JP2012173672A - 液晶パネル、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋外で利用された場合でも良好な画質を得ることのできるIPS方式の液晶パネルを提供する。
【解決手段】液晶パネルは第1の位相差板12を有している。第1の位相差板12は、液晶パネルの表側から第1の偏光板11を通して入射した光が第1の方向に旋回する円偏光に近づくように、当該第1の位相差板12を透過する光に位相差を生じさせる。また、液晶パネルは、液晶層22と第2の偏光板15との間に配置される位相差板13,14をさらに備えている。位相差板13,14の位相差値と遅相軸方向D2,D3は、液晶パネルの裏側から第2の偏光板15を通して入射した光が、位相差板13,14の透過と黒表示時の液晶層22の透過とによって、第1の方向とは反対の第2の方向に旋回する円偏光に近づくように、設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】液晶パネルは第1の位相差板12を有している。第1の位相差板12は、液晶パネルの表側から第1の偏光板11を通して入射した光が第1の方向に旋回する円偏光に近づくように、当該第1の位相差板12を透過する光に位相差を生じさせる。また、液晶パネルは、液晶層22と第2の偏光板15との間に配置される位相差板13,14をさらに備えている。位相差板13,14の位相差値と遅相軸方向D2,D3は、液晶パネルの裏側から第2の偏光板15を通して入射した光が、位相差板13,14の透過と黒表示時の液晶層22の透過とによって、第1の方向とは反対の第2の方向に旋回する円偏光に近づくように、設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、バックライトユニットによって光が照射されるIPS方式の液晶パネルに関し、特に、画質に対する外光の影響を低減するための技術に関する。
液晶層を挟む2つの透明基板のうち少なくとも一方の基板に、画素電極と共通電極の双方が形成されたIPS(In Plane Switching)方式の液晶パネルが利用されている(例えば、下記特許文献1)。この種の液晶パネルは、その画質が液晶パネルを見る方向に依存し難くいことから、近年需要が拡大している。
近年の携帯端末や電子看板の普及により、屋外で利用される液晶表示装置が多くなってきている。液晶表示装置が屋外で利用される場合、液晶パネルを透過したバックライトユニットからの光だけでなく、液晶パネルで反射した外光も観者の目に届くため、画質が悪化し易い。つまり、外光が強い環境下での画質向上には液晶パネルの反射率低減が重要である。また、外光が強くない屋内環境下での画質向上には、黒表示時の液晶パネルの光透過率を低減することが有効である。すなわち、黒表示時の透過率を0に近づけることができれば、コントラスト比が高くなり、良好な画質を得やすくなる。
本発明の目的は、外光の反射を抑えるとともに黒表示時の光透過率を低減し、屋内と屋外のいずれで利用された場合でも良好な画質を得ることのできるIPS方式の液晶パネル及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明に係る液晶パネルは、バックライトユニットによって裏側から光を照射して利用する液晶パネルである。前記液晶パネルは、前記液晶パネルの表側に配置される第1の偏光板と、前記液晶パネルの裏側に配置される第2の偏光板と、IPS方式で駆動される液晶分子を含む液晶層を有し前記第1の偏光板と前記第2の偏光板との間に配置される液晶セルとを有する。また、前記液晶パネルは、前記液晶層と前記第1の偏光板との間に配置される第1の位相差板を有している。前記第1の位相差板は、前記液晶パネルの表側から前記第1の偏光板を通して入射した光が第1の方向に旋回する円偏光に近づくように、当該第1の位相差板を透過する光に位相差を生じさせる。前記液晶パネルは、前記液晶層と前記第2の偏光板との間に配置される少なくとも1つの位相差板をさらに備えている。前記液晶層は黒表示時と白表示時とでは互いに異なる位相差値を有している。前記少なくとも1つの位相差板の位相差値と遅相軸方向は、前記液晶パネルの裏側から前記第2の偏光板を通して入射した光が、当該少なくとも1つの位相差板の透過と黒表示時の前記液晶層の透過とによって、前記第1の方向とは反対の第2の方向に旋回する円偏光に近づくように、設定されている。また、本発明に係る液晶表示装置は上記液晶パネルを含む。
本発明によれば、第1の偏光板を通して入射し液晶セルで反射する外光は、第1の位相差板を2回透過することによって、第1の偏光板の吸収軸方向に振動する直線偏光に近くなる。そのため、液晶セルで反射した外光が液晶パネルの表面から出ることを抑えることができる。また、液晶パネルの裏側から入射した光(バックライトユニットの出射光)は、黒表示時には、少なくとも1つの位相差板の透過と液晶層の透過とによって、第2の方向に旋回する円偏光に近づけられる。そのため、この光は、第1の位相差板の透過によって第1の偏光板の吸収軸方向に振動する直線偏光に近くなる。その結果、黒表示時の光透過率が低くなり、良好な黒表示が得られる。さらに、白表示時に液晶層が有する位相差値は黒表示時に液晶層が有する位相差値とは異なっている。そのため、白表示時においては、少なくとも1つの位相差板と液晶層とを透過したバックライトユニットの出射光は円偏光とならず、第1の偏光板で吸収されない。その結果、白表示が可能となる。
本発明の一態様では、前記少なくとも1つの位相差板は、前記第1の位相差板が有する位相差値と遅相軸方向とに応じて設定された位相差値と遅相軸方向とを有する第2の位相差板と、前記液晶層と前記第2の位相差板との間に配置され、黒表示時に前記液晶層が有する位相差値と遅相軸方向とに応じて設定された位相差値と遅相軸方向とを有する第3の位相差板と、を含んでもよい。この態様によれば、液晶パネルの裏側から第2の偏光板を通して入射した光を、液晶層を透過した時点で、第1の方向とは反対の第2の方向に旋回する円偏光に近づけることが容易となる。
この態様では、前記第2の位相差板の前記位相差値と前記遅相軸方向は、前記第1の位相差板が生じる位相差を補償するように設定され、前記第3の位相差板の前記位相差値と前記遅相軸方向は、黒表示時に前記液晶層が生じる位相差を補償するように設定されてもよい。こうすることによって、前記第2の位相差板の前記位相差値と前記遅相軸方向と、前記第3の位相差板の前記位相差値と前記遅相軸方向とを、容易に決定できる。
また、この態様では、前記第1の位相差板は、前記第1の偏光板の吸収軸方向に対して略45度傾斜した遅相軸方向を有する1/4波長板であり、前記第2の位相差板は、前記第1の位相差板の遅相軸方向に対して略垂直な遅相軸方向を有する1/4波長板でもよい。この態様によれば、第1の偏光板を通して入射し液晶セルで反射する外光は、第1の位相差板を2回透過することによって、第1の偏光板の吸収軸に沿った方向に振動する直線偏光となる。また、第2の位相差板も1/4波長板であるので、良好な黒表示が得やすくなる。
また、この態様では、前記第3の位相差板は、黒表示時の前記液晶層の位相差値に相当する位相差値を有し、且つ、その遅相軸方向は黒表示時の前記液晶層の遅相軸方向に略垂直とされてもよい。この態様によれば、良好な黒表示が得やすくなる。
また、本発明の他の態様では、前記第1の位相差板は、前記第1の偏光板の吸収軸方向に対して略45度傾斜した遅相軸方向を有する1/4波長板でもよい。この態様によれば、第1の偏光板を通して入射し液晶セルで反射する外光は、第1の位相差板を2回透過することによって、第1の偏光板の吸収軸に沿った方向に振動する直線偏光となる。
また、本発明の他の態様では、前記液晶層は黒表示時に白表示時よりも大きな位相差値を有し、黒表示時の前記液晶層の位相差値と白表示時の前記液晶層の位相差値との差は、100nm以上且つ300nm以下でもよい。この態様によれば、十分な白表示を得ることができる。
また、本発明のさらに他の態様では、前記液晶層は黒表示時に白表示時よりも大きな位相差値を有し、黒表示時の前記液晶層の位相差値と白表示時の前記液晶層の位相差値との差は、1/4波長以上且つ1/2波長以下でもよい。この態様によれば、十分な白表示を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る液晶表示装置1の構成を概略的に示す断面図である。図2は液晶表示装置1の液晶パネル10を構成する光学部材の遅相軸方向又は吸収軸方向を説明するための図である。
液晶表示装置1は、図1に示すように、IPS(In Plane Switching)方式の液晶パネル10と、液晶パネル10の裏側に配置されるバックライトユニット2と、を有している。液晶パネル10は、バックライトユニット2によってその裏側から光が照射される。
液晶パネル10は、その表側に配置される第1の偏光板11と、その裏側に配置される第2の偏光板15とを備えている。第1の偏光板11と第2の偏光板15はクロスニコル配置をなすように配置されている。すなわち、第2の偏光板15の吸収軸方向A2は、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して略垂直となっている(図2参照)。
図1に示すように、液晶パネル10は、第1の偏光板11と第2の偏光板15との間に配置される液晶セル20を有している。液晶セル20は、互いに対向する2つの透明基板21,25と、2つの透明基板21,25によって挟まれる液晶層22とを有している。液晶層22はIPS方式で駆動される液晶分子を含んでいる。液晶セル20の表側に位置する透明基板21には図示しないカラーフィルタが形成されている。
液晶セル20の裏側に配置される透明基板25には画素電極25aと共通電極25bの双方が形成されている。電極25a,25bは、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料で形成されている。画素電極25aは、透明基板25上において格子状に配置された複数の画素のそれぞれに設けられている。画素電極25aには、各画素に設けられた薄膜トランジスタ(不図示)を介して、各画素の階調値に応じた電圧が印加される。
画素電極25aと共通電極25bは絶縁膜25cを挟んで互いに反対側に形成されている。図1の例では、共通電極25b上に絶縁膜25cが形成され、絶縁膜25c上に画素電極25aが形成されている。画素電極25aには複数のスリットが形成されており、各画素の画素電極25aを平面視した場合、当該画素電極25aは櫛歯状を呈している。画素電極25aは配光膜(不図示)で覆われており、液晶層22が含む液晶分子の初期配向方向は配光膜によって規定されている。なお、画素電極25aと共通電極25bの配置や形態はこれに限られない。例えば、共通電極25bにも複数のスリットが形成されてもよい。また、透明基板25上に画素電極25aが形成され、画素電極25a上に絶縁膜25cが形成され、絶縁膜25c上に共通電極25bが形成されてもよい。
上述したように液晶層22はIPS方式で駆動される液晶分子を含んでいる。すなわち、液晶層22は画素電極25aが生じる電界によって透明基板21,25と平行な面内で回転する液晶分子を含んでいる。液晶分子の回転によって液晶層22の遅相軸方向は透明基板21,25と平行な面内で回転し、それにより光の透過が制御される。遅相軸方向は、黒表示時の方向Lb(図2参照)と白表示時の方向Lw(図2参照)との間で回転する。液晶層に電界を印加した際の(一般的には白表示時の)遅相軸方向及び位相差値は、液晶層内で一様でない。そのため、この説明では液晶層22の遅相軸方向Lb,Lwと位相差値とを、次のように定義する。液晶層22に直線偏光を入射し、当該直線偏光に生じた偏光状態変化を観測する。液晶層22が面内で一様に配向したまま遅相軸方向が変化したことにより、直線偏光にこの偏光状態変化が生じたものとして、液晶層22の実効的な遅相軸方向及び位相差値を求める。この説明では、このような方法で求められる方向及び値を遅相軸方向Lb,Lw及び位相差値と定義する。本発明の液晶表示装置においては、コントラスト比を高くするため、白表示時の遅相軸方向Lwは、黒表示時の遅相軸方向Lbに対して略45度となるよう設定する。
図2に示す例では、黒表示時の液晶層22の遅相軸方向Lbは、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して垂直である。なお、黒表示時の遅相軸方向Lbはこれに限られず、適宜変更されてよい。例えば、黒表示時の遅相軸方向Lbは、第1の偏光板11の吸収軸方向A1と平行でもよい。また、遅相軸方向Lbは、第1の偏光板11の吸収軸方向に対して予め設定された角度(例えば、略45度)だけ傾斜していてもよい。
ここで、黒表示時とは、液晶セル20の光透過率が最小となるように、画素電極25aに印加される電圧が制御された時である。白表示時とは、光透過率が最大となるように、画素電極25aに印加される電圧が制御された時である。この例の液晶パネル10はノーマリーブラック(Normally Black)方式のパネルであり、黒表示時とは画素電極25aへ印加される電圧が最小(例えば0)であり、液晶分子が配光膜によって規定される初期配向方向にある時である。白表示時とは画素電極25aへ印加される電圧が最大の時であり、液晶分子が初期配向方向から略45度傾斜した時である。
液晶層22は、黒表示時と白表示時とでは互いに異なる位相差値を有する。具体的には、液晶層22は、白表示時に、黒表示時よりも低い位相差値を有する。白表示時の位相差値は例えば略1/2波長であり、黒表示時の位相差値は1/2波長よりも大きい。黒表示時の位相差値は、後において説明する理由から、1波長に近いことが望ましい。
図3は液晶層22が有する位相差値の変化を説明する為の図である。同図(a)は、液晶層22が有する液晶分子Mの黒表示時の配向を概略的に示し、同図(b)は、液晶分子Mの白表示時の配向を概略的に示している。
この例の液晶パネル10は上述したようにノーマリーブラック方式である。そのため、図3(a)に示すように、黒表示時(すなわち、画素電極25aの電圧が最小の時)には、液晶分子Mは水平に配置され、液晶分子Mの長軸方向は初期配向方向となっている。この例では、液晶分子Mの長軸方向は第1の偏光板11の吸収軸方向A1に垂直な方向となっている。白表示時には、画素電極25aの近傍に、図3(b)の実線Eで例示される強フリンジ電界が形成される。これにより、画素電極25a端部で液晶分子Mが面内で大きく回転する。その結果、液晶分子Mの連続体としての性質により液晶層22全体が面内で回転する。しかし、画素電極25aの直上の液晶分子Mは起き上がり、2つの透明基板21,25の対向方向に傾斜する。そのため、白表示時に液晶層22が有する位相差値は、黒表示時に有する位相差値よりも低くなる。
図1に示すように、液晶パネル10は、液晶セル20と第1の偏光板11との間に、第1の位相差板12を有している。第1の位相差板12は、液晶パネル10の表側から第1の偏光板11を通して入射した光(すなわち直線偏光)が円偏光に近づくように、当該第1の位相差板12を透過する光に位相差を生じさせる。すなわち、第1の偏光板11を通して当該第1の位相差板12に入射してくる直線偏光が円偏光に近づくように、第1の位相差板12の位相差値R1と遅相軸方向D1(図2参照)とが設定されている。
この例では、第1の位相差板12は1/4波長板である。また、図2に示すように、第1の位相差板12の遅相軸方向D1は第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して略45度傾斜している。そのため、第1の偏光板11を通して入射してくる直線偏光は、第1の位相差板12の透過によって、円偏光となる。
第1の位相差板12により、液晶パネル10による外光の反射が抑えられる。図2を参照して説明すると、外光L1は第1の偏光板11を透過することで、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して垂直な方向に振動する直線偏光L2となる。その直線偏光L2は第1の位相差板12によって、右旋回または左旋回の円偏光L3に変換される。円偏光L3は、液晶セル20の透明基板21で反射すると、その旋回方向を反転させた上で、再び第1の位相差板12に入射する。円偏光L3には第1の位相差板12の2回目の透過によってさらに位相差が加えられ、円偏光L3は直線偏光L4に変換される。直線偏光L4の振動方向は第1の偏光板11の吸収軸方向A1と平行となっている。そのため、直線偏光L4は第1の偏光板11で吸収され、液晶パネル10による外光の反射が低減される。
図1及び図2に示すように、液晶パネル10は、液晶セル20と第2の偏光板15との間に、第2の位相差板14と第3の位相差板13とを有している。位相差板14,13の位相差値R2、R3と遅相軸方向D2,D3(図2参照)は、液晶パネル10の裏側から第2の偏光板15を通して入射した光が、位相差板14,13の透過と黒表示時の液晶層22の透過とによって円偏光(液晶パネル10の表側から入射し第1の位相差板12を1回透過した円偏光とは逆旋回の円偏光)に近づくように、設定されている。これにより、バックライトユニット2の出射光は、位相差板14,13と黒表示時の液晶層22と第1の位相差板12とを透過することによって、第1の偏光板11の吸収軸方向A1と平行に振動する直線偏光に近くなり、当該第1の偏光板11で吸収される。その結果、良好な黒表示が得られる。また、白表示時に液晶層22が有する位相差値は、上述したように、黒表示時に液晶層22が有する位相差値とは異なっている。そのため、白表示時においては、位相差板14,13と液晶層22とを透過したバックライトユニット2の出射光は円偏光とならず、第1の偏光板11で吸収されない。その結果、白表示が可能となる。なお、好ましくは、位相差板14,13の位相差値R2、R3と遅相軸方向D2,D3は、液晶パネル10の裏側から第2の偏光板15を通して入射した光が、位相差板14,13の透過と黒表示時の液晶層22の透過とによって円偏光となるように設定される。
第2の位相差板14の位相差値R2と遅相軸方向D2は、第1の位相差板12が有する位相差値R1と遅相軸方向D1とに応じて設定されている。この例では、位相差値R2と遅相軸方向D2は、第1の位相差板12が生じる位相差を補償できるように設定されている。すなわち、この例の第2の位相差板14は、黒表示時に、バックライトユニット2の出射光に対して第1の位相差板12が生じる位相差を補償(相殺)する位相差板である。例えば、第2の位相差板14の位相差値R2は第1の位相差板12の位相差値R1に等しく、遅相軸方向D2は第1の位相差板12の遅相軸方向D1と略垂直に設定される。
この例では、第2の位相差板14は、第1の位相差板12と同様に、1/4波長板である。また、第2の位相差板14の遅相軸方向D2は、図2に示すように、第1の位相差板12の遅相軸方向D1に対して略垂直であり、第2の偏光板15の吸収軸方向A2に対して略45度傾斜している。そのため、第2の偏光板15を透過した直線偏光は、第2の位相差板14の透過によって、円偏光となる。なお、第2の位相差板14の位相差値R2は1波長(λ)と位相差値R1との差(λ−R1、例えば3/4波長)に設定されてもよい。この場合、第2の位相差板14の遅相軸方向D2は第1の位相差板12の遅相軸方向D1と平行でもよい。
図1に示すように、第3の位相差板13は、液晶セル20と第2の位相差板14との間に配置されている。第3の位相差板13の位相差値R3と遅相軸方向D3は、黒表示時に液晶層22が有する位相差値と遅相軸方向Lbとに応じて設定されている。この例では、位相差値R3と遅相軸方向D3は、黒表示時に液晶層22が生じる位相差を補償するように設定されている。すなわち、この例の第3の位相差板13は、バックライトユニット2の出射光に対して黒表示時に液晶層22が生じさせる位相差を補償(相殺)することができる位相差板である。例えば、第3の位相差板13の位相差値R3は黒表示時に液晶層22が有する位相差値に等しい。また、第3の位相差板13の遅相軸方向D3は黒表示時の液晶層22の遅相軸方向Lbと略垂直に設定されている(図2参照)。上述したように、図2に示す例では、黒表示時には、液晶層22の遅相軸方向Lbは、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に垂直で、第2の偏光板15の吸収軸方向A2に平行である。したがって、第3の位相差板13の遅相軸方向D3は、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に平行で、第2の偏光板15の吸収軸方向A2に垂直である。
液晶パネル10の裏側から入射する光(すなわちバックライトユニット2の出射光)に生じる偏光状態変化について、ポアンカレ球を用いて説明する。図4A及び図4Bは、黒表示時の偏光状態変化の例を説明するための図である。図5は白表示時の偏光状態変化の例を説明するための図である。これらの図において(b)がポアンカレ球を示し、(a)はポアンカレ球上の各点が表す偏光状態と液晶パネル10内の位置との関係を示している。これらの図に示すポアンカレ球において、S1、S2及びS3の値はストークスパラメータである。また、ここでは光強度を1としている。すなわち、S1^2+S2^2+S3^2=1である。極(S3=1)は右旋回の円偏光を示し、極(S3=−1)は左旋回の円偏光を示している。赤道上(S3=0)の各点は直線偏光である。また、この説明では、第2の偏光板15を透過した直線偏光P1は(S1,S2,S3)=(0,−1,0)の点で示されている。
まず、黒表示時の偏光状態変化の例について説明する。上述したように、第2の位相差板14の遅相軸方向D2は第2の偏光板15の吸収軸方向A2に対して略45度傾斜し、その位相差値R2は1/4波長である。そのため、図4Aに示すように、直線偏光P1は、第2の位相差板14の透過によってS1軸を中心にπ/2(rad)だけ回転変換され、円偏光P2となる。
第3の位相差板13の遅相軸方向D3は、上述したように、第2の偏光板15の吸収軸方向A2と略垂直である。そのため、円偏光P2は、第3の位相差板13の透過によってS2軸を中心に回転変換され、楕円偏光P3となる。また、第3の位相差板13の位相差値R3は、上述したように、黒表示時の液晶層22の位相差値に等しい。また、黒表示時の液晶層22の位相差値は1/2波長よりも大きい。そのため、円偏光P2から楕円偏光P3に至る回転変換の回転角は、π(rad)よりも大きくなる。
上述したように、第3の位相差板13の位相差値R3と遅相軸方向D3は、黒表示時に液晶層22が生じる位相差を補償するように設定されている。すなわち、位相差値R3は黒表示時に液晶層22が有する位相差値に等しく、遅相軸方向D3と黒表示時の液晶層22の遅相軸方向Lbは略垂直である。そのため、図4Bに示すように、楕円偏光P3は、液晶層22の透過によって、第3の位相差板13の透過時とは逆方向にS2軸を中心にして回転変換される。また、その回転変換の回転角は、第3の位相差板13の透過による回転変換の回転角と等しい。そのため、楕円偏光P3は、液晶層22の透過によって、円偏光P4(P4=P2、この例では右旋回の円偏光)となる。なお、この例では、第1の偏光板11を通して入射した外光は、第1の位相差板12を1回透過することによって、左旋回の円偏光となる。すなわち、第2の偏光板15を透過した直線偏光は、第2の位相差板14と第3の位相差板13と液晶層22の3つの部材を透過することによって、第1の位相差板12を透過した外光とは逆旋回の円偏光となっている。
上述したように、第1の位相差板12は第2の位相差板14と等しい位相差値を有し、且つ、それらの遅相軸方向D1,D2は互いに垂直となっている。そのため、円偏光P4は、第1の位相差板12の透過によって、S1軸を中心にして第2の位相差板14の透過時とは逆方向に同じ回転角で回転し、直線偏光P5(P5=P1)となる。第1の偏光板11と第2の偏光板15はクロスニコル配置をなしており、直線偏光P5は第1の偏光板11で吸収される。その結果、良好な黒表示が得られる。
次に、白表示時の偏光状態変化について説明する。図5に示すように、液晶パネル10の裏側から入射した光は、第3の位相差板13を透過した楕円偏光P3に至るまでは、黒表示時と同じ偏光変換を受ける。
上述したように、白表示時の液晶層22の遅相軸方向Lwは、黒表示時の遅相軸方向Lbに対して略45度傾斜している。すなわち、白表示時には、液晶層22の遅相軸方向は第2の偏光板15の吸収軸方向A2に対して略45度傾斜する。また、上述したように、白表示時には液晶層22は1/2波長の位相差値を有する。そのため、楕円偏光P3は、液晶層22においてS1軸を中心にしてπ(rad)だけ回転変換され、楕円偏光P6となる。
楕円偏光P6は、第1の位相差板12の透過によってS1軸を中心にしてπ/2(rad)回転変換され、直線偏光P7となる。上述したように、第1の位相差板12の遅相軸方向D1と第2の位相差板14の遅相軸方向D2は互いに垂直である。そのため、楕円偏光P6は、第1の位相差板12の透過によって、第2の位相差板14の透過による回転変換とは逆方向に回転変換される。ここで、直線偏光P7の振動方向は、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して垂直な方向に近いため、良好な白表示が得られる。
図5から理解され得るように、黒表示時の液晶層22の位相差値(第3の位相差板13の位相差値R3)と、白表示時の液晶層22の位相差値(1/2波長)との差が1/4波長以上且つ1/2波長以下であれば、P3の偏光状態のS3の値が0以上となる。その結果、直線偏光P7の振動方向と第1の偏光板11の吸収軸方向A1との間の角度が45度より大きくなるため、十分な白表示が得られる。特に、黒表示時の液晶層22の位相差値(第3の位相差板13の位相差値R3)が1波長であり、白表示時の液晶層22の位相差値が1/2波長であるときに、P3が右旋回の円偏光となる。その結果、直線偏光P7の振動方向が第1の偏光板11の吸収軸方向A1に垂直となるため、最良の白表示が得られる。例えば緑色光(波長=550nm)を基準とした場合、黒表示時に液晶層22が有する位相差値と白表示時に液晶層22が有する位相差値との差を275nmにすることで、最良の白表示が得られる。さらに、黒表示時における透明基板25からの反射光を抑制する観点からも、黒表示時に液晶層22が有する位相差値は1波長に近いことが望ましい。
黒表示時の液晶層22の位相差値と白表示時に液晶層22が有する位相差値との間のこのような大きな差は、例えば、次のような方法で得られる。液晶分子として高い誘電率異方性を有する材料を用いることで、白表示時に液晶分子が透明基板21,25の対向方向に傾斜する傾向を強くできる。その結果、2つの位相差値の差を拡大できる。また、黒表示時の液晶層22の位相差値が1波長に近くなるように液晶層22の厚さを設定するとともに、白表示時の液晶層22の位相差値が1/2に近づくように白表示時に画素電極25aに印加すべき電圧を設定する。この方法によっても、2つの位相差値の差を1/2波長に近づけることができる。また、画素電極25aの幅及び/又は間隔を大きくし、フリンジ電界を生じる電極端部の密度を減らす。すなわち、櫛歯状に形成された画素電極25aの各櫛歯に該当する部分の幅及び/又は間隔を大きくし、櫛歯に該当する部分の縁(フリンジ電界を生じる部分)の、1画素における密度を減らす。これにより、液晶分子Mを積極的に起き上がらせることが可能となり、2つの位相差値の差を1/2波長に近づけることができる。画素電極25aの櫛歯に該当する部分の幅や間隔を液晶層22の厚みの2倍以上とすることで、特に良好な効果が得られる。
図6は、黒表示時の液晶層22の位相差値と白表示時の液晶層22の位相差値との差と、液晶パネル10の光透過率との関係の例を示すグラフである。同図において横軸は、白表示時の液晶層22の位相差値(1/2波長)と黒表示時の液晶層22の位相差値(1/2波長+α)との差(α)を示し、縦軸は光透過率を示している。
上述したように、第3の位相差板13の位相差値R3及び遅相軸方向D3は、黒表示時に液晶層22が生じる位相差を補償するよう設定されている。また、第2の位相差板14の位相差値R2と遅相軸方向D2は第1の位相差板12が生じる位相差を補償するように設定されている。そのため、同図の線Aで示されるように、黒表示時の光透過率は、差(α)によらず、低い値となっている。白表示時の光透過率は、同図の線Bで示されるように、差(α)が高くなるにつれて徐々に高くなっている。そして、白表示時の光透過率は、差(α)が上述した275nmの時に、最大となっている。この最大値は一般的なIPS方式と同等の値である。なお、差(α)が100nm以上で300nm以下であれば、十分な白表示が得られる。
本実施形態の他の例について説明する。図7は本実施形態の他の例である液晶パネル110を構成する光学部材の遅相軸方向又は吸収軸方向を示す図である。同図において、これまで説明した箇所と同一箇所には同一符号を付している。以下では、上述した液晶パネル10と同一事項についてはその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
同図に示すように、液晶パネル110は液晶層122を有している。黒表示時の液晶層122の遅相軸方向Lbは、上述した液晶層22とは異なり、第1の偏光板11の吸収軸方向A1と第2の偏光板15の吸収軸方向A2の双方に対して傾斜している。具体的には、黒表示時の液晶層122の遅相軸方向Lbは、吸収軸方向A1,A2に対して略45度傾斜している。また、黒表示時の液晶層122の遅相軸方向Lbは、第1の位相差板12の遅相軸方向D1と略平行で、第2の位相差板14の遅相軸方向D2に垂直となっている。
一方、白表示時の遅相軸方向Lwは、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して垂直で、第2の偏光板15の吸収軸方向A2と平行となっている。なお、白表示時の遅相軸方向Lwの方向や黒表示時の遅相軸方向Lbはこれに限られない。例えば、白表示時の遅相軸方向Lwの方向は、第1の偏光板11の吸収軸方向A1と平行で、第2の偏光板15の吸収軸方向A2に対して垂直でもよい。白表示時に液晶層122が有する位相差値と黒表示時に液晶層122が有する位相差値は、上述の液晶層22と同様である。
液晶パネル110は第3の位相差板113をさらに有している。第3の位相差板113は、第3の位相差板13と同様に、黒表示時に液晶層122が有する位相差値と遅相軸方向Lbとに応じて設定された位相差値R3と遅相軸方向D3とを有している。具体的には、第3の位相差板113の位相差値R3と遅相軸方向D3は、黒表示時に液晶層122が生じる位相差を補償するように設定されている。すなわち、第3の位相差板113の位相差値は黒表示時に液晶層122が有する位相差値に等しく、且つ遅相軸方向D3は黒表示時の液晶層122の遅相軸方向Lbと略垂直に設定されている。
液晶パネル110の裏側から入射する光(すなわちバックライトユニット2の出射光)に生じる偏光状態変化について、ポアンカレ球を用いて説明する。図8A及び図8Bは、黒表示時の偏光状態変化の例を説明するための図である。図9は白表示時の偏光状態変化の例を説明するための図である。これらの図においても(b)がポアンカレ球を示し、(a)はポアンカレ球上の各点が表す偏光状態と液晶パネル110内の位置との関係を示している。
まず、黒表示時に生じる偏光状態変化について説明する。図4Aを参照して説明したように、第2の偏光板15を透過した直線偏光P1は、第2の位相差板14においてS1軸を中心にπ/2(rad)だけ回転変換され、円偏光P2となる。
第3の位相差板113の遅相軸方向D3は、上述したように、第2の偏光板15の吸収軸方向A2に対して略45度傾斜している。そのため、図8Aに示すように、円偏光P2は、第3の位相差板113の透過によって、S1軸を中心に回転変換され、楕円偏光P3となる。また、第3の位相差板113の位相差値R3は、黒表示時の液晶層122の位相差値に相当し、黒表示時の液晶層122の位相差値は1/2波長よりも大きい。そのため、円偏光P2を楕円偏光P3にする回転変換の回転角は、π(rad)よりも大きくなる。
上述したように、第3の位相差板113の遅相軸方向D3と黒表示時の液晶層122の遅相軸方向Lbは略垂直である。そのため、図8Bに示すように、楕円偏光P3は、液晶層122の透過によって、第3の位相差板113の透過による回転変換とは逆方向に、S1軸を中心にして回転変換される。また、第3の位相差板113の位相差値R3は黒表示時の液晶層122の位相差値と等しい。そのため、回転変換の回転角は、第3の位相差板113の透過による回転変換と同じである。その結果、楕円偏光P3は、液晶層122の透過によって、円偏光P4(P4=P2)となる。
上述したように、第1の位相差板12は第2の位相差板14と等しい位相差値を有し、且つ、それらの遅相軸方向D1,D2は互いに垂直となっている。そのため、円偏光P4は、S1軸を中心にして第2の位相差板14の透過による回転変換とは逆方向に同じ回転角で回転し、直線偏光P5(P5=P1)となる。第1の偏光板11と第2の偏光板15はクロスニコル配置をなしており、直線偏光P5は第1の偏光板11で吸収される。その結果、良好な黒表示が得られる。
次に、白表示時に生じる変更変換について説明する。図9に示すように、液晶パネル10の裏側から入射した光は、第3の位相差板113を透過した楕円偏光P3に至るまでは、黒表示時と同じ偏光変換を受ける。
白表示時の液晶層122の遅相軸方向Lwは、上述したように、第2の偏光板15の吸収軸方向A2と平行となる。また、白表示時には液晶層122は1/2波長の位相差値を有する。そのため、楕円偏光P3は、液晶層122の透過によってS2軸を中心にしてπ(rad)だけ回転変換され、楕円偏光P6となる。
楕円偏光P6は、第1の位相差板12の透過によって、S1軸を中心にしてπ/2(rad)回転変換され、楕円偏光P7となる。上述したように、第1の位相差板12の遅相軸方向と第2の位相差板14の遅相軸方向は互いに垂直である。そのため、楕円偏光P6は、第1の位相差板12の透過によって、第2の位相差板14の透過による回転変換とは逆方向に回転変換され、楕円偏光P7となる。円偏光P2から楕円偏光P3への回転変換、及び、楕円偏光P6から楕円偏光P7への回転変換は、S1軸を中心になされ、楕円偏光P3から楕円偏光P6への回転変換は、S2軸を中心にしてπ/2(rad)回転変換される。そのため、楕円偏光P7の長軸方向は第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して垂直となる。その結果、楕円偏光P7の一部は第1の偏光板11を透過し、良好な白表示が得られる。
図9から理解され得るように、黒表示時の液晶層122の位相差値(第3の位相差板113の位相差値R3)と、白表示時の液晶層122の位相差値(1/2波長)との差が1/4波長以上且つ1/2波長以下である場合、P3の偏光状態のS3の値が0以上となる。その結果、この場合には、P7で示す偏光は、円偏光(この例では、左旋回の円偏光)又は、第1の偏光板11の吸収軸方向A1に対して垂直な長軸方向を有する楕円偏光となる。そのため、十分な白表示が得られる。特に、黒表示時の液晶層122の位相差値(第3の位相差板113の位相差値R3)が1波長であり、白表示時の液晶層122の位相差値が1/2波長であるときに、P3が円偏光(図9の例では右旋回の円偏光)となる。その結果、直線偏光P7の振動方向が第1の偏光板11の吸収軸方向A1に垂直となるため、最良の白表示が得られる。
以上説明したように、本実施形態では、液晶層22と第1の偏光板11との間に、第1の位相差板12が配置されている。第1の位相差板12は、液晶パネル10,110の表側から第1の偏光板11を通して入射した光が円偏光に近づくように、当該第1の位相差板12を透過する光に位相差を生じさせている。そのため、液晶表示装置1が屋外で使用された場合であっても、液晶パネル10による外光の反射を抑えることが出来る。また、本実施形態では、第2の位相差板14と第3の位相差板13,113の位相差値R2,R3と遅相軸方向D2,D3は、液晶パネル10,110の裏側から第2の偏光板15を通して入射した光が、位相差板14,13,113の透過と黒表示時の液晶層22,122の透過とによって、円偏光(液晶パネル10,110の表側から入射し第1の位相差板12を1回透過した円偏光とは逆旋回の円偏光)に近づくように、設定されている。そのため、良好な黒表示が得られる。さらに、液晶層22,122は、黒表示時と白表示時とでは互いに異なる位相差値を有している。そのため、十分な白表示が得られる。
なお、本発明は以上説明した液晶パネル10,110に限られず、種々の変更が可能である。例えば、位相差板12,13,14,113はフィルムや塗布膜で形成されてもよい。また、図2と図7に示した光学構成が満足されるならば、位相差板12,13,14,113は透明基板21や透明基板25の液晶層22側に配置されてもよい。
また、以上の説明では、第1の位相差板12と第2の位相差板14として1/4波長板を例示したが、これらの位相差板が有する位相差値は1/4波長から僅かにずれていてもよい。
また、液晶パネル10,110には、視野拡大フィルムなど他の光学部材が設けられてもよい。
1 液晶表示装置、2 バックライトユニット、10,110 液晶パネル、11 第1の偏光板、12 第1の位相差板、13,113 第3の位相差板、14 第2の位相差板、15 第2の偏光板、20 液晶セル、21 透明基板、22,122 液晶層、25 透明基板、25a 画素電極、25b 共通電極、25c 絶縁膜、A1,A2 吸収軸方向、D1,D2,D3 遅相軸方向、Lb 黒表示時の液晶層の遅相軸方向、Lw 白表示時の液晶層の遅相軸方向。
Claims (9)
- バックライトユニットによって裏側から光を照射して利用する液晶パネルにおいて、
前記液晶パネルの表側に配置される第1の偏光板と、
前記液晶パネルの裏側に配置される第2の偏光板と、
IPS方式で駆動される液晶分子を含む液晶層を有し、前記第1の偏光板と前記第2の偏光板との間に配置される液晶セルと、
前記液晶層と前記第1の偏光板との間に配置される第1の位相差板であって、前記液晶パネルの表側から前記第1の偏光板を通して入射した光が第1の方向に旋回する円偏光に近づくように、当該第1の位相差板を透過する光に位相差を生じさせる第1の位相差板と、
前記液晶層と前記第2の偏光板との間に配置される少なくとも1つの位相差板と、を備え、
前記液晶層は黒表示時と白表示時とでは互いに異なる位相差値を有し、
前記少なくとも1つの位相差板の位相差値と遅相軸方向は、前記液晶パネルの裏側から前記第2の偏光板を通して入射した光が、当該少なくとも1つの位相差板の透過と黒表示時の前記液晶層の透過とによって、前記第1の方向とは反対の第2の方向に旋回する円偏光に近づくように、設定されている、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
前記少なくとも1つの位相差板は、
前記第1の位相差板が有する位相差値と遅相軸方向とに応じて設定された位相差値と遅相軸方向とを有する第2の位相差板と、
前記液晶層と前記第2の位相差板との間に配置され、黒表示時に前記液晶層が有する位相差値と遅相軸方向とに応じて設定された位相差値と遅相軸方向とを有する第3の位相差板と、を含む、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項2に記載の液晶パネルにおいて、
前記第2の位相差板の前記位相差値と前記遅相軸方向は、前記第1の位相差板が生じる位相差を補償するように設定され、
前記第3の位相差板の前記位相差値と前記遅相軸方向は、黒表示時に前記液晶層が生じる位相差を補償するように設定されている、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項2に記載の液晶パネルにおいて、
前記第1の位相差板は、前記第1の偏光板の吸収軸方向に対して略45度傾斜した遅相軸方向を有する1/4波長板であり、
前記第2の位相差板は、前記第1の位相差板の遅相軸方向に対して略垂直な遅相軸方向を有する1/4波長板である、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項2に記載の液晶パネルにおいて、
前記第3の位相差板は、黒表示時の前記液晶層の位相差値に相当する位相差値を有し、且つ、その遅相軸方向は黒表示時の前記液晶層の遅相軸方向に略垂直となっている、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
前記第1の位相差板は、前記第1の偏光板の吸収軸方向に対して略45度傾斜した遅相軸方向を有する1/4波長板である、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
前記液晶層は黒表示時に白表示時よりも大きな位相差値を有し、
黒表示時の前記液晶層の位相差値と白表示時の前記液晶層の位相差値との差は、100nm以上且つ300nm以下である、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
前記液晶層は黒表示時に白表示時よりも大きな位相差値を有し、
黒表示時の前記液晶層の位相差値と白表示時の前記液晶層の位相差値との差は、1/4波長以上且つ1/2波長以下である、
ことを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1乃至8に記載の液晶パネルを含む液晶表示装置。
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