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JP2012174335A - リード部材 - Google Patents

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暁彦 田口
Hiroyasu Sugiyama
博康 杉山
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Abstract

【課題】 銅にニッケルをメッキしたリード部材であって、ニッケル製金属箔との接続強度が十分であり、かつ折り曲げてもメッキ層にクラックが生じないリード部材を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明にかかるリード部材は、導体の長さ方向の中間部分に絶縁フィルムが前記導体の両面に貼り合わされたリード部材である。導体は銅である地金にニッケルがメッキされたものである。前記導体の厚さが0.05mm以上0.2mm以下の値であり前記導体の幅が2mm以上7mm以下の値であり、ニッケルメッキ層の厚さが2.5μm以上5.0μm以下の値である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄型電池の電極に接続されて電池外に出されるリード部材に関する。
薄型電池内の電池要素にリード部材を溶接することが特許文献1に開示されている。
負極端子リードにニッケルメッキ銅を使用し、電池間で負極端子リードと正極端子リードを溶接し、さらにリベット止めまたはネジ止めすることが特許文献2に開示されている。
特開2002−075324
特開2007−257849
電池の発電要素の一部である金属箔に一端が接続されて他端が電池外に取り出されるリード部材は、導体とその一部を覆う絶縁フィルムからなる。リード部材は絶縁フィルムの部分で電池の外装材と融着される。リード部材の外装材とが融着される箇所は絶縁フィルムはその部分の導体を覆っているので、導体は直接外装材と融着されない。
電池内の発電要素のうち負極となる金属箔にはニッケルが使用されることが多い。従来は、リード部材の導体は金属箔と同種金属が使用され、負極金属箔がニッケルである場合は負極用リード部材にはニッケルが使用されていた。金属箔とリード部材とは溶接されるが、従来はニッケルどうしの溶接であるので問題なく溶接できていた。
しかし、電池の容量が増えるにつれ、ニッケル製の負極用リード部材は電池使用時に電気抵抗により発熱して高温になるようになった。リード部材が高温になることで電池内のセパレータや外装材を封止している接着材が劣化して電池の機能が損なわれる問題が生じる。また、リード部材での無駄な電力消費も無視できない問題である。
そこで、負極用リード部材に抵抗の小さな銅を使用することが考えられる。しかし、無垢の銅を使用すると、銅を覆う絶縁フィルムが銅害で劣化し、その部分で電池外装材との密着が不十分となって電池内の電解液が漏れ出すなど電池として使用できなくなることがある。
そこで、銅にニッケルメッキをしたものを負極用リード部材として使用することが考えられる。しかし、ニッケルメッキ銅(負極用リード部材)とニッケル(負極金属箔)を溶接しても十分な接続強度が得られないという問題があった。そして、電池使用時にリード部材を折り曲げたときにメッキにクラックが生じて地金の銅が露出することがあるという問題があった。
本発明は、銅にニッケルをメッキしたリード部材であって、ニッケル製金属箔との接続強度が十分であり、かつ折り曲げてもメッキ層にクラックが生じないリード部材を提供することを課題とする。
本発明にかかるリード部材は、導体の長さ方向の中間部分に絶縁フィルムが前記導体の両面に貼り合わされたリード部材である。導体は銅である地金にニッケルがメッキされたものである。前記導体の厚さが0.05mm以上0.2mm以下の値であり前記導体の幅が2mm以上7mm以下の値であり、ニッケルメッキ層の厚さが2.5μm以上5.0μm以下の値である。
本発明のリード部材は、ニッケル製金属箔との接続強度が十分である。当該リード部材を折り曲げてもメッキにクラックが生じず、折り曲げて使用することができる。
本発明のリード部材を示す図である。 本発明のリード部材を示す断面図であり、図1のA−Aで切った断面図である。 リード部材と電極金属箔との溶接を説明する図である。 電池に使用されたリード部材の導体の折り曲げを説明する図である。 導体と金属箔との接続強度の測定方法を説明する図である。 導体を折り曲げる方法を説明する図である。
本発明のリード部材の外観を図1に示す。図1に示すA−Aの断面で矢印方向に見た図を図2に示す。
リード部材1は導体2と絶縁フィルム3とからなる。
絶縁フィルム3が架橋層3aと接着層3bとからなる。
接着層3bは酸変性されたポリエチレンまたはポリプロピレンをベース樹脂とする。接着層3bの厚さは0.01mm以上0.5mm以下とする。
架橋層3aはポリエチレンまたはポリプロピレンをベース樹脂とする。架橋助剤が0.5重量%以上10重量%以下含まれる。架橋層3aの厚さは0.05mm以上0.1mm以下とする。
導体2は厚さtが0.05m以上0.2mm以下、幅wが2mm以上7mm以下、長さLが20mm以上40mm以下である。導体2の中間部分の両面に絶縁フィルム3が貼り合わされる。電池の設計によるが、導体2の長さ方向の端2c、2dから数mmの部分には絶縁フィルム3が貼られず導体2が露出する。この絶縁フィルム3の長さMは3.5mm以上7mm以下である。
導体2は地金2aとメッキ層2bとからなる。地金2aは銅であり、メッキ層2bはニッケルである。導体2は絶縁フィルム3の接着層3bで取り囲まれている。
図2に示すように導体2の両面2e、2fおよび幅方向の端面2g、2hはメッキされている。絶縁フィルム3と地金(銅)2aの間にはメッキ層2bがあるので銅が直接絶縁フィルム3に接触することがない。したがって、絶縁フィルム3が銅害で劣化することがない。
本発明のリード部材1は長尺の導体2に絶縁フィルム3を所定の間隔で貼り合わせ、絶縁フィルム3間の所定の箇所で導体2を切断することにより製造することができる。この場合、導体2の切断面(導体の長さ方向の端面)2c、2dはメッキされていない。この端面2c、2dで銅が露出していても絶縁フィルム3と接触することがないので銅害のおそれがない。したがって、導体2の切断面(長さ方向の端面)2c,2dは銅が露出したままで構わない。
電極金属箔とリード部材とを溶接する場合、図3に示すように、両者を重ね合わせた箇所に溶接のための電極棒11を当て電極棒間に電流を流す。導体2の幅が4〜7mmであるので、電極棒11間の間隔は1〜3mmとなる。この間に数kVAの電力をかけて電極金属箔10とリード部材1の導体2とを抵抗加熱により溶かしてスポット溶接する。溶接される箇所は電極棒11先端が触れる箇所であり、直径1mm程度の部分である。
一方、溶接された電極金属箔10と導体とは所定の接続強度が要求される。この接続強度は電極金属箔10上に溶接された導体2をその一端を持って90度上に引き上げて剥がす(90度剥離)ときの力で示すことができる。2kg以上の力をかけなければ導体2が金属箔10から引き剥がされないことが要求される。本発明者が検討した結果、導体2の寸法が上記の場合、メッキ層2bの厚さにより接続強度が異なる。リード部材1の導体2であるニッケルメッキ銅のニッケルメッキ層2bの厚さが2.5μm以上であれば、電極金属箔(ニッケル)10とリード部材1の導体(ニッケルメッキ銅)2との接続強度が大きく接続は良好である。一方、ニッケルメッキ層2bの厚さが2.5μm未満であれば、電極金属箔(ニッケル)10とリード部材1の導体(ニッケルメッキ銅)2の接続強度が2.0kg未満となって接続不十分となることがある。
本発明のリード部材1は、一端が電極金属箔に接続される。リード部材1と電極金属箔10との接続部は外装材12に覆われる。電池本体は外装材およびその内部であり、リード部材の他端は電池本体の外に出される。絶縁フィルム3が外装材12に封止される。電池本体の外に出た導体2が外装材12の形状に合わせて絶縁フィルム3の端近傍で折り曲げられることがある。例えば、図4に示すように、直方体状の外装材12の一端から出た導体2が絶縁フィルム3の端で折り曲げられて外装材12の端面12aに密着するように折り曲げられる。このように導体2が折り曲げられてもメッキ層2bにクラックが入って地金2aの銅が露出しないことが要求される。
本発明者が検討した結果、導体2の厚さが0.05mm〜0.2mmであるときに、その導体のニッケルメッキ層2bの厚さが5μm以下であると180度折り曲げたときにメッキ層2bにクラックが入ることはなかった。しかし、ニッケルメッキ層2bが5μmよりも厚いと180度折り曲げたときにメッキ層2bにクラックが入って地金2aの銅が露出することがあった。
上述したように本発明のリード部材1は、ニッケルメッキされた銅箔2aを導体2とするものである。導体2の厚さが0.05mm以上0.2mm以下の値であり幅が2mm以上7mm以下の値であるという寸法であるときに、ニッケルメッキ層2bの厚さが2.5μm以上5.0μm以下の値とする。これにより、リード部材1をニッケル製電極金属箔10に接続したときの接続強度を確保し、かつ電池の外に出たリード部材1の導体2を折り返してもニッケルメッキ層2bにクラックが入らない。
下記の各例に示す寸法のリード部材について、ニッケル製金属箔に溶接したときの接続強度と、導体を折り曲げたときのメッキ層のクラック発生の有無を調べた。
ニッケル製金属箔との接続強度の測定方法を以下に述べる。
導体とニッケル製金属箔とをスポット溶接する。溶接条件は各例とも下記のようにする。
電極間距離 1.0mm
電極間にかける電力 3.5kVA
通電時間 3ミリ秒
図5に示すように導体2が溶接されたニッケル製金属箔10(厚さ0.2mm)を板13に接着して固定する。90度剥離試験機を使用して板13をスライドテーブル(不図示)に固定する。
導体端部2cを持ち、板13に対して90度上(図5に矢印で示す方向)に引き上げる。溶接箇所が剥離するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重が2.0kg以上のものをOK、2.0kg未満のものをNGとする。
導体を折り曲げたときにメッキにクラックが生じるか否か調べる方法を下記に述べる。
図6(A)に示すように導体2に0.1mmの厚さの銅箔14を置き、銅箔14の端部14aを支点にして導体2を180度折り曲げて、銅箔14の上に重ね合わせる。図6(B)に示すように折り曲げられた導体2を銅箔14の端部14aを支点にして元の状態に伸ばす(図6C)。導体の折り曲げられた箇所2iのメッキ層にクラックがないか観察する。
実施例1
銅箔の厚さ 0.05mm
銅箔の幅 2mm
ニッケルメッキ層の厚さ 2.5μm
接続強度 OK
折り曲げ時クラック なし
実施例2
銅箔の厚さ 0.2mm
銅箔の幅 7mm
ニッケルメッキ層の厚さ 5.0μm
接続強度 OK
折り曲げ時クラック なし
比較例1
銅箔の厚さ 0.1mm
銅箔の幅 4mm
ニッケルメッキ層の厚さ 1.0μm
接続強度 NG
折り曲げ時クラック なし
比較例2
銅箔の厚さ 0.2mm
銅箔の幅 7mm
ニッケルメッキ層の厚さ 10μm
接続強度 OK
折り曲げ時クラック あり
実施例に示したように、厚さが0.05mm以上0.2mm以下の値であり幅が2mm以上7mm以下の値である導体(銅箔)に、厚さが2.5μm以上5.0μm以下の値であるニッケルメッキをしたものであれば、ニッケル製金属箔に溶接したときの接続強度が2.0kg以上となりOKとなる。さらに、導体を180度折り返してもニッケルメッキ層にクラックが入らない。
一方、比較例に示したように銅箔の寸法が同様であっても、ニッケルメッキの厚さが本発明の範囲に入らなければ、接続強度が不十分であるかまたは折り返したときにニッケルメッキ層にクラックが入るという不都合がある。
1 リード部材
2 導体
3 絶縁フィルム
10 電極金属箔
12 外装材
13 板
14 銅箔

Claims (1)

  1. 導体の長さ方向の中間部分に絶縁フィルムが前記導体の両面に貼り合わされたリード部材であって、前記導体は銅である地金にニッケルがメッキされたものであり、前記導体の厚さが0.05mm以上0.2mm以下の値であり前記導体の幅が2mm以上7mm以下の値であり、かつニッケルメッキ層の厚さが2.5μm以上5.0μm以下の値であることを特徴とするリード部材。
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