JP2012254467A - 金型冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型冷却用の冷却水を分配して、金型2の内部に形成された複数の冷却路2a〜2eの各々に供給し、冷却路2a〜2eの各々を通流した冷却水を、各冷却路2a〜2eに接続された排出管6a〜6eを介して、金型2の外部に排出させる冷却装置において、排出管6a〜6eのうちのひとつの排出管6aに、駆動空気の噴射により発生させた負圧を利用して、冷却路2aを通流する冷却水を吸引する冷却水吸引装置9を設けた構成とした。
【選択図】図1
Description
しかし、特許文献1の方法では、内部に冷却路が複雑に巡らされた金型の場合には、適切な冷却が困難であった。
そのため、冷却路を通流する冷却水の安定化を、より簡便に実行できるようにすることが求められている。
前記排出管の少なくともひとつに、駆動流体の噴射により発生させた負圧を利用して前記流体を吸引する吸引装置を設けたことを特徴とする金型冷却装置。
また、吸引手段が設けられた排出管が接続された冷却路は、他の冷却路に比べて圧力が低くなるので、分配された冷却水がより多く通流するようになる。よって、金型の冷却を確実にしたい領域を通る冷却路に接続された排出管に吸引装置を設けることで、金型における特定の部位に、冷却水を安定して流すことができる。
冷却路2a〜2eの排出側には、冷却路2aと冷却水吸引装置9とを接続する排出管6aと、排出側のマニフォールド5の導入口5b〜5eと冷却路2b〜2eの排出口とを一対一で接続する排出管6b〜6eとが、接続されている。
そして、冷却路2a〜2e内を通流して金型2を冷却した冷却水のうち、冷却路2a内を通流した冷却水は、排出管6a1を介して冷却水吸引装置9内に吸引される。一方、冷却路2b〜2e内を通流した冷却水は、排出管6b〜6eを介して排出側のマニフォールド5に導かれたのち、集中配管7outを介して排出される。
図2は、冷却水吸引装置9の構成を説明する図であり、(a)は、軸方向から見た平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、(b)における領域Bの拡大図である。なお、図2の(a)では、図2の(b)において示す接続部材40、60の図示が省略されている。
図3は、冷却水吸引装置9の本体部10を説明する図であり、(a)は、図2の(b)における本体部10を示した断面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
軸方向から見て、連通室11は円形を成しており、その内径D1は、長手方向(深さ方向)の全長に亘って同じである。そのため、本体部10内において連通室11は、円柱形状の空間を画成している。
接続口12は、中心軸Xに直交する軸線Yに沿って延びており、その断面形状は円形を成している。この接続口12は、中心軸Xから離れるにつれて拡径しており、その内周面には、長手方向の全長に亘って雌ネジ12aが形成されている。
そして、本体部10の外周面10cには、接続口12の開口を所定間隔で囲む凹部13が設けられている。
接続部材40は、接続口12に螺合する連結部41と、連結部41の一端から径方向外側に延びるフランジ部42と、排出管6a1が取り付けられる取付部43と、を備えており、接続部材40の中央には、連結部41とフランジ部42と取付部43を貫通して、貫通穴44が形成されている。
この貫通穴44は、冷却水吸引装置9の駆動時に、排出管6a1側から吸引される流体(冷却水やその気化物)が通流する流路を構成している。
ディフューザ部20は、先細管部21と末広管部22との間にスロート部23が位置して構成される。
この開口22aは、軸方向から見て円形を成しており、底部14bよりも小さい内径D3で形成されている。
また、中心軸Xの軸方向における先細管部21の長さL1は、末広管部22の長さL2よりもりも僅かに短くなっており、ディフューザ部20を通過する流体で、エゼクター効果が最大限発揮されるように設定されている。
この貫通穴54は、冷却水吸引装置9の駆動時に、冷却水吸引装置9から排出される流体(駆動空気、冷却水およびその気化物)が通流する流路を構成している。
連結部51の軸方向の長さh3は、接続口14の深さと同じであり、接続部材50が本体部に接続された状態で、フランジ部52が本体部10の他端10bに軸方向から当接して、接続口14と連結部51との間の隙間を塞いでいる。
図2に示すように、本体部10の一端10aには、ノズル部30のフランジ部31が軸方向から当接しており、フランジ部31と本体部10の間に介在するOリング16により、連通室11内の気密が保持されるようになっている。
軸部32は、フランジ部31の本体部10との当接面31cから突出しており、図2に示すように、ノズル部30が本体部10に取り付けられた際に、本体部10の連通室11に軸方向から挿入される。
導入部33に隣接する先細ノズル部35は、導入部33から離れるにつれて縮径する向きで設けられている。この先細ノズル部35の基端の開口35aは、軸方向から見て円形を成しており、内径D5で形成されている。
また、軸方向における先細ノズル部35の長さL3は、末広ノズル部36の長さL4よりもりも短くなっており、噴射部34を通過する駆動空気により、エゼクター効果が最大限発揮されるように設定されている。
これは、傾斜面32bが、中心軸Xに対して平行に位置していると、貫通穴44を通って連通室11に吸引された流体の流れが、傾斜面32bにより大きく阻害されて、連通室11内に吸引された流体のディフューザ部20(先細管部21)側への移動がスムーズに行えなくなる虞があるからである。
ノズル部30は、雄ネジ32dを、本体部10の連通室11の内周面に形成された雌ネジ11cに螺入して、本体部10に取り付けられるようになっている。
この状態で、連通室11と先細管部21のスロート部23側とは、軸部32の傾斜面32bと先細管部21の内周面21bとの間の僅かな隙間CLを介して連通している。
そして、軸部32の傾斜面32bと先細管部21の内周面21bとの間の隙間が、軸部32の先端32a側に向かうにつれて狭まるように配置されているので、隙間CLが擬似的にスロート部としての機能を発揮するようになっている。
噴射部34では、先細ノズル部35と末広ノズル部36との間にスロート部37が位置しているので、スロート部37を通過することで高速化された空気がスロート部23に向けて噴射される。
このとき、駆動空気の流れは、スロート部23のエゼクター効果によって高速化されるため、スロート部23の圧力は、ベルヌーイの定理に従って低下し、先細管部21内は、スロート部23の圧力(負圧)に応じた負圧となる。
前記したように、連通室11と先細管部21との隙間CLもまた、擬似的にスロート部としての機能を発揮するようになっているので、連通室11内に吸引された流体が、隙間CLを通って先細管部21内に移動すると、隙間CLを通過する流体によるエゼクター効果により、連通室11内の負圧がより高くなって、連通室11内に流体を吸引する吸引力がより高まことになる。
よって、冷却路2a内に供給された冷却水やその気化物が、冷却路2a内で滞留することを好適に防止できるので、冷却水の流れを安定化して、金型2の冷却を適切に行うことができる。
よって、金型2の特に冷却が必要な領域を通る冷却路が冷却路2aである場合、この冷却路2aの下流側に位置する排出管6aに冷却水吸引装置9を取り付けることで、冷却路2aを通流させる冷却水の量を増やすと共に、確実に通流させることができるので、金型2の適切な冷却が可能になる。
よって、従来の冷却装置の場合、供給管毎にバルブを設けるために、冷却装置のコストが上昇すると共に、冷却水を調整するための各バルブの調整が困難であった。
冷却水吸引装置9を利用する場合には、冷却水の量の確保が必要な冷却路に接続された排出管にのみ冷却水吸引装置9を取り付ければよいので、バルブの場合に比べて冷却装置のコストが低減される。さらに、冷却水の量の調整は、冷却水吸引装置9に供給される駆動空気の量をレギュレータRで調整するだけで良いので、バルブの場合に比べて冷却水の調整が容易となる。
また、冷却水吸引装置9が設けられた排出管が接続された冷却路は、他の冷却路に比べて圧力が低くなるので、分配された冷却水がより多く通流するようになる。よって、金型の冷却を確実にしたい領域を通る冷却路に接続された排出管に冷却水吸引装置9を設けることで、金型2における特定の部位に、冷却水を安定して流すことができる。
また、駆動空気の噴射により発生させた負圧を利用する冷却水吸引装置9としたので、ポンプP側に冷却水が直接吸引されないようにできる。ポンプP側に冷却水が直接吸引される場合には、吸引した冷却水を分離する手段等を別途設ける必要が生じるので、装置が複雑となるが、負圧を利用する冷却水吸引装置9の場合には、そのような手段を設ける必要がない。さらに、冷却水がポンプP側に直接吸引されないので、ポンプPの寿命が低下することや、ポンプPのメンテナンスが煩雑になることがない。
流路の直交方向からに連通室11に開口すると共に、排出管6a1が接続される接続口12と、を備え、ノズル部30の先端32aを、接続口12よりもスロート部23側に位置させると共に、ノズル部30における軸部32の外径を先端32a側に向かうにつれて縮径させた構成とした。
ノズル部30の先端32aが接続口12よりもスロート部23側に位置しているので、連通室11内に吸引された流体が、ノズル部30から噴射される駆動気体の流れを直接阻害しない。これにより、負圧の発生が阻害されないので、排出管6a1側からの流体の吸引を確実に行うことができる。
よって、スロート部23への異物の詰まり等により、ディフューザ部20の機能が低下した場合には、速やかに異物を取り除いて、ディフューザ部20の機能を回復させることができる。すなわち、メンテナンス性に優れた冷却装置1とすることができる。
図5は、第2実施形態にかかる冷却水吸引装置9Aの構成を説明する図であり、(a)は断面図、(b)は(a)における領域Aの拡大図である。
先端32a側の縮径部322の外周面(傾斜面)322aと中心軸Xとの交差角Xaは、段部32c側(基端側)の縮径部321の外周面(傾斜面)321aと中心軸Xとの交差角Xbよりも大きくなっており、縮径部322のほうが、縮径部321よりも大きく縮径している。
ここで、軸部32Aの先端32a側が2段階に縮径していると、境界323と内周面21bとの隙間CLよりも下流側C2では、軸部32A(縮径部322)の外周面322aと先細管部21の内周面21bとの間の隙間が徐々に広がるように、流体の流路が形成されているので、先細管部21内に吸引される流体の流速を上げつつ、先細管部21内に吸引された流体が、末広ノズル部36から噴射される空気の流れ方向に沿って移動するように指向性を持たせることができる。
また、隙間CLを通って先細管部21内に吸引される流体に指向性を持たせることができるので、この吸引された流体により、末広ノズル部36から噴射される空気の流れが大きく阻害されることを防止できる。よって、スロート部23を通過する空気によるエゼクター効果を最大限発揮させることができる。
2 金型
2a〜2e 冷却路
3 マニフォールド
4a〜4e 供給管
5 マニフォールド
6a〜6e 排出管
7in 集中配管
7out 集中配管
8 空気導入管
9、9A 冷却水吸引装置(吸引装置)
10 本体部
11 連通室
12 接続口
14 接続口
20 ディフューザ部
21 先細管部
22 末広管部
23 スロート部
30 ノズル部
31 フランジ部
32、32A 軸部
33 導入部
34 噴射部
35 先細ノズル部
36 末広ノズル部
37 スロート部
40、50、60 接続部材
P ポンプ
R レギュレータ
X 中心軸
Claims (5)
- 金型冷却用の流体を分配して、金型の内部に形成された複数の冷却路の各々に供給し、前記冷却路の各々を通流した流体を、各冷却路に接続された排出管を介して、前記金型の外部に排出させる金型冷却装置において、
前記排出管の少なくともひとつに、駆動流体の噴射により発生させた負圧を利用して前記流体を吸引する吸引装置を設けたことを特徴とする金型冷却装置。 - 前記吸引装置は、
先細管部と末広管部との間にスロート部が位置する直線状の流路を備えるディフューザ部と、
前記先細管部に隣接して設けられて、前記先細管部に連通する連通室と、
前記連通室に挿入されて、前記スロート部に向けて前記駆動流体を噴射するノズルと、
前記流路の直交方向からに連通室に開口すると共に、前記排出管が接続される接続口と、を備え、
前記ノズルの先端を、前記接続口よりも前記スロート部側に位置させると共に、前記ノズルの外径を先端側に向かうにつれて縮径させたことを特徴とする請求項1に記載の金型冷却装置。 - 前記ノズルの先端は、前記先細管部内に位置しており、前記先細管部の内周面と前記ノズルの外周面との間が、前記ノズルの先端側に向かうにつれて狭くなることを特徴とする請求項2に記載の金型冷却装置。
- 前記ノズルの先端側は、その外径が前記ノズルの基端側よりも大きく縮径しており、
当該大きく縮径する部分の基端は、前記先細管部内に位置しており、前記先細管部の内周面と前記ノズルの外周面との間が、前記基端に向かうにつれて狭くなったのち、前記基端から前記ノズルの先端に向かうにつれて広くなることを特徴とする請求項2に記載の金型冷却装置。 - 前記ノズルは、先細ノズル部と末広ノズル部との間にスロート部が位置する直線状の噴射路を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の金型冷却装置。
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