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JP2012227194A - Fpdモジュール組立装置及び時間認識方法 - Google Patents

Fpdモジュール組立装置及び時間認識方法 Download PDF

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JP2012227194A
JP2012227194A JP2011090718A JP2011090718A JP2012227194A JP 2012227194 A JP2012227194 A JP 2012227194A JP 2011090718 A JP2011090718 A JP 2011090718A JP 2011090718 A JP2011090718 A JP 2011090718A JP 2012227194 A JP2012227194 A JP 2012227194A
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Noriyuki Dairoku
範行 大録
Hideki Nomoto
秀樹 野本
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Hitachi High Tech Corp
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Abstract

【課題】表示基板又は表示基板に搭載する搭載部材に対して貼付けられたACFの接着性に対する信頼性を確保すること。
【解決手段】FPDモジュール組立装置は、表示基板に搭載する搭載部材に対してACFを貼付けるACF貼付部230と、表示基板又は表示基板に搭載される搭載部材に対してACFが貼付けられてからの経過時間を認識する時間認識装置600を備える。そして、経過時間を認識する際には、例えば、タイムスタンプ、各装置の処理時間又は処理時間の総和、処理ステータスが用いられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)の表示基板に電子部品を実装するFPDモジュール組立装置及び時間認識方法に関するものである。
FPDとしては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどがある。このFPDにおける表示基板の周縁部には、駆動ICの搭載や、COF(Chip on Film)、FPC(Flexible Printed Circuit)などのTAB(Tape Automated Bonding)接続が行われる。また、表示基板の周辺には、例えば、PCB(Printed Circuit Board)などの周辺基板が実装される。その結果、FPDモジュールが組み立てられる。
以下の説明で「搭載部材」と称する電子部品は、その詳細形状や部材の厚さの差異などで、TCP(Tape Carrier Package)と呼称されたり、COFと呼称されたりする。これらTCPやCOFは、スプロケット穴を有する長尺のポリイミドフィルムに配線を施したFPCに、ICチップを搭載し、FPCを切り出して構成されたものであり、実装する上での差異はない。また、パネルの設計によってはICチップなしのFPCのみを実装する場合もある。FPDの実装組立工程においては、これらの部品に実質上の差異はない。
FPDモジュール組立ラインは、複数の処理作業が行われる工程を順次行なうことで、FPDの表示基板における周縁部及び周辺に、搭載部材を実装する装置である。
FPDモジュール組立ラインにおける処理工程の一例としては、(1)基板端部の搭載部材貼付け部を清掃する端子クリーニング工程と、(2)清掃後の表示基板端部に異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を貼り付けるACF工程がある。また、(3)表示基板のACFを貼り付けた位置に、搭載部材を位置決めして搭載する搭載工程と、(4)搭載した搭載部材を加熱圧着してACFにより固定する圧着工程がある。さらに、(5)搭載部材の表示基板側と反対側に、予めACFを貼り付けたPCBを貼付け搭載するPCB工程がある。なお、PCB工程は、複数の工程からなっている。
このような処理装置群による一連の工程を経ることによって、表示基板上の電極と搭載部材に設けた電極との間を熱圧着し、ACF内部の導電性粒子を介して両電極の電気的な接続が行われる。なお、圧着工程を終えると、ACF基材樹脂が硬化するため、両電極の電気的な接続と同時に、表示基板と搭載部材が機械的にも接続される。
なお、ACFは、接合する部材のどちらか一方に予め貼り付けられていればよい。例えば、上記ACF工程の別な例では、ACFを搭載部材の側に予め貼り付けている。また、表示基板モジュール組立ラインには、処理する表示基板の辺の数、処理する搭載部材の数、各処理装置の数などに応じて、表示基板を回転する処理装置などが必要となる。
ACFを搭載部材に貼り付けてから、その搭載部材を表示基板に仮圧着するFPDモジュール組立装置は、例えば、特許文献1乃至3に記載されている。
特許文献1には、キャリヤテープ部品のアウタリードに離型紙で表面が覆われた異方性導電膜を貼付ける技術が開示されている。
特許文献2には、TCPを液晶ディスプレイに実装・搭載する直前に異方性導電フィルムを当該TCPに貼り付ける技術が開示されている。
特許文献3には、仮圧着工程の直前でTCPやCOF等の電子部品の基板側/パネル側の2辺に同時にACFを貼り付ける技術が開示されている。
特開平4−352442号公報 特開平7−74208号公報 特開2008−16594号公報
特許文献3に記載されているように、ACF貼付け装置が、例えば、PCB(基板)接続用のACFを搭載部材に貼付けるように構成されると、PCB接続ユニットでは搭載部材にACFを貼る装置が不要となり、PCB接続ユニットの構成を簡略化できる。
しかし、PCB(基板)接続用のACFを搭載前に貼付けると、PCB接続用のACFにPCBを貼付けるまでの間、表示基板に搭載部材を仮圧着する工程や表示基板に搭載部材に本圧着する工程等を経由することになる。このため、搭載部材に予め貼られたPCB接続用のACFの表面は、PCB接続ユニットにおいて実際にPCBが貼られるまでの間、空気中にさらされた状態となる。そして、FPDモジュール組立ラインのプロセス中において、表示基板に搭載される搭載部材に貼付けられたPCB接続用のACFに、実際にPCBを貼付けるまでに要する時間が長くなると、空気中にさらされたPCB接続用のACFの接着性が低下してしまう。この結果、PCB接続用のACFを用いて搭載部材に本圧着されたPCBがはがれやすくなるおそれがあった。同様のことは、表示基板に直接ACFが貼付けられた場合においても言える。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、表示基板又は表示基板に搭載する搭載部材に対して貼付けられたACFの接着性に対する信頼性を確保したFPDモジュール組立装置及び時間認識方法を提供することにある。
本発明のFPDモジュール組立装置は、表示基板又は表示基板に搭載する搭載部材に対してACFを貼付けるACF貼付装置と、表示基板又は表示基板に搭載される搭載部材に対してACFが貼付けられてからの経過時間を認識する時間認識装置と、を備えている。
また、本発明の時間認識方法は、表示基板又は表示基板に搭載する搭載部材に対してACFを貼付けるステップと、表示基板又は表示基板に搭載される搭載部材に対してACFが貼付けられてからの経過時間を認識するステップと、を含む。
そして、経過時間を認識する際には、例えば、タイムスタンプ、各装置の処理時間又は処理時間の総和、処理ステータスが用いられる。
本発明によれば、表示基板又は表示基板に搭載される搭載部材に対してACFが貼付けられてからの経過時間を認識することによって、空気中に長時間さらされ、接着性が低下したACFがFPDモジュール組立ラインに存在することを把握し、適切な措置をとることができる。このため、経過時間が長期化した場合であっても、ACFの接着性に対する信頼性を確保することができ、生産されるFPDモジュールの不良品を極力少なくすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立装置によって組み立てられるFPDモジュールの概略構成を示す平面図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態を示すFPDモジュール組立ラインのフロアレイアウト図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態を示すFPDモジュール組立ラインのブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係る仮圧着ユニットを示す平面図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係るACF貼付部の構成概略図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係るACF貼付部の斜視図である。 図7Aは、本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係るACF貼付部で行われる電子部品の撮像における撮像領域を示す説明図、図7Bは、ACF貼付部において行われる搭載部材の画像測定を説明する説明図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係る時間認識装置を示すブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係る各ユニットの処理時間と、時間認識装置が認識する経過時間との関係を示すタイムチャートである。 本発明のFPDモジュール組立装置の第2の実施の形態を示すFPDモジュール組立ラインのブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第2の実施の形態に係る時間認識装置を示すブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第2の実施の形態に係る各ユニットの処理時間と、時間認識装置が認識する経過時間との関係を示すタイムチャートである。 本発明のFPDモジュール組立装置の第3の実施の形態を示すFPDモジュール組立ラインのブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第3の実施の形態に係る時間認識装置を示すブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第4の実施の形態を示すFPDモジュール組立ラインのブロック図である。 本発明のFPDモジュール組立装置の第4の実施の形態に係る時間認識装置を示すブロック図である。
以下、本発明に係るFPDモジュール組立装置を実施するための形態について、図面を参照して以下の順序で説明を行う。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態(タイムスタンプを用いた時間認識の例)
2.第2の実施の形態(処理時間を累積する時間認識の例)
3.第3の実施の形態(処理ステータスを用いた時間認識の例)
4.第4の実施の形態(ユニット毎に行う時間認識の例)
1.第1の実施の形態
始めに、本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態について、図1〜図9を参照して説明する。
[FPDモジュール]
まず、FPDモジュールについて、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立装置によって組み立てられるFPDモジュールの概略構成を示す平面図である。
FPDモジュール7は、表示基板1の周縁部に複数の搭載部材2をACF接合により接続するとともに、表示基板1の1つの長辺に接続される搭載部材2にPCB6をACF接続して構成される。搭載部材2は、扁平な長方形のポリイミドフィルムに銅箔による印刷回路(不図示)を施したFPC(Flexible Printed Circuit)4に、ICチップ5を搭載してなる電子部品である。ICチップ5は、FPC4の略中央に実装されている。FPC4の下面には、印刷回路が設けられており、長手方向の両側(2つの長辺)にアウタリード端子(不図示)が設けられている。
搭載部材2の品種によっては、ICチップ5が下面側にある場合(COFタイプ)や、ICチップがない場合(FPCタイプ)などもある。図1には、例としてICチップ5をFPC4の穴にはめ込んだ形式が示されている。また、搭載部材2やPCB6は、接続部位により回路的には相互に差異があるが、搭載及び実装の説明には区別する必要がないので、同じものとして図示している。
[FPDモジュール組立ライン]
次に、本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態であるFPDモジュール組立ラインについて、図2を参照して説明する。図2は、FPDモジュール組立ライン全体を示すフロアレイアウト図である。
FPDモジュール組立ライン10は、表示基板1を受け入れる受け入れ装置としての受け入れユニット100、表示基板1に搭載される搭載部材2にACF3a(図6参照)を貼付けるACF貼付装置としてのACF貼付部230を含み、ACF3aを介して搭載部材2を表示基板1に仮圧着する仮圧着装置としての仮圧着ユニット200、仮圧着された搭載部材2を表示基板1に本圧着する本圧着装置としての本圧着ユニット300、搭載部材2に貼付けられたPCB接続用のACF3aにPCB6を本圧着して接続するPCB接続装置としてのPCB接続ユニット400及び、表示基板1を搬送する搬送装置としての搬出ユニット500から構成されている。
ACF貼付部230は、表示基板1に搭載部材2を仮圧着する前に、PCB接続用のACF3aを搭載部材2に貼り付ける。PCB接続ユニット400は、搭載部材2が表示基板1に本圧着された後の搭載部材2にPCB接続用のACF3aを介してPCB6を接続する。時間認識装置600は、各ユニットに設けられる各タイマから受け取る「処理情報」に基づいて、表示基板1に搭載される搭載部材2に対してPCB接続用のACF3aが貼付けられた後の経過時間を認識する。本例では、表示基板1に搭載される搭載部材2に対してACF3aが貼付けられてから、PCB接続ユニット400が搭載部材2にACF3aを介してPCB6を本圧着する前までの時間を「経過時間」としている。時間認識装置600の構成については、図3を参照して後述する。
各ユニットは、フレーム103、203、303、403及び503を有している。各フレームの操作面側には、搬送レール101、201、301、401及び501が設けられており、隣り合う搬送レールが連結されている。
搬送レール101、201、301及び401は、搬送ステージ102、202、302及び402を移動可能に支持している。これら搬送ステージ102、202、302及び402は、次のユニットの作業位置まで表示基板1を搬送する。なお、最後の搬出ユニット500には、表示基板1を受け取る装置が別途設けられるが、搬出ユニット500からの搬出は、一般に工場ごとに仕様が異なるので、ここでは省略してある。
仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400の作業位置には、表示基板1の作業辺を載せる基準バー204、304及び404が設けられている。これら基準バー204、304及び404は、表示基板1の作業辺を吸着し、表示基板1の平坦化を行う。これら基準バー204、304及び404は、各ユニット200、300及び400の後端支え(不図示)と共に作業中の表示基板1を安定して保持する。
仮圧着ユニット200は、表示基板1の一方長辺と両短辺の3辺に搭載部材2(図1参照)をACF3aによって仮圧着する。この搭載部材2を仮圧着する構成については、後で詳しく説明する。
本圧着ユニット300は、3つの本圧着部320A,320B及び320Cを有し、表示基板1の3辺に搭載された搭載部材2の圧着作業を同時に行う。3つの本圧着部320A,320B及び320Cは、上刃を有する本圧着ヘッドと、下刃とを備えている。上刃及び下刃は、ヒータにより加熱されており、搭載部材2を加熱加圧して表示基板1に接続する。
搭載部材2を表示基板1に本圧着するには、搭載部材2を仮圧着した表示基板1を下側から下刃で支えつつ、上刃で加圧する。上刃により加圧されたACF3aは、例えば、190℃で5秒間加熱されて熱硬化する。
この本圧着ユニット300では、表示基板1の両短辺に仮圧着されたゲート側の搭載部材2を本圧着する本圧着部320B,320Cを左右方向(ユニットが並ぶ方向)へ移動させる移動機構が必要になる。しかしながら、最もタクトタイムの長い本圧着作業において、3つの辺の本圧着作業を同時に実施できるので、全工程を通じて処理の開始から終了までに要する時間(アラウンドタイム)を短くすることができるという利点がある。
PCB接続ユニット400は、表示基板1の長辺に接続されたソース側の搭載部材2にPCB6を接続する。PCB接続ユニット400は、PCB供給装置430と、移載装置450と、本圧着部460を備えている。
移載装置450は、PCB供給装置430から供給されたPCB6を1枚ずつ本圧着部460に搬送する。そして、本圧着部460は、PCB6を加圧加熱して複数のソース側の搭載部材2に接続する。
[時間認識装置]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立装置を示すブロック図である。
FPDモジュール組立ライン10は、仮圧着ユニット200,ACF貼付部230,本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400に、工程毎に計時した処理時間が含まれる「処理情報」を出力するタイマ200t,230t,300t,400tを備える。
また、FPDモジュール組立ライン10は、上述したように経過時間を認識する時間認識装置600と警告部601を備えている。警告部601は、表示基板1に搭載される搭載部材2にACF3aが貼付けられたままの状態でACF3aにPCB6が本圧着されない状態が続き、経過時間が後述する許容時間を超えている場合に、オペレータにアラームを報知する。
各タイマは、ACF貼付部230に必ず設置されると共に、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300、PCB接続ユニット400のうち、少なくともいずれかのユニットに設置され、表示基板1に対して各ユニットが行う処理のうち、経過時間に含まれる処理が終了したタイミング(ただし、PCB接続ユニット400に関しては本圧着される前までのタイミング)の時間をタイムスタンプとして含む処理情報を時間認識装置600に送る。そして、時間認識装置600は、各タイマから受け取った処理情報より、表示基板1の識別情報(以下、「ID」という。)に関連づけられるタイムスタンプに基づいて経過時間を認識する。表示基板1は、IDによって、1枚毎に識別される。
タイマ200tは、表示基板1が仮圧着ユニット200に搬入された後、ACF貼付部230によってACF3aが貼付けられた表示基板1が本圧着ユニット300に搬出される工程の終了時点で付されるタイムスタンプを処理情報に含ませ、この処理情報を時間認識装置600に送る。以下の説明において、各タイマが出力する処理情報には、表示基板1のIDに加えてユニット毎のIDも含まれる。
タイマ230tは、ACF貼付部230に設置され、最初の搭載部材2にACF3aが貼付けられたタイミングの時間をタイムスタンプとして処理情報に含ませ、この処理情報を時間認識装置600に送る。
タイマ300tは、表示基板1が本圧着ユニット300に搬入され、表示基板1に貼付けられたACF3aが本圧着された後、PCB接続ユニット400に搬出される工程の終了時点で付されるタイムスタンプを処理情報に含ませ、この処理情報を時間認識装置600に送る。
タイマ400tは、表示基板1がPCB接続ユニット400に搬入された後、本圧着される前までの予想処理時間を考慮して付されるタイムスタンプを処理情報に含ませ、この処理情報を時間認識装置600に送る。これにより、接着性が低下したACF3aにPCB6を本圧着する前にオペレータにアラームを出力し、オペレータによるACF3aのチェックを受けることが可能となる。このため、接着性が低下したACF3aに誤って本圧着されたPCB6を含む不良品の発生を予防することができる。
なお、各ユニットの運用開始時には、タイマ200t,230t,300t,400tの日時が合っていない。このため、時間認識装置600は、現在の日付及び時刻を地方標準時(Local Standard Time)に従って合わせた上で、この日付及び時刻が含まれる基準時をタイマ200t,230t,300t,400tに配信することにより、各タイマの日付及び時刻を一致させている。
ここで、タイマ200t,230t,300t,400tについて説明する。
タイマ200t,230t,300t,400tは、工程毎に計時するタイミングとして設定されている処理が完了したタイミングを基準時に従って計時する場合と、工程毎に表示基板1が処理される時間を集計する場合がある。
基準時に従って処理が完了したタイミングを計時する場合には、例えば、仮圧着ユニット200について見ると、タイマ200tは、「2011年3月1日10時10分15秒」のように、処理が終了した時間をタイムスタンプとして表示基板1のIDに関連づける。そして、タイマ200tは、表示基板1のIDとタイムスタンプが含まれる処理情報を時間認識装置600に通知する。これにより、時間認識装置600は、仮圧着ユニット200が表示基板1に対する処理を完了したタイミングが何年何月何日何時何分何秒であったかを認識する。
一方、ユニット毎に表示基板1の処理時間を計時する場合には、例えば、タイマ200tは、0秒から計時を開始し、処理中の経過時間をカウントアップした後、仮圧着ユニット200における処理が終了した時点までに要した時間を表示基板1のIDに関連づけ、処理情報として時間認識装置600に通知する。これにより、時間認識装置600は、仮圧着ユニット200が表示基板1に行う処理の開始から終了までに要した時間を認識する。このようなタイマを使って経過時間を認識する時間認識装置については、第2の実施の形態に係るFPDモジュール組立ライン11(図10〜図12参照)として後述する。
ここで、FPDモジュール組立ライン10は、連休、ユニットの故障、部品の不足等によって長時間運用が停止する場合がある。このとき、PCB6の接続に用いられるACF3aが空気中にさらされたままとなる。上述したようにACF3aが長時間空気中にさらされているとACF3aの接着性が低下するため、接着性が低下したACF3aが搭載部材2に貼付けられている表示基板1を確実に検出することが求められる。検出された表示基板1は次工程に流さないように運用されるため、例えば、表示基板1を廃棄したり、搭載部材2からACF3aを剥がして、新たにACF3aを貼り直したりすることが可能となる。本例では、タイムスタンプを表示基板1のIDに関連づけた処理情報を用いてACF3aの経過時間を認識する場合について、後に図8と図9を参照して説明する。
ACF貼付部230によって複数の搭載部材2の各々にACF3aが貼付けられ、ACF3aが貼付けられた複数の搭載部材2が表示基板1に貼り付けられる場合に、時間認識装置600は、最初の搭載部材2にACF3aが貼付けられるタイミングの時間を処理時間の開始とし、全てのACF3aが貼付けられたタイミングでタイムスタンプを付す。このとき、タイマ230tは表示基板1に付されたIDにタイムスタンプを関連づけた上で、このIDとタイムスタンプが含まれる処理情報を時間認識装置600に送る。同様に、タイマ200t,300tは、時間認識装置600に送られたIDが付された表示基板1に対して各工程で行われる処理が完了するタイミングで付されるタイムスタンプをIDに関連づけた上で、このIDとタイムスタンプが含まれる処理情報を時間認識装置600に送る。ただし、PCB接続ユニット400においてタイマ400tは、PCB6の本圧着前に付されるタイムスタンプを処理情報に含ませて時間認識装置600に送る。時間認識装置600は、タイマ200t,230t,300t,400tから受け取った処理情報より表示基板1のIDとタイムスタンプを読み出し、表示基板1に付されたACF3aにPCB6が本圧着される前までに要する経過時間を認識する。
そして、表示基板1に搭載される搭載部材2に長時間ACF3aが貼り付けられている場合に、接着性が低下した可能性があるACF3aがライン上に存在することを、警告部601からのアラームによってオペレータに報知する。このアラームは、時間認識装置600が実行する処理を時間と共に記録するログに記録されるため、オペレータが処置を行う際にはログによってアラームの原因が把握される。
以下の説明では、空気中にさらされたACF3aの接着性が保たれる時間を「許容時間」と呼ぶ。そして、PCB6の本圧着が行われる前に、経過時間が許容時間を超えた場合には、警告部601がオペレータコールとしてアラームを報知する。なお、オペレータコールには、例えば、不図示の表示灯を点灯させたり、各ユニットの動作を一時停止させたり、オペレータに異常が発生した旨を記したメールを発信したり、不図示のスピーカよりブザー音を鳴動させたりする処置が想定される。
オペレータコールを受けたオペレータは、速やかに対策を行う。例えば、オペレータが各ユニットの状態を確認した上で、ACF3aの接着性の低下が懸念される場合には、FPDモジュール組立ラインの工程途中に滞留している表示基板1からACF3aが貼られた搭載部材2を剥離する再生工程に回す処理を行うことで不良品の発生を回避する処置がとられる。その他の実施例として、ACF3aの接着性の低下は長時間空中にさらされたことによる、樹脂成分の流動性が低下したことが原因と考えられる場合がある。このため、警告部601によってアラームが報知された場合に、時間認識装置600は、PCB接続ユニット400に対して、経過時間が所定の時間を超えていない場合における既存の処理よりも、加圧力を高める処理、加圧時間を長くする処理、又は圧着温度を上げる処理のうち、少なくともいずれか1つを含む処理に既存の処理を変更することができる。これにより、表示基板1を別のラインに移動することなく、既存のプロセスに含まれる処理を自動的に補正することによって、FPDモジュールの品質を維持することが可能となる。
[仮圧着ユニット]
図4は、本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係る仮圧着ユニット200を示す平面図である。図5は、第1の実施の形態に係るACF貼付部230の構成概略図である。
図4に示すように、仮圧着ユニット200は、搭載部材供給部220と、ACF貼付部230と、搭載部280を備えている。搭載部材供給部220は、リール221と、リール221を回転させるリール送り機構222と、打ち抜き機構223を備えている。
表示基板1に搭載する搭載部材2は、長尺のリボン状フィルムとしてリール221に巻きつけられている。リール221は、リール送り機構222によって回転し、リボン状フィルムを規定ピッチで送り出す。打ち抜き機構223は、リール221によって送り出されたリボン状フィルムを打ち抜いて、搭載部材2を個別に切り出す。切り出された搭載部材2は、取り出し機構224(図5参照)によって取り出され、ACF貼付部230に供給される。
ACF貼付部230は、供給された搭載部材2の長手方向の一側(一方の長辺)にACFテープ3のACF3aを貼り付ける(後述する図6参照)。ACF貼付部230によりACF3aが貼り付けられた搭載部材2は、受け渡し部275に渡される。受け渡し部275は、X軸ガイド276に移動可能に支持されている。この受け渡し部275は、搭載部材2を搭載部280に渡す。
搭載部280は、表示基板1の長辺に搭載部材2を搭載する長辺搭載部280Aと、それぞれ表示基板1の短辺に搭載部材2を搭載する短辺搭載部280B,280Cから構成されている。これら長辺搭載部280A及び短辺搭載部280B,280Cは、受け渡し部275から搭載部材2を受け取る。
長辺搭載部280Aは、シャトルチャック281と、Y軸ガイド282と、X軸ガイド283と、搭載ブロック285と、X軸ガイド286と、カメラ部287を備えている。
シャトルチャック281は、受け渡し部275から搭載部材2を受け取る。このシャトルチャック281は、Y軸ガイド282に移動可能に支持されている。そして、Y軸ガイド282は、X軸ガイド283に移動可能に支持されている。これにより、シャトルチャック281は、水平方向に移動自在になっている。シャトルチャック281及びY軸ガイド282は、2つずつ設けられている。そして、2つのY軸ガイド282は、X軸ガイド283を共有している。
搭載ブロック285は、搭載ベース291と、搭載部材台292と、搭載ヘッド293と、受け渡しヘッド294からなっている。搭載ベース291は、X軸ガイド286に移動可能に支持されており、表示基板1の長辺における搭載位置に移動する。搭載部材台292、搭載ヘッド293及び受け渡しヘッド294は、搭載ベース291上に配置されている。
シャトルチャック281は、搭載ベース291に接近し、搭載部材台292に搭載部材2を渡す。受け渡しヘッド294は、搭載部材台292上の搭載部材2を搭載ヘッド293に渡す。搭載ヘッド293は、受け渡しヘッド294から供給された搭載部材2を表示基板1の搭載位置に仮圧着(搭載)する。この際、搭載ベース291の移動に先立って予め搭載位置の両端部下方に待機した一対のカメラ部287は、それぞれ2視野レンズを有し、表示基板1の搭載マークと搭載部材2の位置決めマークの撮像を行う。この画像測定により算出された位置決め誤差を搭載ヘッド293に送信し、搭載ヘッド293は、受信した個別調整値により搭載位置の調整(位置決め)を行いつつ搭載部材2を表示基板1に搭載している。
なお、長辺搭載部280Aの搭載ブロック285及びカメラ部287は、シャトルチャック281に対応して2組設けられている。そして、2つの搭載ベース291は、X軸ガイド286を共有している。
短辺搭載部280B,280Cは、長辺搭載部280Aと同様の構成を有している。つまり、短辺搭載部280B,280Cは、シャトルチャック281と、X軸ガイド296と、Y軸ガイド297と、搭載ブロック285と、Y軸ガイド298と、カメラ部(不図示)をそれぞれ備えている。
短辺搭載部280B,280Cのシャトルチャック281は、X軸ガイド296に移動可能に支持されており、X軸ガイド296は、Y軸ガイド297に移動可能に支持されている。短辺搭載部280B,280Cの搭載ベース291は、Y軸ガイド298に移動可能に支持されており、表示基板1の短辺における搭載位置に移動する。
表示基板1は、基準バー204に載置される際に、予め両端の基準マークをカメラ部287により撮影し、概略のアライメント調整を行った状態で渡される。しかし、表示基板1の寸法誤差による搭載位置のずれを避けるため、搭載ヘッド293による搭載においても、個々にアライメントを行う。
図5に示すように、ACF貼付部230は、搬入十字アーム260と、ACF貼付ブロック270と、搬出十字アーム262を備えている。
搬入十字アーム260は、4つのアーム片260aを備えており、ACF貼付ブロック270に搭載部材2を供給する。搬入十字アーム260の4つのアーム片260aは、それぞれ搭載部材2を真空吸着する搭載部材チャック261を有している。搬入十字アーム260は、約90度ずつ回転し、各アーム片260aを、取り出し位置、清掃位置、撮像位置及び載置・圧着位置に配置する。
搭載部材2の取り出し位置には、打ち抜き機構223と取り出し機構224が配置されている。この取り出し位置では、取り出し機構224の上下反転アーム224aが打ち抜き機構223から搭載部材2を取り出し、搭載部材チャック261に渡す。清掃位置には、ブラシ225が配置されている。この清掃位置では、ブラシ225が搭載部材チャック261に吸着された搭載部材2におけるACF3a(図6参照)を貼り付ける面を清掃する。
撮像位置には、第1の撮像カメラ226が配置されている。この撮像位置では、第1の撮像カメラ226が搭載部材チャック261に吸着された搭載部材2を下方から撮像し、搭載部材2の端部(ACF3aが貼り付けられる辺)の長さと、アライメントマーク256A,256B(図6参照)が検出される。載置・圧着位置には、ACF貼付ブロック270が配置されている。この載置・圧着位置では、搭載部材チャック261に吸着された搭載部材2がACF貼付ブロック270に渡される。ACF貼付ブロック270については、後で図6を参照して詳しく説明する。
搬出十字アーム262は、搬入十字アーム260と同様に、4つのアーム片262aを備えており、搭載部280に搭載部材2を供給する。搬出十字アーム262の4つのアーム片262aは、それぞれ搭載部材2を真空吸着する剥離チャック284を有している。搬出十字アーム262は、約90度ずつ回転し、各アーム片262aを、剥離位置、撮像位置、搬出位置及び待機位置に配置する。
剥離位置には、ACF貼付ブロック270が配置されている。この剥離位置では、ACF3a(図6参照)が貼り付けられた搭載部材2が剥離チャック284に吸着される。撮像位置には、第2の撮像カメラ227が配置されている。この撮像位置では、第2の撮像カメラ227が剥離チャック284に吸着された搭載部材2を下方から撮像する。第2の撮像カメラ227によって撮像された画像は、画像処理装置(不図示)に出力され、搭載部材2に対するACF3aの貼付状態が検査される。
搬出位置には、受け渡し部275(図4参照)が配置されている。この搬出位置では、撮像位置で撮像された画像に基づく検査によって合格と判定された搭載部材2が受け渡し部275に渡される。受け渡し部275は、供給された搭載部材2を搭載部280に渡す。待機位置では、搭載部材2を吸着していない剥離チャック284が待機している。なお、撮像位置における検査結果が不合格であった搭載部材2は、待機位置において廃棄され、不図示の回収部に回収される。
[ACF貼付ブロック]
次に、ACF貼付ブロック270について、図6を参照して説明する。図6は、第1の実施の形態に係るACF貼付部230の斜視図である。
図6に示すACF貼付ブロック270は、搬入十字アーム260から供給された搭載部材2の2つの辺にACFテープ3のACF3aを貼り付ける。このACF貼付ブロック270は、不図示の供給リールと、ガイドローラ241A,241B,241Cと、ベースフィルム回収部242と、第1のカッター刃294Aと、第2のカッター刃294Bを備えている。さらに、ACF貼付ブロック270は、ACFガイド246と、圧着刃247と、下受け248と、吸着受け249と、剥離ローラ251と、移動チャック252A,252Bと、固定チャック253を備えている。
第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bは、ACFテープ3の送り方向と平行な方向(ACFテープの長手方向)に適当な間隔をあけて配置されている。第1のカッター刃294Aは、第1のカッター刃駆動機構(不図示)により、上下方向と、ACFテープ3の長手方向に移動される。さらに、第1のカッター刃294Aは、第1のカッター刃駆動機構によりACFテープ3に対して角度が修正される。
第2のカッター刃294Bは、第1のカッター刃294Aと同様に、第2のカッター刃駆動機構(不図示)により、上下方向と、ACFテープの長手方向に移動される。また、第2のカッター刃294Bは、第2のカッター刃駆動機構によりACFテープ3に対して角度が修正される。このように第1及び第2のカッター刃駆動機構は、演算処理部(不図示)によって決定された切断位置でACFを切断する切断部として用いられる。
この第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bにより、ACFテープ3にハーフカットを施す。第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bの間には、中抜きアーム(不図示)が設けられている。この中抜きアームは、第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bによって形成される2つのハーフカット間の余分なACF3aを粘着テープに貼り付けて除去する。なお、ここで言うハーフカットとは、ACF層には切り込みを与え、ベースフィルム層は完全には切り離さず連続性を維持するような切込みを入れる加工のことである。
ACFガイド246は、表面を平滑に仕上げたステンレス製の部材であり、搭載部材チャック261に対向する表面にフッ素樹脂加工が施されている。これにより、ベースフィルム3bからはみ出したACF3aがACFガイド246に固着することがないようになっている。ACFガイド246は、ACFテープ3及びACFテープ3のACF3a上に載置される搭載部材2を移動可能に支持する。
なお、図6では、搬入十字アーム260のアーム片260aから搭載部材チャック261が離脱しているように示しているが、搭載部材チャック261は、アーム片260aに接続されて一体になっている。この搭載部材チャック261は、アーム片260aと共に下降され、ACFガイド246上に送り出されたACFテープ3のACF3aに搭載部材2を押し付ける。また、搭載部材チャック261及びACFガイド246には、ヒータが内蔵されており、搭載部材2及びACFテープ3を例えば70〜90℃で加熱する。
圧着刃247は、昇降機構(不図示)により下降され、下受け248との間に搭載部材2及びACFテープ3を挟んで、例えば2MPaで加圧する。また、圧着刃247及び下受け248のACFテープ3に対向する部分には、ヒータが内蔵されており、搭載部材2及びACFテープ3を例えば70〜90℃で加熱する。なお、搭載部材チャック261、ACFガイド246、圧着刃247及び下受け248の加熱温度と加圧力は、使用するACFの接着性に応じて適宜設定する。
移動チャック252A,252Bは、余分なACF3aが除去された2つのハーフカット間のベースフィルム3bをそれぞれ挟持する。これら移動チャック252A,252Bは、それぞれチャックベース255A,255Bに支持されている。チャックベース255A,255Bは、移動チャック252A,252BをACFテープ3の送り方向又は送り方向とは反対の方向へ1ピッチ分移動させる。また、固定チャック253は、ガイドローラ241Cとベースフィルム回収部242との間に配置されており、ACF3aから剥離されたベースフィルム3bを挟持する。
次に、ACF貼付ブロック270の動作について説明する。
ACFテープ3は、ガイドローラ241Aにより方向を変えられ、ACFガイド246上の定位置に配置される。ACFテープ3には、ACFガイド246に配置される前に、第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294BによってACFテープ3のハーフカットが施される。このとき、第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bは、第1の撮像カメラ226によって撮像された画像から検出された搭載部材2の端部(ACF3aが貼り付けられる辺)の長さ及び傾きに基づいて駆動制御される。これら第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bの駆動制御については、後で詳しく説明する。
搬入十字アーム260の搭載部材チャック261は、搭載部材2を真空吸着して搬送し、ACFガイド246に沿って延伸されたACFテープ3のACF3a上に載置して加圧する。このとき、搭載部材チャック261は、第1の撮像カメラ226によって撮像された搭載部材2のアライメントマーク256A,256Bに基づいて駆動され、ACF3aに対する搭載部材2の姿勢(X,Y,θ)を補正する。
上記のように、圧着刃247は、下受け248との間にある搭載部材2及びACFテープ3を挟んで、加圧する。一方、搬出十字アーム262の剥離チャック284は、吸着受け249に支持された搭載部材2を吸着する。そして、移動チャック252A,252Bは、それぞれベースフィルム3bを挟持し、固定チャック253は、ベースフィルム3bを開放する。
加圧を終えた搭載部材チャック261は、真空吸着を大気開放し、搭載部材2から離れる。また、加圧を終えた圧着刃247は、昇降機構によって上昇する。そして、チャックベース255A,255Bは、ベースフィルム3bを挟持した移動チャック252A,252Bを送り方向へ1ピッチ分移動させる。これにより、搭載部材2及びACFテープ3は、送り方向へ1ピッチ分送り出される。
このとき、剥離チャック284に吸着された搭載部材2に貼り付いているACF3aとベースフィルム3bとの間に剥離ローラ251が挿入され、ACF3aからベースフィルム3bが剥離される。
搭載部材2及びACFテープ3の送り出しが完了すると、固定チャック253は、ACF3aが剥離されたベースフィルム3bを挟持する。そして、移動チャック252A,252Bは、ベースフィルム3bを開放し、チャックベース255A,255Bによって送り方向とは反対の方向へ1ピッチ分移動する。
搬入十字アーム260と搬出十字アーム262は、約90度回転する。これにより、ACFガイド246の上方には、搬入十字アーム260の搭載部材チャック261に吸着された搭載部材2が配置される。また、搬出十字アーム262の剥離チャック284に吸着されたACF3aが貼り付いた搭載部材2は、撮像位置に移動され、吸着受け249の上方には、搭載部材2を吸着していない剥離チャック284が配置される。これにより、ACF貼付ブロック270の動作が一巡し、第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294BによるACFテープ3のハーフカットが行われる。
[カッター刃の駆動制御]
次に、ACF貼付部230における第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bの駆動制御について、図7を参照して説明する。図7Aは、ACF貼付部230において行われる搭載部材2の撮像における撮像領域を示す説明図である。図7Bは、ACF貼付部230において行われる搭載部材2の画像測定を説明する説明図である。
ACF貼付部230の第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bは、制御回路(不図示)によって駆動制御される。そして、ACF貼付部230では、画像処理装置(不図示)によって、端子部分Sの位置を検出する。また、搭載部材2の端部(ACF3aが貼り付けられる辺)の長さと端子部分に対する傾きを検出する。
第1の撮像カメラ226は、2視野レンズを有し、2つのアライメントマーク256A,256Bが設けられている搭載部材2の2つの角部を含む撮像領域T1,T2を撮像する。画像処理装置(不図示)は、2つのアライメントマーク256A,256Bによって、端子部分Sの位置を検出する。また、撮像領域T1における角領域M1と撮像領域T2における角領域M2から、搭載部材2の端部(ACF3aが貼り付けられる辺)の長さMを検出する。さらに、搭載部材2の送り方向(進行方向)の前後の辺の端子部分Sに対する傾きを検出する。
なお、本実施の形態に係る撮像部は、2視野レンズを有する第1の撮像カメラ226に限定されるものではなく、例えば、2つの撮像カメラとプリズムによって構成することもできる。この場合は、一方の撮像カメラがプリズムを介して撮像領域T1を撮像し、他方の撮像カメラがプリズムを介して撮像領域T2を撮像する。また、搭載部材の種類に応じて撮像領域T1,T2の位置を変更する場合は、2つの撮像カメラを固定してプリズムを移動させる、又はプリズムを固定して2つの撮像カメラを移動させることで対応できる。
演算処理部(不図示)は、端子部分Sの位置に基づいて、ACF3aに対する搭載部材2の姿勢(X,Y,θ)の補正値を決定する。また、搭載部材2の端部の長さMと、搭載部材2の送り方向(進行方向)の前後の辺の端子部分Sに対する傾きに基づいて、第1のカッター刃294Aと第2のカッター刃294Bによる切断位置を決定する。そして、第2のカッター刃294Bによる切断位置を記憶部(不図示)に記憶する。
駆動出力部(不図示)は、今回の画像測定に基づいて決定した第1のカッター刃294Aによる切断位置に基づいて駆動信号を生成し、不図示の第1のカッター刃駆動機構に出力する。第1のカッター刃駆動機構は、対応する搭載部材2が撮像位置にあるときに、受信した駆動信号に基づいて第1のカッター刃294Aを回転及び水平移動させる。
これにより、第1のカッター刃294Aは、対応する搭載部材2の送り方向の前側の辺と平行であって搭載部材2の端部の長さMに応じた位置に配置される。そして、第1のカッター刃駆動機構は、第1のカッター刃294Aを下降させ、ACF3aを切断する。
また、駆動出力部(不図示)は、対応する搭載部材2が載置・圧着位置(ACFガイド246の上方)に配置されたときに、第2のカッター刃264Bによる切断位置を記憶部から抽出する。そして、抽出した切断位置に基づいて駆動信号を生成し、不図示の第2のカッター刃駆動機構に出力する。第2のカッター刃駆動機構は、受信した駆動信号に基づいて第2のカッター刃294Bを回転及び水平移動させる。
これにより、第2のカッター刃294Bは、対応する搭載部材2の送り方向の後側の辺と平行であって搭載部材2の端部の長さMに応じた位置に配置される。そして、第2のカッター刃駆動機構は、第2のカッター刃294Bを下降させ、ACF3aを切断する。その結果、ACF3aを対応する搭載部材2に応じた長さに切断することができ、ACF3aを搭載部材2に高精度に貼り付けることができる。
図8は、本発明のFPDモジュール組立装置の第1の実施の形態に係る時間認識装置600を示すブロック図である。
時間認識装置600は、タイマ200t,230t,300t,400tから各工程で処理が完了したタイミング(ただし、PCB接続ユニット400は、PCB6の本圧着前のタイミング)で付されるタイムスタンプと、このタイムスタンプに関連づけられた表示基板1のID等が含まれる処理情報を収集する情報収集部602を備える。また、表示基板1の種類毎に許容時間を保存する許容時間データベース603を備える。また、ACF3aが空気中にさらされている時間が許容時間を超えたか否かを判断する判断部604を備える。判断部604は、ACF3aが空気中にさらされている時間を判断する際に、許容時間データベース603から読み出した許容時間と、情報収集部602が収集した表示基板1のタイムスタンプより把握した経過時間を比較する。
また、時間認識装置600は、不図示の外部ネットワークから受け取った標準時(本例では、地方標準時)に合わせて年月日時分を含み、FPDモジュール組立ライン10で基準の時間として用いられる基準時の情報を修正し、基準時を保持すると共に、判断部604と各タイマに基準時を配信する基準時保持部605を備える。各タイマが保持する基準時は、基準時保持部605から受け取った基準時に合わせられる。
なお、上記の警告部601,情報収集部602,判断部604,基準時保持部605は、コンピュータのような演算処理装置で実行されるプログラムとして構成してもよいし、機能ブロック毎に対応する処理機構を備えてもよい。また、許容時間データベース603は、メモリ、HDD等に格納してもよいし、判断部604のプログラム内に許容時間のテーブルを書き込んでおくようにしてもよい。
図9は、各ユニットの処理時間と、時間認識装置600が認識する経過時間との関係を示すタイムチャートを示す。図9Aは、FPDモジュール組立装置の通常の運用状態を示す。図9Bは、仮圧着ユニット200による処理が行われた後、次工程の処理が停止している状態を示す。
図9Aに示すように、通常の運用であれば、仮圧着ユニット200、ACF貼付部230、本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400は、それぞれ所定の処理時間で表示基板1に対する処理を行って、次工程に表示基板1を渡す。図9において、各ユニットの処理時間を示す矩形枠の右上に付した逆三角形は工程毎に行われる処理の終了時間を示すタイムスタンプを表す。ただし、この逆三角形は、ACF貼付部230においては表示基板1に最初に貼付けられる搭載部材2にACF3aが貼付けられた処理時間を表し、PCB接続ユニット400においては、PCB6が本圧着される前の処理時間を示すタイムスタンプとして表す。本例では、ACF貼付部230によって、表示基板1に最初に貼付けられた搭載部材2にACF3aが貼付けられた後、数時間程度をACF3aの接着性が低下しない許容時間に定めている。ACF貼付部230からPCB接続ユニット400によってPCB6が本圧着される前までに要した処理時間は時間認識装置600が認識する経過時間として表され、この経過時間は許容時間内に収まるため、空気中にさらされたACF3aの接着性が低下するほどの経過時間は発生していないことが分かる。
図9Bに示すように、本例では、ACF貼付部230により、表示基板1にACF3aの貼り付けが行われ、仮圧着ユニット200によって仮圧着が行われた後、次工程である本圧着ユニット300の処理が停止している。ここで、タイマ200t,230tによって、工程毎に処理が完了した時間が処理情報にタイムスタンプとして付されるものの、この表示基板1は、本圧着ユニット300による処理がなされていないため、当然PCB接続ユニット400による処理もなされていない。上述したように、時間認識装置600は、ACF貼付部230によって、表示基板1に搭載される最初の搭載部材2にACF3aが貼付けられたタイミングで付されたタイムスタンプが含まれる処理情報と、仮圧着ユニット200のタイマ200tによって表示基板1が本圧着ユニット300に搬出される工程が終了したタイミングで付されたタイムスタンプが含まれる処理情報に基づいて経過時間を認識する。そして、図9Bに示すように、時間認識装置600が認識する経過時間が許容時間を超えている場合、時間認識装置600は、ACF3aの接着性が低下したものとみなし、PCB6が本圧着される前に警告部601がオペレータに警告を行う。
また、時間認識装置600は、経過時間が許容時間を超えている場合に、ACF3aが貼付けられている表示基板1を排除する指示をアラームに含めて行う。これにより、オペレータは、許容時間を超えてFPDモジュール組立ライン10に滞留していた、ACF3aが貼られた表示基板1をラインから排除する等の処置を取ることができる。なお、アラームを報知すると共に、不図示の搬送装置によって自動的に表示基板1を排除してもよい。
以上説明した第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立装置によれば、時間認識装置600により搭載部材2のPCB側にACF3aが貼られてから、このACF3aにPCB6が本圧着される前までの経過時間を認識し、この経過時間と許容時間を比較することにより、接着性が低下したACF3aを識別することができる。このとき、時間認識装置600は、経過時間を認識する際に工程毎に付されるタイムスタンプと表示基板1のIDを用いるため、対応を要する表示基板1を確実に識別することができる。
このため、時間認識装置600は、空気中に長時間さらされ、接着性が低下したACF3aが貼られた表示基板1がFPDモジュール組立ラインに存在することを把握することができ、オペレータは、PCB6が本圧着される前に、この表示基板1を排除したり、既存のプロセスを補正したりする等の適切な措置をとることができる。例えば、警告部601がアラームを報知することにより、オペレータコール(表示灯、機器一時停止、メール発信、ブザー鳴動など)を行い、オペレータに対策を促すことができる。オペレータが確認した結果、ACF3aの接着性の低下が懸念される場合は、例えば、工程の途中で滞留していた表示基板1からACF3aが貼付けられた搭載部材2(例えば、COF)を剥離する再生工程に表示基板1を移す処理を行うことで、FPDモジュール組立ライン10から接着性が低下したACF3aが貼り付けられた表示基板1を取り除く。これにより、接着性が低下したPCB接続用のACF3aにPCB6が接続されることを防止することができ、経過時間が長期化した場合であっても、ACFの接着性に対する信頼性を確保することができる。また、時間認識装置600によりPCB接続用のACF3aの処理中の経過時間を認識し、適切な措置をとることで、経過時間の長期化を防ぎ、不良品の生産を極力少なくすることができる。
2.第2の実施の形態
次に、本発明のFPDモジュール組立装置の第2の実施の形態について、図10〜図12を参照して説明する。図10は、本発明のFPDモジュール組立装置の第2の実施の形態を示すFPDモジュール組立ライン11のブロック図である。
FPDモジュール組立ライン11の主要な構成は上述した第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立ライン10と同様である。ただし、FPDモジュール組立ライン11は、仮圧着ユニット200,ACF貼付部230,本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400がそれぞれ表示基板1に対して処理に要した処理時間を計時するタイマ210t,231t,310t,410tを備え、これらの処理時間の総和を経過時間として認識する時間認識装置610を備える。つまり、第1の実施の形態に係るタイマ200t,230t,300t,400tは、それぞれ基準時を有し、この基準時から得られる処理が何時何分何秒に完了したかをタイムスタンプとして表示基板1のIDに関連づけたが、本例のタイマ210t,231t,310t,410tは、表示基板1に対する処理に要した時間が何秒間であったかを計時し、時間認識装置610は、これらの処理時間を累積した総和の処理時間を経過時間として認識する点が第1の実施の形態とは異なる。
図11は、本発明のFPDモジュール組立装置の第2の実施の形態に係る時間認識装置610を示すブロック図である。
時間認識装置610は、ACF貼付部230、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400にそれぞれ設置されるタイマが計時した、表示基板1に対して各ユニットが行う処理の開始からワーク排出までに要する処理時間を受け取る。そして、時間認識装置610は、各タイマから受け取った処理時間の総和を経過時間として認識する。
具体的には、時間認識装置610は、タイマ210t,231t,310t,410tから各工程で処理がなされた処理時間と表示基板1のIDを含む処理情報を収集する情報収集部602と、ACF3aの許容時間を格納する許容時間データベース603を備える。なお、PCB接続ユニット400に設置されるタイマ410tは、PCB接続ユニット400にPCB6が搬入された後、PCB6が本圧着される前までの時間を処理時間として時間認識装置610に出力する。
また、時間認識装置610は、表示基板1のID毎に情報収集部602が収集した処理時間を経過時間として累積する時間累積部606と、経過時間が許容時間データベース603から読み出した許容時間を超えているか否かを判断する判断部607を備える。判断部607は、経過時間が許容時間を超えていると判断した場合、警告部601に対して、オペレータにアラームを報知する指示を行う。
時間認識装置610では、上述した第1の実施の形態に係る基準時保持部605は不要である。なぜなら、タイマ210t,231t,310t,410tは、それぞれ基準時に関係なく工程毎に要した処理時間を計時するものであり、基準時保持部605は、タイマ210t,231t,310t,410tに対して基準時を配信する必要がないためである。また、判断部607についても、経過時間と許容時間を比較する際に基準時を用いないため、基準時保持部605は不要である。
図12は、各ユニットの処理時間と、時間認識装置610が認識する経過時間との関係を示すタイムチャートを示す。図12Aは、FPDモジュール組立装置の通常の運用状態を示す。図12Bは、仮圧着ユニット200による処理が行われた後、次工程の処理が停止している状態を示す。
図12Aに示す通常の運用状態では、時間認識装置610は、表示基板1に搭載される搭載部材2にACF3aが貼付けられた後、許容時間内にPCB接続ユニット400がPCB6を本圧着する前までの経過時間を認識する。ここで、上述した図9Aとは異なり、図12Aでは各工程の処理が終了してもタイムスタンプが付されない。すなわち、各工程の処理時間が処理情報として時間認識装置610に送られるだけである。
図12Bに示すように、本例では、仮圧着ユニット200における処理が終わった後、本圧着ユニット300に表示基板1が搬送される。しかし、本圧着ユニット300の動作が停止していると、搬送された表示基板1に対して何ら処理がなされない。このとき、タイマ310tは、表示基板1を受け入れたタイミングで処理時間の計時を開始し、本圧着処理がなされるまで計時を継続する。この計時された処理時間を含む処理情報は、ACF貼付部230、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300において、それぞれ時間認識装置610にリアルタイムで送られる。なお、通常であれば各タイマはユニットの電源がオフされても独立して計時することが可能である。このため、FPDモジュール組立ライン11全体の処理が停止していたとしても、処理が再開したときにタイマから時間認識装置610に処理情報が送られることにより、時間認識装置610は経過時間を認識することができる。
時間認識装置610が備える時間累積部606は、情報収集部602が各ユニットから収集した処理情報より、IDによって特定される表示基板1に対する各工程の処理時間を累積し、この累積した処理時間を経過時間とする。そして、判断部607は、許容時間データベース603から読み出した許容時間と経過時間を比較し、経過時間が許容時間を超えた場合に、警告部601に対してアラーム報知の指示を出す。
以上説明した第2の実施の形態に係る時間認識装置610によれば、各ユニットが計時した処理時間を累積した経過時間が許容時間を超えた場合にアラームを報知する。このため、オペレータは、経過時間が許容時間を超えた時点で表示基板1に貼付けられたACF3aの接着性が低下したことを知ることができ、PCB6が本圧着される前に、この表示基板1をFPDモジュール組立ライン11から除く等の処置を速やかに行うことできる。
3.第3の実施の形態
次に、本発明のFPDモジュール組立装置の第3の実施の形態について、図13と図14を参照して説明する。図13は、本発明のFPDモジュール組立装置の第3の実施の形態を示すFPDモジュール組立ライン12のブロック図である。
FPDモジュール組立ライン12の主要な構成は上述した第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立ライン10と同様である。ただし、本例では、ACF貼付部230と、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300、PCB接続ユニット400はタイマを備えていない。このため、ACF貼付部230、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300、PCB接続ユニット400は、それぞれ表示基板1に対する所定の処理が開始又は終了したことを示す処理ステータスを表示基板1のIDと共に処理情報として時間認識装置611に送ることを特徴とする。ただし、ACF貼付部230においては、表示基板1に最初に貼付けられる搭載部材2にACF3aが貼付けられたとき、ACF3aが貼付けられたことを示す処理ステータスを時間認識装置611に送る。PCB接続ユニット400においては、PCB6の本圧着前に、PCB6が本圧着される前であることを示す処理ステータスを表示基板1のIDと共に処理情報として時間認識装置611に送るものとする。そして、時間認識装置611は、各ユニットから送られる処理ステータスに基づいて、表示基板1の処理時間を工程毎に把握し、表示基板1の経過時間を認識することができる。
図14は、時間認識装置611の内部構成例を示すブロック図である。
時間認識装置611は、警告部601、許容時間データベース603、基準時保持部605に加え、各ユニットから受け取った工程毎の処理ステータスに基づいて、IDによって特定される表示基板1に対する処理時間を判断する判断部608を備える。本例では、搭載部材2に貼られたACF3aに対する経過時間の認識を、処理ステータスに基づいて時間認識装置611だけで行うため、各ユニットにタイマを設ける必要がない。このため、基準時保持部605は、標準時に合わせた基準時を判断部608に送っている。そして、判断部608は、各ユニットから受け取った処理ステータスの受け取りタイミングを基準時より把握することによって、表示基板1の経過時間を認識する。このように各ユニットがタイマを備えない構成としたことにより、FPDモジュール組立ライン12の構成を簡素化することが可能である。
以上説明した第3の実施の形態に係るFPDモジュール組立装置によれば、時間認識装置611は、各ユニットから受け取った処理ステータスに基づいて表示基板1に搭載される搭載部材2に貼られたACF3aの処理時間を認識する。そして、表示基板1に搭載される搭載部材2にACF3aが貼られて、このACF3aにPCB6が本圧着される前までの経過時間は、時間認識装置611が受け取る処理ステータスによって認識される。このため、時間認識装置611は、経過時間が許容時間を超えたことを判断することができる。そして、警告部601によるアラーム報知をオペレータに行うことによって、PCB6が本圧着される前に、オペレータが表示基板1をFPDモジュール組立ライン12から除く等の処置を速やかに行える。
4.第4の実施の形態
次に、本発明のFPDモジュール組立装置の第4の実施の形態について、図15と図16を参照して説明する。図15は、本発明のFPDモジュール組立装置の第4の実施の形態を示すFPDモジュール組立ラインのブロック図である。
FPDモジュール組立ライン13の主要な構成は上述した第1の実施の形態に係るFPDモジュール組立ライン10と同様である。ただし、本例では、ACF貼付部230、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400のそれぞれに対して、タイマ、時間認識装置、警告部を備えた点を特徴とする。すなわち、FPDモジュール組立ライン13は、ACF貼付部230に設置されると共に、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300、PCB接続ユニット400のうち、少なくともいずれかの装置に設置され、表示基板1に対して各ユニットが処理を行う処理時間を計時するタイマ231t,210t,310t,410tと、時間認識装置612a〜612dを備える。また、各ユニットに設けられる時間認識装置612a〜612dは、タイマが設置されるユニット毎に経過時間を認識するものである。
ここで、ACF貼付部230は、経過時間を計時するタイマ231tと、タイマ231tによって計時された経過時間が許容時間を超えた場合に警告部601aよりアラームを報知させる時間認識装置612aを備える。なお、ACF貼付部230によって表示基板1に搭載される搭載部材2にACF3aが貼付けられるものの、次工程に表示基板1を搬送する途中で搬送が停止した場合にACF3aが空気中にさらされることとなる。このため、時間認識装置612aによって表示基板1が次工程に搬送されるまでの経過時間を認識する。
また、仮圧着ユニット200は、経過時間を計時するタイマ210tと、タイマ210tによって計時された経過時間が許容時間を超えた場合に警告部601bよりアラームを報知させる時間認識装置612bを備える。
本圧着ユニット300は、経過時間を計時するタイマ310tと、タイマ310tによって計時された経過時間が許容時間を超えた場合に警告部601cよりアラームを報知させる時間認識装置612cを備える。
PCB接続ユニット400は、経過時間を計時するタイマ410tと、タイマ410tによって計時された経過時間が許容時間を超えた場合に警告部601dよりアラームを報知させる時間認識装置612dを備える。なお、時間認識装置612dは、搭載部材2にACF3aが貼付けられた表示基板1がPCB接続ユニット400に搬入され、PCB6が本圧着される前までの処理時間を経過時間として認識している。
時間認識装置612a,612b,612c,612dは、それぞれ許容時間を格納する許容時間データベース603を備える。許容時間データベース603には、ACF貼付部230、仮圧着ユニット200、本圧着ユニット300及びPCB接続ユニット400の表示基板1に対する工程毎の許容時間が保存される。
そして、各時間認識装置612a,612b,612c,612dは、各ユニットが備えるタイマによって処理時間を独立して認識する。このため、アラームが報知されたオペレータは、どのユニットで対応が必要な表示基板1が存在するのか否かを速やかに判断することができる。
図16は、時間認識装置612aの内部構成例を示すブロック図である。ここでは、時間認識装置612aについて説明するが、他の時間認識装置612b,612c,612dも時間認識装置612aと同様に構成されるため、これらの時間認識装置については詳細な説明を省略する。
時間認識装置612aは、警告部601a、情報収集部602、許容時間データベース603に加え、タイマ231tから収集した処理情報に基づいて、IDによって特定される表示基板1に対する処理時間が許容時間を超えているか否かを判断する判断部608を備える。本例では、ユニット毎に処理時間を計時するため、工程で必要とされる処理の開始から終了までの処理時間が許容時間を超える場合には、ユニット毎にオペレータにアラームを報知する。特に、PCB接続ユニット400に接続される時間認識装置612dは、搭載部材2にACF3aが貼付けられた表示基板1がPCB接続ユニット400に搬入され、PCB6が本圧着される前までの経過時間が許容時間を超えているか否かを判断する。そして、許容時間を超えている場合には、PCB6が本圧着される前に、警告部601dがオペレータにアラームを報知するようにしている。
以上説明した第4の実施の形態に係るFPDモジュール組立装置によれば、各ユニットに対して時間認識装置612a〜612dが設けられる。そして、ユニット毎に処理時間を認識し、この処理時間が各工程における許容時間を超えた場合にアラームをオペレータに報知する。このため、時間認識装置612a〜612dは、経過時間が許容時間を超えたことをユニット毎に判断することができる。そして、警告部601a〜601dにより、オペレータにアラーム報知がなされるため、PCB6が本圧着される前に、オペレータは表示基板1をFPDモジュール組立ライン13から除く等の処置を速やかに行うことが可能となる。
以上、本発明のFPDモジュール組立装置の第1〜第4の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明のFPDモジュール組立装置は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態では、FPDモジュール組立ライン全体が停止している場合には、経過時間が許容時間に至った時点でアラームを報知することが難しい。このため、時間認識装置についてはFPDモジュール組立ラインと異なる電源を用いることにより、経過時間が許容時間を超えた時点で速やかにアラームを報知することもでき、オペレータが迅速に処置を行うことが可能となる。また、経過時間が許容時間を超えた場合に行う既存の処理プロセスの変更についても、上述した第1の実施の形態における変更と同様に、第2〜第4の実施の形態に適用してもよい。また、上述した第1〜第4の実施の形態によれば、時間認識装置は、PCB接続用のACF3aが空気中にさらされる時間を認識するようにしたが、表示基板1に直接貼付けられるACFが空気中にさらされる時間、または、PCB6に直接貼付けられるACFが空気中にさらされる時間を経過時間として認識するようにしてもよい。
1…表示基板、10,11,12,13…FPDモジュール組立ライン、100…受け入れユニット、200…仮圧着ユニット、200t,230t,300t,400t…タイマ、300…本圧着ユニット、400…PCB接続ユニット、500…搬出ユニット、600…時間認識装置、601…警告部、602…情報収集部、603…許容時間データベース、604…判断部、605…基準時保持部、610,611,612a〜612d…時間認識装置

Claims (10)

  1. 表示基板又は前記表示基板に搭載する搭載部材に対してACFを貼付けるACF貼付装置と、
    前記表示基板又は前記表示基板に搭載される前記搭載部材に対して前記ACFが貼付けられてからの経過時間を認識する時間認識装置と、を備えることを特徴とするFPDモジュール組立装置。
  2. さらに、前記搭載部材を前記ACFを介して前記表示基板に仮圧着する仮圧着装置と、
    仮圧着された前記搭載部材を前記表示基板に本圧着する本圧着装置と、
    前記搭載部材に貼付けられたPCB接続用のACFを介してPCBを接続するPCB接続装置と、を備え、
    前記ACF貼付装置は、前記表示基板に前記搭載部材を仮圧着する前に、PCB接続用のACFを前記搭載部材に貼り付け、
    前記PCB接続装置は、前記搭載部材が前記表示基板に本圧着された後の前記搭載部材に前記PCBを接続し、
    前記時間認識装置は、前記表示基板又は前記表示基板に搭載される前記搭載部材に対して前記ACFが貼付けられてから、前記PCB接続装置が前記搭載部材に前記PCBを本圧着する前までの時間を前記経過時間として認識することを特徴とする請求項1記載のFPDモジュール組立装置。
  3. さらに、前記ACF貼付装置に設置され、前記表示基板又は前記表示基板に搭載する搭載部材に対して前記ACFが貼付けられたタイミングの時間をタイムスタンプとし、前記仮圧着装置、前記本圧着装置、前記PCB接続装置のうち、少なくともいずれかの装置に設置され、前記表示基板に対して各装置が行う処理のうち、前記経過時間に含まれる処理が終了したタイミングの時間をタイムスタンプとして含む処理情報を前記時間認識装置に送るタイマを備え、
    前記時間認識装置は、前記タイマから受け取った前記処理情報から読み出した前記タイムスタンプに基づいて前記経過時間を認識することを特徴とする請求項2記載のFPDモジュール組立装置。
  4. さらに、前記ACF貼付装置、前記仮圧着装置、前記本圧着装置及び前記PCB接続装置に設置され、前記搭載部材又は前記表示基板に対して各装置が行う処理の開始から終了までに要する処理時間を計時し、前記時間認識装置に前記処理時間を送るタイマを備え、
    前記時間認識装置は、前記タイマから受け取った前記処理時間の総和を前記経過時間として認識することを特徴とする請求項2記載のFPDモジュール組立装置。
  5. 前記ACF貼付装置、前記仮圧着装置、前記本圧着装置、前記PCB接続装置は、それぞれ前記表示基板に対する所定の処理が開始又は終了したことを示す処理ステータスを前記時間認識装置に送り、
    前記時間認識装置は、各装置から受け取った前記処理ステータスによって求まる処理時間の総和を前記経過時間として認識することを特徴とする請求項2記載のFPDモジュール組立装置。
  6. さらに、前記ACF貼付装置に設置されると共に、前記仮圧着装置、前記本圧着装置、前記PCB接続装置のうち、少なくともいずれかの装置に設置され、前記表示基板に対して各装置が処理を行う処理時間を計時し、前記時間認識装置に前記処理時間を送るタイマを備え、
    前記時間認識装置は、前記タイマが設置される装置にそれぞれ設置され、前記タイマが設置される装置毎に前記タイマから受け取った前記処理時間を前記経過時間として認識することを特徴とする請求項2記載のFPDモジュール組立装置。
  7. さらに、前記経過時間が、空気中にさらされた前記ACFの接着性が保たれる許容時間を超えている場合に、アラームを報知する警告部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のFPDモジュール組立装置。
  8. 前記時間認識装置は、前記経過時間が、空気中にさらされた前記ACFの接着性が保たれる許容時間を超えている場合に、前記PCB接続装置に対して、前記経過時間が前記許容時間を超えていない場合における既存の処理よりも、加圧力を高める処理、加圧時間を長くする処理、又は圧着温度を上げる処理のうち、少なくともいずれか1つを含む処理に既存の処理を変更することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のFPDモジュール組立装置。
  9. 前記時間認識装置は、前記経過時間が、空気中にさらされた前記ACFの接着性が保たれる前記許容時間を超えている場合に、前記ACFが貼付けられている前記表示基板を排除する指示を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のFPDモジュール組立装置。
  10. 表示基板又は前記表示基板に搭載する搭載部材に対してACFを貼付けるステップと、
    前記表示基板又は前記表示基板に搭載される前記搭載部材に対して前記ACFが貼付けられてからの経過時間を認識するステップと、を含むことを特徴とする時間認識方法。
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