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JP2012036805A - 熱交換部材、および、それを用いた吸気システム - Google Patents

熱交換部材、および、それを用いた吸気システム Download PDF

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JP2012036805A
JP2012036805A JP2010177174A JP2010177174A JP2012036805A JP 2012036805 A JP2012036805 A JP 2012036805A JP 2010177174 A JP2010177174 A JP 2010177174A JP 2010177174 A JP2010177174 A JP 2010177174A JP 2012036805 A JP2012036805 A JP 2012036805A
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Abstract

【課題】吸気冷却器によって冷却された吸気の温度上昇を抑制可能な熱交換部材および吸気システムを提供する。
【解決手段】熱交換部材1は、エンジン40への吸気が流通する吸気通路21を形成する吸気管20、および、吸気通路21内の吸気を冷却するインタークーラ30を有する吸気システム10に設置される。熱交換部材1は、被冷却部110および熱交換部120を備える。被冷却部110は、インタークーラ30により冷却される。熱交換部120は、インタークーラ30下流側の吸気との間で熱交換可能である。熱交換部材1は、被冷却部110がインタークーラ30によって冷却されることにより全体が冷却されつつ、熱交換部120が吸気との間で熱交換を行うことで当該吸気を冷却可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という。)の吸気系に設けられる熱交換部材、および、それを用いた吸気システムに関する。
従来、エンジンの各気筒に吸気を導くインテークマニホールドの上流側近傍にインタークーラを設けた吸気システムが知られている(例えば特許文献1および2参照)。この吸気システムでは、過給器により圧縮されて温度が上昇した吸気を、吸気通路のうちエンジンに比較的近い箇所で冷却することが可能である。
しかしながら、特許文献1および2の吸気システムでは、吸気は、インタークーラによって冷却されるものの、冷却後、インタークーラの下流側においてエンジンやエンジンルームからの熱を受け、温度が上昇するという問題がある。このように、インタークーラで吸気を冷却したにもかかわらずエンジン等からの受熱により吸気の温度が上昇すると、過給器による過給の効果が低下するおそれがある。また、吸気が高温の状態でエンジンの気筒に流入すると、自然発火あるいはノッキングを招くおそれがある。
独国特許出願公開第4202077号明細書 独国特許出願公開第19902504号明細書
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸気冷却器によって冷却された吸気の温度上昇を抑制可能な熱交換部材および吸気システムを提供することにある。
請求項1に記載の熱交換部材の発明は、内燃機関への吸気が流通する吸気通路を形成する吸気管、および、吸気通路内の吸気を冷却する吸気冷却器を有する吸気系に設置される。本発明は、被冷却部と熱交換部とを備える。被冷却部は、吸気冷却器により冷却される。熱交換部は、吸気冷却器下流側の吸気との間で熱交換可能である。
本発明による熱交換部材は、被冷却部が吸気冷却器によって冷却されることにより全体が冷却されつつ、熱交換部が吸気との間で熱交換を行う。つまり、吸気冷却器下流側の吸気は、熱交換部と熱交換することによって冷却される。これにより、吸気冷却器の下流側の吸気は、内燃機関等から受熱しても、温度上昇が抑制される。したがって、本発明では、吸気冷却器によって冷却された吸気の、吸気冷却器下流側での温度上昇を抑制することができる。その結果、内燃機関の気筒内における自然発火およびノッキングを抑制することができる。また、過給器を搭載する吸気システムに本発明による熱交換部材を適用した場合、過給器による過給の効果を向上することができる。
請求項2および3に記載の発明は、熱交換部材の被冷却部の構成をより具体的に例示するものである。
請求項2に記載の発明では、被冷却部は、吸気冷却器に当接するよう設けられることで吸気冷却器により冷却される第1被冷却部を有する。
請求項3に記載の発明では、被冷却部は、吸気冷却器の下流側近傍に吸気冷却器とは非当接の状態で設けられることで、吸気冷却器により冷却された吸気によって冷却される第2被冷却部を有する。
請求項4および5に記載の発明は、被冷却部の第2被冷却部の構成をより具体的に例示するものである。
請求項4に記載の発明では、第2被冷却部は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔を有する。本発明では、吸気冷却器により冷却された吸気が複数の孔を流通することにより、第2被冷却部を効果的に冷却することができる。
請求項5に記載の発明では、第2被冷却部は、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。これにより、吸気冷却器によって冷却された吸気を第2被冷却部に効果的に接触させることができる。したがって、第2被冷却部をより効果的に冷却することができる。なお、第2被冷却部には吸気が流通可能な複数の孔が形成されているため、第2被冷却部によって吸気の流れが遮られることはない。
請求項6および12に記載の発明は、熱交換部材の熱交換部の構成をより具体的に例示するものである。
請求項6に記載の発明では、熱交換部は、吸気冷却器の下流側に吸気通路の少なくとも一部を覆うよう設けられ吸気との間で熱交換可能な第1熱交換部を有する。第1熱交換部が吸気との間で熱交換することにより、「吸気冷却器の下流側で吸気を冷却することができる」。また、第1熱交換部は吸気通路の少なくとも一部を覆うよう設けられているため、「内燃機関等、外部からの熱を第1熱交換部で遮ることができる」。その結果、前記熱によって吸気の温度が上昇するのを抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、熱交換部の第1熱交換部の構成をより具体的に例示するものである。
請求項7に記載の発明では、第1熱交換部は、内燃機関の気筒に対応する吸気ポートに接続する吸気管の内側を延びるようにして形成される延伸部を有している。そのため、上述の「第1熱交換部によって吸気を冷却する効果」、および、「外部からの熱を遮る効果」をより高めることができる。
請求項8〜10は、第1熱交換部の延伸部の構成をより具体的に例示するものである。
請求項8に記載の発明では、延伸部は、吸気通路(内燃機関の気筒に対応する吸気ポートに接続する吸気管の内側に形成される吸気通路)を周方向に覆うよう形成されている。
請求項9に記載の発明では、延伸部は、先端部が内燃機関の吸気ポート内に位置するよう形成されている。
請求項10に記載の発明では、延伸部は、吸気ポートにより形成される通路を周方向に覆うよう形成されている。
請求項8〜10に記載の発明では、上述の「第1熱交換部によって吸気を冷却する効果」、および、「外部からの熱を遮る効果」をさらに高めることができる。
請求項11に記載の発明では、熱交換部の第1熱交換部は、内燃機関の複数の気筒に対応して分岐する吸気管および吸気通路に対応し、前記延伸部を複数有している。すなわち、本発明は、多気筒の内燃機関に適用される場合の構成を具体的に例示するものである。上述のように、本発明では、第1熱交換部は、内燃機関の複数の吸気ポート、および、それに接続する分岐吸気管に対応し、複数の延伸部を有している。これにより、多気筒の内燃機関に適用される場合であっても、上述の「第1熱交換部によって吸気を冷却する効果」、および、「外部からの熱を遮る効果」を効果的に発揮することができる。
請求項12に記載の発明では、熱交換部は、内燃機関の気筒に対応する吸気ポートの上流側に設けられ吸気との間で熱交換可能な第2熱交換部を有する。第2熱交換部が吸気との間で熱交換することにより、「内燃機関の上流側で吸気が冷却され、当該冷却された吸気を内燃機関に供給することができる」。
請求項13〜15に記載の発明は、熱交換部の第2熱交換部の構成をより具体的に例示するものである。
請求項13に記載の発明では、第2熱交換部は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔を有している。第2熱交換部に形成された複数の孔を吸気が流通することによって、上述の「内燃機関の上流側で吸気が冷却される効果」をより高めることができる。
請求項14に記載の発明では、第2熱交換部は、板面の少なくとも一部が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。これにより、吸気を第2熱交換部に効果的に接触させることができる。したがって、吸気をより効果的に冷却することができる。なお、第2熱交換部には吸気が流通可能な複数の孔が形成されているため、第2熱交換部によって吸気の流れが遮られることはない。
請求項15に記載の発明では、第2熱交換部は、吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されている。これにより、第2熱交換部の吸気との接触面の面積を大きくすることができる。その結果、上述の「内燃機関の上流側で吸気が冷却される効果」をさらに高めることができる。また、第2熱交換部が吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されていることにより、吸気の流れに対する第2熱交換部の強度を高めることができる。そのため、第2熱交換部の板厚を小さくでき、部材コストを低減することができる。
請求項16に記載の吸気システムの発明は、吸気管と吸気冷却器と熱交換部材とを備えている。吸気管は、内燃機関への吸気が流通する吸気通路を形成している。吸気冷却器は、吸気通路内の吸気を冷却する。本発明の熱交換部材は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の熱交換部材である。当該熱交換部材は、吸気冷却器によって冷却された吸気の、吸気冷却器下流側での温度上昇を抑制することができる。したがって、本発明では、内燃機関の気筒内における自然発火およびノッキングを抑制することができる。また、吸気システムが過給器を搭載する構成の場合、過給器による過給の効果を向上することができる。
本発明の第1実施形態による熱交換部材を吸気システムに適用した状態を示す模式図。 本発明の第1実施形態による熱交換部材を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面図、(B)は(A)の熱交換部材を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図、(D)は熱交換部材の斜視図。 本発明の第2実施形態による熱交換部材を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面に対応する図、(B)は(A)の熱交換部材を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図、(D)は(B)を矢印D方向から見た図、(E)は熱交換部材の斜視図。 本発明の第3実施形態による熱交換部材を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面に対応する図、(B)は熱交換部材の斜視図。 本発明の第4実施形態による熱交換部材を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面に対応する図、(B)は熱交換部材の斜視図。 本発明の第5実施形態による熱交換部材を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面に対応する図、(B)は(A)の熱交換部材を矢印B方向から見た図。 本発明の第6実施形態による熱交換部材を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面に対応する図、(B)は(A)の熱交換部材を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による熱交換部材を車両の吸気システムに適用した例を図1および2に示す。図1に示すように、熱交換部材1は、吸気システム10に設けられている。吸気システム10は、エンジン40の吸気系を構成している。
ここで、エンジン40について説明する。エンジン40は、4つの気筒41を有している。エンジン40は、気筒41の一方の端部を塞ぐシリンダヘッド42を有している。シリンダヘッド42には、気筒41に対応し、4つの吸気ポート43が設けられている。吸気ポート43の内側には、通路431が形成されている。通路431は、気筒41の内側の燃焼室411に連通している。また、気筒41の吸気ポート43とは反対側には、排気ポート44が設けられている。排気ポート44の内側には、通路441が形成されている。通路441は、燃焼室411に連通している。
図2(A)に示すように、燃焼室411には、ピストン45が設けられている。ピストン45は、気筒41の軸方向へ往復移動可能に設けられている。シリンダヘッド42には、吸気弁46、排気弁47、インジェクタ48および点火プラグ49が設けられている。吸気弁46は、燃焼室411と通路431との間を開閉可能である。排気弁47は、燃焼室411と通路441との間を開閉可能である。インジェクタ48は、燃料としてのガソリンを燃焼室411に噴射する。点火プラグ49は、燃焼室411内のガソリンに点火する。このように、エンジン40は、インジェクタ48から噴射されたガソリンを燃焼室411で燃焼させることにより稼動する。つまり、エンジン40は、4気筒の直噴式ガソリンエンジンである。
次に、吸気システム10および排気系について説明する。
図1および2に示すように、吸気システム10は、吸気管20、吸気冷却器としてのインタークーラ30および熱交換部材1等を備えている。
吸気管20は、内側に吸気通路21を形成している。吸気管20の一方の端部には、吸気口22が形成されている。吸気管20の他方の端部は、4つに分岐し、インテークマニホールド23を形成している。インテークマニホールド23は、4つに分岐する部分のそれぞれが、エンジン40の吸気ポート43に接続している。これにより、吸気口22から流入した空気は、吸気通路21および通路431を流通しエンジン40の燃焼室411に導かれる。
図2に示すように、燃焼室411内でピストン45が下降するとき、燃焼室411と、吸気通路21との間に差圧が生じる。これにより、吸気通路21の気体(空気)は、燃焼室411に吸入される。以下、燃焼室411に吸入される気体を「吸気」という。また、吸気通路21および通路431において、吸気流れの上流側を単に「上流側」、吸気流れの下流側を単に「下流側」という。
エンジン40の排気ポート44には、排気管50が接続している。排気管50の排気ポート44側の端部は4つに分岐し、それぞれが排気ポート44に接続している。排気管50の排気ポート44とは反対側の端部には、排気口52が形成されている。排気管50は、内側に排気通路51を形成している。各燃焼室411でガソリンが燃焼することにより生じる燃焼ガスは、燃焼室411から排出されて排気ポート44内および排気通路51を流通し、排気口52を通じて車両の外部へ放出される。以下、各燃焼室411から排出される燃焼ガスを「排気」という。また、排気通路51において、排気流れの上流側を単に「上流側」、排気流れの下流側を単に「下流側」という。排気管50の排気口52の上流側には、排気浄化部53が設けられている。排気浄化部53は、例えばモノリス三元触媒を有している。これにより、排気浄化部53を通過する排気は浄化される。このように、排気管50および排気浄化部53は、エンジン40の排気系を構成している。
吸気管20のインテークマニホールド23の上流側には、所定の容積をもつサージタンク24が形成されている。また、吸気通路21のインテークマニホールド23の上流側には、スロットルバルブ11が設けられている。スロットルバルブ11は、吸気通路21を開閉することにより、エンジン40に供給される吸気の量を調節可能である。なお、吸気管20のうち、サージタンク24およびインテークマニホールド23は樹脂により形成されている。
吸気管20の吸気口22の下流側には、エアフィルター12が設けられている。エアフィルター12は、吸気中の異物を捕集する。
本実施形態では、吸気管20と排気管50との間に過給器60が設けられている。過給器60は、タービン61、コンプレッサ62およびシャフト63を有している。タービン61は、排気通路51のエンジン40と排気浄化部53との間に回転可能に設けられている。一方、コンプレッサ62は、吸気通路21のエアフィルター12とスロットルバルブ11との間に回転可能に設けられている。シャフト63は、タービン61とコンプレッサ62とを接続している。排気通路21を排気が流れると、タービン61が回転する。これにより、コンプレッサ62が回転する。コンプレッサ62が回転すると、吸気は、コンプレッサ62により圧縮されてエンジン40に供給される。つまり、過給器60は、吸気をエンジン40に過給するターボチャージャーである。なお、コンプレッサ62により圧縮された吸気は、コンプレッサ62の下流側において、コンプレッサ62の上流側の吸気と比べ、温度が上昇した状態となる。
インタークーラ30は、サージタンク24内に設けられている。すなわち、インタークーラ30は、過給器60(コンプレッサ62)の下流側に設けられている。インタークーラ30は、略直方体状に形成され、サージタンク24に形成された開口241から挿し込まれるようにしてサージタンク24内に設けられる。
インタークーラ30は、内部を冷却水が流通するよう構成されている。そのため、インタークーラ30の周囲を通過する吸気は、インタークーラ30によって冷却される。本実施形態では、過給器60により圧縮された吸気は、過給器60の下流側で温度が上昇するものの、インタークーラ30により冷却されることで温度が低下する。これにより、過給器60による過給の効果を高めることができる。
次に、熱交換部材1について説明する。
熱交換部材1は、サージタンク24内のインタークーラ30の下流側に設けられている。熱交換部材1は、例えばアルミまたはステンレス等の金属により形成されている。図2(A)〜(D)に示すように、熱交換部材1は、被冷却部110および熱交換部120を有している。
被冷却部110は、第1被冷却部111を有している。本実施形態では、第1被冷却部111は、インタークーラ30の両側面(側面31、側面32)を挟むようにして2つ設けられている(図2(A)〜(C)参照)。第1被冷却部111の一方は、板状に形成され、インタークーラ30の側面31に当接している。第1被冷却部111の他方は、板状に形成され、インタークーラ30の側面32に当接している。第1被冷却部111は、インタークーラ30に当接するよう設けられることで、インタークーラ30により冷却される。これにより、熱交換部材1は、全体が冷却される。
熱交換部120は、2つの被冷却部110の間に設けられ、被冷却部110と一体に形成されている(図2(A)〜(C)参照)。熱交換部120は、第1熱交換部121を有している。第1熱交換部121は、インタークーラ30の下流側に設けられ、サージタンク24の内壁の形状に沿うよう曲面状に形成されている。より具体的には、第1熱交換部121は、図2(A)に示すように、インタークーラ30近傍からインテークマニホールド23の入口231近傍まで延びるようにして形成されている。このように、第1熱交換部121は、吸気通路21の少なくとも一部を覆うよう設けられている。そのため、第1熱交換部121は、インタークーラ30の下流側の吸気との間で熱交換可能である。これにより、インタークーラ30の下流側の吸気は、第1熱交換部121により冷却される。
また、第1熱交換部121が吸気通路21の少なくとも一部を覆うよう設けられているため、エンジン40から発せられる熱およびエンジン40を収容するエンジンルームの熱は、第1熱交換部121により遮られる。これにより、インタークーラ30の下流側の吸気がエンジン40等から受熱するのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態では、熱交換部材1は、被冷却部110がインタークーラ30によって冷却されることにより全体が冷却されつつ、熱交換部120が吸気との間で熱交換を行う。つまり、インタークーラ30の下流側の吸気は、熱交換部120と熱交換することによって冷却される。これにより、インタークーラ30の下流側の吸気は、エンジン40等から受熱しても、温度上昇が抑制される。したがって、本実施形態では、インタークーラ30によって冷却された吸気の、インタークーラ30下流側での温度上昇を抑制することができる。その結果、エンジン40の気筒41内における自然発火およびノッキングを抑制することができる。また、過給器60を搭載する吸気システム10では、熱交換部材1を設けることによりインタークーラ30下流側での吸気の温度上昇を抑制することができるため、過給器60による過給の効果を向上することができる。
また、本実施形態では、被冷却部110は、インタークーラ30に当接するよう設けられることでインタークーラ30により冷却される第1被冷却部111を有する。また、熱交換部120は、インタークーラ30の下流側に吸気通路21の少なくとも一部を覆うよう設けられ吸気との間で熱交換可能な第1熱交換部121を有する。第1熱交換部121が吸気との間で熱交換することにより、「インタークーラ30の下流側で吸気を冷却することができる」。また、第1熱交換部121は吸気通路21の少なくとも一部を覆うよう設けられているため、「エンジン40等、外部からの熱を第1熱交換部121で遮ることができる」。その結果、前記熱によって吸気の温度が上昇するのを抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による熱交換部材を図3に示す。第2実施形態による熱交換部材2は、被冷却部の構成が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、特に図3(B)、(D)、(E)に示すように、被冷却部110は、第2被冷却部112を有している。第2被冷却部112は、板状に形成され、図3(D)に示すように、複数の孔113が形成されている。第2被冷却部112は、図3(A)に示すように、インタークーラ30の下流側近傍に、インタークーラ30とは非当接の状態で、インタークーラ30に対向するようにして設けられている。そのため、第2被冷却部112は、インタークーラ30により冷却された吸気が接触することによって冷却される。これにより、熱交換部材2は、全体が冷却される。また、第2被冷却部112は、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。ここで、吸気は、第2被冷却部112の複数の孔113を流通可能である。
熱交換部材2の熱交換部120の構成は、第1実施形態の熱交換部120と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、被冷却部110は、インタークーラ30の下流側近傍にインタークーラ30とは非当接の状態で設けられることで、インタークーラ30により冷却された吸気によって冷却される第2被冷却部112を有する。第2被冷却部112は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔113を有する。本実施形態では、インタークーラ30により冷却された吸気が複数の孔113を流通することにより、第2被冷却部112を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、第2被冷却部112は、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。これにより、インタークーラ30によって冷却された吸気を第2被冷却部112に効果的に接触させることができる。したがって、第2被冷却部112をより効果的に冷却することができる。なお、第2被冷却部112には吸気が流通可能な複数の孔113が形成されているため、第2被冷却部112によって吸気の流れが遮られる(遮断される)ことはない。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による熱交換部材を図4に示す。第3実施形態による熱交換部材3は、第1実施形態による熱交換部材1の変形例である。
第3実施形態では、図4(B)に示すように、第1熱交換部121は、複数の延伸部123を有している。本実施形態では、第1熱交換部121は、エンジン40の気筒41に対応して4つに分岐する吸気管20(インテークマニホールド23)に対応し、4つの延伸部123を有している。
延伸部123は、図4(A)に示すように、インテークマニホールド23により形成される吸気通路21中を延びるようにして形成されている。また、延伸部123は、先端部がエンジン40の吸気ポート43内(通路431)に位置するよう形成されている。
本実施形態の熱交換部材3は、上述した点(延伸部123)以外は、第1実施形態の熱交換部材1の構成と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、第1熱交換部121は、エンジン40の気筒41に対応する吸気ポート43に接続する吸気管20(インテークマニホールド23)の内側を延びるようにして形成される延伸部123を有している。また、延伸部123の先端部は、エンジン40の吸気ポート43内に位置している。この構成により、第1熱交換部121による、「吸気を冷却する効果」、および、「外部からの熱を遮る効果」をより高めることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による熱交換部材を図5に示す。第4実施形態による熱交換部材4は、第2実施形態による熱交換部材2の変形例である。
第4実施形態では、図5(B)に示すように、第1熱交換部121は、複数の延伸部123を有している。本実施形態では、第1熱交換部121は、エンジン40の気筒41に対応して4つに分岐する吸気管20(インテークマニホールド23)に対応し、4つの延伸部123を有している。
延伸部123は、図5(A)に示すように、インテークマニホールド23により形成される吸気通路21中を延びるようにして形成されている。また、延伸部123は、先端部がエンジン40の吸気ポート43内(通路431)に位置するよう形成されている。
このように、第4実施形態による熱交換部材4は、第2実施形態による熱交換部材2に、第3実施形態による熱交換部材3の特徴部分である延伸部123を組み合わせた構成である。
本実施形態の熱交換部材4は、上述した点(延伸部123)以外は、第2実施形態の熱交換部材2の構成と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、第1熱交換部121は、エンジン40の気筒41に対応する吸気ポート43に接続する吸気管20(インテークマニホールド23)の内側を延びるようにして形成される延伸部123を有している。また、延伸部123の先端部は、エンジン40の吸気ポート43内に位置している。この構成により、第3実施形態と同様、第1熱交換部121による、「吸気を冷却する効果」、および、「外部からの熱を遮る効果」をより高めることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による熱交換部材を図6に示す。
第5実施形態による熱交換部材5は、第1実施形態による熱交換部材1と同様、例えばアルミまたはステンレス等の金属により形成されている。熱交換部材5は、図6(A)および(B)に示すように、被冷却部510および熱交換部520を有している。
被冷却部510は、第1被冷却部511を有している。第1被冷却部511は、板状に形成され、インタークーラ30の前面33に当接している(図6(A)参照)。第1被冷却部511は、インタークーラ30に当接するよう設けられることで、インタークーラ30により冷却される。これにより、熱交換部材5は、全体が冷却される。
熱交換部520は、被冷却部510と一体に形成されている(図6(A)および(B)参照)。熱交換部520は、第2熱交換部522を有している。第2熱交換部522は、エンジン40の気筒41に対応する吸気ポート43の上流側に設けられている。より具体的には、第2熱交換部522は、図6(A)に示すように、サージタンク24内においてインタークーラ30とインテークマニホールド23の入口231との間に設けられている。
第2熱交換部522は、板状に形成され、図6(B)に示すように、複数の孔523が形成されている。また、第2熱交換部522は、図6(A)に示すように、吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されている。つまり、第2熱交換部522は、板面の少なくとも一部(特に中央)が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。ここで、吸気は、第2熱交換部522の複数の孔523を流通可能である。このとき、第2熱交換部522は、インタークーラ30の下流側の吸気との間で熱交換可能である。これにより、インタークーラ30の下流側の吸気は、第2熱交換部522により冷却される。
以上説明したように、本実施形態では、熱交換部材5は、被冷却部510がインタークーラ30によって冷却されることにより全体が冷却されつつ、熱交換部520が吸気との間で熱交換を行う。つまり、インタークーラ30の下流側の吸気は、熱交換部520と熱交換することによって冷却される。これにより、インタークーラ30の下流側の吸気は、エンジン40等から受熱しても、温度上昇が抑制される。したがって、本実施形態では、インタークーラ30によって冷却された吸気の、インタークーラ30下流側での温度上昇を抑制することができる。その結果、エンジン40の気筒41内における自然発火およびノッキングを抑制することができる。また、過給器60を搭載する吸気システム10では、熱交換部材5を設けることによりインタークーラ30下流側での吸気の温度上昇を抑制することができるため、過給器60による過給の効果を向上することができる。
また、本実施形態では、被冷却部510は、インタークーラ30に当接するよう設けられることでインタークーラ30により冷却される第1被冷却部511を有する。また、熱交換部520は、エンジン40の気筒41に対応する吸気ポート43の上流側に設けられ吸気との間で熱交換可能な第2熱交換部522を有する。第2熱交換部522が吸気との間で熱交換することにより、「エンジン40の上流側で吸気が冷却され、当該冷却された吸気をエンジン40に供給することができる」。
また、本実施形態では、第2熱交換部522は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔523を有している。第2熱交換部522に形成された複数の孔523を吸気が流通することによって、上述の「エンジン40の上流側で吸気が冷却される効果」をより高めることができる。
また、本実施形態では、第2熱交換部522は、板面の少なくとも一部が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。これにより、吸気を第2熱交換部522に効果的に接触させることができる。したがって、吸気をより効果的に冷却することができる。なお、第2熱交換部522には吸気が流通可能な複数の孔523が形成されているため、第2熱交換部522によって吸気の流れが遮られる(遮断される)ことはない。
また、本実施形態では、第2熱交換部522は、吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されている。これにより、第2熱交換部522の吸気との接触面の面積を大きくすることができる。その結果、上述の「エンジン40の上流側で吸気が冷却される効果」をさらに高めることができる。また、第2熱交換部522が吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されていることにより、吸気の流れに対する第2熱交換部522の強度を高めることができる。そのため、第2熱交換部522の板厚を小さくでき、部材コストを低減することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による熱交換部材を図7に示す。第6実施形態による熱交換部材6は、被冷却部の構成が第5実施形態と異なる。
第6実施形態では、特に図7(A)および(C)に示すように、被冷却部510は、第2被冷却部512を有している。第2被冷却部512は、板状に形成され、図7(C)に示すように、複数の孔513が形成されている。第2被冷却部512は、図7(A)に示すように、インタークーラ30の下流側近傍に、インタークーラ30とは非当接の状態で、インタークーラ30に対向するようにして設けられている。そのため、第2被冷却部512は、インタークーラ30により冷却された吸気が接触することによって冷却される。これにより、熱交換部材6は、全体が冷却される。また、第2被冷却部512は、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。ここで、吸気は、第2被冷却部512の複数の孔513を流通可能である。このように、第6実施形態の第2被冷却部512の構成は、第2実施形態および第4実施形態の第2被冷却部112の構成と概ね同様である。
熱交換部材6の熱交換部520の構成は、第5実施形態の熱交換部520と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、被冷却部510は、インタークーラ30の下流側近傍にインタークーラ30とは非当接の状態で設けられることで、インタークーラ30により冷却された吸気によって冷却される第2被冷却部512を有する。第2被冷却部512は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔513を有する。本実施形態では、インタークーラ30により冷却された吸気が複数の孔513を流通することにより、第2被冷却部512を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、第2被冷却部512は、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられている。これにより、インタークーラ30によって冷却された吸気を第2被冷却部512に効果的に接触させることができる。したがって、第2被冷却部512をより効果的に冷却することができる。なお、第2被冷却部512には吸気が流通可能な複数の孔513が形成されているため、第2被冷却部512によって吸気の流れが遮られる(遮断される)ことはない。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、阻害要因がない限り、上述の各実施形態をどのように組み合わせてもよい。例えば、熱交換部材は、第1被冷却部、第2被冷却部、第1熱交換部および第2熱交換部のすべてを有することとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第2被冷却部は、吸気冷却器の下流側近傍に吸気冷却器とは非当接の状態で設けられるのであれば、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられていなくてもよい。また、第2被冷却部は、吸気を遮断しないような状態で設けられるのであれば、複数の孔を有していなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1熱交換部の延伸部は、吸気通路(上述の実施形態ではインテークマニホールドの内側に形成される吸気通路)を周方向に覆うよう形成されていてもよい。また、延伸部は、吸気ポートにより形成される通路を周方向に覆うよう形成されていてもよい。この構成では、「第1熱交換部によって吸気を冷却する効果」、および、「外部からの熱を遮る効果」をより一層高めることができる。また、延伸部の先端部は、内燃機関の吸気ポート内に位置していなくてもよい。すなわち、延伸部の先端部は、吸気通路(上述の実施形態ではインテークマニホールドの内側に形成される吸気通路)に位置するよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第2熱交換部は、吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されていなくてもよい。また、第2熱交換部は、吸気を遮断しないような状態で設けられるのであれば、複数の孔を有していなくてもよい。
上述の実施形態では、ターボチャージャー(過給器)を搭載する車両に熱交換部材を適用する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、スーパーチャージャー(過給器)を搭載する車両に熱交換部材を適用してもよい。また、過給器を搭載しない車両であっても、吸気冷却器を備えるのであれば、本発明による熱交換部材を適用することができる。
本発明による熱交換部材は、多気筒エンジンに限らず、単気筒エンジンに適用してもよい。また、本発明は、ディーゼルエンジンを搭載する車両に適用してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3、4、5、6 ・・・熱交換部材
10 ・・・・・・・・・・・・吸気システム(吸気系)
20 ・・・・・・・・・・・・吸気管
21 ・・・・・・・・・・・・吸気通路
30 ・・・・・・・・・・・・インタークーラ(吸気冷却器)
40 ・・・・・・・・・・・・エンジン(内燃機関)
110、510 ・・・・・・・被冷却部
120、520 ・・・・・・・熱交換部

Claims (16)

  1. 内燃機関への吸気が流通する吸気通路を形成する吸気管、および、前記吸気通路内の吸気を冷却する吸気冷却器を有する吸気系に設置される熱交換部材であって、
    前記吸気冷却器により冷却される被冷却部と、
    前記吸気冷却器下流側の吸気との間で熱交換可能な熱交換部と、
    を備えることを特徴とする熱交換部材。
  2. 前記被冷却部は、前記吸気冷却器に当接するよう設けられることで前記吸気冷却器により冷却される第1被冷却部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換部材。
  3. 前記被冷却部は、前記吸気冷却器の下流側近傍に前記吸気冷却器とは非当接の状態で設けられることで、前記吸気冷却器により冷却された吸気によって冷却される第2被冷却部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換部材。
  4. 前記第2被冷却部は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔を有することを特徴とする請求項3に記載の熱交換部材。
  5. 前記第2被冷却部は、板面が吸気の流れに対向するような状態で設けられていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換部材。
  6. 前記熱交換部は、前記吸気冷却器の下流側に前記吸気通路の少なくとも一部を覆うよう設けられ吸気との間で熱交換可能な第1熱交換部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱交換部材。
  7. 前記第1熱交換部は、前記内燃機関の気筒に対応する吸気ポートに接続する前記吸気管の内側を延びるようにして形成される延伸部を有していることを特徴とする請求項6に記載の熱交換部材。
  8. 前記延伸部は、前記吸気通路を周方向に覆うよう形成されていることを特徴とする請求項7に記載の熱交換部材。
  9. 前記延伸部は、先端部が前記吸気ポート内に位置するよう形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の熱交換部材。
  10. 前記延伸部は、前記吸気ポートにより形成される通路を周方向に覆うよう形成されていることを特徴とする請求項9に記載の熱交換部材。
  11. 前記第1熱交換部は、前記内燃機関の複数の前記気筒に対応して分岐する前記吸気管および前記吸気通路に対応し、前記延伸部を複数有していることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の熱交換部材。
  12. 前記熱交換部は、前記内燃機関の気筒に対応する吸気ポートの上流側に設けられ吸気との間で熱交換可能な第2熱交換部を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱交換部材。
  13. 前記第2熱交換部は、板状に形成され、吸気が流通可能な複数の孔を有することを特徴とする請求項12に記載の熱交換部材。
  14. 前記第2熱交換部は、板面の少なくとも一部が吸気の流れに対向するような状態で設けられていることを特徴とする請求項13に記載の熱交換部材。
  15. 前記第2熱交換部は、吸気流れの上流側に向かって凸となるよう形成されていることを特徴とする請求項14に記載の熱交換部材。
  16. 内燃機関への吸気が流通する吸気通路を形成する吸気管と、
    前記吸気通路内の吸気を冷却する吸気冷却器と、
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の熱交換部材と、
    を備えることを特徴とする吸気システム。
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