JP2012255502A - 捩り振動減衰装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれした場合に、偏荷重が発生するのを防止することができ、耐久性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供すること。
【解決手段】捩り振動減衰装置は、ボス16が、円周方向に分割される分割ボス71〜73から構成されており、分割ボス71〜73のそれぞれは、円周方向一端部から円周方向外方に突出する突出部71a〜73aと、円周方向他端部から円周方向外方に突出し、突出部71a〜73aの半径方向外方に位置して突出部71a〜73aに半径方向で対向する突出部71b〜73bとを含んで構成され、弾性体74〜76が突出部71a〜73aおよび突出部71b〜73bの半径方向の対向面の間に介装されている。
【選択図】図5
【解決手段】捩り振動減衰装置は、ボス16が、円周方向に分割される分割ボス71〜73から構成されており、分割ボス71〜73のそれぞれは、円周方向一端部から円周方向外方に突出する突出部71a〜73aと、円周方向他端部から円周方向外方に突出し、突出部71a〜73aの半径方向外方に位置して突出部71a〜73aに半径方向で対向する突出部71b〜73bとを含んで構成され、弾性体74〜76が突出部71a〜73aおよび突出部71b〜73bの半径方向の対向面の間に介装されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、車両等に搭載され、駆動源の出力回転体と駆動伝達系の入力軸との間で捩り振動を吸収しつつトルクを伝達するための捩り振動減衰装置に関する。
車両の内燃機関等の駆動源と変速歯車組を有する変速機を含んだ駆動伝達系とを連結する捩り振動減衰装置が用いられており、この捩り振動減衰装置は、駆動源からの回転トルクを変速機に伝達する機能と、駆動源と変速機との間の捩り振動を吸収する機能とを有している。
この捩り振動減衰装置は、例えば、変速機の入力軸に回転不能にかつ軸線方向に移動可能に連結されたクラッチハブからなる第1の回転部材と、内燃機関側のフライホイールに締結および解除(接続・切断)されるクラッチディスクおよびクラッチディスクの半径方向内方に設けられた一対のディスクプレートからなる第2の回転部材と、ディスクプレートおよびクラッチハブを円周方向に弾性的に連結するコイルスプリングとから構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この捩り振動減衰装置にあっては、クラッチディスクがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦接触することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレートに入力される。
このとき、クラッチディスクおよび一対のディスクプレートとクラッチハブとが相対回転すると、コイルスプリングがクラッチディスクおよび一対のディスクプレートとクラッチハブとの間で円周方向に圧縮されることにより、クラッチプレートからクラッチハブを介して入力軸に入力される捩り振動をコイルスプリングによって、吸収・減衰するようになっている。
ところで、捩り振動によって発生する変速機側の騒音としては、アイドリング時の異音、走行時の異音が知られている。したがって、各異音の発生原因となる捩り振動を吸収するためには、捩り振動減衰装置の捩れ特性を適切に設定する必要がある。
ここで、アイドル時の異音としては、ニュートラルに変速したアイドル時に、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって、無負荷状態にある歯車対が衝突して生じるガラガラという異音、所謂、ガラ音が知られている。
また、走行時の異音としては、車両の加減速中に、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音、所謂、ジャラ音が知られている。
従来、捩れ特性を適切に設定した捩り振動減衰装置としては、例えば、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
この捩り振動減衰装置は、筒状のボスと、ボスから半径方向外方に広がる円板状のハブプレートとを二分割することにより、第1の回転部材を構成している。
ボスの外周部には外周スプラインが形成されているとともに、ハブプレートの内周部には外周スプラインと所定の隙間を介して円周方向に離隔する内周スプラインが形成されており、ボスの外周部とハブプレートの内周部との間にボスとハブプレートとの捩り振動を吸収するばね剛性の小さい小コイルスプリングが介装されている。
この捩り振動減衰装置にあっては、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように、ディスクプレートとクラッチハブとの捩れ角が生じない1段目の捩れ特性の領域にあっては、小コイルスプリングのみを圧縮させてボスとハブプレートとを内周スプラインと外周スプラインとの円周方向の隙間の範囲で相対変位させることにより、捩れ角の小さな領域を低剛性にしてガラ音の発生を抑制する。
また、捩れ角が大きい2段目の捩れ特性の領域では、小コイルスプリングの弾性変形を停止して内周スプラインと外周スプラインとを噛み合わせ、ディスクプレートとクラッチハブとの間に介装された弾性部材を圧縮させることで、トルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることにより、ジャラ音を抑制するようにしている。
また、この捩り振動減衰装置は、ボスの外周部とディスクプレートの内周部との間に環状のセンタリングブッシュを介装することにより、ディスクプレートとボスとの半径方向の位置決めを行うようになっている。
このような従来の捩り振動減衰装置にあっては、捩り振動減衰装置を変速機の入力軸に組み付けてユニット化し、入力軸の回転中心軸と内燃機関側のフライホイールの回転中心軸(クランクシャフトの回転中心軸)との半径方向の芯出しを行っている。
しかしながら、変速機と内燃機関との組み付け時に変速機の入力軸の回転中心軸と内燃機関の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれした場合に、入力軸からクラッチハブに対して芯ずれ方向に過大な偏荷重が入力されてしまい、捩り振動減衰装置の耐久性を悪化させてしまう。
例えば、特許文献1に記載される捩り振動減衰装置は、入力軸からクラッチハブに過大な荷重が入力されてしまうと、入力軸がクラッチハブに対して芯ずれ方向に偏ってしまい、入力軸の外周部とクラッチハブの内周部の結合部に偏荷重が発生してしまう。このため、クラッチハブと入力軸の結合部が異常磨耗してクラッチハブおよび入力軸の耐久性が悪化してしまう。
また、特許文献2に記載される捩り振動減衰装置は、ボスとハブプレートとが2分割されているとともに、ボスとディスクプレートとの間にセンタリングブッシュが介装されているため、変速機の入力軸の回転中心軸と内燃機関の出力軸との回転中心軸の芯ずれがある場合に、入力軸からボスに過大な荷重が入力されてしまうと、ボスがセンタリングブッシュに対して芯ずれ方向に偏ってしまう。
このため、ボスの外周部とセンタリングブッシュの内周部との間に偏荷重が発生してしまい、ボスとセンタリングブッシュの接触部が異常磨耗してボスとセンタリングブッシュの耐久性が悪化してしまう。
このように特許文献1、2に記載される捩り振動減衰装置は、変速機と内燃機関との組み付け時に変速機の入力軸の回転中心軸と内燃機関の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれした場合に、偏荷重が発生してしまい、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化してしまう。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれした場合に、偏荷重が発生するのを防止することができ、耐久性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、(1)駆動源の出力回転体と駆動伝達系の入力軸との間で捩り振動を吸収しつつ回転トルクを伝達するための捩り振動減衰装置であって、前記入力軸に取付けられた第1の回転部材と、前記出力回転体から回転トルクが伝達される第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に介装され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに弾性変形することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で捩り振動を吸収しつつ動力の伝達を行う弾性部材とを備え、前記第1の回転部材が、円周方向に分割される複数の分割体から構成され、円周方向に隣接する前記分割体は、半径方向に対向する対向部を有し、各分割体の対向部の間に弾性体が介装されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材が、円周方向に分割される複数の分割体から構成され、円周方向に隣接する分割体が半径方向に対向する対向部を有し、各分割体の対向部の間に弾性体が介装されるので、駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれし、入力軸から第1の回転部材に芯ずれ方向に過大な荷重が入力された場合に、芯ずれ方向に位置する分割体が他の分割体に対して弾性体を圧縮しながら芯ずれ方向に移動する。
このため、芯ずれ方向に発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。したがって、第1の回転部材を構成する分割体と入力軸とが芯ずれ方向に強い面圧で接触するのを防止して入力軸と分割体の結合部が異常磨耗すること等を防止することができ、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化するのを防止することができる。
上記(1)に記載の捩り振動減衰装置において、(2)前記対向部は、前記分割体の円周方向一端部から円周方向外方に突出する第1の突出部と、前記分割体の円周方向他端部から円周方向外方に突出し、前記第1の突出部の半径方向外方に位置して前記第1の突出部に半径方向で対向する第2の突出部を有し、前記弾性体が前記第1の突出部および前記第2の突出部の半径方向の対向面の間に介装されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、分割体の第1の突出部と第2の突出部の半径方向の対向面の間に弾性体が介装されるので、芯ずれ方向に位置する分割体が他の分割体に対して弾性体を圧縮しながら半径方向に確実に移動するので、半径方向の芯ずれを確実に吸収することができる。
上記(1)または(2)に記載の捩り振動減衰装置において、(3)前記第1の回転部材は、内周部が前記入力軸に嵌合されるとともに外周部に外周スプラインが形成された前記分割体と、前記分割体の半径方向外方に設けられ、円周方向に所定の隙間を介して前記外周スプラインに対向する内周スプラインを有する外周回転部材と、前記分割体の外周部に円周方向の所定長に亘って形成された外周溝と、前記外周溝に半径方向に対向して前記外周回転部材の内周部に円周方向の所定長に亘って形成された内周溝と、前記外周溝および内周溝に収納され、前記所定の隙間が形成されるように前記分割体と前記外周回転部材とを円周方向に付勢する付勢部材とを備え、前記弾性部材が前記外周回転部材と前記第2の回転部材との間に介装されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、分割体の外周部に外周スプラインが形成されるとともに、外周回転部材に内周スプラインと円周方向に所定の隙間を有する内周スプラインが構成され、分割体の外周溝と外周回転部材の内周溝に付勢部材が介装されるので、所定の隙間の範囲で付勢部材を圧縮しながら分割体と外周回転部材とが相対回転することにより、入力軸と出力回転体との間の微小な振動を減衰することができる。
また、駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれし、入力軸から分割体に芯ずれ方向に過大な荷重が入力された場合に、芯ずれ方向に位置する分割体が他の分割体に対して弾性体を圧縮しながら芯ずれ方向に移動する。
このため、芯ずれ方向に発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。したがって、分割体と入力軸とが芯ずれ方向に強い面圧で接触するのを防止して入力軸と分割体との結合部が異常磨耗すること等を防止することができ、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化するのを防止することができる。
上記(3)に記載の捩り振動減衰装置において、(4)前記付勢部材の一端部を保持して前記外周溝および前記内周溝の円周方向一端部に当接する第1の保持部材と、前記付勢部材の他端部を保持して前記外周溝および前記内周溝の円周方向他端部に当接する第2の保持部材とを備え、前記第1の保持部材および前記第2の保持部材の半径方向外端に、前記分割体が半径方向に所定量以上移動したときに、前記外周回転部材の内周溝の底面に当接する弾性ストッパを設けたものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に過度に芯ずれした場合には、芯ずれ方向に過大な偏荷重が加わって分割体の外周部と外周回転部材の内周部とが強い面圧で接触してしまうことがある。
本発明では、付勢部材を保持する第1の保持部材および第2の保持部材の半径方向外端に弾性ストッパが設けられるので、分割体が芯ずれ方向に過度に移動した場合には、弾性ストッパが外周回転部材の内周部に当接することで、分割体が半径方向に過度に移動してしまうのを防止することができる。
このため、分割体の外周部と外周回転部材の内周部との間に過大な偏荷重が発生するのを防止して分割体の外周部と外周回転部材の内周部とが異常磨耗することを防止することができ、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化するのを防止することができる。
また、隣接する分割体には半径方向に弾性変形する弾性体が介装されているので、弾性ストッパが外周回転部材の内周部に当接したときに、弾性体が緩衝体となることで入力軸と分割体との結合部に偏荷重が発生するのを抑制することができる。
上記(4)に記載の捩り振動減衰装置において、(5)前記第2の回転部材と前記分割体との間にヒステリシストルクを発生させるヒステリシストルク発生部材を備え、前記ヒステリシストルク発生部材は、前記第2の回転部材の内周部と前記分割体の外周部との間に介装され、前記第2の回転部材と前記分割体との半径方向の位置決めを行うとともに、軸線方向で前記分割体または前記第2の回転部材に接触する環状摩擦材と、前記環状摩擦材を軸線方向で前記分割体または前記第2の回転部材に押し付ける押し付け部材とを含んで構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第2の回転部材の内周部と分割体の外周部との間に第2の回転部材と分割体との半径方向の位置決めを行うとともに、押し付け部材の押し付け力によって、例えば、分割体の外周スプラインに押し付けられる環状摩擦材を設けたので、分割体が芯ずれ方向に過度に移動したときに、芯ずれ方向に移動した分割体が環状摩擦材に強く接触するおそれがある。
分割体が芯ずれ方向に過度に移動した場合には、弾性ストッパが外周回転部材の内周部に当接することで、分割体が半径方向に過度に移動してしまうのを防止することができるので、分割体の外周部と環状摩擦材の内周部との間に過大な偏荷重が発生するのを防止して分割体の外周部と環状摩擦材の内周部とが異常磨耗することを防止することができ、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化するのを防止することができる。
上記(5)に記載の捩り振動減衰装置において、(6)前記第2の回転部材が、前記第1の回転部材の軸線方向両側に設けられ、互いに連結されて一体回転自在な一対の第1のディスクプレートおよび第2のディスクプレートを含んで構成され、前記環状摩擦材が、前記分割体の外周部に取付けられた半径方向内周部、前記分割体の外周スプラインに当接する軸線方向側部および前記第1のディスクプレートの内周部に当接する半径方向外周部を有する第1の環状摩擦材と、前記第2のディスクプレートと前記分割体の外周スプラインとの間に介装された第2の環状摩擦材とを含んで構成され、前記押し付け部材が、前記第2のディスクプレートとの第2の環状摩擦材との間に介装され、前記第2の環状摩擦材を前記分割体の外周スプラインに押圧することにより、前記第1の摩擦部材の外周部を前記第1のディスクプレートの内周部に押し付けるように構成され、前記第1の環状摩擦材の半径方向外周部にテーパ面が形成されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の環状摩擦材の半径方向外周部にテーパ面が形成され、このテーパ面に第1のディスクプレートの内周部が当接するので、分割体が芯ずれ方向に過度に移動した場合には、第1の環状摩擦材がテーパ面に沿って分割体と共に軸線方向に移動してしまう。
このため、第2の環状摩擦材と第2のディスクプレートとの間の軸線方向の隙間が小さくなってしまい、第2の環状摩擦材と第2のディスクプレートとの間に介装された押し付け部材が軸線方向に過度に撓んでしまう。このため、押し付け部材が疲弊してしまい、押し付け部材の耐久性が悪化してしまうおそれがある。
これに加えて、分割体が軸線方向に移動すると、分割体の外周スプラインと外周回転部材の内周スプラインとが軸線方向にずれてしまい、外周スプラインと内周スプラインとの噛み合い幅が少なくなり、外周スプラインと内周スプラインとの面圧が局部的に高くなってしまい、外周スプラインと内周スプラインとが異常磨耗してしまうおそれがある。
本発明では、分割体が芯ずれ方向に過度に移動した場合には、弾性ストッパが外周回転部材の内周部に当接することで、分割体が半径方向に過度に移動してしまうのを防止することができるので、第1の環状摩擦材が軸線方向に移動するのを抑制できる。
このため、押し付け部材が軸線方向に過度に撓んで疲弊してしまうのを防止することができる。これに加えて、外周スプラインと内周スプラインとが軸線方向にずれてしまうのを防止して外周スプラインと内周スプラインとの面圧が局部的に高くなるのを防止することができ、外周スプラインと内周スプラインとが異常磨耗してしまうのを防止することができる。
この結果、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化してしまうのをより一層防止することができる。
この結果、捩り振動減衰装置の耐久性が悪化してしまうのをより一層防止することができる。
本発明によれば、駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれした場合に、偏荷重が発生するのを防止することができ、耐久性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図7は、本発明に係る捩り振動減衰装置の第1の実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置を備えたクラッチ機構を例に説明を行う。
(第1の実施の形態)
図1〜図7は、本発明に係る捩り振動減衰装置の第1の実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置を備えたクラッチ機構を例に説明を行う。
まず、構成を説明する。
図1〜図3において、捩り振動減衰装置10は、第1の回転部材11と、第1の回転部材11と同軸上に設けられ、第1の回転部材11に対して相対回転自在に設けられた第2の回転部材12と、第1の回転部材11と第2の回転部材12との間に介装された弾性部材としてのコイルスプリング13とを含んで構成されている。
図1〜図3において、捩り振動減衰装置10は、第1の回転部材11と、第1の回転部材11と同軸上に設けられ、第1の回転部材11に対して相対回転自在に設けられた第2の回転部材12と、第1の回転部材11と第2の回転部材12との間に介装された弾性部材としてのコイルスプリング13とを含んで構成されている。
第1の回転部材11は、内周回転部材としてのボス16とハブプレート19とを備えている。ボス16の内周部には動力伝達系に含まれる変速機の入力軸18の外周スプライン18aが嵌合される内周スプライン16aが形成されている。
なお、駆動伝達系は、変速歯車組を有する変速機、ディファレンシャル装置、ドライブシャフトおよび駆動輪までのドライブラインを含むものである。
なお、駆動伝達系は、変速歯車組を有する変速機、ディファレンシャル装置、ドライブシャフトおよび駆動輪までのドライブラインを含むものである。
また、図5に示すように、ボス16の外周部には外周スプライン16bが連続して形成されており、外周スプライン16bの間にはボス16の円周方向に沿って所定長延在する3つの外周溝16cが形成されている。この外周溝16cは、外周スプライン16bの歯面から半径方向内方に凹むように形成されている。
ハブプレート19は、ボス16の半径方向外方に設けられており、ハブプレート19は、半径方向内方に位置する環状部20と、環状部20から半径方向外方に突出する複数の突出部21とを備えている。
環状部20の内周部には内周スプライン20aが形成されており、この内周スプライン20aは、外周スプライン16bに対して円周方向に所定の隙間θを介して離隔している。
また、環状部20の内周部には内周スプライン20aの間に環状部20の円周方向に亘って所定長延在する内周溝20bが形成されており、この内周溝20bは、外周溝16cに半径方向に対向し、内周スプライン20aの歯面から半径方向外方に凹むようにして形成されている。
外周溝16cおよび内周溝20bには付勢部材としての小コイルスプリング22が圧縮されて収納されており、小コイルスプリング22の一端部および他端部は、それぞれスプリングシート23a、23bによって保持されている。なお、スプリングシート23aは、第1の保持部材を構成し、スプリングシート23bは、第2の保持部材を構成している。
スプリングシート23aは、外周溝16cおよび内周溝20bの円周方向一端部に当接しているとともに、スプリングシート23bは、外周溝16cおよび内周溝20bの円周方向他端部に当接している。
このため、ボス16およびハブプレート19は、小コイルスプリング22の付勢力によって外周スプライン16bと内周スプライン20aとの間に所定の隙間θを形成するようにして円周方向に弾性的に支持される。
小コイルスプリング22は、コイルスプリング13よりも低いばね剛性を有しており、ボス16とハブプレート19との間で発生する微小な捩り振動を吸収するようになっている。このとき、ボス16およびハブプレート19は、外周スプライン16bおよび内周スプライン20aの円周方向の隙間θ分だけ相対回転する。
また、突出部21は、スプリング収容孔21Aを介して円周方向に離隔しており、スプリング収容孔21Aにはコイルスプリング13が装着されている。コイルスプリング13の一端部は、スプリングシート24aを介して突出部21の円周方向一側面に当接しているとともに、コイルスプリング13の他端部は、スプリングシート24bを介して突出部21の円周方向他側面に当接している。
すなわち、コイルスプリング13は、スプリングシート24a、24bを介して突出部21の円周方向一側面および他側面に当接するようにしてハブプレート19に装着されている。
また、図1において上下方向に位置するコイルスプリング13にはトーションダンパ25が内蔵されており、このトーションダンパ25は、スプリングシート24a、24bの間に位置している。
このトーションダンパ25は、コイルスプリング13が所定量以上圧縮した状態にあるときに、スプリングシート24a、24bに当接して弾性変形することにより、コイルスプリング13が過度に圧縮されるのを抑制してコイルスプリング13を保護するようになっている。
一方、図1〜図4に示すように、第2の回転部材12は、ディスクプレート26、27、クラッチディスク28、第1のヒステリシストルク発生部材29および第2のヒステリシストルク発生部材30と備えている。
ディスクプレート26、27は、ボス16およびハブプレート19の軸線方向両側に配設されており、ディスクプレート26、27は、半径方向外周側でリベット31によって互いに連結されている。このため、ディスクプレート26、27は、一体回転自在となっている。なお、本実施の形態で用いられる軸線方向とは、入力軸18の回転中心軸と同方向である。
本実施の形態では、ディスクプレート26が第1のディスクプレートを構成し、ディスクプレート27が第2のディスクプレートを構成している。
ディスクプレート26、27にはスプリング収容孔21Aに対向してそれぞれ複数の窓孔32、33が形成されており、スプリング収容孔21Aおよび窓孔32、33の内部においてコイルスプリング13が圧縮されている。
また、ディスクプレート26、27の窓孔32、33の円周方向両端部の閉止端にはスプリングシート24a、24bの円周方向端部が当接している。
このようにコイルスプリング13は、スプリング収容孔21A、窓孔32、33に圧縮されて収容されることにより、ハブプレート19とディスクプレート26、27との間に介装されている。
したがって、ハブプレート19とディスクプレート26、27とが相対回転しない中立位置からハブプレート19に対してディスクプレート26、27が正側に相対回転した場合と負側に相対回転した場合とでコイルスプリング13が弾性変形することにより、ハブプレート19とディスクプレート26、27との間でトルクを伝達するようになっている。
また、クラッチディスク28は、環状のクッショニングプレート34および環状の摩擦材35a、35bから構成されている。
クッショニングプレート34は、ディスクプレート26の外周部にリベット31によって取付けられており、クッショニングプレート34の軸線方向両側には、リベット36により摩擦材35a、35bが固定されている。
クッショニングプレート34は、ディスクプレート26の外周部にリベット31によって取付けられており、クッショニングプレート34の軸線方向両側には、リベット36により摩擦材35a、35bが固定されている。
ヒステリシストルク発生部材としての第1のヒステリシストルク発生部材29は、1段目のヒステリシストルクを発生するものであり、第1のヒステリシストルク発生部材29は、図4に示すように、環状摩擦材としての環状のセンタリングブッシュ37、38および押し付け部材としての環状のコーンスプリング39を備えている。
第2のヒステリシストルク発生部材30は、2段目のヒステリシストルクを発生するものであり、環状のスラストブッシュ40、41および環状のコーンスプリング42を備えている。
センタリングブッシュ37、38およびスラストブッシュ40、41は、樹脂性材料から構成されている。センタリングブッシュ37およびスラストブッシュ40は、ディスクプレート26に固定されている。センタリングブッシュ38およびスラストブッシュ41は、ディスクプレート27に固定されており、センタリングブッシュ37、38およびスラストブッシュ40、41は、ディスクプレート26、27と一体回転する。
センタリングブッシュ37、38は、スラストブッシュ40、41に対して半径方向内方に位置してそれぞれボス16とディスクプレート26、27の間に設けられており、内周部37a、38aがボス16の外周部に当接するとともに、外周部37b、38bがディスクプレート26、27の内周部に形成された開口26a、27aに当接している。
なお、図4では、センタリングブッシュ38の外周部38bとディスクプレート27の開口27aが当接していないが、この開口27aは、センタリングブッシュ38をディスクプレート27に固定するディスクプレート27の円周方向の一部の部位であって、図示しない円周方向の他の部位においてセンタリングブッシュ38の外周部38bとディスクプレート27の開口27aが当接している。
このため、センタリングブッシュ37、38は、ボス16の回転中心とディスクプレート26、27の回転中心が一致するようにボス16とディスクプレート26、27の芯出しを行うことができる。
また、コーンスプリング39は、センタリングブッシュ38とディスクプレート27との間で圧縮されており、センタリングブッシュ38の一側面38cをボス16の外周スプライン16bに押し付けている。
また、コーンスプリング39によりセンタリングブッシュ38がボス16の外周スプライン16bに押し付けられると、ディスクプレート26と外周スプライン16bとによってセンタリングブッシュ37が軸線方向に強く挟持されるので、センタリングブッシュ37の一側面37cが外周スプライン16bに押し付けられる。
この結果、ハブプレート19がボス16に対して相対回転したときに、センタリングブッシュ37、38の一側面37c、38cがボス16の外周スプライン16bに摩擦接触することにより、1段目のヒステリシストルクが発生するようになっている。
スラストブッシュ40、41は、それぞれディスクプレート26、27とハブプレート19との間に介装されており、コーンスプリング42は、スラストブッシュ41とハブプレート19との間で圧縮され、スラストブッシュ41をハブプレート19に押圧している。
コーンスプリング42の弾性率は、コーンスプリング39の弾性率よりも大きくなっており、すなわち、コーンスプリング39は、コーンスプリング42よりも変形し易くなっている。
コーンスプリング42によってスラストブッシュ41がハブプレート19に押圧されることにより、スラストブッシュ40の一側面40aおよび他側面40bがそれぞれディスクプレート26とハブプレート19に摩擦接触するとともに、スラストブッシュ41の一側面41aがハブプレート19に摩擦接触する。
このため、ボス16およびハブプレート19がディスクプレート26、27に対して一体的に相対回転したときには1段目のヒステリシストルクよりも大きい2段目のヒステリシストルクが発生するようになっている。
また、図1に示すように、捩り振動減衰装置10は、クラッチハウジング51内に設けられており、このクラッチハウジング51は、駆動源である内燃機関と変速機との間に配置されるとともに、広く開口した内燃機関側の一端部でエンジンブロックにボルト締結され、他端部側ではトランスアクスルケースに一体に結合されている。
クラッチハウジング51内には、内燃機関のクランクシャフト52に締結されたフライホイール53が収納されている。なお、クランクシャフト52およびフライホイール53は、出力回転体を構成している。
本実施の形態のクラッチ機構1は、内燃機関のクランクシャフト52と変速機の入力軸18との間に介在する乾式単板タイプの摩擦クラッチから構成されている。
このクラッチ機構1は、クランクシャフト52から変速機の入力軸18への動力伝達経路を接続するクラッチ締結状態およびその動力伝達経路を切り離すクラッチ解除状態のうち任意の一方の状態に切換え可能であるが、常時はクラッチ締結状態となり、解除操作力が加えられるときに、解除操作力に応じて解除状態あるいは半クラッチ状態になるようになっている。
クラッチ機構1は、フライホイール53に隣接するクラッチディスク28を有する捩り振動減衰装置10と、フライホイール53との間にクラッチディスク28を収納するようフライホイール53に締結されたクラッチカバー54と、クラッチディスク28を間に挟んでフライホイール53に対向し、クラッチディスク28をフライホイール53側に押圧するプレッシャプレート55と、プレッシャプレート55をフライホイール53側に付勢して両者を圧接させ、クラッチディスク28を締結させるダイヤフラムスプリング56とを備えている。
なお、ダイヤフラムスプリング56は、ダイヤフラムスプリング56の内周側の複数のフィンガースプリング部分で操作してクラッチ締結状態を解除させることができるようになっている。
ダイヤフラムスプリング56は、自由状態ではその外周部がプレッシャプレート55側に大きく湾曲する皿ばね状のものであり、円環状のピポットリング56aおよびクラッチカバー54を介してフライホイール53に対して一定半径位置で拘束されるとともに、ピポットリング56aによる拘束部位より半径方向外側でプレッシャプレート55に圧接係合した状態でクラッチカバー54内に組み込まれている。
このダイヤフラムスプリング56は、クラッチカバー54内に組み込まれた状態において、プレッシャプレート55を介してクラッチディスク28をフライホイール53に圧接させるように撓んだ状態となっている。
この状態では、内燃機関の回転トルクがクランクシャフト52、フライホイール53および捩り振動減衰装置10を介して変速機の入力軸18に伝達される。
スレーブシリンダ57は、クラッチハウジング51に固定されており、変速機の入力軸18が挿通される貫通孔が形成されたインナーボディ59およびインナーボディ59の外側に配置されたアウターボディ60を含むシリンダを備えている。
インナーボディ59は、入力軸18の回転中心軸を中心に円筒状に形成されており、クラッチハウジング51に固定されている。アウターボディ60は、インナーボディ59よりも径が大きく形成されており、アウターボディ60の端部はクラッチハウジング51に固定されている。
そして、インナーボディ59とアウターボディ60との間には入力軸18の回転中心軸を中心として、環状に延びる空隙部が形成されている。
スレーブシリンダ57は、インナーボディ59とアウターボディ60との間に形成された空隙部内に配置された環状のピストン61を備えており、ピストン61は、空隙部内を入力軸18の軸線方向に移動可能に設けられている。
そして、インナーボディ59、アウターボディ60およびピストン61によって、油圧室62が空隙部内に形成されており、油圧室62には、作動油が充填されている。
油圧室62には、図示されないマスターシリンダに接続された供給管63が接続されており、油圧室62内には供給管63を介してマスダーシリンダによって加圧された作動油が供給される。
レリーズベアリング58は、ピストン61に固定されたインナーレース64と、インナーレース64に転動体65を介して回転自在に連結されたアウターレース66とを備えており、レリーズベアリング58は、ピストン61が入力軸18の軸線方向に変位することで、ピストン61と共に軸線方向に変位する。
このスレーブシリンダ57は、クラッチ断続装置においては、図示しないクラッチペダルが踏み込まれてマスターシリンダにより作動油圧が発生するとき、マスターシリンダ側からの供給管63を介して油圧室62に作動油が供給されるようになっている。
この作動油が供給管63から油圧室62に導入されると、ピストン61がレリーズベアリング58を図1中、右方に移動させることにより、レリーズベアリング58がダイヤフラムスプリング56のフィンガースプリング部分を押圧する。
このとき、ダイヤフラムスプリング56がピポットリング56aを境に半時計方向に回動することにより、プレッシャプレート55の押圧を解除する。このため、プレッシャプレート55がクラッチディスク28をフライホイール53側に押圧しなくなり、フライホイール53から捩り振動減衰装置10に動力が伝達されなくなる。
一方、図5に示すように、ボス16は、円周方向に3分割された分割体から構成されている。なお、以下、各分割体を分割ボス71、72、73という。
分割ボス71〜73のそれぞれは、分割ボス71〜73の円周方向一端部から円周方向外方に突出する対向部および第1の突出部としての突出部71a、72a、73aを備えている。
また、分割ボス71〜73のそれぞれは、分割ボス71〜73の円周方向他端部から円周方向外方に突出し、突出部71a〜73aの半径方向外方に位置して突出部71a〜73aに半径方向で対向する対向部および第2の突出部としての突出部71b、72b、73bを備えており、突出部71a〜73aおよび突出部71b〜73bの半径方向の対向面の間には弾性体74〜76が介装されている。
具体的には、隣接する分割ボス71〜73の突出部71aと突出部73bとの間、突出部73aと突出部72bとの間、突出部72aと突出部71bとの間にはそれぞれゴム等の弾性体74、75、76が介装されており、分割ボス71〜73のそれぞれは、弾性体74〜76が弾性変形することにより、半径方向に相対移動自在となっている。なお、弾性体74〜76にはグリスが含有されている。
また、隣接する分割ボス71〜73の円周方向の側面は当接しており、分割ボス71〜73は、円周方向に相対的に移動することが規制されており、分割ボス71〜73は、入力軸18にスプライン嵌合されて一体的に回転することになる。
また、外周溝16cは、分割ボス71〜73のそれぞれに形成されており、外周溝16cとハブプレート19の環状部20の内周溝20bには小コイルスプリング22が収納されている。
また、それぞれの小コイルスプリング22を保持するスプリングシート23a、23bの半径方向の外端にはゴム等の弾性ストッパ77a、77b、78a、78b、79a、79bが接着剤等によって固定されている。
この弾性ストッパ77a、77b、78a、78b、79a、79bは、環状部20の内周溝20bとスプリングシート23a、23bの半径方向外端の間に介装されているため、分割ボス71〜73が半径方向に所定量移動したときに、弾性ストッパ77a、77b、78a、78b、79a、79bが環状部20の内周溝20bの底面に当接することにより、分割ボス71〜73が半径方向に所定量以上移動するのを規制するようになっている。
次に、作用を説明する。
クラッチディスク28の摩擦材35a、35bがプレッシャプレート55に押圧されてフライホイール53およびプレッシャプレート55に摩擦接触すると、内燃機関の回転トルクがクッショニングプレート34を介してディスクプレート26、27に伝達される。
クラッチディスク28の摩擦材35a、35bがプレッシャプレート55に押圧されてフライホイール53およびプレッシャプレート55に摩擦接触すると、内燃機関の回転トルクがクッショニングプレート34を介してディスクプレート26、27に伝達される。
ニュートラルに変速したときのアイドル時には、捩り振動減衰装置10にコイルスプリング13を収縮させるだけの回転トルクが加わらないため、ボス16とディスクプレート26、27との相対回転角度が略0となっている。
ハブプレート19は、環状部20の内周スプライン20aとボス16の外周スプライン16bとの間に円周方向に所定の隙間θが形成されるため、小コイルスプリング22の弾性変形が隙間θの距離で許容され、ボス16とハブプレート19とが相対回転することにより、トルク0付近の捩れ角の範囲でフラットな低剛性な捩れ特性が発生する。
また、ハブプレート19がボス16に対して相対回転したときに、センタリングブッシュ37、38の一側面37c、38cがボス16に摩擦接触することにより、1段目の低ヒステリシストルクを発生させる。
このため、1段目の低剛性・低ヒステリシストルクの捩れ特性を得ることができ、捩り振動減衰装置10に加わる内燃機関のトルク変動による微小な回転変動は、小コイルスプリング22の収縮によってハブプレート19とボス16との間で緩衝されながら変速機の入力軸18に伝達される。
したがって、ニュートラルに変速したアイドル時において、無負荷状態にある変速機の歯車対からガラガラという歯打ち音、所謂、ガラ音が発生するのを抑制することができる。
次に、内燃機関がR1方向に回転している場合において、車両の加速時に内燃機関のトルク変動が大きくなると、環状部20の内周スプライン20aとボス16の外周スプライン16bとが係合して小コイルスプリング22の弾性変形が停止され、ボス16とハブプレート19とが一体回転する。
そして、ディスクプレート26、27がボス16とハブプレート19に対して正側(R1側)に捩れることにより、コイルスプリング13が圧縮することにより、ボス16およびハブプレート19がディスクプレート26、27からボス16に回転トルクを伝達する。このため、トルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることができる。
このとき、スラストブッシュ40の一側面40aおよび他側面40bがそれぞれディスクプレート26とハブプレート19に摩擦接触するとともに、スラストブッシュ41の一側面41aがハブプレート19に摩擦接触するため、大きいヒステリシストルクを得ることができる。
このため、2段目の高剛性・高ヒステリシストルクの捩れ特性を得ることができ、捩り振動減衰装置10に加わる内燃機関のトルク変動が大きい場合に、コイルスプリング13によって内燃機関と変速機との間で振動を減衰することにより、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音、所謂、ジャラ音の抑制を図ることができる。
一方、捩り振動減衰装置10は、変速機の入力軸18の外周スプライン18aにボス16の内周スプライン16aがスプライン嵌合されることによって、変速機にユニット化されており、変速機は、捩り振動減衰装置10とユニット化された状態で内燃機関に組み付けられる。
このとき、組み付け時に入力軸18の回転中心軸とクランクシャフト52の回転中心軸が合致していないと、クラッチディスク28がフライホイール53に締結されたときに入力軸18の回転中心軸とフライホイール53の回転中心軸、すなわち、クランクシャフト52の回転中心軸とが合致しないことになる。
捩り振動減衰装置10は、入力軸18の外周スプライン18aにボス16を構成する分割ボス71〜73の内周スプライン16aがスプライン嵌合されることにより、入力軸18と分割ボス71〜73とが一体化されているため、ボス16の回転中心軸が入力軸18の回転中心軸O1となる。
また、ボス16がハブプレート19に対して分割されているため、フライホイール53に締結されるクラッチディスク28、ディスクプレート26、27およびハブプレート19の回転中心軸がクランクシャフト52の回転中心軸O2となる。
本実施の形態では、図6に示すように、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2が合致しておらず、回転中心軸O2に対して回転中心軸O1が矢印方向F方向にδ1だけ半径方向に芯ずれしていた場合に、例えば、捩り振動減衰装置10の回転中のある瞬間に芯ずれ方向に分割ボス71が位置していた場合には、分割ボス71が芯ずれ方向Fに移動する。なお、芯ずれ方向Fは、ディスクプレート26、27およびハブプレート19の半径方向と同方向である。
本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、ボス16が、円周方向に分割される分割ボス71〜73から構成されており、分割ボス71〜73のそれぞれは、円周方向一端部から円周方向外方に突出する突出部71a〜73aと、円周方向他端部から円周方向外方に突出し、突出部71a〜73aの半径方向外方に位置して突出部71a〜73aに半径方向で対向する突出部71b〜73bとを含んで構成され、弾性体74〜76が突出部71a〜73aおよび突出部71b〜73bの半径方向の対向面の間に介装されている。
このため、内燃機関が矢印R1方向で示す回転している場合には、弾性体74が図6に示す位置よりもR1方向の上流側に位置している時点において、入力軸18が芯ずれ方向Fに移動すると、分割ボス71が芯ずれ方向Fに移動することによって突出部71aによって弾性体74が圧縮され、分割ボス72、73に対して分割ボス71が半径方向外方に移動して芯ずれを吸収する。
そして、捩り振動減衰装置10が矢印R1方向に回転するのに伴い、弾性体75、76を順次、圧縮変形させることにより、芯ずれ方向にある分割ボス72、73が隣接する分割ボスに対して半径方向外方に移動して芯ずれを吸収する。
ここで、分割ボス71〜73とディスクプレート26、27との間にはセンタリングブッシュ37、38が介装されており、分割ボス71〜73とセンタリングブッシュ37、38との間には半径方向にガタ(隙間)がある。
なお、図6、図7において、分割ボス71の移動状態を分かり易く説明するために、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2の芯ずれを大きく描いているが、実際の芯ずれ量は、数百μ程度であり、分割ボス71は、センタリングブッシュ37、38とボス16の間の半径方向のガタの範囲で半径方向に移動する。
このため、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ1が分割ボス71〜73とセンタリングブッシュ37、38とのガタの範囲内であれば、図6に示すように、分割ボス71が芯ずれ方向Fに移動することにより、芯ずれ方向Fに発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。
したがって、分割ボス71〜73と入力軸18とが芯ずれ方向Fに強い面圧で接触するのを防止して入力軸18と分割ボス71〜73の結合部が異常磨耗すること等を防止することができる。
一方、図7に示すように、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ2が分割ボス71〜73とセンタリングブッシュ37、38とのガタよりも大きい場合には、すなわち、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ2が過度に大きい場合には、分割ボス71が芯ずれ方向Fに移動したときに、分割ボス71の芯ずれ方向Fへの移動量が大きくなる。
本実施の形態では,小コイルスプリング22を保持するスプリングシート23a、23bの半径方向の外端に弾性ストッパ77a、77b、78a、78b、79a、79bを設けているので、図7に示すように、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2が過度に芯ずれした場合には、弾性ストッパ77a、77bがハブプレート19の内周溝20bの底面に当接する。
このため、分割ボス72、73に対して分割ボス71が芯ずれ方向に移動したときに、弾性ストッパ77a、77bがハブプレート19の内周溝20bの底面に当接することで、分割ボス71が芯ずれ方向Fに過度に移動してしまうのを防止することができ、過度な芯ずれを規制することができる。
このため、分割ボス71の外周部とセンタリングブッシュ37、38の内周部との間に過大な偏荷重が発生するのを防止して分割ボス71の外周部とセンタリングブッシュ37、38の内周部とが異常磨耗することを防止することができる。
また、隣接する分割ボス71〜73には半径方向に弾性変形する弾性体74〜76が介装されているので、図7において、弾性ストッパ77a、77bがハブプレート19の内周部に当接したときに、弾性体74、76が緩衝体となることで入力軸18と分割ボス71との結合部に偏荷重が発生するのを抑制することができる。
また、図7に示すように、過度な芯ずれが発生したときには、弾性ストッパ77a、77bがハブプレート19の内周溝20bの底面に当接することで分割ボス71の外周部とハブプレート19の内周部、すなわち、外周スプライン16bとハブプレート19との内周部および内周スプライン20aと分割ボス71の外周部とが接触するのを防止することができるので、結果的に、分割ボス71〜73の外周部とハブプレート19の結合部が異常磨耗することも防止することができる。
以上の結果、捩り振動減衰装置10の耐久性が悪化するのを防止することができる。
以上の結果、捩り振動減衰装置10の耐久性が悪化するのを防止することができる。
また、クラッチディスク28がフライホイール53から離脱すると、弾性体74〜76が圧縮状態から元の状態に復帰するため、芯ずれ方向Fに移動していた分割ボス71〜73が半径方向内方に移動する。
このため、入力軸18の回転中心軸O1と分割ボス71〜73の回転中心軸が合致するように分割ボス71〜73が元の状態(図5に示す状態)に復帰する。
なお、本実施の形態では、ボス16が3分割された分割ボス71〜73から構成されているが、ボス16は、2分割または4分割以上に分割された分割体から構成されてもよい。
なお、本実施の形態では、ボス16が3分割された分割ボス71〜73から構成されているが、ボス16は、2分割または4分割以上に分割された分割体から構成されてもよい。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明に係る捩り振動減衰装置の第2の実施の形態を示す図である。
本実施の形態では、第1のヒステリシストルク発生部材の構成が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成については、第1の実施の形態に対応する図面を用いて説明を行う。
図8は、本発明に係る捩り振動減衰装置の第2の実施の形態を示す図である。
本実施の形態では、第1のヒステリシストルク発生部材の構成が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成については、第1の実施の形態に対応する図面を用いて説明を行う。
図8において、ヒステリシストルク発生部材としての第1のヒステリシストルク発生部材81は、1段目のヒステリシストルクを発生するものであり、第1の環状摩擦材としての環状のセンタリングブッシュ82、第2の環状摩擦材としてのスラストブッシュ83および押し付け部材としての環状のコーンスプリング84を備えている。
センタリングブッシュ82およびスラストブッシュ83は、樹脂性材料から構成されており、センタリングブッシュ82は、分割ボス71〜73から構成されるボス16の外周部に固定され、ボス16と一体回転するようになっている。
センタリングブッシュ82は、ボス16の外周部に取付けられた半径方向の内周部82aと、ボス16の外周スプライン16bに当接する軸線方向の側部82bおよびディスクプレート26の内周部に当接する半径方向の外周部を備えており、外周部にテーパ面82cが形成されている。
ディスクプレート26の内周部にはテーパ面82cと同一の傾斜角に折り曲げられた折り曲げ部26bが形成されており、この折り曲げ部26bは、テーパ面82cに当接している。
すなわち、センタリングブッシュ82は、スラストブッシュ40に対して半径方向内方に位置してそれぞれボス16とディスクプレート26の間に設けられており、センタリングブッシュ82は、ボス16の回転中心とディスクプレート26、27の回転中心が一致するようにボス16とディスクプレート26、27の芯出しを行うことができる。
スラストブッシュ83は、ディスクプレート27とボス16の外周スプライン16bとの間に介装されている。コーンスプリング84は、スラストブッシュ83とディスクプレート27との間で軸線方向に圧縮されており、コーンスプリング84は、スラストブッシュ83をボス16の外周スプライン16bに押し付けることにより、センタリングブッシュ82のテーパ面82cをディスクプレート26の折り曲げ部26bに押し付けるようになっている。
また、コーンスプリング42の弾性率は、コーンスプリング84の弾性率よりも大きくなっており、すなわち、コーンスプリング84は、コーンスプリング42よりも変形し易くなっている。
このようにセンタリングブッシュ82のテーパ面82cがディスクプレート26の折り曲げ部26bに摩擦接触するとともに、スラストブッシュ83がボス16の外周スプライン16bに摩擦接触することにより、ハブプレート19がディスクプレート26、27と共にボス16に対して相対回転したときに、1段目の低ヒステリシストルクが発生するようになっている。
次に、作用を説明する。
入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ1が分割ボス71〜73とセンタリングブッシュ37、38とのガタの範囲内であれば、図6に示すように、分割ボス71が芯ずれ方向Fに移動することにより、芯ずれ方向に発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。
入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ1が分割ボス71〜73とセンタリングブッシュ37、38とのガタの範囲内であれば、図6に示すように、分割ボス71が芯ずれ方向Fに移動することにより、芯ずれ方向に発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。
したがって、分割ボス71〜73と入力軸18とが芯ずれ方向Fに強い面圧で接触するのを防止して入力軸18と分割ボス71〜73の結合部が異常磨耗すること等を防止することができる。
一方、図7に示すように、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ2が分割ボス71〜73とセンタリングブッシュ82およびスラストブッシュ83とのガタよりも大きい場合には、すなわち、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2との芯ずれ量δ2が過度に大きい場合には、分割ボス71が芯ずれ方向に移動したときに、分割ボス71の芯ずれ方向への移動量が大きくなる。
本実施の形態のセンタリングブッシュ82は、外周部にテーパ面82cが形成され、このテーパ面82cにディスクプレート26の折り曲げ部26bが当接するので、分割ボス71が芯ずれ方向に過度に移動した場合には、センタリングブッシュ82がテーパ面82cに沿って分割ボス71〜73と共に軸線方向に移動してしまう。
このため、スラストブッシュ83とディスクプレート27との間の軸線方向の隙間が小さくなってしまい、スラストブッシュ83とディスクプレート27との間に介装されたコーンスプリング84が軸線方向に過度に撓んでしまう。
また、フライホイール53からクラッチディスク28が離隔してクラッチが解除されると、芯ずれ方向F2に移動していた分割ボス71〜73が弾性体74〜76に付勢されて元の状態に復帰するので、コーンスプリング84の異常変形が解消され、センタリングブッシュ82がコーンスプリング84に付勢されて軸線方向で元の位置に戻る。
すなわち、クラッチが締結されるときにコーンスプリング84が異常変形し、クラッチが解除されると元の状態に復帰する動作が繰り返されることになり、コーンスプリング84の金属疲労が発生してしまう。
これに加えて、分割ボス71〜73が軸線方向に移動すると、分割ボス71〜73の外周スプライン16bとハブプレート19の内周スプライン20aとが軸線方向にずれてしまい、外周スプライン16bと内周スプライン20aとの噛み合い幅が少なくなり、外周スプライン16bと内周スプライン20aとの面圧が局部的に高くなってしまい、外周スプライン16bと内周スプライン20aとが異常磨耗してしまうおそれがある。
本実施の形態では、図7に示すように、例えば、分割ボス71が芯ずれ方向Fに過度に移動した場合には、弾性ストッパ77a、77bがハブプレート19の内周部に当接することで、分割ボス71が芯ずれ方向Fに過度に移動してしまうのを防止することができるので、センタリングブッシュ82が軸線方向に移動するのを抑制できる。
このため、コーンスプリング84が軸線方向に過度に撓んだり、元の状態に復帰することの繰り返しによる金属疲労が発生するのを防止することができ、コーンスプリング84の耐久性が低下してしまうのを防止することができる。
このため、1段目のヒステリシストルクを十分に出すことができ、ガラ音を抑制してNV(Noise and Vibration)性能が低下するのを防止することができる。
これに加えて、外周スプライン16bと内周スプライン20aとが軸線方向にずれてしまうのを防止して外周スプライン16bと内周スプライン20aとの面圧が局部的に高くなるのを防止することができ、外周スプライン16bと内周スプライン20aとが異常磨耗してしまうのを防止することができる。
以上の結果、捩り振動減衰装置10の耐久性が悪化するのを防止することができる。
以上の結果、捩り振動減衰装置10の耐久性が悪化するのを防止することができる。
(第3の実施の形態)
図9、図10は、本発明に係る捩り振動減衰装置の第3の実施の形態を示す図である。
本実施の形態では、第1の回転部材の構成が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図9、図10は、本発明に係る捩り振動減衰装置の第3の実施の形態を示す図である。
本実施の形態では、第1の回転部材の構成が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図9において、第1の回転部材91は、内周回転部材と外周回転部材とが一体的に形成されたものであり、ボス92およびボス92から半径方向外方に突出する複数の突出部93から構成されている。
ボス92の内周部には変速機の入力軸18の外周スプライン18aが嵌合される内周スプライン92aが形成されている。
突出部93は、スプリング収容孔93Aを介して円周方向に離隔しており、スプリング収容孔93Aにはコイルスプリング13およびスプリングシート24a、24bが装着されるようになっている。
ボス92は、円周方向に4分割された分割体としての分割体94、95、96、97から構成されている。分割体94〜97のそれぞれは、分割体94〜97の円周方向一端部から円周方向外方に突出する対向部および第1の突出部としての突出部94a、95a、96a、97aを備えている。
また、分割体94〜97のそれぞれは、分割体94〜97の円周方向他端部から円周方向外方に突出し、突出部94a〜97aの半径方向外方に位置して突出部94a〜97aに半径方向で対向する対向部および第2の突出部としての突出部94b、95b、96b、97bとを備えており、突出部94a〜97aおよび突出部94b〜97bの半径方向の対向面の間には弾性体98、99、100、101が介装されている。
具体的には、分割体94〜97の突出部94aと突出部95bとの間、突出部95aと突出部96bとの間、突出部96aと突出部97bとの間、突出部97aと突出部94bとの間にはそれぞれゴム等の弾性体98〜101が介装されており、分割体94〜97のそれぞれは、弾性体98〜101が弾性変形することにより、半径方向に相対移動自在となっている。
また、隣接する分割体94〜97の円周方向の側面は、当接しているため、分割体94〜97は、円周方向に相対移動することが規制されており、分割体94〜97は、入力軸18にスプライン嵌合されて一体的に回転することになる。なお、弾性体98〜101にはグリスが含有されている。
次に、作用を説明する。
図10に示すように、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2が合致しておらず、回転中心軸O2に対して回転中心軸O1が矢印方向B方向にδ3だけ半径方向にずれていた場合に、例えば、捩り振動減衰装置10の回転中のある瞬間に芯ずれ方向に分割体94が位置していた場合には、分割体94が半径方向外方に移動する。
図10に示すように、入力軸18の回転中心軸O1とクランクシャフト52の回転中心軸O2が合致しておらず、回転中心軸O2に対して回転中心軸O1が矢印方向B方向にδ3だけ半径方向にずれていた場合に、例えば、捩り振動減衰装置10の回転中のある瞬間に芯ずれ方向に分割体94が位置していた場合には、分割体94が半径方向外方に移動する。
このため、内燃機関が矢印R1方向で示す回転している場合には、弾性体98が図10に示す位置よりもR1方向の上流側に位置している時点において、入力軸18が芯ずれ方向に移動すると、半径方向内方に位置する分割体94が芯ずれ方向Fに移動することによって突出部94aによって弾性体98が圧縮され、分割体95〜97に対して分割体94が半径方向外方に移動して芯ずれを吸収する。
そして、捩り振動減衰装置10が矢印R1方向に回転するのに伴い、弾性体99、100、101を順次、圧縮変形させることにより、芯ずれ方向Fにある分割体95〜97が隣接する分割体に対して芯ずれ方向F3に移動して芯ずれを吸収する。
このため、芯ずれ方向F3に発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。
このため、芯ずれ方向F3に発生する入力荷重を緩和して偏荷重が発生するのを防止することができる。
したがって、ボス92の内周スプライン92aと入力軸18の外周スプライン18aとが芯ずれ方向Fに強い面圧で接触するのを防止して、入力軸18と分割体94〜97のボス92の結合部が異常磨耗すること等を防止することができ、捩り振動減衰装置10の耐久性が悪化するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、分割体94〜97が突出部93を境にして分割されているため、分割体94〜97が半径方向に芯ずれした場合に、コイルスプリング13が半径方向に撓むように変形するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、分割体94〜97が突出部93を境にして分割されているため、分割体94〜97が半径方向に芯ずれした場合に、コイルスプリング13が半径方向に撓むように変形するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、捩り振動減衰装置10をクラッチ機構1に適用しているが、これに限らず、車両の駆動伝達系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、駆動源の出力回転体の回転中心軸と駆動伝達系の出力軸の回転中心軸とが半径方向に芯ずれした場合に、偏荷重が発生するのを防止することができ、耐久性が悪化するのを防止することができるという効果を有し、車両等に搭載され、駆動源の出力回転体と駆動伝達系の入力軸との間で捩り振動を吸収しつつトルクを伝達するための捩り振動減衰装置等として有用である。
10 捩り振動減衰装置
11、91 第1の回転部材
12 第2の回転部材
13 コイルスプリング(弾性部材)
16 ボス
16a 内周スプライン
16b 外周スプライン
16c 外周溝
18 入力軸
19 ハブプレート(外周回転部材)
20a 内周スプライン
20b 内周溝
22 小コイルスプリング(付勢部材)
23a スプリングシート(第1の保持部材)
23b スプリングシート(第2の保持部材)
26 ディスクプレート(第2の回転部材、第1のディスクプレート)
27 ディスクプレート(第2の回転部材、第2のディスクプレート)
28 クラッチディスク(第2の回転部材)
29、81 第1のヒステリシストルク発生部材(第2の回転部材、ヒステリシストルク発生部材)
30 第2のヒステリシストルク発生部材(第2の回転部材)
37、38 センタリングブッシュ(環状摩擦材)
39、84 コーンスプリング(環状摩擦材、押し付け部材)
52 クランクシャフト(出力回転体)
53 フライホイール(出力回転体)
71、72、73 分割ボス(分割体)
71a、72a、73a、94a、95a、96a、97a 突出部(対向部、第1の突出部)
71b、72b、73b、94b、95b、96b、97b 突出部(対向部、第2の突出部)
74、75、76、98、99、100、101 弾性体
77a、77b、78a、78b、79a、79b 弾性ストッパ
82 センタリングブッシュ(環状摩擦材、第1の環状摩擦材)
82a 内周部(半径方向内周部)
82b 側部(軸線方向側部)
82c テーパ面(軸線方向外周部)
83 スラストブッシュ(環状摩擦材、第1の環状摩擦材)
95〜97 分割体
11、91 第1の回転部材
12 第2の回転部材
13 コイルスプリング(弾性部材)
16 ボス
16a 内周スプライン
16b 外周スプライン
16c 外周溝
18 入力軸
19 ハブプレート(外周回転部材)
20a 内周スプライン
20b 内周溝
22 小コイルスプリング(付勢部材)
23a スプリングシート(第1の保持部材)
23b スプリングシート(第2の保持部材)
26 ディスクプレート(第2の回転部材、第1のディスクプレート)
27 ディスクプレート(第2の回転部材、第2のディスクプレート)
28 クラッチディスク(第2の回転部材)
29、81 第1のヒステリシストルク発生部材(第2の回転部材、ヒステリシストルク発生部材)
30 第2のヒステリシストルク発生部材(第2の回転部材)
37、38 センタリングブッシュ(環状摩擦材)
39、84 コーンスプリング(環状摩擦材、押し付け部材)
52 クランクシャフト(出力回転体)
53 フライホイール(出力回転体)
71、72、73 分割ボス(分割体)
71a、72a、73a、94a、95a、96a、97a 突出部(対向部、第1の突出部)
71b、72b、73b、94b、95b、96b、97b 突出部(対向部、第2の突出部)
74、75、76、98、99、100、101 弾性体
77a、77b、78a、78b、79a、79b 弾性ストッパ
82 センタリングブッシュ(環状摩擦材、第1の環状摩擦材)
82a 内周部(半径方向内周部)
82b 側部(軸線方向側部)
82c テーパ面(軸線方向外周部)
83 スラストブッシュ(環状摩擦材、第1の環状摩擦材)
95〜97 分割体
Claims (6)
- 駆動源の出力回転体と駆動伝達系の入力軸との間で捩り振動を吸収しつつ回転トルクを伝達するための捩り振動減衰装置であって、
前記入力軸に取付けられた第1の回転部材と、前記出力回転体から回転トルクが伝達される第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に介装され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに弾性変形することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で捩り振動を吸収しつつ動力の伝達を行う弾性部材とを備え、
前記第1の回転部材が、円周方向に分割される複数の分割体を備え、円周方向に隣接する前記分割体は、半径方向に対向する対向部を有し、各分割体の対向部の間に弾性体が介装されることを特徴とする捩り振動減衰装置。 - 前記対向部は、前記分割体の円周方向一端部から円周方向外方に突出する第1の突出部と、前記分割体の円周方向他端部から円周方向外方に突出し、前記第1の突出部の半径方向外方に位置して前記第1の突出部に半径方向で対向する第2の突出部を有し、前記弾性体が前記第1の突出部および前記第2の突出部の半径方向の対向面の間に介装されることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
- 前記第1の回転部材は、内周部が前記入力軸に嵌合されるとともに外周部に外周スプラインが形成された前記分割体と、前記分割体の半径方向外方に設けられ、円周方向に所定の隙間を介して前記外周スプラインに対向する内周スプラインを有する外周回転部材と、前記分割体の外周部に円周方向の所定長に亘って形成された外周溝と、前記外周溝に半径方向に対向して前記外周回転部材の内周部に円周方向の所定長に亘って形成された内周溝と、前記外周溝および内周溝に収納され、前記所定の隙間が形成されるように前記分割体と前記外周回転部材とを円周方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記弾性部材が前記外周回転部材と前記第2の回転部材との間に介装されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。 - 前記付勢部材の一端部を保持して前記外周溝および前記内周溝の円周方向一端部に当接する第1の保持部材と、前記付勢部材の他端部を保持して前記外周溝および前記内周溝の円周方向他端部に当接する第2の保持部材とを備え、
前記第1の保持部材および前記第2の保持部材の半径方向外端に、前記分割体が半径方向に所定量以上移動したときに、前記外周回転部材の内周溝の底面に当接する弾性ストッパを設けたことを特徴とする請求項3に記載の捩り振動減衰装置。 - 前記第2の回転部材と前記分割体との間にヒステリシストルクを発生させるヒステリシストルク発生部材を備え、
前記ヒステリシストルク発生部材は、前記第2の回転部材の内周部と前記分割体の外周部との間に介装され、前記第2の回転部材と前記分割体との半径方向の位置決めを行うとともに、軸線方向で前記分割体または前記第2の回転部材に接触する環状摩擦材と、
前記環状摩擦材を軸線方向で前記分割体または前記第2の回転部材に押し付ける押し付け部材とを含んで構成されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の捩り振動減衰装置。 - 前記第2の回転部材が、前記第1の回転部材の軸線方向両側に設けられ、互いに連結されて一体回転自在な一対の第1のディスクプレートおよび第2のディスクプレートを含んで構成され、
前記環状摩擦材が、前記分割体の外周部に取付けられた半径方向内周部、前記分割体の外周スプラインに当接する軸線方向側部および前記第1のディスクプレートの内周部に当接する半径方向外周部を有する第1の環状摩擦材と、前記第2のディスクプレートと前記分割体の外周スプラインとの間に介装された第2の環状摩擦材とを含んで構成され、
前記押し付け部材が、前記第2のディスクプレートとの第2の環状摩擦材との間に介装され、前記第2の環状摩擦材を前記分割体の外周スプラインに押圧することにより、前記第1の摩擦部材の外周部を前記第1のディスクプレートの内周部に押し付けるように構成され、
前記第1の環状摩擦材の半径方向外周部にテーパ面が形成されることを特徴とする請求項5に記載の捩り振動減衰装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011129362A JP2012255502A (ja) | 2011-06-09 | 2011-06-09 | 捩り振動減衰装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106195114A (zh) * | 2015-06-01 | 2016-12-07 | 法雷奥离合器公司 | 离合器板 |
JP2016539619A (ja) * | 2013-09-25 | 2016-12-15 | ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフトZf Friedrichshafen Ag | 電気機械を有するアセンブリ |
JP2017227222A (ja) * | 2016-06-20 | 2017-12-28 | アイシン精機株式会社 | ダンパ装置 |
JP2020112241A (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-27 | 株式会社エクセディ | ダンパ装置 |
CN113266650A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-08-17 | 江苏名豪汽车零部件有限公司 | 一种大马力拖拉机离合器 |
-
2011
- 2011-06-09 JP JP2011129362A patent/JP2012255502A/ja not_active Withdrawn
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WO2017221484A1 (ja) * | 2016-06-20 | 2017-12-28 | アイシン精機株式会社 | ダンパ装置 |
JP2020112241A (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-27 | 株式会社エクセディ | ダンパ装置 |
JP7148419B2 (ja) | 2019-01-16 | 2022-10-05 | 株式会社エクセディ | ダンパ装置 |
CN113266650A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-08-17 | 江苏名豪汽车零部件有限公司 | 一种大马力拖拉机离合器 |
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