JP2012109346A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤの断線を抑制するとともに、加工速度の低下を抑制する、半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板の製造方法は、砥粒が固着されたワイヤWを単数列または複数列用いてインゴット1を切断することにより半導体基板を製造する方法であって、インゴット1を準備する工程と、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向yにワイヤを回転させながら、インゴット1を切断する工程とを備えている。切断する工程では、ワイヤWを往復運動することが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】半導体基板の製造方法は、砥粒が固着されたワイヤWを単数列または複数列用いてインゴット1を切断することにより半導体基板を製造する方法であって、インゴット1を準備する工程と、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向yにワイヤを回転させながら、インゴット1を切断する工程とを備えている。切断する工程では、ワイヤWを往復運動することが好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は半導体基板の製造方法に関し、より特定的にはインゴットから半導体基板を製造する方法に関する。
化合物半導体基板などの半導体基板の製造方法は、インゴットから複数枚の半導体基板をスライス加工する工程を含む。スライス加工するために、従来は外周刃または内周刃加工機が使われていたが、半導体基板を1枚ずつ加工し、刃の厚みだけ切り代を要することから量産には不向きであった。
そこで、近年では、スライス加工するために、特開2001−1335号公報(特許文献1)、特開2006−190909号公報(特許文献2)に開示されているように、マルチワイヤソーが用いられている。マルチワイヤソーの加工方法は、ピアノ線などのワイヤを用いてインゴットを切断する際にダイヤモンド砥粒を混合した砥液を吹きつけながら切削していく(以下、遊離砥粒方式と称する)。
しかし、上記特許文献1および2に開示の遊離砥粒方式では、加工速度や加工精度を維持するために、砥粒と砥液との混合比を厳しく管理する必要がある。また、遊離砥粒方式では、大口径インゴットを加工する際に、加工後半になるほど砥液が加工溝に浸入しずらく加工精度や加工時間を要するという問題がある。
これに対して、本発明者は、ワイヤに砥粒を固着させた固定砥粒方式に着目した。この固定砥粒方式の加工では遊離砥粒方式で要する管理を省略できるという利点がある。
しかし、固定砥粒方式では、ワイヤの一方向面のみにインゴットが接触するために、砥粒の片減りが発生し、最終的にはワイヤの断線を引き起こす。また、砥粒の脱落や切削粉により加工速度の低下に繋がる。
したがって、本発明の目的は、ワイヤの断線を抑制するとともに、加工速度の低下を抑制する、半導体基板の製造方法を提供することである。
本発明の半導体基板の製造方法は、砥粒が固着されたワイヤを単数列または複数列用いてインゴットを切断することにより半導体基板を製造する方法であって、インゴットを準備する工程と、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながら、インゴットを切断する工程とを備えている。
本発明の半導体基板の製造方法によれば、ワイヤを回転させながらインゴットを切断するので、ワイヤにおいてインゴットと接触する領域を変化させながらインゴットを切断することができる。このため、ワイヤに固着していた砥粒が局所的に減ること、つまりワイヤの片減りの発生を抑制できるので、ワイヤの断線を抑制することができる。
また、ワイヤにおいてインゴットと接触する領域を変化させながらインゴットを切断することができるので、ワイヤとインゴットとの間に、切断により生じる切削粉、脱落した砥粒などを外部に排出することができる。このため、加工速度の低下を抑制することができる。
上記半導体基板の製造方法において好ましくは、切断する工程では、ワイヤを往復運動する。
ワイヤの延在方向に対して交差する方向に回転がある状態、つまりよじれが有る状態でワイヤを往復運動すると、ワイヤのよじれが徐々に無くなるため、ワイヤにおいてインゴットと接触する領域を徐々に変化させながらインゴットを切断することができる。このため、ワイヤの片減りの発生を抑制できることにより、ワイヤの断線を効率良く抑制できるとともに、切断により生じる切削粉、砥粒などを外部に排出できることにより、加工速度の低下を効率良く抑制することができる。
上記半導体基板の製造方法において好ましくは、切断する工程では、ワイヤは2以上のガイドローラにより支持されており、ワイヤの延在する方向において、ガイドローラの端部とインゴットの端部とのそれぞれの距離が1mm以上300mm以下である。
ワイヤを支持しているガイドローラとインゴットとの距離を1mm以上とすることにより、ワイヤのたわみを抑制できるので、インゴットから半導体基板への加工精度を向上することができる。ガイドローラとインゴットとの距離を300mm以下とすることにより、インゴットにおけるワイヤの切り代を低減できる。
以上説明したように、本発明の半導体基板の製造方法によれば、ワイヤの断線を抑制するとともに、加工速度の低下を抑制することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本実施の形態における半導体基板の製造方法について説明する。本実施の形態における半導体基板の製造方法は、砥粒が固着されたワイヤを単数列または複数列用いてインゴットを切断することにより半導体基板を製造する方法である。つまり、本実施の形態における半導体基板の製造方法は、固定砥粒方式のワイヤ加工方法である。
図1および図2を参照して、本実施の形態における半導体基板の製造方法について説明する。本実施の形態における半導体基板の製造方法は、砥粒が固着されたワイヤを単数列または複数列用いてインゴットを切断することにより半導体基板を製造する方法である。つまり、本実施の形態における半導体基板の製造方法は、固定砥粒方式のワイヤ加工方法である。
まず、インゴットを準備する。インゴットの材料は半導体であれば特に限定されず、たとえばAlN(窒化アルミニウム)、GaN(窒化ガリウム)等の窒化物半導体であってもよく、Si(シリコン)等の半導体であってもよい。
また、ワイヤWを準備する。ワイヤWには、その表面全体に砥粒が固着されている。
次に、図1に示すように、ワイヤWの延在方向xに対して交差する方向yにワイヤWを回転させながら、インゴットを切断する。本実施の形態では、ワイヤWの延在する方向xに対して交差する方向によじれたワイヤWを準備し、よじれたワイヤWのよじれが徐々に無くなることにより、図1における方向yにワイヤWを回転させる。このようにワイヤWを回転させながら、インゴットから半導体基板を切り出す。
次に、図1に示すように、ワイヤWの延在方向xに対して交差する方向yにワイヤWを回転させながら、インゴットを切断する。本実施の形態では、ワイヤWの延在する方向xに対して交差する方向によじれたワイヤWを準備し、よじれたワイヤWのよじれが徐々に無くなることにより、図1における方向yにワイヤWを回転させる。このようにワイヤWを回転させながら、インゴットから半導体基板を切り出す。
このようにワイヤWをよじれた方向と反対方向に回転させると、ワイヤWとインゴットとの接触領域が徐々にずれていき、ワイヤWの片減りを抑制することができる。これにより、ワイヤWの断線を抑制することができる。
また、図2に示すように、インゴット1にワイヤWが切削しながら切り込むと、ワイヤWがよじれているため、ワイヤWが回転する方向yに沿って、切削粉、切り粉、脱落した砥粒などのインゴット1とワイヤWとの間の切断により生じた排出物103を、外部に排出することができる。このため、加工速度の低下を抑制できるので、加工速度を一定に保持することができる。
(実施の形態2)
まず、図3を参照して、本発明の実施の形態2における半導体基板の製造装置について説明する。図3に示すように、本実施の形態における半導体基板の製造装置は、ガイドローラ11〜13、ボビン14、16、ワイヤリール15、保持部17、18、および載置部19とを備えている。
ワイヤリール15は、ワイヤWの巻き付けが可能であるとともに、回転可能である。ボビン14は、ワイヤリール15から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWの巻き付けが可能である。保持部18は、ボビン14から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを保持する。ガイドローラ13、11、12は、保持部18からこの順に送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを巻き付け可能である。保持部17は、ガイドローラ12から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを保持する。ボビン16は、保持部17から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを巻きつけ可能である。載置部19は、インゴット1を載置する。
まず、図3を参照して、本発明の実施の形態2における半導体基板の製造装置について説明する。図3に示すように、本実施の形態における半導体基板の製造装置は、ガイドローラ11〜13、ボビン14、16、ワイヤリール15、保持部17、18、および載置部19とを備えている。
ワイヤリール15は、ワイヤWの巻き付けが可能であるとともに、回転可能である。ボビン14は、ワイヤリール15から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWの巻き付けが可能である。保持部18は、ボビン14から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを保持する。ガイドローラ13、11、12は、保持部18からこの順に送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを巻き付け可能である。保持部17は、ガイドローラ12から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを保持する。ボビン16は、保持部17から送り出されるまたは送り込まれるワイヤWを巻きつけ可能である。載置部19は、インゴット1を載置する。
続いて、図3〜図16を参照して、本発明の実施の形態2における半導体基板の製造方法について説明する。本実施の形態は、図3に示す製造装置を用いて、インゴット1を切断することにより半導体基板を製造する。
まず、インゴット1およびワイヤWを準備する。これらの工程は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次に、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤWを回転させながら、インゴット1を切断する。本実施の形態では、ワイヤWのよじれが元に戻りながら、インゴットから半導体基板をスライス加工する。この工程は、ワイヤWの巻き取り工程と、インゴットの切断工程とを含む。以下、この工程について詳述する。
図4に示すように、ワイヤWが巻き付けられたワイヤリール15を準備する。図5に示すように、このワイヤリール15からワイヤWを取出し、ボビン14、保持部18、ガイドローラ13、11、12、および保持部17にワイヤWを通して、ワイヤの端部W1をボビン16に固定する。このとき、ワイヤリール15、ボビン14、保持部18、ガイドローラ13、11、12、保持部17、およびボビン16に位置するワイヤWの領域W2にはよじれが生じていない。
その後、図6に示すように、ワイヤWに交差する方向(本実施の形態では矢印21の方向)にワイヤリール15を回転させながら、ボビン16にワイヤWを巻き取らせる。このとき、ボビン16を矢印22の方向に移動させる。これにより、ワイヤリール15、ボビン14、保持部18、ガイドローラ13、11、12、保持部17、およびボビン16に位置するワイヤWの領域W3にはよじれ(ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にねじれている状態)が生じる。さらに、図7に示すように、ボビン16を矢印22の方向に移動させながら、よじれたワイヤWのボビン16への巻き取りを進める。これにより、図8に示すように、よじれたワイヤWのボビン16への巻き取りが完了する。
次いで、図9に示すように、ワイヤリール15のみを、ボビン16へ巻き取らせる際に回転させた方向(図6における矢印21の方向)と逆方向(図9における矢印23の方向)に回転させる。この逆方向の回転数は、矢印21の方向に回転させた数とほぼ同じ数であることが好ましい。これにより、図10に示すように、ワイヤWにおいてワイヤリール15側の領域W4(本実施の形態ではボビン14とワイヤリール15との間の領域W4)には、ボビン16側の領域W3と逆方向のよじれが生じる。
その後、図11に示すように、ワイヤリール15とボビン14との間に位置するワイヤWを切断する。このとき、ワイヤリール15近傍で切断することが好ましい。そして、図12に示すように、切断したワイヤWの端部W5をボビン14に固定する。上記の工程により、ワイヤWの巻き取り工程が完了する。
次に、図3を参照して、準備したインゴット1を載置部19に載置する。上記のように巻き取ったワイヤWでインゴット1を切断する。図13および図14に示すように、ワイヤWの領域W3、W4には、互いに逆回転のよじれが生じている。このため、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤWを回転させながら、インゴット1を切断することができる。
この切断する工程では、ボビン14、16のそれぞれを互いに反対の方向(図13および図15における矢印24、25の方向)に移動させることが好ましい。この場合、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤWを容易に回転させることができる。
この工程では、図13に示す状態と、図15に示す状態とを繰り返し行なうことが好ましい。つまり、ワイヤWにおいて一方向によじれた領域W3を含むボビン16と、ワイやWにおいてこの方向と逆方向によじれた領域W4を含むボビン14とを互いに反対の方向に移動させることを繰り返すことが好ましい。これにより、ワイヤWを往復運動することができる。往復運動することで、インゴット1から複数枚の半導体基板を切り出すことができ、別のインゴットから半導体基板を切り出すこともできる。なお、図15に示すように、ボビン14、16を互いに反対の方向に移動させることで往復運動すると、ワイヤWの領域W6において、よじれは徐々になくなる。ワイヤWのよじれが完全になくなるまで往復運動は可能である。
この工程では、図16に示すように、ワイヤWは2以上のガイドローラ11〜13により支持されており、ワイヤWの延在する方向において、ガイドローラ11〜13の端部とインゴット1の端部とのそれぞれの距離Dが1mm以上300mm以下であることが好ましい。ガイドローラ11〜13の端部とは、ガイドローラ11〜13のうち、ワイヤWにおいてインゴット1の切断に用いられる部分を支持しているガイドローラ12、13において、インゴット1に最も近い部分を意味する。ワイヤWを支持しているガイドローラ11〜13とインゴット1との距離Dを1mm以上とすることにより、図17に示すようなインゴット1の切断開始位置から切断終了位置までのワイヤWのたわみを抑制できるので、インゴット1から半導体基板への厚みを均一に保持でき、加工精度を向上することができる。この効果は、加工速度を高めても発現できる。ガイドローラ11〜13とインゴット1との距離Dを30mm以下とすることにより、インゴット1におけるワイヤWの切り代を低減できるとともに、一定に保持できる。
上記の工程により、インゴット1の切断工程を完了することができる。本実施の形態では、ワイヤWを複数列用いてインゴット1を切断しているが、ワイヤWは単数列用いてもよい。また、切り出す半導体基板は、1枚であっても複数枚であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態における半導体基板の製造方法によれば、ワイヤリール15を回転させることでワイヤWによじれを形成することによって、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤWを回転させながら、インゴット1を切断している。このため、ワイヤWとインゴット1との接触面では、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤWを回転させながら、インゴット1を切断することができる。これにより、ワイヤWとインゴット1との接触領域が徐々にずれていき、ワイヤWの固定砥粒の片減りを抑制することができる。したがって、ワイヤWの断線を抑制することができる。このため、ワイヤWの寿命を高めることができる。
また、図2に示すように、インゴット1にワイヤWが切削しながら切り込むと、ワイヤWがよじれているため、ワイヤWの回転する方向に沿って、切削粉、切り粉、脱落した砥粒などのインゴット1とワイヤWとの間の切断により生じた排出物103を、外部に排出することができる。したがって、加工速度の低下を抑制できるので、加工速度を一定に保持することができる。また、切り出す半導体基板の厚みを均一にすることもできるので、インゴットから半導体基板を多く製造することもできる。
本実施例では、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながら、インゴットを切断することの効果について調べた。
(本発明例1〜3)
本発明例1〜3は、実施の形態2における半導体基板の製造方法にしたがって半導体基板を製造した。
本発明例1〜3は、実施の形態2における半導体基板の製造方法にしたがって半導体基板を製造した。
具体的には、まず、インゴット1として、直径が50mmで、厚さが10mmのAlN単結晶を準備した。このインゴット1を載置部19に載置し、このインゴット1の端部と、ガイドローラ12、13の端部とのそれぞれの距離D(図16参照)が20mmとなるようにガイドローラ12、13を設置した。また、入射面が(1−100)面になるように、3列の砥粒が固着されたワイヤWを設置した。またワイヤボビンの貯線量を1kmとした。
次に、実施の形態2にしたがって、図4〜図12に示すように、本発明例1〜3のそれぞれのワイヤリール15の総回転数を10、100、1000としてワイヤWの巻き取りを行なって、図13〜図15に示すように、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながら、インゴット1を切断した。インゴット1の送り速度は100μm/hrで、ワイヤWの移動速度は100m/分で、ワイヤWの張力は30Nとした。
上記のように、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながら、インゴットを切断することを10回繰り返した。
(比較例1)
比較例1は、基本的には本発明例1〜3と同様に半導体基板を製造したが、ワイヤWを回転させずにインゴット1を切断した点および単数列のワイヤを用いた点において異なっていた。つまり、ワイヤリール15を回転させず、図18に示すようにワイヤWの領域W2によじれを発生させずにインゴット1を切断した。
比較例1は、基本的には本発明例1〜3と同様に半導体基板を製造したが、ワイヤWを回転させずにインゴット1を切断した点および単数列のワイヤを用いた点において異なっていた。つまり、ワイヤリール15を回転させず、図18に示すようにワイヤWの領域W2によじれを発生させずにインゴット1を切断した。
(評価方法)
本発明例1〜3および比較例1の切断工程において、断線率を測定した。断線率は、10カット中のワイヤWの断線回数の割合(ワイヤ断線回数/10カット中)を測定した。その結果を下記の表1に示す。
本発明例1〜3および比較例1の切断工程において、断線率を測定した。断線率は、10カット中のワイヤWの断線回数の割合(ワイヤ断線回数/10カット中)を測定した。その結果を下記の表1に示す。
(評価結果)
表1に示すように、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断した本発明例1〜3では、ワイヤWの断線を抑制することができた。また、本発明例1〜3では、切り粉や脱落した砥粒を効率良く除去しながら加工することができたので、加工速度の低下を抑制できた。
表1に示すように、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断した本発明例1〜3では、ワイヤWの断線を抑制することができた。また、本発明例1〜3では、切り粉や脱落した砥粒を効率良く除去しながら加工することができたので、加工速度の低下を抑制できた。
以上より、本実施例によれば、ワイヤWの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できるとともに、加工速度の低下を抑制できることが確認できた。
本実施例では、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながら、インゴットを切断することの効果についてさらに調べた。
(本発明例4〜7)
本発明例4〜7は、基本的には本発明例3と同様に半導体基板を製造したが、インゴットの送り速度をそれぞれ500、1000、2000、5000(μm/hr)とした点において異なっていた。このようにインゴットの切断を10回繰り返した。
本発明例4〜7は、基本的には本発明例3と同様に半導体基板を製造したが、インゴットの送り速度をそれぞれ500、1000、2000、5000(μm/hr)とした点において異なっていた。このようにインゴットの切断を10回繰り返した。
(評価方法)
本発明例4〜7について、本発明例3と同様に断線率を測定した。また、本発明例3〜7について、切り代を測定した。切り代は、図19に示すように、インゴット1において切断された幅L1と、ワイヤWの直径L2との差により求めた。つまり、切り代L3=(インゴット1において切断された幅L1)−(ワイヤWの直径L2)とした。これらの結果を下記の表2に示す。なお、ワイヤWの直径L2は250μmであった。
本発明例4〜7について、本発明例3と同様に断線率を測定した。また、本発明例3〜7について、切り代を測定した。切り代は、図19に示すように、インゴット1において切断された幅L1と、ワイヤWの直径L2との差により求めた。つまり、切り代L3=(インゴット1において切断された幅L1)−(ワイヤWの直径L2)とした。これらの結果を下記の表2に示す。なお、ワイヤWの直径L2は250μmであった。
(評価結果)
表2に示すように、インゴットの送り速度を速くしても、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できることがわかった。また、インゴットの送り速度を速くしても、切り代を低減できることもわかった。
表2に示すように、インゴットの送り速度を速くしても、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できることがわかった。また、インゴットの送り速度を速くしても、切り代を低減できることもわかった。
本実施例では、ワイヤの延在する方向において、ガイドローラの端部とインゴットの端部とのそれぞれの距離が1mm以上300mm以下であることの効果について調べた。
(本発明例8〜12)
本発明例8〜12は、基本的には本発明例3と同様に半導体基板を製造したが(インゴットの送り速度=100μm/hr、総回転数=1000回転)、図16に示すガイドローラ12、13端部とインゴット1の端部とのそれぞれの距離Dが1mm、10mm、100mm、300mm、500mmとした点において異なっていた。このようにインゴットの切断を10回繰り返した。
本発明例8〜12は、基本的には本発明例3と同様に半導体基板を製造したが(インゴットの送り速度=100μm/hr、総回転数=1000回転)、図16に示すガイドローラ12、13端部とインゴット1の端部とのそれぞれの距離Dが1mm、10mm、100mm、300mm、500mmとした点において異なっていた。このようにインゴットの切断を10回繰り返した。
(評価方法)
本発明例8〜12について、本発明例1〜3と同様に断線率を測定するとともに、本発明例3〜7と同様に切り代を測定した。これらの結果を下記の表3に示す。
本発明例8〜12について、本発明例1〜3と同様に断線率を測定するとともに、本発明例3〜7と同様に切り代を測定した。これらの結果を下記の表3に示す。
(評価結果)
表3に示すように、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できることがわかった。
表3に示すように、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できることがわかった。
また、ガイドローラ12、13の端部とインゴット1の端部とのそれぞれの距離Dが1mm以上300mm以下の本発明例8〜11は、距離Dが300mmを超える本発明例12よりも、ワイヤのたわみを減少できたので、切り代を低減することができた。
本実施例では、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することの効果についてさらに調べた。
(本発明例13〜16)
本発明例13〜16は、基本的には本発明例10と同様に半導体基板を製造したが(距離D=10mm、ワイヤリールの総回転数=1000回転)、インゴットの送り速度をそれぞれ500、1000、2000、5000(μm/hr)とした点において異なっていた。このようにインゴットの切断を10回繰り返した。
本発明例13〜16は、基本的には本発明例10と同様に半導体基板を製造したが(距離D=10mm、ワイヤリールの総回転数=1000回転)、インゴットの送り速度をそれぞれ500、1000、2000、5000(μm/hr)とした点において異なっていた。このようにインゴットの切断を10回繰り返した。
(評価方法)
本発明例13〜16について、本発明例1〜3と同様に断線率を測定するとともに、本発明例3〜7と同様に切り代を測定した。これらの結果を下記の表4に示す。
本発明例13〜16について、本発明例1〜3と同様に断線率を測定するとともに、本発明例3〜7と同様に切り代を測定した。これらの結果を下記の表4に示す。
(評価結果)
表4に示すように、インゴットの送り速度を速くしても、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できることがわかった。また、インゴットの送り速度を速くしても、切り代を低減できることもわかった。
表4に示すように、インゴットの送り速度を速くしても、ワイヤの延在方向に対して交差する方向にワイヤを回転させながらインゴットを切断することにより、ワイヤの断線を抑制できることがわかった。また、インゴットの送り速度を速くしても、切り代を低減できることもわかった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 インゴット、11,12,13 ガイドローラ、14,16 ボビン、15 ワイヤリール、17,18 保持部、19 載置部、21,22,23,24 矢印、103 排出物、D 距離、L1 幅、L2 直径、L3 切り代、W ワイヤ、W1 端部、W2,W3,W4,W6 領域、W5 端部、x,y 方向。
Claims (3)
- 砥粒が固着されたワイヤを単数列または複数列用いてインゴットを切断することにより半導体基板を製造する方法であって、
前記インゴットを準備する工程と、
前記ワイヤの延在方向に対して交差する方向に前記ワイヤを回転させながら、前記インゴットを切断する工程とを備えた、半導体基板の製造方法。 - 前記切断する工程では、前記ワイヤを往復運動する、請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記切断する工程では、前記ワイヤは2以上のガイドローラにより支持されており、前記ワイヤの延在する方向において、前記ガイドローラの端部と前記インゴットの端部とのそれぞれの距離が1mm以上300mm以下である、請求項1または2に記載の半導体基板の製造方法。
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