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JP2012231047A - チップ状電子部品 - Google Patents

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JP2012231047A JP2011099122A JP2011099122A JP2012231047A JP 2012231047 A JP2012231047 A JP 2012231047A JP 2011099122 A JP2011099122 A JP 2011099122A JP 2011099122 A JP2011099122 A JP 2011099122A JP 2012231047 A JP2012231047 A JP 2012231047A
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Shunichi Ono
俊一 大野
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Abstract

【課題】外部電極の電気的特性及び部品本体への密着力の双方が良好であり且つ小型化に適したチップ状電子部品を提供する。
【解決手段】内部電極11が埋設された部品本体10と該部品本体10の外面に形成された外部電極20とを備えたチップ状電子部品1において、外部電極20は、少なくとも部品本体10に接する部位において物理的蒸着法で形成されてなり且つ第1の電極材料23と第2の電極材料24とが混合された混合層21を含み、該混合層21は部品本体から離れるにしたがって第1の電極材料23に対する第2の電極材料24の混合率が漸小している。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサなどのチップ状電子部品に関し、特に外部電極の構造に関する。
積層セラミックコンデンサなどのチップ状電子部品は一般的に、内部電極が埋設された直方体の部品本体と、該部品本体の外面に形成され前記内電極と電気的に接続した外部電極とを備えている。外部電極の形状・個数・形成位置はチップ状電子部品の種類によって異なる。例えば一般的な積層セラミックコンデンサでは、直方体形状の部品本体の長手方向両端面から該端面に隣接する側面に亘って外部電極が形成されている。外部電極の形成方法として一般的な方法としては、導電性ペーストをディップ法などで塗布・焼成し、その後にハンダ濡れ性の向上やハンダ喰われ防止を目的として電解メッキ等で1層又は複数のメッキ層を形成する方法が知られている。
近年、チップ電子部品に対する更なる小型化・薄型化の要求が高まっており、これにより外部電極については薄膜化・微細加工容易性が求められている。そこで外部電極の全て又は一部を物理的蒸着法などのドライプロセスで形成することが提案されている(特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載のものは、部品本体に物理的蒸着法で1層の電極下地層を形成し、該電極下地層の上に電解メッキで電極表面層を形成することによって外部電極を構成している。一方、特許文献2に記載のものは、複数層からなる外部電極を物理的蒸着法で形成している。
実公平3−10527号公報 特開平10−251837号公報
上記特許文献1に記載のものは、電極表面層はハンダ濡れ性等を確保するような材料が選択されており、電極下地層は内部電極との良好な接続性や低抵抗率などの電気的特性を確保するような材料が選択されている。なおこのような材料選択は従来の厚膜法で製造していたときと同様の観点でなされたものである。しかし、電極下地層は物理的蒸着法で形成されており、従来のものと比較すると膜厚が薄いため部品本体との密着力を十分に確保することが困難であるという問題があった。一方、特許文献2に記載のものでは最内層の材料として部品本体との密着力が良好なTiなどの材料を選択している。しかし密着力が良好な材料は電気抵抗率が高いという傾向があるため電気的特性が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外部電極の電気的特性及び部品本体への密着力の双方が良好であり且つ小型化に適したチップ状電子部品を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、内部電極が埋設された部品本体と該部品本体の外面に形成された外部電極とを備えたチップ状電子部品において、前記外部電極は少なくとも部品本体に接する部位において物理的蒸着法で形成されてなり且つ第1の電極材料と第2の電極材料とが混合された混合層を含み、該混合層は部品本体から離れるにしたがって第1の電極材料に対する第2の電極材料の混合率が漸小していることを特徴とするものを提案する。
ここで本願発明に係る混合層は、第1の電極材料と第2の電極材料との合金ではなく、両材料の単体粒子がそれぞれの特性を維持したまま混合した状態となっていることに留意されたい。そして、本願発明では少なくとも部品本体に接する部位において外部電極が混合層で形成されている。このような構成により、第1の電極材料として電気的特性が良好な材料を選択し、第2の電極材料として部品本体との密着力が良好な材料を選択することにより、部品本体の近傍では、第1の電極材料により電気的特性が確保されるとともに、第2の電極材料により部品本体との密着力が確保される。
一方、第2の電極材料による密着力の確保は部品本体から離れるにしたがって不要である。そこで本願発明では、部品本体から離れるにしたがって、換言すれば外部電極の表層(外層)にいくにしたがって、第2の電極材料の混合率(換言すれば存在比率)が小さくなるよう混合層を形成している。これにより、第1の電極材料による電気的特性の効果を最大限に確保することができる。
本発明の好適な態様の一例としては、前記外部電極は、前記混合層の外層に形成され且つ第1の電極材料のみで形成された単一層を含むことを特徴とする。本発明によれば、プリント配線板などの実装先との固着性・電気的特性が良好なものとなる。なお、前記単一層と混合層とは同一の物理的蒸着過程において一体に形成すると混合層との密着性や製造コストの点などで好適である。
本発明の好適な態様の一例としては、前記混合層は1つのチャンバー内に配置した第1の電極材料からなる第1のターゲットと第2の電極材料からなる第2のターゲットを部品本体に蒸着させてなり、且つ、第1の電極材料又は第2の電極材料の何れか一方又は双方の成膜速度を可変させることにより混合率を制御してなるものが挙げられる。
以上説明したように本発明によれば、第1の電極材料と第2の電極材料の混合層を形成し且つその混合率を制御することにより、トレードオフの関係にある外部電極の電気的特性の確保と部品本体への密着力の確保の双方を実現することができる。
積層セラミックコンデンサの断面図 外部電極の構造を説明する積層セラミックコンデンサの一部拡大断面図 混合層の第1の形成方法を説明する図 混合層の第2の形成方法を説明する図 混合層の第3の形成方法を説明する図 第1の実施例に係るチップ状電子部品の電極固着力の測定グラフ 第1の実施例に係るチップ状電子部品の抵抗値の測定グラフ 第2の実施例に係るチップ状電子部品の電極固着力の測定グラフ 第2の実施例に係るチップ状電子部品の抵抗値の測定グラフ
本発明の一実施の形態に係るチップ状電子部品について図面を参照して説明する。本実施の形態ではチップ状電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は積層セラミックコンデンサの断面図、図2は外部電極の構造を説明する拡大図である。なお本願では説明の簡単のため適宜寸法や形状を模式化している点に留意されたい。
積層セラミックコンデンサ1は、図1に示すように、部品本体である略直方体形状の積層体10と、該積層体10の長手方向両端部に形成された一対の外部電極20とを備えている。
積層体10は、複数の内部電極層11と誘電体層12とを交互に積層したセラミック焼結体からなる。内部電極層11は所定の間隔をもって互いに重なり合うように配置されており、その端部は積層体10の何れか一方の端面に交互に露出し、該端面において外部電極20に電気的に接続している。すなわち内部電極層11は一層おきに同一の外部電極20に電気的に接続している。内部電極層11はNi,Cu等の卑金属、Pd,Agなどの貴金属、Ag−Pd合金などを主成分とした金属からなるが、コストダウンの観点からはNiが好適である。また本実施の形態では積層セラミックコンデンサ1は高誘電率系のクラス2であり、誘電体層12はチタン酸バリウムベースの誘電体セラミックからなる。
外部電極20は、積層体10の表面のうち長手方向両端面から該端面に隣接する側面にまで回り込んで形成されている。外部電極20は、最内層、すなわち積層体10に接する部位に形成された混合層21と、該混合層21の外層に形成された単一層22と、該単一層22の外層に形成されハンダ濡れ性の向上等のために電解メッキ法で形成された1層又は複層のメッキ層25(図1では説明の簡単のため1層とした)により構成されている。
混合層21は、図2に示すように、第1の電極材料23と第2の電極材料24の材料粒子がそれぞれの特性を維持したまま混合して存在する状態となっている。ここで、混合層21は第1の電極材料23と第2の電極材料24との合金ではない点に留意されたい。なお図2では説明を簡単にするために、第2の電極材料24を円形状で表現し、第2の電極材料24以外の部位が第1の電極材料23により構成されているものとする。
第1の電極材料23は、外部電極20の電気的特性に着目して材料選択されるのが好ましい。具体的には、第1の電極材料23は、電気抵抗率が低く且つ内部電極層11との接続性が良好なものなどの観点から選択することが好ましく、例えばCu,Ni,Ag,Auなどの純金属材料だけでなく、例えばAg−Pdなどの合金材料であってもよい。一方、第2の電極材料24は、外部電極20の積層体10への密着力に着目して材料選択されるのが好ましく、例えばTiやCrなどの純金属材料やそれらの合金材料のように導電性を有するものが挙げられる。また第2の電極材料24としては、例えばホウ珪酸ガラスやホウ珪酸鉛系ガラスなどのガラス材料のように導電性を有しないものを用いてもよい。本願発明の特徴の1つは、第1の電極材料23は第2の電極材料24よりも電気抵抗率が小さいものからなり、第2の電極材料24は第1の電極材料23よりも積層体10への物理的密着強度が高いものを用いることである。
また混合層21は、図2に示すように、積層体10の外面から離れるにしたがって、換言すれば外部電極20の表層(外層)にいくにしたがって、第1の電極材料23に対する第2の電極材料24の混合率(換言すれば存在比率)が小さくなるように形成されていることを特徴としている。換言すれば混合層21は、積層体10の外面から離れるにしたがって第2の電極材料24の濃度が薄くなるグラデーションを描いている。このような構成により、積層体10の外面には第2の電極材料24が接しているので高い密着力が得られるとともに、第1の電極材料23も積層体10の外面に接しているので内部電極層11との良好な接続性及び良好な電気的特性が得られる。この外部電極20の積層体10への強い密着力と良好な電気的特性は、前述したように従来構造ではトレードオフの関係にあったので本願発明は極めて有用である。なお第2の電極材料24の混合率は徐々に小さくなるようにしてもよいし段階的に小さくなるようにしてもよいが、混合層21の強度等の観点からは前者が好ましい。
また混合層21は物理的蒸着法により形成されている。物理的蒸着法はスパッタリング・真空蒸着・イオンプレーティングに大別されるが、本発明に係る混合層21の形成には材料選択の幅が広いという観点からスパッタリングが好適である。またスパッタリングもDCスパッタ、RFスパッタ、マグネトロンスパッタ、イオンビームスパッタなど種々の方式があるが、これらの方式を適宜利用することができる。本実施の形態では、特に上述の混合層21の構造形成の容易性・装置の普及度などの観点からマグネトロンスパッタ装置を用いた。マグネトロンスパッタ装置を用いる場合、各電極材料23,24の成膜速度を制御することにより図1に示す構造の混合層21が形成可能となる。以下にマグネトロンスパッタ装置を用いた混合層21の形成方法について説明する。
まず第1の形成方法について図3を参照して説明する。第1の形成方法では、1つのチャンバー101内に複数のターゲット111,112を備えたタイプのマグネトロンスパッタ装置を用いる。この場合、第1のターゲット111に第1の電極材料23をセットし、第2のターゲット112に第2の電極材料24をセットする。そして陽極121側に積層体10をセットしてスパッタリングを開始する。ここで第1のターゲット111及び第2のターゲット112と陽極121間に印加する電圧を経時的に制御することにより、第1の電極材料23に対する第2の電極材料24の混合率を制御することが可能である。すなわち、第1のターゲット111に印加する電圧に対して相対的に、第2のターゲット112に印加する電圧を段階的に或いは連続的に小さくするように制御すればよい。なお具体的には、第1のターゲット111に印加する電圧を固定しておき、第2のターゲット112に印加する電圧を段階的に或いは連続的に小さくするよう制御すると好適である。
次に第2の形成方法について図4を参照して説明する。第2の形成方法では、複数のチャンバー201,202を備え且つ各チャンバー201,202にはそれぞれ1つのターゲット211,212が設けられたタイプのマグネトロンスパッタ装置を用いる。この場合、第1のチャンバー201のターゲット211に第1の電極材料23をセットし、第2のチャンバー202のターゲット212に第2の電極材料24をセットする。そして、積層体10を2つのチャンバー201,202間で往復させることにより混合層21を形成する。一方のチャンバーで成膜を開始すると、最初は、その材料の粒子がまだらに付着してゆくが、ある程度の時間成膜を行うと、その粒子が層状になってくる。本発明では材料を層状に形成してはならないから、このようになる前に他方のチャンバーに積層体10を移動させる。切り替える時間は、ハイレートの成膜条件ではミリ秒から数秒間隔であるが、切替えと層形成防止の制御を容易にするために全体的に成膜レートを下げることにより10数秒〜数分単位してもよい。全体的な成膜レートの調整は、成膜時の真空度や、ターゲット印加電圧、ターゲットと積層体10の距離、陽極印加バイアス電圧等のパラメータを調整すればよい。また混合率の制御は、各チャンバー201,202での滞在時間を制御する、各チャンバー201,202での滞在時間は固定するが各ターゲットへの印加電圧を制御する、上記2つの制御方法を組み合わせる等の方法により可能である。
次に第3の形成方法について図5を参照して説明する。第3の形成方法では、1つのチャンバー301及びターゲット311を備えたタイプのマグネトロンスパッタ装置を用いる。この場合、ターゲット311に第1の電極材料23と第2の電極材料24が混在した混在物26をセットする。この混在物26の組成配分は、全体的に第1の電極材料23と第2の電極材料24の両材料粒子が混ざり合っていてもよいし、材料ごとに消費部を適宜分割した形でもよい。ただし両材料は合金を作っていないことが条件となる。また蒸着時には、ターゲット又は積層体10を回転させると組成のばらつきを低減できるので好適である。なお、本方法の場合には、ターゲット311にセットする混合物26を組成配分の異なるものに順次取り替えることにより、段階的に第2の電極材料24の混合率が小さくなる混合層21を形成できる。
単一層22は物理的蒸着法で単一の材料で形成されている。好適には、単一層22は第1の電極材料23のみで形成されている。また単一層22は混合層21との密着性の観点から一体に形成することが好ましい。混合層21を前記第1の方法で形成する場合、単一層22は、第2の電極材料24の成膜速度を最終的にゼロにすることで同一の蒸着過程において混合層21と一体に形成することができる。また、混合層21を前記第2の方法で形成する場合、単一層22は、混合層21を形成した後に第1のチャンバー201で第1の電極材料23のみを成膜することで混合層21と一体に形成することができる。また、混合層21を前記第3の方法で形成する場合、単一層22は、混合層21の形成が終了した後に第1の電極材料23のみがターゲットにセットされたマグネトロンスパッタ装置で成膜すればよい。
このように本発明に係るチップ状電子部品では、部品本体である積層体10の外面に接する位置に第1の電極材料23と第2の電極材料24とが混合した混合層21が物理的蒸着法により形成されている。そして、該混合層21は、積層体10から離れるに従って第1の電極材料23に対する第2の電極材料24の混合率が漸小している。また、第1の電極材料23としては電気的特性が良好なものを選択し、第2の電極材料24としては積層体10への密着力が良好なものを選択している。このような構成により、物理的薄膜法を用いることによる外部電極の薄膜化と、第1の電極材料による良好な電気的特性と、第2の電極材料による良好な密着力という効果が得られる。
以上本発明の一実施の形態について詳述したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば上記実施の形態ではチップ状電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、他のチップ状電子部品でも本発明を実施することができる。すなわち本発明は、部品本体の材質等が不問であり、また外部電極の形状・数なども不問である。
また第1の電極材料23,第2の電極材料24として上記実施の形態で列挙したもの以外の材料を適宜選択してもよい。この場合、第1の電極材料23は、外部電極20の電気的特性に着目して材料選択されるのが好ましい。一方、第2の電極材料24は、外部電極20の積層体10への密着力に着目して材料選択されるのが好ましい。また、第1の電極材料23は第2の電極材料24よりも電気抵抗率が小さいものからなり、第2の電極材料24は第1の電極材料23よりも積層体10への物理的密着強度が高いものを用いる。
また上記実施の形態では第1の電極材料23と同一の材料からなる単一層22を備えていたが該単一層22は省略してもよい。
さらに上記実施の形態では物理的蒸着法の一例としてマグネトロンスパッタ方式を用いて混合層を形成することを例示したが、他の物理的蒸着法を用いても本願発明を実施することができる。
本発明の実施例について説明する。実施例Aとして以下に示す条件で外部電極20を形成したチップ状インダクタを用意した。第1の電極材料23:Cu,第2の電極材料24:Ti,混合層21の外層側には第1の電極材料のみの層を形成する,前記第1の形成方法により混合層21を形成する、部品サイズは2.0mm×1.25mm×1.0mm、外部電極は部品本体の長手方向両端部に形成する。
また比較例A1として物理的蒸着法で積層体の外面にCuのみを蒸着させて外部電極を形成したチップ状インダクタを用意した。比較例A2として物理的蒸着法で積層体の外面にTiを蒸着させた後にCuを蒸着させて外部電極を形成したものを用意した。なお部品サイズ・外部電極形状はそれぞれ実施例Aと同じである。
以上の実施例A,比較例A1及びA2について外部電極の固着力と電気抵抗値をそれぞれ測定して図6及び図7のグラフを得た。外部電極の固着力は、測定対象をプリント配線板に実装した後に、部品本体側面を水平横方向へ押し込み、部品本体から外部電極が剥離した力を示す。また電気抵抗値は、両外部電極間で測定した値である。図6及び図7に示すように、比較例A1は電気的特性は良好だが強度不足であり、比較例A2は強度は良好だが電気的特性がやや良好とは言えない。これに対して本発明に係る実施例Aは外部電極の固着力及び電気的特性の双方が良好であることが確認できた。
次に実施例Bとして実施例Aとして以下に示す条件で外部電極20を形成したチップ状インダクタを用意した。第1の電極材料23:Ni,第2の電極材料24:ホウ珪酸ガラス,混合層21の外層側には第1の電極材料のみの層を形成する,前記第1の形成方法により混合層21を形成する、部品サイズは2.0mm×1.25mm×1.0mm、外部電極は部品本体の長手方向両端部に形成する。
また比較例B1として物理的蒸着法で積層体の外面にNiのみを蒸着させて外部電極を形成したチップ状インダクタを用意した。比較例B2として物理的蒸着法で積層体の外面にホウ珪酸ガラスを蒸着させた後にNiを蒸着させて外部電極を形成したものを用意した。なお部品サイズ・外部電極形状はそれぞれ実施例Bと同じである。
以上の実施例B,比較例B1及びB2について外部電極の固着力と電気抵抗値をそれぞれ測定して図8及び図9のグラフを得た。測定環境は実施例Aと同様である。図8及び図9に示すように、比較例B1は電気的特性は良好だが強度不足である。一方、比較例B2はNi層とホウ珪酸ガラス層の界面で剥離が生じて強度を確保することが困難であり、そもそもホウ珪酸ガラス層により外部電極と内部導体引き出し部との導電性が確保できない。これに対して本発明に係る実施例Bは外部電極の固着力及び電気的特性の双方が良好であることが確認できた。
1…積層セラミックコンデンサ、10…積層体、11…内部電極層、12…誘電体層、20…外部電極、21…混合層、22…単一層、23…第1の電極材料、24…第2の電極材料、25…メッキ層、100,200,300…マグネトロンスパッタ装置、101,201,202,301…チャンバー、111,112,211,212,311…ターゲット

Claims (5)

  1. 内部電極が埋設された部品本体と該部品本体の外面に形成された外部電極とを備えたチップ状電子部品において、
    前記外部電極は少なくとも部品本体に接する部位において物理的蒸着法で形成されてなり且つ第1の電極材料と第2の電極材料とが混合された混合層を含み、該混合層は部品本体から離れるにしたがって第1の電極材料に対する第2の電極材料の混合率が漸小している
    ことを特徴とするチップ状電子部品。
  2. 前記外部電極は、前記混合層の外層に形成され且つ第1の電極材料のみで形成された単一層を含む
    ことを特徴とする請求項1記載のチップ状電子部品。
  3. 前記単一層と混合層とは同一の物理的蒸着過程において一体に形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載のチップ状電子部品。
  4. 前記混合層は1つのチャンバー内に配置した第1の電極材料からなる第1のターゲットと第2の電極材料からなる第2のターゲットを部品本体に蒸着させてなり、且つ、第1の電極材料又は第2の電極材料の何れか一方又は双方の成膜速度を可変させることにより混合率を制御してなる
    ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のチップ状電子部品。
  5. 前記第1の電極材料は第2の電極材料よりも電気抵抗率が小さいものからなり、前記第2の電極材料は第1の電極材料よりも部品本体への物理的密着強度が高いものからなる
    ことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のチップ状電子部品。
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