JP2012166402A - 筆記具 - Google Patents
筆記具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012166402A JP2012166402A JP2011027988A JP2011027988A JP2012166402A JP 2012166402 A JP2012166402 A JP 2012166402A JP 2011027988 A JP2011027988 A JP 2011027988A JP 2011027988 A JP2011027988 A JP 2011027988A JP 2012166402 A JP2012166402 A JP 2012166402A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- writing instrument
- writing
- cylinder
- temperature
- color
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 230000002441 reversible effect Effects 0.000 claims abstract description 58
- 230000004382 visual function Effects 0.000 claims abstract description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 48
- 239000003086 colorant Substances 0.000 claims description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 abstract description 8
- 238000005034 decoration Methods 0.000 abstract description 5
- 230000006870 function Effects 0.000 abstract description 5
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 29
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 19
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 19
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 11
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 11
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 10
- 238000002845 discoloration Methods 0.000 description 9
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 7
- 238000004040 coloring Methods 0.000 description 6
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 6
- 229920005668 polycarbonate resin Polymers 0.000 description 6
- 239000004431 polycarbonate resin Substances 0.000 description 6
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 6
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 5
- 239000003094 microcapsule Substances 0.000 description 5
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 5
- 238000007639 printing Methods 0.000 description 5
- 229920001971 elastomer Polymers 0.000 description 4
- 239000000806 elastomer Substances 0.000 description 3
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 3
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 3
- 239000000049 pigment Substances 0.000 description 3
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 3
- 229920002943 EPDM rubber Polymers 0.000 description 2
- 238000005299 abrasion Methods 0.000 description 2
- 239000013013 elastic material Substances 0.000 description 2
- 238000001746 injection moulding Methods 0.000 description 2
- 230000014759 maintenance of location Effects 0.000 description 2
- 238000010422 painting Methods 0.000 description 2
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 2
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 2
- 229920000468 styrene butadiene styrene block copolymer Polymers 0.000 description 2
- YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N Fluorine atom Chemical compound [F] YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000004743 Polypropylene Substances 0.000 description 1
- PPBRXRYQALVLMV-UHFFFAOYSA-N Styrene Natural products C=CC1=CC=CC=C1 PPBRXRYQALVLMV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000004308 accommodation Effects 0.000 description 1
- 239000012790 adhesive layer Substances 0.000 description 1
- 230000006399 behavior Effects 0.000 description 1
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 description 1
- FACXGONDLDSNOE-UHFFFAOYSA-N buta-1,3-diene;styrene Chemical compound C=CC=C.C=CC1=CC=CC=C1.C=CC1=CC=CC=C1 FACXGONDLDSNOE-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 1
- YACLQRRMGMJLJV-UHFFFAOYSA-N chloroprene Chemical compound ClC(=C)C=C YACLQRRMGMJLJV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 229920001577 copolymer Polymers 0.000 description 1
- 238000010017 direct printing Methods 0.000 description 1
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 1
- 229910052731 fluorine Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011737 fluorine Substances 0.000 description 1
- 238000007641 inkjet printing Methods 0.000 description 1
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 1
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 1
- 230000002427 irreversible effect Effects 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 150000002825 nitriles Chemical class 0.000 description 1
- 150000002894 organic compounds Chemical class 0.000 description 1
- 238000007649 pad printing Methods 0.000 description 1
- 239000004033 plastic Substances 0.000 description 1
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 description 1
- 229920001225 polyester resin Polymers 0.000 description 1
- 239000004645 polyester resin Substances 0.000 description 1
- -1 polypropylene Polymers 0.000 description 1
- 229920001155 polypropylene Polymers 0.000 description 1
- 239000012429 reaction media Substances 0.000 description 1
- 239000010979 ruby Substances 0.000 description 1
- 229910001750 ruby Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920002050 silicone resin Polymers 0.000 description 1
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 1
- 229920001935 styrene-ethylene-butadiene-styrene Polymers 0.000 description 1
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 1
- 239000006097 ultraviolet radiation absorber Substances 0.000 description 1
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000002023 wood Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Pens And Brushes (AREA)
- Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
Abstract
【課題】 二重筒状の軸筒を用いた筆記具において、前記装飾体や内筒等、外筒を介して視認される装飾部分が、温度変化に応じて視認可能、視認不可能な状態に可逆的な変化を生じることで、温度変化に伴う様相変化やインジケーター機能を付与でき、興趣に富み、意外性のある装飾効果を備えた筆記具を提供する。
【解決手段】 筆記ユニット9を内設する内筒5と、前記内筒5を被覆する外筒6との二重筒状の軸筒2を用いた筆記具1であって、前記外筒6が可逆熱変色性能を有しており、温度変化によって外側から内部が視認可能な透明状態と、視認不可能な隠蔽状態となる可逆的視覚機能を備えてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】 筆記ユニット9を内設する内筒5と、前記内筒5を被覆する外筒6との二重筒状の軸筒2を用いた筆記具1であって、前記外筒6が可逆熱変色性能を有しており、温度変化によって外側から内部が視認可能な透明状態と、視認不可能な隠蔽状態となる可逆的視覚機能を備えてなる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、筆記具に関する。更には、内筒と外筒からなる二重筒状の軸筒を用いた筆記具に関する。
従来、筆記具の外観装飾性を向上させることを目的に、内筒と透明な外筒から構成される二重筒を軸筒に用いて、内筒と外筒の間に装飾体を内設したものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記筆記具では、転写等による外面被覆型の装飾体とは異なり、装飾体が外筒内に収容されるため、擦過や把持によって装飾体が剥離することなく、外観装飾性を向上して長期間維持できるものである。
前記筆記具では、転写等による外面被覆型の装飾体とは異なり、装飾体が外筒内に収容されるため、擦過や把持によって装飾体が剥離することなく、外観装飾性を向上して長期間維持できるものである。
本発明は、この種の二重筒状の軸筒を用いた筆記具において、前記装飾体や内筒等、外筒を介して視認される装飾部分が、温度変化に応じて視認可能、視認不可能な状態に可逆的な変化を生じることで、温度変化に伴う様相変化やインジケーター機能を付与でき、興趣に富み、意外性のある装飾効果を備えた筆記具を提供するものである。
尚、本発明において「前」とは、ペン先側を示し、「後」とは、ノック式筆記具の押圧部側を示す。
尚、本発明において「前」とは、ペン先側を示し、「後」とは、ノック式筆記具の押圧部側を示す。
本発明は、筆記ユニットを内設する内筒と、前記内筒を被覆する外筒との二重筒状の軸筒を用いた筆記具であって、前記外筒が可逆熱変色性能を有しており、温度変化によって外側から内部が視認可能な透明状態と、視認不可能な隠蔽状態となる可逆的視覚機能を備えてなる筆記具を要件とする。
更に、前記内筒と前記外筒の間に間隙部が形成され、前記間隙部に装飾体が収容されること、前記装飾体が軸筒から取出可能であること、前記外筒の外面又は内面の少なくとも一方に加熱消色型可逆熱変色層が形成されること、前記内筒外面と前記外筒内面の少なくともいずれかに装飾体が形成されることを要件とする。
更に、前記筆記ユニットが筆記材を内蔵するレフィル、筆記材カートリッジ、シャープペンシルユニットのいずれかであること、前記筆記材が、着色剤として一定温度に達すると変色する熱変色性材料を用いてなること、前記熱変色性材料の変色温度と略等しい温度で様相変化を生じるインジケーター部が、外筒、内筒、装飾体のいずれかに形成されることを要件とする。
更に、前記内筒と前記外筒の間に間隙部が形成され、前記間隙部に装飾体が収容されること、前記装飾体が軸筒から取出可能であること、前記外筒の外面又は内面の少なくとも一方に加熱消色型可逆熱変色層が形成されること、前記内筒外面と前記外筒内面の少なくともいずれかに装飾体が形成されることを要件とする。
更に、前記筆記ユニットが筆記材を内蔵するレフィル、筆記材カートリッジ、シャープペンシルユニットのいずれかであること、前記筆記材が、着色剤として一定温度に達すると変色する熱変色性材料を用いてなること、前記熱変色性材料の変色温度と略等しい温度で様相変化を生じるインジケーター部が、外筒、内筒、装飾体のいずれかに形成されることを要件とする。
本発明の筆記具は、請求項1により、外筒内部の装飾体や内筒等、外筒を介して視認される装飾部分が、温度変化に応じて視認可能、視認不可能な状態に可逆的な変化を生じることで、温度変化に伴う様相変化やインジケーター機能を付与でき、興趣に富み、意外性のある装飾効果を備えた筆記具となる。そのため、宣伝効果が高くノベルティとしても有用なものとなる。
また、熱変色性フィルムを用いた被覆や熱変色性インキを用いた塗装による装飾体の直接隠蔽に比べ、筆記具外面の平滑性を維持できるため、隠蔽性がより高い軸筒を構成できる。
また、熱変色性フィルムを用いた被覆や熱変色性インキを用いた塗装による装飾体の直接隠蔽に比べ、筆記具外面の平滑性を維持できるため、隠蔽性がより高い軸筒を構成できる。
請求項2により、別体で形成した装飾体が、従来の二重筒状軸筒を用いた筆記具に収容できるため、金型等大きな設備を新たに必要とすることなく所望の筆記具を製造できる。そのため、名入れ等のノベルティ用途に最適なものとなる。
請求項3により、別に提供される取替用の装飾体や、ユーザーが印刷物やシールや自筆の像等を用いて自由に図柄模様を形成して作製した装飾体に交換することが可能となるため、オリジナル性の高い筆記具を作ることができる。
請求項4により、汎用の筆記具外装を構成する透明樹脂材に対しても、塗装や印刷やフィルム貼着によって熱変色性能を容易に付与できる。
請求項5により、印刷塗装や貼着によって装飾体を筆記具部材に直接形成できるため、部品点数を増加させることなく装飾効果の高い筆記具が形成できる。
請求項6により汎用の筆記ユニットが適用できる。
請求項7により、外装とともに筆跡も色変化を生じるため、より意外性のある筆記具となる。
請求項8により、筆記具に内蔵される筆記材の変色状況が、外部のインジケーター部を見ることで確認できるため、保管時に筆記材の設定された変色温度よりも高温又は低温の環境下に置かれたことが容易に判断できる。
<第一の実施の形態>
本発明の筆記具1の第一の実施形態を図1乃至3を用いて説明する。
図1の筆記具1は、後端部の押圧操作によって軸筒先端からペン先91が出没される出没式形態のボールペンである。前記筆記具1では、ペン先91が先端に接続されたインキ収容管に熱変色性インキとインキ追従体(液栓)を内蔵するボールペンレフィルを筆記ユニット9として用い、該ボールペンレフィルが筆記具外装である軸筒2の内部に収容されている。また、前記軸筒2の後端には、ペン先91を軸筒先端から出没させるための押圧操作部43が設けられている。更に、軸筒2の後方外面には、クリップ42が設けられており、該クリップ42は、基部41近傍の曲面状外面が熱変色性インキによる筆跡を摩擦熱で変色させる摩擦体として機能するものである。
本発明の筆記具1の第一の実施形態を図1乃至3を用いて説明する。
図1の筆記具1は、後端部の押圧操作によって軸筒先端からペン先91が出没される出没式形態のボールペンである。前記筆記具1では、ペン先91が先端に接続されたインキ収容管に熱変色性インキとインキ追従体(液栓)を内蔵するボールペンレフィルを筆記ユニット9として用い、該ボールペンレフィルが筆記具外装である軸筒2の内部に収容されている。また、前記軸筒2の後端には、ペン先91を軸筒先端から出没させるための押圧操作部43が設けられている。更に、軸筒2の後方外面には、クリップ42が設けられており、該クリップ42は、基部41近傍の曲面状外面が熱変色性インキによる筆跡を摩擦熱で変色させる摩擦体として機能するものである。
・軸筒
前記筆記具外装である軸筒2は、把持部となる弾性グリップ31と口金32を有する前軸3と、出没機構を内設し、基部41にクリップ42が取り付けられた後軸4とを螺着することで形成される。
前記後軸4は、出没機構を内設するとともに、ボールペンレフィルを収容する基部41を備えた内筒5と、該内筒5を被覆する可逆熱変色性能を有する外筒6とによって構成されており、前記内筒5と外筒6との間には、内筒5の外周面全体に亘って間隙部7が形成されている。
前記外筒6は、内側が視認できる透明な筒状樹脂成形物の内面に可逆熱変色層61を塗装することで積層して設けたものであり、内筒5前方に螺着される前軸3を外すことで、前方から着脱可能に構成されている。尚、前記可逆熱変色層61を設ける積層構成の他、透明樹脂材料中に可逆熱変色性材料を混合した樹脂材を外筒6として成形することでも得られる。
前記筆記具外装である軸筒2は、把持部となる弾性グリップ31と口金32を有する前軸3と、出没機構を内設し、基部41にクリップ42が取り付けられた後軸4とを螺着することで形成される。
前記後軸4は、出没機構を内設するとともに、ボールペンレフィルを収容する基部41を備えた内筒5と、該内筒5を被覆する可逆熱変色性能を有する外筒6とによって構成されており、前記内筒5と外筒6との間には、内筒5の外周面全体に亘って間隙部7が形成されている。
前記外筒6は、内側が視認できる透明な筒状樹脂成形物の内面に可逆熱変色層61を塗装することで積層して設けたものであり、内筒5前方に螺着される前軸3を外すことで、前方から着脱可能に構成されている。尚、前記可逆熱変色層61を設ける積層構成の他、透明樹脂材料中に可逆熱変色性材料を混合した樹脂材を外筒6として成形することでも得られる。
本実施の形態では、ポリカーボネート樹脂中に着色材を添加した樹脂材料を射出成形することで得られる前軸3(二色成形によるエラストマー製グリップ31を有しバネ体を内部に配置する)と、出没機構を作動させる前後動可能な押圧操作部43を後端に配設する後軸4の二部品が、前後方向に着脱可能に形成される軸筒2が用いられ、前記二部品をレフィル収容状態で螺合することで筆記具外装を形成している。
前記後軸4は、ペン先出没時に作動する回転カム機構が内設される着色不透明ポリカーボネート樹脂製内筒5と、該内筒5の外面との間に間隙部7が形成されるように被覆してなり、該間隙部7及び内筒5が外側から視認できる透明ポリカーボネート樹脂製の筒体内面に可逆熱変色層61を形成した外筒6から構成されている。尚、前記外筒6は、後端が基部41と接触するとともに、前端が前軸3の後端(グリップ31後端)と接触することで保持されているため、前軸3と後軸4を分割することで容易に取り外すことができる。
前記後軸4は、ペン先出没時に作動する回転カム機構が内設される着色不透明ポリカーボネート樹脂製内筒5と、該内筒5の外面との間に間隙部7が形成されるように被覆してなり、該間隙部7及び内筒5が外側から視認できる透明ポリカーボネート樹脂製の筒体内面に可逆熱変色層61を形成した外筒6から構成されている。尚、前記外筒6は、後端が基部41と接触するとともに、前端が前軸3の後端(グリップ31後端)と接触することで保持されているため、前軸3と後軸4を分割することで容易に取り外すことができる。
前記可逆熱変色層61は、着色状態で隠蔽性のある色相、色調を呈し、消色状態で透明となる可逆熱変色性材料を用いた塗装用インキを透明筒体の内面に塗装することで形成されている。
前記可逆熱変色層61は、環境温度域内(例えば、−10℃〜50℃、好ましくは5℃〜40℃)や、摩擦熱、ドライヤー等の加温、冷却等で様相が変化して隠蔽状態と光透過状態とで可逆的に変化するものであり、筆記具1の使用場所の温度や、指等での摩擦熱、ドライヤー等による加温、冷却等によって内部の装飾体8や内筒5が現出するように構成される。前記構成により、温度変化に伴って内部の装飾体が視認可能となる今までにない意外性を備え、興趣に富んだ筆記具を形成できる。特に、変色温度が異なるものを二種以上用いた場合には、温度によって内部が部分的に視認されるような構成として図柄模様を形成したり、色相や模様の異なる外装に変化する等、複数の様相を呈する、より装飾性が高いものを構成できる。
前記可逆熱変色層61は、環境温度域内(例えば、−10℃〜50℃、好ましくは5℃〜40℃)や、摩擦熱、ドライヤー等の加温、冷却等で様相が変化して隠蔽状態と光透過状態とで可逆的に変化するものであり、筆記具1の使用場所の温度や、指等での摩擦熱、ドライヤー等による加温、冷却等によって内部の装飾体8や内筒5が現出するように構成される。前記構成により、温度変化に伴って内部の装飾体が視認可能となる今までにない意外性を備え、興趣に富んだ筆記具を形成できる。特に、変色温度が異なるものを二種以上用いた場合には、温度によって内部が部分的に視認されるような構成として図柄模様を形成したり、色相や模様の異なる外装に変化する等、複数の様相を呈する、より装飾性が高いものを構成できる。
前記可逆熱変色層61に適用される可逆熱変色性材料には、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。尚、前記可逆熱変色性材料は、可逆熱変色性組成物が直接用いられる他、該組成物をマイクロカプセルに内包したマイクロカプセル顔料形態で用いることができる。
本実施の形態で用いる可逆熱変色性材料は、図3に示すように、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1)以下の低温域での発色状態、または完全消色温度(t4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型熱変色性材料(塗装インキ形態)が適用される。図3において、ΔHは、ヒステリシスの程度を示す温度幅(即ちヒステリシス幅)を示す。ΔHの値が小さいと、変色前後の両状態のうち一方の状態しか存在しえない。ΔHの値が大きいと、変色前後の各状態の保持が容易となる。尚、可逆熱変色層61に用いる塗装インキのΔHの値は、筆記用インキのΔHの値よりも小さく、完全消色温度(t4)も低く設定されている。
また、前記可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層61は、単独で用いた消色タイプの他、透明性を維持できる範囲で非熱変色性着色剤を添加した変色タイプ(温度変化により着色隠蔽状態と着色透明状態を呈する)のいずれを用いることもできる。尚、本実施形態では、前者の消色タイプを用いて、約30℃で略無色透明となる可逆熱変色性層を形成している。
また、前記可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層61は、単独で用いた消色タイプの他、透明性を維持できる範囲で非熱変色性着色剤を添加した変色タイプ(温度変化により着色隠蔽状態と着色透明状態を呈する)のいずれを用いることもできる。尚、本実施形態では、前者の消色タイプを用いて、約30℃で略無色透明となる可逆熱変色性層を形成している。
更に、収容する筆記用インキが可逆熱変色性能を有する場合、前記可逆熱変色性材料を用いて所望の温度で変色する熱変色性インジケーター部を設けることができる。
前記インジケーター部は、外側から視認される筆記具外装に形成されるものであり、外筒6や内筒5の外面、間隙部7に収容される装飾体8のいずれかに塗装や貼着によって形成することが好ましい。
前記インジケーター部に適用される熱変色性材料には、摩擦熱で変色する筆記用インキに適用される熱変色性材料の変色温度域と略等しい温度や、若干低い温度に設定されたものが用いられる。そのため、例えば、可逆熱変色層61が環境温度域で生じる様相変化とともに、該温度よりも高温状態を示すインジケーター機能を備えるものとなる。前記インジケーター部の変色温度が筆記用インキの変色温度近傍に設定されることで、収容する筆記用インキの状態(消色や変色の有無)が外観を確認することで容易に判断できるため、保管状態が適しているか等の確認を即座に行うことができる。
前記インジケーター部は、外側から視認される筆記具外装に形成されるものであり、外筒6や内筒5の外面、間隙部7に収容される装飾体8のいずれかに塗装や貼着によって形成することが好ましい。
前記インジケーター部に適用される熱変色性材料には、摩擦熱で変色する筆記用インキに適用される熱変色性材料の変色温度域と略等しい温度や、若干低い温度に設定されたものが用いられる。そのため、例えば、可逆熱変色層61が環境温度域で生じる様相変化とともに、該温度よりも高温状態を示すインジケーター機能を備えるものとなる。前記インジケーター部の変色温度が筆記用インキの変色温度近傍に設定されることで、収容する筆記用インキの状態(消色や変色の有無)が外観を確認することで容易に判断できるため、保管状態が適しているか等の確認を即座に行うことができる。
前記クリップ42は、内筒5の基部41に別体で取り付けられる成形体(具体的にはポリエステル系エラストマー成形物)であり、熱変色性インキを適用する本実施形態においては、基部41近傍の外側曲面部分を摩擦体として使用するものである。尚、内蔵するインキが非熱変色性である場合には、硬質の樹脂材による一体成形物や二色成形物、更に金属加工体等を取り付けることも可能である。また、スプリングや弾性樹脂等のバネ部材を用いたバインダークリップを用いることもできる。
前記クリップ42は、基部41近傍を摩擦体として使用するために、クリップ全体を単一のエラストマーで形成しているが、該構成に限るものではなく、二色成形やインサート成形、別部品の嵌合等の手段によって、外面の少なくとも一部が紙面等の被摩擦面に接触可能な形状や位置に弾性樹脂部を設けたものであってもよい。
前記摩擦体に適した弾性樹脂部の材質としては、弾性を有するゴムやエラストマーが好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。特に、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
前記摩擦体に適した弾性樹脂部の材質としては、弾性を有するゴムやエラストマーが好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。特に、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
尚、前記二重筒状の軸筒2を用いた筆記具外装は、前記押圧出没式筆記具の構成に限定されるものではなく、一端又は両端にペン先を備えたキャップ式筆記具や、回転繰り出し式、スライドレバー式、サイドノック式等の他の出没式筆記具形態、複数の筆記ユニットを収容する複合筆記具等であってもよい。また、構成する材質としても、金属や木材の加工体、合成樹脂成形体等から適宜選択され形成できる。
・装飾体
前記後軸4の内筒5と外筒6の間に形成される間隙部7には、様々な図柄が印刷された印刷像81が形成される樹脂シートを筒状とした装飾体8が取出可能に収容されている。本実施形態では、非熱変色性インキによる印刷像が設けられているが、熱変色性インキによる熱変色像を設けて、環境温度に応じて装飾体が様相変化を呈する構成とすることもできる。尚、前記樹脂シートは、裏面に接着層を介在させて内筒外面に貼着させてもよい。
前記印刷像81には、図2に示すような装飾用図柄の他、会社名や商品名等の名入れを施したり、個人情報を記載して名刺として使用できる形態とする等、ノベルティ効果の高いものを用いることができる。
前記後軸4の内筒5と外筒6の間に形成される間隙部7には、様々な図柄が印刷された印刷像81が形成される樹脂シートを筒状とした装飾体8が取出可能に収容されている。本実施形態では、非熱変色性インキによる印刷像が設けられているが、熱変色性インキによる熱変色像を設けて、環境温度に応じて装飾体が様相変化を呈する構成とすることもできる。尚、前記樹脂シートは、裏面に接着層を介在させて内筒外面に貼着させてもよい。
前記印刷像81には、図2に示すような装飾用図柄の他、会社名や商品名等の名入れを施したり、個人情報を記載して名刺として使用できる形態とする等、ノベルティ効果の高いものを用いることができる。
・筆記ユニット
前記軸筒2内に収容される筆記ユニット9は、汎用の筆記具に適用されるものであれば交換式、非交換式等どのような形態であってもよく、例えば、インキや固形描画材等の筆記材を内蔵するレフィルやカートリッジ、シャープペンシルユニット、直液式の万年筆、マーキングペンボールペン等のユニットが適用できる。
本実施形態では、レフィル形態の筆記ユニットが適用されており、例えば、金属製細管や筒状樹脂成形体からなるインキ収容管の先端に直接又はホルダーを介してペン先91が接続され、前記インキ収容管には熱変色性インキが充填されると共に、該インキの後端には所望によりインキ追従体が配設される。更に、レフィルの後端には空気通路を有する尾栓が設けられている。
前記軸筒2内に収容される筆記ユニット9は、汎用の筆記具に適用されるものであれば交換式、非交換式等どのような形態であってもよく、例えば、インキや固形描画材等の筆記材を内蔵するレフィルやカートリッジ、シャープペンシルユニット、直液式の万年筆、マーキングペンボールペン等のユニットが適用できる。
本実施形態では、レフィル形態の筆記ユニットが適用されており、例えば、金属製細管や筒状樹脂成形体からなるインキ収容管の先端に直接又はホルダーを介してペン先91が接続され、前記インキ収容管には熱変色性インキが充填されると共に、該インキの後端には所望によりインキ追従体が配設される。更に、レフィルの後端には空気通路を有する尾栓が設けられている。
・ペン先
前記ペン先91としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先、又は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたチップ等のボールペン用ペン先が適用できる。尚、ボールペンチップに用いられるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用できる。
本実施形態では、金属材料を切削加工により形成したボール抱持部に超硬合金ボールを抱持し、該ボールをバネ体により前方に付勢させたボールペン用ペン先91が適用されている。
前記ペン先91としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先、又は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたチップ等のボールペン用ペン先が適用できる。尚、ボールペンチップに用いられるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用できる。
本実施形態では、金属材料を切削加工により形成したボール抱持部に超硬合金ボールを抱持し、該ボールをバネ体により前方に付勢させたボールペン用ペン先91が適用されている。
・筆記材(熱変色性インキ)
前記筆記ユニット9に用いられる筆記材は、インキ、固形筆記材、シャープペン芯等、ユニット9に応じて適宜選択されるものであり、本実施形態では、着色剤として一定温度に達すると変色する熱変色性材料を用いた熱変色性水性インキが適用されレフィルに内蔵される。
前記熱変色性インキには、可逆熱変色性、不可逆熱変色性のいずれのタイプも用いることができるが、ユーザーが所望時に消去、変色させた筆跡を元の筆跡に戻すことが可能であることから可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
前記筆記ユニット9に用いられる筆記材は、インキ、固形筆記材、シャープペン芯等、ユニット9に応じて適宜選択されるものであり、本実施形態では、着色剤として一定温度に達すると変色する熱変色性材料を用いた熱変色性水性インキが適用されレフィルに内蔵される。
前記熱変色性インキには、可逆熱変色性、不可逆熱変色性のいずれのタイプも用いることができるが、ユーザーが所望時に消去、変色させた筆跡を元の筆跡に戻すことが可能であることから可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
また、前記可逆熱変色性インキに含有される着色剤(熱変色性材料)は、従来から公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性顔料が好適に用いられる。
具体的には、図3に示すように、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1)以下の低温域での発色状態、または完全消色温度(t4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型熱変色性インキ(ゲルインキ)が適用される。図3において、ΔHは、ヒステリシスの程度を示す温度幅(即ちヒステリシス幅)を示す。ΔHの値が小さいと、変色前後の両状態のうち一方の状態しか存在しえない。ΔHの値が大きいと、変色前後の各状態の保持が容易となる。
具体的には、図3に示すように、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1)以下の低温域での発色状態、または完全消色温度(t4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型熱変色性インキ(ゲルインキ)が適用される。図3において、ΔHは、ヒステリシスの程度を示す温度幅(即ちヒステリシス幅)を示す。ΔHの値が小さいと、変色前後の両状態のうち一方の状態しか存在しえない。ΔHの値が大きいと、変色前後の各状態の保持が容易となる。
本実施の形態では、摩擦体の摩擦熱による前記熱変色性インキの変色温度は、25℃〜95℃(好ましくは36℃〜95℃)に設定される。即ち、前記高温側変色点〔完全消色温度(t4)〕を、25℃〜95℃(好ましくは、36℃〜90℃)の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度(t1)〕を、−30℃〜+20℃(好ましくは、−30℃〜+10℃)の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができるとともに、可逆熱変色性インキによる筆跡を摩擦体による摩擦熱で容易に変色(消色)させることができる。
<第二の実施の形態>
本発明の筆記具1の第二の実施形態を図4及び図1(装飾体隠蔽状態)に示す。
図4の筆記具1を構成する外装部材(装飾部と可逆熱変色層を除く)は、ペン先91が先端に接続されたインキ収容管に油性インキを内蔵するボールペンレフィルを筆記ユニット9として用いた以外は第一の実施形態と同構造の出没式形態のボールペンである。尚、クリップ42には金属加工体が用いられている。
本発明の筆記具1の第二の実施形態を図4及び図1(装飾体隠蔽状態)に示す。
図4の筆記具1を構成する外装部材(装飾部と可逆熱変色層を除く)は、ペン先91が先端に接続されたインキ収容管に油性インキを内蔵するボールペンレフィルを筆記ユニット9として用いた以外は第一の実施形態と同構造の出没式形態のボールペンである。尚、クリップ42には金属加工体が用いられている。
・軸筒
前記筆記具外装である軸筒2は、把持部となる弾性グリップ31と口金32を有する前軸3と、基部41に金属製クリップ42が取り付けられた後軸4とを螺着することで形成される。
前記後軸4は、出没機構を内設するとともに、ボールペンレフィルを収容する基部41を備えた内筒5と、該内筒5を被覆する可逆熱変色性能を有する外筒6とによって構成されており、前記内筒5と外筒6との間には、内筒5の外周面全体に亘って間隙部7が形成されている。尚、前記外筒6は、内側が視認できる透明な筒状樹脂成形物の外面に可逆熱変色層61を塗装することで可逆熱変色性能を設けたものである。
前記筆記具外装である軸筒2は、把持部となる弾性グリップ31と口金32を有する前軸3と、基部41に金属製クリップ42が取り付けられた後軸4とを螺着することで形成される。
前記後軸4は、出没機構を内設するとともに、ボールペンレフィルを収容する基部41を備えた内筒5と、該内筒5を被覆する可逆熱変色性能を有する外筒6とによって構成されており、前記内筒5と外筒6との間には、内筒5の外周面全体に亘って間隙部7が形成されている。尚、前記外筒6は、内側が視認できる透明な筒状樹脂成形物の外面に可逆熱変色層61を塗装することで可逆熱変色性能を設けたものである。
本実施の形態では、ポリカーボネート樹脂中に着色材を添加した樹脂材料を射出成形することで得られる前軸3(グリップ31と口金32を備える)と、押圧操作部43を後端に配設する後軸4の二部品が、前後方向に着脱可能に形成される軸筒2が用いられ、前記二部品をレフィル収容状態で螺合することで筆記具外装を形成している。
前記後軸4は、外面に印刷や転写によって装飾体8が形成される着色不透明ポリカーボネート樹脂製内筒5と、該内筒5の外面との間に間隙部7が形成されるように被覆してなり、該間隙部7及び装飾体8が外側から視認できる透明ポリカーボネート樹脂製の筒体外面に可逆熱変色層61を形成した外筒6から構成されている。尚、前記外筒6は、後端が基部41と接触するとともに、前端が前軸3の後端(グリップ31後端)と接触することで保持されているため、前軸3と後軸4を分割することで容易に取り外すことができる。
前記後軸4は、外面に印刷や転写によって装飾体8が形成される着色不透明ポリカーボネート樹脂製内筒5と、該内筒5の外面との間に間隙部7が形成されるように被覆してなり、該間隙部7及び装飾体8が外側から視認できる透明ポリカーボネート樹脂製の筒体外面に可逆熱変色層61を形成した外筒6から構成されている。尚、前記外筒6は、後端が基部41と接触するとともに、前端が前軸3の後端(グリップ31後端)と接触することで保持されているため、前軸3と後軸4を分割することで容易に取り外すことができる。
前記可逆熱変色層61は、着色状態で隠蔽性のある色相、色調を呈し、消色状態で透明となる可逆熱変色性材料を用いた塗装用インキを透明筒体の外面に塗装することで形成されており、軸筒に可逆的な視覚機能を付している。
前記可逆熱変色層61は、環境温度域内(例えば、−10℃〜50℃、好ましくは5℃〜40℃)や、摩擦熱、ドライヤー等の加温、冷却等で様相が変化して隠蔽状態、光透過状態と変化するものであり、筆記具1の使用場所の温度域や、指等での摩擦熱、ドライヤー等の加温、冷却等によって内部の装飾体8が現出するように構成される。これにより、温度変化で内部の装飾体8が視認可能となる今までにない意外性を備え、興趣に富んだ筆記具を形成できる。特に、変色温度が異なるものを二種以上用いた場合には、温度によって内部が部分的に視認されるような構成として図柄模様を形成したり、色相や模様の異なる外装に変化する等、複数の様相を呈する、より装飾性が高いものを構成できる。
前記可逆熱変色層61は、環境温度域内(例えば、−10℃〜50℃、好ましくは5℃〜40℃)や、摩擦熱、ドライヤー等の加温、冷却等で様相が変化して隠蔽状態、光透過状態と変化するものであり、筆記具1の使用場所の温度域や、指等での摩擦熱、ドライヤー等の加温、冷却等によって内部の装飾体8が現出するように構成される。これにより、温度変化で内部の装飾体8が視認可能となる今までにない意外性を備え、興趣に富んだ筆記具を形成できる。特に、変色温度が異なるものを二種以上用いた場合には、温度によって内部が部分的に視認されるような構成として図柄模様を形成したり、色相や模様の異なる外装に変化する等、複数の様相を呈する、より装飾性が高いものを構成できる。
前記可逆熱変色層61に適用される可逆熱変色性材料には、図3を用いて先に説明したものが適用でき、可逆熱変色性組成物が直接用いられる他、該組成物をマイクロカプセルに内包したマイクロカプセル顔料形態で用いることができる。
また、前記可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層61は、前記熱変色性材料を単独で用いた消色タイプの他、透明性を維持できる範囲で非熱変色性着色剤を添加した変色タイプ(温度変化により着色隠蔽状態と着色透明状態を呈する)のいずれを用いることもできる。尚、本実施形態では、前者の消色タイプを用いて、約35℃で略無色透明となる可逆熱変色性層を形成している。
また、前記可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層61は、前記熱変色性材料を単独で用いた消色タイプの他、透明性を維持できる範囲で非熱変色性着色剤を添加した変色タイプ(温度変化により着色隠蔽状態と着色透明状態を呈する)のいずれを用いることもできる。尚、本実施形態では、前者の消色タイプを用いて、約35℃で略無色透明となる可逆熱変色性層を形成している。
更に、前記可逆熱変色層61の上面には、光透過性光輝層やトップコート層を形成することができ、装飾効果の付与、耐光性や強度の向上等を図ることができる。
本実施形態では、透明外筒6を支持体として、外面全体に可逆熱変色層61を形成した後、光透過性を有する光輝性材料(具体的にはヘリコーン)を含む塗装用インキを全面に塗布することで光透過性光輝層を形成し、更に紫外線吸収剤を含むトップコート層が積層形成されている。尚、可逆熱変色層61の上面に光透過性光輝層を形成することで、装飾効果や耐光性の向上とともに、可逆熱変色層61着色時の隠蔽性がより高いものとなる。
本実施形態では、透明外筒6を支持体として、外面全体に可逆熱変色層61を形成した後、光透過性を有する光輝性材料(具体的にはヘリコーン)を含む塗装用インキを全面に塗布することで光透過性光輝層を形成し、更に紫外線吸収剤を含むトップコート層が積層形成されている。尚、可逆熱変色層61の上面に光透過性光輝層を形成することで、装飾効果や耐光性の向上とともに、可逆熱変色層61着色時の隠蔽性がより高いものとなる。
・装飾体
前記間隙部7が形成される内筒5の外面には、図柄や文字が印刷されたフィルムの転写や貼着、パッド印刷、シルク印刷、インクジェット印刷等の直接印刷によって装飾体8(印刷像81)が形成される。
本実施形態では、非熱変色性インキを用いたシルク印刷により、会社名、部署名、氏名からなる個人情報を印刷像81として設けており、名刺として使用できる形態となっている。そのため、温度変化によって個人情報が現出するような視覚効果を発現できるので、意外性及び話題性が高く、ノベルティ効果の高いものとなる。また、前記印刷像81として熱変色性インキによる熱変色像を設け、環境温度に応じて装飾体が様相変化を呈する構成とすることもできる。
前記間隙部7が形成される内筒5の外面には、図柄や文字が印刷されたフィルムの転写や貼着、パッド印刷、シルク印刷、インクジェット印刷等の直接印刷によって装飾体8(印刷像81)が形成される。
本実施形態では、非熱変色性インキを用いたシルク印刷により、会社名、部署名、氏名からなる個人情報を印刷像81として設けており、名刺として使用できる形態となっている。そのため、温度変化によって個人情報が現出するような視覚効果を発現できるので、意外性及び話題性が高く、ノベルティ効果の高いものとなる。また、前記印刷像81として熱変色性インキによる熱変色像を設け、環境温度に応じて装飾体が様相変化を呈する構成とすることもできる。
・筆記ユニット
前記軸筒2内に収容される筆記ユニット9は、汎用の筆記具に適用されるものであれば交換式、非交換式等どのような形態であってもよいが、本実施形態では、ボールペンレフィル形態の筆記ユニットが適用されている。具体的には、ポリプロピレンパイプからなるインキ収容管の先端にホルダーを介してペン先91が接続され、インキ収容管に油性インキが充填されると共に、該インキの後端にインキ追従体(液栓)が配設されている。更に、インキ収容管の後端には、空気通路を有する尾栓が設けられることで交換可能なボールペンレフィルが構成される。
前記軸筒2内に収容される筆記ユニット9は、汎用の筆記具に適用されるものであれば交換式、非交換式等どのような形態であってもよいが、本実施形態では、ボールペンレフィル形態の筆記ユニットが適用されている。具体的には、ポリプロピレンパイプからなるインキ収容管の先端にホルダーを介してペン先91が接続され、インキ収容管に油性インキが充填されると共に、該インキの後端にインキ追従体(液栓)が配設されている。更に、インキ収容管の後端には、空気通路を有する尾栓が設けられることで交換可能なボールペンレフィルが構成される。
1 筆記具
2 軸筒
3 前軸
31 グリップ
32 口金
4 後軸
41 基部
42 クリップ
43 押圧操作部
5 内筒
51 支持部
6 外筒
61 可逆熱変色層
7 間隙部
8 装飾体
81 熱変色像
82 非熱変色像
9 筆記ユニット
91 ペン先
t1 完全発色温度
t2 発色開始温度
t3 消色開始温度
t4 完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅
2 軸筒
3 前軸
31 グリップ
32 口金
4 後軸
41 基部
42 クリップ
43 押圧操作部
5 内筒
51 支持部
6 外筒
61 可逆熱変色層
7 間隙部
8 装飾体
81 熱変色像
82 非熱変色像
9 筆記ユニット
91 ペン先
t1 完全発色温度
t2 発色開始温度
t3 消色開始温度
t4 完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅
Claims (8)
- 筆記ユニットを内設する内筒と、前記内筒を被覆する外筒との二重筒状の軸筒を用いた筆記具であって、
前記外筒が可逆熱変色性能を有しており、温度変化によって外側から内部が視認可能な透明状態と、視認不可能な隠蔽状態となる可逆的視覚機能を備えてなる筆記具。 - 前記内筒と前記外筒の間に間隙部が形成され、前記間隙部に装飾体が収容される請求項1記載の筆記具。
- 前記装飾体が軸筒から取出可能である請求項2記載の筆記具。
- 前記外筒の外面又は内面の少なくとも一方に加熱消色型可逆熱変色層が形成される請求項1乃至3のいずれか記載の筆記具。
- 前記内筒外面と前記外筒内面の少なくともいずれかに装飾体が設けられる請求項1記載の筆記具。
- 前記筆記ユニットが筆記材を内蔵するレフィル、筆記材カートリッジ、シャープペンシルユニットのいずれかである請求項1乃至5のいずれかに記載の筆記具。
- 前記筆記材が、着色剤として一定温度に達すると変色する熱変色性材料を用いてなる請求項6に記載の筆記具。
- 前記熱変色性材料の変色温度と略等しい温度で様相変化を生じるインジケーター部が、外筒、内筒、装飾体のいずれかに形成される請求項7記載の筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011027988A JP2012166402A (ja) | 2011-02-11 | 2011-02-11 | 筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011027988A JP2012166402A (ja) | 2011-02-11 | 2011-02-11 | 筆記具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012166402A true JP2012166402A (ja) | 2012-09-06 |
Family
ID=46971048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011027988A Withdrawn JP2012166402A (ja) | 2011-02-11 | 2011-02-11 | 筆記具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012166402A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101461333B1 (ko) * | 2013-08-26 | 2014-11-13 | 이한영 | 미아 발생 예방용 네임펜 |
-
2011
- 2011-02-11 JP JP2011027988A patent/JP2012166402A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101461333B1 (ko) * | 2013-08-26 | 2014-11-13 | 이한영 | 미아 발생 예방용 네임펜 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2021079712A (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP7562770B2 (ja) | 消去具を備えた筆記具 | |
JP6029644B2 (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP5679504B2 (ja) | ノック式筆記具 | |
JP2015128891A (ja) | 筆記具レフィル収納体、筆記具本体及び筆記具セット | |
JP5932292B2 (ja) | 摩擦体及び熱変色性筆記具 | |
JP2012162019A (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP5767881B2 (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP5694738B2 (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP6545451B2 (ja) | 消去部材付筆記具 | |
JP2012166402A (ja) | 筆記具 | |
JP2011230440A (ja) | 熱変色性筆記具セット | |
JP6298090B2 (ja) | 摩擦体の製造方法 | |
JP2008273075A (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP2012179890A (ja) | 筆記具 | |
JP2015009456A (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP2012091476A (ja) | 熱変色性筆記具 | |
JP2012200968A (ja) | 寄せ書きセット | |
JP3190264U (ja) | 写経セット | |
JP6315772B2 (ja) | 筆記具の軸筒 | |
JP3190265U (ja) | 寄せ書きセット | |
JP7018916B2 (ja) | 消去部材付筆記具 | |
JP6544912B2 (ja) | 消去部材付筆記具 | |
JP2017094674A (ja) | 消去具及び筆記具付き消去具 | |
JP2012179715A (ja) | 多芯筆記具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140513 |