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JP2012244803A - ステータ製造方法 - Google Patents

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JP2012244803A
JP2012244803A JP2011113532A JP2011113532A JP2012244803A JP 2012244803 A JP2012244803 A JP 2012244803A JP 2011113532 A JP2011113532 A JP 2011113532A JP 2011113532 A JP2011113532 A JP 2011113532A JP 2012244803 A JP2012244803 A JP 2012244803A
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達哉 坂本
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Abstract

【課題】コイル籠にインシュレータを挿入するときに、インシュレータを損傷する恐れのないステータ製造方法を提供すること。
【解決手段】インシュレータ挿入工程では、先端に上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bを備える、一対のインシュレータ把持治具11、12により、インシュレータMの上下を把持した状態で、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bにより、スロット内導線部Sを位置決めした後、スロット内導線部Sの側面に沿って、コイル籠Kの外側からインシュレータMを挿入すること、ステータコア組立工程では、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bにより、スロット内導線部Sを位置決めした状態で、一対のインシュレータ把持治具11、12の間に配置された分割コアPを中心方向に移動させることにより、分割コアPを前記インシュレータMの外側に挿入する。
【選択図】図6

Description

本発明は、平角導線が円筒形状に巻かれ、径方向に重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に形成されているコイル籠に対して、前記スロット内導線部の側面に沿ってインシュレータを挿入するインシュレータ挿入工程と、前記スロット内導線部の前記インシュレータの外側に分割コアを挿入して、円筒形状のステータコアを組み立てるステータコア組立工程と、を有するステータ製造方法に関する。
従来、断面が矩形状である平角導線を用いた分布巻きコイルを、円筒形状に巻いて、スロット内導線部を径方向に重ね合わせて、重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に配置されるようにしたコイル籠を製造し、コイル籠に対して、外周側から分割コアを挿入して、ステータを製造するステータ製造方法が知られている。
特許文献1には、平角導線が円筒形状に巻かれ、径方向に重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に形成されているコイル籠に対して、外周側からインシュレータを挿入し、その後、スロット内導線部を導体案内矢板にて保持しつつ、分割コアでその導体案内矢板を内径方向に押しながら組み付ける方法が開示されている。
特開2009-254137号公報
しかしながら、従来のステータ製造方法には、次のような問題があった。
(1)特許文献1においては、コイル籠を構成しているスロット内導線部が、精確に整列していない場合があり薄い樹脂製インシュレータを挿入するときに、インシュレータの先端がはみ出したスロット内導線部に引っかかってしまい、インシュレータが折れたり、または位置ずれしたり、または破れたりする恐れがあった。インシュレータが位置ずれしたり、破れたりすると、必要とする絶縁性が確保できない恐れがあり、問題であった。また、特許文献1では、分割コアを挿入するときに、導体案内矢板がスロット内導線部を位置決めしているが、スロット内導線部は、複数の平角導線が重ね合わされたものであり、平角導線の継ぎ目を通過するときに、導体案内矢板が既に外れている場合があり、スロット内導線部の位置決めが不十分なために、分割コアがスロット内導線部に引っかかって、平角導線の表面に形成されている絶縁被膜を損傷する恐れがあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、コイル籠にインシュレータを挿入するときに、インシュレータを損傷する恐れのないステータ製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のステータ製造方法は、次のような構成を有している。
(1)平角導線が円筒形状に巻かれ、径方向に重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に形成されているコイル籠に対して、スロット内導線部の側面に沿ってインシュレータを挿入するインシュレータ挿入工程と、スロット内導線部のインシュレータの外側に分割コアを挿入して、円筒形状のステータコアを組み立てるステータコア組立工程と、を有するステータ製造方法において、インシュレータ挿入工程では、先端に外矢ガイドを備える、一対のインシュレータ把持治具により、インシュレータの上下を把持した状態で、外矢ガイドにより、スロット内導線部を位置決めした後、スロット内導線部の側面に沿って、コイル籠の外側からインシュレータを挿入すること、ステータコア組立工程では、外矢ガイドにより、スロット内導線部を位置決めした状態で、一対のインシュレータ把持治具の間に配置された分割コアを中心方向に移動させることにより、分割コアを前記インシュレータの外側に挿入すること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するステータ製造方法において、前記インシュレータ挿入工程の前工程として、前記コイル籠の内周側から内矢ガイドを挿入して、前記内矢ガイドにより前記スロット内導線部を位置決めする準備工程を有し、前記インシュレータ挿入工程では、前記内矢ガイドと前記外矢ガイドとが重なり合って移動すること、を特徴とする。
次に、本発明に係るステータ製造方法の作用及び効果について説明する。
(1)平角導線が円筒形状に巻かれ、径方向に重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に形成されているコイル籠に対して、スロット内導線部の側面に沿ってインシュレータを挿入するインシュレータ挿入工程と、スロット内導線部のインシュレータの外側に分割コアを挿入して、円筒形状のステータコアを組み立てるステータコア組立工程と、を有するステータ製造方法において、インシュレータ挿入工程では、先端に外矢ガイドを備える、一対のインシュレータ把持治具により、インシュレータの上下を把持した状態で、外矢ガイドにより、スロット内導線部を位置決めした後、スロット内導線部の側面に沿って、コイル籠の外側からインシュレータを挿入すること、ステータコア組立工程では、外矢ガイドにより、スロット内導線部を位置決めした状態で、一対のインシュレータ把持治具の間に配置された分割コアを中心方向に移動させることにより、分割コアを前記インシュレータの外側に挿入すること、を特徴とする。
例えば、外矢ガイドは、インシュレータ把持治具の上下端部に内周側に突出して形成されており、インシュレータ把持治具に保持されたインシュレータに先行して、スロット内に進入して、スロット内導線部を位置決めする。それにより、外矢ガイドがスロット内導線部を位置決めした後から、インシュレータが挿入されるため、インシュレータが、スロット内導線部に引っかかることがなく、折れたり、位置ずれしたり、破れたりすることがない。
また、先行する外矢ガイドにより予めスロット内導線部を位置決めしている状態で、分割コアを挿入するため、常に外矢ガイドがスロット内導線部を位置決めしているので、分割コアの先端部が、スロット内導線部の継ぎ目に引っかかることがないため、スロット内導線部の絶縁被膜が損傷する恐れがない。
(2)(1)に記載するステータ製造方法において、前記インシュレータ挿入工程の前工程として、前記コイル籠の内周側から内矢ガイドを挿入して、前記内矢ガイドにより前記スロット内導線部を位置決めする準備工程を有し、前記インシュレータ挿入工程では、前記内矢ガイドと前記外矢ガイドとが重なり合って移動すること、を特徴とするので、内周側から挿入されている内矢ガイドにより予めスロット内導線部が位置決めされた状態で、外周側から外矢ガイドが挿入され、内矢ガイドと外矢ガイドの先端が重なり合っているため、スロット内導線部の位置決め機能を、内矢ガイドから外矢ガイドにスムーズに移管でき、常にスロット内導線部を精確に位置決めすることができる。
平角導線をつづら折り状に曲げ成形した予備コイル1の側面図である。 組コイル2の側面図である。 コイル籠Kの斜視図である。 インシュレータ挿入工程とステータ組立工程を示す第1工程図である。 インシュレータ挿入工程とステータ組立工程を示す第2工程図である。 インシュレータ挿入工程とステータ組立工程を示す第3工程図である。 インシュレータ挿入工程とステータ組立工程を示す第4工程図である。 インシュレータ挿入工程とステータ組立工程を示す第5工程図である。 インシュレータ把持治具11、12とインシュレータMとの位置関係、インシュレータ把持治具11、12と分割コアPとの位置関係を示す平面図である。 一対の上外矢ガイド11a、11b、一対の下外矢ガイド12a、12bとインシュレータMとの関係を示す斜視図である。 インシュレータ把持治具11、12とインシュレータMとの位置関係、インシュレータ把持治具11、12と分割コアPとの位置関係を示す斜視図である。 インシュレータ把持治具11、12に分割コアPを装着する方法を示す図である。 インシュレータ把持治具11、12にインシュレータMを装着する方法を示す図である。
次に、本発明の一実施形態のステータ製造方法について図面を参照して説明する。始めに、予備コイル1からコイル籠Kを製造する製造方法を説明する。
<予備コイルの構成>
まず、本発明に用いる予備コイル1の構成から説明する。
図1に平角導線をつづら折り状に曲げ成形した予備コイル1の側面図を示す。図1に示すように、予備コイル1は、1本の平角導線から作られており、ステータコアCのスロット内に配置されるスロット内導線部Sと、ステータコアCの軸方向上端及び下端でスロット内導線部Sをつづら状に繋ぐ渡り導線部Wと、コイル長手方向の前端にある端子部と、同じくコイル長手方向の後端にある端子部Nと、スロット内導線部Sと端子部を結ぶ傾斜部WMと、スロット内導線部Sと端子部Nを結ぶ傾斜部WNとを備えている。
スロット内導線部Sは、12本が順次長くなるスロットピッチ間隔で平行に並んでいる。
また、図1に示すように、傾斜部WM、WNは、長手方向の前端及び後端のスロット内導線部S1、S12から折り返されて曲げ成形されている。そして、傾斜部WM、WNから上方(ステータコアCの軸方向)には、所定長さの端子部M、Nが延びている。
また、渡り導線部Wは、側面から見ると「へ」の字状に曲げ成形されてスロット内導線部間を繋いでいる。ここでは、予備コイル1の前端側から順番にW1、W2、W3、・・・、W11と表示する。
渡り導線部Wは、階段状に上り下りするよう曲げ成形されている。この階段部は、コイルエンド部での平角導線の占積率を高め、ステータの小型化に寄与している。その反面、複雑に曲げ成形することによって、渡り導線部Wは、加工硬化が進み、剛性が高くなっている。
図2に、組コイル2の側面図を示す。図2に示すように、1組の組コイル2は、12個の予備コイル1で構成されている。そして、12個の予備コイル1は、長手方向にスロットピッチずつずれて配置されている。ステータコイルKに使う予備コイル1は全部で48個あるが、これを4組に分けて組コイルを形成する。ここでは第1番目の組コイル21に使う予備コイル101〜112を表示し、図面下方から101、102、・・・112の順で並んでいる。例えば、予備コイル101、102、・・・112の前端側のスロット内導線部101S1、102S1、・・・112S1は、スロットピッチずつ長手方向に離れている。同様に、各端子部101M、102M、・・・112Mもスロットピッチずつ長手方向に離れている。
そして、4組の組コイルを同時に巻き取る。そして、巻き取ったコイルの端子部M、Nを曲げ成形して、図3に示すコイル籠Kを完成する。
次に、コイル籠Kに対して、インシュレータMを挿入するインシュレータ挿入工程、及び分割コアPを組み立てるステータコア組立工程について説明する。
図4から図8にインシュレータ挿入工程とステータ組立工程とを示す。
図4の(a)は、インシュレータ把持治具11,12の斜視図であり、(b)は、インシュレータ把持治具11,12とコイル籠Kとの関係を示す平面図である。なお、図4から図8では、説明しやすくするため、コイルをスロット部中央付近で切断した形で記載し、リード側のコイルエンド部、スロット部のリード側等は、記載を省略している。また、インシュレータ保持治具、コア挿入治具は、1箇所のみを記載して、他の治具を省略している。また、コア間インシュレータや隣のコアも省略している。
図4(a)、(b)に示すように、インシュレータ把持治具11、12は、上外矢本体11c、及び下外矢本体12cを備えている。上外矢本体11cのコイル籠K側の先端には、一対の上外矢ガイド11a、11bが突出している。下外矢本体12cのコイル籠K側の先端には、一対の下外矢ガイド12a、12bが突出している。
一対の上外矢ガイド11a、11b、一対の下外矢ガイド12a、12bとインシュレータMとの関係を図10に示す。図10に示すように、一対の上外矢11a、11bの内側下面には、インシュレータMの上端面を保持するための凹部11am、11bmが形成されている。凹部11am、11bmは、先端から少し離れた部分に大きな凹状が形成され、凹部11am、11bmは奥へ行くにつれて、順次凹形状が小さくなるように傾斜面として形成されている。凹部11am、11bmは、インシュレータMを保持しやすくすることを目的に設けられている。
一対の上外矢11a、11bの内側上面には、コイル籠Kのコイルエンド部内面と干渉を避けるために、R部11an、11bnが形成されている。
また、一対の下外矢ガイド12a、12bの内側上面には、インシュレータMの下端面を保持するための凹部12am、12bmが形成されている。凹部12am、12bmは、先端から少し離れた部分に大きな凹状が形成され、凹部12am、12bmは奥へ行くにつれて、順次凹形状が小さくなるように傾斜面として形成されている。凹部12am、12bmは、インシュレータMを保持しやすくすることを目的に設けられている。
一対の下外矢ガイド12a、12bの内側下面には、コイル籠Kのコイルエンド部内面と干渉を避けるために、R部12an、12bnが形成されている。
そして、凹部11am、11bm、及び凹部12am、12bmにより、インシュレータMが保持されている。図4(b)に示すように、インシュレータM(破線で示す。)は、両先端部が、凹部11am、11bm、12am、12bmの一番大きな凹状部分に位置しており、両側面は、先端が少し広がった状態で保持されている。
図4(b)に示すように、コイル籠Kの、12本の平角導線が重ね合わされたスロット内導線部Sの両側面には、内矢本体13cから外側に突出している一対の内矢ガイド13a、13bの内面が密着している。内矢ガイド13a、13bにより、スロット内導線部Sが、円周方向において所定の位置に位置決めされている。
(a)に示すように、一対の内矢ガイド13a、13bは、スロット内導線部Sの長さとほぼ同じ幅を有する平板形状であり、上先端に切欠部13am、13bmが形成され、下先端に切欠部13ao、13boが形成されている。切欠部13am、13bmは、上外矢ガイド11a、11bの先端部と係合するためのものであり、切欠部13ao、13boは、下外矢12a、12bの先端部と係合するためのものである。
図5の(a)は、切欠部13anと係合している上外矢ガイド11a先端、切欠部13bnと係合している上外矢ガイド11b先端、切欠部13aoと係合している下外矢12a先端、及び切欠部13boと係合している下外矢12b先端がスロット内導線部Sを挟み込み始めた状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の平面図である。
図5の状態では、内矢ガイド13a、13bは図4の位置から動いておらず、上外矢11、下外矢12、インシュレータM、及び分割コアPが内矢ガイド13に近づいて、上外矢ガイド11a先端が、切欠部13amと係合し、上外矢ガイド11b先端が、切欠部13bmと係合し、下外矢12a先端が、切欠部13aoと係合し、下外矢12b先端が、切欠部13boと係合した状態である。この状態では、12本の平角導線が重ねられているスロット内導線部Sは、内矢ガイド13a、13bにより、正確に位置決めされている。
図6の(a)は、上外矢ガイド11a、11bの先端、及び下外矢ガイド12a、12bの先端が、スロット内導線部Sを通過した状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の平面図である。
図5の状態から、図6の状態にインシュレータMが移動するときに、上外矢ガイド11a、11bの先端が、切欠部13am、13bmと係合した状態を保ちつつ移動すると共に、下外矢ガイド12a、12bの先端が、切欠部13ao、13boと係合した状態を保ちつつ移動する。
したがって、スロット内導線部Sの12本の平角導線の全てが、常に、内矢ガイド13a、13b、または上外矢ガイド11a、11bと下外矢ガイド12a、12bとの組み合わせにより、正確に位置決めされているため、インシュレータMの先端がスロット内導線部Sに引っかかることがなく、インシュレータMをスロット内導線部Sの側面に沿って、スムーズに挿入することができる。
特に、インシュレータMの先端が、凹部11am、11bm、及び凹部12am、12bmに収納されているため、インシュレータMの先端が、スロット内導線部Sに引っかかることがない。図6の状態では、インシュレータMは、まだ入りきっていない。インシュレータMは、次の工程で、分割コアPをステータコア内に挿入するときに、分割コアPを介して押されて、定位置まで挿入される。
図7の(a)は、分割コアPを、インシュレータMの外側に沿って、ステータコアの中心方向に移動させている途中の状態を示す斜視図である。(b)は、(a)の平面図である。
1個の分割コアPは、内側に突出して形成された2本のティース部Pa、Pbを備えている。分割コアPは、図示しないコア挿入治具に外周円弧部分が押圧されて、内周方向に移動される。
図7の状態では、内矢ガイド13a、13bは、スロット内導線部Sから外れた位置まで移動している。図6から図7の途中では、分割コアPのティース部Pa、Pbの中間凹部が、インシュレータMの外側部分を押して、インシュレータMを移動させる。
それにより、インシュレータMの先端部分は、凹部11am、11bm、及び凹部12am、12bmから飛び出して、2本のティース部Pa、Pbの内面により押されつつ、スロット内導線部Sに密着した位置に移動する。
このように、インシュレータMは、分割コアPのティース部Pa、Pbが挿入されるのに全く障害とならないため、2本のティース部Pa、Pbの先端は、スロット内導線部S、及びインシュレータMに引っかかることなくスムーズに挿入される。
図7の状態では、スロット内導線部Sは、上外矢ガイド11a、11bと下外矢ガイド12a、12bとにより、正確に位置決めされている。インシュレータMは、スロット内導線部Sの外周に沿って密着した定位置にいる。
図8の(a)は、分割コアPの挿入が終了した状態を示す斜視図である。(b)は、(a)の平面図である。
この状態では、分割コアPの2本のティース部Pa、Pbは、インシュレータMを介して、スロット内導線部Sを両側から挟み込んでいる。上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bは、ティース部Pa、Pbが挿入された後、図8に示す外周側の定位置まで戻している。
これにより、インシュレータM挿入工程、及びステータコア組立工程が終了する。図8に示すように、分割コアPは、最終位置より外側に位置している。図9で説明するように、24個の分割コアPを同時に、コイル籠Kに挿入するので、分割コイルP同士が干渉するため、最終位置まで挿入できないためである。最終的には、24個の分割コアPの外全周を均一な力で押圧して、24個の分割コアPを最終位置に位置決めして、焼き嵌めリングを外周に嵌合させ、ステータを製造する。
図9、図11に、インシュレータ把持治具11、12とインシュレータMとの位置関係、インシュレータ把持治具11、12と分割コアPとの位置関係を示す。図4から図8で説明したインシュレータ把持治具11,12は、図9、図11に示す全てのスロット内導線部Sの各々に対応して配置されている。図9、図11では、全周の一部のみを記載しているが、実際には、全周の48個のスロット内導線部Sに対して、48個のインシュレータ把持治具が配置されている。
48個のインシュレータ把持治具は、分割コアPが2個のティースを備えているので、図4から図8に示すインシュレータ把持治具11、12は、図12、13に示すように、スロット内導線部Sに対して、1つおきに24個配置されている。そして、その間には、インシュレータ挿入のみ行い、分割コアPの挿入を行わないインシュレータ専用把持治具11(A)、12(A)が24個配置されている。図9に、インシュレータ専用把持治具11(A)、12(A)の上外矢ガイド11a(A)、11b(A)を図示する。
次に、インシュレータ把持治具11、12に分割コアPを装着する方法を図12に示す。図12に示すように、分割コアPを矢印Aで示すように、内径側からインシュレータ把持治具11、12の間に挿入する。分割コアPは、インシュレータ把持治具11、12に対して、1個おきに装着する。
次に、インシュレータ把持治具11、12にインシュレータMを装着する方法を図13に示す。インシュレータ専用把持治具11(A)12(A)は、インシュレータの装着、挿入動作等については、インシュレータ把持治具11,12と同様なので、特に断らない限り、インシュレータ把持治具11、12には、インシュレータ専用把持治具11(A)、12(A)を含むものとする。
図13に示すように、インシュレータMは、開口部を手前にして、内径側から矢印Bの方向に挿入される。インシュレータMは、手前の2箇所の端面端部が、凹部11am、11bm、12am、12bmの一番大きな凹状部分に収納される位置に装着され、両側面は、先端が少し広がった状態で保持される。インシュレータMは、全てのインシュレータ把持治具11、12に各々装着される。
この状態が、図4に示す状態である。48個のインシュレータMは、24個のインシュレータ把持治具11、12と、24個のインシュレータ専用把持治具11(A)、12(A)に各々保持され、48個のスロット内導線部Sに対して、挿入、装着される。
インシュレータ専用把持治具11(A)、12(A)により挿入されるインシュレータMは、図6の状態では、まだ入りきっていない。インシュレータMは、次の工程で、インシュレータ把持治具11A、12Aにより、分割コアPをステータコア内に挿入するときに、分割コアPの両側に突出しているコア部を介して押されて、定位置まで挿入される。
以上詳細に説明したように、本実施例のステータ製造方法によれば、(1)平角導線が円筒形状に巻かれ、径方向に重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に形成されているコイル籠Kに対して、スロット内導線部Sの側面に沿ってインシュレータMを挿入するインシュレータ挿入工程と、スロット内導線部SのインシュレータMの外側に分割コアPを挿入して、円筒形状のステータコアを組み立てるステータコア組立工程と、を有するステータ製造方法において、インシュレータ挿入工程では、先端に上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bを備える、一対のインシュレータ把持治具11、12により、インシュレータMの上下を把持した状態で、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bにより、スロット内導線部Sを位置決めした後、スロット内導線部Sの側面に沿って、コイル籠Kの外側からインシュレータMを挿入すること、ステータコア組立工程では、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bにより、スロット内導線部Sを位置決めした状態で、一対のインシュレータ把持治具11、12の間に配置された分割コアPを中心方向に移動させることにより、分割コアPを前記インシュレータMの外側に挿入すること、を特徴とするので、例えば、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bは、インシュレータ把持治具11、12の上下端部に内周側に突出して形成されており、インシュレータ把持治具11、12に保持されたインシュレータMに先行して、スロット内に進入して、スロット内導線部Sを位置決めする。それにより、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bがスロット内導線部Sを位置決めした後から、インシュレータMが挿入されるため、インシュレータMが、スロット内導線部Sに引っかかることがなく、折れたり、位置ずれしたり、破れたりすることがない。
また、先行する上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bより予めスロット内導線部Sを位置決めしている状態で、分割コアPを挿入するため、常に上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bがスロット内導線部Sを位置決めしているので、分割コアPの先端部が、スロット内導線部Sの継ぎ目に引っかかることがないため、スロット内導線部Sの絶縁被膜が損傷する恐れがない。
(2)また、(1)に記載するステータ製造方法において、インシュレータ挿入工程の前工程として、コイル籠Kの内周側から内矢ガイド13a、13bを挿入して、内矢ガイド13a、13bによりスロット内導線Sを位置決めする準備工程を有し、インシュレータ挿入工程では、内矢ガイド13a、13bと、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bとが重なり合って移動すること、を特徴とするので、内周側から挿入されている内矢ガイド13a、13bにより予めスロット内導線部Sが位置決めされた状態で、外周側から上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bが挿入され、内矢ガイド13aの切欠部13am、13bの切欠部13bmと、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bの先端が重なり合って係合しているため、スロット内導線部Sの位置決め機能を、内矢ガイド13a、13bから上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bにスムーズに移管でき、常にスロット内導線部Sを精確に位置決めすることができる。
なお、本発明のモータ、及びモータ製造方法は、上記実施例に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、本実施例では、内矢ガイド13a、13bと、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bの先端が重なり合って係合しているが、内矢ガイド13a、13bにより、コイル籠Kのスロット内導線部Sを位置決めした状態で、外周を拘束バンド等により内周側に押圧した状態を保持できれば、内矢ガイド13a、13bと、上外矢ガイド11a、11b、及び下外矢ガイド12a、12bの先端とを、係合させなくても、スロット内導線部Sの位置ずれが発生せず、問題はない。
1 予備コイル
2 組コイル
11、12 インシュレータ把持治具
11a、11b 上外矢ガイド
11c 上外矢本体
11am、11bm 凹部
12a、12b 下外矢ガイド
12c 下外矢本体
12am、12bm 凹部
13 内矢ガイド
13a、13b 内矢ガイド
13an、13bn 切欠部
13c 内矢本体
P 分割コア
Pa、Pb ティース部
M インシュレータ
K コイル籠
S スロット内導線部

Claims (2)

  1. 平角導線が円筒形状に巻かれ、径方向に重ね合わされたスロット内導線部が等間隔に形成されているコイル籠に対して、前記スロット内導線部の側面に沿ってインシュレータを挿入するインシュレータ挿入工程と、前記スロット内導線部の前記インシュレータの外側に分割コアを挿入して、円筒形状のステータコアを組み立てるステータコア組立工程と、を有するステータ製造方法において、
    前記インシュレータ挿入工程では、先端に外矢ガイドを備える、一対のインシュレータ把持治具により、前記インシュレータの上下を把持した状態で、前記外矢ガイドにより、前記スロット内導線部を位置決めした後、前記スロット内導線部の側面に沿って、前記コイル籠の外側からインシュレータを挿入すること、
    前記ステータコア組立工程では、前記外矢ガイドにより、前記スロット内導線部を位置決めした状態で、前記一対のインシュレータ把持治具の間に配置された前記分割コアを中心方向に移動させることにより、前記分割コアを前記インシュレータの外側に挿入すること、
    を特徴とするステータ製造方法。
  2. 請求項1に記載するステータ製造方法において、
    前記インシュレータ挿入工程の前工程として、前記コイル籠の内周側から内矢ガイドを挿入して、前記内矢ガイドにより前記スロット内導線部を位置決めする準備工程を有し、
    前記インシュレータ挿入工程では、前記内矢ガイドと前記外矢ガイドとが重なり合って移動すること、
    を特徴とするステータ製造方法。
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