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JP2012125849A - ロボット教示データの算出方法およびロボットのコントローラ - Google Patents

ロボット教示データの算出方法およびロボットのコントローラ Download PDF

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Abstract

【課題】第1のロボットの動作を第2のロボットに実行させる。
【解決手段】第1のロボットRAの動作を第2のロボットRBが実行できるように、第1のロボットRAに対する第1の教示データθから第2のロボットRBに対する第2の教示データθを算出するロボット教示データの算出方法であって、第1の教示データθに対する第1のロボットRAの基準点SAの位置Pを、第1の教示データθと第1のロボットRAの構成内容を示す第1のロボット構成データとに基づいて算出し、前記算出した位置Pに第2のロボットRBの基準点SBが位置するための第2の教示データθを、前記算出した位置Pと第2のロボットの構成内容を示す第2のロボット構成データとに基づいて算出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、一方のロボットの動作を他方のロボットが実行できるように、一方のロボットに対する教示データから他方のロボットに対する教示データを算出するロボット教示データの算出方法、および該教示データ算出方法を実行可能なロボットのコントローラに関する。
従来より、多関節ロボットなどのロボットに、教示データに基づいて所望の動作を実行させることが行われている。教示データは、作業者によって所望に作成されるデータであって、ロボットの動作を一義的に特定付けるデータである。例えば、ロボットが曲げ関節を有する場合、教示データには、曲げ関節の曲げ角度の値が含まれる。
このような教示データは、直接的または間接的な方法によって作成される。直接的な方法においては、例えば、ティーチングペンダントを介して所望の動作をロボットに教示することにより、すなわちティーチングペンダントを操作して実際にロボットに所望の動作を実行させることにより、所望の動作に対応する教示データを直接的に作成する。
一方、間接的な方法においては、例えば実際のロボットとは別構成のコンピュータにインストールされている教示データ作成ツール(ソフトウェア)を使用することにより、すなわちコンピュータ上の仮想のロボットに所望の動作を教示することにより、所望の動作に対応する教示データを間接的に作成する。このような間接的な教示は、オフライン教示と呼ばれている。
ところが、オフライン教示によって作成された教示データ(以下、「オフライン教示データ」と称する)に基づいて実際のロボットを制御した場合、実際のロボットの動作が所望の動作にならない場合があり、またロボットによってその動作が異なることがある。これは、実際のロボットがオフライン教示データの作成時に利用したコンピュータ上の仮想のロボットと異なるために、また実際のロボットには個体差があるために起こる。
例えば、リンクの製作誤差(公差範囲の誤差)によって該リンクの長さ、重量、および形状などがロボット毎に異なるために、同一のオフライン教示データに基づいて制御しても、実際のロボットは、ロボット毎にその動作が異なる。
この対処として、例えば特許文献1に記載するロボットの制御方法では、オフライン教示データを、ロボットの個体差を考慮して、ロボットが所望の動作を実行するような教示データに変換する。この個体差を考慮したオフライン教示データ(以下、「個体差考慮済みオフライン教示データ」と称する)を使用することにより、ロボットは所望の動作を実行することができる。
特開2006−159361号公報
ところで、所望の動作を実行するロボットが故障した場合、故障したロボットと新しいロボットとを交換し、新しいロボットに所望の動作を実行させたい場合がある。
この場合、特許文献1に記載するように、オフライン教示データを新しいロボットの個体差を考慮した新しいロボット用の個体差考慮済みオフライン教示データに変換することが考えられる。しかし、そのためには、オフライン教示データを保存し続ける必要がある。
また、故障したロボットに対する教示データが、特許文献1に記載するように故障したロボットの個体差を考慮してオフライン教示データを変換した個体差考慮済みオフライン教示データであって、それに加えて、例えばティーチングペンダントを介する作業者による教示によって追加的に変更されていることが考えられる。この場合、作業者がティーチングペンダントを介する追加的な教示の内容を詳細に記憶していない限り、または故障したロボットが実行していた所望の動作を詳細に把握していない限り、新しいロボットに故障したロボットの所望の動作を実行させることは実質的に不可能である。
さらに、故障したロボットに対するオフライン教示データが、故障時に存在していないことが考えられる。例えば、故障したロボットに対する教示データが、ティーチングペンダントを介してロボットに直接教示することにより作成されたデータである場合、そもそも、オフライン教示データは存在していない。この場合、オフライン教示データが存在しないため、特許文献1に記載するような方法では、新しいロボットに故障したロボットの所望の動作を実行させることはできない。
そこで、本発明は、上述の問題を解決して、一方のロボットの動作を他方のロボットに実行させることを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
第1のロボットの動作を第2のロボットが実行できるように、第1のロボットに対する第1の教示データから第2のロボットに対する第2の教示データを算出するロボット教示データの算出方法であって、
第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置を、第1の教示データと第1のロボットの構成内容を示す第1のロボット構成データとに基づいて算出し、
前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置に第2のロボットの基準点が位置するための第2の教示データを、前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置と第2のロボットの構成内容を示す第2のロボット構成データとに基づいて算出することを特徴とするロボット教示データの算出方法が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、
第1および第2のロボットが複数の関節を備えるロボットであって、
第1および第2の教示データが、関節の角度を含んでいる、第1の態様に記載のロボット教示データの算出方法が提供される。
さらに、本発明の第3の態様によれば、
交換可能に接続するロボットの動作を教示データに基づいて制御するロボットのコントローラであって、
コントローラに接続されている第1のロボットに対する第1の教示データを記憶する教示データ記憶手段と、
第1のロボットの構成内容を示す第1のロボット構成データを記憶するロボット構成データ記憶手段と、
第1のロボットと交換される第2のロボットの構成内容を示す第2のロボット構成データを取得するロボット構成データ取得手段と、
第1のロボットの動作を第2のロボットが実行できるように、第1の教示データから第2のロボットに対する第2の教示データを算出する教示データ算出手段とを有し、
教示データ算出手段が、
第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置を、第1の教示データと第1のロボット構成データとに基づいて算出し、
前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置に第2のロボットの基準点が位置するための第2の教示データを、前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置と第2のロボット構成データとに基づいて算出することを特徴とするロボットのコントローラが提供される。
本発明によれば、第1の教示データと第1のロボット構成データとに基づいて、第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置が算出され、その算出した位置に第2のロボットの基準点が位置するための第2の教示データが、算出した位置と第2のロボット構成データとに基づいて算出される。これにより、第1のロボットの動作を第2のロボットは実行することができる。
本発明の実施の形態に係るロボットを示す図 ロボットのコントローラの構成を示す図 図2に示す教示データ変換部を説明するための図 教示データの変換の概念を簡単に説明するための図 ロボットの交換の流れの一例を示すフローチャート図
図1は、本発明の実施の形態に係るロボットR(特許請求の範囲に記載の「第1のロボット」に対応)を示す図である。図1(A)はロボットRの概略図であり、図1(B)はロボットRのリンクモデルを示す図である。
ロボットRは、6軸の多関節ロボットであって、複数のリンクL0〜L6と、リンク同士を連結する複数の関節J1〜J6とを備える。関節J1、J4、J6はねじり関節であり、関節J2、J3、J5は曲げ関節である。また、ロボットRは、その先端に作業を実行するためのツールT、例えば溶接トーチやスプレーガンなどが取り付けられている。
なお、本発明に係るロボットは、図1に示すような6軸の多関節ロボットに限定しない。広義には、本発明に係るロボットは、個体差によって動作に違いが生じるような構造のロボットである。
図2は、図1に示すロボットRの動作を制御するコントローラ10の構成を概略的に示している。このコントローラ10は、ロボットRを交換可能に接続するように構成されている。また、コントローラ10は、ロボットRの動作を制御するロボット制御部12と、ロボットRの動作の制御に必要な教示データを記憶する教示データ記憶部14と、ロボットRの構成内容を示すロボット構成データを記憶するロボット構成データ記憶部16と、コントローラ10の外部からロボット構成データを取得するためのロボット構成データ取得部18と、ロボットRの交換時に教示データを変換する教示データ変換部20とを有する。
なお、本発明で言う「ロボットの動作」は、ロボットに予め定義されている少なくとも1つの基準点、例えば図1に示すロボットRの場合、ツールTの先端に予め定義されている基準点Sの空間(座標系)における位置(座標)の変化によって一義的に定義される。基準点の位置は、例えば、ロボットに予め定義されている座標系の座標によって規定される。ロボットRの場合、基準点Sの位置は、ロボットRの基台(ベース)に予め定義されたベース基準点Oを原点とする座標系における位置(座標)によって規定される。本明細書においては、本発明の説明を容易にするために、1つの基準点がロボットに定義され、その1つの基準点が任意の空間上に位置するときにロボットがとり得る姿勢は1つしか存在しないとものとする。
また、本発明で言う「教示データ」は、ロボットRの動作、具体的にはロボットRの動作における1つの姿勢を特定付ける、すなわち基準点Sの空間上の位置を一義的に特定付けるデータであって、図1に示す6軸多関節のロボットRの場合、関節J1〜J6の関節角度θ〜θの数値データを含んでいる。
この「教示データ」は、実際には、ロボットRを動作させる、すなわちロボットRに複数の姿勢を所定の順番に実行させる「プログラム(データ)」に含まれている。すなわち、「プログラム」は、少なくとも1つの「教示データ」と、複数の「教示データ」それぞれを使用する順番の情報とを含んでいる。このような「プログラム」に基づいて、コントローラ10は、ロボットRの姿勢を連続的に変化させ、所望の動作をロボットRに実行させる。
ロボット制御部12は、教示データ記憶部14に記憶されている教示データに基づいてロボットRの基準点Sの位置、すなわち関節J1〜J6の関節角度θ〜θを制御する。例えば、ロボットRは、関節J1〜J6として一方のリンクに対して他方のリンクを回転させるモータ(図示せず)を備えており、そのモータの回転をロボット制御部12は制御する。なお、並進関節、すなわち他方のリンクに対して一方のリンクが進退する関節をロボットが備える場合、ロボット制御部12はリンクを進退させるシリンダを制御する。
教示データ記憶部(プログラム記憶部)14は、コントローラ10に接続されているロボットRに対する教示データを記憶するように、言い換えるとロボットRに所望の動作を実行させる、少なくとも1つの教示データを含むプログラムを記憶するように構成されている。
ロボット構成データ記憶部16は、コントローラ10に接続されているロボットRの構成内容を示すロボット構成データを記憶するように構成されている。「ロボット構成データ」は、ロボットの複数の構成要素それぞれに関するデータであって、また、ロボット毎に異なる固有のデータである。
例えばロボットRの場合、リンクL0〜L6のリンク長、重量、形状、およびたわみ剛性、関節J1〜J6それぞれの関節角度θ〜θを調節するモータの重量、およびツールTの重量、形状などが「ロボット構成データ」に該当する。
具体的に言えば、ロボット構成データは、ロボットの設計仕様からわかる、例えば、減速比、モータの種類や外形、リンクの機械的特徴(長さ、重量、強度)などの複数のロボットに共通するデータに加えて、製作誤差や組立誤差などの影響を受けてロボット毎に異なる、例えば、製作誤差の影響を受けたリンクの長さや重量、組立誤差の影響を受けたバネ定数などの各ロボット固有のデータを含んでいる。
言い換えると、広義には、「ロボット構成データ」は、任意の教示データに基づいて制御され、その上で重力の影響を受けてたわみが生じているロボットにおける実際の基準点の位置を算出するために必要なデータである。
ロボット構成データ取得部18は、コントローラ10に接続されているロボットRが交換されるときに、交換によって新たにコントローラ10に接続されるロボットR’(特許請求の範囲の「第2のロボット」に対応)のロボット構成データをコントローラ10の外部から取得するためのものである。例えば、ロボット構成データが記憶媒体に記憶されている場合、ロボット構成データ取得部18は、その記憶媒体に対して読み書きできる装置である。
教示データ変換部20は、コントローラ10に接続されているロボットRが新しいロボットR’と交換されるとき、教示データ記憶部14に記憶されているロボットR用の教示データを新しいロボットR’用の教示データに変換するように構成されている。
具体的には、教示データ変換部20は、図3に示すように、逆補正演算部22と補正演算部24とを備える。この逆補正演算部22と補正演算部24とにより、コントローラ10に接続されていたロボットRが実行していた動作を該ロボットRと交換される新しいロボットR’が実行できるように、ロボットR用の教示データを新しいロボットR’用の教示データに変換する。
この教示データ変換部20が行う教示データの変換について、図4に示すシンプルな構成のロボットRA、RBを例に挙げて説明する。
図4(A)は、動作の中の1つの姿勢を実行している、リンクLAと関節JAとからなるロボットRAを示している。また、重力の影響を受けてリンクLAがたわんでいる状態のロボットRAを図4(A)は示している(Z軸負方向が重力方向である)。図4(A)に示すロボットRAの姿勢を、リンクLBと関節JBとからなるロボットRBが実行する場合、まず、ロボットRAのリンクLAの先端に定義された基準点SAの位置Pを算出する必要がある。
ロボットRAの基準点SAの位置Pは、関節JAの関節角度θ、ロボットRAの構成データ、例えばリンクLAのリンク長、重量、形状、およびたわみ剛性などから算出することができる。なお、本明細書では、教示データ(関節角度)からロボットの基準点の位置を算出する演算を、「逆補正演算」と言う。
ロボットRAの基準点SAの位置Pを算出すると、次に、図4(B)に示すように、ロボットRBのリンクLBの先端に定義された基準点SBが位置Pに位置するような関節JBの関節角度θを、位置PとロボットRBの構成データとに基づいて算出する。すなわち、図4(B)に示すように、重量の影響を受けてリンクLBがたわんだ状態において、リンクLBの先端の基準点SBがほぼ位置Pに位置するような関節角度θを算出する。この算出された関節角度θが、図4(A)に示すロボットRAの姿勢を実行できるロボットRBの教示データに対応する。なお、本明細書では、ロボットの基準点の位置から教示データ(関節角度)を算出する演算を、「補正演算」と言う。
このように、図3に示す教示データ変換部20の逆補正演算部22は、教示データ記憶部14に記憶されている教示データ(ロボットR用のプログラムに含まれている教示データ)T1〜TXに対するロボットRの基準点Sの位置P1〜PXを、その教示データT1〜TXとロボット構成データ記憶部16に記憶されているロボットRのロボット構成データとに基づいて算出する(逆補正演算を実行する)。
そして、図3に示す教示データ変換部20の補正演算部24は、逆補正演算部22が算出したロボットRの基準点Sの位置P1〜PXとロボット構成データ取得部18が取得したロボットR’のロボット構成データとに基づいて、位置P1〜PXにロボットRと交換される新たなロボットR’の基準点S’が位置するような該ロボットR’に対する教示データT1’〜TX’を算出する。言い換えると、教示データ変換部20は、ロボットR用のプログラムをロボットR’用のプログラムに変換する。これにより、ロボットRと交換される新たなロボットR’は、ロボットRの動作を実行することができる。
次に、ロボットRからロボットR’への交換の流れの一例を図5を参照して説明する。
まず、ステップS1においてロボットRがコントローラ10から取り外される。
次に、ステップS2において、ロボットR’がコントローラ10に取り付けられる。
ステップS3において、コントローラ10が、ロボット構成データ取得部18により、コントローラ10の外部からロボットR’のロボット構成データを取得する。
ステップS4において、コントローラ10が、図3に示すように、教示データ変換部20(逆補正演算部22)により、教示データ記憶部14に記憶されているロボットRの教示データT1〜TXと、ロボット構成データ記憶部16に記憶されているロボットRのロボット構成データとに基づいて、教示データT1〜TXに対するロボットRの基準点Sの位置P1〜PXを算出する。
ステップS5において、コントローラ10が、図3に示すように、教示データ変換部20(補正演算部24)により、ステップS4で算出したロボットRの基準点Sの位置P1〜PXと、ステップS3で取得したロボットR’のロボット構成データとに基づいて、位置P1〜PXにロボットR’の基準点S’がほぼ位置するロボットR’の教示データT1’〜TX’を算出する。
ステップS6において、コントローラ10は、ステップS5で算出したロボットR’の教示データT1’〜TX’を教示データ記憶部14に上書保存する(ロボットRの教示データT1〜TXが教示データ記憶部14から消去される)。
ステップS7において、コントローラ10は、ステップS3で取得したロボットR’のロボット構成データをロボット構成データ記憶部16に上書保存する(ロボットRのロボット構成データがロボット構成データ記憶部16から消去される)。そして、ロボットRからロボットR’への交換作業が終了する。
本実施の形態によれば、ロボットRについての教示データT1〜TX、ロボット構成データに基づいて、ロボットRの基準点Sの位置P1〜PXが算出され、その算出した位置P1〜PXにロボットR’の基準点S’が位置するための教示データT1’〜TX’が、算出した位置P1〜PXとロボットR’のロボット構成データとに基づいて算出される。これにより、ロボットRの動作をロボットR’は実行することができる。
このような構成によれば、新しいロボットR’に対する教示データT1’〜TX’が、ロボットR’と交換されるロボットRに対する教示データT1〜TXから作成されるため、教示データ作成ツール(ソフトウェア)によって作成されるオフライン教示データは必要なくなる。また、ロボットRの教示データT1〜TXが、オフライン教示データを個体差を考慮して変換した個体差考慮済みオフライン教示データであっても、またはティーチングペンダントを介して作業者がロボットRに直接教示することにより作成されたものであっても、ロボットRの動作をロボットR’は実行することができる。すなわち、ロボットRの教示データT1〜TXの作成方法に影響されることなく、ロボットR用の教示データT1〜TXからロボットR’用の教示データT1’〜TX’を作成することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、コントローラ10から取り外されるロボットRの動作を該コントローラ10に新たに接続されるロボットR’に実行させているが、本発明はこれに限らない。本発明は、広義には、1つのロボットの動作を別のロボットに実行させるためのものであって、例えばあるコントローラに接続されているロボットの動作を、別のコントローラに接続されているロボットに実行させることも可能である。
また、上述の実施の形態の場合、図5のステップS6に示すように、教示データ変換部20によって算出された教示データT1’〜TX’が教示データ記憶部14に上書保存されることにより、教示データT1〜TXは消去されるが、本発明はこれに限らない。消去する代わりに、教示データ名をリネームする、または他の記憶装置に保存することにより残すようにしてもよい。同様に、図5のステップS7において消去されるロボット構成データも、残すようにしてもよい。
さらに、上述の実施の形態の場合、第1のロボット(ロボットR)の動作を第2のロボット(ロボットR’)に実行させるために、第1のロボットに対する教示データからの第2のロボットに対する教示データの算出は、第1および第2のロボットを制御するコントローラ10が実行しているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、第1のロボットが接続されているコントローラから該第1のロボットに対する教示データを、コントローラとは別構成のノート型のコンピュータに転送し、その教示データを、コンピュータに記憶されている第1および第2のロボットそれぞれのロボット構成データに基づいて、コンピュータ上で第2のロボットに対する教示データに変換してもよい。コンピュータ上で作成された第2のロボットに対する教示データを、第2のロボットが接続されているコントローラに転送することにより、第2のロボットは、第1のロボットの動作を実行することができる。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、実際のロボットRに対する教示データを実際のロボットR’に対する教示データに変換しているが、本発明はこれに限らない。本発明によれば、実際のロボットに対する教示データを、コンピュータ上の仮想のロボットに対する教示データに変換することもできる。
例えば、実際のロボットの動作を、コンピュータ上で高精度にシミュレーションする場合、実際のロボットに対する教示データを、シミュレーション上の仮想のロボット、例えば実際のロボットを製作するにあたって使用された設計図面(CADデータ等)に基づいてコンピュータ上に構築された仮想のロボットに対する教示データに変換することが考えられる。なお、本明細書で言う「仮想ロボット」は、設計仕様どおりであって製作誤差や組み立て誤差などがない、それに加えてたわみを生じない理想的なロボットを言う。
例えば、実際のロボットに対して使用されている教示データが、例えば特許文献1に記載するような方法によって作成されたオフライン教示データを個体差を考慮して変換した個体差考慮済みオフライン教示データである場合、変換前のオフライン教示データに復元することができる。なお、オフライン教示データの作成時に使用したロボット、すなわち、教示データ作成ツール上の仮想のロボット、言い換えると製作誤差等の個体差がないロボットのロボット構成データ、具体的には、ロボットの設計仕様を示す、ロボットの複数の構成要素それぞれの外形寸法やレイアウトなどがわかる設計図面(CADデータ等)が必要である。
この場合、実際のロボットに対する教示データおよびロボット構成データとに基づいて該教示データに対する実際のロボットの基準点の位置を算出する。この算出した実際のロボットの基準点の位置に仮想のロボットの基準点が位置するような仮想ロボットに対する教示データを、算出した実際のロボットの基準点の位置と仮想ロボットのCADデータとに基づいて算出する。これにより、ロボットの個体差を考慮する前のオフライン教示データを得ることができる。なお、このようにして得られたオフライン教示データは、例えば、他のロボットに対して使用するために、該他のロボットの個体差を考慮して個体差考慮済み教示データに変換される。
これに関連して、実際のロボットに対して使用されている教示データが、個体差考慮済みオフライン教示データを、例えばティーチングペンダントを介する直接教示によって追加的に変更したものである場合、直接教示によって変更される前の個体差考慮済みオフライン教示データを復元する必要がある。これを実現するためには、ティーチングペンダントを介する直接教示の内容を記憶する記憶手段と、その記憶内容に基づいて個体差考慮済みオフライン教示データを復元する手段が必要である。
本発明は、多関節ロボット以外にも、教示データに基づいて動作が制御されるロボットであれば適用可能である。例えば、目標位置を示す教示データに基づいて該目標位置に移動するような走行するロボットにも適用可能である。
RA ロボット
RB ロボット
θ 教示データ(関節角度)
θ 教示データ(関節角度)
SA 基準点
SB 基準点
基準点の実際位置

Claims (3)

  1. 第1のロボットの動作を第2のロボットが実行できるように、第1のロボットに対する第1の教示データから第2のロボットに対する第2の教示データを算出するロボット教示データの算出方法であって、
    第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置を、第1の教示データと第1のロボットの構成内容を示す第1のロボット構成データとに基づいて算出し、
    前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置に第2のロボットの基準点が位置するための第2の教示データを、前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置と第2のロボットの構成内容を示す第2のロボット構成データとに基づいて算出することを特徴とするロボット教示データの算出方法。
  2. 第1および第2のロボットが複数の関節を備えるロボットであって、
    第1および第2の教示データが、関節の角度を含んでいる請求項1に記載のロボット教示データの算出方法。
  3. 交換可能に接続するロボットの動作を教示データに基づいて制御するロボットのコントローラであって、
    コントローラに接続されている第1のロボットに対する第1の教示データを記憶する教示データ記憶手段と、
    第1のロボットの構成内容を示す第1のロボット構成データを記憶するロボット構成データ記憶手段と、
    第1のロボットと交換される第2のロボットの構成内容を示す第2のロボット構成データを取得するロボット構成データ取得手段と、
    第1のロボットの動作を第2のロボットが実行できるように、第1の教示データから第2のロボットに対する第2の教示データを算出する教示データ算出手段とを有し、
    教示データ算出手段が、
    第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置を、第1の教示データと第1のロボット構成データとに基づいて算出し、
    前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置に第2のロボットの基準点が位置するための第2の教示データを、前記算出した第1の教示データに対する第1のロボットの基準点の位置と第2のロボット構成データとに基づいて算出することを特徴とするロボットのコントローラ。
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