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JP2012508310A - 複峰性に分布したaブロックを有するabジブロックコポリマーの製造方法 - Google Patents

複峰性に分布したaブロックを有するabジブロックコポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、狭い単峰性の分子量分布を有するBブロックと、幅広い複峰性の分子量分布を有するAブロックとを有する(メタ)アクリレートベースのABジブロックコポリマーを製造するための制御された重合法、ならびにたとえば接着剤またはシーラント中での結合剤としてのその使用に関する。

Description

本発明は、狭い単峰性の分子量分布を有するBブロックと、幅広い複峰性の分子量分布を有するAブロックとを有する(メタ)アクリレートベースのABジブロックコポリマーを製造するための制御された重合法、ならびにたとえば接着剤またはシーラント中での結合剤としてのその使用に関する。
定義された組成、鎖長、分子量分布等を有するテーラーメイドコポリマーは、1つの幅広い研究分野である。特に勾配ポリマーとブロックポリマーとが区別される。このような材料については種々の適用が考えられる。以下ではそのいくつかを手短に紹介する。
ポリマーはたとえばイオン重合法により、または重縮合もしくは重付加により製造することができる。これらの方法では、末端基が官能化された生成物の製造には問題がない。しかしその際、適切な分子量の構築が問題である。
遊離基重合法により得られるポリマーは、明らかに1.8を越える分子量分布の指数を示す。つまりこのような分子量分布の場合、必然的に極めて短鎖のポリマーと長鎖のポリマーとが全生成物中に存在する。短鎖のポリマー鎖は、長鎖の成分と比較して、溶融液または溶液中で低い粘度を示し、かつポリマーマトリックス中では高い移動度を示す。これは一方では、このようなポリマーの改善された加工性につながり、他方ではポリマー材料または被覆中のポリマー結合された官能基の利用性の向上につながる。
これに対して長鎖の副生成物は、ポリマー溶融液もしくは溶液の過度の増粘につながる。マトリックス中でのこのようなポリマーの移動もまた明らかに低減される。
しかし、遊離基により製造されたこの種の結合剤の欠点は、ポリマー鎖中での官能基のランダムな分布である。さらに遊離基重合法により硬質・軟質・硬質のトリブロック構造も、狭い分子量分布での個々のポリマーブロックの適切な合成も不可能である。
ブロックポリマーは、ポリマー鎖中のモノマー間の飛躍的な移行を示し、これが個々のブロック間の境界として定義されている。ABブロックポリマーのための通常の合成法は、モノマーAの制御された重合と、後の時点でのモノマーBの添加である。反応容器への回分式の添加による連続的な重合以外に、似たような結果は、両方のモノマーを連続的に添加する際に、その組成を一定の時点で飛躍的に変更することによっても達成することができる。
リビング重合法または制御された重合法として、アニオン重合または基移動重合以外に、制御されたラジカル重合、たとえばRAFT重合の現代の方法も適切である。ATRP法(atom transfer radical polymerization)は、1990年代にMatyjaszewski教授によって決定的に開発された(Matyjaszewski等、J.Am.Chem.Soc.、1995、117、第5614頁;WO97/18247;Science、1996、272、第866頁)。ATRPは、Mn=10000〜120000g/モルの分子量範囲の狭く分布した(ホモ)ポリマーを提供する。この場合の特別な利点は、分子量が制御可能であることである。リビング重合として、さらに、ポリマー構造、たとえばランダムコポリマーまたはブロックコポリマー構造の適切な構築が可能である。制御されたラジカル法は、特にビニルポリマーの適切な官能化のためにも適切である。特に興味深いのは、鎖の末端(いわゆるテレケリックポリマー)もしくは鎖の末端近くでの官能化である。これに対して、ラジカル重合の場合には、鎖の末端での適切な官能化はほぼ不可能である。
定義されたポリマーデザインを有する結合剤は、制御された重合法、たとえば原子移動ラジカル重合の形での重合法により提供することができる。たとえば、官能化されていないBブロックと、官能化された外側のAブロックとを有するABAトリブロックコポリマーが記載されている。EP1475397には、OH基を有するこのようなポリマーが記載されており、WO2007/033887には、オレフィン性のもの、WO2008/012116にはアミン基を有するもの、およびまだ公開されていないDE102008002016には、シリル基を有するものが記載されている。しかし、これらの文献に記載されているポリマーはすべて極めて狭い分子量分布を有している。
いわゆる制御された重合法については、適切な幅の分子量分布を有する単独の、もしくは複数のブロックを有するポリマーを製造することができる方法は記載されていない。
すでに確立された方法は、オレフィン基によるポリ(メタ)アクリレートの末端基官能化およびその後の該基のヒドロシリル化である。このような方法は、特にEP1024153、EP1085027、およびEP1153942に記載されている。しかしこれはブロックコポリマーではなく、生成物の分子量分布は1.6より小さいことが明示されている。複数官能化された外側ブロックを有するポリマーに対するこのような生成物のもう1つの欠点は、片側が官能化されていない生成物が得られる可能性が高いことである。本発明によるポリマーに対してそのつど得られる低い官能化の度合いによって、その後の反応、たとえばシーラント組成物の硬化過程で低い架橋度が生じ、これにより機械的安定性および化学的抵抗性が損なわれる。
テレケリックポリマーおよびブロック構造以外に、ATRP合成された、たとえばシリル含有の、ランダムな分布と狭い分子量分布とを有する(メタ)アクリレートコポリマーは1つの代替案である。このような結合剤の欠点は、編み目の狭い架橋である。このような結合剤系もまた、分子量分布が狭いことに基づいて、系中に含有されているポリマー鎖が特に長いか、もしくは特に短いという利点を有してはいない。
官能化されたポリマー構造を合成するためには、ATRP以外の他の方法も使用される。別の関連する方法を以下に手短に記載する。その際、本発明との区別は生成物ならびに方法に関して行う。この場合に特に他の方法に対するATRPの利点が明らかになる:
アニオン重合の場合、複峰性が生じうる。しかしこれらの重合法は、特定の官能化を生じることができるにすぎない。ATRPについては、系に関する複峰性の分布が記載されている。しかし、これらのポリマーの複峰性はそのつど、一方ではブロックコポリマーの存在により、および他方では未反応のマクロ開始剤の存在により生じる。これらの方法の欠点は、2種類の異なったポリマー組成物の混合物からなる生成物が生じることである。
課題
開発の新たな段階は、以下に記載するジブロックコポリマーである。
課題は、官能化されたポリ(メタ)アクリレートからなる構造ABのジブロックポリマーを合成するための方法を提供することであった。この場合、このジブロックポリマーは、狭い分子量分布および1.6より小さい多分散性指数を有するBブロックと、一方では長いポリマー鎖を、および他方では特に短いポリマー鎖を有する複峰性の分子量分布を有するAブロックとからなっているべきである。特に、複峰性の分子量分布を有するAブロックが、少なくとも1.8の多分散性指数を有し、かつこのAブロックを含有するABジブロックポリマーが総じて少なくとも1.8の多分散性指数を有するABジブロックポリマーに対する要求が存在している。
もう1つの課題は、ABジブロックコポリマーであって、Aブロックにおいてのみ、またはBブロックにおいてのみ、または両方のブロックにおいて、異なった、または両方のブロックにおいて同一の官能基を有するABジブロックコポリマーを提供することであった。特に本発明の対象は、付加的な官能基を有する適切な不飽和モノマーを、連続的な重合のそのつどの段階で組み込むことにより、1つの、もしくは両方のブロックを適切に官能化するための方法である。
従って、本発明の課題は特に、複数のブロックの1のブロックのみにおいて、適切に官能化されており、かつ短くて、粘度を低減する鎖と、長くて、接着性を改善する鎖とを同時に有するブロック構造を有する、接着剤もしくはシーラント用の結合剤を提供することでもある。
解決手段
前記課題は、原子移動ラジカル重合(ATRP)に基づいた新規の重合法の提供により解決された。前記課題は特に、時間的に分離された、2回の開始によって解決された。
連続的に実施される原子移動ラジカル重合(ATRP)によりブロックコポリマーを製造する方法であって、一官能性の開始剤を重合溶液に添加し、かつブロックコポリマーが総じて、およびブロックAも、1.8より大きい多分散性指数を有する分子量分布を有することを特徴とする、ブロックコポリマーの製造方法を提供する。この場合、複峰性の分子量分布を有するポリマーは、2回の開始による方法によって製造される。
ブロックコポリマーは連続的な重合法により製造される。つまり、たとえばBのブロックを合成するためのモノマー混合物を、たとえばAのブロックを合成するためのモノマー混合物が、少なくとも90%、有利には少なくとも95%反応した重合時間t2の後で初めて系に添加するということである。この方法により、Aブロックは組成Bのモノマーを含有しておらず、かつBブロックは組成Aのモノマーの全量の10%未満、有利には5%未満を含有することが保証される。この定義によればブロックの境界は、添加されるモノマー混合物(この場合は混合物B)の第一の繰返単位が存在する鎖のそれぞれの箇所に存在している。95%にすぎない反応率は、残留するモノマーが、特にアクリレートの場合には、第二のモノマー組成物、特にメタクリレートの重合への効率的な移行を可能にするという利点を有している。この方法で、ブロックコポリマーの収率が明らかに改善される。
本発明による方法では、モノマー混合物Aの重合のための開始剤を2つのバッチにして時間をずらして重合溶液に添加する。第一のバッチにより重合が開始され、総じて比較的長い重合時間によって比較的高い分子量を有するポリマー鎖が形成される。所望される分子量に応じて変化しうる時間t1、ただし少なくとも30分、有利には少なくとも60分の時間t1の後に、第二のモノマーバッチを添加する。この第二の開始により、まず比較的低い分子量を有する組成Aのポリマーが形成される。その際、第一の開始剤バッチは全開始剤量の10%〜90%、有利には25%〜75%である。あるいは、開始剤を2より多くのバッチにして添加する方法も可能である。このようにして、組成ABのブロックコポリマーを連続的に構築するための組成Bのマクロ開始剤が形成される。これらのマクロ開始剤はそれ自体1.8〜3.0、有利には1.9〜2.5の多分散性指数を有する分子量分布を有している。
重合時間t2の後、最後にモノマー混合物Bを添加する。重合時間t2は少なくともさらに60分、有利には少なくとも90分である。ATRPの特性によりこの時点で、予め開始されていた組成Aの両方のポリマー種が重合に供され、かつポリマーブロックBが、ATRPのすでに公知の前提の下で構成される。ポリマー鎖のこれらのセグメントはそれ自体、相応して狭い分子量分布を有している。
供給時間t1およびその後の重合時間t2の適切な選択により、ブロックAの最小の分子量および分子量分布の幅もしくは複峰性を適切に調整することができる。ポリマーの、またはポリマーからなる混合物の複峰性の分子量分布とは、本発明によれば、異なった平均分子量MnとMwとを有する、2つの異なった個々の分子量分布からなる全分子量分布であると理解する。その際、両方の分子量分布は、完全に相互に分離されていてもよく、これらが2つの区別可能な最大値を有する限りで重複しているか、またはこれらが全分子量分布においてショルダー部を形成する限りで重複していてもよい。全分子量分布は、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定される。
このようにして、組成ABのブロックコポリマーを連続的に構築するための組成Aのマクロ開始剤が形成される。これらのマクロ開始剤はそれ自体1.8〜3.0、有利には1.9〜2.5の多分散性指数を有する分子量分布を有している。重合時間t2の後、最後にモノマー混合物Bを添加する。重合時間t2は少なくともさらに60分、有利には少なくとも90分である。ATRPの特性によりこの時点で、予め開始されていた組成Aの両方のポリマー種が重合に供され、かつポリマーブロックBが、ATRPのすでに公知の前提の下で構成される。ポリマー鎖のこれらのセグメントはそれ自体、狭い分子量分布を有している。
本発明のもう1つの利点はさらに、再結合が妨げられることである。たとえばこの方法により、特に高い分子量の形成を抑制することができる。このようなポリマー成分は、溶液粘度もしくは溶融粘度の過剰な上昇に貢献しうる。むしろ本発明により製造される、幅広い分布の単峰性ポリマーは、新規のポリマー分散を有している。最初の開始のために開始剤の一部を装入しておくことにより、最も長い重合時間に供され、ひいては最終生成物中で最も高い分子量を有する鎖が形成される。従って、高い分子量に加えてさらに、制御された重合により製造されたポリマーの特性を有するポリマーが得られる。しかし分布は、分子量が低すぎると、分子量分布の著しい拡大を示し、これは慣用の遊離基重合により製造された生成物に類似するものであるか、またはそれよりも幅広いものとなる。本発明により製造されるポリマーの全分子量分布は、1.8より大きい多分散性指数を有する。
本発明によれば、分子量の質量平均と数平均との比である多分散性指数は、分子量分布の不均一性に関する尺度として記載される。分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によりPMMA標準液に対して測定される。
本発明のもう1つの実施態様は、複峰性の分子量分布を有するABブロックコポリマー中のAブロックおよび/またはBブロックの適切な官能化である。この課題は、モノマー混合物Aおよび/またはモノマー混合物Bが、官能化された(メタ)アクリレート、および付加的な官能基を有していない(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリレートの混合物の群から選択されるモノマーを含有する組成物からなることによって、個々のAブロックおよび/またはBブロック中に少なくとも1および最大で4の官能基を有するブロックコポリマーの製造によって解決された。この場合、Aブロック中にのみ、またはBブロック中にのみ、または両方のブロック中に、異なった、または両方のブロック中で同一の官能基を有する、官能基を有するABジブロックコポリマーを製造することができる。特に、個々のブロックAおよび/またはB中に、少なくとも1および最大で2の官能基を有する本発明によるブロックコポリマーも製造することができることが判明した。
ブロック中に含有されている、記載の官能基は、ATRPにより共重合可能なモノマーの選択によって制限されるのみである。以下の列記は発明を説明するための例にすぎず、発明を何らかの方法で限定するためのものではない。
たとえばAブロックおよび/またはBブロックはOH基を有していてもよい。このために適切な、ヒドロキシ官能化された(メタ)アクリレートは有利には直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の、2〜36個の炭素原子を有するジオールのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、たとえば3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3,4−ジヒドロキシブチルモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、特に有利には2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。
アミン基はたとえば2−ジメチルアミノエチル−メタクリレート(DMAEMA)、2−ジエチルアミノエチル−メタクリレート(DEAEMA)、2−t−ブチルアミノエチル−メタクリレート(t−BAEMA)、2−ジメチルアミノエチル−アクリレート(DMAEA)、2−ジエチルアミノエチル−アクリレート(DEAEA)、2−t−ブチルアミノエチル−アクリレート(t−BAEA)、3−ジメチルアミノプロピル−メタクリルアミド(DMAPMA)および3−ジメチルアミノプロピル−アクリルアミド(DMAPA)の共重合により製造可能である。アリル基を有するポリマーはたとえばアリル(メタ)アクリレートの共重合により実現することができる。エポキシ基を有するポリマーは、グリシジル(メタ)アクリレートの共重合により得られる。酸基は、t−ブチル(メタ)アクリレートの共重合と、その後のけん化もしくは熱によるイソブテンの分離より実現することができる。
(メタ)アクリレート結合したシリル基の例は、−SiCl3、−SiMeCl2、−SiMe2Cl、−Si(OMe)3、−SiMe(OMe)2、−SiMe2(OMe)、−Si(OPh)3、−SiMe(OPh)2、−SiMe2(OPh)、−Si(OEt)3、−SiMe(OEt)2、−SiMe2(OEt)、−Si(OPr)3、−SiMe(OPr)2、−SiMe2(OPr)、−SiEt(OMe)2、−SiEtMe(OMe)、−SiEt2(OMe)、−SiPh(OMe)2、−SiPhMe(OMe)、−SiPh2(OMe)、−SiMe(OC(O)Me)2、−SiMe2(OC(O)Me)、−SiMe(O−N=CMe22または−SiMe2(O−N=CMe2)が挙げられる。その際、Meという略号はメチル基を表し、Phはフェニル基、Etはエチル基およびPrはイソ−プロピル基もしくはn−プロピル基を表す。市場で入手可能なモノマーは、たとえばEvonik Degussa GmbH社のDynasylan(登録商標)MEMOである。これは、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
官能化のために使用されるモノマーが重合し、その際、架橋反応が起こらないことは有利である。
(メタ)アクリレートという記載方法は、(メタ)アクリル酸のエステルを表し、ここではメタクリレート、たとえばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等も、アクリレート、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート等も、ならびに両者の混合物も表す。ブロックA中にもブロックB中にも重合される、他の官能基を有していないモノマーは、(メタ)アクリレート、たとえば1〜40個の炭素原子を有する直鎖状、分枝鎖状もしくは脂環式アルコールのアルキル(メタ)アクリレート、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、たとえばそれぞれ非置換であるか、または1〜4回置換されたアリール基を有していてよいベンジル(メタ)アクリレートまたはフェニル(メタ)アクリレート、その他の芳香族置換された(メタ)アクリレート、たとえばナフチル(メタ)アクリレート、5〜80個の炭素原子を有するエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの混合物のモノ(メタ)アクリレート、たとえばテトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシ(m)エトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−エトキシブチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレートおよびポリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレートからなる群から選択されている。
前記の(メタ)アクリレート以外に、重合すべき組成物は、前記の(メタ)アクリレートと、およびATRPにより共重合可能な、さらなる不飽和モノマーを含有していてもよい。これには特に1−アルケン、たとえば1−ヘキセン、1−ヘプテン、分枝鎖状のアルケン、たとえばビニルシクロヘキサン、3,3−ジメチル−1−プロペン、3−メチル−1−ジイソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、アクリルニトリル、ビニルエステル、たとえば酢酸ビニル、スチレン、ビニル基にアルキル置換基を有する置換されたスチレン、たとえばα−メチルスチレンおよびα−エチルスチレン、環に1もしくは複数のアルキル置換基を有する置換されたスチレン、たとえばビニルトルエンおよびp−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、たとえばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレンおよびテトラブロモスチレン、複素環式化合物、たとえば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール、ビニルオキサゾールおよびイソプレニルエーテル、マレイン酸誘導体、たとえば無水マレイン酸、マレイミド、メチルマレイミドおよびジエン、たとえばジビニルベンゼン、ならびにAブロック中でそれぞれヒドロキシ官能化された、および/またはアミノ官能化された、および/またはメルカプト官能化された化合物が含まれる。さらにこれらのコポリマーは、該コポリマーが、1の置換基中にヒドロキシ官能基および/またはアミノ官能基および/またはメルカプト官能基を有するように製造してもよい。このようなモノマーは、たとえばビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、水素化ビニルチアゾール、および水素化ビニルオキサゾールである。特に有利には、ビニルエステル、ビニルエーテル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、スチレンまたはアクリロニトリルは、Aブロックおよび/またはBブロックと共重合される。
ブロックAのコポリマーにも、ブロックBのコポリマーにも、ATRPにより重合可能な、しかし(メタ)アクリレートの群には属していないモノマーを0〜50質量%添加することができる。
この方法は、任意のハロゲン不含の溶剤中で実施することができる。有利にはトルエン、キシレン、H2O、酢酸エステル、有利には酢酸ビニル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ケトン、有利にはエチルメチルケトン、アセトン、エーテル、脂肪族化合物、有利にはペンタン、ヘキサン、バイオディーゼル、あるいはまた可塑剤、たとえば低分子量のポリプロピレングリコールまたはフタル酸エステルである。
組成ABのブロックコポリマーは、連続的な重合により製造される。
溶液重合以外に、ATRPは、乳化重合、ミニエマルション重合、マイクロエマルション重合、懸濁重合または塊状重合として実施することもできる。
重合は、標準圧力、減圧または過圧で実施することができる。重合温度も重要ではない。しかし温度は一般に−20℃〜200℃、有利には0℃〜130℃、および特に有利には50℃〜120℃の範囲である。
有利には本発明によるポリマーは、5000g/モル〜100000g/モル、特に有利には7500g/モル〜50000g/モルの数平均分子量を有する。
一官能性の開始剤として、ATRP法の重合条件下で移動可能な原子もしくは原子基を有する任意の化合物を使用することができる。適切な開始剤は、一般に、以下の式のものを含む:
123C−X、R1C(=O)−X、R123Si−X、R12N−Xおよび(R1)(R2O)P(O)m−X[式中、Xは、Cl、Br、I、OR4、SeR4、OC(=O)R4、OP(=O)R4、OP(=O)(OR42、OP(=O)OR4、SR4、O−N(R42、CN、NC、SCN、NCS、OCN、CNOおよびN3を表す(ここで、R4は、1〜20個の炭素原子を有し、それぞれの水素原子が無関係にハロゲン原子、有利にはフッ化物または塩化物により置換されていてもよいアルキル基を表すか、2〜20個の炭素原子を有するアルケニル、有利にはビニルを表すか、2〜10個の炭素原子を有し、1〜5個のハロゲン原子もしくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基により置換されていてもよいアルケニル、有利にはアセチルエニル、フェニルを表すか、またはアラルキルを表し、かつR1、R2およびR3は相互に無関係に水素、ハロゲン、1〜20個、有利には1〜10個、特に有利には1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、アミン基、アミド基、COCl、OH、CN、2〜20個の炭素原子、有利には2〜6個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニル基、および特に有利にはアリルまたはビニル、オキシラニル、グリシジル、2〜6個の炭素原子を有し、オキシラニルまたはグリシジル、アリール、ヘテロ環、アラルキル、アラルケニル(アリール置換されたアルケニル、この場合、アリールは前記で定義したとおりであり、かつアルケニルは、1個〜全ての水素原子が、有利には1個の水素原子がハロゲンにより(有利には1より多くの水素原子が置換されている場合にはフッ素もしくは塩素により、および有利には1の水素原子が置換されている場合にはフッ素、塩素もしくは臭素により置換されている)1もしくは2のC1〜C6−アルキル基により置換されているビニルである)、1〜6個の炭素原子を有し、C1〜C4−アルコキシ、アリール、ヘテロ環、ケチル、アセチル、アミン、アミド、オキシラニルおよびグリシジルからなる群から選択される1〜3個の置換基(有利には1個)により置換されているアルケニル基であり、かつm=0または1、m=0、1または2を表す]。有利には基R1、R2およびR3の2より多くが水素であることはなく、特に有利には基R1、R2およびR3の最大で1つが水素である。
特に有利な開始剤には、ハロゲン化ベンジル、たとえばp−クロロメチルスチレン、ヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、塩化ベンジル、臭化ベンジル、1−ブロモ−i−フェニルエタンおよび1−クロロ−i−フェニルエタンが含まれる。さらに特に有利であるのは、α−位でハロゲン化されているカルボン酸誘導体、たとえばプロピル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネートまたはエチル−2−ブロモイソブチレートである。有利にはハロゲン化トシル、たとえばp−トルエンスルホニルクロリド、アルキルハロゲン化物、たとえば1−ビニルエチルクロリド、または1−ビニルエチルブロミド、およびリン酸エステルのハロゲン誘導体、たとえば塩化デメチルホスホン酸である。
ATRPのための触媒は、Chem.Rev.2001、101、2921に記載されている。主として銅錯体が記載されているが、しかし特に鉄、ロジウム、白金、ルテニウムまたはニッケルの化合物も使用される。一般に、開始剤もしくは移動可能な原子基を有するポリマー鎖によりレドックスサイクルを形成することができる全ての遷移金属化合物を使用することができる。銅はこのためにたとえば、Cu2O、CuBr、CuCl、CuI、CuN3、CuSCN、CuCN、CuNO2、CuNO3、CuBF4、Cu(CH3COO)またはCu(CF3COO)から出発して系に添加することができる。
記載のATRPの1の代替案は、その変法である。いわゆるリバースATRPでは、酸化数がより高い化合物、たとえばCuBr2、CuCl2、CuO、CrCl3、Fe23またはFeBr3を使用することができる。これらの場合、反応は古典的なラジカル形成剤、たとえばAIBNによって開始することができる。この場合、遷移金属化合物がまず還元される。というのも、遷移金属化合物は、古典的なラジカル形成剤から発生するラジカルと反応するからである。このリバースATRPは、特にWangおよびMatyjaszewskiによって、Macromolekules(1995)、第28巻、第7572頁以降に記載されている。
リバースATRPの1の変法は、酸化数がゼロの金属を付加的に使用することである。より高い酸化数の遷移金属との予測される均等化反応によって反応速度が促進される。この方法はWO98/40415に詳細に記載されている。
遷移金属対開始剤のモル比は一般に0.02:1〜1〜20:1の範囲、有利には0.02:1〜6:1の範囲、および特に有利には0.2:1〜4:1の範囲であるが、このモル比はこれによって限定されるべきではない。有機溶剤中での金属の溶解性を高め、かつ同時に安定した、およびこれにより重合不活性の有機金属化合物の形成を回避するために、リガンドを系に添加する。リガンドは付加的に、移動可能な原子基の遷移金属化合物による引き抜き反応を緩和する。公知のリガンドの列挙は、たとえばWO97/18247、WO97/47661またはWO98/40415に記載されている。配位成分は、リガンドとして使用される化合物の、多くの場合、1もしくは複数の窒素原子、酸素原子、リン原子および/または硫黄原子を有している。特に有利であるのはこの場合、窒素含有化合物である。とりわけ有利であるのは、窒素含有キレートリガンドである。例として、2,2′−ビピリジン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンまたは1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンが挙げられる。個々の成分の選択および組合せの貴重な示唆は、当業者はWO98/40415に見ることができる。
これらのリガンドは現場で金属化合物と共に配位化合物を形成することができるか、またはこれらはまず配位化合物として製造され、引き続き反応混合物に添加することができる。リガンド(L)対遷移金属の比率は、リガンドの配位座の数と、遷移金属(M)の配位数とに依存する。このモル比は、一般に100:1〜0.1:1の範囲、有利には6:1〜0.1:1、および特に有利には3:1〜1:1の範囲であるが、これによって限定されるべきではない。ATRPが終了した後で、遷移金属化合物を適切な硫黄化合物の添加によって沈殿させることができる。たとえばメルカプタンの添加によって、鎖末端のハロゲン原子が、ハロゲン化水素の発生下に置換される。ハロゲン化水素、たとえばHBrは、遷移金属に配位しているリガンドLにおいてプロトン化されてアンモニウムハロゲン化物となる。この過程によって遷移金属−リガンド錯体は、クエンチングされ、「裸の」金属が沈殿する。引き続き、簡単な濾過によりポリマー溶液を容易に精製することができる。前記の硫黄化合物は、有利にはSH基を有する化合物である。特に有利にはこの硫黄化合物は、遊離基重合から公知の調節剤、たとえばエチルヘキシルメルカプタンまたはn−ドデシルメルカプタンである。
これらの生成物に関しては幅広い適用分野が存在する。適用例の選択は本発明によるポリマーの使用を制限するために適切なものではない。有利には、反応基を有する組成ABのジブロックコポリマーを、湿分硬化性架橋のためのプレポリマーとして使用することができる。該プレポリマーは、任意のポリマーによって架橋することができる。本発明による、個々のAブロック中に4より少ない官能基を有する組成ABのジブロックコポリマーは、シーラント、反応性溶融接着剤または接着材料中で使用される。特に車両、船舶、コンテナ、機械装置および航空機の建築の分野における、ならびにエレクトロニクス分野における、および家庭用器機の製造の際のシーラント中で使用される。他の有利な適用分野は、建築分野、ヒートシールの分野または組み立て用接着剤のためのシーラントである。
しかし、本発明により製造される材料の可能な適用は、シーラントのための結合剤、または他の種類の官能性を導入するための中間体としてのみではない。EP1510550ではたとえば特にアクリレート粒子およびポリウレタンからなる被覆組成物が記載されている。本発明によるポリマーは、相応する調製物中で加工特性および架橋特性の改善につながる。考えられる適用はたとえば粉体塗料用調製物である。
新規の結合剤によって、たとえば上記の適用のための架橋性の一成分エラストマーおよび二成分エラストマーを製造することができる。調製物の慣用の別の成分は、結合剤、溶剤、充填剤、顔料、可塑剤、安定化添加剤、水捕捉剤、定着剤、チキソトロープ剤、架橋触媒、粘着剤(粘着性付与剤)などである。
粘度を低下させるためには、溶剤、たとえば芳香族炭化水素、たとえばトルエン、キシレン等、エステル、たとえば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セルロース等、ケトン、たとえばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等を使用することができる。溶剤はすでにラジカル重合の過程で添加することができる。
たとえば相応するポリウレタンのための調製物中でのヒドロシリル化結合剤のための架橋触媒は、慣用の有機スズ、鉛、水銀およびビスマスの触媒、たとえばジブチルスズジラウレート(たとえばBNT Chemicals GmbH)、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジケトネート(たとえばAcima/Rohm+Haas社のMetatin740)、ジブチルスズジマレエート、スズナフテネート等である。有機スズ化合物の反応生成物、たとえばジブチルスズジラウレートとケイ酸エステル(たとえばDYNASIL Aおよび40)との反応生成物を、架橋触媒として使用することもできる。その他に、チタン酸エステル(たとえばチタン酸テトラブチル、チタン酸テトラプロピル等)、ジルコン酸エステル(たとえばジルコン酸テトラブチル等)、アミン(たとえばブチルアミン、ジエタノールアミン、オクチルアミン、モルホリン、1,3−ジアザビシクロ[5.4.6]ウンデセン−7(DBU)等)もしくはこれらのカルボン酸塩、低分子量ポリアミド、アミノオルガノシラン、スルホン酸誘導体およびこれらの混合物を使用することもできる。
ブロックコポリマーの利点は、無色であることと、製造した製品ににおいがないことである。
本発明のもう1つの利点はさらに、それぞれの官能化されたポリマーブロック中の官能基の数が限定されていることである。結合剤中で官能基の割合が高いと、場合により早すぎるゲル化、または少なくとも溶液粘度もしくは溶融粘度の付加的な上昇につながる。以下に記載の例は、本発明をよりよく説明するためのものであり、本発明をここに開示されている特徴に限定するためにふさわしいものではない。
実施例
数平均分子量Mnもしくは質量平均分子量Mw、および分子量分布の尺度としての多分散性指数D=Mw/Mnは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によりテトラヒドロフラン中、PMMA標準液に対して測定される。
例1
電磁攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えたシュレンクフラスコに、N2雰囲気下でモノマー1a(正確な名称および量の記載は第1表を参照のこと)、酢酸プロピル90mL、酸化銅(I)(量は第1表を参照のこと)およびN,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA、量は第1表を参照のこと)を装入した。該溶液を80℃で15分間撹拌した。引き続き、同じ温度で一定量の開始剤1(第1表を参照のこと)2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸プロピル5mL中)を添加した。2時間の反応時間後に、反応溶液に一定量の開始剤2(第1表を参照のこと)2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸エチル5mL中)を添加した。さらに2時間の重合時間の後で、平均分子量Mnを測定(SECによる)するために試料を取り出し、かつモノマー2aとモノマー3a(正確な名称および量の記載は第1表を参照のこと)からなる混合物を添加した。該混合物をさらに80℃で2.5時間攪拌し、かつ引き続き1.5gのn−ドデシルメルカプタンの添加により中断した。該溶液をシリカゲルを用いた濾過およびその後の蒸留による揮発性成分の除去により後処理した。平均分子量を最終的にSEC測定により測定した。
例2
電磁攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えたシュレンクフラスコに、N2雰囲気下でモノマー1a(正確な名称および量の記載は第1表を参照のこと)、酢酸プロピル90mL、酸化銅(I)(量は第1表を参照のこと)およびN,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA、量は第1表を参照のこと)を装入した。該溶液を80℃で15分間撹拌した。引き続き、同じ温度で一定量の開始剤1(第1表を参照のこと)2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸プロピル5mL中)を添加した。2時間の反応時間後に、反応溶液に一定量の開始剤2(第1表を参照のこと)2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸エチル5mL中)を添加し、かつさらに2時間の反応時間後に、追加の量の開始剤3(第1表を参照のこと)2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸エチル5mL中)を重合溶液に添加した。さらに2時間の重合時間の後で、平均分子量Mnを測定(SECによる)するために試料を取り出し、かつモノマー2aとモノマー3a(正確な名称および量の記載は第1表を参照のこと)からなる混合物を添加した。該混合物をさらに80℃で2.5時間攪拌し、かつ引き続き0.8gのn−ドデシルメルカプタンの添加により中断した。該溶液をシリカゲルを用いた濾過およびその後の蒸留による揮発性成分の除去により後処理した。平均分子量を最終的にSEC測定により測定した。
例3
例1と同様に、モノマー1d、2dおよび3d(正確な名称および量の記載は第1表)を使用した。
例4
例1と同様に、モノマー1e、2eおよび3e(正確な名称および量の記載は第1表)を使用した。
Figure 2012508310
第一の重合段階の分子量分布は、それぞれ複峰性であるか、もしくは例2の場合には3峰性であり、かつ1.8より大きい多分散性指数Dを有する。最終生成物は相応して大きな多分散性指数を有していたが、これは純粋なAブロックと比較するとより小さい多分散性指数である。この効果は、総じて高い分子量の結果であるが、しかしBブロックの重合が制御されて進行し、かつブロック自体が狭い分子量分布を有していることも示している。例2における多分散性指数の増加は、高分子のショルダー部に起因するものである。これは、部分的に行われる鎖の二量化の下でのシリル基の副反応から生じたものである。
溶剤を除去した後に、シリル官能化された生成物を、適切な乾燥剤の添加により安定化することができる。このようにして、それ以上分子量が増加することなく、良好な貯蔵安定性を保証することができる。
比較例1
電磁攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えたシュレンクフラスコに、N2雰囲気下でモノマー1f(正確な名称および量の記載は第2表を参照のこと)、酢酸プロピル90mL、酸化銅(I)0.48gおよびN,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)1.1gを装入した。該溶液を80℃で15分間撹拌した。引き続き、同じ温度で酢酸プロピル5mL中に溶解した開始剤2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸プロピル5mL中、量は第2表を参照のこと)を添加した。3時間の重合時間の後で、平均分子量Mnを測定(SECによる)するために試料を取り出し、かつモノマー2fとモノマー3f(正確な名称および量の記載は第2表を参照のこと)からなる混合物を添加した。該混合物を、少なくとも95%の予測される反応率が達成されるまで重合し、かつ1.5gのn−ドデシルメルカプタンの添加により中断した。該溶液をシリカゲルを用いた濾過およびその後の蒸留による揮発性成分の除去により後処理した。平均分子量を最終的にSEC測定により測定した。
比較例2
比較例1と同様に、モノマー1g、2gおよび3g(正確な名称および量の記載は第2表)を使用した。
比較例3
電磁攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えたシュレンクフラスコに、N2雰囲気下でモノマー1f(正確な名称および量の記載は第2表を参照のこと)、酢酸プロピル100mL、酸化銅(I)0.29gおよびN,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)0.69gを装入した。該溶液を80℃で15分間撹拌した。引き続き、同じ温度で酢酸プロピル5mL中に溶解した開始剤2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(EBIB、酢酸プロピル5mL中、量は第2表を参照のこと)を添加した。3時間の重合時間の後で、平均分子量Mnを測定(SECによる)するために試料を取り出し、かつモノマー2fとモノマー3f(正確な名称および量の記載は第2表を参照のこと)からなる混合物を添加した。該混合物を、少なくとも95%の予測される反応率が達成されるまで重合し、かつ1.0gのn−ドデシルメルカプタンの添加により中断した。該溶液をシリカゲルを用いた濾過およびその後の蒸留による揮発性成分の除去により後処理した。平均分子量を最終的にSEC測定により測定した。
Figure 2012508310
これらの比較例は、1のバッチでの慣用の開始剤添加の場合には、比較的狭く分散した内側ブロックおよび1.5より小さい多分散性指数を有するポリマーが形成されることを示している。

Claims (14)

  1. 連続的に実施される原子移動ラジカル重合(ATRP)によりブロックコポリマーを製造する方法において、一官能性の開始剤を2つのバッチにして重合溶液に添加し、かつ組成ABのブロックコポリマーが、総じて1.8より大きい多分散性指数を有する分子量分布を有することを特徴とする、ブロックコポリマーの製造方法。
  2. ブロックAが、(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリレートの混合物を含有する、1.8より大きい多分散性指数を有する複峰性の分子量分布を有するコポリマーであり、ブロックBが、(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリレートの混合物の群から選択されるモノマーを含有する、1.6より小さい多分散性指数を有する単峰性の分子量分布を有するコポリマーであり、かつ組成ABのブロックコポリマーは総じて1.8より大きい多分散性指数を有することを特徴とする、請求項1記載の組成ABのブロックコポリマーの製造方法。
  3. 開始剤を2つのバッチにして、相互に時間的に分離して添加し、かつ第一の開始剤バッチは、全開始剤量の10%〜90%、有利には25%〜75%であることを特徴とする、請求項1または2記載のブロックコポリマーの製造方法。
  4. 第二の開始剤バッチを、第一の開始剤バッチの少なくとも30分後、有利には少なくとも60分後に、およびモノマー混合物Bの添加の少なくとも60分前、有利には少なくとも90分前に、重合溶液に添加することを特徴とする、請求項3記載のブロックコポリマーの製造方法。
  5. ブロックコポリマーのAブロックまたはBブロックが、少なくとも1および最大で4、有利には少なくとも1および最大で2の官能基を有する組成を有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のブロックコポリマーの製造方法。
  6. ブロックコポリマーのAブロックおよびBブロックが、それぞれ少なくとも1および最大で4、有利には少なくとも1および最大で2の官能基を有し、かつブロックA中の官能基およびブロックB中の官能基が同一であるか、または異なっていてもよいことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のブロックコポリマーの製造方法。
  7. Aブロックおよび/またはBブロックに、不飽和のラジカル重合可能な基、およびヒドロキシ基、アミン基、アリル基、シリル基もしくはエポキシ基から選択される第二の官能基を有するモノマーを共重合することを特徴とする、請求項5または6記載のブロックコポリマーの製造方法。
  8. 1つ、または両方のブロックが、さらにビニルエステル、ビニルエーテル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、またはその他の、ATRP重合可能なモノマーを含有していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のブロックコポリマーの製造方法。
  9. ブロックコポリマーが、5000g/モル〜100000g/モル、有利には7500g/モル〜50000g/モルの数平均分子量を有していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のブロックコポリマーの製造方法。
  10. 重合後に、メルカプタンまたはチオール基を有する化合物を添加することによりATRP触媒を沈殿させ、かつ濾過により重合溶液から分離することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のブロックコポリマーの製造方法。
  11. 1.6より小さい多分散性指数を有する単峰性の分子量分布を有するブロックBと、1.8より大きい多分散性指数を有する複峰性の分子量分布を有するブロックAとを有し、その際、モノマーは、(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリレートの混合物から選択される、請求項2から10までのいずれか1項記載の方法により得られるABジブロックコポリマー。
  12. 溶融接着剤、流動性接着剤、感圧接着剤、弾性シーラント、被覆剤または発泡材料前駆体を製造するための、請求項11記載のポリマーの使用。
  13. ヒートシール材料を製造するための請求項11記載のブロックコポリマーの使用。
  14. ブロックコポリマーが反応性の官能基を有する、架橋性組成物中での請求項11記載のブロックコポリマーの使用。
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