によって反射された光は、前記レンズ(L4)及び前記集束レンズ(L2)をそれぞれ通り、ファイバーに戻るように誘導され、ビームスプリッター(T)によって重ね合わせられ、最後にコリメートレンズ(L3)を通って前記1つの検出器(D)に誘導される。検出器は、光路長差に依存する干渉信号を記録する。
図2及び図3に示される装置配置は、電気的制御及び測定装置(C)を利用しており、これが参照アームの光路長を変化させる駆動装置(A)を制御すると共に、検出器において測定された強度を光路長毎に記録し、そのようにして得られた干渉図形(MI)は、検出器上における強度を光路長差の関数として示す。
図4及び図5は、光フーリエ領域リフレクトメトリ(FD−OCT)又はスペクトルOCT(SOCT)に基づく装置を示す。図4は、マイケルソン干渉計に基づく典型的な装置配置を示し、図5は光ファイバーを用いる代表的な装置配置を示す。
どちらの装置配置も、広帯域スペクトルの光源(BQ)と、検出器としての光学分光計(SA)を用いる。
図4に示す基本的な装置配置は、前記光源(BQ)からの光を平行化するためにレンズ(L1)を用いる。これにより得られた光線は、ビームスプリッター(T)によって分割され、一部は参照アームを通じて鏡(S)に誘導され、他の部分は集束レンズ(L2)を備える測定アームを通じて試料上に誘導される。両アームからの光は反射されてビームスプリッター(T)に戻され、重ね合わされて、適切な光学素子(L3)によって前記の分光計(SA)に集光される。一般に使われる付加的な絞り及び空間フィルタは図には示されていない。
図5による装置配置では、光は光ファイバー(F)を用いて誘導される。前記光源(BQ)からの光は初めに光ファイバー型ビームスプリッター(T)に到達し、これにより光は分割されて、参照アームを通じ且つコリメートレンズ(L4)を介して鏡(S)に到達すると共に、測定アームに通じ集束レンズ(L2)を介して試料に到達する。
一方のアームでは鏡(S)によって、他方のアームでは試料(P)によって反射された光は、前記レンズ(L4)及び前記集束レンズ(L2)をそれぞれ通り、ファイバーに戻るように誘導され、ビームスプリッター(T)によって重ね合わせられ、最後に他のファイバー(F)によって前記分光計に誘導される。
図4及び図5による装置配置の分光計は、この後、上記したように試料の構造を表す干渉図形(MS)を記録する。
広帯域スペクトルの光源を分光器と組み合わせるのに代えて、無論、高速スペクトル走査光源(掃引光源)を用いても良い(SS−FD−OCT)。単色高速走査波長可変レーザーが利用可能になったので、この改良型の重要性が増している。
図6は、掃引光源を用いる代表的な装置配置を示している。測定結果は、波長の関数として測定された強度による干渉図形(MS)である。
図6の装置配置によると、前記スペクトル可変光源(SQ)からの光は、光ファイバー(F)を用いて光ファイバー型ビームスプリッター(F)に誘導され、これにより光は分割されて、参照アームを通じ且つコリメートレンズ(L4)を介して鏡(S)に誘導されると共に、測定アームを通じ集束レンズ(L2)を介して試料に誘導される。
一方のアームでは鏡(S)によって、他方のアームでは試料(P)によって反射された光は、前記レンズ(L4)及び前記集束レンズ(L2)をそれぞれ通り、ファイバーに戻るように誘導され、ビームスプリッター(T)によって重ね合わせられ、最後にコリメートレンズ(L3)を通って前記単一の検出器(D)に誘導される。検出器は、波長に依存する干渉信号を記録する。
この装置配置は、電気的制御及び測定装置(C)を利用しており、これが光源(SQ)を制御すると共に、検出器において測定された強度を波長毎に記録し、そのようにして得られた干渉図形(MI)は、検出器上における強度を波長の関数として示す。
以上に示されたように様々な実施が可能であることから、装置配置の効率が向上するか、又は、技術的努力が低減される。
図7は、画像分光計を用いた光フーリエ領域リフレクトメトリに基づくOCT光学装置配置の例を示す。ここで、初めに光源は試料上に線として結像され、その後、前記線は画像分光計の入力スリット上に結像される。これにより、前記線に沿った深さプロファイルを一度の測定によって測定できる。
前記の広帯域光源(BQ)からの光は、レンズ(L1)によって平行化される。これにより得られた光は、ビームスプリッター(T)によって分割され、一部は参照アームを通じて鏡(S)に誘導されると共に、他の部分は測定アームを通じ且つ円柱レンズ(L2)を介して試料に誘導される。従って、試料は直線に沿って光を受ける。
両アームからの光は反射されてビームスプリッター(T)に戻り、重ね合わされると共に、適切な光学素子(ZL3)によって画像分光計(ASA)の入射スリットに投影される。これにより、分光計は、前記の直線に沿った各点毎に多数のスペクトル(MAS)を記録する。一般に使われる付加的な絞り及び空間フィルタは図には示されていない。
図8は、干渉機構に関する更なる変化例、参照光路と測定光路とが部分的に重ね合わせられた共通光路干渉計を示す。
この装置構成は、広帯域スペクトル光源(BQ)と、測定のための光学分光計を用いる。
図8の装置構成によると、前記光源(BQ)からの光は光ファイバー(F)によって光ファイバー型ビームスプリッター(T)に誘導され、出力の一方だけが実際に用いられる。用いられる光は、適切な光学システム(L2)に投影され、部分反射鏡(TS)が直前に配置された試料に集光される。
鏡(TS)により反射された光と試料(P)により反射された光とは、前記の光学システム(L2)に集光して戻され、ビームスプリッター(T)を通して一部が前記分光計(SA)に誘導される。分光計は分光写真(MS)を記録し、これは、前述のように試料内の構造を示す。
この非常に小型且つ堅牢な装置配置は、参照鏡として用いられる表面の極めて近くに又は当該表面に接するように試料を配置しなければならないという欠点を有している。
光コヒーレンス領域リフレクトメトリーに基づく全てのOCTの装置配置の欠点は、移動可能な光学素子を必要とし、それによって参照アームの光路長を変調していることである。
これらの素子は干渉計の一部であるから、高い機械的精度と適切な技術的工夫が必要である。更に、前記装置は、機械的移動が原因となって、各測定には一定の時間が必要とされる欠点を有する。これは、生物学的な、つまり移動している試料の場合に、測定においてアーチフェクト(artefacts )を生じさせることがある。
原理的に、前記装置配置では干渉信号の強度のみが測定可能であり、位相の情報は失われる。
その上、これらの装置配置はスペクトル分解能を有していないので、試料内部の光路長のスペクトル分散によって生じるアーチフェクトに影響されやすい。
用いる光学分光計の種類によっては、光フーリエ領域リフレクトメトリに基づくスペクトルOCTのための装置配置が移動する部分を必要としないことがある。しかし、スペクトル測定が一般に元々の干渉図形の位相情報を欠くという基本的な欠点をやはり有している。
これは、複雑な深さプロファイルの分析と、例えば試料内部の光路長のスペクトル分散によって生じるアーチフェクトの補正とに関して障害となる。
本発明の装置配置の特徴は、測定された干渉信号の位相情報を利用できることである。
これは、検出器において光学的に直接行われるか、又は、測定された位相情報が数的評価に供されて行われる。
測定された位相情報を数値解析して、試料内部の分散を求めることができる。従って、空間分解能が向上すると共に、試料内部の物性に関する更なる情報を得ることができる。
光源の短コヒーレンス長に基づく干渉信号だけを用いるOLCT(Optical Low Coherence Tomography、低コヒーレンス光断層撮影)とは対照的に、ここに提示する新しい方法は、位相情報を利用して、遙かに多くの情報を用いることができる。
この新しい方法の名称としては、OFCT(Optical Full Coherence Tomography、全コヒーレンス光断層撮影)を提案する。
本発明の目的は、従来のOCT(OCDR)又はスペクトルOCT(S−OCT、FD−OCT)とは対照的に、干渉させる各光線部分の位相角に関する更なる情報の測定、つまり、干渉図形からの位相情報のスペクトル分解再構成を可能とし、それによって、試料内部のスペクトル分散に関する追加の情報を得ることができる方法の実現である。
本発明の更なる目的は、位相情報を考慮した新しいOCT方法に適した、移動部を有しない新しい装置配置の実現である。
本方法は特定種類の干渉計を用いることには依存しないので、一連の非常に多くの異なる装置配置が本発明に基づいて存在し、本発明の方法を実現する。
特に有利な改良型を幾つか以下に説明する。
本発明による新しい方法と、本発明による新しい装置配置と、測定結果の適切な数値解析とを組み合わせると、全コヒーレンス光断層撮影(OFCT)と名付けた新しい技術となる。
この方法(OFCT)は、光路長をスペクトル分解して測定できるので、特に、試料内部における屈折率をスペクトル分解して測定できる。このことが、ひいては分散によって生じたアーチフェクトの補正を可能とする。屈折率又はスペクトル分散のスペクトル分解測定から、更に、試料内部の局所的な化学組成に関する手掛かりが得られる。特に、スペクトル分散の測定は、試料内部における散乱及び吸収による強度喪失に影響されることがない。
OFCTのための新しい装置配置には、スペクトル分散干渉計、つまり、回折格子又はプリズムのような角度分散光学素子に基づくものがあり、また、得られる干渉図形を記録するために空間分解能を有する検出器を含んでいる。
角度分散光学素子を干渉計の光路内に用いると、空間分解能を有する検出器における位置に応じて、干渉を生じる各光線の光路長に変化が生じる。従って、対応する干渉図形は直接記録される。
OFCT技術は、参照アーム又は参照光路と、測定アーム又は測定光路とを有する干渉計を用いる。適切な数の測定点について、参照光路からの光を基準とする測定光路からの光の強度と、参照光路からの光を基準とする測定光路からの光の位相角との両方が、それぞれ波長の関数として測定されることによって、スペクトル的に分解された干渉図形が測定される。
請求項1は、ステップ(a)〜(f)によって、大きく2つの設計上の選択肢を説明している。
(a)まず、空間コヒーレントであるが広帯域スペクトルを持つ光源が必要である。例えばレーザーのように光源が既に空間単一モードを生成しているわけではない場合、空間コヒーレンスは空間フィルターを利用することにより達成できる。また、光路の一部を単一モード光ファイバーにより実現するのが合理的である。単一モード光ファイバーに光を結合することにより、当該光は空間単一モードに限定される。
広帯域に亘るスペクトルは、様々な方法によって実現できる。スーパールミネッセントダイオードのように光源そのものが広帯域スペクトルを生成しても良いし、波長を調整可能なレーザーのように本来は狭帯域の光源をスペクトル範囲に亘って走査しても良い。
前者の場合にはスペクトル範囲の全波長が同時に発光される一方、後者の場合には所定時間内にスペクトル範囲の各波長が順次発光される。スペクトルは、各波長の連続した繋がりである必要はない。他の変形例、例えば、波長の異なる個別の光源を多数重ね合わせることなども可能である。
(b)空間単一モードとして生成された光は、ビームスプリッターによって2つの光路に分割される。2つの光路への分割及びその後の光路の重ね合わせのために、例えば半透明の鏡を用いた振幅の分割及び重ね合わせを行っても良いし、また、幅広の光線を用いる場合には波面の分割及び重ね合わせを行っても良い。波面分割素子を用いれば、損失を避けることができる。
以下、前述の2つの光路を参照光路及び試料光路と呼ぶ。単一モードファイバーのような一体化された光学素子又は光学ファイバーを用いて光を分割又は誘導することは有効である。
(c)測定用の試料は、当該試料によって反射又は散乱された光が集められるように試料光路内に配置される。
(d)本発明に係る方法の特徴の1つは、参照光路を基準とする強度及び相対的位相角を測定するために、複数の検出器、又は、複数の検出素子を有する検出器が用いられることである。
参照光路からの光と試料光路からの光とは、それぞれ異なる光路長差をもって、複数の検出器又は複数の検出素子を備える検出器において重ね合わせられる。
従って、結果として生じる干渉信号により、参照光路からの光を基準とする試料光路からの光の強度及び相対的位相を求めることが可能となる。
一般に、検出器において、参照光路からの光は試料光路に比べて高い強度を示す。試料光路からの光は、干渉による強め合い又は弱め合いによって、個々の検出器又は検出素子において、波長に依存する強度の変調を生じる。
連続的にスペクトル走査された光源の場合、参照光路からの光を基準とする試料光路からの光の強度及び相対的位相を求めるためには、2つの検出器又は検出素子で十分である。技術的により効果的なのは、4つの検出器を有する装置配置であり、これにより、直交信号を測定できる。
複数の検出素子を有する検出器アレイを用いると共に、個々の検出素子において重ね合わせられる試料アームからの光を基準とする参照アームからの光の光路差のシステマティックな変化を用いることは有効である。この場合、参照アームを基準とする試料アームからの光の強度と相対的位相とを直接示す干渉パターンを検出器によって測定する。
(e)参照アームからの光と試料アームからの光との重ね合わせの記録及び分析を行い、光路長差又はOCT信号を求めるためには、本発明に係る装置配置を用い、利用された全波長について検出器における波長に依存した強度を計算すると共に、各波長の相対的位相を考慮すれば良い。
基本的には2つの選択肢を利用できる。全波長について強度を別々に測定し、各検出器の測定結果を数値的に足し合わせても良いし、又は、使用した全波長について強度を光学的に足し合わせ、その結果として、各検出器における強度の合計を求めても良い。この両方の選択肢が択一的に主請求項に記載されている。
(e1)全波長の強度が既に各検出器において光学的に足し合わされており、つまり、利用された全波長について強度が合計されており、測定データセットは、各検出器にて測定された強度の合計を表す。この方法は、複数の検出器又は検出器アレイの複数の検出素子と、広帯域スペクトルの光源とを用いる場合に特に有用である。
(e2)又は、個々の検出器又は検出素子における光強度を波長の関数として測定し、その後、各検出器について、参照光路を基準とし且つ波長に依存する測定光路からの光の強度及び相対的位相の両方を求める。測定データセットは、波長毎に位相を考慮しながら各波長の測定結果を数値的に足し合わせることによって得られる。
(e1)における強度の光学的積算は非常に素早く且つ簡単に行える一方、(e2)における測定結果の数的積算は、波長の関数として位相を補正できるという大きな利点、例えば、スペクトル分散を補償できるという大きな利点を有する。
前記の補正を行う反復アルゴリズムによって、試料内部における空間分解スペクトル分散の再構築が可能となり、その結果、試料の化学的性質に関する空間分解情報を供給することが可能となる。
(f)得られたデータセットの更なる数値解析及び視覚化により、試料又は試料内部の構造における空間的位置及び反射又は散乱の強度の両方を求めることができる。
この新しい方法は、従来の装置とは異なり、参照光路及び試料光路からの光を重ね合わせて生じる干渉のために、波長に依存する相対的位相の測定が、波長に依存する強度の通常測定と共に可能となるという事実に基づいている。この測定に続いて、全波長における干渉信号の光学的又は数的足し合わせが位相を考慮して行われる。
以上に説明した新規な方法は、様々な新しい装置配置によって実現できる。以下に述べる装置配置は、複数のグループに分けることができる。
一方のグループは、本方法のステップ(e)における(e1)に対応する配置例であって、各検出器又は各検出素子における全波長についての光強度の光学的な足し合わせを行った後、各検出器又は各検出素子による足し合わせから各強度を求めることによって、データセットを生成する。
他方のグループは、本方法のステップ(e)における(e2)に対応する配置例であって、最初に各検出器又は各検出素子において波長の関数として光強度を測定すると共に参照光路を基準とする測定光路からの光の強度及び相対的位相を各波長について求めた後、測定結果の数的足し合わせを行うことによって、データセットを得る。
本発明に係るこれら2つのグループの装置配置は、それぞれ更に、広帯域光源を用いる装置配置のグループと、走査型光源を用いる装置配置のグループとに分けられる。
また、本発明に係る装置配置は、更に、幾つかの個別の検出器を用いるグループと、複数の検出器、又は、特に複数の検出素子を備えた検出器アレイを用いるグループとに分けられる。
さらに、干渉機構の基本構成の違いによって様々な装置配置例が生じる。
試料光路及び参照光路への光の分割と、その後の検出器における重ね合わせとは、光路の分割及び重ね合わせに一般的なビームスプリッターを用いるマイケルソン干渉計のように実現することができる。或いは、2つの光路の分割及び重ね合わせに独立した複数のビームスプリッターを用いるマッハ・ツェンダー干渉計のように実現することもできる。
干渉計について他の装置配置を選択することもでき、特に、ビームスプリッターとして回折格子を用いること、及び、振幅の分割に代えて波面の分割を行うビームスプリッターを配置することも可能である。
本発明に係る装置配置は、本発明に係る新しい方法を実施するものであり、原則として、幾つかの若しくは複数の検出器又は検出器アレイの検出素子が用いられ、参照光路及び試料光路からの光が異なる光路長差をもって各検出器に導かれて干渉する点において、従来の装置配置とは異なっている。
このような検出器の配置により、結果として、参照アームからの光を基準とする試料アームからの光の強度及び相対的位相の両方を決定することができる。
多数の個別の検出素子を有する検出器(検出器アレイ)の場合、特に好ましいことは、追加のスペクトル分散素子を用いる装置配置であって、これにより、試料アームを基準とする参照アームからの光の相対的位相が各検出素子毎に波長に依存してシステマティックに変化する。
本発明に係る装置配置こにおける更なる選択肢は、適切な振幅マスク又は位相マスクを用いて干渉信号の検出を容易にするところにある。
本発明に係る装置配置の更なる詳細及び利点については、以下の図に示される様々な実施形態によって説明する。
本発明によると、干渉図形からの位相情報のスペクトル分解再構成を可能とし、それによって、試料内部のスペクトル分散に関する追加の情報を得ることができると共に、位相情報を考慮した新しいOCT方法に適した、移動部を有しない新しい装置配置を実現することができる。
以下、本発明に係る種々の装置配置とそれらの動作について、詳しく説明する。
図9上(CS2)は、図11、図12、図14、図15、図17又は図20に示す本発明に係る装置配置によって得られる測定結果を示す。
横軸(X)は、検出器アレイにおける検出素子の位置に対応し、光路長差を示す。縦軸(I)は、測定信号の強度を示す。もう一つの座標軸(λ)に沿った多数の曲線は、異なる波長毎の測定結果を示す。
各波長毎の信号の特徴的な位相変調に基づいて、信号の強度と相対的位相の位置とを求めることができる。
主請求項のステップ(e2)によると、各波長の信号は個別に測定された後、全ての信号について重み付けされた数値的な重ね合わせが行われる。数値的足し合わせの結果は、図9下(CS3)に示す曲線である。このような曲線における各変調バーストは、ヒルベルト変換によって定量化することができると共に、試料内部からの対応する反射が割り当てられる。
図9中央(CS1)は、図10又は図13に示す本発明に係る装置配置によって得られる測定結果を示す。上側の曲線は、波長(λ)の関数としての測定信号(I)の合計強度を示し、下側の曲線は、対応する相対的位相角(P)を示す。いずれの曲線についても、横軸は波長(λ)に対応し、上側の曲線については、縦軸(I)は測定強度を示す。下側の曲線については、縦軸は相対的位相角(P)を0°〜360°又は0〜2πの範囲で示す。この曲線は、波長の関数として、極座標による複素数信号を提供する。この値は、種々の検出器信号から波長毎に直接求めることもできるし、検出器信号を組み合わせて直交信号にしてから強度及び位相を求めることもできる。
前記の測定に基づいて、図9上(CS2)に示す様々な曲線を再構成することができると共に、数値的足し合わせ及びそれに続くヒルベルト変換によって、前述のように、試料内からの反射を求めることができる。
図9下(CS3)は、図16、図18又は図19に示す本発明に係る装置配置によって得られる測定結果を示す。図16、図18又は図19の装置配置の場合、主請求項の(e1)によると、図9上(CS2)に示す異なる波長毎の光学的干渉によって生じる強度分布が、光学的に足し合わせられて合成信号(CS3)となって、当該合成信号が測定される。横軸(x)は光路長差を示し、縦軸(I)は、各光路長についての異なる波長毎の干渉図形の合計として、測定された信号の強度を示す。数的ヒルベルト変換を用いると、試料内部からの反射を求めることができる。
図10及び図11は、本発明に係る2つの簡単な装置配置を示しており、図10は干渉計に基づき、図11は光の走査に基づくものである。図10に示す装置配置では、スペクトル可変光源(SQ)からの光は、適切な光学素子(L1)によって平行化され、波面分割素子として働くマスク(W)を通過し、これにより、光線は空間的に分離された2つの副光線に分割される。
別の一般的なビームスプリッター(T1)を用いて、2つの副光線のうちの一方は参照アームとして鏡(S)に誘導され、他方は測定アームとして集束レンズ(L2)を通って試料(P)に誘導される。
鏡(S)又は試料(P)によって反射された光は、前記ビームスプリッター(T1)に投影して戻され、更なるビームスプリッター(T2)に誘導される。このとき、測定アームには傾いた鏡(S2)が介在する。
参照光線は空間的に再び分割され、一方は位相変位板を通過することによって光路長が1/4波長遅れる。その後、前記の他のビームスプリッター(T2)は、4つの検出器(D1、D2、D3、D4)において、これまでに発生した4つの副光線を干渉させる。
この装置配置は、電気的制御・測定装置(C)を有している。電気的制御・測定装置(C)は、光源を制御すると共に検出器からの測定強度を記録する。さらに、参照アーム(CS1)を基準とする光の強度及び相対的位相を波長毎に求めることができるように、検出器からの測定強度を数値的に重ね合わせて直交信号とする。
図11及び図12に示す装置配置では、スペクトル可変光源(SQ)からの光は、初め適切な光学素子(L1)によって平行化され、波面分割素子として働くマスク(W)を通過し、これにより、光線は空間的に分離された2つの副光線に分割される。
別の一般的なビームスプリッター(T1)を用いて、2つの副光線のうちの一方は参照アームとして鏡(S)に誘導され、他方は測定アームとして集束レンズ(L2)を通って試料(P)に誘導される。
鏡(S)又は試料(P)によって反射された光は、前記ビームスプリッター(T1)に投影して戻され、図11の場合では一対の鏡(S2、S3)に、図12の場合では複プリズム(BP)に誘導される。
結果として、測定アームからの光と試料アームからの光とは検出器アレイにおいて重ね合わせられ、それにより発生する干渉信号が記録される。
以上の装置配置は、電気的制御・測定装置(C)を有している。電気的制御・測定装置(C)は、光源を制御すると共に、検出器アレイからの測定強度を記録して、異なる波長の組毎に干渉信号が記録される(CS2)。
図12に示す装置配置の場合、複プリズム(BP)に起因するスペクトル分散により、信号に付加的な位相変位が発生して、この装置配置による深さ解像度が増加する。
図13に示す光ファイバー(F)を用いた装置配置では、スペクトル可変光源(SQ)からの光は、初め光ファイバー型ビームスプリッター(T1)によって測定光路と参照光路とに分割される。
測定光路は、第2の光ファイバー型ビームスプリッター(T2)によって投影レンズ(L1)まで導かれている。投影レンズ(L1)は、光を試料上に集光し且つ試料からの反射光を集めてファイバーに戻す。その後、前記の第2のビームスプリッター(T2)を通じて、光はファイバー型光混合器(Q)に導かれる。
参照光路は、第3の光ファイバー型ビームスプリッター(T3)及びコリメーター(L2)を介して鏡(S)まで光を導く。鏡(S)は、光を反射して前記コリメーターを通じてファイバーまで戻す。その後、前記の第3の光ファイバー型ビームスプリッター(T3)を通じて、光はファイバー型光混合器(Q)に導かれる。
混合器(Q)は、異なる位相変位を持つ各検出器(D1、D2、D3、D4)において2つのアームからの光を重ね合わせる。
以上の装置配置は、電気的制御・測定装置(C)を持つ。電気的制御・測定装置(C)は、光源を制御すると共に、各検出器からの測定強度を記録する。さらに、参照アーム(CS1)を基準とする光の強度及び相対的位相を波長毎に求めることができるように、各検出器からの測定強度を数値的に重ね合わせて直交信号とする。
図14に示す光ファイバー(F)を用いた装置配置では、スペクトル可変光源(SQ)からの光は、まず、光ファイバー型ビームスプリッター(T1)によって測定光路と参照光路とに分割される。
測定光路は、第2の光ファイバー型ビームスプリッター(T2)を通じて投影レンズ(L1)まで導かれている。投影レンズ(L1)は、光を試料上に集光し且つ試料からの反射光を集めてファイバーに戻す。その後、前記の第2のビームスプリッター(T2)を通じて、光は他のコリメーター(L3)に導かれる。
参照光路は、第3の光ファイバー型ビームスプリッター(T3)及びコリメーター(L2)を通じて鏡(S)まで光を導く。鏡(S)は、光を反射させて前記コリメーターを通じてファイバーに戻す。その後、前記の第3のビームスプリッター(T3)を通じて、光は他のコリメーター(L4)に導かれる。
最後に述べた2つのコリメーター(L3、L4)により生じた、測定アーム及び参照アームに対応する光線は、検出器アレイ(DA)において重ね合わせられる。各光線は、平行ではなく、所定の角度をもって重ね合わせられるので、検出器アレイにおける各検出素子において、各干渉信号毎に、異なる位相変位を生じさせる様々な光路長差が発生する。
以上の装置配置は、電気的制御・測定装置(C)を有している。電気的制御・測定装置(C)は、光源を制御すると共に、検出器アレイからの測定強度を記録する。これにより、測定結果(CS2)から、参照アームを基準とする光の強度及び相対的位相を波長毎に求めることが可能となる。
図15に示す本発明の装置配置は、前述の図14に示す装置配置と同様に機能する一方、付加的なマスク(M)を検出器アレイの前に備えている。このマスクはストライプ状のパターンを有しており、各ストライプは、測定光路及び参照光路からの2本の光線によって定められる各光学軸に対して垂直になっている。また、このマスクは、位相マスク又は振幅マスクとして設けることもできる。
これにより、検出器において強度の空間変調が、干渉パターンの空間周波数とマスクの空間周波数とのうなり(beat)として現れる。
これらのうなりは、干渉パターンの空間周波数自体よりも遙かに低い空間周波数を示すので、検出器は、それに対応する低い空間解像度を有していれば良い。
図16に示す本発明に係る装置配置は、前述の図15に示す装置配置と同様に機能する一方、広帯域光源(BQ)を用いている。
この場合、各波長毎の干渉パターンは個別には測定されず、それにより、光源の制御は不要である。その代り、各波長に対応する各干渉パターンは検出器において非干渉的(インコヒーレント)に重ね合わせられ、その結果、合成信号(CS3)が測定される。
光ファイバー(F)を用いる図17に示された装置配置では、スペクトル可変光源(SQ)からの光は、まず、光ファイバー型ビームスプリッター(T1)によって測定光路と参照光路とに分割される。
測定光路は、第2の光ファイバー型ビームスプリッター(T2)を通じて投影レンズ(L1)まで導かれている。投影レンズ(L1)は光を試料上に集光し且つ試料からの反射光を集めてファイバーに戻す。その後、前記の第2の光ファイバー型ビームスプリッター(T2)を通じて、光は他のコリメーター(L3)に導かれる。
参照光路は、第3の光ファイバー型ビームスプリッター(T3)及びコリメーター(L2)を通じて鏡(S)に光を誘導し、鏡(S)は光を反射して前記のコリメーターを通じてファイバーに戻す。その後、前記の第3の光ファイバー型ビームスプリッター(T3)を通じて、光は他のコリメーター(L4)に導かれる。
最後に述べた2つのコリメーター(L3、L4)により生じた測定アーム及び参照アームに対応する各光線は、回折格子(G)上で重ね合わせられる。回折格子(G)は、図15及び図16に示す装置配置におけるマスクと同様の機能を有する。この格子によって回折した各光線は、適切な光学素子(L5、L6)によって検出器アレイ(DA)で結像される。各光線は、平行ではなく、所定の角度をもって重ね合わせられるので、検出器アレイの各検出素子において、各干渉信号毎に異なる位相変位を生じさせる様々な光路長差が発生する。
2つの回折光線のスペクトル分散、つまり、検出器において各副光線が干渉させられる角度の波長に依存した変化は、マスク(M)を用いた図15及び図16に示す装置配置と同様の空間うなりを生じ、それによって測定がサポートされる。
オプションとして円筒形のレンズ(Z)は、発生した干渉パターンを焦線に集光させることができるので、検出器(D)として線状検出器アレイを用いることができる。
以上の装置配置は、電気的制御・測定装置(C)を有しており、電気的制御・測定装置(C)は光源を制御すると共に、検出器アレイからの測定強度を記録する。これにより、測定結果(CS2)から、参照アームを基準とする光の強度及び相対的位相を波長毎に求めることが可能となる。
図18は、本発明に係る装置配置の技術的に優れた変形例を示している。
この変形例に係る装置配置は、広帯域光源(BQ)を用いる。当該光源からの光は適切な光学素子(L1)によって平行化され、ビームスプリッター(T1)を用いて測定光路と参照光路とに分割される。
参照光路の光は、他のビームスプリッター(T3)を通って鏡(S1)に達する。その後、光は反射されて前記ビームスプリッター(T3)に戻り、他の鏡(S3)を経て回折格子(G)に再誘導される。
測定光路の光は、他のビームスプリッター(T2)を通って光学素子(L2)に達し、試料(P)に集光される。その後、光は反射されて前記ビームスプリッター(T2)に戻り、他の鏡(S2)を経て回折格子(G)に再誘導される。
測定光路及び参照光路からの前記2つの光線は、格子(G)上で重ね合わせられ、それによって生じる2つの回折光線は、適切な結像光学素子(L3、L4)によって検出器アレイ(DA)上に結像させられる。各光線は、平行ではなく、所定の角度をもって重ね合わせられるので、検出器アレイの各検出素子において、各干渉信号毎に異なる位相変位を生じさせる様々な光路長差が発生する。
2つの回折光線のスペクトル分散、つまり、検出器において各副光線が干渉させられる角度の波長に依存した変化は、マスク(M)を用いた図15及び図16に示す装置配置と同様の空間うなりを生じる結果、測定がサポートされる。
オプションとして、円筒レンズ(Z)は、発生した干渉パターンを焦線に集光させることがでるので、検出器(D)として線状検出器アレイを用いることもできる。
以上に説明した装置配置は、広帯域光源(BQ)を用いている。従って、この場合、異なる波長毎の干渉パターンは個別には測定されず、それにより、光源を制御する必要はない。その代わり、検出器における異なる波長毎の各干渉パターンは非干渉的(インコヒーレント)に重ね合わせられる。適切な制御ユニット(C)によって、検出器アレイからデータが読み出され、それにより、合成信号(CS3)が測定される。
図19に示す本発明に係る装置配置は、前述の図17に示す装置配置と同様に機能する一方、広帯域光源(BQ)が用いられている。この場合、各波長について干渉パターンは個別には測定されず、従って、光源を制御する必要はない。その代わり、検出器における異なる波長に対する各干渉パターンは非干渉的(インコヒーレント)に重ね合わせられると共に、適切な制御ユニット(C)によって検出器アレイからデータが読み出され、それにより、合成信号(CS3)が測定される。
図20に示す本発明に係る装置配置は、広帯域光源(BQ)を用いた前述の図19に示す装置配置と同様に機能する一方、付加的スペクトル分散素子(G2)を用いる。
図示された装置配置では、前記付加的スペクトル分散素子(G2)は、他の回折格子(G1)に対して線方向が直交するように経路中に用いられた回折格子である。この場合、検出器アレイ(DA)は2次元状である。
前記付加的スペクトル分散素子(G2)によって検出器において生じるスペクトル分散により、異なる波長毎の各干渉パターンが分離される。従って、前記の広帯域光源を用いているにも関わらず、異なる波長毎の各干渉パターンを検出器において個別に測定することができる。適切な制御ユニット(C)を用いて検出器アレイからデータが読み出され、測定信号(CS2)が記録される。