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JP2012110414A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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JP2012110414A JP2010259779A JP2010259779A JP2012110414A JP 2012110414 A JP2012110414 A JP 2012110414A JP 2010259779 A JP2010259779 A JP 2010259779A JP 2010259779 A JP2010259779 A JP 2010259779A JP 2012110414 A JP2012110414 A JP 2012110414A
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Abstract

【課題】肌へのスキンケア効果が高いと共に、防漏性にも優れている使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】本発明の使い捨ておむつ1Aは、表面シート21、裏面シート22、これらシート21,22間に配された縦長の吸収体23を備え、縦方向の両側部1sに、一対の立体ギャザー3及び/又は一対のレッグギャザー4が、各々弾性部材30,40を配することによって形成されている。表面シート21の一部又は全体に、表面シート21を親水化する親水化剤6が保持され、一対の立体ギャザー3及び/又は一対のレッグギャザー4の一部又は全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。親水化剤6は、特定のジアミド誘導体を含むスキンケア剤である。
【選択図】図1

Description

本発明は、展開型の使い捨ておむつ、パンツ型使い捨ておむつ等の使い捨ておむつに関する。
従来より、スキンケア剤の塗布された使い捨ておむつが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、カフス、又はカフスとトップシートとの上にスキンケア組成物が配置された使い捨ておむつが記載されている。また、特許文献1には、前記スキンケア組成物を、カフスのバリヤー特性を改良するために選ぶことが記載されている。
しかし、特許文献1には、トップシート上に配置するスキンケア組成物が、ジアミド誘導体を含むものであることに関しては何ら記載されていない。
ジアミド誘導体に関し、本出願人は先に、表面シートに水溶性スキンケア剤が存在し、該水溶性スキンケア剤上であって該水溶性スキンケア剤よりも肌側に、特定のジアミド誘導体からなる油性スキンケア剤が存在する吸収性物品を提案した(特許文献2,特許文献3参照)。
しかし、特許文献2,3には、表面シートに、体液の吸収性能が低下し難く、スキンケア効果の高いスキンケア組成物を塗布し、立体ギャザー又はレッグギャザーに、体液が染み出し難く、撥水性能が向上するとともに、スキンケア効果の高いスキンケア組成物を塗布し、各部位でスキンケア組成物を塗り分けることについて、何ら記載されていない。
特表2002−509457号公報 特許第4084278号公報 特許第4084279号公報
したがって、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、液透過性の表面シートと、液難透過性の裏面シートと、これらシート間に配された縦長の吸収体とを備え、縦方向の両側部に、一対の立体ギャザー及び/又は一対のレッグギャザーが、各々弾性部材を配することによって形成された使い捨ておむつであって、前記表面シートの一部又は全体に、該表面シートを親水化する親水化剤が保持され、一対の立体ギャザー及び/又は一対のレッグギャザーの一部又は全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤でもあるスキンケア剤が保持されており、前記親水化剤は、特定のジアミド誘導体を含むスキンケア剤である使い捨ておむつを提供するものである。
本発明の使い捨ておむつによれば、肌へのスキンケア効果が高いと共に、防漏性にも優れている。
図1は、本発明の第1実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を一部破断して示す平面図である。 図2は、図1のX1−X1線断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を一部破断して示す平面図(図1相当図)である。 図4は、図3のX2−X2線断面図(図2相当図)である。 図5は、本発明の第3実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を一部破断して示す平面図(図1相当図)である。 図6は、図5のX3−X3線断面図(図2相当図)である。 図7は、本発明の第4実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを展開して伸長した状態を表面シート側から見た展開平面図であり、外層体に保持させる撥水化剤の塗布位置を説明する図である。 図8は、本発明の第5実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを展開して伸長した状態を表面シート側から見た展開平面図であり、外層体に保持させる撥水化剤の塗布位置を説明する図である。
以下、本発明の使い捨ておむつを、その好ましい第1実施形態に基づき、図1〜図2を参照しながら説明する。
第1実施形態の使い捨ておむつ1A(以下、「おむつ1A」ともいう。)は、液透過性の表面シート21と、液難透過性の裏面シート22と、これらシート21,22間に配された縦長の吸収体23とを備え、図1,図2に示すように、縦方向(Y方向)の両側部1s,1sに、一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4が、各々弾性部材30,40を配することによって形成された、所謂、展開型の使い捨ておむつである。おむつ1Aは、図1に示すように、おむつ1Aの縦方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。尚、各図に示す「Y方向」は、中心線CLに平行な方向であり、おむつの縦方向と同じ方向でもある。また各図に示す「X方向」は、中心線CLに直交する方向であり、おむつの幅方向と同じ方向でもある。
おむつ1Aについて、詳述すると、おむつ1Aは、図1に示すように、表面シート21、裏面シート22、これらシート21,22間に配された吸収体23を備え、図1に示すように、腹側部A、背側部B及び股下部Cに区分された吸収性本体2、吸収性本体2の背側部Bの両側部2s,2sにX方向の外方に延出する一対のファスニングテープ5,5、及び吸収性本体2の腹側部Aに、ファスニングテープ5と係合するターゲットシート(不図示)を有する。
腹側部Aは装着時に装着者の腹側に位置する部位であり、背側部Bは装着時に装着者の背側に位置する部位であり、股下部Cは腹側部Aと背側部Bとの間に配される部位である。
吸収性本体2は、図1に示すように、Y方向に長く、Y方向の両側縁が、Y方向の中央部において内方に括れた形状を有しており、Y方向の両端部の幅が、Y方向の中央部の幅よりも広くなっている。吸収性本体2は、図1に示すように、おむつ1Aの内面をなす液透過性の表面シート21と、おむつ1Aの外面をなす液難透過性の裏面シート22と、これらのシート21,22間に介在された液保持性の吸収体23とを有している。表面シート21及び裏面シート22それぞれは、図1に示すように、吸収体23の肌当接面側の全面及び非肌当接面側の全面を覆っており、吸収体23の周縁から延出している。また、表面シート21は、図2に示すように、X方向の長さが裏面シート22のX方向の長さよりも短くなっている。
おむつ1Aの吸収性本体2には、図1に示すように、Y方向の両側部2s,2sそれぞれに、表面シート21を介してサイドシート24が配されている。サイドシート24は、図1に示すように、表面シート21の肌当接面側であって、Y方向の側部全域に亘って配設固定されている。各サイドシート24のX方向の内方(中心線CL寄り)の端部は、図1に示すように、自由端となっており、股下部Cにおける自由端近傍には立体ギャザー形成用の弾性部材30が長手方向(Y方向)に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、自由端から所定幅の部分が表面シート21から離間して立体ギャザー3を形成する。
おむつ1Aの吸収性本体2の両側部2s,2sには、図1に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、X方向の外方に延出したサイドシート24と裏面シート22とが接合され、サイドフラップ部25が形成されている。また、吸収性本体2の両側部2s,2sには、図1に示すように、股下部Cにおいて、幅方向(X方向)外方に延出したサイドシート24と裏面シート22とが接合され、レッグフラップ部26が形成されている。レッグフラップ部26には、股下部Cにおいて、レッグギャザー形成用の弾性部材40が長手方向(Y方向)に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、レッグギャザー4が形成される。
表面シート21には、表面シート21の一部又は全体に、表面シート21を親水化する親水化剤6が保持されており、おむつ1Aにおいては、図1,図2に示すように、表面シート21の一部に、表面シート21を親水化する親水化剤6が保持されている。ここで親水化されているとは、接触角法による接触角度が80度以下であることを意味する。接触角の測定には、協和界面科学株式会社製の接触角計MCA−Jを用いる。具体的には、親水化剤6塗布後の表面シート21上に、イオン交換水を滴下(約20ピコリットル)した後、直ちに前記接触角計を用いて接触角度の測定を行う。測定は、親水化剤6塗布後の表面シート21の5箇所以上の箇所で行う。
おむつ1Aにおいては、図1,図2に示すように、表面シート21の幅方向(X方向)中央部分に親水化剤6が保持されている。表面シート21に親水化剤6を塗工するおむつ1Aの親水化剤塗工領域60は、図1に示すように、X方向においては、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3の先端同士の間よりも狭く形成されており、Y方向においては、吸収性本体2のY方向の両端間に亘って形成されている。表面シート21の全表面積(左右の立体ギャザー3の付け根固定位置の間の表面シート面積)に対する親水化剤塗工領域60の割合は、装着者の肌への剤の移行性およびスキンケア効果、表面シート21への体液の透過性、立体ギャザー3から体液の染み出し難さおよび防漏性の観点から、15〜75%であることが好ましく、20〜55%であることが更に好ましい。
表面シート21を親水化する親水化剤6としては、下記式(I)で表されるジアミド誘導体を含むスキンケア剤である。
Figure 2012110414
上記の式(I)で表されるジアミド誘導体は、国際公開公報WO00/61097号に記載されている発明のジアミド誘導体であり、角質層の水分保持能力およびバリヤー機能を改善するという薬効を有している。
使用するジアミド誘導体は1種のみであってもよいし、2種以上の複数種であってもよい。必要に応じて、他のスキンケア剤と併用することもできる。他のスキンケア剤としては、表面シート21を親水化する上式(I)のジアミド誘導体の親水化剤としての役割を妨げないスキンケア剤であれば、特に制限なく用いることができ、例えば化粧品の分野においてエモリエント剤として用いられているもの等を用いることができる。
上記他のスキンケア剤の具体例としては、流動パラフィン、シリコーンオイル、動植物油(オリーブ油、ホオバ油、ベニバナ油、スクワランおよびスクワレン等)、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、脂肪族エーテル(ミリスチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ステアリル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−メチルプロピルエーテル、ステアリル−1,3−メチルプロピルエーテル等)、イソステアリル−コレステロールエステル、パラフィンワックス、C12〜C22脂肪酸、C12〜C44脂肪酸エーテル、C12〜C22脂肪アルコール、ワセリン、脂肪酸ソルビタンエステル(モノエステル、ジエステル、およびトリエステルのいずれでもよい。)、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル(モノエステル、ジエステル、およびトリエステルのいずれでもよい。)、金属石験(ステアリン酸マグネシウム等)、ショ糖脂肪酸エステル、シクロデキストリン脂肪酸エステル、シリコーン、シリコーン系レジン等が挙げられ、特許3217792号公報及び特許3217793号公報に記載されている発明で使用されるエモリエント剤等が挙げられ、表面シート上の体液の透過性を低下させない観点から、C12〜C22脂肪アルコールの中のステアリルアルコールと、上式(I)のジアミド誘導体との混合物を好ましく用いることができる。ステアリルアルコールと上式(I)のジアミド誘導体との混合比(ステアリルアルコール/ジアミド誘導体)は、肌への移行性およびスキンケア効果、使用時の感触、表面シート21へ体液の透過性の観点から、90/10〜50/50(重量%)であること好ましい。
表面シート21の親水化剤6の保持は、常温で固体又は半固体の親水化剤6を塗工装置(アプリケーター)のタンク内に投入し、加熱してその流動性を高めてから、表面シート21にコーティングすることによって行う。表面シート21に親水化剤6をコーティングした後は、常温で放置することにより、親水化剤6が固体又は半固体となり、表面シート2に親水化剤6が付着して保持される。
コーティング方式としては、ダイスコーター方式、スロットスプレー方式、カーテンスプレー方式、メルトブローン方式、スパイラルスプレー方式、グラビア方式、ビード方式等が挙げられる。
親水化剤6の塗工量(親水化剤6が実際に塗工されている領域(親水化剤塗工領域60)での塗工量を意味する。)は、肌への移行性およびスキンケア効果、使用時の感触、表面シート21への体液の透過性の観点から、0.1〜2.0g/m2の範囲とすることが好ましく、0.2〜1.0g/m2の範囲とすることが更に好ましい。
一対の立体ギャザー3,3及び/又は一対のレッグギャザー4,4には、一対の立体ギャザー3,3及び/又は一対のレッグギャザー4,4の一部又は全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されており、おむつ1Aにおいては、図1,図2に示すように、一対の立体ギャザー3,3の一部に、ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。ここで撥水化されているとは、接触角法による接触角度が90度以上であることを意味する。接触角の測定には、上述した親水化の接触角の測定と同様に、協和界面科学株式会社製の接触角計MCA−Jを用いる。具体的には、撥水化剤7塗布後のギャザー上に、イオン交換水を滴下(約20ピコリットル)した後、直ちに前記接触角計を用いて接触角度の測定を行う。測定は、撥水化剤7塗布後のギャザーの5箇所以上の箇所で行う。
おむつ1Aにおいては、一対の立体ギャザー3,3の一部、即ち、図2に示すように、装着時に表面シート21から立ち上がる一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rに撥水化剤7が保持されている。おむつ1Aの一対の立体ギャザー3,3は、その先端が装着時に中心線CLに向かって立ち上がる、所謂内折りの立体ギャザーであり、図2に示すように、内折りの立体ギャザー3の外面(肌当接面)の一部に撥水化剤7が保持されている。一対の立体ギャザー3,3それぞれに撥水化剤7を塗工するおむつ1Aの撥水化剤塗工領域70は、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3それぞれにおいて、立体ギャザー3を形成するサイドシート24の外面(肌当接面)の一部に形成されている。おむつ1Aの撥水化剤塗工領域70は、図1に示すように、X方向においては、表面シート21のX方向の端縁の位置に対応するサイドシート24の位置と、立体ギャザー形成用の複数本の弾性部材30の中で最もX方向の外方側の弾性部材30(中心線CLに最も離れている弾性部材30)の位置に対応するサイドシート24の位置との間よりも狭く形成されており、Y方向においては、吸収性本体2のY方向の両端間に亘って形成されている。股下部Cにおいては、おむつ1Aの撥水化剤塗工領域70は、X方向において、表面シート21のX方向の端縁の位置に対応するサイドシート24の位置から立体ギャザー3の先端に向かう立ち上がり部分3Rに形成されている。立体ギャザー3とレッグギャザー4との境界を表面シート21のX方向の端縁の位置に対応するサイドシート24の位置とした場合に、立体ギャザー3の全表面積(立体ギャザー3の付け根固定位置から立体ギャザー3の先端までの立体面積)に対する撥水化剤塗工領域70の割合は、立体ギャザー3からの体液の染み出し難さおよび防漏性、肌へのスキンケア効果、使用時の感触の観点から、10〜100%であることが好ましく、30〜60%であることが更に好ましい。
立体ギャザー3から体液が染み出し難く防漏性を高める観点から、塗工領域70の位置は、立体ギャザー3の先端部寄りよりも立体ギャザー3の付け根固定位置寄りに配されるのが好ましい。また、塗工領域70においてストライプ状に塗工された場合には、複数本の合計を塗工領域70の割合とする。
また、おむつ1Aにおいては、図2に示すように、一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rと対向する表面シート21の立ち上がり対向部分21R,21Rそれぞれにも撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。表面シート21に撥水化剤7を塗工するおむつ1Aの撥水化剤塗工領域70’は、上述した立体ギャザーの撥水化剤塗工領域70に対向して形成されている。表面シート21の全表面積(左右の立体ギャザー3の付け根固定位置の間の表面シート21の面積)に対する撥水化剤塗工領域70’(両側部2s,2sの撥水化剤塗工領域70’の合計)の割合は、表面シート21上の立体ギャザー3の立ち上がり付近で体液がX方向へ移行し難く、体液が立体ギャザー3から染み出し難く(撥水性)および防漏性を高める観点から、5〜50%であることが好ましく、10〜30%であることが更に好ましい。
また、表面シート21の親水剤のスキンケア効果と表面シート21への体液の透過性を低下させることなく、X方向へ体液が移行し難く、立体ギャザー3から体液が染み出し難く防漏性を高める観点から、一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rの撥水化剤塗工領域70に対し、対向する表面シート21の立ち上がり対向部分21R,21Rの撥水化剤塗工領域70’の方が、巾が狭い方が好ましい。
ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤としては、C12〜C22脂肪アルコール、ワセリン、流動パラフィン、シリコーンオイル、動植物油(オリーブ油、ホオバ油、ベニバナ油、スクワランおよびスクワレン等)、ジグリセライド、トリグリセライド、パラフィンワックス、C12〜C22脂肪酸、シリコーン、シリコーン系レジン等が挙げられ、肌へのスキンケア効果、撥水性、使用時の感触の観点から、C12〜C22脂肪アルコールの中のステアリルアルコールとワセリンとの混合物を好ましく用いることができる。ステアリルアルコールとワセリンとの混合比(ステアリルアルコール/ワセリン)は、立体ギャザー3からの体液の染み出し難さおよび防漏性、肌へのスキンケア効果、使用時の感触の観点から、80/20〜50/50(重量%)であること好ましい。
ギャザーの撥水化剤7の保持は、常温で固体又は半固体の撥水化剤7を塗工装置(アプリケーター)のタンク内に投入し、加熱してその流動性を高めてから、ギャザーにコーティングすることによって行う。ギャザーに撥水化剤7をコーティングした後は、常温で放置することにより、撥水化剤7が固体又は半固体となり、ギャザーに撥水化剤7が付着して保持される。コーティング方式としては、上述した親水化剤6の方法と同様な方法を用いることができる。
ギャザーの撥水化剤7の塗工量(撥水化剤7が実際に塗工されている領域(撥水化剤塗工領域70)での塗工量を意味する。)は、立体ギャザー3からの体液の染み出し難さおよび防漏性、肌へのスキンケア効果、使用時の感触の観点から、0.1〜20.0g/m2の範囲とすることが好ましく、0.2〜10.0g/m2の範囲とすることが更に好ましい。
表面シート21の撥水化剤7の保持は、上述のように、加熱により流動性を高めてからギャザーにコーティングされた撥水化剤7が、立体ギャザー3を形成するサイドシート24を透過することにより、表面シート21に撥水化剤7が付着して保持される。従って、おむつ1Aにおいては、図2に示すように、一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rと対向する表面シート21の立ち上がり対向部分21R,21Rそれぞれに撥水化剤7が保持されるようになる。撥水化剤7がサイドシート24を透過させる観点から、立体ギャザーの立ち上がり部分3Rは、図2に示すように、1枚のサイドシート24から形成されていることが好ましい。この場合、1枚のサイドシート24から形成される立体ギャザーの立ち上がり部分3Rと対向する表面シート21の立ち上がり対向部分21R,21Rそれぞれは、撥水化剤7がより多く保持されるようになる。
表面シート21の撥水化剤7の塗工量(撥水化剤7が塗工されている領域(撥水化剤塗工領域70’)での塗工量を意味する。)は、表面シート21の体液の透過性を低下させることなく、X方向へ体液が移行し難く、立体ギャザー3から体液が染み出し難く防漏性を高める観点から、0.1〜2.0g/m2の範囲とすることが好ましく、0.2〜1.0g/m2の範囲とすることが更に好ましい。
立体ギャザー3の撥水化剤7がサイドシート24を透過しやすい観点から、ギャザー3の撥水化剤7の塗工量(撥水化剤7が塗工されている領域(撥水化剤塗工領域70))の方が、表面シート21の撥水化剤7の塗工量よりも多い方が好ましい。
表面シート21の体液の透過性を低下させない観点から、表面シート21の撥水化剤7の塗工量(撥水化剤7が塗工されている領域(撥水化剤塗工領域70’))の方が、立体ギャザー3の撥水化剤7の塗工量よりも少ない方が好ましい。
本実施形態のおむつ1Aの形成材料について説明する。
吸収性本体2を構成する表面シート21、裏面シート22及び吸収体23としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、親水性且つ液透過性の不織布等を用いることができ、裏面シート22としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができ、吸収体23としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。立体ギャザー3やレッグギャザー4を形成するサイドシート24としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、伸縮性のフィルム、不織布、織物またはそれらの積層シート等を用いることができる。立体ギャザー形成用の弾性部材30、レッグギャザー形成用の弾性部材40としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
ファスニングテープ5の係合突起及びターゲットシート(不図示)は、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、係合突起としては、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等を用いることができる。ターゲットシート(不図示)としては、係合突起を押しつけることにより、係合突起を止着可能なものを特に制限なく用いることができる。例えば、例えば上述した各種公知の機械的面ファスナーにおけるメス部材や係合性に富む不織布を用いることができる。
表面シート21、裏面シート22、サイドシート24、ファスニングテープ6及びターゲットシート(不図示)の固定には、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。
次に上述した本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1Aを使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1Aは、図1,図2に示すように、表面シート21の一部に上式(I)で表されるジアミド誘導体を含む親水化剤6が保持され、一対の立体ギャザー3,3の一部に撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。このように、おむつ1Aにおいては、装着者の肌に最も接する面積の広い表面シート2に、体液の吸収性能が低下し難く且つスキンケア効果の高い、親水化剤6のジアミド誘導体を含むスキンケア剤が塗布されており、一対の立体ギャザー3,3に、撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されているので、肌へのスキンケア効果が高く、更に、一対の立体ギャザー3,3に保持された撥水剤7によって体液が染み出し難く、防漏性にも優れている。このように、おむつ1Aは、肌へのスキンケア効果が高いと共に防漏性にも優れている。
また、おむつ1Aには、図1,図2に示すように、一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rに撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されているので、体液がX方向へ更に染み出し難く、防漏性にも優れている。また、おむつ1Aの立体ギャザー3は、図2に示すように、内折りの立体ギャザーであり、内折りの立体ギャザー3の外面の一部に撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されているので、肌へのスキンケア効果が更に高い。また、おむつ1Aには、図1,図2に示すように、表面シート21の立ち上がり対向部分21R,21Rそれぞれに撥水化剤7が保持されているので、表面シート21におけるX方向への体液が移行し難く、立体ギャザー3から体液が染み出し難く防漏性に優れている。
次に、本発明の第2実施形態の使い捨ておむつについて、図3,図4に基づいて説明する。
第2実施形態の使い捨ておむつ1B(以下、「おむつ1B」ともいう)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
第2実施形態のおむつ1Bは、図3,図4に示すように、おむつ1Aと同様に、展開型の使い捨ておむつである。おむつ1Bにおいては、図3,図4に示すように、表面シート21の一部である表面シート21の幅方向(X方向)中央部分に、表面シート21を親水化する親水化剤6が保持されている。表面シート21に親水化剤6を塗工するおむつ1Bの親水化剤塗工領域60は、図3に示すように、X方向においては、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3の先端同士の間に亘って形成されており、Y方向においては、吸収性本体2のY方向の両端間に亘って形成されている。
おむつ1Bにおいては、図3,図4に示すように、一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4の全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。おむつ1Bの一対の立体ギャザー3,3は、その先端が装着時に中心線CLに向かって立ち上がる、所謂内折りの立体ギャザーであり、図3,図4に示すように、内折りの立体ギャザー3の外面(肌当接面)の全体に撥水化剤7が保持されており、レッグギャザー4,4の外面(肌当接面)の全体に撥水化剤7が保持されている。立体ギャザー及びレッグギャザー4に撥水化剤7を塗工するおむつ1Bの撥水化剤塗工領域70は、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4において、立体ギャザー3及びレッグギャザー4を形成するサイドシート24の外面(肌当接面)の全体に形成されている。おむつ1Bの撥水化剤塗工領域70は、図3に示すように、各サイドシート24のX方向の両端間、即ち、各サイドシート24のX方向内方側の端(中心線CL側の端)とX方向外方側の端との間に亘って形成され、サイドシート24のY方向の両端間に亘って形成されている。
尚、おむつ1Bにおいては、図4に示すように、表面シート21には撥水化剤7が保持されていない。表面シート21が撥水化剤7を保持しないように、立体ギャザー3を形成するサイドシート24には、加熱により流動性の高められた撥水化剤7が透過し難いように、メルトブローンを含んだサイドシート24を用いることが好ましい。
第2実施形態の使い捨ておむつ1Bの形成材料について説明する。第2実施形態の使い捨ておむつ1Bについては、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と同様である。
上述した本発明の第2実施形態の使い捨ておむつ1Bを使用した際の作用効果について説明する。
第2実施形態の使い捨ておむつ1Bの効果については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
おむつ1Bは、図3,図4に示すように、表面シート21の幅方向(X方向)中央部分に、表面シート21を親水化する親水化剤6が保持されており、一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4の全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。このように、おむつ1Bにおいては、装着者の肌に接する表面シート2に、体液の吸収性能が低下し難く且つスキンケア効果の高い、親水化剤6のジアミド誘導体を含むスキンケア剤が塗布されており、装着者の肌に接する一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4の全体に、体液が染み出し難い撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されているので、肌へのスキンケア効果に優れていると共に体液が染み出し難い。
次に、本発明の第3実施形態の使い捨ておむつについて、図5,図6に基づいて説明する。
第3実施形態の使い捨ておむつ1C(以下、「おむつ1C」ともいう)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
第3実施形態のおむつ1Cは、図5,図6に示すように、おむつ1Aと同様に、展開型の使い捨ておむつである。おむつ1Cにおいては、図5,図6に示すように、表面シート21の一部である表面シート21の幅方向(X方向)中央部分に、表面シート21を親水化する親水化剤6が保持されている。表面シート21に親水化剤6を塗工するおむつ1Cの親水化剤塗工領域60は、図5に示すように、X方向においては、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3の先端同士の間に亘って形成されており、Y方向においては、吸収性本体2のY方向の両端間に亘って形成されている。
おむつ1Cにおいては、図5,図6に示すように、一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4の全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。おむつ1Cの一対の立体ギャザー3,3は、その先端が装着時に中心線CLに向かって立ち上がる、所謂内折りの立体ギャザーであり、図5,図6に示すように、内折りの立体ギャザー3の外面(肌当接面)の全体に撥水化剤7が保持されており、レッグギャザー4,4の外面(肌当接面)の全体に撥水化剤7が保持されている。立体ギャザー及びレッグギャザー4に撥水化剤7を塗工するおむつ1Cの撥水化剤塗工領域70は、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4において、立体ギャザー3及びレッグギャザー4を形成するサイドシート24の外面(肌当接面)の全体に形成されており、サイドシート24のX方向内方側(中心線CL側)の端を越えて、表面シート21の一部にもかかる位置に形成されている。このように、おむつ1Cの撥水化剤塗工領域70は、図5に示すように、各サイドシート24のX方向の両端間、即ち、各サイドシート24のX方向内方側(中心線CL側)の端とX方向外方側の端との間に亘って形成さていると共に、サイドシート24のX方向内方側(中心線CL側)の端を越えて、表面シート21の一部にかかる位置にまで延びて形成されている。
また、おむつ1Cにおいては、図6に示すように、一対の立体ギャザー3,3それぞれと対向する表面シート21の対向部分21O,21Oそれぞれにも撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されている。表面シート21に撥水化剤7を塗工するおむつ1Cの撥水化剤塗工領域70’は、上述した立体ギャザー3の撥水化剤塗工領域70に対向して形成されている。おむつ1Cの撥水化剤塗工領域70’は、立体ギャザー3及びレッグギャザー4の撥水化剤塗工領域70が、図5,図6に示すように、サイドシート24の外面(肌当接面)の全体に形成されており、加熱により流動性を高めてからギャザーにコーティングされた撥水化剤7がサイドシート24を透過することにより、表面シート21に撥水化剤7が付着保持されて形成される。
対向部分21O、21Oの撥水化剤7は、サイドシート24を折返して二重で形成される立体ギャザー3の先端部に対向する対向部分21Oより、1枚のサイドシート24から形成される立体ギャザーの立ち上がり部分3Rに対向する対向部分21Oの方がより多く保持される。
おむつ1Cにおいては、図5,図6に示すように、表面シート21の一部に一対の弱撥水性の領域21C,21Cを有している。各弱撥水性の領域21Cは、各サイドシート24のX方向内方側の端(中心線CL側の端)よりも内方に位置する表面シート21の一部に形成されている。上述したように、おむつ1Cにおいては、撥水化剤塗工領域70が、各サイドシート24のX方向内方側の端(中心線CL側の端)とX方向外方側の端との間に亘って形成さていると共に、各サイドシート24のX方向内方側の端(中心線CL側の端)を越えて、表面シート21の一部にかかる位置にまで延びて形成されており、表面シート21の一部の前記位置には、撥水化剤7が付着して保持される。また、上述したように、おむつ1Cにおいては、表面シート21の親水化剤塗工領域60が、図5,図6に示すように、X方向においては、伸長させて拡げた状態の一対の立体ギャザー3,3の先端同士の間に亘って形成されている。従って、X方向において、前記親水化剤塗工領域60の部分と撥水化剤塗工領域70とが、表面シート21の一部の位置において重なっており、該位置において、親水化剤6と撥水化剤7とが混合され、おむつ1Cの表面シート21の一部に一対の弱撥水性の領域21C,21Cが形成される。
ここで弱撥水性とは、接触角法による接触角度が、表面シート21の親水化剤塗6の接触角度と立体ギャザーの撥水化剤7の接触角度の中間の範囲であることを意味する。接触角の測定は、上述した親水化の接触角の測定と同様に、協和界面科学株式会社製の接触角計MCA−Jを用いて測定する。
表面シート21の全表面積に対する弱撥水性の領域21C(両側部2s,2sの領域21Cの合計)の割合は、表面シート21の親水剤のスキンケア効果と表面シート21への体液の透過性を低下させることなく、表面シート21のX方向へ体液が移行し難く防漏性を高める観点から、3〜30%であることが好ましく、7〜20%であることが更に好ましい。
第3実施形態の使い捨ておむつ1Cの形成材料について説明する。第3実施形態の使い捨ておむつ1Cについては、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と同様である。
上述した本発明の第3実施形態の使い捨ておむつ1Cを使用した際の作用効果について説明する。
第3実施形態の使い捨ておむつ1Cの効果については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
おむつ1Cは、図5,図6に示すように、表面シート21の一対の中間部分21Cそれぞれが弱撥水性となっているため、表面シート2の幅方向(X方向)に体液が移行し難く、防漏性に優れている。
次に、本発明の第4実施形態の使い捨ておむつについて、図7に基づいて説明する。
第4実施形態の使い捨ておむつ1D(以下、「おむつ1D」ともいう)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
第4実施形態のおむつ1Dは、図7に示すように、表面シート21と、裏面シート22と、吸収体23とを備え、縦方向(Y方向)の両側部1s,1sに、一対の立体ギャザー3,3及び一対のレッグギャザー4,4が、各々弾性部材30,40を配することによって形成された、所謂、パンツ型使い捨ておむつである。おむつ1Dは、図7に示すように、表面シート21、裏面シート22、両シート21,22間に介在する吸収体23を有する縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2の裏面シート22側に配され固定された外層体8とを有し、外層体8の腹側部Aの両側縁部8a,8a及び背側部Bの両側縁部8b,8bを互いに融着して形成されるパンツ型使い捨ておむつである。
外層体8は、図7に示すように、パンツ型使い捨ておむつの最外表面となる外層シート81及び外層シート81の内面側に配されている内層シート82から形成されている。外層体8を構成する外層シート81及び内層シート82の間には、腹側部Aの両側縁部8a,8a間及び背側部Bの両側縁部8b,8b間に亘って複数本の弾性部材が配されている。詳述すると、外層体8を構成する外層シート81及び内層シート82の間には、ウエスト弾性部材(不図示)、胴廻り弾性部材(不図示)及びレッグ弾性部材40が配されており、腹側部A及び背側部Bの両側縁部8a,8a,8b,8bそれぞれに亘って、ウエスト弾性領域(ウエストギャザー)、胴回り弾性領域(胴回りギャザー)及び環状の一対のレッグギャザー4,4が形成されている。
おむつ1Dのレッグギャザー4は、腹側部Aにおいては、複数本のレッグ弾性部材40を、図7に示すように、腹側部Aの一方(図7の左側)の側縁部8aから腹側部Aの一方(図7の左側)の括れに沿って固着し、股下部Cを通って、腹側部Aの他方(図7の右側)の括れに沿って腹側部Aの他方(図7の右側)の側縁部8aに至るまで伸長状態で固着し、股下部Cの中央部(中心線CLを含む部位)でカットすることにより形成されている。同様に、おむつ1Dのレッグギャザー4は、背側部Bにおいては、複数本のレッグ弾性部材40を、図7に示すように、背側部Bの一方(図7の左側)の側縁部8bから背側部Bの一方(図7の左側)の括れに沿って固着し、股下部Cを通って、背側部Bの他方(図7の右側)の括れに沿って背側部Bの他方(図7の右側)の側縁部8bに至るまで伸長状態で固着し、股下部Cの中央部でカットすることにより形成されている。
外層体8の内面の一部又は全体には、撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されており、おむつ1Dにおいては、外層体8を構成する内層シート82の内面(肌当接面)に撥水化剤7が保持されている。具体的には、図7(a)に示すように、外層体8を構成する内層シート82の内面(肌当接面)の全体に撥水化剤7が保持されていてもよく、図7(b)に示すように、吸収性本体2よりも幅方向(X方向)外方であって、内層シート82の腹側部A及び背側部Bそれぞれの内面(肌当接面)に撥水化剤7が保持されていてもよく、図7(c)に示すように、吸収性本体2よりも縦方向(Y方向)外方であって、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける内層シート82の、所謂ウエスト弾性領域(ウエストギャザー)の内面(肌当接面)に撥水化剤7が保持されていてもよい。
外層体8の撥水化剤7の保持は、常温で固体又は半固体の撥水化剤7を塗工装置(アプリケーター)のタンク内に投入し、加熱してその流動性を高めてから、外層体8の内装シート82にコーティングすることによって行う。内装シート82に撥水化剤7をコーティングした後は、常温で放置することにより、撥水化剤7が固体又は半固体となり、外層体8に撥水化剤7が付着して保持される。コーティング方式としては、上述した親水化剤6の方法と同様な方法を用いることができる。
尚、おむつ1Dにおいては、おむつ1Aと同様に、図7に示すように、表面シート21の幅方向(X方向)中央部分に親水化剤6が保持されており、一対の立体ギャザー3,3の一部、即ち、装着時に表面シート21から立ち上がる一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rに撥水化剤7が保持されている。また、おむつ1Dにおいては、おむつ1Aと同様に、図7に示すように、立体ギャザー3の立ち上がり部分3Rと対向する表面シート21の立ち上がり対向部分21Rそれぞれにも撥水化剤7が保持されている。
第4実施形態の使い捨ておむつ1Dの形成材料について説明する。第4実施形態の使い捨ておむつ1Dについては、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と異なる点について説明する。
外層体8を構成する外層シート81と内層シート82としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、外層シート81及び内層シート82としては、不織布を用いることができる。
上述した本発明の第4実施形態の使い捨ておむつ1Dを使用した際の作用効果について説明する。
第4実施形態の使い捨ておむつ1Dの効果については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
おむつ1Dは、図7に示すように、パンツ型使い捨ておむつであり、外層体8の内面の一部又は全体には、撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されているため、汗もやゴム跡による赤みを低減する肌へのスキンケア効果があり、かつ、体液の外側への染み出しを防ぐ防漏効果がある。
次に、本発明の第5実施形態の使い捨ておむつについて、図8に基づいて説明する。
第5実施形態の使い捨ておむつ1E(以下、「おむつ1E」ともいう)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
第5実施形態のおむつ1Eは、図8に示すように、表面シート21と、裏面シート22と、吸収体23とを備え、縦方向(Y方向)の両側部1s,1sに、一対の立体ギャザー3,3が、弾性部材30を配することによって形成された、所謂、パンツ型使い捨ておむつである。おむつ1Eは、図8に示すように、表面シート21、裏面シート22、両シート21,22間に介在する吸収体23を有する縦長の吸収性本体2と、着用者の腹側に配される横長の矩形状の腹側シート部材9Aと、着用者の背側に配される横長の矩形状の背側シート部材9Bとを備え、吸収性本体2が腹側シート部材9A及び背側シート部材9Bに架け渡して固定され、腹側シート部材9Aの両側縁部9a,9aと背側シート9Bの両側縁部9b,9bとが接合されて形成されるパンツ型使い捨ておむつである。おむつ1Eにおいては、腹側シート部材9A及び背側シート部材9Bそれぞれが、吸収性本体2よりも外方に存在し、外層体となっている。
腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれは、図8に示すように、縦方向(Y方向)に離間させて配され且つ幅方向(X方向)に伸長した状態で配された複数本の弾性部材(不図示)を有している。おむつ1Eにおける腹側シート部材9A及び背側シート部材9Bは何れも、図8に示すように、おむつの外面をなす外層シート91と、外層シート91の内面側に配された内層シート92と、両シート91,92間に、幅方向(X方向)に伸長した状態の複数本の弾性部材(不図示)とを備えている。詳述すると、腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれを構成する外層シート91及び内層シート92の間には、ウエスト弾性部材(不図示)及び胴廻り弾性部材(不図示)が配されており、腹側部A及び背側部Bそれぞれには、ウエスト弾性領域(ウエストギャザー)、及び胴回り弾性領域(胴回りギャザー)が形成されている。尚、おむつ1Eには、図8に示すように、レッグギャザーは存在しない。
外層体である腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれの内面の一部又は全体には、撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されており、おむつ1Eにおいては、腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれを構成する内層シート92の内面(肌当接面)に撥水化剤7が保持されている。具体的には、図8(a)に示すように、吸収性本体2よりも幅方向(X方向)外方であって、腹側シート部材9Aの内層シート92の内面(肌当接面)及び背側シート9Bの内層シート92の内面(肌当接面)それぞれに撥水化剤7が保持されていてもよく、図8(b)に示すように、吸収性本体2よりも縦方向(Y方向)外方であって、腹側シート部材9Aの内層シート92及び背側シート9Bの内層シート92それぞれの、所謂ウエスト弾性領域(ウエストギャザー)の内面(肌当接面)に撥水化剤7が保持されていてもよい。
腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれの撥水化剤7の保持は、常温で固体又は半固体の撥水化剤7を塗工装置(アプリケーター)のタンク内に投入し、加熱してその流動性を高めてから、腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれの内層シート92にコーティングすることによって行う。内装シート92に撥水化剤7をコーティングした後は、常温で放置することにより、撥水化剤7が固体又は半固体となり、腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれに撥水化剤7が付着して保持される。コーティング方式としては、上述した親水化剤6の方法と同様な方法を用いることができる。
尚、おむつ1Eにおいては、おむつ1Aと同様に、図8に示すように、表面シート21の幅方向(X方向)中央部分に親水化剤6が保持されており、一対の立体ギャザー3,3の一部、即ち、装着時に表面シート21から立ち上がる一対の立体ギャザー3,3それぞれの立ち上がり部分3Rに撥水化剤7が保持されている。また、おむつ1Eにおいては、おむつ1Aと同様に、図8に示すように、立体ギャザー3の立ち上がり部分3Rと対向する表面シート21の立ち上がり対向部分21Rそれぞれにも撥水化剤7が保持されている。
第5実施形態の使い捨ておむつ1Eの形成材料について説明する。第5実施形態の使い捨ておむつ1Eについては、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と異なる点について説明する。
外層体である腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれを構成する外層シート91と内層シート92としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、外層シート91及び内層シート92としては、不織布を用いることができる。
上述した本発明の第5実施形態の使い捨ておむつ1Eを使用した際の作用効果について説明する。
第5実施形態の使い捨ておむつ1Eの効果については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
おむつ1Eは、図8に示すように、パンツ型使い捨ておむつであり、外層体である腹側シート部材9A及び背側シート9Bそれぞれの内面の一部又は全体には、撥水化剤7でもあるスキンケア剤が保持されているため、汗もやゴム跡による赤みを低減する肌へのスキンケア効果があり、かつ、体液の外側への染み出しを防ぐ防漏効果がある。
本発明の使い捨ておむつは、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1A、第2実施形態の使い捨ておむつ1B、第3実施形態の使い捨ておむつ1C、第4実施形態の使い捨ておむつ1D及び第5実施形態の使い捨ておむつ1Eに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1,第2,第3,第4,第5実施形態の使い捨ておむつにおける各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、上述の第1,第2,第3,第4,第5実施形態の使い捨ておむつ1A,1B,1C,1D,1Eにおいては、図2,図4,図6,図7,図8に示すように、一対の立体ギャザー3,3それぞれが内折りの立体ギャザーであるが、外折りの立体ギャザーであってもよく、外折りの立体ギャザーの場合には、立体ギャザーの内面の一部又は全体に、撥水化剤7が保持されていることが好ましい。
また、上述の第1,第2,第3,第4,第5実施形態の使い捨ておむつ1A,1B,1C,1D,1Eにおいては、図1,図3,図5,図7,図8に示すように、吸収性本体2を構成する表面シート21には、親水化剤塗工領域60が、Y方向において、吸収性本体2のY方向の両端間に亘って形成されているが、両端間に亘って形成されていなくてもよい。例えば、吸収性本体2を構成する表面シート21のY方向の中央部分に親水化剤6を保持し、吸収性本体2のY方向の両端部に疎水化剤7を保持するように、吸収性本体2のY方向の両端部それぞれに、X方向に延びる撥水化剤塗工領域70を形成してもよい。
本発明の使い捨ておむつは、幼児又は成人用の使い捨ておむつであってもよい。
1A,1B,1C,1D,1E 使い捨ておむつ
1s 側部
2 吸収性本体
2s 側部
21 表面シート
21R 立ち上がり対向部分
21O 立体ギャザーとの対向部分
22 裏面シート
23 吸収体
24 サイドシート
25 サイドフラップ部
26 レッグフラップ部
3 立体ギャザー
3R 立ち上がり部分
30 立体ギャザー形成用の弾性部材
4 レッグギャザー
40 レッグギャザー形成用の弾性部材
5 ファスニングテープ
6 親水化剤
60 親水化剤塗工領域
7 撥水化剤
70,70’ 撥水化剤塗工領域
8 外層体
8a,8b 側縁部
81 外層シート
82 内層シート
9A 腹側シート部材
9B 背側シート部材
9a,9b 側縁部
91 外層シート
92 内層シート

Claims (6)

  1. 液透過性の表面シートと、液難透過性の裏面シートと、これらシート間に配された縦長の吸収体とを備え、縦方向の両側部に、一対の立体ギャザー及び/又は一対のレッグギャザーが、各々弾性部材を配することによって形成された使い捨ておむつであって、
    前記表面シートの一部又は全体に、該表面シートを親水化する親水化剤が保持され、
    一対の立体ギャザー及び/又は一対のレッグギャザーの一部又は全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤でもあるスキンケア剤が保持されており、
    前記親水化剤は、下記式(I)
    Figure 2012110414
    で表されるジアミド誘導体を含むスキンケア剤である使い捨ておむつ。
  2. 装着時に前記表面シートから立ち上がる一対の前記立体ギャザーそれぞれの立ち上がり部分に前記撥水化剤が保持されている請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記表面シートの幅方向中央部分に前記親水化剤が保持され、装着時に前記表面シートから立ち上がる一対の前記立体ギャザーそれぞれの立ち上がり部分と対向する該表面シートの立ち上がり対向部分それぞれに前記撥水化剤が保持されている請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記表面シートの前記幅方向中央部分と一対の該表面シートの立ち上がり対向部分それぞれとの間の該表面シートの中間部分それぞれが弱撥水性となっている請求項3に記載の使い捨ておむつ。
  5. 一対の前記立体ギャザーそれぞれが内折りの立体ギャザーの場合には、該立体ギャザーの外面の一部又は全体に、前記撥水化剤が保持されており、一対の前記立体ギャザーそれぞれが外折りの立体ギャザーの場合には、該立体ギャザーの内面の一部又は全体に、前記撥水化剤が保持されている請求項1〜4の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記使い捨ておむつは、前記表面シート、前記裏面シート及び前記吸収体を備えた吸収性本体と、該吸収性本体の前記裏面シート側に配され固定された外層体とを有し、該外層体の腹側部の両側縁部及び背側部の両側縁部を互いに融着して形成されるパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記外層体の内面の一部又は全体に、前記撥水化剤が保持されている請求項1〜5の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
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