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JP2012232222A - 粉体塗装装置 - Google Patents

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Susumu Nihongi
進 二本木
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Abstract

【課題】ワークの内面に全面に亙って粉体塗料を付着させることができる粉体塗装装置を提供する。
【解決手段】ワーク51の内面に静電粉体塗装を行なうに際して、帯電した粉体塗料Fをワークの内面に吹き付けて付着させるための装置であって、ワークの内側に挿入される粉体塗料吐出ノズル11を有し、この粉体塗料吐出ノズルからワークの内面に向けて放射状に粉体塗料を吐出することを特徴とする。ワークとしては例えば、内周面にスロットを備えるインナースロットモーターコアである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワーク(被塗物)に静電粉体塗装を行なうに際して、帯電した粉体塗料をワークに吹き付けて付着させるための粉体塗装装置に関する。
ワークに静電粉体塗装を行なうに際しては、粉体塗料を帯電させる工程、帯電した粉体塗料をワークに吹き付けて付着させる工程、付着した粉体塗料を加熱する工程および冷却する工程などを順次実施するところ、帯電した粉体塗料をワークに吹き付けて付着させる工程においては従来、ワークの外側に粉体塗料吐出ノズルを配置し、このノズルからワークに向けて粉体塗料を吹き付けている(特許文献1参照)。
したがってこの従来技術によると、ワークの外面には全面に亙って粉体塗料を付着させることができるが、ワークの内面、少なくともその一部には、ノズルから吐出された粉体塗料が届かないことがあり、よってワークの内面に全面に亙って粉体塗料を付着させる技術が求められている。
ワークとしては例えば、電気自動車関連におけるインナースロットモーターコア51があり、図5に示すようにこのコア51は基本的に円筒形であって、その内周面52に多数のスロット(軸方向に延びる溝状の凹部)53が形成されている。したがってこのコア51の内周面52に粉体塗料を付着させる場合には、各スロット53の内面にまで粉体塗料を届かせる必要がある。
この場合、上記従来技術では、コア51の軸方向長さが30mm程度であればコア51の外側から粉体塗料を吹き付けるだけでスロット53の内面にも粉体塗料を付着させることができるが、コア51の軸方向長さが大きくなるとコア51の入口(軸方向一方の開口部)数mmよりコア中央に行くに従って粉体塗料の付着量が少なくなり、コア51の軸方向長さが100mm以上にもなると中央部には殆ど粉体塗料を付着させることができない。
特開2009−119404号公報
本発明は以上の点に鑑みて、ワークの内面に全面に亙って粉体塗料を付着させることができる粉体塗装装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による粉体塗装装置は、ワークの内面に静電粉体塗装を行なうに際して、帯電した粉体塗料を前記ワークの内面に吹き付けて付着させるための装置であって、前記ワークの内側に挿入される粉体塗料吐出ノズルを有し、前記粉体塗料吐出ノズルから前記ワークの内面に向けて放射状に粉体塗料を吐出することを特徴とする。
また、本発明の請求項2による粉体塗装装置は、上記した請求項1記載の粉体塗装装置において、前記粉体塗料吐出ノズルは、分岐構造を有して、複数のワークに同時に粉体塗料を付着させることを特徴とする。
また、本発明の請求項3による粉体塗装装置は、上記した請求項1または2記載の粉体塗装装置において、前記ワークは、内周面にスロットを備えるインナースロットモーターコアであり、前記スロットの内面を含む前記コアの内周面に粉体塗料を付着させることを特徴とする。
上記構成を備える本発明の粉体塗装装置においては、ワークの内側に挿入される粉体塗料吐出ノズルが設けられ、このノズルからワークの内面に向けて放射状に粉体塗料が吐出される。したがってワークの外側ではなく内側にノズルが配置されてこのノズルから直接ワークの内面に向けて放射状に粉体塗料が吐出されるために、ワークの内面に万遍なく粉体塗料を付着させることが可能とされる。ノズルはワークの内側に挿入されることから、挿入が可能となるように所定の長さを有し、このためパイプ状に形成され、あるいはノズル延長用のパイプ部材を備えている。ノズルまたはパイプの形状はワークの形状や配置に合わせて適宜設計することができ、例えばストレート形状であっても良く、あるいは屈曲もしくは湾曲した形状であっても良い。また、ノズルまたはパイプに分岐構造(分岐管構造)を設けることによって所謂ワークステーション数を増大させ、これにより複数のワークに同時に粉体塗料を付着させることも考えられる。
本発明において、粉体塗料の被塗物であるワークの種類は、形状もしくは構造的に内面を備えるものであれば特に限定されないが、対象の1つとして上記したように、電気自動車の駆動系などに用いられるインナースロットモーターコアを挙げることができ、このインナースロットモーターコアは基本的に円筒形であって、その内周面に多数のスロット(軸方向に延びる溝状の凹部)が形成されている。したがってこのインナースロットモーターコアの内周面に粉体塗料を付着させる場合には、コアの軸方向一方の開口部からコア内側へノズルを挿入し、この挿入した状態で放射状に粉体塗料を吐出させることにより、スロット内面を含むコアの内周面に万遍なく粉体塗料を付着させることができる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、以上説明したように本発明においては、ワークの内側に挿入される粉体塗料吐出ノズルが設けられ、このノズルからワークの内面に向けて放射状に粉体塗料が吐出される。したがってワークの外側ではなく内側にノズルが配置されてこのノズルから直接ワークの内面に向けて放射状に粉体塗料が吐出されるために、ワークの内面に全面に亙って粉体塗料を付着させることができる。ノズルに分岐構造が設けられる場合には、複数のワークに同時に粉体塗料を付着させることができ、ワークがインナースロットモーターコアである場合には、スロット内面を含むコアの内周面に全面に亙って粉体塗料を付着させることができる。
本発明の第一実施例に係る粉体塗装装置の説明図 本発明の第二実施例に係る粉体塗装装置の説明図 本発明の第三実施例に係る粉体塗装装置の説明図 本発明の第四実施例に係る粉体塗装装置の説明図 ワークの一例であるインナースロットモーターコアの説明図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)従来のコア内面塗装用の塗装装置では、コア内面のスロット内には殆ど粉体塗料は入らず付着しない。そこで本発明は、コア内面のスロット内に均一に粉体塗料を付着させるために、以下の事項を特徴としている。
(2)ワーク(被塗物)を左右に回転させ(一方方向の回転では回転方向に対して偏肉を生じ均一な塗装は望めない)ながら、更に粉体吐出部に対し上下に稼働させる。
(3)粉体塗料の吐出をパイプの全周(360度)または数箇所から均一に、大量吐出させる。
(4)粉体塗料は、帯電され空気と共に吐出されるが、その濃度を変化させ高密度にすることができる。
(5)粒子状材料に電荷を与える方法として、密閉された樹脂製の容器に電極を設け、エアイオナイズし(エアを帯電し)、さらにこの容器内に多孔質板を設置し、イオン化されたエアにて多孔質板の上部に置かれた粒子状材料を流動させ且つ帯電させ、これをノズルからコア内面に吹き付ける。
(6)以上によりコア内面に均一に粉体(絶縁)塗装をすることが可能となる。
(7)また軸方向長さが長い筒状コアでも、軸方向長さの全長に亙ってそのスロット内に数ミクロンから数百ミクロンまで均一に粉体塗料を付着させ粉体(絶縁)塗装をすることが可能となる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第一実施例に係る粉体塗装装置1を示しており、当該粉体塗装装置1は以下のように構成されている。尚、当該粉体塗装装置はその機能からして静電噴霧装置と称されることもある。
すなわち先ず、樹脂製の密閉容器である流動槽2が設けられており、この流動槽2の底面部に、流動槽2の内部へ送給エアを供給するためのエア供給口3が設けられている。エア供給口3は配管4を介して装置外部のエア供給装置5に接続されている。
流動槽2の内部に多孔質板(ポーラスプレート)6が架設され、この多孔質板6の上に粉体塗料Fが収容されている。多孔質板6には電極7が設けられ、電極7は高電圧ケーブル8を介して装置外部の高電圧発生装置9に接続されている。
また、流動槽2の上部に、送給エアによって帯電するとともに噴霧状とされた粉体塗料Fを送給エアの流れに乗せてノズル11へ供給するための塗料供給口10が設けられ、この塗料供給口10と連通するようにして粉体塗料吐出ノズル11が流動槽2の外側に上方へ向けて設けられている。
粉体塗料吐出ノズル11は、所定の長さを備えるパイプ状を呈し、またはノズル延長用のパイプ部材(図示せず)を有し、筒状ワークであるインナースロットモーターコア51の内周側(コア51の中心軸線上)にその軸方向一方の開口部から挿入することが可能とされている。インナースロットモーターコア51は上記図5に示したように基本的に円筒形であって、その内周面52に多数のスロット53が形成されており、よってこのコア51の内周面52に粉体塗料Fを付着させる場合には、各スロット53の内面にまで万遍なく粉体塗料Fを届かせる必要がある。コア51は保持手段(図示せず)によって保持され、密閉チャンバ(図示せず)内に収容された状態で粉体塗料Fの吹付け・付着作業が実施される。
ノズル11の基端(下端)はフランジ部12をもって流動槽2の上蓋部に固定されている。ノズル11の先端(上端)には、複数の差込み脚部13がノズル11先端開口に差し込まれるかたちにて邪魔板(バッフルプレート)14が取り付けられており、よってノズル11先端と邪魔板14の間に環状を呈するノズル開口15が形成されている。したがってノズル11先端開口から粉体塗料Fが吹き出すとこの粉体塗料Fは邪魔板14に当たって流れの向きを変え、ノズル開口15からノズル中心軸線と直交する向きの全周360度に亙って放射状に吐出される(脚部13の部分は吐出されないが、噴出した粉体塗料Fは拡散するため、支障を生じない)。
上記構成を備える粉体塗装装置1は、筒状ワークであるインナースロットモーターコア51の内周面52に静電粉体塗装を行なうに際して、粉体塗料Fを帯電させるとともに帯電した粉体塗料Fをコア51の内周面52に吹き付けて付着させる工程を実施するものであって、上記のとおりコア51の内周側にノズル11が配置されるとともにこのノズル11の開口15からコア51の内周面52へ向けて放射状に粉体塗料Fを吐出するために、スロット53内面を含むコア51の内周面52に万遍なく粉体塗料Fを付着させることができる。
尚、この吹付け・付着作業は、円筒状のコア51をその中心軸線を中心として正逆両方向に回転させながら実施することが好ましく、これにより粉体塗料Fの付着厚みを一層均一化することができる。また、コア51の軸方向長さが大きい場合には、円筒状のコア51をその中心軸線に沿って移動させながら実施することも考えられる。
上記第一実施例において、パイプ状の粉体塗料吐出ノズル11は、鉛直方向に延びるストレート形状とされているが、これに代えて、適宜屈曲もしくは湾曲した形状としても良く、例えば第二実施例として示す図2では、ノズル11はL字状に屈曲した形状とされている。この場合、円筒状のコア51はその中心軸線を横向きに配置される。
また、上記第一実施例において、パイプ状の粉体塗料吐出ノズル11は、1本が設けられてコア51を1つずつ処理するものとされているが、このノズル11に分岐構造(分岐管構造)を設けることによって所謂ワークステーション数を増大させ、これにより複数のコア51に同時に粉体塗料Fを付着させることが考えられる。このため例えば第三実施例として示す図3では、ノズル11はT字状に分岐した形状(2等配形状)とされて2つのワークステーションが設定されている。また第四実施例として示す図4では、ノズル11は平面上三又状に分岐した形状(3等配形状)とされて3つのワークステーションが設定されている。
また、上記第一実施例において、パイプ状の粉体塗料吐出ノズル11は、脚部13付きの邪魔板14と組み合わされることによってノズル開口15を形成しているが、開口構造は特に限定されず、例えば先止まり状のノズル11の先端部周面に複数の孔を設けるようにしても良い。
1 粉体塗装装置
2 流動槽
3 エア供給口
4 配管
5 エア供給装置
6 多孔質板
7 電極
8 高電圧ケーブル
9 高電圧発生装置
10 塗料供給口
11 粉体塗料吐出ノズル
12 フランジ部
13 脚部
14 邪魔板
15 ノズル開口
51 インナースロットモーターコア(ワーク)
52 コア内周面(内面)
53 スロット
F 粉体塗料

Claims (3)

  1. ワークの内面に静電粉体塗装を行なうに際して、帯電した粉体塗料を前記ワークの内面に吹き付けて付着させるための装置であって、前記ワークの内側に挿入される粉体塗料吐出ノズルを有し、前記粉体塗料吐出ノズルから前記ワークの内面に向けて放射状に粉体塗料を吐出することを特徴とする粉体塗装装置。
  2. 請求項1記載の粉体塗装装置において、前記粉体塗料吐出ノズルは、分岐構造を有して、複数のワークに同時に粉体塗料を付着させることを特徴とする粉体塗装装置。
  3. 請求項1または2記載の粉体塗装装置において、前記ワークは、内周面にスロットを備えるインナースロットモーターコアであり、前記スロットの内面を含む前記コアの内周面に粉体塗料を付着させることを特徴とする粉体塗装装置。
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