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JP2012196088A - 高圧引下線用端末処理工具 - Google Patents

高圧引下線用端末処理工具 Download PDF

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Hideyuki Yasuda
英幸 安田
Kazunori Sasaki
和憲 佐々木
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Abstract

【課題】作業効率に優れた高圧引下線用端末処理工具を提供する。
【解決手段】端末処理工具10は、一対の把持片9a・9bを有するホットスティック9を操作して、高圧の引下線Wを端末処理する。端末処理工具10は、カッター1とストリッパー2を備える。カッター1は、第1回動軸1cで開閉自在に連結した一対の第1柄部11・12と引下線Wを切断可能な第1刃部1a・1bを有する。ストリッパー2は、第2回動軸2cで開閉自在に連結した一対の第2柄部21・22と引下線Wの被膜を剥離可能な第2刃部2a・2bを有する。端末処理工具10は、一対の把持片9a・9bに取り付けられ、一対の第1柄部及び一対の第2柄部と回動可能に連結する一対の取り付け部材3a・3bと、第1回動軸と第2回動軸を同軸上に連結する連結軸4と、を備え、カッター1が引下線Wを切断すると共に、ストリッパー2が引下線Wの被膜を切断できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧引下線用端末処理工具に関する。特に、電柱の上部に架設された高圧の配電線から柱上変圧器などに分岐する引下線を間接活線工法により、切断及び被覆を剥離するために好適な端末処理工具の構造に関する。
例えば、電柱に設置された柱上変圧器又はカットアウト(遮断器)の取替作業では、ホットスティック(絶縁操作棒)を用いた間接活線工法により、高圧の配電線から分岐する引下線を切断している。そして、切断された引下線は、柱上変圧器又はカットアウトに再接続するために、ホットスティックを用いて、引下線の被覆を剥離する端末処理が実施されている。
図9は、上述したホットスティックの構成の一例を示す正面図である。図9を参照すると、ホットスティック9は、長尺の操作棒91と把持工具92で構成している。又、ホットスティック9は、作動棒93を備えている。把持工具92は、操作棒91の先端部に着脱自在に取り付けられている。
図9を参照すると、把持工具92は、開閉する一対の湾曲した把持片9a・9bで構成している。そして、一方の把持片9aは、基端部が固定された固定片であり、他方の把持片9bは、一方の把持片9aの基端部に設けた回動軸9cを中心に回動する可動片となっている。
図9を参照すると、作動棒93は、操作棒91に沿って保持されている。作動棒93の先端部は、他方の把持片9bに回動可能に連結している。そして、作動棒93の基端部に設けた操作レバー94を操作すると、一方の把持片9aに対して、他方の把持片9bを開閉できる。ホットスティック9は、操作棒91及び作動棒93の中間部が絶縁性を有するプラスチックパイプなどで連結され、間接活線工法に好適なように、絶縁性が確保されている。
図9に示されたホットスティック9は、高所に配置された引下線(電線)を一対の把持片9a・9bで把持できる、いわゆる「ヤットコ」になっている。又、一対の把持片9a・9bにカッター(切断工具)を取り付けて、引下線を切断することもでき、一対の把持片9a・9bにストリッパー(被膜剥離工具)を取り付けて、引下線の被覆を剥離することもできる。
上述したような、ヤットコの先端部に設ける端末処理工具としては、高圧の配電線から分岐した引下線の端末を間接活線工法的に迅速、かつ、確実に作業能率よく端末処理できるのみならず、端末処理時の感触が手に伝わって処理状態を確実に感知できる端末処理工具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1による端末処理工具は、引下線などを端末処理すべく、両側一対の刃部を有する作用体が柄部を介して開閉自在に連結した工具本体と、開閉する一対の把持片の先端部に取り付けるべく、工具本体の一対の柄部にそれぞれ回動自在に連結した一対の取り付け部材で構成されている。
特開2003−224910号公報
しかしながら、特許文献1による端末処理工具は、引下線を切断するときには、一対の把持片9a・9bにカッターを取り付け、引下線の被覆を剥離するときには、カッターに替えて、一対の把持片9a・9bにストリッパーを取り付ける必要がある。
したがって、特許文献1による端末処理工具は、端末処理工具の交換に時間を要する作業効率の良くないものとなっている。間接活線工法において、引下線を端末処理するときに、作業効率に優れた端末処理工具が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、間接活線工法において、引下線を端末処理するときに、作業効率に優れた端末処理工具を提供することを目的とする。
本発明者らは、引下線を切断するカッターと引下線の被覆を剥離するストリッパーを一体に構成し、これらの端末処理工具をホットスティックの先端部に設けた一対の把持片に連結することにより、この課題が解決可能であると考え、これに基づいて、以下のような新たな高圧引下線用端末処理工具を発明するに至った。
(1)本発明による高圧引下線用端末処理工具は、開閉する一対の把持片を先端部側に有するホットスティックを操作して、高圧の引下線を端末処理する高圧引下線用端末処理工具であって、第1回動軸で開閉自在に連結した一対の第1柄部、及びこれらの第1柄部から延びて、前記引下線を切断可能な第1刃部を先端部に有するカッターと、第2回動軸で開閉自在に連結した一対の第2柄部、及びこれらの第2柄部から延びて、前記引下線の被膜を剥離可能な半円弧状の第2刃部を先端部に有するストリッパーと、一対の前記把持片に着脱自在に取り付けられ、一対の前記第1柄部の基端部及び一対の前記第2柄部の基端部と回動可能に連結する一対の取り付け部材と、一対の前記第1刃部と一対の前記第2刃部が所定の距離で離間するように、前記第1回動軸と前記第2回動軸を同軸上に連結する連結軸と、を備え、一対の前記把持片を閉じたときは、前記カッターが前記引下線を切断すると共に、前記ストリッパーが前記引下線の被膜を切断している。
(2)一対の前記第1刃部の前記ストリッパーと反対側に取り付けられ、前記引下線の被膜をその両側から把持する一対のクランプを更に備え、これらのクランプは、切断後の前記引下線が一対の前記第1刃部から脱落することを抑制することが好ましい。
(3)前記ストリッパーは、前記引下線の被膜をその両側から当接して、前記引下線の被膜の切り込み深さを規定する凹字状の溝部を有する一対の切り込み深さ調整板を有し、これらの切り込み深さ調整板は、前記第2刃部に隣接して配置されていることが好ましい。
(4)本発明による高圧引下線用端末処理方法は、開閉する一対の把持片を先端部側に有するホットスティックを操作して、高圧の引下線を端末処理する高圧引下線用端末処理工具であって、第1回動軸で開閉自在に連結した一対の第1柄部、及びこれらの第1柄部から延びて、前記引下線を切断可能な第1刃部を先端部に有するカッターと、第2回動軸で開閉自在に連結した一対の第2柄部、及びこれらの第2柄部から延びて、前記引下線の被膜を剥離可能な半円弧状の第2刃部を先端部に有するストリッパーと、一対の前記把持片に着脱自在に取り付けられ、一対の前記第1柄部の基端部及び一対の前記第2柄部の基端部と回動可能に連結する一対の取り付け部材と、一対の前記第1刃部と一対の前記第2刃部が所定の距離で離間するように、前記第1回動軸と前記第2回動軸を同軸上に連結する連結軸と、を備え、一対の前記把持片を閉じたときは、前記カッターが前記引下線を切断すると共に、前記ストリッパーが前記引下線の被膜を切断している高圧引下線用端末処理工具を用いて、高圧引下線用端末処理方法であって、前記カッター及び前記ストリッパーが閉じられた状態において、別の前記ホットスティックを用いて切断側の前記引下線を把持すると共に、前記引下線の被膜が切断された側の当該引下線を前記ストリッパーから離間するように移動して、当該引下線の被膜を剥離する。
本発明による高圧引下線用端末処理工具は、引下線を切断可能なカッターと引下線の被膜を剥離可能なストリッパーを備え、これらの端末処理工具をホットスティックの先端部に設けた一対の把持片に連結し、一対の把持片を閉じたときは、カッターが引下線を切断すると共に、ストリッパーが引下線の被膜を切断できるので、端末処理工具を交換する必要がなく、作業効率に優れている。
本発明の一実施形態による高圧引下線用端末処理工具の構成を示す図であり、図1(A)は、図1(B)のA−A矢視断面図、図1(B)は高圧引下線用端末処理工具の正面図である。 図1の左側面図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるカッターが開いた状態図である。 図2のA矢視図である。 前記実施形態による高圧引下線用端末処理工具に備わるカッターの第1刃部を部分的に示す図であり、図4(A)は、第1刃部を拡大した平面図、図4(B)は、図4(A)のA−A矢視断面図である。 図1の左側面側から観た斜視図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるカッターが閉じた状態図である。 図1の右側面図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるストリッパーが開いた状態図である。 図1の右側面図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるストリッパーが閉じた状態図である。 図7のA−A矢視断面を拡大した図である。 ホットスティックの構成の一例を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[高圧引下線用端末処理工具の構成]
最初に、本発明の一実施形態による高圧引下線用端末処理工具の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態による高圧引下線用端末処理工具の構成を示す図であり、図1(A)は、図1(B)のA−A矢視断面図、図1(B)は高圧引下線用端末処理工具の正面図である。
図2は、図1の左側面図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるカッターが開いた状態図である。図3は、図2のA矢視図である。図4は、前記実施形態による高圧引下線用端末処理工具に備わるカッターの第1刃部を部分的に示す図であり、図4(A)は、第1刃部を拡大した平面図、図4(B)は、図4(A)のA−A矢視断面図である。図5は、図1の左側面側から観た斜視図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるカッターが閉じた状態図である。
図6は、図1の右側面図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるストリッパーが開いた状態図である。図7は、図1の右側面図であり、高圧引下線用端末処理工具に備わるストリッパーが閉じた状態図である。図8は、図7のA−A矢視断面を拡大した図である。なお、従来技術で使用した符号と同一の符号を有する構成品は、その作用を同一とするので、以下の説明では割愛する場合がある。
(高圧引下線用端末処理工具の全体構成)
図1又は図2及び図6を参照すると、本発明の一実施形態による高圧引下線用端末処理工具(以下、端末処理工具と略称する)10は、開閉する一対の把持片9a・9bを先端部側に有するホットスティック9を操作して(図9参照)、高圧の引下線Wを端末処理できる。そして、端末処理工具10は、カッター1とストリッパー2を備えている。
図1又は図2及び図5を参照すると、カッター1は、一対の第1柄部11・12と一対の第1刃部1a・1bを有している。一対の第1柄部11・12は、第1回動軸1cで開閉自在に連結している。又、一対の第1刃部1a・1bは、第1回動軸1cから延びた先端部に形成されている。一対の第1柄部11・12の基端部を閉じると、一対の第1刃部1a・1bが閉じて、引下線Wを切断できる。
図1又は図6及び図7を参照すると、ストリッパー2は、一対の第2柄部21・22と一対の半円弧状の第2刃部2a・2bを有している。一対の第2柄部21・22は、第2回動軸2cで開閉自在に連結している。又、一対の第2刃部2a・2bは、第2回動軸2cから延びた先端部に形成されている。一対の第2柄部21・22の基端部を閉じると、一対の第2刃部2a・2bが閉じて、引下線Wの被膜を剥離できる。
図1又は図2及び図5を参照すると、端末処理工具10は、一対の取り付け部材3a・3bと連結軸4を更に備えている。一対の取り付け部材3a・3bは、一対の把持片9a・9bに着脱自在に取り付けられている。又、一対の取り付け部材3a・3bは、一対の第1柄部11・12の基端部に設けた第3回動軸1d・1dで回動自在に連結している。一方、図1又は図6及び図7を参照すると、一対の取り付け部材3a・3bは、一対の第2柄部21・22の基端部に設けた第4回動軸2d・2dで回動自在に連結している。
図1を参照すると、連結軸4は、一対の第1刃部1a・1bと一対の第2刃部2a・2bが所定の距離で離間するように、第1回動軸1cと第2回動軸2cを同軸上に連結している。そして、端末処理工具10は、一対の把持片9a・9bを閉じたときは、カッター1が引下線Wを切断すると共に、ストリッパー2が引下線Wの被膜を切断できる。
(カッターの構成)
次に、実施形態によるカッター1の構成を説明する。図2又は図5を参照すると、第1柄部11は、帯状に伸長した鋼板などからなり、例えば、焼入れされた第1刃部1aを先端部側に形成している。同様に、第1柄部12は、帯状に伸長した鋼板などからなり、例えば、焼入れされた第1刃部1bを先端部側に形成している。
図2又は図5を参照すると、第1柄部11と第1柄部12は、第1回動軸1cの中心を交点として交差しているが、第1回動軸1cの中心から一対の第1柄部11・12の基端部までの距離が一対の第1刃部1a・1bまでの距離より長い「梃子装置」を構成している。つまり、操作レバー94(図9参照)を操作する力より、強い力で一対の第1刃部1a・1bが引下線Wを切断できる。
図2又は図3を参照すると、端末処理工具10は、一対のクランプ13・14を更に備えている。クランプ13は、第1刃部1aの側面に設置されている。同様に、クランプ14は、第1刃部1bの側面に設置されている。一対のクランプ13・14は、一対の第1刃部1a・1bのストリッパー2と反対側の側面に設置されている(図1参照)。
図2又は図3を参照すると、クランプ13は、アングル部材13a、プッシュバー13b、圧縮コイルばね13s、及び把持ブロック13cで構成している。同様に、クランプ14は、アングル部材14a、プッシュバー13b、圧縮コイルばね14s、及び把持ブロック14cで構成している。
図2又は図3を参照すると、アングル部材13aは、その一片が第1刃部1aの側面にビスで固定されている。又、アングル部材13aは、その他片がプッシュバー13bを進退自在に片持ち支持している。プッシュバー13bの先端部には、把持ブロック13cを支持している。圧縮コイルばね13sは、プッシュバー13bに介装され、把持ブロック13cがアングル部材13aの他片から離間する力を付勢している。なお、クランプ14は、クランプ13と同様に構成されているので、説明を省略する。
図2又は図3を参照すると、一対の把持ブロック13c・14cは、対向配置されている。図5に示されるように、一対の第1刃部1a・1bを閉じて、引下線Wを切断すると、一対の把持ブロック13c・14cは、引下線Wの被膜をその両側から把持することができる。そして、一対のクランプ13・14は、切断後の引下線Wが一対の第1刃部1a・1bから脱落することを抑制できる。
図4を参照すると、第1刃部1aは、その刃先を鋭角に形成する共に、刃先の斜面と反対面に曲面状に窪んだ逃げ部1mを設けることによって、引下線Wの被覆が硬い材質であっても、鋭利に切断できるよう工夫している。又、第1刃部1aの刃先を緩やかな円弧で形成することにより、切断後の引下線Wの導体の切断面が略円形を維持できるように工夫している。なお、第1刃部1bの刃先も同様に形成され、一対の第1刃部1a・1bの刃先が協働して、引下線Wの切り口を平坦に切断できる。
(ストリッパーの構成)
次に、実施形態によるストリッパー2の構成を説明する。図6から図8を参照すると、第2柄部21は、横断面が方形に形成された伸展した鋼材などからなり、第2回動軸2cで連結した部位から先が屈折して、引下線Wを把持可能な把持部(ジョー)23を形成している。同様に、第2柄部22は、横断面が方形に形成された伸展した鋼材などからなり、第2回動軸2cで連結した部位から先が屈折して、引下線Wを把持可能な把持部(ジョー)24を形成している。
図6又は図7を参照すると、第2柄部21と第2柄部22は、第2回動軸2cの中心を交点として交差している。例えば、第2回動軸2cは、第2柄部21に圧入された円柱状のピポッド(軸)からなり、このピポッドに第2柄部22の交差部が回転結合している。
図7又は図8を参照すると、第2刃部2aは、実体として、焼入れされた鋼板2pの一辺に半円弧状に形成された溝で形成されている。同様に、第2刃部2bは、実体として、焼入れされた鋼板2pの一辺に半円弧状に形成された溝で形成されている。そして、図7に示されるように、一対の第2刃部2a・2bが一対の把持部23・24に分割配置され、一対の把持部23・24が閉じたときに、これらの第2刃部2a・2bで引下線Wの被膜を切断できる。
図8を参照すると、実施形態によるストリッパー2は、一対の切り込み深さ調整板2t・2tを一対の把持部23・24に備えている。これらの切り込み深さ調整板2t・2tは、引下線Wの被膜をその両側から当接して、引下線Wの被膜の切り込み深さを規定する凹字状の溝部2m・2mを有している(図6又は図7参照)。
図8を参照すると、一対の切り込み深さ調整板2t・2tは、一対の第2刃部2a・2bに隣接して配置されている。実態として、切り込み深さ調整板2tは、一対の把持部23・24に設けた段差部に、鋼板2pに共にねじ止めされている。
[高圧引下線用端末処理工具の作用]
次に、実施形態による端末処理工具10を用いた端末処理方法を説明しながら、端末処理工具10の作用及び効果を説明する。
図1又は図2及び図6を参照して、カッター1及びストリッパー2を開いた状態で、一対の取り付け部材3a・3bをホットスティック9の先端部側に設けた一対の把持片9a・9bに予め取り付けておく(図9参照)。次に、一対の第1刃部1a・1b及び一対の第2刃部2a・2bが引下線Wを跨ぐように、端末処理工具10を引下線Wに向かって押し上げる。
なお、図1に示された引下線Wは、柱上変圧器又はカットアウトを左側に接続し、配電線を右側に接続しているので、カッター1を左側に配置し、ストリッパー2を右側に配置しておくことが好ましい。
次に、図1を参照して、ホットスティック9の操作レバー94を操作して(図9参照)、一対の把持片9a・9bを閉じると、カッター1が引下線Wを切断すると共に、ストリッパー2が引下線Wの被膜を切断できる。この場合、別のホットスティック9を用いて、カッター1の左側の引下線Wを把持しておくことが好ましく、一対のクランプ13・14(図2又は図3参照)と協働して、引下線Wが脱落することを確実に防止できる。
次に、図1を参照して、引下線Wの被膜が切断された右側の引下線Wをストリッパー2から離間するように移動すると、引下線Wの被膜を剥離することができる。
実施形態による端末処理工具10は、高圧の引下線Wをカッター1で切断すると同時に、負荷側の引下線Wを一対のクランプ13・14を把持でき、配電線側の引下線Wの被膜を剥離できる。したがって、従来のように、端末処理工具を交換することなく、引下線Wを切断するための切断作業と引下線Wの被覆を剥離する剥離作業が、一つの端末処理工具で安全かつ迅速に実施できる。
本発明による高圧引下線用端末処理工具及び高圧引下線用端末処理方法は、以下の効果が期待できる。
(1)作業効率が向上するので、柱上変圧器又はカットアウトの取替作業に起因する停電時間を短縮できる。
(2)一つの工具で引下線を把持又は切断、及び被覆の剥離を実施できる。
(3)ホットスティックを用いて、端末処理工具で引下線を把持又は切断、及び被覆の剥離を実施できるので、引下線の脱落を防止でき安全である。
(4)曲がり癖のついた引出線の被覆を確実に剥離できるので、作業効率に優れる。
本発明は、高圧の引下線に好適な端末処理工具を開示したが、これに限定されない。本発明による端末処理工具は、低圧の電線に応用することもでき、光ファイバケーブルに応用することも可能である。
1 カッター
1a・1b 一対の第1刃部
1c 第1回動軸
2 ストリッパー
2a・2b 一対の第2刃部
2c 第2回動軸
3a・3b 一対の取り付け部材
4 連結軸
9 ホットスティック
9a・9b 一対の把持片
10 端末処理工具(高圧引下線用端末処理工具)
11・12 一対の第1柄部
21・22 一対の第2柄部
W 引下線

Claims (4)

  1. 開閉する一対の把持片を先端部側に有するホットスティックを操作して、高圧の引下線を端末処理する高圧引下線用端末処理工具であって、
    第1回動軸で開閉自在に連結した一対の第1柄部、及びこれらの第1柄部から延びて、前記引下線を切断可能な第1刃部を先端部に有するカッターと、
    第2回動軸で開閉自在に連結した一対の第2柄部、及びこれらの第2柄部から延びて、前記引下線の被膜を剥離可能な半円弧状の第2刃部を先端部に有するストリッパーと、
    一対の前記把持片に着脱自在に取り付けられ、一対の前記第1柄部の基端部及び一対の前記第2柄部の基端部と回動可能に連結する一対の取り付け部材と、
    一対の前記第1刃部と一対の前記第2刃部が所定の距離で離間するように、前記第1回動軸と前記第2回動軸を同軸上に連結する連結軸と、を備え、
    一対の前記把持片を閉じたときは、前記カッターが前記引下線を切断すると共に、前記ストリッパーが前記引下線の被膜を切断している高圧引下線用端末処理工具。
  2. 一対の前記第1刃部の前記ストリッパーと反対側に取り付けられ、前記引下線の被膜をその両側から把持する一対のクランプを更に備え、
    これらのクランプは、切断後の前記引下線が一対の前記第1刃部から脱落することを抑制する請求項1記載の高圧引下線用端末処理工具。
  3. 前記ストリッパーは、前記引下線の被膜をその両側から当接して、前記引下線の被膜の切り込み深さを規定する凹字状の溝部を有する一対の切り込み深さ調整板を有し、
    これらの切り込み深さ調整板は、前記第2刃部に隣接して配置されている請求項1又は2記載の高圧引下線用端末処理工具。
  4. 開閉する一対の把持片を先端部側に有するホットスティックを操作して、高圧の引下線を端末処理する高圧引下線用端末処理工具であって、第1回動軸で開閉自在に連結した一対の第1柄部、及びこれらの第1柄部から延びて、前記引下線を切断可能な第1刃部を先端部に有するカッターと、第2回動軸で開閉自在に連結した一対の第2柄部、及びこれらの第2柄部から延びて、前記引下線の被膜を剥離可能な半円弧状の第2刃部を先端部に有するストリッパーと、一対の前記把持片に着脱自在に取り付けられ、一対の前記第1柄部の基端部及び一対の前記第2柄部の基端部と回動可能に連結する一対の取り付け部材と、一対の前記第1刃部と一対の前記第2刃部が所定の距離で離間するように、前記第1回動軸と前記第2回動軸を同軸上に連結する連結軸と、を備え、一対の前記把持片を閉じたときは、前記カッターが前記引下線を切断すると共に、前記ストリッパーが前記引下線の被膜を切断している高圧引下線用端末処理工具を用いて、高圧引下線用端末処理方法であって、
    前記カッター及び前記ストリッパーが閉じられた状態において、別の前記ホットスティックを用いて切断側の前記引下線を把持すると共に、前記引下線の被膜が切断された側の当該引下線を前記ストリッパーから離間するように移動して、当該引下線の被膜を剥離する高圧引下線用端末処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014110745A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Chugoku Electric Power Co Inc:The 電線被覆剥ぎ取り用間接活線先端工具および電線被覆剥ぎ取り用間接活線装置
JP2016129467A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 中国電力株式会社 間接活線工具の先端工具

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