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JP2012106920A - 溶湯金属用部材およびヒーターチューブ - Google Patents

溶湯金属用部材およびヒーターチューブ Download PDF

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JP2012106920A JP2011236105A JP2011236105A JP2012106920A JP 2012106920 A JP2012106920 A JP 2012106920A JP 2011236105 A JP2011236105 A JP 2011236105A JP 2011236105 A JP2011236105 A JP 2011236105A JP 2012106920 A JP2012106920 A JP 2012106920A
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Abstract

【課題】 機械的特性および耐熱衝撃性に優れ、信頼性が高く長期間にわたって使用することのできる窒化珪素質焼結体からなる溶湯金属用部材を提供する
【解決手段】 窒化珪素を主成分とする柱状結晶1と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相2とを有する窒化珪素質焼結体からなり、窒化珪素質焼結体の表面に開気孔3を有し、開気孔3の内部に、窒化珪素焼結体の内部に存在する第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在している溶湯金属用部材である。溶湯金属による開気孔3の内面の粒界相2の浸食が抑制されることで、窒化珪素質焼結体自体の機械的特性および耐熱衝撃性を向上することができる。また、溶湯金属が粒界相2と反応して強固に付着することも少なくなるため、長期間にわたって使用することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウムまたはこれらの金属の合金の溶湯に浸漬される溶湯金属用部材およびこれを用いたヒーターチューブに関する。
窒化珪素質焼結体は機械的強度が高く、耐熱衝撃性や耐摩耗性に優れているため、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウムまたはこれらの金属の合金の溶湯に浸漬される溶湯金属用部材、例えば、ヒーターチューブ、熱電対保護管、ラドル、ストーク、脱ガス用ロータとして使用されている。そして、この窒化珪素質焼結体からなる溶湯金属用部材においては、機械的特性や耐熱衝撃性等の向上を目的として様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1には、窒化珪素質焼結体の表面に厚さ0.1μm以上10μm未満の酸
化マグネシウムを主成分とする表面層を形成してなる溶湯金属用部材が提案されている。
特開平6−263567号公報
しかしながら、特許文献1で提案された窒化珪素質焼結体からなる溶湯金属用部材は、高温における機械的特性や耐熱衝撃性などに優れたものであるものの、表面層を形成するための工程が必要となり、工程数が増加することや製造コストが増大するという問題があった。それゆえ、窒化珪素質焼結体自体の機械的特性および耐熱衝撃性を向上した溶湯金属用部材が求められていた。
本発明は、上述した要求を満たすべく案出されたものであり、窒化珪素質焼結体自体の機械的特性および耐熱衝撃性を向上することにより、信頼性が高く長期間にわたって使用することのできる溶湯金属用部材およびこれを用いたヒーターチューブを提供することを目的とする。
本発明の溶湯金属用部材は、窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とを有する窒化珪素質焼結体からなり、該窒化珪素質焼結体の表面に開気孔を有し、該開気孔の内部に、前記窒化珪素焼結体の内部に存在する第1の柱状結晶よりも径の太い第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在していることを特徴とするものである。
本発明のヒーターチューブは、上記構成の溶湯金属用部材をヒーターの保護管として用いたことを特徴とするものである。
本発明の溶湯金属用部材によれば、窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とを有する窒化珪素質焼結体からなり、窒化珪素質焼結体の表面に開気孔を有し、開気孔の内部に、窒化珪素質焼結体の内部に存在する第1の柱状結晶よりも径の太い第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在していることから、溶湯金属に浸食されやすい開気孔の内面の粒界相が、第2の柱状結晶に覆われることとなり、
溶湯金属による開気孔の内面の粒界相の浸食が抑制される。それにより、窒化珪素質焼結体自体の機械的特性および耐熱衝撃性を向上することができる。また、溶湯金属が開気孔の内面の粒界相と反応して強固に付着することも少なくなるため、長期間にわたって使用することができる。
また、本発明のヒーターチューブによれば、本発明の溶湯金属用部材をヒーターの保護管として用いたことから、機械的特性および耐熱衝撃性に優れているので、信頼性が高く長期間にわたって使用することができる。
本実施形態の溶湯金属用部材である窒化珪素質焼結体の表面に有している開気孔を拡大した顕微鏡写真である。 本実施形態の溶湯金属用部材の用途の一例を示す、ヒーターチューブの縦断面図である。
以下、本実施形態の溶湯金属用部材の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態の溶湯金属用部材を構成する窒化珪素質焼結体が有している開気孔を拡大した顕微鏡写真である。本実施形態の溶湯金属用部材は、第1の柱状結晶1aおよび第2の柱状結晶1b等の柱状結晶1と、粒界相2とを有する窒化珪素質焼結体からなり、柱状結晶1は窒化珪素を主成分とするものであり、粒界相2は金属元素の酸化物を主成分とするものである。なお、柱状結晶1および粒界相2における主成分とは、柱状結晶1、粒界相2をそれぞれ構成する全成分100質量%に対して50質量%以上を占める成分であ
る。なお、柱状結晶1および粒界相2の各成分については、X線回折法により同定することができる。また、含有量については、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)により金属元素の含有量を求めて、X線回折法による同定結果を基に窒化物や酸化物に換算することにより求めることができる。
そして、本実施形態の溶湯金属用部材を構成する窒化珪素質焼結体は開気孔3を有しており、開気孔3の内部に、窒化珪素質焼結体の内部に存在する第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在している。このように、開気孔3の内部において、窒化珪素質焼結体の内部に存在する第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在していることにより、溶湯金属に浸食されやすい開気孔3の内面の粒界相2が、第2の柱状結晶1bに覆われることとなり、溶湯金属による開気孔3の内面の粒界相2の浸食が抑制される。それにより、窒化珪素質焼結体自体の機械的特性および耐熱衝撃性を向上することができる。また、溶湯金属が開気孔3の内面の粒界相2と反応して強固に付着することも少なくなるため、長期間にわたって使用することができる。
なお、本実施形態における窒化珪素質焼結体の内部とは、窒化珪素質焼結体の表面より内側の部分のことであり、窒化珪素質焼結体の表面に研磨加工を施して、この研磨面を撮影した図1に示す顕微鏡写真においては、開気孔3を除く部分が窒化珪素質焼結体の内部にあたる。そして、第1の柱状結晶1aよりも第2の柱状結晶1bの方が径の太い状態および第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在している状態については、図1に示す顕微鏡写真のように、開気孔3、第1の柱状結晶1a、第2の柱状結晶1bが確認できるものを用いて行なう。
具体的には、溶湯金属用部材である窒化珪素質焼結体の表面を数10μm研磨し、走査型電子顕微鏡を用いて1500倍の倍率で開気孔3を含む窒化珪素質焼結体の研磨面を撮影した
画像において、第1の柱状結晶1aの長手方向の中点における垂直方向の幅をW1、第2の柱状結晶1bの長手方向の中点における垂直方向の幅をW2とし、それぞれ5〜10個の第1の柱状結晶1aおよび第2の柱状結晶1bの幅を測定して平均値を求める。なお、幅の測定には、幅の3倍以上の長さを有し、輪郭が明確な柱状結晶を用いる。そして、W2の平均値がW1の平均値よりも大きい状態を、第1の柱状結晶1aよりも第2の柱状結晶1bの方が径の太い状態といい、W2の平均値がW1の平均値の1.5倍以上であることが
好適である。なお、図1に示す顕微鏡写真であれば、平均値を求めるまでもなく、第1の柱状結晶1aよりも第2の柱状結晶1bの径が太いことは明らかである。
そして、第1の柱状結晶1aよりも第2の柱状結晶1bの径を太くするには、焼成工程の最高温度における窒素分圧の調整により、開気孔3の内部に存在している第2の柱状結晶1bの粒成長抑制効果を有する金属元素の酸化物を多く揮発させて、第2の柱状結晶1bの粒成長を促進させればよい。
また、開気孔3の内部において、第2の柱状結晶1bが互いに交錯している状態とは、図1に示した開気孔3を拡大した顕微鏡写真を用いて確認することができ、それぞれの第2の柱状結晶1bの軸が任意の角度をなして交差している状態をいう。
また、窒化珪素質焼結体における開気孔3の面積占有率および深さは、窒化珪素質焼結体の機械的特性に影響を与えるものであるため、面積占有率が4面積%以下であるとともに、深さが5μm以下であることが好ましい。面積占有率が4面積%以下であるとともに、深さが5μm以下であれば、窒化珪素質焼結体は機械的特性に優れたものとなり、長期間にわたって使用可能な溶湯金属用部材とすることができる。なお、窒化珪素質焼結体における開気孔3の面積占有率および深さは、焼成温度、焼成時間、窒素分圧等の条件を調整することにより制御することができる。
なお、窒化珪素質焼結体における開気孔3の面積占有率とは、光学顕微鏡を用いて、倍率を200倍にしてCCDカメラで窒化珪素質焼結体の研磨面を撮影し、画像解析装置((
株)ニレコ製LUZEX−FS)により撮影画像内の1視野の測定面積を2.25×10−2mm
測定視野数を20、つまり測定総面積が4.5×10−1mmにおける開気孔3の面積を求め
て測定総面積における割合のことである。
また、開気孔3の深さとは、切り出した試料を例えば20個用意し、光学顕微鏡を用いて倍率を200倍にしてCCDカメラで開気孔3を含む研磨された断面を撮影し、画像解析装
置((株)ニレコ製LUZEX−FS)により撮影画像内の1視野の測定面積を2.25×10−2
、つまり測定総面積が4.5×10−1mmにおける開気孔3の深さの測定値の平均の
ことである。
本実施形態の溶湯金属用部材における金属元素の酸化物は、希土類酸化物と、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムのうち少なくとも1種とすることができ、この金属元素の酸化物は、粒界相2の主成分であるとともに、柱状結晶1中にも存在する。なお、金属元素の酸化物のほとんどは、粒界相2に存在するものであるため、X線回折法による測定において、同定された結晶相は、粒界相2に存在するものとみなすことができる。
このように、金属元素の酸化物が、希土類酸化物と、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムのうち少なくとも1種とであれば、窒化珪素質焼結体となる際の焼結を促進する焼結助剤として働き、機械的特性を高めることができる。ここで、希土類酸化物を構成する希土類元素としては、イットリウム(Y)およびランタノイド系元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,
Ho,Er,Tm,Yb,Lu)がある。
そして、金属元素の酸化物の含有量は、窒化珪素質焼結体を構成する全成分を100質量
%としたとき、8質量%以上18質量%以下であることが好適であり、金属元素の酸化物における希土類酸化物の割合は60%以上であることが好適である。この割合は、希土類酸化物の含有量を各金属元素の酸化物の含有量の総和で除して百分率で示すものである。
また、本実施形態の溶湯金属用部材における金属元素の酸化物を、希土類酸化物、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムであり、酸化アルミニウムの含有量が、0.6質量%
以下(但し、0質量%を含まず。)とすることもできる。このように、金属元素の酸化物が、希土類酸化物、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムであれば、焼結助剤として働いて窒化珪素質焼結体の機械的特性を高めることができるとともに、酸化アルミニウムの含有量が0.6質量%以下(但し、0質量%を含まず。)であることによって、窒化珪素
質焼結体の酸に対する耐食性を高めることができるため、酸性スラグが多く含まれる溶湯金属中において、長期間にわたって好適に使用することができる。
さらに、本実施形態の溶湯金属用部材における金属元素の酸化物を、希土類酸化物およびアルミン酸マグネシウムとすることもできる。このように、金属元素の酸化物が、希土類酸化物およびアルミン酸マグネシウムであれば、焼結助剤として働いて窒化珪素質焼結体の機械的特性を高めることができるとともに、窒化珪素質焼結体のアルカリに対する耐食性を高めることができるため、塩基性スラグが多く含まれる溶湯金属中において、長期間にわたって好適に使用することができる。
また、本実施形態の溶湯金属用部材では、FeSi,CrSi,NiSi,MoSiおよびWSiの少なくとも1種を粒界相内に含んでいることが好適である。
上述した珪化物を粒界相内に含んでいることが好ましい理由は、珪化物が熱力学的に安定しているためである。熱力学的に安定していれば、機械的応力や熱応力がかかった場合でも粒界相が相変態を起こしにくいので、高温における機械的特性および耐熱衝撃性を向上させることができる。
特に、粒界相内に、上述した珪化物のうち、FeSiおよびWSiを含んでいることが好ましい。この理由は、両者の結晶構造が特に近似しておりFeSiおよびWSiが隣接して存在しやすく、環境温度が上昇したとしても安定していることから、高温における機械的特性および耐熱衝撃性をさらに向上させることができるからである。
また、本実施形態の溶湯金属用部材は、組成式がRESiON,RESi,RESiおよびRESi12N(REは希土類元素)の少なくとも1種を粒界相内に含んでいることが好適である。これらの珪酸窒化物を粒界相内に含んでいるときには、変形しやすい金属元素の酸化物で構成される非晶質相の存在割合が粒界相内において相対的に少なくなり、粒界相の変形を抑制することができるため、溶湯金属用部材の剛性を高めることができる。
さらに、上述した珪酸窒化物を構成する希土類元素は、イットリウムであることが好適である。珪酸窒化物を構成する希土類元素としてイットリウムが好ましい理由は、YSiON,YSi,YSiおよびYSi12Nを粒界相内に含ませるために添加する酸化イットリウム(Y)が比較的安価であるとともに、酸化エルビウム(Er)、酸化イッテルビウム(Yb)または酸化ルテチウム(Lu)を添加したときよりも低い温度で緻密化させて焼結させることができるためである。
なお、FeSi,CrSi,NiSi,MoSi,WSi等の珪化物、RESiON,RESi,RESi,RESi12N等の珪酸窒化物については、X線回折法やX線マイクロアナライザー(EPMA)にて測定することによってその形態を確認することができる。
また、本実施形態の溶湯金属用部材において、窒化珪素質焼結体を構成する各成分の含有量については、蛍光X線分析法またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法により含有量を求めればよい。具体的なICP発光分光分析法による含有量の求め方は、まず、前処理として溶湯金属用部材を成す窒化珪素質焼結体の一部を超硬乳鉢にて粉砕した粉末にホウ酸および炭酸ナトリウムを加えて融解する。そして、放冷した後に塩酸溶液にて溶解し、溶解液をフラスコに移して水で標線まで薄めて定容とし、検量線用溶液とともにICP発光分光分析装置で測定することにより、溶湯金属用部材を成す窒化珪素質焼結体を構成する成分の金属元素の各含有量を求めることができる。
この値を基に、希土類元素(RE),Al,Ca,MgおよびZrについては、それぞれ酸化物に換算することにより、各金属元素の酸化物の含有量を求めることができる。また、Fe,Cr,Ni,Mo,Wについては、珪化物に換算することにより、各金属元素の珪化物の含有量を求めることができる。そして、100質量%から各金属元素の酸化物の
含有量および各金属元素の珪化物の含有量を引いた値を窒化珪素の含有量とすればよい。
また、本実施形態の溶湯金属用部材を構成する窒化珪素質焼結体の機械的特性は、室温における4点曲げ強度が700MPa以上であることが好ましい。室温における4点曲げ強
度が700MPa以上の機械的特性を有していれば、溶湯金属用部材として、高い信頼性が
得られるとともに長期間にわたって使用することができる。
なお、4点曲げ強度については、JIS R 1601−2008(ISO 17565:2003(M
OD))に準拠して測定すればよい。ただし、試験片となる窒化珪素質焼結体の厚みが薄く、3mm未満であるときには、そのままの厚みで評価してその結果が上記数値を満足することが好ましい。
図2は、本実施形態の溶湯金属用部材の用途の一例を示す、ヒーターチューブの縦断面図である。図2に示すように、ヒーターチューブ5は、溶湯金属中に浸漬され、熱源供給電源7に接続されたヒーター6の保護に用いられるものである。そして、このヒーターチューブ5が機械的特性および耐熱衝撃性に優れている本実施形態の溶湯金属用部材からなることにより、溶湯金属への浸漬前後での冷熱サイクルによって亀裂が入って破損したりするおそれが少ないため、ヒーター6の保護に好適に用いることができる。特に、アルミニウム溶湯中において好適に用いることができる。
次に、本実施形態の溶湯金属用部材となる窒化珪素質焼結体の製造方法について説明する。まず、窒化珪素については、金属シリコン粉末と、窒化珪素粉末とを準備して、(金属シリコン粉末)/(窒化珪素粉末)の質量比が1〜10となるように混合した混合粉末を用いる。ここで、金属シリコン粉末の粒径の大きさによっては、窒化不足および焼結不足の原因となるおそれがあるので、金属シリコン粉末は、粒度分布曲線の累積体積の総和を100%としたときの累積体積が90%となる粒径(D90)を10μm以下、好ましくは6μ
m以下のものを用いることが重要である。
また、金属元素の酸化物としては、希土類酸化物の粉末と、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムのうち少なくとも1種の粉末とを準備する。このように、希土類酸化物と、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネ
シウムおよび酸化ジルコニウムのうち少なくとも1種の粉末とを加えることによって、焼結性が向上し、緻密質な窒化珪素質焼結体を得ることができるため、機械的特性を高めることができる。なお、金属元素の酸化物の添加量は、混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との合計を100質量%としたとき、8質量%以上18質量%以下とすることが好適である。
あるいは、金属元素の酸化物として、希土類酸化物、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムの各粉末を用いるときには、混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との合計を100
質量%としたとき、希土類酸化物の粉末を7〜14質量%、酸化マグネシウムの粉末を1〜4質量%、酸化アルミニウムの粉末を0.6質量%以下(但し、0質量%を含まず。)とし
てもよい。
さらには、金属元素の酸化物として、希土類酸化物およびアルミン酸マグネシウムの各粉末を用いるときには、混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との合計を100質量%とした
とき、希土類酸化物の粉末を7〜14質量%、アルミン酸マグネシウムの粉末を1〜4質量%としてもよい。
次に、所定量秤量した各粉末を溶媒とともに、旧知の方法、例えばバレルミル、回転ミル、振動ミル、ビーズミルなどによって湿式で混合・粉砕してスラリーとする。この粉砕で用いる粉砕用メディアとしては、窒化珪素質焼結体、ジルコニア質焼結体、アルミナ質焼結体等からなるものが使用可能であるが、混入したときに不純物となる影響を少なくするには、作製する窒化珪素質焼結体と同じ材料組成または近似組成の窒化珪素質焼結体からなる粉砕用メディアを用いることが好ましい。
なお、この湿式で行なう粉砕は、焼結性の向上および結晶組織の柱状化の点から、粒径(D90)が3μm以下となるまで行なうことが好ましい。なお、得ようとする粒度分布とするには、粉砕用メディアの外径、量、粉砕時間等を調整すればよい。以上の粉砕を短時間で行なうには、予め累積体積50%となる粒径(D50)が1μm以下の粉末を用いることが好ましい。
また、パラフィンワックス、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などの有機バインダを、混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との合計100質
量部に対して1質量部以上10質量部以下でスラリーに混合することで成形性を向上させることができる。さらに、分散性を高めるために分散剤を添加してもよい。
次に、粒径(D90)が3μm以下となるまで粉砕したスラリーをASTM E11−61に記載されている粒度番号が200のメッシュまたはこのメッシュより細かいメッシュの篩
いに通した後に、噴霧乾燥装置を用いて造粒した顆粒を得る。
次に、得られた顆粒を用いて、プレス成形、CIP成形(Cold Isostatic Pressing)
などによって相対密度45〜60%の所望の形状を有する成形体とする。成形圧力は50〜100
MPaの範囲であれば、成形体の密度の向上や顆粒の潰れ性の観点から好適である。
また、鋳込み成形、射出成形、テープ成形などの成形方法であっても何ら問題ない。また、それぞれの成形方法で成形した後に、成形体を切削したり、積層したり、接合したりすることによって所望の形状としても何ら問題はない。
次に、表面が窒化珪素質の焼結結晶粒子で覆われたカーボン製のこう鉢中に得られた成形体を載置して、窒素または真空中などで脱脂する。脱脂温度は添加した有機バインダの種類によって異なるが900℃以下であることが好ましい。特に好ましくは500〜800℃であ
る。
次に、窒素雰囲気中において、脱脂温度からさらに温度を上げて焼成する。このとき、添加した金属シリコン粉末における金属シリコン(Si)が窒素ガス(N)と窒化反応することで窒化珪素(Si)となり、このときの窒化反応により相対密度が55〜70%まで上昇し、その後の焼成収縮率が小さくなることから、金属シリコン粉末を用いて窒化反応により窒化珪素とすれば、焼成変形を抑制することができる。
なお、上述した窒化反応は、以下のように進行させるのがよい。金属シリコン(Si)を含む脱脂体は、窒化工程において脱脂体の表面に存在するSiから窒化が始まり、時間の経過とともに脱脂体のより内部に存在するSiの窒化が進行する。そのため、特に脱脂体の内部における窒化不足を生じさせないためには、低温での窒化(第1の窒化工程)の後、高温での窒化(第2の窒化工程)を行なう必要がある。
まず、第1の窒化工程として、窒素分圧を10〜200kPaとし、1000〜1200℃の温度で15〜25時間保持することで、脱脂体中のSiの10〜70質量%を窒化する。次に、第2の窒
化工程として、第1の窒化工程の温度から1400℃の間の温度で5〜15時間保持することで脱脂体中のSiの残部を窒化させる。ここで、第2の窒化工程の温度は第1の窒化工程の温度よりも高く、第1の窒化工程と第2の窒化工程とは連続して実施することが好ましい。
そして、窒素分圧をそのまま10〜200kPaに維持して、さらに昇温を続け、最高温度
を1700℃以上1800℃未満として、4〜10時間保持すればよい。このような、焼成条件により、開気孔3の内部において、第2の柱状結晶1bの粒成長の抑制効果のある金属元素の酸化物を揮発させて第2の柱状結晶1bの粒成長を促進させることによって、開気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在させることができる。
また、最高温度を1740℃以上1800℃未満として、上述した時間保持すれば、得られた窒化珪素質焼結体の粒界相には、希土類元素との珪酸窒化物である、組成式がRESiON,RESi,RESiおよびRESi12N(REは希土類元素)で表される珪酸窒化物の少なくとも1種を含むこととなり、変形しやすい金属元素の酸化物で構成される非晶質相の存在割合が粒界相内において相対的に少なくなり、粒界相の変形を抑制することができるため、窒化珪素質焼結体の剛性を高めることができる。
また、窒素雰囲気中の焼成において、焼成温度を上げる、または焼成時間を長くすることによって、窒化珪素質焼結体の緻密化が促進されるので、開気孔の面積占有率を小さく、開気孔の深さを浅くすることができる。
また、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化モリブデンおよび酸化タングステンの少なくとも1種の粉末を、混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との合計100質量部に対し
て0.02質量部以上4質量部以下添加してもよい。添加された酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化モリブデンおよび酸化タングステンの各粉末は、焼成時に珪素と反応して、酸素を脱離し、粒界相内に熱力学的に安定した珪化物が生成され、粒界相内に珪化物を含んでいることにより、高温における機械的特性や耐熱衝撃性を向上させることができる。
また、上述した製造方法によって得られた窒化珪素質焼成体は、溶湯金属と接する表面を加工しなくても溶湯金属用部材として用いることができるが、必要に応じて研磨等の加工を施しても構わない。
以下、本実施形態の実施例を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、平均粒径が3μmの金属シリコン粉末と、平均粒径が1μmの窒化珪素粉末とを準備して、金属シリコン粉末/窒化珪素粉末の質量比が5.5となる混合粉末を得た。また
、金属元素の酸化物の粉末を準備し、表1に示すように秤量し、残部を混合粉末とした。次に、この混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との総和100質量部に対して、酸化鉄の粉
末を1.3質量部、酸化タングステンの粉末を1.0質量部秤量した。
そして、秤量した各粉末と、エタノールと、窒化珪素質焼結体からなる粉砕用メディアとをバレルミルに入れて湿式で混合・粉砕した。その後、有機バインダであるポリビニルアルコール(PVA)を、混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との総和100質量部に対し
て5質量部添加して混合することによりスラリーを得た。次に、噴霧乾燥装置を用いて造粒して顆粒を得た後、得られた顆粒を用いてCIP成形して、さらに切削加工を施して、外径が180mmであり、内径が157mmであり、長さが1205mmの図2に示すヒーターチューブ5となる形状の成形体を得た。
次に、表面が窒化珪素質の焼結結晶粒子で覆われたカーボン製のこう鉢中に成形体を載置し、窒素雰囲気中600℃で3時間保持することにより脱脂した。続けて、脱脂温度から
さらに温度を上げて、実質的に窒素からなる150kPaの窒素分圧中にて、1050℃で20時
間、1250℃で10時間順次保持して窒化した。そして、さらに昇温して、表1に示す焼成温度、焼成時間、窒素分圧で焼成し、200℃/時間で降温することにより、外径が150mmであり、内径が130mmであり、長さが1000mmの試料No.1〜13の窒化珪素質焼結体か
らなる溶湯金属用部材であるヒーターチューブ5を得た。なお、分析等の測定および熱衝撃試験を行なうため、各試料2本ずつ作製した。
以上のようにして作製したヒーターチューブ5を用いて以下の評価を行なった。まず、窒化珪素質焼結体の表面を研磨し、走査型電子顕微鏡を用いて1500倍の倍率で開気孔3を含む研磨面を撮影した画像において、第1の柱状結晶1aの長手方向の中点における幅をW1、第2の柱状結晶1bの長手方向の中点における幅をW2とし、サンプル数をいずれも5個として、このサンプル数各5個の第1の柱状結晶1aの幅W1および第2の柱状結晶1bの幅W2のそれぞれの平均値をM(W1),M(W2)として表2に示した。
次に、第2の柱状結晶1bが互いに交錯している状態を確認した。上述した同じ画像において、第2の柱状結晶1bの軸が任意の角度をなして交差している状態を交錯しているものとし、交錯が確認されたものには○を、交錯が確認されなかったものには×を表2に示した。
次に、開気孔3の面積占有率を算出した。光学顕微鏡を用いて、倍率を200倍にしてC
CDカメラで研磨面を撮影し、画像解析装置((株)ニレコ製LUZEX−FS)により撮影画
像内の1視野の測定面積を2.25×10−2mm、測定視野数を20、つまり測定総面積が4.5×10−1mmにおける開気孔3の面積を求めて測定総面積における割合を算出して表
2に示した。
次に、開気孔3の深さを測定した。具体的には、各試料から測定用の試料を20個切り出して、それぞれ断面を研磨し、光学顕微鏡を用いて倍率を200倍にしてCCDカメラで開
気孔3を含む研磨された断面を撮影し、画像解析装置((株)ニレコ製LUZEX−FS)によ
り撮影画像内の1視野の測定面積を2.25×10−2mm、つまり測定総面積が4.5×10
mmにおける開気孔3の深さを測定してその平均値を表2に示した。
次に、熱衝撃試験を行なった。試験方法は、720℃に保持した試料および820℃に保持した試料をそれぞれ20℃の水中に投下するものとし、投下後の試料のクラックの有無を表2に示した。
また、各試料からJIS R 1601−2008に準ずる試験片を10本切り出し、室温および1000℃における4点曲げ強度を測定した。そして、測定結果の平均値を表2に示した。
なお、得られた試料について、ICP発光分光分析法により、表1に示す成分に換算した値が、秤量時と同じであることを確認した。
表2に示すとおり、開気孔3の内部に第1の柱状結晶1aよりも径の太い第2の柱状結晶1bが互いに交錯するように複数存在していた試料No.3〜13は、温度差が700℃お
よび800℃の熱衝撃試験後にクラックは見られなかった。特に、開気孔3の面積占有率が4.0面積%以下であり、開気孔3の深さが5μm以下である試料No.7〜9は、室温における4点曲げ強度が950MPa以上であり、1000℃における4点曲げ強度が900MPa以上であり、特に耐熱衝撃性および機械的特性に優れていた。
まず、平均粒径が3μmの金属シリコン粉末と、平均粒径が1μmの窒化珪素粉末とを準備して、金属シリコン粉末/窒化珪素粉末の質量比が5.5となる混合粉末を得た。また
、金属元素の酸化物の粉末を準備し、表3に示すように秤量し、残部を混合粉末とした。次に、この混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との総和100質量部に対して、酸化鉄の粉
末を1.3質量部、酸化タングステンの粉末を1.0質量部秤量した。
次いで、実施例1に示した方法と同様の方法によりスラリーを作製し、噴霧乾燥装置を用いて造粒して顆粒を得た後、この顆粒をプレス成形して、角柱状の成形体を得た。
そして、この成形体を実施例1の試料No.7〜13と同様の方法により、脱脂、窒化、焼成を順次行ない、幅が4mm、厚みが3mm、長さが40mmの窒化珪素質焼結体である試料No.14〜17を得た。なお、得られた試料について、ICP発光分光分析法により、表3に示す成分に換算した値が、秤量時と同じであることを確認した。
そして、各試料の質量を電子天秤で測定した後、温度がいずれも90℃である30質量%塩酸水溶液、60質量%硝酸水溶液および46質量%弗酸水溶液にそれぞれ浸漬し、浸漬してから100時間後の各試料の質量を電子天秤で測定し、単位体積当たりの質量変化ΔMを求め
、その値を表3に示した。
表3に示すとおり、試料No.15〜17は、金属元素の酸化物が、希土類酸化物、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムであり、酸化アルミニウムの含有量が0.6質量%以下
であることから、単位体積当たりの質量変化ΔMの値が小さく、酸に対する耐食性が高いため、酸性スラグが多く含まれる溶湯金属中において、長期間にわたって好適に用いることができることがわかった。
まず、平均粒径が3μmの金属シリコン粉末と、平均粒径が1μmの窒化珪素粉末とを準備して、金属シリコン粉末/窒化珪素粉末の質量比が5.5となる混合粉末を得た。また
、金属元素の酸化物の粉末を準備し、表4に示すように秤量し、残部を混合粉末とした。次に、この混合粉末と金属元素の酸化物の粉末との総和100質量部に対して、酸化鉄の粉
末を1.3質量部、酸化タングステンの粉末を1.0質量部秤量した。
次いで、実施例1に示した方法と同様の方法によりスラリーを作製し、噴霧乾燥装置を用いて造粒して顆粒を得た後、この顆粒をプレス成形して、角柱状の成形体を得た。
そして、この成形体を実施例1の試料No.7〜13と同様の方法により、脱脂、窒化、焼成を順次行ない、幅が4mm、厚みが3mm、長さが40mmの窒化珪素質焼結体である
試料No.18,19を得た。なお、得られた試料について、X線回折法により結晶相の同定を行なったところ、試料No.18は、Y,MgO,Alが確認され、試料No.19は、YとMgAlが確認された。また、ICP発光分光分析法により、表4に示す成分に換算した値が、秤量時と同じであることを確認した。
そして、各試料の質量を電子天秤で測定した後、温度がいずれも90℃である34質量%水酸化カリウム水溶液および40質量%水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ浸漬し、浸漬してから100時間後の各試料の質量を電子天秤で測定し、単位体積当たりの質量変化ΔMを求
め、その値を表4に示した。
表4に示すとおり、試料No.19は、金属元素の酸化物が、希土類酸化物およびアルミン酸マグネシウムであることから、アルカリに対する耐食性が高いため、塩基性スラグが多く含まれる溶湯金属中において、長期間にわたって好適に用いることができることがわかった。
金属元素の酸化物の粉末を準備して、表5に示すように秤量した。また残部を金属シリコン粉末/窒化珪素粉末の質量比が5.5となる混合粉末とした。そして、金属元素の酸化
物の粉末および混合粉末との総和100質量部に対し、その他の添加成分を表5に示すよう
に秤量した。そして、表5に示す焼成条件以外の製造方法については、実施例1で示した方法と同様の方法により、試料No.20〜34の窒化珪素質焼結体からなる溶湯金属用部材であるヒーターチューブ5を得た。なお、得られた試料について、ICP発光分光分析法により、表5に示す成分に換算した値が、秤量時と同じであることを確認した。そして、以下の評価を行なった。
まず、X線回折法により結晶相を同定し、同定された珪化物および珪酸窒化物を表6に示した。また、実施例1と同様の方法により熱衝撃を与える熱衝撃試験を行ない、クラックの有無を表6に示した。また、各試料からJIS R 1601−2008に準ずる試験片を10本切り出し、室温および1000℃における4点曲げ強度を測定した。そして、測定結果の平均値を表6に示した。
表6に示すとおり、珪化物および珪酸窒化物を粒界相内に含む試料No.22〜34は、温度差が700℃の熱衝撃試験後にクラックは見られなかった。また、粒界相内にFeSi
およびWSiの少なくとも1種の珪化物を含む試料No.22〜31,33,34は、温度差が800℃の熱衝撃試験後にクラックは見られなかった。特に、粒界相内にFeSiおよび
WSiが含まれているとともに、珪酸窒化物も含まれている試料No.25〜28は、室温における4点曲げ強度が880MPa以上であり、1000℃における4点曲げ強度が810MPa以上であり、耐熱衝撃性に加えて機械的特性に優れていた。
1:柱状結晶
1a:第1の柱状結晶
1b:第2の柱状結晶
2:粒界相
3:開気孔
5:ヒーターチューブ
6:ヒーター
7:熱源供給電源

Claims (8)

  1. 窒化珪素を主成分とする柱状結晶と、金属元素の酸化物を主成分とする粒界相とを有する窒化珪素質焼結体からなり、該窒化珪素質焼結体は開気孔を有し、該開気孔の内部に、前記窒化珪素質焼結体の内部に存在する第1の柱状結晶よりも径の太い第2の柱状結晶が互いに交錯するように複数存在していることを特徴とする溶湯金属用部材。
  2. 前記金属元素の酸化物が、希土類酸化物と、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種とであることを特徴とする請求項1に記載の溶湯金属用部材。
  3. 前記金属元素の酸化物が、希土類酸化物、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムであり、酸化アルミニウムの含有量が、0.6質量%以下(但し、0質量%を含まず。)であることを特徴とする請求項1に記載の溶湯金属用部材。
  4. 前記金属元素の酸化物が、希土類酸化物およびアルミン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の溶湯金属用部材。
  5. 前記粒界相内に、FeSi,CrSi,NiSi,MoSiおよびWSiの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の溶湯金属用部材。
  6. 前記粒界相内に、FeSiおよびWSiを含むことを特徴とする請求項5に記載の溶湯金属用部材。
  7. 前記粒界相内に、RESiON,RESi,RESiおよびRESi12N(RE:希土類元素)の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の溶湯金属用部材。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の溶湯金属用部材をヒーターの保護管として用いたことを特徴とするヒーターチューブ。
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