JP2012189556A - 電波修正時計、およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二値化回路のしきい値を短時間で適切なレベルに調整することができる電波修正時計を提供すること。
【解決手段】電波修正時計1は、標準電波を受信する受信手段と、受信信号をしきい値に基づいて二値化して二値化信号を出力する二値化回路37と、二値化信号に基づいてフレーム同期を確立した後に、タイムコードの種類に応じて予め設定される所定の期間の二値化信号のパルスデューティーを測定するデューティー検出判断部43と、前記パルスデューティーと、しきい値との関係が設定されたしきい値設定テーブルが記憶される記憶部42と、しきい値設定テーブルを参照し、測定されたパルスデューティーに応じたしきい値を求めてしきい値を変更するレベル切替手段と、しきい値が変更された後の二値化信号をデコードしてタイムコードを復調するTCOデコード部41とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】電波修正時計1は、標準電波を受信する受信手段と、受信信号をしきい値に基づいて二値化して二値化信号を出力する二値化回路37と、二値化信号に基づいてフレーム同期を確立した後に、タイムコードの種類に応じて予め設定される所定の期間の二値化信号のパルスデューティーを測定するデューティー検出判断部43と、前記パルスデューティーと、しきい値との関係が設定されたしきい値設定テーブルが記憶される記憶部42と、しきい値設定テーブルを参照し、測定されたパルスデューティーに応じたしきい値を求めてしきい値を変更するレベル切替手段と、しきい値が変更された後の二値化信号をデコードしてタイムコードを復調するTCOデコード部41とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、時刻情報を有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて時刻を修正する電波修正時計、およびその制御方法に関する。
標準電波を受信可能な電波時計が知られている。標準電波は振幅変調であり、前記電波時計は、受信回路において、フィルターなどで受信信号の包絡線を抜き出した後、比較器(コンパレーター)などで包絡線信号と基準電圧とを比較して二値化する二値化回路を備えている。そして、電波時計は、この二値化回路で得られたタイムコード信号に基づいて時刻情報を入手し、時刻表示を行っている。
ところで、前記二値化回路の基準電圧(しきい値)は、通常、固定値である。このため、受信環境によっては正しいタイムコードを得ることができない。
そこで、二値化信号のパルスデューティー(パルスデューティー比)を算出し、タイムコードの種類に応じてあらかじめ設定されるデューティーの基準範囲値に含まれているかを判定し、含まれていない場合には前記しきい値レベルを変更することで、しきい値を適切なレベルに調整する電波修正時計が提案されている(特許文献1参照)。
そこで、二値化信号のパルスデューティー(パルスデューティー比)を算出し、タイムコードの種類に応じてあらかじめ設定されるデューティーの基準範囲値に含まれているかを判定し、含まれていない場合には前記しきい値レベルを変更することで、しきい値を適切なレベルに調整する電波修正時計が提案されている(特許文献1参照)。
前記特許文献1は、前記しきい値を適切に調整できる一方で、前記二値化信号のパルスデューティーの算出に時間を要するという問題があった。たとえば、1分間のデータの中で、信号レベルがハイレベルとなっている時間を前記1分間で除算してデューティーを求める場合、1分間のデータを受信した後でなければ、しきい値を調整できないという問題があった。
本発明は、二値化回路のしきい値を短時間で適切なレベルに調整することができる電波修正時計およびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、タイムコードを有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて内部時計の時刻を修正する電波修正時計であって、前記標準電波を受信する受信手段と、前記標準電波の受信信号を所定のしきい値に基づいて二値化して二値化信号を出力する二値化手段と、前記二値化信号に基づいてフレーム同期を確立した後に、前記タイムコードの種類に応じて予め設定される所定の期間の前記二値化信号のパルスデューティーを測定するデューティー測定手段と、前記二値化手段のしきい値を、前記デューティー測定手段で測定されたパルスデューティーに応じたしきい値に変更するレベル切替手段と、前記レベル切替手段で前記二値化手段のしきい値が変更された後の二値化信号をデコードしてタイムコードを復調するタイムコードデコード手段と、を備えることを特徴とする。
デューティー測定手段は、標準電波の種類ごとに設定された所定期間の二値化信号のパルスデューティーを測定している。この際、前記所定期間は、信号が固定されたビットであるため、パルスデューティーの理論値をあらかじめ把握できる。従って、実際に検出されたパルスデューティーと、前記理論値(水準値)とを比較すれば、二値化手段のしきい値が適切なレベルであるかを確実に判断できる。
そして、レベル切替手段は、測定されたパルスデューティーに応じてしきい値を変更しているので、二値化手段のしきい値を適切なレベルに変更することができる。たとえば、測定されたパルスデューティーが、前記水準値よりも大きい場合には、しきい値が適正レベルよりも低いと判断できるので、たとえば、しきい値を一段階高く変更すればよい。一方、測定されたパルスデューティーが、前記水準値よりも小さい場合には、しきい値が適正レベルよりも高いと判断できるので、たとえば、しきい値を一段階低く変更すればよい。なお、測定されたパルスデューティーが、前記水準値にほぼ一致する場合には、適正レベルであるため、しきい値もそのまま維持すればよい。
従って、二値化手段は、次のフレームから適切なレベルで二値化された信号を出力することができ、タイムコードデコード手段において正確なタイムコードを取得できる。よって、このデコードされたタイムコードにより電波修正時計の時刻修正処理を正確に実施することができる。
そして、レベル切替手段は、測定されたパルスデューティーに応じてしきい値を変更しているので、二値化手段のしきい値を適切なレベルに変更することができる。たとえば、測定されたパルスデューティーが、前記水準値よりも大きい場合には、しきい値が適正レベルよりも低いと判断できるので、たとえば、しきい値を一段階高く変更すればよい。一方、測定されたパルスデューティーが、前記水準値よりも小さい場合には、しきい値が適正レベルよりも高いと判断できるので、たとえば、しきい値を一段階低く変更すればよい。なお、測定されたパルスデューティーが、前記水準値にほぼ一致する場合には、適正レベルであるため、しきい値もそのまま維持すればよい。
従って、二値化手段は、次のフレームから適切なレベルで二値化された信号を出力することができ、タイムコードデコード手段において正確なタイムコードを取得できる。よって、このデコードされたタイムコードにより電波修正時計の時刻修正処理を正確に実施することができる。
本発明の電波修正時計において、前記所定の期間とは、受信するタイムコードにおいて、時刻によって変化しない固定されたビットが、所定数連続する期間であることが好ましい。
本発明によれば、前記所定の期間を、固定されたビットが所定数、たとえば3〜4個連続する期間に設定しているので、1つのビットのみで判断する場合に比べて、ノイズなどの影響を軽減でき、しきい値レベルを適切に判断できる。
本発明の電波修正時計において、前記受信手段は、前記内部時計の時刻が所定の時刻になった際に受信を開始する自動受信モードを備え、前記自動受信モードによって受信処理を行う場合には、前記所定の期間とは、タイムコードにおける「時」または「分」のデータを受信している期間に設定されることが好ましい。
本発明によれば、自動受信時刻に基づいて、「時」または「分」のデータを受信している期間内に、パルスデューティーを測定する期間を設定しているので、固定された連続ビットが存在しないドイツの標準電波DCF77を受信する場合にも適用できる。すなわち、自動受信モードで作動中の電波修正時計は、内部時刻があらかじめ設定された所定の時刻(自動受信時刻)になると、受信処理を開始する。この際、電波修正時計が標準電波を定期的に受信していれば、内部時刻と標準電波の時刻との誤差は小さく、通常は1分以下の誤差に納まっている。このため、自動受信処理で受信した標準電波の時刻情報の「時」または「分」の各ビットのデータは、その自動受信時刻を基づいて、信号が「0」であるか「1」であるかを予測できる。
たとえば、標準電波の「時」のデータは、通常、20h,10h,8h,4h,2h,1hの6ビットのデータで表される。このため、自動受信処理が、午前2時0分に開始した場合、少なくとも20h,10h,8hのビットは「0」であると予測できる。同様に、「分」のデータは、通常、40m,20m,10m,8m,4m,2m,1mの7ビットのデータで表される。このため、自動受信処理が、午前2時0分に開始した場合、受信処理の継続時間を5分程度に設定すれば、少なくとも40m,20m,10mのビットは「0」であると予測できる。このように、自動受信時刻に応じて、値が予測できるビットを受信する期間を所定期間に設定すれば、受信信号のパルスデューティーの水準値を設定できるので、測定したパルスデューティーに応じて、しきい値を設定できる。
たとえば、標準電波の「時」のデータは、通常、20h,10h,8h,4h,2h,1hの6ビットのデータで表される。このため、自動受信処理が、午前2時0分に開始した場合、少なくとも20h,10h,8hのビットは「0」であると予測できる。同様に、「分」のデータは、通常、40m,20m,10m,8m,4m,2m,1mの7ビットのデータで表される。このため、自動受信処理が、午前2時0分に開始した場合、受信処理の継続時間を5分程度に設定すれば、少なくとも40m,20m,10mのビットは「0」であると予測できる。このように、自動受信時刻に応じて、値が予測できるビットを受信する期間を所定期間に設定すれば、受信信号のパルスデューティーの水準値を設定できるので、測定したパルスデューティーに応じて、しきい値を設定できる。
本発明の電波修正時計において、前記二値化信号のパルスデューティーと、二値化手段のしきい値との関係が設定されたしきい値設定テーブルが記憶される記憶手段を備え、前記レベル切替手段は、前記しきい値設定テーブルを参照し、前記デューティー測定手段で測定されたパルスデューティーに応じたしきい値を求めて前記二値化手段のしきい値を変更することが好ましい。
本発明によれば、しきい値設定テーブルに、パルスデューティーとしきい値との関係を設定しているので、測定されたパルスデューティーに対応するしきい値を、しきい値設定テーブルから直接把握できる。このため、二値化手段のしきい値を適切なレベルに直ちに変更することができる。
本発明の電波修正時計において、前記受信手段は、複数種類の標準電波を選択して受信するものであり、前記しきい値設定テーブルは、前記複数種類の標準電波ごとに、前記パルスデューティーの値としきい値の関係と、前記所定の期間とが記憶され、前記デューティー測定手段は、前記しきい値設定テーブルを参照し、前記所定の期間と、前記しきい値とを設定することが好ましい。
本発明によれば、標準電波ごとの所定の期間や、パルスデューティー値に対応するしきい値の設定を、しきい値設定テーブルに設定しているので、受信可能な標準電波の種類が増えた場合も、このしきい値設定テーブルのデータを増やすことで容易に対応できる。
本発明の電波修正時計において、前記受信手段、前記二値化手段、および前記二値化手段におけるしきい値を調整するしきい値調整手段を備える受信回路部と、前記記憶手段と、前記デューティー測定手段と、前記レベル切替手段と、前記タイムコードデコード手段を備え、前記レベル切替手段から出力される制御信号を前記受信回路部に出力して前記受信回路部における前記標準電波の受信状態を制御する制御回路部と、を具備し、前記受信回路部は、前記制御回路部の前記レベル切替手段から出力される前記制御信号をデコードし、デコードされた制御信号を前記しきい値調整手段に出力する制御信号デコード手段を備えたことが好ましい。
この発明によれば、制御信号デコード手段が入力された制御信号をデコードし、しきい値調整手段は、このデコードされた制御信号に基づいて二値化手段のしきい値を調整する。これにより、制御信号デコード手段が制御信号をデコードするので、制御回路部から出力される制御信号を簡易な信号に設定することができ、通信される信号の信頼性を向上させることができる。
本発明の電波修正時計において、前記レベル切替手段は、受信動作を開始して前記二値化手段のしきい値を調整した後、タイムコードをデコード中は前記しきい値を変更せずに固定することが好ましい。
この発明によれば、タイムコードをデコード中にしきい値が変化することがないので、例えばビット化けなどにより正確なデコードが阻害されるなどの不都合が回避でき、正確なTCをデコードすることができる。
本発明は、タイムコードを有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて時刻修正を実施する電波修正時計の制御方法であって、前記標準電波を受信し、前記標準電波の受信信号を所定のしきい値に基づいて二値化して二値化信号を出力し、前記二値化信号に基づいてフレーム同期を確立した後に、前記タイムコードの種類に応じて予め設定される所定の期間の前記二値化信号のパルスデューティーを測定し、前記二値化用のしきい値を、測定された前記パルスデューティーに応じたしきい値に変更し、二値化用のしきい値が変更された後の二値化信号をデコードしてタイムコードを復調することを特徴とする。
この発明によれば、上記電波修正時計と同様に、二値化用のしきい値を適切なレベルに直ちに変更できるので、正しいタイムコードを取得でき、受信環境の影響を軽減でき、正しい時刻に修正することができる。
[第1実施形態]
(1)電波修正時計1の構成
電波修正時計1は、図1に示すように、アンテナ2と、受信回路部3と、制御回路部4と、表示部5と、外部操作部材6と、水晶振動子47とを備えている。
アンテナ2は、長波標準電波(以下、「標準電波」と称す)を受信し、受信した標準電波を受信回路部3に出力する。
受信回路部3は、アンテナ2にて受信した標準電波の受信信号を復調して、TCO(Time Code Out:タイムコード出力)として制御回路部4に出力する。なお、受信回路部3の詳細な説明は、後述する。
(1)電波修正時計1の構成
電波修正時計1は、図1に示すように、アンテナ2と、受信回路部3と、制御回路部4と、表示部5と、外部操作部材6と、水晶振動子47とを備えている。
アンテナ2は、長波標準電波(以下、「標準電波」と称す)を受信し、受信した標準電波を受信回路部3に出力する。
受信回路部3は、アンテナ2にて受信した標準電波の受信信号を復調して、TCO(Time Code Out:タイムコード出力)として制御回路部4に出力する。なお、受信回路部3の詳細な説明は、後述する。
制御回路部4は、入力されたTCOをデコードしてTC(タイムコード)を生成し、生成したTCに基づいて時刻カウンター44の時刻を設定する。また、制御回路部4は、時刻カウンター44の時刻を表示部5に表示させる制御をする。さらに、制御回路部4は、受信回路部3から入力されるTCOのデューティーを判定し、受信回路部3に制御信号を出力する。なお、制御回路部4の詳細な説明は、後述する。
表示部5は、制御回路部4の駆動回路部45により駆動制御され、時刻カウンター44でカウントされる時刻を表示させる。この表示部5としては、例えば液晶パネルを備え、液晶パネルに時刻を表示させる構成であってもよく、文字板および指針を備え、制御回路部4により指針を運針させて時刻を表示させる構成であってもよい。
外部操作部材6は、例えばリューズや設定ボタンなどにより構成され、利用者により操作されることで制御回路部4に所定の操作信号を出力する。この操作信号としては、例えば、アンテナ2で受信される標準電波の種類(例えば、日本におけるJJY、アメリカ合衆国におけるWWVB、ドイツにおけるDCF77、中国におけるBPCなど)を設定する旨の電波種類設定データ、標準電波を受信して時刻を修正させる旨の修正要求情報などが挙げられる。
基準クロック用の水晶振動子47は、所定の基準信号(基準クロック、例えば1Hzの信号)を出力するものであり、この水晶振動子47から出力された基準信号が制御回路部4に入力されている。
(2)受信回路部3の構成
受信回路部3は、図1に示すように、同調回路31と、第1増幅回路32と、バンドパスフィルター(Band-pass filter,以下、「BPF」と略す場合がある)33と、第2増幅回路34と、包絡線検波回路35と、AGC(Auto Gain Control)回路36と、二値化手段としての二値化回路37と、しきい値調整手段としてのVREF切替回路38と、制御信号デコード手段としてのデコード回路39とを備えて構成されている。
ここで、同調回路31からAGC回路36までの各回路によって受信手段が構成されている。従って、受信回路部3は、受信手段と、二値化手段と、しきい値調整手段と、制御信号デコード手段とを備えて構成されている。
受信回路部3は、図1に示すように、同調回路31と、第1増幅回路32と、バンドパスフィルター(Band-pass filter,以下、「BPF」と略す場合がある)33と、第2増幅回路34と、包絡線検波回路35と、AGC(Auto Gain Control)回路36と、二値化手段としての二値化回路37と、しきい値調整手段としてのVREF切替回路38と、制御信号デコード手段としてのデコード回路39とを備えて構成されている。
ここで、同調回路31からAGC回路36までの各回路によって受信手段が構成されている。従って、受信回路部3は、受信手段と、二値化手段と、しきい値調整手段と、制御信号デコード手段とを備えて構成されている。
同調回路31は、コンデンサーを備えて構成され、当該同調回路31とアンテナ2とにより並列共振回路が構成される。この同調回路31は、特定の周波数の電波をアンテナ2で受信させる。この同調回路31により、アンテナ2で受信された標準電波が電圧信号に変換され、第1増幅回路32に出力される。なお、本実施形態の受信回路部3では、日本の標準電波「JJY」の他、アメリカ合衆国の標準電波「WWVB」、ドイツの標準電波「DCF77」、中国の標準電波「BPC」などの各地域における標準電波を受信可能に構成されている。
第1増幅回路32は、後述するAGC回路36から入力する信号に応じてゲインを調整し、同調回路31から入力する受信信号を一定の振幅としてBPF33に入力するように増幅する。すなわち、第1増幅回路32は、AGC回路36から入力する信号に応じて、振幅が大きい場合にはゲインを低くし、振幅が小さい場合にはゲインを高くして、受信信号を一定の振幅となるように増幅する。
バンドパスフィルター(BPF)33は、所望の周波数帯の信号を抽出するフィルターである。すなわち、BPF33を介することにより、第1増幅回路32から入力した受信信号から搬送波成分以外が除去される。
第2増幅回路34は、BPF33から入力する受信信号を、固定のゲインでさらに増幅する。
包絡線検波回路35は、図示しない整流器と、図示しないローパスフィルター(Low-Pass Filter,LPF)とを備えて構成され、第2増幅回路34から入力した受信信号を整流およびろ波し、ろ波して得られた包絡線信号を、AGC回路36および二値化回路37に出力する。
AGC回路36は、包絡線検波回路35から入力した受信信号に基づいて、第1増幅回路32にて受信信号を増幅する際のゲインを決定する信号を出力する。
AGC回路36は、包絡線検波回路35から入力した受信信号に基づいて、第1増幅回路32にて受信信号を増幅する際のゲインを決定する信号を出力する。
二値化回路37は、図2に示すように、二値化コンパレーターで構成され、2つの入力端子のうち、一方の入力端子は、包絡線検波回路35に接続され、他方の入力端子は、VREF切替回路38に接続されている。そして、二値化回路37は、ヒステリシスを持つコンパレーターであり、包絡線検波回路35から入力する包絡線信号、および、VREF切替回路38から入力する所定電圧を有する基準電圧(しきい値)に基づいて、二値化信号すなわちTCO信号を出力する。包絡線信号はノイズが多く、二値化コンパレーターに数mVのヒステリシスを持たせることで、TCO信号のばたつきを抑えることができる。
具体的に、二値化回路37は、包絡線信号の電圧が基準電圧を上回っている場合にはHレベル(ハイレベル)の電圧を有する信号を、また、包絡線信号の電圧が基準電圧を下回っている場合には、Hレベルの信号より電圧値の低いLレベル(ローレベル)の信号を、TCO信号として、制御回路部4に出力する。なお、包絡線信号の電圧が基準電圧を上回っている場合にはLレベルを、包絡線信号の電圧が基準電圧を下回っている場合にはHレベルの信号を、TCO信号として、制御回路部4に出力するように構成することも可能である。
VREF切替回路38は、定電圧源381から出力された電源電圧VDDから基準電圧VREF1〜VREF4を生成して、当該基準電圧を二値化回路37に出力する。このVREF切替回路38は、定電圧源381と、当該定電圧源381およびグランドGNDの間に配置される4つの抵抗R1〜R4と、これら4つの抵抗R1〜R4間および二値化回路37の間、R4およびグランドGND間および二値化回路37の間にそれぞれ配置される4つのスイッチSW1〜SW4と、抵抗R4とグランドGNDとの間に配置される定電流源382とを備えて構成されている。
このうち、各スイッチSW1〜SW4は、アナログスイッチで構成され、スイッチSW1は、抵抗R1,R2の間と二値化回路37との間、スイッチSW2は、抵抗R2,R3の間と二値化回路37との間、スイッチSW3は、抵抗R3,R4の間と二値化回路37との間、スイッチSW4は、抵抗R4,定電流源382の間と二値化回路37との間に、それぞれ配置されている。これら各スイッチSW1〜SW4は、デコード回路39と、選択線SEL1〜SEL4を介して、それぞれ独立して接続されており、当該デコード回路39から入力する信号に応じて、オン/オフ状態が切り替わるように構成されている。そして、これらスイッチSW1〜SW4のうち、いずれか1つがオン状態(導通状態)となり、他のスイッチがオフ状態(非導通状態)となることにより、定電圧源381から出力された電源電圧VDDは、定電流源382から出力された電流ISおよび抵抗Rにより電圧変化され、基準電圧VREFとなって二値化回路37に入力する。
具体的には、基準電圧VREFは、電源電圧VDD−電流IS×抵抗Rで求められる。従って、VREF切替回路38は、スイッチSW1のみがオン状態である場合に、最も高い電圧の基準電圧VREF1を二値化回路37に出力する。そして、VREF切替回路38は、スイッチSW2のみがオン状態である場合に、2番目に高い電圧の基準電圧VREF2を出力し、スイッチSW3のみがオン状態である場合に、3番目に高い電圧の基準電圧VREF3を出力し、また、スイッチSW4のみがオン状態である場合に、最も低い電圧の基準電圧VREF4を出力する。
この基準電圧VREFを切り替えることで、二値化コンパレーターにおけるしきい値を4段階に切り替えることができ、TCOのデューティーを調整できる。
この基準電圧VREFを切り替えることで、二値化コンパレーターにおけるしきい値を4段階に切り替えることができ、TCOのデューティーを調整できる。
デコード回路39は、後述する制御回路部4と、シリアル通信線を介して接続されている。そして、このデコード回路39は、制御回路部4から入力する制御信号をデコードし、当該制御信号に含まれるコードに基づいて、スイッチSW1〜SW4のオン/オフ状態を設定する信号を、各選択線SEL1〜SEL4に出力する。
(3)制御回路部4の構成
制御回路部4は、前述のように、受信回路部3の動作を制御するものであり、具体的に、受信回路部3のデコード回路39に対して、基準電圧VREFを切り替える制御信号を出力する。また制御回路部4は、二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、デコードされて生成したタイムコードに基づいて、時刻カウンター44の時刻を設定する。さらには、制御回路部4は、時刻カウンター44の時刻を表示部5に表示させる制御をする。
この制御回路部4は、図1に示すように、タイムコードデコード手段としてのTCOデコード部41と、記憶手段としての記憶部42と、デューティー測定手段としてのデューティー検出判断部43と、時刻カウンター44と、駆動回路部45と、レベル切替手段としての制御部46とを備えて構成されている。なお、制御部46には、前記水晶振動子47から出力された基準信号が入力されている。
制御回路部4は、前述のように、受信回路部3の動作を制御するものであり、具体的に、受信回路部3のデコード回路39に対して、基準電圧VREFを切り替える制御信号を出力する。また制御回路部4は、二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、デコードされて生成したタイムコードに基づいて、時刻カウンター44の時刻を設定する。さらには、制御回路部4は、時刻カウンター44の時刻を表示部5に表示させる制御をする。
この制御回路部4は、図1に示すように、タイムコードデコード手段としてのTCOデコード部41と、記憶手段としての記憶部42と、デューティー測定手段としてのデューティー検出判断部43と、時刻カウンター44と、駆動回路部45と、レベル切替手段としての制御部46とを備えて構成されている。なお、制御部46には、前記水晶振動子47から出力された基準信号が入力されている。
デューティー検出判断部43は、二値化回路37から入力するTCO信号の所定期間におけるパルスデューティーを測定して検出し、二値化回路37のしきい値が適切であるかを判定し、適していない場合には適切なしきい値に変更する。このデューティー検出判断部43の処理の詳細は後述する。
TCOデコード部41は、受信回路部3の二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、当該TCO信号に含まれる日付情報および時刻情報等を有するタイムコード(TC)を抽出する。そして、TCOデコード部41は、抽出したTCを制御部46に出力する。
記憶部42は、制御回路部4による受信回路部3の制御等に必要な各種データやプログラム等を記憶するメモリーである。さらに、記憶部42には、後述するしきい値設定テーブル8が記憶されている。
時刻カウンター44は、水晶振動子47から出力される基準信号に基づいて時間をカウントする。具体的には、時刻カウンター44は、秒をカウントする秒カウンター、分をカウントする分カウンター、時をカウントする時カウンターを備えている。
秒カウンターは、例えば水晶振動子47から1Hzの基準信号が出力されている場合、その信号を60カウントつまり60秒でループするカウンターである。分カウンターは、1Hzの基準信号を60回係数したところで1カウントし、60カウント、すなわち60分でループするカウンターである。時カウンターは、1Hzの基準信号を3600回係数したところで1カウントし、24カウント、すなわち24時間でループするカウンターである。
なお、分カウンターは、秒カウンターが60カウントするごとに秒カウンターから分カウンターに信号を出力して分カウンターをカウントアップさせる構成としてもよい。同様に、時カウンターは、分カウンターが60カウントするごとに分カウンターから時カウンターに信号を出力して時カウンターをカウントアップさせる構成としてもよい。
秒カウンターは、例えば水晶振動子47から1Hzの基準信号が出力されている場合、その信号を60カウントつまり60秒でループするカウンターである。分カウンターは、1Hzの基準信号を60回係数したところで1カウントし、60カウント、すなわち60分でループするカウンターである。時カウンターは、1Hzの基準信号を3600回係数したところで1カウントし、24カウント、すなわち24時間でループするカウンターである。
なお、分カウンターは、秒カウンターが60カウントするごとに秒カウンターから分カウンターに信号を出力して分カウンターをカウントアップさせる構成としてもよい。同様に、時カウンターは、分カウンターが60カウントするごとに分カウンターから時カウンターに信号を出力して時カウンターをカウントアップさせる構成としてもよい。
駆動回路部45は、制御部46から出力される時刻表示制御信号に基づいて、表示部5の表示状態を制御し、表示部5に時刻を表示させる制御をする。例えば、表示部5が液晶パネルを有し、液晶パネルに時刻を表示させる構成である場合、駆動回路部45は、時刻表示制御信号に基づいて、液晶パネルを制御し、液晶パネルに時刻を表示させる。また、表示部5が文字板および指針を有する構成である場合、駆動回路部45は、指針を駆動させるステッピングモーターに、パルス信号を出力し、ステッピングモーターの駆動力により指針を運針させる。
制御部46は、水晶振動子47から入力される駆動周波数に基づいて駆動し各種制御処理を実施する。すなわち、制御部46は、TCOデコード部41から入力されるTCを、時刻カウンター44に出力し、時刻カウンター44のカウントを修正する制御をする。また、制御部46は、時刻カウンター44にてカウントされる時刻を表示部5に表示させる時刻表示制御信号を駆動回路部45に出力する。
さらに、レベル切替手段である制御部46は、デューティー検出判断部43で測定検出されたパルスデューティーに基づいて二値化回路37のしきい値を設定するための制御信号を、受信回路部3に出力する。
さらに、レベル切替手段である制御部46は、デューティー検出判断部43で測定検出されたパルスデューティーに基づいて二値化回路37のしきい値を設定するための制御信号を、受信回路部3に出力する。
なお、制御部46と、デコード回路39とは、シリアル通信線により接続され、制御信号は、シリアル通信線を介してデコード回路39に入力される。これにより、VREF切替回路38の電圧切替を制御する旨の制御信号を、デコード回路39を介して、VREF切替回路38に出力させることができる。
ここで、制御部46と受信回路部3とのシリアル通信においては、制御部46と受信回路部3との間で双方向通信が可能な2線の同期式インターフェイスを用いて、それぞれによる双方向のシリアル通信を行うようにしてもよい。このような場合、制御部46から受信回路部3に制御信号を出力した後、当該受信回路部3が、受信および認識した制御信号を制御部46に再度転送し、制御部46にて出力した制御信号と入力した制御信号とのデータの差異を確認することで、より信頼性の高いシリアル通信を行うことができる。
ここで、制御部46と受信回路部3とのシリアル通信においては、制御部46と受信回路部3との間で双方向通信が可能な2線の同期式インターフェイスを用いて、それぞれによる双方向のシリアル通信を行うようにしてもよい。このような場合、制御部46から受信回路部3に制御信号を出力した後、当該受信回路部3が、受信および認識した制御信号を制御部46に再度転送し、制御部46にて出力した制御信号と入力した制御信号とのデータの差異を確認することで、より信頼性の高いシリアル通信を行うことができる。
[デューティー検出判断部]
デューティー検出判断部43は、標準電波の種類ごとに設定された所定期間のTCOのパルスデューティーを測定し、二値化回路37のしきい値を適切なレベルに調整するものである。
まず、二値化回路37のしきい値のレベル調整が必要な利用を説明する。
図3は、二値化回路37のしきい値を決める基準電圧VREFとTCO波形との関係を説明する図である。標準電波の元の波形は、図3のA1に示すように矩形波であるが、包絡線検波回路35からの波形は、図3のA2に示すように微小信号の増幅波形であり、また長波の周波数帯(30k〜300kHz)には電子機器が発生するノイズが多いため、実際の使用環境ではノイズが多く含まれる。
デューティー検出判断部43は、標準電波の種類ごとに設定された所定期間のTCOのパルスデューティーを測定し、二値化回路37のしきい値を適切なレベルに調整するものである。
まず、二値化回路37のしきい値のレベル調整が必要な利用を説明する。
図3は、二値化回路37のしきい値を決める基準電圧VREFとTCO波形との関係を説明する図である。標準電波の元の波形は、図3のA1に示すように矩形波であるが、包絡線検波回路35からの波形は、図3のA2に示すように微小信号の増幅波形であり、また長波の周波数帯(30k〜300kHz)には電子機器が発生するノイズが多いため、実際の使用環境ではノイズが多く含まれる。
しきい値を基準電圧VREF1と高くした場合、波形A2はしきい値よりも低いLow期間が多くなる。このため、基準電圧VREF1で二値化したTCO波形A3は、波形の振幅が小さいとパルスが抜けてしまい、TCO波形A3のトータルのパルスデューティーも小さくなる。
一方、しきい値を基準電圧VREF3と低くした場合、波形A2はしきい値よりも高いHi期間が多くなる。このため、基準電圧VREF3で二値化したTCO波形A5は、突発的なノイズも拾ってしまい、誤まったパルスを出力してしまう。よって、TCO波形A4のトータルのパルスデューティーが大きくなる。
なお、しきい値を基準電圧VREF1、VREF3の間にあるVREF2に設定した場合、そのしきい値で二値化したTCO波形A4のパルスデューティーは、TCO波形A3とA5との間になる。
一方、しきい値を基準電圧VREF3と低くした場合、波形A2はしきい値よりも高いHi期間が多くなる。このため、基準電圧VREF3で二値化したTCO波形A5は、突発的なノイズも拾ってしまい、誤まったパルスを出力してしまう。よって、TCO波形A4のトータルのパルスデューティーが大きくなる。
なお、しきい値を基準電圧VREF1、VREF3の間にあるVREF2に設定した場合、そのしきい値で二値化したTCO波形A4のパルスデューティーは、TCO波形A3とA5との間になる。
さらに、TCO波形は、受信環境によっても変化する。すなわち、包絡線検波回路35の出力波形のピークとボトムの関係が受信環境で変化する。図4に示すように、a)弱電界の信号が弱い場合は、ピーク(Hi)のレベルが下がる。回路のダイナミックレンジは固定のため、ボトムレベルは変わらない。このため、幅の細いパルスは波高値がかなり低くなり、基準電圧VREF1ではしきい値を超えることができない。この場合、基準電圧VREF3が最適である。
また、b)都市ノイズが多い環境では、ボトム(Lo)のレベルが全体的に上がる。これも回路のダイナミックレンジは固定のため、ピークレベルは変わらない。基準電圧VREF3ではしきい値をほとんど超えてしまい、Hiと判断してしまいデューティーは大きくなる。この場合、基準電圧VREF1が最適である。
図4の場合は、いずづれにしてもSN比が悪くなる状態であり、SN比が良い状態より二値化回路37のしきい値の設定が難しくなる。
図4の場合は、いずづれにしてもSN比が悪くなる状態であり、SN比が良い状態より二値化回路37のしきい値の設定が難しくなる。
本実施形態のデューティー検出判断部43は、TCOのパルスデューティーを検出することで、基準電圧VREFを適切に設定するものである。
この際、TCOのパルスデューティーは、元の波形の各パルスの幅にも依存する。そこで、本実施形態では、標準電波ごと設定されたタイムコードが固定パターンとなっている期間のパルスデューティーを検出することで、基準電圧VREFの最適設定を行うものである。
以下、各標準電波の設定基準について説明する。
この際、TCOのパルスデューティーは、元の波形の各パルスの幅にも依存する。そこで、本実施形態では、標準電波ごと設定されたタイムコードが固定パターンとなっている期間のパルスデューティーを検出することで、基準電圧VREFの最適設定を行うものである。
以下、各標準電波の設定基準について説明する。
[日本JJYの場合]
図5に、日本において用いられる標準電波(JJY)のタイムコードフォーマットを示す。図6に、JJYにおける各信号のパルス幅を示す。
図5に示すように、JJYでは、55秒から58秒に、「0」の信号に固定されたビットが存在する。そして、JJYでは、図6に示すように、「1」の信号は、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒(つまり、パルスデューティー50%)である。また、「0」の信号は、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(パルスデューティー80%)である。さらに、「P」の信号は、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒(パルスデューティー20%)である。
このため、JJYの55秒から58秒の4秒間の受信データのパルスデューティーは、理論上、80%になるはずである。従って、デューティー検出判断部43において、その期間の受信データのパルスデューティーを検出した際に約80%であれば、二値化回路37のしきい値は適切なレベルであることを判断でき、80%から大きくずれていれば、しきい値レベルが適切でないことを判断できる。
図5に、日本において用いられる標準電波(JJY)のタイムコードフォーマットを示す。図6に、JJYにおける各信号のパルス幅を示す。
図5に示すように、JJYでは、55秒から58秒に、「0」の信号に固定されたビットが存在する。そして、JJYでは、図6に示すように、「1」の信号は、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒(つまり、パルスデューティー50%)である。また、「0」の信号は、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(パルスデューティー80%)である。さらに、「P」の信号は、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒(パルスデューティー20%)である。
このため、JJYの55秒から58秒の4秒間の受信データのパルスデューティーは、理論上、80%になるはずである。従って、デューティー検出判断部43において、その期間の受信データのパルスデューティーを検出した際に約80%であれば、二値化回路37のしきい値は適切なレベルであることを判断でき、80%から大きくずれていれば、しきい値レベルが適切でないことを判断できる。
[アメリカWWVBの場合]
図7に、アメリカにおいて用いられる標準電波(WWVB)のタイムコードフォーマットを示す。図8に、WWVBにおける各信号のパルス幅を示す。
図7に示すように、WWVBでは、9秒から11秒の連続する3秒間に、「P」、「0」、「0」の信号に固定されたビットが存在する。また、19秒から21秒の連続する3秒間にも、「P」、「0」、「0」の信号に固定されたビットが存在する。
そして、WWVBにおいても、図8に示すように、「1」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒(つまり、パルスデューティー50%)であり、「0」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(パルスデューティー80%)であり、「P」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒(パルスデューティー20%)である。
このため、WWVBの9秒から11秒と、19秒から21秒の6秒間の受信データは、「P」が2個、「0」が4個であるため、その期間のパルスデューティーは、理論上、(20%×2+80%×4)/6=60%になるはずである。
このため、デューティー検出判断部43において、その期間の受信データのパルスデューティーを検出した際に約60%であれば、二値化回路37のしきい値は適切なレベルであることを判断でき、60%から大きくずれていれば、しきい値が適切なレベルではないことを判断できる。
図7に、アメリカにおいて用いられる標準電波(WWVB)のタイムコードフォーマットを示す。図8に、WWVBにおける各信号のパルス幅を示す。
図7に示すように、WWVBでは、9秒から11秒の連続する3秒間に、「P」、「0」、「0」の信号に固定されたビットが存在する。また、19秒から21秒の連続する3秒間にも、「P」、「0」、「0」の信号に固定されたビットが存在する。
そして、WWVBにおいても、図8に示すように、「1」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒(つまり、パルスデューティー50%)であり、「0」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(パルスデューティー80%)であり、「P」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒(パルスデューティー20%)である。
このため、WWVBの9秒から11秒と、19秒から21秒の6秒間の受信データは、「P」が2個、「0」が4個であるため、その期間のパルスデューティーは、理論上、(20%×2+80%×4)/6=60%になるはずである。
このため、デューティー検出判断部43において、その期間の受信データのパルスデューティーを検出した際に約60%であれば、二値化回路37のしきい値は適切なレベルであることを判断でき、60%から大きくずれていれば、しきい値が適切なレベルではないことを判断できる。
[ドイツDCF77の場合]
図9に、ドイツにおいて用いられる標準電波(DCF77)のタイムコードフォーマットを示す。図10に、DCF77における各信号のパルス幅を示す。
図9に示すように、DCF77では、固定された信号が連続する期間が存在しない。0秒から14秒までの部分も将来拡張予定として準備されており、固定されたものではない。そこで、DCF77では、後述する第2実施形態の判断手法を採用している。
なお、DCF77では、図10に示すように、「1」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(パルスデューティー80%)であり、「0」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.9秒(パルスデューティー90%)である。
図9に、ドイツにおいて用いられる標準電波(DCF77)のタイムコードフォーマットを示す。図10に、DCF77における各信号のパルス幅を示す。
図9に示すように、DCF77では、固定された信号が連続する期間が存在しない。0秒から14秒までの部分も将来拡張予定として準備されており、固定されたものではない。そこで、DCF77では、後述する第2実施形態の判断手法を採用している。
なお、DCF77では、図10に示すように、「1」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(パルスデューティー80%)であり、「0」の信号は、ハイレベル信号のパルス幅が0.9秒(パルスデューティー90%)である。
他の国の標準電波においても、上記JJYやWWVBのように、信号が固定された連続するビットが存在すれば、そのビットを受信する期間を所定期間に設定し、その期間における受信データのパルスデューティーの理論値と、実際の測定値とを比較して、しきい値レベルが適切であるかを判断すればよい。
[デューティー検出判断部におけるパルスデューティーの計測方法]
デューティー検出判断部43は、各標準電波で設定された所定期間における受信データのパルスデューティーを測定する。
具体的には、デューティー検出判断部43は、入力されたTCO信号に対して、図11に示すような手法により、パルスデューティーを計測する。
すなわち、図11に示す計測方法では、基準クロックに基づいて生成される例えば64Hzや100Hzのサンプリングクロックで、入力されたTCO信号を所定期間サンプリングし、サンプリングされたTCOの信号レベルがハイレベルであるか、ローレベルであるかを判断する。この時、デューティー検出判断部43は、サンプリングされたTCOの信号がハイレベルである場合「1」と判断し、ローレベルである場合「0」と判断する。ここで、例えば4秒間を100Hzでサンプリングした場合、総データ数は4×100=400個であり、そのうち「1」が320個あった場合、パルスデューティーは320/400=80%となる。
デューティー検出判断部43は、各標準電波で設定された所定期間における受信データのパルスデューティーを測定する。
具体的には、デューティー検出判断部43は、入力されたTCO信号に対して、図11に示すような手法により、パルスデューティーを計測する。
すなわち、図11に示す計測方法では、基準クロックに基づいて生成される例えば64Hzや100Hzのサンプリングクロックで、入力されたTCO信号を所定期間サンプリングし、サンプリングされたTCOの信号レベルがハイレベルであるか、ローレベルであるかを判断する。この時、デューティー検出判断部43は、サンプリングされたTCOの信号がハイレベルである場合「1」と判断し、ローレベルである場合「0」と判断する。ここで、例えば4秒間を100Hzでサンプリングした場合、総データ数は4×100=400個であり、そのうち「1」が320個あった場合、パルスデューティーは320/400=80%となる。
また、上記のような図11に示す計測方法に限られず、図12に示す計測方法によりパルスデューティーを計測してもよい。
すなわち、図12に示す計測方法では、TCO信号の立上りエッジUを検出する立上り検出を実施し、立上りエッジUが検出された位置からタイマーを駆動させて立下りエッジDが検出されるまでの時間を計測する。この立上りエッジUから立下りエッジDまでの時間Tの計測を繰り返し実施し、TCO信号のサンプリングトータル時間に対する立上りエッジUから立下りエッジDまでの時間Tの総合計の割合を演算することでパルスデューティーを計測する。
すなわち、図12に示す計測方法では、TCO信号の立上りエッジUを検出する立上り検出を実施し、立上りエッジUが検出された位置からタイマーを駆動させて立下りエッジDが検出されるまでの時間を計測する。この立上りエッジUから立下りエッジDまでの時間Tの計測を繰り返し実施し、TCO信号のサンプリングトータル時間に対する立上りエッジUから立下りエッジDまでの時間Tの総合計の割合を演算することでパルスデューティーを計測する。
レベル切替手段である制御部46は、デューティー検出判断部43で測定された所定期間のパルスデューティーをあらかじめ設定された基準値と比較する。この基準値は、記憶部42に記憶されたしきい値設定テーブル8に設定されている。
図13に示すように、しきい値設定テーブル8は、パルスデューティー範囲81と、このパルスデューティー範囲81に対応するしきい値レベル82と、しきい値レベル82に対応する基準電圧レベル83と、しきい値レベル82の初期値を指定する初期設定値84と、パルスデューティーを取得する所定期間85とが、標準電波の種類ごとに設定されている。
図13に示すように、しきい値設定テーブル8は、パルスデューティー範囲81と、このパルスデューティー範囲81に対応するしきい値レベル82と、しきい値レベル82に対応する基準電圧レベル83と、しきい値レベル82の初期値を指定する初期設定値84と、パルスデューティーを取得する所定期間85とが、標準電波の種類ごとに設定されている。
(4)電波修正時計1の動作
次に、上記のような電波修正時計1における、標準電波による時刻修正動作について説明する。
図14は、電波修正時計1の時刻修正動作を示すフローチャートである。
次に、上記のような電波修正時計1における、標準電波による時刻修正動作について説明する。
図14は、電波修正時計1の時刻修正動作を示すフローチャートである。
電波修正時計1の製造時には、しきい値設定テーブル8が記憶部42に書き込まれて記憶される。また、電波修正時計1の製造時には、受信する標準電波の種類として、例えばJJYが設定される。したがって、受信回路の製造時では、電波修正時計1は、JJYに含まれるTCがデコード可能な状態に設定されている。なお、受信する電波の種類は、基本的には前回受信時の標準電波が選択されるが、前回受信時以降に外部操作部材6を操作することでユーザーが設定することができる。
図14において、あらかじめ設定された自動受信時刻になった場合と、外部操作部材6によって手動受信操作が行われた場合、電波修正時計1の制御部46は、受信処理を開始する(ステップS1)。
自動受信時刻は、たとえば、午前2時など、都市ノイズが少ない時間帯などが設定されるが、この自動受信時刻をユーザーがあらかじめ設定してもよい。そして、制御部46は、時刻カウンター44にてカウントされる時刻を監視し、時刻カウンター44にてカウントされる時刻が、予め設定された時刻(たとえば午前2時)となったことを認識すると、自動受信処理を開始する(S1)。
自動受信時刻は、たとえば、午前2時など、都市ノイズが少ない時間帯などが設定されるが、この自動受信時刻をユーザーがあらかじめ設定してもよい。そして、制御部46は、時刻カウンター44にてカウントされる時刻を監視し、時刻カウンター44にてカウントされる時刻が、予め設定された時刻(たとえば午前2時)となったことを認識すると、自動受信処理を開始する(S1)。
受信処理が開始されると、制御部46は、始めに受信局(標準電波の種類)を選択する(S2)。受信局は、前述の通り、初期設定はJJYであるが、それ以降は原則、前回の受信局が設定され、ユーザーが局を選択している場合にはその選択した局が設定される。
受信局が選択されると、制御部46は、二値化回路37のしきい値レベルの初期値を設定する制御信号をデコード回路39に出力する。すると、VREF切替回路38で基準電圧VREFが選択され、しきい値レベルが設定される。前述の通り、JJYやWWVBでは、初期値として水準2が設定されているため、VREF切替回路38はしきい値として基準電圧VREF2を設定する。
受信局が選択されると、制御部46は、二値化回路37のしきい値レベルの初期値を設定する制御信号をデコード回路39に出力する。すると、VREF切替回路38で基準電圧VREFが選択され、しきい値レベルが設定される。前述の通り、JJYやWWVBでは、初期値として水準2が設定されているため、VREF切替回路38はしきい値として基準電圧VREF2を設定する。
次に、制御部46は、秒同期処理を行う(S3)。すなわち、受信回路部3は、アンテナ2にて受信された標準電波を、同調回路31で電圧信号(受信信号)に変換し、第1増幅回路32、バンドパスフィルター33、第2増幅回路34、包絡線検波回路35により、受信信号を所定レベルに増幅し、所望の周波数帯域の信号を抽出し、整流およびろ波して包絡線信号とする。さらに、この包絡線信号を二値化回路37により二値化してTCO信号とし、このTCO信号を制御回路部4に出力する。
そこで、制御部46は、デューティー検出判断部43に入力されたTCO信号の立ち上がりタイミングが1秒間隔になったかを確認することで、秒同期を確立する。
そこで、制御部46は、デューティー検出判断部43に入力されたTCO信号の立ち上がりタイミングが1秒間隔になったかを確認することで、秒同期を確立する。
制御部46は、秒同期確立後、タイムコードの0秒位置を確認するため、フレーム同期(分同期)を確立する(S4)。例えば、日本の標準電波JJYでは、P0およびMのマーカーが連続する部分がタイムコードの開始時点となり、この連続するマーカーを検出することでフレーム同期を確立することができる。
制御部46は、フレーム同期が確立し、タイムコードの0秒位置を確定したら、そこからの1分間の受信データにおいて、あらかじめ設定された所定期間になったか、つまり信号が固定された固定データを受信するタイミングになったかを判定する(S5)。
所定期間は、図13に示すように、JJYでは、55〜58秒の4秒間であり、WWVBでは、9〜11秒の3秒間と、19〜21秒の3秒間である。
所定期間は、図13に示すように、JJYでは、55〜58秒の4秒間であり、WWVBでは、9〜11秒の3秒間と、19〜21秒の3秒間である。
制御部46は、S5で所定期間になるまで待ち、所定期間になったら(S5でYes)、その期間の受信データのパルスデューティーを、デューティー検出判断部43によって取得する(S6)。デューティー検出判断部43におけるパルスデューティーの取得方法は前述の図11または図12で説明した方法で行われる。
制御部46は、デューティー検出判断部43で取得したパルスデューティーを、しきい値設定テーブル8のパルスデューティー範囲81と比較し、適切なレベルになっているかを判断する(S7)。
すなわち、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが75〜85%(75%以上、85%未満)の場合は、理論値である80%に近いため、しきい値レベルも適切であると判断できる。この場合、S7では、適切なレベルに設定されているため、Yesと判断され、しきい値レベルはそのまま維持される。すなわち、本実施形態では、パルスデューティーの適正範囲(水準値)を、理論値である80%を含む75〜85%の範囲とし、測定したパルスデューティーがこの水準値に該当する場合には、しきい値レベルも適切であると判断し、しきい値もそのまま維持する。
すなわち、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが75〜85%(75%以上、85%未満)の場合は、理論値である80%に近いため、しきい値レベルも適切であると判断できる。この場合、S7では、適切なレベルに設定されているため、Yesと判断され、しきい値レベルはそのまま維持される。すなわち、本実施形態では、パルスデューティーの適正範囲(水準値)を、理論値である80%を含む75〜85%の範囲とし、測定したパルスデューティーがこの水準値に該当する場合には、しきい値レベルも適切であると判断し、しきい値もそのまま維持する。
一方、取得したパルスデューティーが75〜85%の範囲外の場合には、しきい値レベルが適切でないと判断できるので、制御部46は、しきい値設定テーブル8を参照してしきい値レベルを変更する(S8)。
たとえば、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが85%以上であれば、しきい値を超える信号の割合が多すぎ、しきい値レベルが低すぎると判断できる。このため、しきい値レベルを水準1に変更し、しきい値を基準電圧VREF1に変更する。
同様に、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが61〜75%(61%以上、75%未満)の場合、しきい値を超える信号の割合がやや少なく、しきい値レベルがやや高いと判断できる。このため、しきい値レベルを水準3に変更し、しきい値を基準電圧VREF3に変更する。
さらに、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが61%未満の場合、しきい値を超える信号の割合が少なすぎ、しきい値レベルが高いと判断できる。このため、しきい値レベルを水準4まで2段階低下させ、しきい値を基準電圧VREF4に変更する。
たとえば、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが85%以上であれば、しきい値を超える信号の割合が多すぎ、しきい値レベルが低すぎると判断できる。このため、しきい値レベルを水準1に変更し、しきい値を基準電圧VREF1に変更する。
同様に、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが61〜75%(61%以上、75%未満)の場合、しきい値を超える信号の割合がやや少なく、しきい値レベルがやや高いと判断できる。このため、しきい値レベルを水準3に変更し、しきい値を基準電圧VREF3に変更する。
さらに、JJYを受信している場合、取得したパルスデューティーが61%未満の場合、しきい値を超える信号の割合が少なすぎ、しきい値レベルが高いと判断できる。このため、しきい値レベルを水準4まで2段階低下させ、しきい値を基準電圧VREF4に変更する。
S7,S8の処理は、58秒のビットを受信した直後に処理できるので、二値化回路37は、次のフレームから適切なレベルのしきい値で二値化処理を行ってTCO信号を出力し、TCOデコード部41はそのTCO信号をデコードしてタイムコードを取得する(S9)。
すなわち、本実施形態は、タイムコードのデコードを行うまえに正確なTCOを出力させるためのものであり、受信する標準電波に応じた最適なパルスデューティーが得られたと判断できた後、タイムコード取得(S9)のフローに移行する。
二値化用のしきい値の調整は、前述の通り、測定したパルスデューティーの値に応じて二値化用のしきい値の水準を決定しており、具体的には、測定した値が大きければ二値化用のしきい値を上げ、測定した値が小さければ二値化用のしきい値を下げている。このため、所定の範囲内にパルスデューティーが収まるよう制御できる。
なお、S7,S8で、二値化のしきい値レベルを決めたら、タイムコード取得中は固定する。タイムコードの取得中にしきい値レベルを変更してしまうと、ビットデータを誤検出し、正確なデコードができない可能性があるためである。
すなわち、本実施形態は、タイムコードのデコードを行うまえに正確なTCOを出力させるためのものであり、受信する標準電波に応じた最適なパルスデューティーが得られたと判断できた後、タイムコード取得(S9)のフローに移行する。
二値化用のしきい値の調整は、前述の通り、測定したパルスデューティーの値に応じて二値化用のしきい値の水準を決定しており、具体的には、測定した値が大きければ二値化用のしきい値を上げ、測定した値が小さければ二値化用のしきい値を下げている。このため、所定の範囲内にパルスデューティーが収まるよう制御できる。
なお、S7,S8で、二値化のしきい値レベルを決めたら、タイムコード取得中は固定する。タイムコードの取得中にしきい値レベルを変更してしまうと、ビットデータを誤検出し、正確なデコードができない可能性があるためである。
そして、制御部46は、正確なTCが取得されたか否かを判断し(S10)、正確なTCが取得された場合、受信回路部3における標準電波の受信動作を終了させる(S11)。この後、制御部46は、取得したTCを時刻カウンター44に出力し、時刻カウンター44の各カウンター値を修正し、表示部5の表示時刻を修正する(S12)。そして、通常運針に戻る(S13)。
一方、ステップS10において、正確なTCが取得できなかった場合は、制御部46は、受信回路部3における標準電波の受信動作を終了させ(S14)、通常運針に戻る(S13)。
一方、ステップS10において、正確なTCが取得できなかった場合は、制御部46は、受信回路部3における標準電波の受信動作を終了させ(S14)、通常運針に戻る(S13)。
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態の電波修正時計1では、デューティー検出判断部43は、標準電波の種類ごとに設定された所定期間のTCO信号のパルスデューティーを検出している。この際、前記所定期間は、信号が固定されたビットであるため、パルスデューティーの理論値をあらかじめ把握できる。従って、実際に検出されたパルスデューティーと、前記理論値とを比較すれば、二値化回路37のしきい値が適切なレベルであるかを確実に判断できる。
さらに、本実施形態の制御部46は、デューティー検出判断部43で検出されたパルスデューティーを、しきい値設定テーブル8のパルスデューティー範囲81と比較しており、かつ、しきい値設定テーブル8には測定されたパルスデューティーに応じて設定すべきしきい値レベルが、あらかじめ設定されているので、二値化回路37のしきい値を適切なレベルに直ちに変更することができる。従って、二値化回路37は、次のフレームから正しいTCO信号を出力することができ、TCOデコード部41において正確なTCを取得できる。よって、このデコードされたTCにより電波修正時計1の時刻修正処理を正確に実施することができる。
本実施形態の電波修正時計1では、デューティー検出判断部43は、標準電波の種類ごとに設定された所定期間のTCO信号のパルスデューティーを検出している。この際、前記所定期間は、信号が固定されたビットであるため、パルスデューティーの理論値をあらかじめ把握できる。従って、実際に検出されたパルスデューティーと、前記理論値とを比較すれば、二値化回路37のしきい値が適切なレベルであるかを確実に判断できる。
さらに、本実施形態の制御部46は、デューティー検出判断部43で検出されたパルスデューティーを、しきい値設定テーブル8のパルスデューティー範囲81と比較しており、かつ、しきい値設定テーブル8には測定されたパルスデューティーに応じて設定すべきしきい値レベルが、あらかじめ設定されているので、二値化回路37のしきい値を適切なレベルに直ちに変更することができる。従って、二値化回路37は、次のフレームから正しいTCO信号を出力することができ、TCOデコード部41において正確なTCを取得できる。よって、このデコードされたTCにより電波修正時計1の時刻修正処理を正確に実施することができる。
JJYでは連続する4秒間の固定データ期間のパルスデューティーを検出し、WWVBでは連続する3秒間の2箇所の固定データ期間のパルスデューティーを検出している。このように、いずれも複数個の連続するビットのデータに基づいてパルスデューティーを検出しているので、たとえば1つのビットのみで判断する場合に比べて、ノイズなどの影響を軽減でき、しきい値レベルを適切に判断できる。
パルスデューティーの検出と、二値化回路37のしきい値の判断および変更は、フレーム同期後の1分間のタイムコードを受信中に行うことができる。このため、次のフレームから正しいTCO信号を出力して正確なTCを取得できる。
従って、従来のように、数分間の電波受信を行って、複数のタイムコードを取得してTCを取得してからでないと、二値化回路37のしきい値が適切なレベルに設定されているか否かを判断できない場合に比べて、短時間で判断可能である。従って、電波修正時計における平均的な受信時間も短縮でき、省電力化が図れる。
さらに、二値化回路37における基準電圧VREFを変更できるので、受信環境が多少悪化していても、その受信信号に適したしきい値レベルに調整でき、正しいタイムコードを取得できる。従って、ノイズ環境や受信電波の強弱などの受信環境の影響を軽減でき、正しい時刻に修正することができる。
従って、従来のように、数分間の電波受信を行って、複数のタイムコードを取得してTCを取得してからでないと、二値化回路37のしきい値が適切なレベルに設定されているか否かを判断できない場合に比べて、短時間で判断可能である。従って、電波修正時計における平均的な受信時間も短縮でき、省電力化が図れる。
さらに、二値化回路37における基準電圧VREFを変更できるので、受信環境が多少悪化していても、その受信信号に適したしきい値レベルに調整でき、正しいタイムコードを取得できる。従って、ノイズ環境や受信電波の強弱などの受信環境の影響を軽減でき、正しい時刻に修正することができる。
また、制御部46は、基準電圧VREFの変更は1回の受信処理中に1回のみであり、TCOデコード部41にてTCO信号をTCにデコードしている間、VREF切替回路38にて設定される基準電圧を維持し、二値化回路37における基準電圧が変更されない。
このため、デコード中に基準電圧が変化することがないので、例えばビット化けなどにより正確なデコードが阻害されるなどの不都合が回避でき、正確なTCをデコードすることができる。
このため、デコード中に基準電圧が変化することがないので、例えばビット化けなどにより正確なデコードが阻害されるなどの不都合が回避でき、正確なTCをデコードすることができる。
さらに、受信回路部3は、デコード回路39を備え、デコード回路39にて制御回路部4から入力された制御信号をデコードし、デコードされた制御信号をVREF切替回路38に出力している。
このため、デコード回路39が制御信号をデコードするので、制御回路部4から出力される制御信号を簡易な信号に設定することができ、通信される信号の信頼性を向上させることができる。
このため、デコード回路39が制御信号をデコードするので、制御回路部4から出力される制御信号を簡易な信号に設定することができ、通信される信号の信頼性を向上させることができる。
さらに、電波修正時計1は、JJYやWWVB等、複数の標準電波に対応している。したがって、例えば異なる標準電波が発信される場所に移動した場合でも、外部操作部材6を操作して標準電波の種類を設定するだけで、容易に、かつ正確な時刻の修正を実施できる。
そして、受信回路部3と制御回路部4とは、シリアル通信線により接続されている。このため、受信回路部3および制御回路部4をパラレル通信回路で接続する場合に比べて、通信線の数を減らすことができ、電波修正時計1における回路構成をより簡略化することができる。また、制御回路部4から受信回路部3にシリアル通信線を介して制御信号をシリアル出力することで、通信速度をより高速化することができる。さらには、制御回路部4と受信回路部3とを一対のシリアル通信線で接続し、双方向通信が可能な構成とすることで、制御部46から受信回路部3に制御信号を出力した後、当該受信回路部3が、受信および認識した制御信号を制御部46に再度転送し、制御部46にて出力した制御信号と入力した制御信号とのデータの差異を確認することができる。このような構成にすることで、より信頼性の高いシリアル通信を行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態の電波修正時計について説明する。
第1実施形態は、自動受信および手動受信のいずれの場合でも適用できたが、第2実施形態は自動受信モード、つまり受信時刻が判明している場合に適用されるものである。
また、第1実施形態は、固定データが連続した期間がないためにDCF77では適用できなかったが、第2実施形態では、時のデータを表すビット期間を用いてパルスデューティーを検出し、二値化回路37のしきい値レベルを判断しているので、JJY,WWVBだけでなく、DCF77などにも適用できる点が相違する。
次に本発明の第2実施形態の電波修正時計について説明する。
第1実施形態は、自動受信および手動受信のいずれの場合でも適用できたが、第2実施形態は自動受信モード、つまり受信時刻が判明している場合に適用されるものである。
また、第1実施形態は、固定データが連続した期間がないためにDCF77では適用できなかったが、第2実施形態では、時のデータを表すビット期間を用いてパルスデューティーを検出し、二値化回路37のしきい値レベルを判断しているので、JJY,WWVBだけでなく、DCF77などにも適用できる点が相違する。
上記の通り、第2実施形態は、デューティー検出判断部43においてパルスデューティーを検出して判断する期間が異なるものである。このため、回路構成は第1実施形態の電波修正時計1と同一であるため、説明を省略する。
図15は、第2実施形態の処理を説明するためのタイムコードの一部を示す図である。
自動受信の場合は、内部の時刻カウンター44に基づき予め時間が決まっているので、時の桁のデータを固定データとして扱うことができる。たとえば、自動受信モードでは、通常、電波環境が良くなる夜中の2時、3時、4時、5時に行われるようにプログラムされている。
そして、JJYやWWVBでは、時を示すビットにおける12秒から15秒のビットは、8時以降でなければ「1」にならないため、前記2〜5時の自動受信時は、「0」に固定されているはずであり、固定データとして扱うことができる。
さらに、JJYやWWVBでは、その前の9秒からの固定データを追加して7秒間のデータのパルスデューティーを検出してもよい。たとえば、前記自動受信時では、9秒にはデューティーが20%の「P」信号が設定され、10秒から15秒の6秒間にはパルスデューティーが80%の「0」信号が設定される。そのため、9〜15秒までの7秒間のパルスデューティーの理論値は、(0.2×1+0.8×6)/7=71.43%となる。
自動受信の場合は、内部の時刻カウンター44に基づき予め時間が決まっているので、時の桁のデータを固定データとして扱うことができる。たとえば、自動受信モードでは、通常、電波環境が良くなる夜中の2時、3時、4時、5時に行われるようにプログラムされている。
そして、JJYやWWVBでは、時を示すビットにおける12秒から15秒のビットは、8時以降でなければ「1」にならないため、前記2〜5時の自動受信時は、「0」に固定されているはずであり、固定データとして扱うことができる。
さらに、JJYやWWVBでは、その前の9秒からの固定データを追加して7秒間のデータのパルスデューティーを検出してもよい。たとえば、前記自動受信時では、9秒にはデューティーが20%の「P」信号が設定され、10秒から15秒の6秒間にはパルスデューティーが80%の「0」信号が設定される。そのため、9〜15秒までの7秒間のパルスデューティーの理論値は、(0.2×1+0.8×6)/7=71.43%となる。
従って、JJYやWWVBでは、9〜15秒の期間にデューティー検出判断部43で検出されたTCO信号のパルスデューティーが前記71.43%を中心に所定の範囲内にあれば、二値化回路37のしきい値は適切なレベルに設定されていると判定できる。一方、所定範囲外であれば、しきい値を調整して、前記パルスデューティーが前記所定範囲内となるように設定すればよい。
たとえば、図16のしきい値設定テーブル8Aに示すように、前記所定の範囲を66%以上、76%未満に設定しており、かつ、前記第1実施形態と同様に、水準2を初期値に設定している場合、デューティー検出判断部43で検出されたパルスデューティーが76%以上であれば、しきい値を水準1と一段階高くすればよく、56%以上、66%未満であればしきい値を水準3とし、56%未満であれば水準4と低くすればよい。
たとえば、図16のしきい値設定テーブル8Aに示すように、前記所定の範囲を66%以上、76%未満に設定しており、かつ、前記第1実施形態と同様に、水準2を初期値に設定している場合、デューティー検出判断部43で検出されたパルスデューティーが76%以上であれば、しきい値を水準1と一段階高くすればよく、56%以上、66%未満であればしきい値を水準3とし、56%未満であれば水準4と低くすればよい。
また、DCF77の場合は、時のデータがある39秒から41秒のデータを0として固定し、パルスデューティーが90%となるように二値化用のしきい値を調整すればよい。
たとえば、図16に示すように、パルスデューティー範囲81Aを設定し、しきい値を調整すればよい。
たとえば、図16に示すように、パルスデューティー範囲81Aを設定し、しきい値を調整すればよい。
なお、自動受信処理時の所定期間は、「分」のデータを受信する期間に設定することもできるが、第2実施形態では、以下の理由から、「時」のデータを受信する期間に設定している。
すなわち、自動受信は、通常、1日に1回、決められた時刻に実施される。このため、実際に受信する標準電波の「時」のデータも、同じ時刻である可能性が高い。また、ユーザーが手動で時刻修正を行う場合に、「分」は多少ずれて設定してしまう可能性があるが、「時」を誤って設定する可能性は低い。
従って、内部時刻に基づいて自動受信した場合、内部時刻の「時」のデータと、標準電波の「時」のデータが大きく異なる可能性は低い。このため、「時」のデータを受信する期間に所定期間を設定しているのである。
すなわち、自動受信は、通常、1日に1回、決められた時刻に実施される。このため、実際に受信する標準電波の「時」のデータも、同じ時刻である可能性が高い。また、ユーザーが手動で時刻修正を行う場合に、「分」は多少ずれて設定してしまう可能性があるが、「時」を誤って設定する可能性は低い。
従って、内部時刻に基づいて自動受信した場合、内部時刻の「時」のデータと、標準電波の「時」のデータが大きく異なる可能性は低い。このため、「時」のデータを受信する期間に所定期間を設定しているのである。
なお、時のデータにおいても、4時の自動受信だからといって、タイムコードの16秒目を「1」と決めてしまうと誤判定の危険がある。すなわち、時刻カウンター44が30分以上ずれている可能性はあり、そうなると16秒から18秒のデータは1bit変わってしまうので使用しないほうがよい。
このため、第2実施形態では、自動受信処理が2時、3時、4時、5時に行われることを前提に、「時」のデータにおいて、設定された自動受信時刻に影響される可能性が低いビット、すなわち自動受信時刻では「0」に設定されている可能性が高い20h,10h,8hのビットを受信する期間を所定期間としている。
このため、第2実施形態では、自動受信処理が2時、3時、4時、5時に行われることを前提に、「時」のデータにおいて、設定された自動受信時刻に影響される可能性が低いビット、すなわち自動受信時刻では「0」に設定されている可能性が高い20h,10h,8hのビットを受信する期間を所定期間としている。
一方で、自動受信時刻の設定によっては、「時」のデータに所定期間を設定することが難しい場合もある。たとえば、自動受信時刻が8時以降の場合、20h,10h,8hのビットが「1」となる可能性もある。この際、4h,2h,1hのビットも、時刻によって「1」や「0」となるため、固定できない。
このような場合は、「時」ではなく、「分」のデータに所定期間を設定してもよい。たとえば、電波修正時計の受信処理は電力消費を抑えるために、受信開始から数分(たとえば5〜8分程度)で停止される。従って、自動受信処理が正時(0分)から実施される場合、標準電波の分データのビットのうち、40m,20m,10mのビットは「0」に設定されているはずである。従って、たとえば、JJYでは、「分」のデータを受信する1〜4秒の4秒間のデータのパルスデューティーを検出して判断することも可能である。
このような場合は、「時」ではなく、「分」のデータに所定期間を設定してもよい。たとえば、電波修正時計の受信処理は電力消費を抑えるために、受信開始から数分(たとえば5〜8分程度)で停止される。従って、自動受信処理が正時(0分)から実施される場合、標準電波の分データのビットのうち、40m,20m,10mのビットは「0」に設定されているはずである。従って、たとえば、JJYでは、「分」のデータを受信する1〜4秒の4秒間のデータのパルスデューティーを検出して判断することも可能である。
[電波修正時計の動作]
次に、第2実施形態の電波修正時計における、標準電波による時刻修正動作について図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、図17のフローチャートにおいて、図14に示す第1実施形態のフローチャートと同じ処理には同じ符号を付し、説明を省略する。
次に、第2実施形態の電波修正時計における、標準電波による時刻修正動作について図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、図17のフローチャートにおいて、図14に示す第1実施形態のフローチャートと同じ処理には同じ符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、制御部46は、自動受信モードで動作されており、まず、あらかじめ設定された自動受信時刻になったか否かを判定する(S21)。自動受信時刻は、前述のとおり、午前2,3,4,5時など、都市ノイズが少ない時間帯などが設定される。なお、通常は、1日に1回受信すればよいので、自動受信時刻は、前記午前2,3,4,5時のいずれか1つの時刻が設定される。また、設定された自動受信時刻でTCの取得に失敗した場合は、翌日に受信してもよいし、当日、所定時間後に再度受信してもよい。ただし、再受信時刻が午前5時以降とならないように設定しておく必要がある。
制御部46は、S21で「Yes」と判定すると、第1実施形態と同じく受信スタート(S1)、局選択(S2)、秒同期(S3)、フレーム同期(S4)の各処理を実行する。
そして、制御部46は、しきい値設定テーブル8Aで設定した所定期間85A、すなわち、時データの取得タイミングになったか否かを判定する(S22)。
そして、制御部46は、しきい値設定テーブル8Aで設定した所定期間85A、すなわち、時データの取得タイミングになったか否かを判定する(S22)。
S22で「Yes」と判定されると、制御部46は、その期間の受信データのパルスデューティーを、デューティー検出判断部43によって取得する(S23)。
そして、制御部46は、デューティー検出判断部43で取得したパルスデューティーを、しきい値設定テーブル8Aのパルスデューティー範囲81Aと比較し、適切なレベルになっているかを判断する(S7)。
そして、制御部46は、デューティー検出判断部43で取得したパルスデューティーを、しきい値設定テーブル8Aのパルスデューティー範囲81Aと比較し、適切なレベルになっているかを判断する(S7)。
S7で「No」と判定された場合、制御部46は、しきい値設定テーブル8Aのしきい値レベル82に基づいて、しきい値を変更する(S8)。一方、S7で「Yes」と判定された場合、制御部46は、第1実施形態と同じく、しきい値を変更しない。
そして、制御部46は、タイムコードの取得処理(S9)から通常運針処理(S13)まで、第1実施形態と同じ処理を実行する。
そして、制御部46は、タイムコードの取得処理(S9)から通常運針処理(S13)まで、第1実施形態と同じ処理を実行する。
[第2実施形態の効果]
以上のような第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
さらに、第2実施形態は、自動受信時刻に基づいて、時のデータを受信している期間内に、パルスデューティーを測定する期間を設定しているので、固定された連続ビットが存在しないために第1実施形態では適用できないドイツDCF77を受信する場合にも利用できる利点がある。
以上のような第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
さらに、第2実施形態は、自動受信時刻に基づいて、時のデータを受信している期間内に、パルスデューティーを測定する期間を設定しているので、固定された連続ビットが存在しないために第1実施形態では適用できないドイツDCF77を受信する場合にも利用できる利点がある。
また、制御部46は、午前2時から午前5時までの間で予め設定された自動受信時刻で標準電波を受信し、時刻修正動作を実施している。午前2時から午前5時までの間は、電子機器などから発生する電磁波やその他の通信機器の通信電波などによるノイズなどの影響が少ないので、信号波形の乱れなどが少ない良好な標準電波を受信することができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、電波修正時計としては、図18に示す電波修正時計1Bであってもよい。
電波修正時計1Bの受信回路部3Bは、二値化手段として、コンパレーターを用いた二値化回路ではなく、ADコンバーター37Bおよびレベル選択部38Bを用いた点が相違する。この場合、ADコンバーター37Bのためのクロック信号が必要になる。
包絡線検波後のアナログ信号をデジタル化するADコンバーター37Bとして、10bitのADコンバーターを用いた場合、10本のデジタル信号がレベル選択部38Bに出力される。そこで、レベル選択部38Bは制御信号に基づきADコンバーター37Bの10bitの信号を、所定のレベルで2値化してTCO出力とする。
また、受信信号をサンプリングするという機能は、ADコンバーター37Bも、デューティー検出判断部43も同じであるので、デューティー検出判断部43をADコンバーター37Bに入れ込む構成とし、受信回路部3B内に構成することも可能である。
電波修正時計1Bの受信回路部3Bは、二値化手段として、コンパレーターを用いた二値化回路ではなく、ADコンバーター37Bおよびレベル選択部38Bを用いた点が相違する。この場合、ADコンバーター37Bのためのクロック信号が必要になる。
包絡線検波後のアナログ信号をデジタル化するADコンバーター37Bとして、10bitのADコンバーターを用いた場合、10本のデジタル信号がレベル選択部38Bに出力される。そこで、レベル選択部38Bは制御信号に基づきADコンバーター37Bの10bitの信号を、所定のレベルで2値化してTCO出力とする。
また、受信信号をサンプリングするという機能は、ADコンバーター37Bも、デューティー検出判断部43も同じであるので、デューティー検出判断部43をADコンバーター37Bに入れ込む構成とし、受信回路部3B内に構成することも可能である。
前記各実施形態において、受信処理時における二値化回路37の基準電圧VREFの初期値は、予め設定された固定値でもよいが、例えば、前回の受信処理時に設定した値を記憶しておき、次回の受信処理時には前回の設定値を初期値としてもよい。
この場合には、定時受信時のように、周囲の受信環境が一定している受信処理においては、前回の受信時に設定した値を初期値としておけば、前記基準電圧を切り替えることなく、所定期間の受信信号のパルスデューティーが、理論値に含む基準範囲値内になるように制御できる可能性が高い。従って、より短時間でかつ効率的に受信処理を行うことができる。
この場合には、定時受信時のように、周囲の受信環境が一定している受信処理においては、前回の受信時に設定した値を初期値としておけば、前記基準電圧を切り替えることなく、所定期間の受信信号のパルスデューティーが、理論値に含む基準範囲値内になるように制御できる可能性が高い。従って、より短時間でかつ効率的に受信処理を行うことができる。
前記各実施形態では、パルスデューティーを測定する所定期間として、タイムコードにおいて固定された信号を複数連続して受信する期間を設定していたが、たとえば、1つの固定ビットのみを受信する期間を所定期間としてもよい。ただし、1つの固定信号のみでパルスデューティーを求めると、受信環境などによっては、しきい値のレベルを適切に設定できないおそれもあるため、前記実施形態のように、複数の連続した信号を受信できる期間を設定することが好ましい。
前記各実施形態では、しきい値を一度変更したら、受信が完了するまでしきい値を固定していたが、しきい値の変更後に、再度、前記所定期間のパルスデューティーを測定して、しきい値が適切なレベルにあるかを判断し、適切でない場合にはレベルを変更してもよい。
たとえば、フレーム同期後の最初の1フレームの所定期間のパルスデューティーを測定し、しきい値設定テーブルを参照して、二値化回路37のしきい値を設定する。そして、次の1フレームでは、受信信号をTCOデコード部41でデコードしつつ、所定期間のパルスデューティーを測定し、しきい値が適切なレベルであるかを確認する。ここで、しきい値が適切なレベルであれば、制御部46は、前記デコードしていたTCをそのまま利用すればよい。一方、しきい値が適切なレベルではないと判断した場合、制御部46は、再度、二値化回路37のしきい値を変更する。この処理を繰り返すことで、しきい値を適切なレベルに設定できる。
さらに、このような処理を行う場合には、しきい値設定テーブル8,8Aに設定するパルスデューティー範囲81,81Aは、適切な範囲、つまり前記しきい値設定テーブル8,8Aでは水準2に対応する範囲のみ設定しておき、測定したパルスデューティーが前記範囲よりも大きい場合には、しきい値のレベルを一段階高くし、前記範囲よりも小さい場合には、しきい値のレベルを一段階低くすることで、しきい値を設定できる。
たとえば、フレーム同期後の最初の1フレームの所定期間のパルスデューティーを測定し、しきい値設定テーブルを参照して、二値化回路37のしきい値を設定する。そして、次の1フレームでは、受信信号をTCOデコード部41でデコードしつつ、所定期間のパルスデューティーを測定し、しきい値が適切なレベルであるかを確認する。ここで、しきい値が適切なレベルであれば、制御部46は、前記デコードしていたTCをそのまま利用すればよい。一方、しきい値が適切なレベルではないと判断した場合、制御部46は、再度、二値化回路37のしきい値を変更する。この処理を繰り返すことで、しきい値を適切なレベルに設定できる。
さらに、このような処理を行う場合には、しきい値設定テーブル8,8Aに設定するパルスデューティー範囲81,81Aは、適切な範囲、つまり前記しきい値設定テーブル8,8Aでは水準2に対応する範囲のみ設定しておき、測定したパルスデューティーが前記範囲よりも大きい場合には、しきい値のレベルを一段階高くし、前記範囲よりも小さい場合には、しきい値のレベルを一段階低くすることで、しきい値を設定できる。
さらに、上記実施の形態において、電波修正時計1,1Bは、周波数の変換を実施しないストレート方式の例を示したが、これに限定されず、例えばスーパーヘテロダイン方式受信回路部を有する電波修正時計としてもよい。このような場合、受信周波数の切り替えは、バンドパスフィルターの切り替えではなく、VCO(Voltage Controlled Oscillator)の発信周波数または分周比の切り替えにて行えばよい。
さらに、第1,2実施形態において、VREF切替回路38による基準電圧を切り替えることにより二値化回路37における基準電圧の切り替えを実施したが、これに限られない。例えば、基準電圧を固定し、コンパレーターのオフセット値を変化させる回路を設ける構成としてもよく、さらには、PchトランジスターとNchトランジスターの能力を変えるインバーターを複数設けることで閾値を変化させる構成としてもよい。
さらに、前記各実施形態では、パルスデューティーとしきい値との関係を設定したしきい値設定テーブル8,8Aを用いていたが、このようなテーブルを用いずに設定してもよい。たとえば、レベル切替手段である制御部46において、測定したパルスデューティーの値を代入すると、しきい値を求めることができるような演算式を設定してもよいし、制御部46で実行されるプログラムに組み込んで設定してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1,1B…電波修正時計、2…アンテナ、3,3B…受信回路部、4…制御回路部、5…表示部、6…外部操作部材、8,8A…しきい値設定テーブル、35…包絡線検波回路、36…AGC回路、37…二値化回路、37B…ADコンバーター、38…VREF切替回路、38B…レベル選択部、39…デコード回路、41…TCOデコード部、42…記憶部、43…デューティー検出判断部、44…時刻カウンター、45…駆動回路部、46…制御部、381…定電圧源、382…定電流源。
Claims (8)
- タイムコードを有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて内部時計の時刻を修正する電波修正時計であって、
前記標準電波を受信する受信手段と、
前記標準電波の受信信号を所定のしきい値に基づいて二値化して二値化信号を出力する二値化手段と、
前記二値化信号に基づいてフレーム同期を確立した後に、前記タイムコードの種類に応じて予め設定される所定の期間の前記二値化信号のパルスデューティーを測定するデューティー測定手段と、
前記二値化手段のしきい値を、前記デューティー測定手段で測定されたパルスデューティーに応じたしきい値に変更するレベル切替手段と、
前記レベル切替手段で前記二値化手段のしきい値が変更された後の二値化信号をデコードしてタイムコードを復調するタイムコードデコード手段と、
を備えることを特徴とする電波修正時計。 - 請求項1に記載の電波修正時計において、
前記所定の期間とは、受信するタイムコードにおいて、時刻によって変化しない固定されたビットが、所定数連続する期間である
ことを特徴とする電波修正時計。 - 請求項1に記載の電波修正時計において、
前記受信手段は、前記内部時計の時刻が所定の時刻になった際に受信を開始する自動受信モードを備え、
前記自動受信モードによって受信処理を行う場合には、前記所定の期間とは、タイムコードにおける「時」または「分」のデータを受信している期間に設定される
ことを特徴とする電波修正時計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電波修正時計において、
前記二値化信号のパルスデューティーと、二値化手段のしきい値との関係が設定されたしきい値設定テーブルが記憶される記憶手段を備え、
前記レベル切替手段は、前記しきい値設定テーブルを参照し、前記デューティー測定手段で測定されたパルスデューティーに応じたしきい値を求めて前記二値化手段のしきい値を変更する
ことを特徴とする電波修正時計。 - 請求項4に記載の電波修正時計において、
前記受信手段は、複数種類の標準電波を選択して受信するものであり、
前記しきい値設定テーブルは、前記複数種類の標準電波ごとに、前記パルスデューティーの値としきい値の関係と、前記所定の期間とが記憶され、
前記デューティー測定手段は、前記しきい値設定テーブルを参照し、前記所定の期間と、前記しきい値とを設定する
ことを特徴とする電波修正時計。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の電波修正時計において、
前記受信手段、前記二値化手段、および前記二値化手段におけるしきい値を調整するしきい値調整手段を備える受信回路部と、
前記記憶手段と、前記デューティー測定手段と、前記レベル切替手段と、前記タイムコードデコード手段を備え、前記レベル切替手段から出力される制御信号を前記受信回路部に出力して前記受信回路部における前記標準電波の受信状態を制御する制御回路部と、を具備し、
前記受信回路部は、
前記制御回路部の前記レベル切替手段から出力される前記制御信号をデコードし、デコードされた制御信号を前記しきい値調整手段に出力する制御信号デコード手段を備えた
ことを特徴とする電波修正時計。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の電波修正時計において、
前記レベル切替手段は、受信動作を開始して前記二値化手段のしきい値を調整した後、タイムコードをデコード中は前記しきい値を変更せずに固定する
ことを特徴とする電波修正時計。 - タイムコードを有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて時刻修正を実施する電波修正時計の制御方法であって、
前記標準電波を受信し、
前記標準電波の受信信号を所定のしきい値に基づいて二値化して二値化信号を出力し、
前記二値化信号に基づいてフレーム同期を確立した後に、前記タイムコードの種類に応じて予め設定される所定の期間の前記二値化信号のパルスデューティーを測定し、
前記二値化用のしきい値を、測定された前記パルスデューティーに応じたしきい値に変更し、
二値化用のしきい値が変更された後の二値化信号をデコードしてタイムコードを復調する
ことを特徴とする電波修正時計の制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011055838A JP2012189556A (ja) | 2011-03-14 | 2011-03-14 | 電波修正時計、およびその制御方法 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014077695A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Seiko Epson Corp | 電波修正時計および電波修正時計の時刻修正方法 |
JP2020180877A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | シチズン時計株式会社 | 電波時計 |
-
2011
- 2011-03-14 JP JP2011055838A patent/JP2012189556A/ja not_active Withdrawn
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JP7201527B2 (ja) | 2019-04-25 | 2023-01-10 | シチズン時計株式会社 | 電波時計 |
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