JP2012211213A - バイオガスの精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題手段】メタン発酵槽4出ガスは貯留タンク9に一旦蓄えられた後、貯留タンク3a出の水素を含むガスと混合され、精製装置5に導入される。ここで混合ガスは、高圧状態で吸収塔(図示せず)上部から噴霧される水と向流接触する。吸収塔内の混合ガスは、水に対する溶解度の相違により分離される。二酸化炭素及び硫黄系不純物は水に吸収され、メタン、水素、酸素は吸収されることなく気体のまま精製装置5を出る。また、シロキサン化合物は高圧状態で凝縮して、高圧水に随伴して吸収塔底部に溜り除去される。精製装置5出のバイオガスは、酸素除去装置6に導入される。水素と酸素は反応器内で触媒燃焼して除去され、メタンのみが熱量調整装置7に導入され、都市ガス供給規定による熱量調整が行われる。熱調されたガスは圧力調整されたのちガス導管L0に注入され、導管内に注入される。
【選択図】図1
Description
都市ガス導管に注入する場合には、メタン以外の不純物成分について供給上許容される濃度以下に抑えることが必要となる。特許文献1のバイオガス供給システム100は、図4に示すように天然ガス導管104から分岐、導入する供給ガスを、精製装置101、熱量調整装置102において精製・熱調したバイオガスと混合させてミキシングタンク103に一旦貯蔵し、導管104に注入するものである。精製後バイオガスの不純物濃度に対応して、バルブ105により導入供給ガスと精製バイオガスの混合比を調整して、注入ガスの不純物濃度を所定基準値以下となるように制御する。
酸素は、高圧水吸収による精製過程における溶存酸素や配管等からの漏入に由来するものであり、系外から水素を添加して触媒燃焼反応により除去する方法が開示されている(例えば特許文献2)。
また、特許文献3の技術は系内で水素生成を伴うものであるが、生成水素をボイラー燃料、燃料電池用燃料等に用いることを目的とするものであり、バイオガス中に含まれる不純物酸素除去を目的とするものではない。
本発明は、以下の内容を要旨とする。すなわち、本発明に係るバイオガスの精製方法は、
(1)バイオガスの精製方法であって、原料バイオマスを水素発酵させて、水素ガス及び二酸化炭素を主成分とするガスを生成させる水素発酵工程と、水素発酵工程を経たバイオマスをメタン発酵させて、メタン及び二酸化炭素を主成分とするバイオガスを生成するメタン発酵工程と、メタン発酵工程を経たバイオガスに水素発酵工程を経た水素ガスを含むガスを添加する水素ガス添加工程と、水素ガス添加工程を経たバイオガスから二酸化炭素及びその他の不純物を除去する不純物除去工程と、不純物除去工程を経たバイオガス中の水素と酸素を反応させて、不純物である酸素を除去する酸素除去工程と、を含むことを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係るバイオガス精製システム1の構成を示す図である。
バイオガス精製システム1の精製系統は、前処理槽2と、水素発酵槽3と、メタン発酵槽4と、精製装置5と、酸素除去装置6と、熱量調整装置7と、貯留タンク3a、貯留タンク9と、を主要構成として備えている。各装置間は配管L1−L8で接続されている。さらに、水素発酵槽3において生成した水素ガスをメタン発酵槽4出ガスと混合させるための配管L8と、精製ガスを都市ガス導管L0に注入するための配管L8と、を備えている。
また、制御系統は、メタン発酵槽出ガスの流量を計測する流量計S1と、水素発酵槽3における液状又はスラリー状の発酵残渣をメタン発酵槽4に送入するための送入装置10(例えばスラリーポンプ等)と、流量計S1の計測値に基づいて送入装置10に稼働指令して、水素発酵槽3における滞留時間を制御する制御部8と、を主要構成として備えている。
原料供給は回分式もしくは連続式により行う。水素発酵条件としては、温度は30℃−65℃、圧力は常圧、pHは4−8の範囲が好ましい。
生成ガス中の水素、二酸化炭素の発生ガス量は原料の槽内滞留時間により定まり、滞留時間が長いほど発生する水素ガス量が多くなる。滞留時間は、後述するようにメタン発酵槽出ガスの流量に対応して定められる。
精製装置5において、混合ガスは昇圧器(図示せず)により所定の圧力に昇圧され、高圧状態で吸収塔(図示せず)上部から噴霧される水と向流接触する。吸収塔内の混合ガスは、水に対する溶解度の相違により分離される。すなわち、二酸化炭素及び硫黄系不純物(H2S等)は水に吸収され、メタン、水素、酸素は吸収されることなく気体のまま精製装置5を出る。また、シロキサン化合物は高圧状態で凝縮して、高圧水に随伴して吸収塔底部に溜り除去される。
Fmが上限、下限閾値範囲内(Fmax≧Fm≧Fmin)にある場合には(S103においてYES)、現状滞留時間が維持される(S105)。Fm>Fmaxの場合にはメタン生成量が過大であるため、水素発酵ガスの発生量を増大させて、発生したメタンと水素のエネルギー比率(熱量ベース)で表すメタン生成比率を減少させるべく、滞留時間を1段階延長させる(S104)。またFm<Fminの場合には、メタン生成量が過小であるため、水素発酵ガスの発生量を減少させてメタン生成比率を増大させるべく、滞留時間を1段階短縮させる(S106)。
通常、精製装置5出ガスの酸素濃度は0.2−1.0%であるから、以上の制御を所定の時間ごとに繰返し行うことにより、酸素濃度に対応して水素添加量を増減することができ、ガス導管L0に注入するバイオガスの残留酸素濃度を供給上許容される値以下に制御することができる。
次に、図3を参照して本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態に係るバイオガス精製システム20の構成が上述のバイオガス精製システム1と異なる点は、酸素除去装置の構成である。すなわち、本実施形態の酸素除去装置21は、酸化触媒反応器22の上流側に水素ボンベ23a、流量制御装置23bを含む水素ガス添加装置23を備えており、触媒反応器22に導入されるガスに水素が添加されることである。さらに、触媒反応器22の下流側に酸素濃度計S2を備えており、触媒反応器22出ガスの残留酸素濃度を測定可能に構成されていることである。その他の構成についてはバイオガス精製システム1と同様であるので、重複説明を省略する。
以上の構成によりバイオガス精製システム20においては、酸素濃度計S2の計測値に基づき、触媒反応器22出ガスの酸素濃度を所定の許容濃度以下に制御する。すなわち、触媒反応器22出ガスの酸素濃度が所定の閾値以上のときは、水素ガス添加装置23からの水素を添加して触媒反応器22における酸化反応促進を図る。これにより、ガス導管L0に注入するバイオガスの残留酸素濃度を許容基準値以下に制御することができる。
2・・・・前処理槽
3・・・・水素発酵槽
4・・・・メタン発酵槽
5・・・・精製装置
6、21・・・・酸素除去装置
7・・・・熱量調整装置
8・・・・制御部
9・・・・貯留タンク
10・・・・送入装置
22・・・・酸化触媒反応器
23・・・・水素ガス添加装置
L0・・・・ガス導管
S1・・・流量計
S2・・・酸素濃度計
Claims (3)
- バイオガスの精製方法であって、
原料バイオマスを水素発酵させて、水素ガス及び二酸化炭素を主成分とするガスを生成させる水素発酵工程と、
水素発酵工程を経たバイオマスをメタン発酵させて、メタン及び二酸化炭素を主成分とするバイオガスを生成するメタン発酵工程と、
メタン発酵工程を経たバイオガスに、水素発酵工程を経た水素ガスを含むガスを添加する水素ガス添加工程と、
水素ガス添加工程を経たバイオガスから、二酸化炭素及びその他の不純物を除去する不純物除去工程と、
不純物除去工程を経たバイオガス中の水素と酸素を反応させて、不純物である酸素を除去する酸素除去工程と、
を含むことを特徴とするバイオガスの精製方法。 - 前記メタン発酵工程を経たバイオガスの発生量に対応して、前記水素発酵工程の滞留時間を制御することを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの精製方法。
- 前記酸素除去工程において、除去後の精製バイオガス中の酸素残留濃度が所定の基準値を超えるときは、前記水素発酵工程により得られる水素ガスに加えて、さらに系外からの水素ガスを添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオガスの精製方法。
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