JP2012106347A - インクジェット印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】厚手の記録媒体上にも、サテライトによる画像の汚れを発生させること無く印刷することができる、インクジェット印刷システムを提供する。
【解決手段】ヘッドホルダ212が、上方の空間と下方の空間とを区画するものであるとともに、ヘッドホルダへのプラテンの投影範囲において、前記上方の空間と前記下方の空間との間を通気可能にする複数の通気孔216を備え、インクが非水系インク組成物であり、顔料、顔料に対する固形分での質量比0.2〜2.0の顔料分散剤及び有機溶剤を含み、顔料分散剤が、(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体と、該非水系インク組成物中に分散して存在する、(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体とを含む。
【選択図】図5
【解決手段】ヘッドホルダ212が、上方の空間と下方の空間とを区画するものであるとともに、ヘッドホルダへのプラテンの投影範囲において、前記上方の空間と前記下方の空間との間を通気可能にする複数の通気孔216を備え、インクが非水系インク組成物であり、顔料、顔料に対する固形分での質量比0.2〜2.0の顔料分散剤及び有機溶剤を含み、顔料分散剤が、(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体と、該非水系インク組成物中に分散して存在する、(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体とを含む。
【選択図】図5
Description
本発明は、インクジェット印刷システムに関し、詳細には、インクジェット印刷装置のヘッドホルダに通気孔を備え、非水系インク組成物に所定の分散剤の組み合わせを含むことで、サテライトによる画像の汚れが顕著に低減された、インクジェット印刷システムに関する。
インクジェット印刷装置では、インクを吐出するインクジェットヘッドと対向した位置に印刷台(以下、プラテンという)を設け、このプラテンの表面に、カールや、コックリングといった用紙の変形を矯正するために、吸引力を発生する多数の貫通孔を形成し、プラテン上に多孔性のプラテンベルトを摺動させて用紙を吸着搬送する。
プラテンベルトのベルト孔のうち、用紙で完全に閉塞されていないベルト孔がプラテンの貫通孔の上を通過する際、インクジェットヘッドの周囲から該貫通孔へと流れ込む乱流が発生し、インクジェットヘッドから吐出される微小なインク滴(以下、インクミストという)を飛散させて用紙に汚れ(サテライトによる汚れ)を発生させるという問題がある。
このようなサテライトによる汚れをなくすために、装置の側から、又、インク組成物の側からの改良が提案されている。例えば、プラテンベルト孔に拡張部を形成すること(特許文献1)、非水系インクジェットインクに、スルホン酸基、又は硫酸基等の基を有する塩化ビニル樹脂を配合すること(特許文献2)が提案されている。
しかし、装置もしくはインク組成物、夫々を改良しても、サテライトの発生を十分に抑制することは難しく、特に封筒等の厚手の記録媒体への印刷ではヘッドノズルと記録媒体との距離が開いているため、サテライトによる汚れが発生し易い。そこで、本発明は、厚手の記録媒体上にも、サテライトによる汚れを発生すること無く印刷することができる、インクジェット印刷システムを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、非水系インク組成物を用いるインクジェット印刷システムであって、
インクジェット印刷装置が、
該非水系インク組成物を保持するインクジェットヘッドと、
該インクジェットヘッドを保持するヘッドホルダと、
該ヘッドホルダの下方で該ヘッドホルダと対向して位置する、複数の貫通孔が開口するプラテンと、
該複数の貫通孔に吸引力を発生させる吸引手段と、
該プラテン上を移動して用紙を吸着搬送する多孔性のプラテンベルトとを備え、
該ヘッドホルダは、該ヘッドホルダより上方の空間と下方の空間とを区画するものであるとともに、前記ヘッドホルダへの前記プラテンの投影範囲において、前記上方の空間と前記下方の空間との間を通気可能にする複数の通気孔を備え、
該非水系インク組成物が、顔料、該顔料に対する固形分での質量比0.2〜2.0の顔料分散剤及び有機溶剤を含み、該顔料分散剤が、
(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体と、
該非水系インク組成物中に分散して存在する、(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体とを含む、
ことを特徴とする、インクジェット印刷システムである。
インクジェット印刷装置が、
該非水系インク組成物を保持するインクジェットヘッドと、
該インクジェットヘッドを保持するヘッドホルダと、
該ヘッドホルダの下方で該ヘッドホルダと対向して位置する、複数の貫通孔が開口するプラテンと、
該複数の貫通孔に吸引力を発生させる吸引手段と、
該プラテン上を移動して用紙を吸着搬送する多孔性のプラテンベルトとを備え、
該ヘッドホルダは、該ヘッドホルダより上方の空間と下方の空間とを区画するものであるとともに、前記ヘッドホルダへの前記プラテンの投影範囲において、前記上方の空間と前記下方の空間との間を通気可能にする複数の通気孔を備え、
該非水系インク組成物が、顔料、該顔料に対する固形分での質量比0.2〜2.0の顔料分散剤及び有機溶剤を含み、該顔料分散剤が、
(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体と、
該非水系インク組成物中に分散して存在する、(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体とを含む、
ことを特徴とする、インクジェット印刷システムである。
上記本発明における装置は、ヘッドホルダが通気孔を有するので、該通気孔を通る空気の流れが形成されることにより、インクジェットヘッド周囲の空気が乱され難くなる為、インクミストの発生が防止されて、サテライトによる汚れが低減される。また、発明における非水系インク組成物(以下、単に「インク組成物」という場合がある)は、組成物中に分散して存在する(B)成分と、有機溶剤に溶解する(A)成分を組合わせて含むので、温度に因るインクの粘度の変化が抑制されると共に、顔料の分散安定性が高く、サテライトの発生が抑制され、サテライトによる汚れの低減が達成される。
本発明における装置の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明におけるインクジェット印刷装置1の、一実施形態の概略構成図である。インクジェット印刷装置1は、給紙部10、印刷部20、排紙部30、反転部40および制御部50から構成されている。
給紙部10は印刷部20に用紙Pを供給するものであり、インクジェット印刷装置1の下方側面に設けられた未印刷の用紙Pを積載する給紙台11、用紙Pを給紙台11から印刷部20へ導く給紙経路12、給紙台11から用紙Pを一枚ずつ取り出す給紙ローラ対13、用紙Pを印刷部20に所定のタイミングで送り込むタイミングローラ対14から構成されている。
印刷部20は給紙部10から用紙Pを搬入し、用紙Pにインクを吐出して印刷し、用紙Pを排紙部30へ搬出するものであり、インクを吐出するヘッドユニット21、ヘッドユニット21の下方で用紙Pを搬送するプラテンユニット22から構成されている。なお、ヘッドユニット21およびプラテンユニット22に関する詳細は後述する。
排紙部30は印刷された用紙Pを搬送して排紙するものであり、インクジェット印刷装置1の上方側面に設けられた印刷済みの用紙Pを積載する排紙台31、印刷済みの用紙Pを印刷面が下方を向いた状態で印刷部20から排紙台31に導く排紙経路32、排紙経路32上の用紙Pを一枚ずつ送り出す複数の排紙ローラ対33から構成されている。
反転部40は片面印刷済みの用紙Pの搬送方向を反転させ、未印刷面が上方を向いた状態で用紙Pを再び印刷部20に送りだすものであり、排紙台31の裏側に設けられたバッファ空間41、排紙経路32の途中から分岐して用紙Pをバッファ空間41へ導く分岐経路42、バッファ空間41から用紙Pをタイミングローラ対14へ導く再給紙経路43、分岐経路42,再給紙経路43上の用紙Pを一枚ずつ送り出す複数の反転ローラ対44を備えている。
制御部50は各部の動作制御や、不図示の操作パネルを通じてのユーザーからの指示を処理するものである。
次に、インクジェット印刷装置1の全体動作について説明する。未印刷の用紙Pが給紙台11から給紙ローラ対13によって給紙経路12上に取り出される。給紙経路12上の用紙Pはタイミングローラ対14によって所定のタイミングで印刷部20に送り出される。
印刷部20では、プラテンユニット22が所定速度で用紙Pを搬送し、ヘッドユニット21が用紙Pにインクを吐出して印刷を行う。印刷済みの用紙は、排紙ローラ対33によって一枚ずつ排紙経路32上に送りだされ、印刷面が下方を向く状態で排紙台31へ導かれて排紙される。
また、両面印刷を行う場合は、排紙経路32上の途中に設けられた不図示の経路切換機構によって排紙経路32上の用紙Pを分岐経路42に送り出し、バッファ空間41に導く。バッファ空間41から再給紙経路43に用紙Pを送り出し、再びタイミングローラ対14に導き、印刷部20へ再給紙を行う。なお、以下の説明においては、用紙Pの搬送方向と直交する方向を主走査方向、用紙Pの搬送方向を副走査方向として説明する。
印刷部20のヘッドユニット21について説明する。ヘッドユニット21は、用紙Pに向けてインクを吐出する複数のインクジェットヘッド211およびインクジェットヘッド211を保持するヘッドホルダ212とから構成されている。
ヘッドホルダ212は、後述するプラテン221の上方でプラテン221と対向して位置する。また、ヘッドホルダ212は、ヘッドホルダ212の上方の空間USと下方の空間LSを区画するものであり、プラテン221の投影範囲PRに上方の空間USと下方の空間LSを通気可能とする通気孔216が形成されている。
図2はヘッドホルダ212を示す図であり、上図はヘッドホルダ212の平面図、下図はヘッドホルダ212の斜視図である。ヘッドホルダ212には、上図に示すように、主走査方向および副走査方向に所定の間隔で千鳥状に複数の取付孔213が形成されている。本実施形態では、ヘッドホルダ212には合計24個の取付孔213が形成されている。前述の通気孔216に関する詳細は後述する。なお、取付孔213の数や、配置は特に限定されるものではない。
ヘッドホルダ212は、各取付孔213に各インクジェットヘッド211を挿入し、不図示のフランジ等で各インクジェットヘッド211を挿入した状態で保持するものである。再び図1を参照して説明する。インクジェットヘッド211は、インクを用紙Pに向けて吐出するインクジェットノズル214を下面に備えている。インクジェットノズル214は、インクジェットヘッド211の下面で副走査方向に配列されて、直線状のラインノズル215を形成している。すなわち各インクジェットヘッド211はライン単位でインクを用紙Pに向けて吐出する。
本実施形態では、同一色のインクを吐出するインクジェットヘッド211が6個単位で分類され、黒色K、マゼンタ色M、シアン色Cおよびイエロー色Yのいずれか一色を吐出する。
次に、再び図1を参照してプラテンユニット22について説明する。プラテンユニット22は、ヘッドユニット21の下方でヘッドホルダ212と対向して位置するプラテン221、プラテン221上を摺動するように掛け渡された無端のプラテンベルト222、プラテンベルト222を駆動する駆動ローラ223、従動ローラ224およびプラテン221の下方の空間を負圧にするファン225から構成されている。
図3はプラテン221の平面図である。なお、図3においては、各インクジェットヘッド211の投影位置を破線で示している。プラテン221はプレート部材であり、プラテンベルト222が通過する範囲に複数の長孔の貫通孔221aが千鳥状に形成されている。また、プラテン221の表面には、貫通孔221aと連通する凹部221bが形成されている。
プラテンベルト222には、千鳥状に複数のベルト孔222aが形成されている。ファン225がプラテン221の下方の空間を負圧にすることにより、各貫通孔221aに吸引力を発生させる。なお、プラテン221の下方の空間は不図示のフレームにより密閉されている。
プラテンベルト222が、プラテン221上を摺動することにより、凹部221b上を通過したベルト孔222aにも吸引力が発生する。ベルト孔222aに発生する吸引力は貫通孔221aの上を通過する際に最大となる。また、プラテンベルト222の表面と各インクジェットノズル214との間の距離は、用紙Pの厚みによって調整されるが、約1〜3mm程度の範囲である。
タイミングローラ対14で送り出された用紙Pは、不図示のセンサにより副走査方向上流の先端が検出され、各ベルト孔222aによってプラテンベルト222上に吸着保持されて搬入される。用紙Pがインクジェットノズル214の真下位置UPを所定の速度で通過することにより、各インクジェットヘッド211よりライン単位でインクが吐出され、用紙Pに画像が形成される。なお、ヘッドユニット21によるインクの吐出とプラテンユニット22による用紙Pの搬送のタイミングは制御部50によって制御されている。
図4は印刷部20の部分拡大断面図である。図4は印刷を開始する状態を示すものである。前述の通り、ベルト孔222aが凹部221bの上を通過すると、ベルト孔222aには吸引力が発生し、ベルト孔222aが貫通孔221aの上を通過する際に吸引力は最大になる。各ベルト孔222aのうち、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていないベルト孔222aが凹部221bの上を通過すると、プラテンベルト222上の空気が、ベルト孔222a、凹部221bおよび貫通孔221aを介してプラテンベルト222の下に流れ込み、プラテンベルト222上に図中矢印で示す気流が発生する。この気流はベルト孔222aが貫通孔221aの上を通過する時に最も強くなる。
また、この気流のうち、用紙Pとインクジェットヘッド211の間を流れる気流が増加すると、インクジェットノズル214からのインクミストが飛散して印刷画像に汚れが発生する可能性が高くなる。
本発明におけるインクジェット印刷装置は、そのヘッドホルダ212に通気孔216を備えることを特徴とする。該通気孔は、図5に示すような、プラテン221の投影範囲PRでヘッドホルダ212より上方の空間USと下方の空間LSとを通気可能にし、これによって、サテライトを低減することができる。プラテン221の投影範囲とは、装置を真上から見た際に、ヘッドホルダとプラテン221とが重なる領域である。図5の実施態様では、複数の通気孔216が複数のインクジェットヘッド211の間に設けられている。
通気孔216は、プラテン221の投影範囲PRであれば、特にヘッドホルダ212上での位置、形状及びその大きさが限定されるものではない。好ましくは、複数の通気孔216が、複数のインクジェットヘッド211各々の近傍に開口されており、その総開口面積が、インクジェットヘッド211のヘッドホルダ212への総投影面積の10パーセント以上、望ましくは20パーセント以上、より望ましくは50パーセント以上であってヘッドホルダ212の強度を考慮して90パーセント以下となるように、ヘッドホルダ212に通気孔216を形成する。
これにより、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていない各ベルト孔222aには、用紙Pとインクジェットヘッド211の間の空気よりも、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていない各ベルト孔222a上の間の空気が流れ込み易くなるため、用紙Pとインクジェットヘッド211の間を流れる気流が少なくなり、インクミストによる汚れが低減される。
通気孔216の第2の実施形態では、通気孔216は各インクジェットヘッド211の両側近傍に形成される。図6は、通気孔216の第2の実施形態を示す図である。図6に示す態様において、通気孔216は長方形であり、該長方形の長辺が、長方形のインクジェットヘッド211の両側の長辺近傍に沿って延びる。インクジェットヘッド211の近傍とは、インクジェットヘッド211側の縁が、インクジェットヘッド211から15mmまでの領域、望ましくは10mmまでの領域、より望ましくは5mmまでの領域にあることを意味する。
第2の実施形態では、インクジェットヘッド211の両側近傍でインクジェットヘッド211に沿って延びて開口する通気孔216の総面積が、インクジェットヘッド211の投影総面積の10パーセント以上、望ましくは20パーセント以上、より望ましくは50パーセント以上であってヘッドホルダ212の強度を考慮して90パーセント以下とすることが望ましい。
図6には、1つのインクジェットヘッド211に対し、長方形の通気孔216を1つのインクジェットヘッド211の両側近傍に各1個形成することにより、1つのインクジェットヘッド211における通気孔216の投影面積比を27パーセント程度にしたものを例示する。
図7は第2の実施形態の変形例である。図6では、通気孔216は、インクジェットヘッド211の両側で開口する長方形として説明しているが、孔の形状は特に限定されるものではなく、正方形、長方形、楕円形、真円、三角形であってもよい。特に、三角形の場合は底辺がインクジェットヘッド211側となるように配置することが望ましい。図7においては、各通気孔216の形状を貫通孔221aと同じ形状の長孔にしている。
また、通気孔216は、図6に示すような、インクジェットヘッド211の各側1個ずつの孔に限定されるものではなく、各側2個以上の孔で形成されてもよい。図7においては、通気孔216をインクジェットヘッド211の各側4個ずつ形成している。
また、インクジェットヘッド211の両側とは、図6に示すような、インクジェットヘッド211の副走査方向両側に限定されるものではなく、主走査方向両側、主走査方向および副走査方向両側であってもよい。すなわち通気孔216は千鳥状に配置されたインクジェットヘッド211間に形成が可能である。
また、各通気孔216の大きさについても、通気孔216の総面積が、インクジェットヘッド211の投影総面積の10パーセント以上となる限り、特に限定されるものではない。したがって、図7において、通気孔216は貫通孔221aよりも小さいものであってもよい。
このように、インクジェットヘッド211の両側近傍に通気孔216を設けることにより、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていない各ベルト孔222a上の空間のうち、インクジェットヘッド211の近傍の空気が、インクジェットヘッド211に沿って流れ易くなるため、用紙Pとインクジェットヘッド211の間を流れる気流が少なくなり、インクミストによる汚れが低減される。
次に、通気孔216の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は取付孔213を通気孔216とするものである。図8は通気孔216の第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態では、取付孔213の周囲に、取付孔213の外側にオフセットした形状の通気孔216を形成する。
第3の実施形態では、取付孔213とインクジェットヘッド211との間の隙間の総面積が、インクジェットヘッド211の投影総面積の10パーセント以上、望ましくは20パーセント以上、より望ましくは50以上であってヘッドホルダ212の強度を考慮して90パーセント以下となるように、ヘッドホルダ212に通気孔216を形成する。
図8には、第1実施形態と同じ投影面積のインクジェットヘッド211に対し、取付孔213の周囲に、取付孔213の外側にオフセットした形状の通気孔216を形成することにより、1つのインクジェットヘッド211における通気孔216の投影面積比を32パーセント程度にしたものを例示する。
このように、取付孔213を利用することにより、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていない各ベルト孔222a上の空間のうち、インクジェットヘッド211により近い空気が、インクジェットヘッド211に沿って流れ易くなるため、用紙Pとインクジェットヘッド211の間を流れる気流が少なくなり、インクミストによる汚れが低減される。
また、通気孔216は、貫通孔221aの投影部分の少なくとも一部を含むように形成するものである。図9は通気孔216の第4の実施形態を示す図である。第4の実施形態は、第2の実施形態について適用したものであるが、第1および3の実施形態においても起用が可能である。
前述の通り、プラテンベルト222上の気流は完全に閉塞されていないベルト孔222aが貫通孔221aの上を通過する時に最も強くなる。したがって、図9に示すように、通気孔216が、図中破線で示す貫通孔221aの投影部分の少なくとも一部を含むように形成することにより、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていない各ベルト孔222a上の空間のうち、閉塞されていない各ベルト孔222aの真上の空気が流れ込み易くなるため、用紙Pとインクジェットヘッド211の間を流れる気流が少なくなり、インクミストによる汚れが低減される。
また、第1〜第4の実施形態において、ヘッドホルダ212の上方の空間USを不図示のフレーム等で密閉し、図1に示すような、上方の空間US内に気圧調整手段218を設けることで上方の空間US内の気圧を大気圧よりも高くすることにより、用紙Pとインクジェットヘッド211の間の空気よりも、用紙Pによって孔が完全に閉塞されていない各ベルト孔222aとヘッドホルダ212との間の空気をより流れ込み易くすることが可能である。なお、第1〜第4の実施形態はそれぞれ組み合わせて適用することも可能である。
次に、上記印刷装置において使用するインク組成物に関して説明する。該インク組成物は、顔料、該顔料に対する固形分での質量比0.2〜2.0の顔料分散剤及び有機溶剤を含み、該顔料分散剤は、有機溶剤に溶解する(A)成分と、該インク組成物中に分散して存在する(B)成分を含有する。以下、各成分に関して説明する。
<(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜14のアルケンとの共重合体>
ポリエステル側鎖を有するポリアミドは、例えばポリエチレンイミンのような窒素原子を含有する主鎖を備え、かつ、該窒素原子を含むアミド結合により主鎖と結合したポリエステル構造を含む側鎖を複数備える分散剤である。例えば、特開平5−177123号公報(米国特許第4,645,611号明細書)に開示されている、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖に、3〜80個の、該主鎖の窒素原子に結合された下記式(1)
(ここで、R1はC3〜C6アルキレン基である)
で表される繰り返し単位を含有する側鎖を備える、櫛形分散剤が挙げられる。かかる構造のポリアミド系分散剤は、日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)などの市販品として入手可能である。
<(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜14のアルケンとの共重合体>
ポリエステル側鎖を有するポリアミドは、例えばポリエチレンイミンのような窒素原子を含有する主鎖を備え、かつ、該窒素原子を含むアミド結合により主鎖と結合したポリエステル構造を含む側鎖を複数備える分散剤である。例えば、特開平5−177123号公報(米国特許第4,645,611号明細書)に開示されている、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖に、3〜80個の、該主鎖の窒素原子に結合された下記式(1)
で表される繰り返し単位を含有する側鎖を備える、櫛形分散剤が挙げられる。かかる構造のポリアミド系分散剤は、日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)などの市販品として入手可能である。
ビニルピロリドン(VP)と炭素数10〜40のアルケンとの共重合体(以下、これを「アルキル化PVP」という場合がある。)において、該アルケンの例としては、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、エイコセン、ドコセン、およびトリアコンテン等が挙げられる。なかでも、炭素数12〜24のアルケンとの共重合体であることが、分散安定性の観点から好ましく、VP−ヘキサデセン共重合体、VP−エイコセン共重合体、VP−トリアコンテン共重合体などを用いることが好ましい。共重合体には、複数種のアルケンが含まれていてもよい。VPとアルケンとの共重合比(モル比)は、極性を適切に制御する観点から、VP:アルケンが1:9以上5:5未満であることが好ましく、2:8〜4:6であることがより好ましい。アルキル化PVPの分子量(重量平均分子量、GC法測定、標準ポリスチレン換算)は、3000〜5万であることが好ましく、5000〜3万であることがより好ましい。市販品としては、VP−ヘキサデセン共重合体として、ISP社製、Antaron V−216およびGanex V−216、Induchem社製Unimer U−151が挙げられ、VP−エイコセン共重合体としては、ISP社製Antaron V−220およびGanex V−220、Induchem社製 Unimer U−15が挙げられる。インクには、複数種のアルキル化PVPが含まれていてもよい。
<(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体>
(B)成分は、該インク組成物中に分散して存在し、これによりインク組成物の粘度を安定させる。該アルキル(メタ)アクリレート共重合体としては、組成物中に分散して存在するものであれば特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルをコアとし、ポリ(メタ)アクリル酸C4−10アルキルエステルをシェルとして有する樹脂粒子(特開2005−171032号公報)、ポリ(メタ)アクリル酸C12−25アルキルエステルと、グリシジル基等の所定の基を有するアクリルモノマーとの共重合体樹脂粒子で、顔料分散能を備える(特開2007−197500号公報)等を使用することができる。
(B)成分は、該インク組成物中に分散して存在し、これによりインク組成物の粘度を安定させる。該アルキル(メタ)アクリレート共重合体としては、組成物中に分散して存在するものであれば特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルをコアとし、ポリ(メタ)アクリル酸C4−10アルキルエステルをシェルとして有する樹脂粒子(特開2005−171032号公報)、ポリ(メタ)アクリル酸C12−25アルキルエステルと、グリシジル基等の所定の基を有するアクリルモノマーとの共重合体樹脂粒子で、顔料分散能を備える(特開2007−197500号公報)等を使用することができる。
好ましくは、該アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、下記式(2)で表される繰り返し単位を含む主鎖と、下記式(3)で表される繰り返し単位を含む、ウレタン構造の側鎖もしくは架橋部(以下「ウレタン結合部」という)を有する。
ここで、R2は水素もしくは炭素数1〜3のアルキル基、好ましくはメチル基、R3は炭素数12〜25のアルキル基、R4は炭素数6〜16の2価の炭化水素基、R5は炭素数2〜20のアルキレン基もしくはオキシアルキレン基である。
アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、炭素数12〜25の長鎖アルキル基を備える。該長鎖アルキル基により、有機溶剤との親和性に優れる。該アルキル基としては、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコサニル基、ヘンイコサニル基、ドコサニル基、イソドデシル基、及びイソオクタデシル基等が挙げられ、これらは分岐を有していてよい。また、これらの複数種が含まれていてもよい。
一方、上記ウレタン結合部は極性が高いので顔料との親和性に優れると考えられる。
アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、以下の方法で得ることができる。第一段目において、式(2)のポリアルキル(メタ)アクリレート主鎖を、炭素数12〜25のアルキル基を備える(メタ)アクリレートモノマーをラジカル重合させて得る。該アルキル基の存在により、該共重合体は有機溶剤との親和性に優れる。該アルキル基としては、エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコサニル基、ヘンイコサニル基、ドコサニル基、イソドデシル基、及びイソオクタデシル基等が挙げられ、これらは分岐を有していてよい。また、これらの複数種が含まれていてもよい。
第一段目において、コモノマーの一つとして、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系単量体を用いてラジカル重合を行い、該グリシジル基を、式(3)のウレタン結合部と主鎖との連結部の調製に用いる。グリシジル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのうち、グリシジルメタアクリレートが好ましい。該グリシジル基を有する(メタ)アクリル系単量体は、単量体総量の1〜30質量%で含まれていることが好ましく、より好ましくは3〜25質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。
さらに、コモノマーとして、β−ジケトン基(−C(=O)−C−C(=O)―)またはβ−ケト酸エステル基(−C(=O)−C−C(=O)OR、Rは炭化水素基)を有する(メタ)アクリル系単量体を用いると、より粘度が低いインク組成物を調製することが可能となる。これにより、インク組成物の溶剤を選択する際に、溶剤自身の粘度値に基づく制約が少なくなり、非水系溶剤の選択の幅を拡げることができる。また、必要に応じて定着用樹脂または添加剤などを配合する際の、配合成分によるインク粘度増加の許容範囲が広がり、インク処方の自由度を広げることも可能となる。さらに、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基が顔料の凝集を抑制し、裏抜けを抑制すると同時に印刷濃度の向上を実現できる。
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリル系単量体の配合量は、モノマー混合物中に3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
その他、コモノマーとしては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系ポリマー;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン等が挙げられる。また、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
第一段目のラジカル重合は、有機溶剤中で行うことが好ましい。また、分子量を調整するために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂(株)製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
第二段目では、第一段目で得られた、グリシジル基を有するポリアルキル(メタ)アクリレート主鎖と、該グリシジル基と反応性の基及びアルコール性水酸基を有する化合物を反応させて、式(3)のウレタン結合部をアルキル(メタ)アクリレート主鎖に結合する連結部分を形成する。該グリシジル基と反応性の基及びアルコール性水酸基を有する化合物としては、アミノ基、又はカルボキシル基を有するアルコールが挙げられ、好ましくはアミノアルコールが使用される。アミノアルコールとしては、炭素数が2〜10のモノオールアミン、例えばモノメチルエタノールアミン、炭素数が4〜20のジオールアミン、例えばジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びこれらの混合物が挙げられ、なかでも、炭素数が4〜20のジアルカノールアミン、特にジエタノールアミンが好ましい。アミノアルコールは、上記グリシジル基1モルに対して、0.05〜1モル当量で反応させることが好ましく、0.1〜1モル当量で反応させることがより好ましい。
第二段目の反応は、第一段目で得られる共重合体溶液にアミノアルコール及び/又は多価アルコールを添加して、不活性ガスを通気して攪拌しながら、加熱することによって行うことができる。
第三段目では、第二段目で得られたアルコール性水酸基を有するポリアルキル(メタ)アクリレート主鎖に、多価イソシアネートを反応させ、残ったイソシアネート基を多価アルコールと反応させて、ウレタン結合部を構成する。多価アルコールは、第二段目で添加しておいてもよい。該多価アルコールは、グリシジル基とはほとんど反応しないと考えられるが、多少、反応したとしても問題は無い。該多価アルコールとしては、炭素数2〜20のアルキレン基又はオキシアルキレン基を有する多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。多価アルコールは、該グリシジル基と反応性の基とアルコール性水酸基を有する化合物における、該グリシジル基と反応性の基1モルに対して、好ましくは水酸基が10モル以下になる量、より好ましくは1〜5モルになる量で用いる。
第三段目の反応で使用される多価イソシアネート化合物としては、炭素数6〜16のアルキレン基等の脂肪族基、シクロアルキレン基等の脂環式基又はアリレーン基等の芳香族基を有する多価イソシアネート、例えば、1,6−ジイソシアナートへキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びこれらの混合物が挙げられる。該イソシアネート化合物は、未反応アルコール性水酸基が残らないようにするために、アルコール性水酸基に対してほぼ当量(0.98〜1.02モル当量)で反応させることが好ましい。
第三段目の反応は、第二段目で得られる共重合体溶液に多価イソシアネート化合物を添加し、定法に従い錫触媒等の存在下で加熱して行うことができる。
該ウレタン結合部は、(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体中に、1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%で、より好ましくは5〜20質量%で含まれる。該ウレタン結合部の質量は、反応に使用したアミノアルコール、多価アルコールとイソシアネート化合物の合計質量である。
(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、GPCで測定される重量平均分子量が5000〜50,000、好ましくは8000〜30,000である。該分子量が前記下限値未満のものを使用すると、インク組成物の貯蔵安定性が悪くなる傾向があり、前記上限値を超えるものを使用すると、インク組成物の粘度が高く、インクジェット吐出安定性が悪くなる傾向がある。また、動的光散乱法で測定される平均粒径(D50)が50〜300nm、好ましくは70〜200nm、である。
インク組成物中における、有機溶剤中に分散して存在する(B)成分と、有機溶剤に溶解する(A)成分の量は、それらの固形分の合計質量の、顔料の質量に対する質量比が、0.2〜2.0、好ましくは0.2〜1.5、より好ましくは0.2〜1.0となる量である。該質量比が、前記下限値未満では十分な分散効果が得られず、前記上限値を超えては、インク組成物の粘度が高くなり、インクジェット吐出安定性が悪くなる傾向がある。また、(B)成分の固形分の、(A)成分と(B)成分の固形分の合計に対する質量比、(B)/[(A)+(B)]が、0.8〜0.99、好ましくは0.8〜0.95である。該比が前記上限値を超えては、保存安定性が悪くなり、前記下限値未満では、サテライトが十分に低減されない傾向がある。
<顔料>
該インク組成物において、顔料は任意のものであってよい。黒色インク用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;銅、鉄、酸化チタン等の金属類または金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料を挙げることができる。これらは単独で、任意に混合して使用することができる。より高い印刷濃度を得られる点で、JIS K6221に従い測定されるジブチルフタレート(DBP)給油量が80cm3/100g〜140cm3/100g、且つJIS K6217に従い測定される窒素吸着比表面積が100m2/g〜200m2/gのカーボンブラック顔料が好ましい。
該インク組成物において、顔料は任意のものであってよい。黒色インク用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;銅、鉄、酸化チタン等の金属類または金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料を挙げることができる。これらは単独で、任意に混合して使用することができる。より高い印刷濃度を得られる点で、JIS K6221に従い測定されるジブチルフタレート(DBP)給油量が80cm3/100g〜140cm3/100g、且つJIS K6217に従い測定される窒素吸着比表面積が100m2/g〜200m2/gのカーボンブラック顔料が好ましい。
カラーインク用顔料としては、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ジスアゾオレンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、キナクリドンレッド、ジオキサンバイオレット、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ブリリアントファーストスカーレット、ナフトールレッド23、ビラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピグメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、べんがら、ファフトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、ファストイエローAAA、ファストイエロー10G、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエローAAOT、ジスアゾイエローAAOA、ジスアゾイエローHR、イソインドリンイエロー、ファストイエローG、ジスアゾイエローAAA、フタロシアニンブルー、ピクトリアピュアブルー、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、ファストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピーコックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、アルカリブルーGトナー、ブリリアントグリーンレーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、酸化鉄粉、さびこ、亜鉛華、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉、昼光蛍光顔料、パール顔料等を例示できる、これらは単独で、または任意混合して用いることができる。
顔料の平均粒径は、吐出安定性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500(堀場製作所製)等により測定することができる。
インク組成物中の顔料の含有量は、印刷濃度とインク粘度の観点から5〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
<有機溶剤>
該インク組成物は、非水系、即ち、顔料分散媒が有機溶剤から成る。該有機溶剤の例には、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤と、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶媒が包含される。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxsolD40、ExxsolD80、ExxsolD100、ExxsolD130、ExxsolD140」等を挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を挙げることができる。
該インク組成物は、非水系、即ち、顔料分散媒が有機溶剤から成る。該有機溶剤の例には、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤と、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶媒が包含される。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxsolD40、ExxsolD80、ExxsolD100、ExxsolD130、ExxsolD140」等を挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなど;アルコール系溶剤としては、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなど;高級脂肪酸系溶剤としてはイソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸など;エーテル系溶剤としてはジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。これらの溶剤の2種以上を混合して用いることができる。好ましくはエステル系溶剤、なかでもパルミチン酸イソオクチル、ラウリル酸ヘキシルが使用される。
<任意成分>
該インク組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を含むことができる。たとえば、上記(A)及び(B)成分以外の樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
該インク組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を含むことができる。たとえば、上記(A)及び(B)成分以外の樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
好ましくは、該インク組成物はシナジストを含む。シナジストは、顔料骨格中に、極性基を導入した顔料誘導体である。顔料骨格としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ピランスロン顔料、チオインジゴ顔料、及びキノフタロン顔料等の骨格が挙げられる。極性基としては、アルキルアミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、及びフタルイミド基等が挙げられる。これらのうち、フタロシアニン顔料、特に銅フタロシアニンブルーの骨格に、スルホン酸基、アミノ基等を導入したものが好ましく、例えば銅フタロシアニンスルホネート(ソルスパース5000、ソルスパース12000、ソルスパース22000;いずれもルーブリゾール社製)が挙げられる。その他、
ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを適宜添加することもできる。
ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを適宜添加することもできる。
本発明のインク組成物は、ビーズミル等の分散機に、(A)成分、(B)成分と有機溶剤の混合物、顔料、及び、所望によりインク組成物の粘度を調整するための追加の有機溶剤、任意成分、を一括又は分割して加えて攪拌・混合し、所望により、メンブレンフィルター等によりろ過することによって得られる。
インクの粘度は、インクジェット印刷システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、最も好ましい。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
該インク組成物を、上述のインクジェット印刷装置において使用することによって、封筒等の厚手の記録媒体に印刷した場合であっても、サテライトの発生が顕著に少ない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体の調製>
300mlの四つ口フラスコに、AF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)75gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながらベヘニルメタクリレート50質量%、2−エチルヘキシルメタクリレート35質量%及びグリシジルメタクリレート15質量%の混合物に、AF−4 16.7g、パーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)2gの混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチル Oを各0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行った後、AF−4 10.6gで希釈して、不揮発分50%の無色透明の主鎖ポリマー溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、20000〜23000であった。
次いで、500mLの四つ口フラスコに、パルミチン酸イソオクチル(IOP、日光ケミカルズ(株)製)81g、上記で得られたポリマー溶液(AF−4溶剤中固形分50%)200g、プロピレングリコール 4.0g、ジエタノールアミン 2.8gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温し、該温度に1時間保った。その後、ジブチル錫ジラウレートを0.2g添加し、タケネート 600(1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン(株)製)10.2gとIOP 99 91.8gとの混合物を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、固形分30%の樹脂分散液を得た。得られたポリマー(「分散剤1」とする)の重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、22000〜26000であり、ウレタン結合部の量は10質量%であった。
<(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体の調製>
300mlの四つ口フラスコに、AF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)75gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながらベヘニルメタクリレート50質量%、2−エチルヘキシルメタクリレート35質量%及びグリシジルメタクリレート15質量%の混合物に、AF−4 16.7g、パーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)2gの混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチル Oを各0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行った後、AF−4 10.6gで希釈して、不揮発分50%の無色透明の主鎖ポリマー溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、20000〜23000であった。
次いで、500mLの四つ口フラスコに、パルミチン酸イソオクチル(IOP、日光ケミカルズ(株)製)81g、上記で得られたポリマー溶液(AF−4溶剤中固形分50%)200g、プロピレングリコール 4.0g、ジエタノールアミン 2.8gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温し、該温度に1時間保った。その後、ジブチル錫ジラウレートを0.2g添加し、タケネート 600(1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン(株)製)10.2gとIOP 99 91.8gとの混合物を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、固形分30%の樹脂分散液を得た。得られたポリマー(「分散剤1」とする)の重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、22000〜26000であり、ウレタン結合部の量は10質量%であった。
<インク組成物の調製>
表1の処方(質量%)に従い、各成分をガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)80gを入れ、ロッキングミル(セイワ技研製 RM05S型)を用いて周波数60Hzで2時間運転し、各非水系インク組成物を調製した。
表1の処方(質量%)に従い、各成分をガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)80gを入れ、ロッキングミル(セイワ技研製 RM05S型)を用いて周波数60Hzで2時間運転し、各非水系インク組成物を調製した。
表1において、各成分の詳細は以下のとおりである。
カーボンブラック:MA−100、DBP吸油量100cm3/100g、窒素吸着比表面積110m2/g、三菱化学社製
(A)ポリビニルピロリドン:Antaron V−216、VP−ヘキサデセン共重合体、ISP社製
(A)ポリアミド:ソルスパース11200、ルーブリゾール社製
比較分散剤:ディスパービック101、長鎖ポリアミドアミドと酸エステルの塩、ビックケミージャパン社製
シナジスト:ソルスパース5000、ルーブリゾール社製
AF−4:ナフテン系溶剤、新日本石油社製
カーボンブラック:MA−100、DBP吸油量100cm3/100g、窒素吸着比表面積110m2/g、三菱化学社製
(A)ポリビニルピロリドン:Antaron V−216、VP−ヘキサデセン共重合体、ISP社製
(A)ポリアミド:ソルスパース11200、ルーブリゾール社製
比較分散剤:ディスパービック101、長鎖ポリアミドアミドと酸エステルの塩、ビックケミージャパン社製
シナジスト:ソルスパース5000、ルーブリゾール社製
AF−4:ナフテン系溶剤、新日本石油社製
得られたインク組成物を用いて、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示す。
<インク貯蔵安定性>
容量50mlのガラス容器にインク30gを充填し密封した。これを70℃で、3ヶ月間放置し、放置前後の粘度(HAAKE社製レオメーターRS300を使用して、23℃において、0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値。)を測定し、下記式に従い粘度変化率を算出した。
粘度変化率=100×(放置後粘度-放置前粘度)/放置前粘度
○:粘度変化率が-5%超〜+5%未満
△:粘度変化率が−5%以下
×:粘度変化率が+5%以上
<インク貯蔵安定性>
容量50mlのガラス容器にインク30gを充填し密封した。これを70℃で、3ヶ月間放置し、放置前後の粘度(HAAKE社製レオメーターRS300を使用して、23℃において、0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値。)を測定し、下記式に従い粘度変化率を算出した。
粘度変化率=100×(放置後粘度-放置前粘度)/放置前粘度
○:粘度変化率が-5%超〜+5%未満
△:粘度変化率が−5%以下
×:粘度変化率が+5%以上
<サテライトによる画像の汚れ>
ORPHIS−X(理想科学社製)において、図6に記載の態様の通気孔を備えたヘッドホルダ(投影面積比約15%)を装備した装置を用いて、ヘッドギャップ3mm、環境温度15℃、印刷速度120ppm、解像度300dpi*300dpi1、6dropの印字条件でA4用紙に印字を行い、下記基準により評価した。
○:サテライトによる画像の汚れがほとんど無く、画質は良好である。
△:サテライトによる画像の汚れ若干あるが、画質は実用上問題無いレベルである。
×:サテライトによる画像の汚れが顕著であり、画質は実用に差し支えるレベルである。
ORPHIS−X(理想科学社製)において、図6に記載の態様の通気孔を備えたヘッドホルダ(投影面積比約15%)を装備した装置を用いて、ヘッドギャップ3mm、環境温度15℃、印刷速度120ppm、解像度300dpi*300dpi1、6dropの印字条件でA4用紙に印字を行い、下記基準により評価した。
○:サテライトによる画像の汚れがほとんど無く、画質は良好である。
△:サテライトによる画像の汚れ若干あるが、画質は実用上問題無いレベルである。
×:サテライトによる画像の汚れが顕著であり、画質は実用に差し支えるレベルである。
本発明におけるインク組成物(実施例1〜実施例3)と装置を組合わせて使用することによって、サテライトによる汚れがほとんど無くなった。これに対し、(B)/[(A)+(B)]が0.8未満のインク組成物(比較例1および比較例3)は、サテライトによる汚れが顕著であった。また、分散剤の量が少ないインク組成物(比較例4)、分散剤が所定の構造のものではないインク組成物(比較例5)は、保存安定性が悪かった。(A)成分を欠くインク組成物(比較例2)は、サテライトによる汚れは少なかったが、貯蔵安定性が悪くインクが増粘した。
本発明のインクジェット印刷システムによれば、サテライトによる汚れを発生させること無く、高速インクジェット印刷を行うことができる。
LS 下方の空間
P 用紙
PR 投影範囲
US 上方の空間
1 インクジェット印刷装置
211 インクジェットヘッド
212 ヘッドホルダ
213 取付孔
214 インクジェットノズル
216 通気孔
221 プラテン
221a 貫通孔
222 プラテンベルト
P 用紙
PR 投影範囲
US 上方の空間
1 インクジェット印刷装置
211 インクジェットヘッド
212 ヘッドホルダ
213 取付孔
214 インクジェットノズル
216 通気孔
221 プラテン
221a 貫通孔
222 プラテンベルト
Claims (7)
- 非水系インク組成物を用いるインクジェット印刷システムであって、
インクジェット印刷装置が、
該非水系インク組成物を保持するインクジェットヘッドと、
該インクジェットヘッドを保持するヘッドホルダと、
該ヘッドホルダの下方で該ヘッドホルダと対向して位置する、複数の貫通孔が開口するプラテンと、
該複数の貫通孔に吸引力を発生させる吸引手段と、
該プラテン上を移動して用紙を吸着搬送する多孔性のプラテンベルトとを備え、
該ヘッドホルダは、該ヘッドホルダより上方の空間と下方の空間とを区画するものであるとともに、前記ヘッドホルダへの前記プラテンの投影範囲において、前記上方の空間と前記下方の空間との間を通気可能にする複数の通気孔を備え、
該非水系インク組成物が、顔料、該顔料に対する固形分での質量比0.2〜2.0の顔料分散剤及び有機溶剤を含み、該顔料分散剤が、
(A)ポリエステル側鎖を有するポリアミド及び/又はビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体と、
該非水系インク組成物中に分散して存在する、(B)アルキル(メタ)アクリレート共重合体とを含む、
ことを特徴とする、インクジェット印刷システム。 - 前記通気孔の総開口面積が、前記ヘッドホルダへの前記インクジェットヘッドの総平面投影面積の10パーセント以上であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット印刷システム。
- 前記インクジェットヘッドが複数備えられ、該ヘッドホルダに形成された複数の取付孔に挿入された状態で該インクジェットホルダに保持され、
前記通気孔が、前記取付孔の各々の近傍に備えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェット印刷システム。 - 前記非水系インク組成物における(B)成分の固形分の、(A)成分と(B)成分の固形分の合計に対する質量比、(B)/[(A)+(B)]が、0.8〜0.99である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット印刷システム。
- 前記非水系インク組成物における(A)ビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体が、重量平均分子量3000〜50,000の、ビニルピロリドン−ヘキサデセン共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット印刷システム。
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- 2010-11-15 JP JP2010254802A patent/JP2012106347A/ja active Pending
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2011
- 2011-11-09 US US13/292,613 patent/US20120120174A1/en not_active Abandoned
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