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JP2012028664A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2012028664A JP2010167774A JP2010167774A JP2012028664A JP 2012028664 A JP2012028664 A JP 2012028664A JP 2010167774 A JP2010167774 A JP 2010167774A JP 2010167774 A JP2010167774 A JP 2010167774A JP 2012028664 A JP2012028664 A JP 2012028664A
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Atsushi Fujishima
敦 藤嶋
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    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/11Manufacturing methods

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Abstract

【課題】半導体ウエハの裏面にレーザを照射して複数のチップ領域のそれぞれにマークを形成する。
【解決手段】ウエハ10を固定するステージ20は、第1部材と、ガラス板(第2部材)22を備えている。前記第1部材とガラス板22の間には、第1空間と、前記第1空間の周囲に配置される第2空間と、前記第1空間と第2空間との間に設けられた仕切り部材23と、が設けてある。また、前記第1部材は、前記第1空間に接続される複数の吸引孔(第1開口部)25aと、前記第2空間に接続される複数の吸引孔(第2開口部)25bと、を備えている。また、ウエハ10は、ステージ20に固定した時に、ウエハ10の裏面1bのマーク領域(第1領域)5aが、複数の吸引孔25a、25bおよび仕切り部材23と重ならないように、ステージ20上に配置される。
【選択図】図21

Description

本発明は、半導体装置の製造技術に関し、半導体ウエハの裏面に、レーザを照射してマークを形成する工程に適用して有効な技術に関するものである。
特開平6−326174号公報(特許文献1)には、半導体ウエハに投影露光処理を行う工程において、半導体ウエハを真空吸着する真空吸着装置が記載されている。
また、特開昭62−221130号公報(特許文献2)には、基盤部に形成された真空経路を半導体ウエハで蓋をして吸着する真空チャック装置が記載されている。
特開平6−326174号公報 特開昭62−221130号公報
本願発明者は、半導体ウエハを複数の半導体チップに個片化する前に、半導体ウエハの裏面(各チップ領域)に製品名や型式などの識別マークを、レーザを照射することにより形成するレーザマーキング工程について検討を行い、以下の課題を見出した。
レーザマーキング工程では、半導体ウエハの裏面のマーク領域にレーザ光を照射して、被照射領域の部材を取り除き、このレーザ光を走査することにより、製品名や型式などの識別マークを形成する。また、複数のチップ領域のそれぞれに設けたマーク領域を正確に特定するため、半導体ウエハの表面側に形成されたアライメントマークを認識してアライメントを行う。つまり、レーザマーキング工程では、半導体ウエハの裏面側からレーザ光を照射するが、表面側に形成されたアライメントマークが認識できる状態で固定する必要がある。
ところが、前記特許文献1に記載される真空吸着装置や前記特許文献2に記載される真空チャック装置を、レーザマーキング工程に適用した場合、半導体ウエハの裏面、あるいは表面のうち、どちらか一方の面が半導体ウエハを吸着固定するステージに覆われ、隠れてしまうため、レーザ照射、あるいはアライメントマークの認識が困難となる。
また、近年では、半導体装置の薄型化の要求が高まっており、半導体ウエハの厚さもより薄くなる傾向にある。そのため、半導体ウエハに生じる反り(反り量)も大きくなってきている。そして、半導体ウエハに生じる反りが大きくなると以下の課題が生じることが判った。
まず、前記特許文献1に記載される真空吸着装置や前記特許文献2に記載される真空チャック装置のように、ステージに形成された空間を半導体ウエハで覆って蓋をする構造の場合、半導体ウエハに反りが生じると、半導体ウエハとステージの間に隙間が生じてしまい、配置された半導体ウエハを吸着することが困難となる。このため、半導体ウエハに施す加工処理の精度が低下する。
また、半導体ウエハに反りが生じた状態で、レーザ照射、あるいはアライメントマークの認識を行う場合、レーザ光やアライメントマーク認識用のカメラの焦点距離が半導体ウエハの面内(表面内または裏面内)において、一定にならないので、レーザ加工精度、あるいはアライメント精度が低下する。前記特許文献1に記載される真空吸着装置や前記特許文献2に記載される真空チャック装置では、このような半導体ウエハの反りを矯正することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体ウエハの裏面にレーザを照射して複数のチップ領域のそれぞれにマークを形成することができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本願発明の一態様である半導体装置の製造方法は、半導体ウエハを固定するステージを介して、半導体ウエハの裏面の第1領域にレーザを照射してマークを形成する工程を含んでいる。ここで、前記ステージは、第1上面、および前記第1上面とは反対側の第1下面を有する第1部材と、前記第1下面と対向する第2上面、および前記第2上面とは反対側の第2下面を有する第2部材を備えている。また、前記ステージは、前記第1部材と前記第2部材との間に位置する第1空間と、前記第1部材と前記第2部材との間に位置し、かつ、前記第1空間の周囲に配置される第2空間と、前記第1空間と第2空間との間に設けられた仕切り部材と、を備えている。また、前記第1部材は、平面視において前記第1空間と重なる領域に形成され、かつ、前記第1空間に接続される複数の第1開口部と、平面視において前記第2空間と重なる領域に形成され、かつ、前記第2空間に接続される複数の第2開口部と、を備えている。また、前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハを前記ステージに固定した時に、前記半導体ウエハの前記第1領域が、平面視において、前記複数の第1、第2開口部および前記仕切り部材と重ならないように、前記ステージ上に配置されるものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
すなわち、本願発明の一態様によれば、半導体ウエハの裏面にレーザを照射して複数のチップ領域のそれぞれにマークを形成することができる。
本発明の一実施の形態である半導体装置の表面側の内部構造を示す平面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図1に示す半導体装置の裏面側の構造を示す平面図である。 図3に示す識別マークを視認する様子を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施の形態である半導体装置の組み立てフローを示す説明図である。 図5に示す半導体ウエハ準備工程で準備する半導体ウエハの主面側の平面を示す平面図である。 図6に示す半導体ウエハの一部の断面構造を示す拡大断面図である。 図7に示す半導体ウエハ上に再配線層を形成した状態を示す拡大断面図である。 図8に示す半導体ウエハを研削する工程を模式的に示す説明図である。 裏面研削工程後の半導体ウエハの裏面側を示す平面図である。 裏面研削工程後の半導体ウエハの表面側を示す平面図である。 図10に示す半導体ウエハの裏面にマークを形成する工程の概要を模式的に示す説明図である。 裏面研削工程後の半導体ウエハの形状を示す斜視図である。 本実施の形態のマーク形成工程に用いるマーク形成装置の概要構成を示す説明図である。 図14に示すウエハラック配置部に配置するウエハラックに複数のウエハが搭載された状態を示す断面図である。 図14に示すマーク形成部に配置されるステージの上面側を示す平面図である。 図16のB−B線に沿った断面図である。 図17に示すステージ上にウエハを配置する工程を示す断面図である。 図18に示すウエハの裏面が、ステージの内周側の吸引孔に吸着固定された状態を示す断面図である。 図19に示すウエハの裏面が外周側の吸引項に吸着固定された状態を示す断面図である。 図20に示すステージの下面側からウエハを透視した状態を示す平面図である。 図20に示すウエハの表面のアライメントマークを認識する工程を示す断面図である。 図22に示すウエハの裏面側にレーザ光を照射している状態を示す断面図である。 図23に示すウエハの裏面側周辺を拡大して示す拡大断面図である。 裏面にマークが形成されたウエハの表面側に形成されたランド部に半田ボールを搭載した状態を示す拡大断面図である。 図25に示すウエハをダイシング領域に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。 図12の変形例である本発明の他の実施の形態の半導体ウエハの裏面にマークを形成する工程の概要を模式的に示す説明図である。 図15の変形例であって、図14に示すウエハラック配置部に配置するウエハラックに複数のウエハが搭載された状態を示す断面図である。 図18の変形例を示す断面図である。 図19の変形例を示す断面図である。 図20の変形例を示す断面図である。 図21の変形例を示す平面図である。 図22の変形例を示す断面図である。 図23の変形例を示す断面図である。 図16に示す複数の吸引孔の第1の変形例を示す平面図である。
(本願における記載形式・基本的用語・用法の説明)
本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクション等に分けて記載するが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、記載の前後を問わず、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しの説明を省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を含むものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。また、金めっき、Cu層、ニッケル・めっき等といっても、そうでない旨、特に明示した場合を除き、純粋なものだけでなく、それぞれ金、Cu、ニッケル等を主要な成分とする部材を含むものとする。
さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
また、実施の形態の各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するため、あるいは領域の境界を明示するために、ハッチングやドットパターンを付すことがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一例として、本発明者が具体的に検討した、所謂、WPP(Wafer Process Package)型の半導体装置に適用した実施態様について説明する。WPPは、半導体チップ上に再配線層を形成し、平面視において、電極パッドの位置とは異なる位置に、外部端子を形成する再配線技術を適用した半導体パッケージである。また、WPPでは、再配線層を形成する工程を、半導体ウエハを個片化する前に行うので、半導体素子などを形成する微細加工技術を適用することができる。このため、配線基板やリードフレーム上に半導体チップを搭載し、これらを電気的に接続する半導体パッケージと比較して、平面積の小型化や薄型化の点で、有利である。このような半導体装置は半導体ウエハを個片化する前に、再配線層を形成することから、WPP、あるいは、WL−CSP(Wafer Level Chip Scale Package)と呼称される。
<半導体装置の全体構造>
図1は本発明の一実施の形態である半導体装置の表面側の内部構造を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図、図3は、図1に示す半導体装置の裏面側の構造を示す平面図である。また、図4は、図3に示す識別マークを視認する様子を模式的に示す説明図である。
本実施の形態の半導体装置であるWPP1は、図1に示す表面1aおよび図3に示す裏面1bを有している。WPP1は、裏面1b側に配置される半導体チップ2と、表面1a側に配置される再配線層3を有している。半導体チップ2は、表面2a、表面2aに形成される複数のパッド(ボンディングパッド、チップ電極)2c、および表面2aとは反対側に位置する裏面2b(WPP1の裏面1bと同じ面)を備えている。WPP1および半導体チップ2の平面形状は、例えば図1に示すように四角形から成る。本実施の形態では、半導体チップ2の表面2aには、複数のパッド2cが表面2aの各辺に沿って形成されている。
また、図2に示すように、半導体チップ2は、例えばシリコン(Si)からなる基材である半導体基板2dを有している。半導体基板2dの主面2eには、半導体素子形成領域が配置され、半導体素子形成領域に、例えばトランジスタやダイオードなど、複数の半導体素子が形成されている。これらの半導体素子は、主面2e上に形成された配線層(第1配線層、チップ配線層)2fを介して複数のパッド2cにそれぞれ電気的に接続されている。詳しくは、半導体素子は、配線層2f内に形成された複数の内部配線(図示は省略)および配線層2fの最上層に形成された複数の表面配線(配線、最上層配線)2gを介して、パッド2cに電気的に接続されている。なお、パッド2cは表面配線2gと一体に形成されている。配線層2f内に形成される内部配線は、例えば銅(Cu)からなる埋め込み配線であり、配線層2fに形成される層間絶縁膜に溝あるいは孔を形成し、この溝あるいは孔に銅などの導電性金属材料を埋め込んだ後、表面を研磨して配線を形成する、所謂、ダマシン技術により形成されている。また、配線層2fの層間絶縁膜は、例えば、炭素を含む酸化シリコン(SiOC)や、テトラ・エチル・オルト・シリカート(TEOS)を用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成される酸化シリコン膜などから成る。また、配線層2fの内部配線は、複数の半導体素子を電気的に接続して集積回路を形成するが、この配線経路の引き回しスペースを確保するため、複数層の配線層2fが積層されている。配線層2fの最上層には、パッド2c、パッド2cと一体に形成され、配線層2fを介して複数のパッド2cと半導体素子とをそれぞれ電気的に接続する表面配線2gが形成されている。パッド2cおよび表面配線2gは、例えばアルミニウム(Al)からなり、表面2aを保護するパッシベーション膜となる絶縁層2kに覆われている。この絶縁層2kは、配線層2fの層間絶縁膜との密着性を向上させる観点から、層間絶縁膜と同様に、例えば、酸化シリコン(SiO)や、窒化シリコン(SiN)などの半導体化合物からなる無機絶縁層となっている。また、パッド2cを半導体チップ2の外部端子とするため、パッド2cの表面において、絶縁層2kに開口部が形成され、パッド2cは、該開口部において、絶縁層2kから露出している。
また、WPP1は、半導体チップ2の表面2a上に形成される、再配線層(配線層、第2配線層)3を有している。再配線層3は、半導体チップ2の表面2aと対向する下面(主面、裏面)3bおよび下面3bとは反対側の上面(主面、表面)3a(WPP1の表面1aと同じ面)を有している。上面3aには、複数のランド部(バンプランド、電極端子)3cが形成され、再配線層3に形成された複数の配線(再配線)3dを介して、半導体チップ2の複数のパッド2cと、それぞれ電気的に接続される。そして、各ランド部3cのそれぞれに、WPP1の外部端子となる半田ボール4が接合されている。半田ボール4を構成する半田材は、鉛(Pb)を実質的に含まない、所謂、鉛フリー半田からなり、例えば、錫(Sn)のみ、錫−ビスマス(Sn−Bi)、または錫−銅−銀(Sn−Cu−Ag)などである。本実施の形態では、錫−銅−銀(Sn−Cu−Ag)からなる半田材を用いている。ここで、鉛フリー半田とは、鉛(Pb)の含有量が0.1wt%以下のものを意味し、この含有量は、RoHs(Restriction of Hazardous Substances)指令の基準として定められている。
WPP1は、パッド2c上に再配線層3を形成することにより、外部端子となる半田ボール4の平面位置をパッド2cと異なる位置に変更している。そして半田ボール4の位置を、WPP1を実装する実装基板の端子(図示は省略)の配置に対応させることができるので、半田ボール4を介して実装基板の端子と接続することができる。つまり、実装基板と半導体チップ2の間に厚い配線基板(インタポーザ基板)を介さずに、実装基板に搭載できるので、実装高さを低減することができる。また、WPP1は、半導体チップ2上に再配線層3を形成するので、その平面寸法は、半導体チップ2の表面2aの平面寸法と同じにすることができる。このため、インタポーザ基板上に半導体チップ2を搭載するタイプの半導体装置と比較して、実装面積を低減することができる。
本実施の形態の再配線層3は、例えば以下のように構成されている。すなわち、半導体チップ2の絶縁層2k上には、例えば、ポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(樹脂絶縁膜)3eが形成されている。絶縁膜3e上には、例えば、銅にニッケル膜が積層された導電性金属材料からなる配線3dが所定のパターンで形成されている。ここで、配線3dと絶縁層2kとの間に絶縁膜3eを形成するのは、例えば、配線3dと半導体チップ2の表面2aに形成される半導体素子や表面配線2gとの間に寄生容量が形成され、ノイズなど、特性低下の原因となることを防止ないしは抑制するためである。したがって、絶縁膜3eは、誘電率の低い材料で構成することが好ましい。そこで、絶縁膜3eは、絶縁層2kよりも誘電率の低いポリイミド樹脂、ベンゾ・シクロ・ブテン(BCB)膜、またはポリ・ベンゾ・オキサゾール(PBO)等の樹脂材料から成る。また、寄生容量の形成を防止ないしは抑制する観点からは、絶縁膜3eの厚さは厚い程良い。例えば、本実施の形態では、絶縁膜3eの厚さは、下層に配置される絶縁層2kの厚さよりも厚い。また、配線3dとパッド2cを電気的に接続するため、パッド2cの少なくとも一部は、絶縁膜3eから露出している。また、配線3d上には、例えばポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(樹脂絶縁膜)3fが形成されている。絶縁膜3fは配線3dを酸化、腐食、マイグレーション、短絡、または破損から保護する保護膜として形成されている。また、WPP1を実装基板に実装した後で、外部端子である半田ボール4に加わる応力を吸収して緩和する観点から低弾性材料で構成することが好ましい。そこで、本実施の形態では、絶縁膜3fは、絶縁層2kよりも弾性が低いポリイミド樹脂等の樹脂材料から成る。絶縁膜3fの配線3dと重なる領域の一部には、開口部が形成され、ランド部3cは、開口部において、絶縁膜3fから露出している。このランド部3cには、WPP1の外部端子となる半田ボール4が接合されている。つまり、配線3dは、WPP1の外部端子の平面位置をパッド2cと異なる位置に変更する引き出し配線として機能している。なお、配線3dは、パッド2cと接合されるボンディング部3g、半田ボール4と接合されるランド部3c、およびボンディング部3gからランド部3cまで延在する延在部3hからなるが、ボンディング部3gおよびランド部3cは、それぞれ接合されるパッド2c、半田ボール4との接合面積を広く確保し、接合信頼性を向上させる観点から、延在部よりも広い幅で形成されている。
また、図3に示すように、WPP1の裏面1bには、WPP1の製品名や型式などを識別するための識別マークであるマーク5が形成されている。マーク5は、識別マークなので、WPP1を実装基板に実装した後で、視認可能であることが好ましい。このため、マーク5は、WPP1の実装面となる表面1aの反対側の面である裏面1bに形成されている。本実施の形態では、マーク5を形成するためのマーク領域(マーク形成領域)5a(図3において、ハッチングを付した領域)は、裏面1bにおいて、中央部に配置されている。これは、裏面1bの端部にマーク5が形成されて、一部が欠けてしまうことを防止するためである。ただし、図3に示すように、マーク領域5aの周囲にマーク5を形成しない非マーク領域5bを設けていれば、裏面1bの端部にマーク5が形成されることを防止できるので、裏面1bにおけるマーク領域5aの配置は、裏面1bの中央部には限定されない。
また、マーク5は、マーク5の周囲と比較して、裏面1bの表面粗さを変化させることにより、照射光の反射状態を変化させて、マーク5の形状を視認できるようにしている。マーク5周辺の拡大断面図である図4に示すように、WPP1の裏面1b(半導体基板2dの裏面)は、微細(例えば、10nm〜100nm程度)な凹凸面となっている。ここで、マーク5は、半導体基板2dの裏面の凸部が取り除かれ、周囲と比較して平坦化されることにより、形成されている。言い換えれば、マーク5が形成された領域は、マーク5の周囲の領域と比較して、裏面1bの平坦度が高くなっている。詳細は後述するが、本実施の形態では、マーク5は、裏面1bにレーザを照射し、半導体基板2dの裏面の凸部を取り除くことにより、平坦化している。このように、裏面1bの一部を平坦化することにより、平坦化された領域、すなわち、マーク5が形成された領域では、周囲と比較して、照射光6が乱反射し難くなる。このため、視点7に届く反射光8aの量はマーク5の周囲の領域で反射した反射光8bの量よりも少なくなり、マーク5は周囲の領域よりも暗く(黒く)見える。つまり、この平坦化された領域の形状を所望の形状に形成することにより視認可能な識別マークを形成することができる。このように本実施の形態では、インクなどの塗料を用いずにマーク5を形成するので、形成後にマーク5の一部もしくは全部が、消えて、識別不能になることを防止ないしは抑制することができる。また、マーク5の視認性を向上させる観点、あるいは、マーク5の深さが深くなりすぎることにより、WPP1の耐久性が低下することを防止する観点から、マーク5の線幅および深さは、所定の寸法に揃えることが好ましい。マーク5の深さとは、マーク5が形成された領域の裏面1bから、マーク5の周囲の領域に形成された凸部の頂点までの高さである。本実施の形態では、マーク5の線幅および深さは、略一様に形成され、例えば、線幅は、30μm〜60μm程度、深さは0.01μm〜0.5μm程度となっている。
<半導体装置の製造工程>
次に、図1〜図4に示すWPP1の製造工程について、説明する。本実施の形態におけるWPP1は、図5に示す組立てフローに沿って製造される。図5は、本実施の形態の半導体装置の組み立てフローを示す説明図である。各工程の詳細については、図6〜図26を用いて、以下に説明する。
1.半導体ウエハ準備工程
まず、半導体ウエハ準備工程では、図6および図7に示すウエハ(半導体ウエハ)10を準備する。図6は、図5に示す半導体ウエハ準備工程で準備する半導体ウエハの主面側の平面を示す平面図である。また図7は図6に示す半導体ウエハの一部の断面構造を示す拡大断面図である。
ウエハ10は、表面2aおよび表面2aの反対側に位置する裏面10b(図7参照)を有している。また、ウエハ10は、略円形の平面形状を成し、平面寸法は、例えば、直径が、約300mmとなっている。なお、ウエハ10の表面2aは図1に示す半導体チップ2の表面2aに対応している。また、ウエハ10は、複数のチップ領域(デバイス領域)10aを有し、各チップ領域10aが、それぞれ図1に示すWPP1に相当する。図7に示すように、複数のチップ領域10aには、それぞれ図1〜図4を用いて説明した、半導体チップ2が有する半導体素子、配線層2f、表面配線2g、および電極パッド(ボンディングパッド)2cが形成されている。また、図6に示すように複数のチップ領域10aのうちの隣り合うチップ領域10aの間には、ダイシング領域10cが形成されている。図6に示すように、ダイシング領域10cは格子状に形成され、ウエハ10の表面2aを複数のチップ領域10aに区画している。また、ウエハ10の周縁部には、ウエハ10の結晶方向を識別する方向識別部(結晶軸方向識別部)10dが形成されている。なお、図6では、方向識別部10dの一例として、略円形の平面形状を成すウエハ10の円弧の一部を弦に沿って取り除く、所謂、オリエンテーションフラット構造を示しているが、方向識別部10dの形状はこれに限定されず、例えば、ウエハ10の周縁部の一部にノッチ(切り欠き部)を形成する構造としても良い。また、本工程の段階では、ウエハ10の厚さ(表面2aから裏面10bまでの距離)は、図2に示す半導体チップ2の厚さよりも厚くなっており、例えば、500μm程度となっている。また、裏面10bには、図3に示すマーク5は、形成されていない。
図7に示すウエハ10は、例えば、以下のように形成する。まず、基材となる略円形のウエハ(例えば、シリコンウエハ)である半導体基板2dを準備して、その主面2eの半導体素子形成領域に、複数の半導体素子を形成する。次に、主面2e上に配線層2fを形成し、複数の内部配線と複数の半導体素子を電気的に接続する。次に配線層2fの上面に表面配線2gおよびパッド2cを形成する。表面配線2gは、パッド2cと一体に形成され、かつ、配線層2fの上面まで引き出された複数の内部配線と電気的に接続されるので、複数のパッド2cと複数の半導体素子は本工程で電気的に接続される。次に、配線層2f上に絶縁層2kを形成し、配線層2fを覆った後、エッチング法により、開口部を形成し、パッド2cの一部を絶縁層2kから露出させる。なお、本実施の形態では、ダイシング領域10cには、絶縁層2kを形成しない構成を示しているが、変形例として、ダイシング領域10cも、絶縁層2kで覆う構成とすることもできる。
2.再配線層形成工程
次に、図8に示すように、ウエハ10上に再配線層3を形成する。図8は、図7に示す半導体ウエハ上に再配線層を形成した状態を示す拡大断面図である。
まず、ウエハ10の表面2a上に、例えば、ポリイミド樹脂からなる絶縁膜(樹脂絶縁膜)3eを形成する。その後、パッド2c上において、絶縁膜3eに開口部を形成し、パッド2cを露出させる。次に、絶縁膜3e上およびパッド2cの露出面上に、シード層となる導体膜(図示は省略)を、例えば、スパッタ法により形成する。この導体膜は、例えばクロム(Cr)から成り、配線3dの一部を構成する。次に、導体膜上にレジスト膜(図示は省略)を配置し、パターニングした後、レジスト膜の存在下で、電解めっき法により、配線(再配線)3dを形成する。本実施の形態では、例えば、銅(Cu)膜、ニッケル(Ni)膜の電解めっき膜を順次形成する。これにより、パッド2cと接合されるボンディング部3g、ランド部3c、およびボンディング部3gからランド部3cまで延在する延在部3hを備える配線3dが形成される。次に、配線3dが形成された領域以外の不要な導体膜を取り除く。次に、例えば、ポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜3fを形成する。その後、ランド部3c上において、絶縁膜3fに開口部を形成し、ランド部3cを絶縁膜3fから露出させる。以上の工程により、図8に示すようにウエハ10の表面2a上に再配線層3が形成され、再配線層3の上面3aがウエハ10の表面1aとなる。なお、本実施の形態では、ダイシング領域10cには、絶縁膜3e、3fを形成しない構成を示しているが、変形例として、ダイシング領域10cも、絶縁膜3e、3fで覆う構成とすることもできる。
3.裏面研削工程
次に、裏面研削工程では、ウエハ10の裏面10b(図8参照)を研削する。図9は、図8に示す半導体ウエハを研削する工程を模式的に示す説明図である。また、図10は裏面研削工程後の半導体ウエハの裏面側を示す平面図、図11は裏面研削工程後の半導体ウエハの表面側を示す平面図である。
本工程では、ウエハ10の厚さが、図2に示すWPP1の厚さ(例えば200μm)となるまで、裏面側を研削する。WPP1の厚さを薄くする方法として、基材となるウエハ(本実施の形態ではシリコンウエハ)の厚さを予め薄く形成した半導体基板上に、半導体素子や配線層、およびその上の再配線層を順次形成する方法も考えられる。しかしこの場合、極端に薄くすると基材となるウエハに半導体素子などを形成する各工程において、ハンドリング性が低下し、ウエハが破損する原因となる。そこで、本実施の形態では、ウエハ10の表面2a側に、再配線層3を形成するまでの各工程では、ハンドリング性の低下を防止できる程度の第1の厚さを有するウエハに対して加工を施し、その後、裏面10b側を研削して第1の厚さよりも薄い第2の厚さとする。これにより、製造工程中のウエハの破損を防止しつつ、得られるWPP1の厚さを薄くすることができる。
本工程における研削方法は、特に限定されるものではないが、例えば、図9に示すように砥石などの研削部材11を用いてウエハ10の裏面10bを研削する。例えば、図9に示すように、研削部材11をウエハ10の裏面10bに押し当てて、研削部材11およびウエハ10の双方を回転させて裏面10b全体を研削する。また、図9に示すように、ウエハ10の表面1a側、すなわち、図8に示す再配線層3が形成された面(上面3a)を覆う保護テープ14を張り付けた状態で研削する。これにより、表面1a側を、研削工程中の外力の印加等による破損から保護することができる。ウエハ10が所定の厚さ(例えば200μm)になったら、研削処理を終了し、保護テープ14をウエハ10の表面1aから剥離した後、図示しないウエハラックに収納して次工程(本実施の形態ではマーク形成工程)に搬送する。
本工程が完了すると、図8に示すウエハ10の裏面10bが研削され、図10に示すように、複数のチップ領域10aのそれぞれにマーク領域5aが配置された裏面1bが露出する。一方、図11に示す表面1a側では、複数のチップ領域10aのそれぞれに複数のランド部(電極端子)3cが形成されたウエハ10が得られる。また、ウエハ10の表面1a側の複数箇所には、後述するマーク形成工程において、ウエハ10の位置合わせを行うための認識マークであるアライメントマーク(アライメントパターン)12が形成されている。本実施の形態では、ウエハ10の裏面1bを研削するため、アライメントマーク12を裏面10b(図8参照)側に形成しても、裏面研削工程で、取り除かれてしまう。このため、アライメントマーク12は表面1a側に形成されている。また、マーク形成工程では、ウエハ10全体の位置と方向(向き)が検出できれば、これに基づいて位置合わせを行うことができる。このため、表面1a側に形成されたランド部3cの一部をアライメントマークとして用いることもできる。また、本実施の形態のように絶縁膜3e、3f(図8参照)が、ポリイミド樹脂などの可視光透過性材料(可視光が透過する材料)から成る場合、絶縁膜3fよりも下層に形成された配線(再配線)3d、あるいはパッド2c(図8参照)などをアライメントマークとして用いることもできる。このように、表面1a側に形成された各部材をアライメントマークとして用いるためには、本実施の形態とは異なり、裏面研削工程を行わない場合であっても、アライメントマークは表面1a側に形成されていることが好ましい。なお、図11に示すように、アライメントマーク12をランド部3cと異なる複数の位置に形成する場合には、例えば、前記した再配線層形成工程において、配線3d(図8参照)を形成する際に、配線3dと同じ導体材料から成るアライメントマーク12を、一括して形成することができる。あるいは、前記した半導体ウエハ準備工程において、図7に示すウエハ10の表面2aにおいて絶縁層2kから露出するアライメントマーク(アライメントパターン)を予め形成しておいても良い。
4.マーク形成工程
次に、マーク工程では、図12に示すように、半導体ウエハ10の裏面1b側にレーザを照射し、ウエハ10の裏面1bに設けられたマーク領域5a(図10参照)のそれぞれに、マーク5(図3参照)を形成する。図12は、図10に示す半導体ウエハの裏面にマークを形成する工程の概要を模式的に示す説明図である。
以下、本マーク形成工程の概要を説明した後、マーク形成工程に用いるマーク形成装置の構造、および詳細フローについて説明する。本工程では、図12に示すように、まず、ステージ20を準備して、ステージ20の上面20a上にウエハ10を配置する(図5に示すウエハ配置工程)。本実施の形態では、ウエハ10の裏面1bがステージ20の上面20aと対向するように配置する。続いて、ウエハ10をステージ20上に吸着固定(図5に示すウエハ固定工程:吸着固定方法の詳細は後述する)し、ウエハ10が固定された状態で、ウエハ10の表面1aに形成されたアライメントマーク12(図11参照)を認識する(図5に示すアライメントマーク認識工程)。アライメントマークの認識は、例えば、図12に示すCCDカメラなどの撮像装置15を用いて、ウエハ10の表面1aの複数箇所に形成されたアライメントマーク12(図11参照)を認識し、各アライメントマークの位置を検出する。本実施の形態では、アライメントマーク12(図11参照)は、前記したように表面1a側に形成され、表面1aがステージ20の上方に向いた状態でウエハ10が固定されている。このため、撮像装置15は、ステージ20よりも上側に配置され、ウエハ10の上方からアライメントマーク12(図11参照)を認識する。そして、認識したアライメントマーク12(図11参照)の位置データに基づいて、例えば、ウエハ10が固定されたステージ20を移動させて、ウエハ10の裏面1bとレーザ光源16との位置合わせを行う(図5に示すウエハ位置合わせ工程)。次に、ウエハ10の裏面1bに向かって、レーザ光16aを照射して、図10に示すウエハ10の裏面1bの複数のチップ領域10aのそれぞれに形成されたマーク領域5a内に、マーク5(図3参照)を形成する(図5に示すレーザ照射工程)。本実施の形態では、図12に示すように、ウエハ10の裏面1bがステージ20の上面20aと対向するように固定されているので、レーザ光16aは、ステージ20を介して(透過して)、ウエハ10の裏面1bに照射される。このため、レーザ光源16は、ステージ20の下側に配置されている。
図12に示すように、ウエハ10の表面1aおよび裏面1bが略平坦な面を成している場合には、上記した工程により、図10に示すウエハ10の裏面1bの複数のチップ領域10aのそれぞれに形成された各マーク領域5a内に、マーク5(図3参照)を略一様に形成することができる。ところが、ウエハ10のような薄い板材では、図13に示すように、表面1aや裏面1bの面外方向に変形する、所謂、反り変形が生じる。図13は、裏面研削工程後の半導体ウエハの形状を示す斜視図である。
本実施の形態のウエハ10は、一方の面(表面1a)が、半導体基板よりも線膨張係数が大きい絶縁膜(例えば、図8に示す絶縁膜3e、3f)で覆われ、反対側の面(裏面1b)は、半導体基板が露出している。このようにウエハ10の一方の面のみを線膨張係数が異なる材料からなる膜で覆う場合には、ウエハ10の反り量が大きくなる。また、本実施の形態のように、ウエハ10の裏面10bを研削する場合、裏面研削工程後のウエハ10の反り量は裏面研削工程前よりもさらに増加する。図13に示すウエハ10の裏面1bの最下点と裏面1bの最高点の高低差を反り量と定義すると、例えば、直径が約300mm、厚さが約200μmである本実施の形態のウエハ10の反り量は、2mm〜4mm程度となる。これは、裏面研削工程を行う前に、ウエハ10に反り変形を生じさせる応力が発生しており、ウエハ10の厚さを薄くすることで、ウエハ10が該応力に耐えられなくなり、反り量が増加するものと考えられる。また、本実施の形態のように表面1aを覆う絶縁膜3e、3f(図8参照)が、半導体基板2d(図8参照)よりも線膨張係数が大きい場合、反り変形の変形方向は、図13に示すようになる。すなわち、ウエハ10の表面1aを上方に向けて配置した時に、表面1aの中心を通る一つの中心線(仮想線)13に沿った各断面のそれぞれが、端部側よりも中央部側の方が低い位置に配置される凹形状を成すように、ウエハ10が反り変形する。
このように、反り変形したウエハ10に対して、レーザ照射により識別マークを形成する場合、以下の課題が生じることが判った。まず、前記特許文献1に記載される真空吸着装置や前記特許文献2に記載される真空チャック装置のように、ステージに形成された空間を半導体ウエハで覆って蓋をする構造の場合、ウエハ10とステージの間に隙間が生じてしまい、配置されたウエハ10を吸着することが困難となる。このため、ステージ上でウエハ10が移動してしまい、位置合わせ精度が低下する。また、レーザが照射される位置の精度が低下することにより、所定の位置に正しく識別マークを形成することが困難になる。すなわち、ウエハ10に施す加工処理の精度が低下する。
また、ウエハ10に反りが生じた状態で、前記したレーザ照射工程、あるいはアライメントマーク認識工程を施す場合、図12に示すレーザ光16aや撮像装置15の焦点距離がウエハ10の面内(表面1a内または裏面1b内)において、一定にならないので、レーザ加工精度、あるいはアライメント精度が低下する。例えば、図13に示すウエハ10にアライメントマーク認識工程を施す場合において、中心線13の近傍の領域に撮像装置15の焦点距離を合わせると、中心線13から離れた端部付近では、焦点が合わなくなり、アライメントマークの認識不良の原因となる。逆に、中心線13から離れた端部付近に撮像装置15の焦点距離を合わせると、中心線13の近傍の領域では、焦点が合わなくなり、アライメントマークの認識不良の原因となる。また、例えば、図13に示すウエハ10にレーザ照射工程を施す場合において、中心線13から離れた端部付近にレーザ光16a(図12参照)の焦点距離を合わせると、中心線13の近傍の領域では、レーザ光16aの加工エネルギーが不足して、図4に示すマーク5の線幅は細くなり、マーク5の深さは浅くなる。この結果、マーク5の周囲と比較して、裏面1bの表面粗さの差を十分につけることができなくなるので、マーク5の視認性が低下する原因となる。逆に、中心線13の近傍の領域にレーザ光16a(図12参照)の焦点距離を合わせると、中心線13から離れた端部付近では、レーザ光16aの加工エネルギーが過剰に大きくなる。この結果、図4に示すマーク5の深さは必要以上に深くなり、ウエハ10が破損する原因となる。
上記課題を解決する観点から、まず第1に、アライメントマーク認識工程を行う前に、ウエハ10をステージ20上にしっかりと吸着固定することができる技術が必要となる。また、第2に、反り変形が発生したウエハ10を矯正し、ステージ20の上面20aに沿って平坦化することができる技術が必要となる。これらを踏まえ、以下本実施の形態のマーク形成工程について詳細に説明する。図14は、本実施の形態のマーク形成工程に用いるマーク形成装置の概要構成を示す説明図である。また、図15は図14に示すウエハラック配置部に配置するウエハラックに複数のウエハが搭載された状態を示す断面図である。
図14に示すマーク形成装置30は、ウエハ10のローダ部、あるいはアンローダ部となる、ウエハラック配置部31を備えている。本実施の形態では、ウエハ10の処理を効率化する観点から、複数(図14では三箇所)のウエハラック配置部31を備えている。ウエハラック配置部31には、例えば、図15に示すように、高さ方向に複数の棚が積層されたウエハラック(ウエハカセット)32が配置される。前記した裏面研削工程で、裏面側に研削処理を施したウエハ10は、このウエハラック32に複数枚搭載され、マーク形成装置30に搬送される(図5に示すロード工程)。ウエハラック32には、複数のウエハ10のそれぞれが、表面1aを上方に向けた状態で積層されている。
また、マーク形成装置30は、マーク形成装置30内でウエハ10を搬送するウエハ搬送部である、ハンドラ(搬送治具)35を有している。ハンドラ35は、ウエハ10を、例えば吸着保持する保持部35aを有し、ウエハラック配置部31、プリアライナ33、マーク形成部34の間で、保持されたウエハ10を搬送する搬送機構を有している。
また、マーク形成装置30は、ウエハ10の方向識別部10d(図6参照)を認識し、ハンドラ35とウエハ10の位置合わせを行う、プリアライナ(位置合わせ部)33を有している。ウエハラック32から、例えば、一枚ずつ取り出されたウエハ10はハンドラ35によりプリアライナ33に搬送され、ステージ(プリアラインステージ)33a上に配置される。そして、プリアライナ33のステージ33a上に配置された位置検出部33bにより、ウエハ10の方向識別部10d(図6参照)の位置が検出される(図5に示すプリアライメント工程)。これにより、ウエハ10とハンドラ35(詳しくはハンドラ35の保持部35a)の平面的位置関係を位置合わせすることができるので、プリアライナ33からマーク形成部34のステージ20上に搬送し、ステージ20上に配置する際に、後述する所定の位置関係でウエハ10を配置することができる。
また、マーク形成装置30は、ウエハ10の裏面1b(図12参照)からレーザ光16a(図12参照)を照射して、マーク5(図3参照)を形成する、マーク形成部34を有している。マーク形成部34は、暗室になっており、暗室内に、ウエハ10を固定するステージ(レーザマーキングステージ)20が配置されている。ステージ20は、水平方向(X−Y方向)に移動可能なテーブル(X−Yテーブル)36に固定されている。
ここで、ステージ20の詳細を説明する。図16は、図14に示すマーク形成部に配置されるステージの上面側を示す平面図、図17は、図16のB−B線に沿った断面図である。
図17に示すように、ステージ20は、二枚のガラス板(部材)21、22を、中空空間(複数のチャンバ)を介して対向配置して構成されている。上段に配置されるガラス板21は、ステージ20の上面20aである上面と、上面20aとは反対側の下面21bを有する。また、下段に配置されるガラス板22は、ガラス板21の下面21bと対向する上面22aおよび上面22aとは反対側の下面22bを有する。ガラス板21、22の間には、例えば、ガラス材料からなる仕切り部材23が配置され、ガラス板21、22の間を複数のチャンバ(空間)24に区画している。本実施の形態では、ガラス板21、22の間において、ステージ20の略中央部に配置されるチャンバ(空間)24a、およびチャンバ24aの周囲に配置されるチャンバ(空間)24bからなる二つのチャンバ24が設けられている。チャンバ24bのさらに外周側には、例えば、樹脂材料あるいはガラス材料からなり、ガラス板21、22を保持する枠体(枠部)26が配置され、チャンバ24bの外縁は、この枠体26により規定されている。本実施の形態では、ガラス板21、22のそれぞれは、平面視において、円形の形状を成し、その寸法は、ウエハ10(図12参照)よりも大きくなっている。例えば、直径が約300mmのウエハ10に対して、ガラス板21、22の直径は301mm〜400mm程度となっている。なお、本実施の形態では、図示しないが、ステージ20にウエハ10を配置する際に、位置決め(アライメント)を行っているため、ガラス板21,22の直径はウエハ10の直径とほぼ同じ大きさであってもよい。
また、図16に示すように、ガラス板21には、複数の吸引孔(開口部)25が形成されている。詳しくは、平面視において、ガラス板21のチャンバ24aと重なる領域に、複数の吸引孔25aが、ガラス板21のチャンバ24bと重なる領域に、複数の吸引孔25bがそれぞれ形成されている。これらの吸引孔25は、ガラス板21の上面20aと下面21bのうち、一方の面から他方の面に向かって形成され、ガラス板21を厚さ方向に貫通するように形成されている。このため、複数の吸引孔25aはチャンバ24aと、複数の吸引孔25bはチャンバ24bとそれぞれ接続されている。本実施の形態の複数の吸引孔25は、例えば、直径が1mm程度の円柱形状を成す。また、チャンバ24は、チャンバ24内の気体を吸引して、チャンバ24内を減圧する排気経路となる、吸引経路27に接続されている。詳しくは、チャンバ24aは、配管L1、バルブV1を介してポンプ(真空ポンプ)P1に接続される吸引経路27aに接続されている。一方、チャンバ24bは、吸引経路27aとは異なる吸引経路、例えば、配管L2、バルブV2を介してポンプ(真空ポンプ)P2に接続される吸引経路27bに接続されている。つまり、チャンバ24a、24bは、それぞれ独立して減圧することが可能な構造となっている。
次に、図16および図17に示すステージ20上で行う各工程、すなわち、図5に示すウエハ配置工程、ウエハ固定工程、アライメントマーク認識工程、ウエハ位置合わせ工程、およびレーザ照射工程について順に説明する。図18は、図17に示すステージ上にウエハを配置する工程を示す断面図である。また、図19は図18に示すウエハの裏面が、ステージの内周側の吸引孔に吸着固定された状態を示す断面図、図20は、図19に示すウエハの裏面が外周側の吸引項に吸着固定された状態を示す断面図である。また図21は、図20に示すステージの下面側からウエハを透視した状態を示す平面図である。なお、図21では、ウエハ10の裏面1bのマーク領域5aと、ステージ20に形成された複数の吸引孔25、および仕切り部材23との平面的位置関係を見易くするため、吸引孔25および仕切り部材23にドットパターンを付して示している。
前記プリアライメント工程で、図14に示すハンドラ35の位置合わせを行った後、図18に示すように、ウエハ10をハンドラ35の保持部35aで保持し、ステージ20上に搬送する。そして、本実施の形態では、ステージ20の上面20aとウエハ10の裏面1bが対向するように、ウエハ10をステージ20上に配置する(ウエハ配置工程)。この時、ウエハ10の裏面1bのマーク領域5a(図21参照)が、平面視において、複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置する。詳しくは、図21に示すように、ウエハ10をステージ20に固定した時に、ウエハ10の裏面1bの複数のマーク領域5aが、平面視において、複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置する。本実施の形態では、前記プリアライメント工程において、ウエハ10の方向識別部10d(図6参照)を検出する。また、ウエハ10の裏面1bにおいて、マーク領域5aは規則的に配置されている。このため、ステージ20上に搬送し、ステージ20上に配置する時には、マーク形成装置30(図14参照)の制御部30a(図14参照)において、ウエハ10における複数のマーク領域5aの位置データを方向識別部10dの位置データから、算出することができる。そして、算出されたマーク領域5aの位置データに基づいて、ハンドラ35を介してウエハ10を移動させることにより、ウエハ10をステージ20上の所定の位置に配置することができる。つまり、ウエハ10をステージ20に固定した時に、ウエハ10の裏面1bの複数のマーク領域5aが、平面視において、複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置することができる。
次に、図20に示すように、複数の吸引孔25を介してウエハ10の裏面1b側を吸引し、ウエハ10をステージ20の上面20aに固定する(ウエハ固定工程)。ここで、図18に示すように、ステージ20上にウエハ10を配置するのみでは、ウエハ10の反り変形は矯正されない。このため、ウエハ10の周縁部付近では、ウエハ10の裏面1bとステージ20の上面20aの間には、2mm〜4mm程度の隙間が生じている。この状態では、ステージ20に形成された複数の吸引孔25のうち、外周側に配置される吸引孔25bとウエハ10の裏面1bの間の隙間が広いので、複数の吸引孔25bのみではウエハ10をしっかりと吸着固定することが困難である。
そこで、本実施の形態では、吸引孔25bよりも内側に、複数の吸引孔25aを形成している。ウエハ10に生じる反り変形の反り量は、前記したようにウエハ10の周縁部に向かって大きくなるので、ウエハ10の中心に近づく程、反り量は小さくなる。このため、吸引孔25aとウエハ10の裏面1bの間の隙間は、吸引孔25bとウエハ10の裏面1bの間の隙間よりも小さくなり、吸引しやすくなる。例えば、本実施の形態では、ステージ20の上面20aにおいて、ウエハ10を搭載する領域の中心と吸引孔25bの中間位置よりも中心側に複数の吸引孔25aを配置している。このように、吸引孔25bの内側に、複数の吸引孔25aが形成されたステージ20で、チャンバ24a内を減圧すると、図19に示すようにウエハ10の裏面1bが、複数の吸引孔25aに吸着固定される。この時、吸引孔25aの吸引力により、ウエハ10の反り変形がステージ20の上面20aに倣って矯正される。この矯正により、ウエハ10の周縁部において、裏面1bと吸引孔25bの距離が近づくこととなる。そして、裏面1bと吸引孔25bの距離が近づいた状態で、チャンバ24b内を減圧すると、図20に示すようにウエハ10の裏面1bが、複数の吸引孔25bに吸着固定される。この時、吸引孔25bの吸引力により、ウエハ10の周縁部においても反り変形がステージ20の上面20aに倣って矯正される。つまり、本工程により、ウエハ10の反り変形を矯正し、裏面1bを平坦化することができる。また、これにより、ウエハ10の裏面1b全体をしっかりと吸着固定することができる。
また、ステージ20に形成された開口部からウエハ10を吸引して吸着する場合、開口部の開口面積が小さい程、吸引力が大きくなる。つまり、開口面積の小さい開口部(吸引孔25)を、複数箇所に形成することにより、ウエハ10の裏面1bとの間に隙間が生じても、吸着固定することが可能となる。例えば、前記したように本実施の形態の複数の吸引孔25それぞれの開口面積は、直径が約1mmの円の面積と等しくなるようにしているので、ウエハ10の裏面1bとの間に、例えば、0.7mm程度の隙間があっても吸着することができる。また、各吸引孔25の吸引力が増大することにより、ウエハ10の反り変形を効率的に矯正することができる。
また、ステージ20の外周側に配置される吸引孔25bと内周側に配置される吸引孔25aが連結されている場合、ウエハ10の裏面1bとの間隔が広い吸引孔25bからの気体の流入量が多くなるため、吸引孔25aの吸引力は、吸引孔25bの吸引力よりも相対的に小さくなる。前記したように、本実施の形態では、吸引孔25aが接続されるチャンバ24aと吸引孔25bが接続されるチャンバ24bの間に仕切り部材23を配置しており、チャンバ24a、24bは、それぞれ独立して減圧することができる。このため、複数の吸引孔25aの吸引力の低下を、防止ないしは抑制することができる。
ところで、本実施の形態では、チャンバ24a、24bは、それぞれ独立して減圧することができる。このため、チャンバ24a、24b内を同時に減圧する実施態様の他、チャンバ24a、24bを減圧するタイミングをずらすこともできる。例えば、先にチャンバ24a内を減圧し、吸引孔25aによりウエハ10の裏面1bを吸着して反り変形を矯正し、続いてチャンバ24b内の減圧を開始することもできる。この場合、ウエハ10の裏面1bを吸着する吸着順序を、確実に複数の吸引孔25a、複数の吸引孔25bの順とすることができる。本実施の形態のように、ウエハ10の反り変形を吸引孔25の吸引力により矯正する場合、ウエハ10に矯正時の歪みが生じる場合がある。矯正時のウエハ10の変形量(ステージ20の上面20aに倣うように変形するための変形量)が大きい程、この歪み量は大きくなる。このため、例えば、ウエハ10の周縁部が先に吸着され、その後、吸着された周縁部の反対側の周縁部を吸着させる場合、後で吸着する周縁部の歪み量が大きくなる。したがって、矯正時のウエハ10の歪み量を低減する観点からは、ウエハ10の裏面1bを吸着する吸着順序を、確実に複数の吸引孔25a、複数の吸引孔25bの順とすることが好ましい。つまり、先にチャンバ24a内を減圧し、吸引孔25aによりウエハ10の裏面1bを吸着して反り変形を矯正し、続いてチャンバ24b内の減圧を開始することで、ウエハ10に生じる歪み量を低減することができる。ただし、ウエハ10の反り変形の程度が小さく、矯正時に発生するウエハ10の歪み量が製品の信頼性上無視できる程小さい場合には、チャンバ24a、24b内を同時に減圧することもできる。また、この場合でも、ウエハ10の裏面1bの中心が最も低い位置に配置されるようにステージ20上に配置すれば、複数の吸引孔25aは複数の吸引孔25bよりも先にウエハ10の裏面1bを吸着する。
また、本実施の形態では、複数の吸引孔25a、25bのそれぞれは、ステージ20のウエハ10を搭載する領域の中心を基準として、同心円上に配置されている。言い換えれば、複数の吸引孔25aは、ステージ20上に搭載されるウエハ10の(表面1aまたは裏面1bの)中心を、中心とする第1の円に沿って配置されている。また、複数の吸引孔25bは、ステージ20上に搭載されるウエハ10の(表面1aまたは裏面1bの)中心を、中心とし、第1の円よりも半径の大きい第2の円に沿って配置されている。なお、本実施の形態の第1の円の半径は、第2の円の半径に対して半分以下となっている。このように、ウエハ10の中心を中心とする円に沿って、ウエハ10の中心から複数の吸引孔25aまでの距離、またはウエハ10の中心から複数の吸引孔25bまでの距離をそれぞれ同程度にすることができる。ウエハ10に生じる反り変形の反り量は、前記したようにウエハ10の周縁部に向かって大きくなっている。このため、ウエハ10の中心から複数の吸引孔25aまでの距離を同程度にすれば、吸引孔25aからウエハ10の裏面1bまでの距離を、一定値以下に収めることができる。このため、複数の吸引孔25aの一部でウエハ10が吸着されない不具合を防止ないしは抑制することができる。同様に、ウエハ10の中心から複数の吸引孔25bまでの距離を同程度にすれば、吸引孔25bからウエハ10の裏面1bまでの距離を、一定値以下に収めることができる。このため、複数の吸引孔25bの一部でウエハ10が吸着されない不具合を防止ないしは抑制することができる。このように、複数の吸引孔25a、25bのそれぞれは、複数の吸引孔25をステージ20のウエハ10を搭載する領域の中心を基準として、同心円上に配置することで、複数の吸引孔25の一部でウエハ10が吸着されない不具合を防止ないしは抑制することができる。この結果、ウエハ10をステージ20上にしっかりと吸着固定することができる。また、ウエハ10に生じた反り変形を確実に矯正し、ウエハ10の裏面1bを、ステージ20の上面20aに倣った平坦面とすることができる。
なお、本実施の形態では、ステージ20上にウエハ10を配置した後で、チャンバ24a、24b内を減圧する実施態様について説明したが、チャンバ24a、24b内を減圧するタイミングはこれに限定されず、例えば、図18に示すように、ウエハ10をステージ20上に配置する前、あるいは、ウエハ10をステージ20上に配置する時と同時にチャンバ24a内の減圧を開始することもできる。ただし、ウエハ10をステージ20上に載置する際に、ウエハ10の裏面1bの一部が吸引孔25bに先に吸着固定されてしまうことを防止する観点から、チャンバ24b内の減圧を開始するのは、ウエハ10の裏面1bが複数の吸引孔25aに吸着された後とすることが好ましい。
次に、ウエハ10が固定された状態で、ウエハ10の表面1aに形成されたアライメントマーク12(図11参照)を認識する(アライメントマーク認識工程)。図22は、図20に示すウエハの表面のアライメントマークを認識する工程を示す断面図である。本工程では、例えば、図22に示すように、照明装置17からウエハ10の表面1aに向かって照明光17aを照射して、ウエハ10からの反射光17bを撮像装置15で結像させてアライメントマーク12(図11参照)の位置および向きを、前記プリアライメント工程よりも高精度で検出する。図22では、例えば、照明装置17として、環状に形成された光源からウエハ10の表面1aに向かって照明光17aを照射するリング照明を用いた例を示している。本工程では、ウエハ10の表面1a側において、複数箇所に形成されたアライメントマーク12(図11参照)の位置および向きを、それぞれ検出する。
ここで、前記したように、ウエハ10に例えば図18に示すような反りが生じた状態で、アライメントマーク認識工程を施す場合、図22に示す撮像装置15の焦点距離がウエハ10の面内(表面1a内)において、一定にならないので、アライメントマークの位置および向きの検出精度が低下する。しかし、本実施の形態によれば、アライメントマーク認識工程の前に、ウエハ10に生じた反りを矯正することができるので、検出精度の低下を防止ないしは抑制することができる。この結果、続くウエハ位置合わせ工程において、ウエハ10が固定されたステージ20の位置合わせ精度を高い精度で行うことができる。
次に、認識したアライメントマーク12(図11参照)の位置データ(ウエハ10における複数のアライメントマークの位置および向きのデータ)に基づいて、例えば、ウエハ10が固定されたステージ20を移動させて、ウエハ10の裏面1bとレーザ光源16(図12参照)との位置合わせを行う(ウエハ位置合わせ工程)。本工程では、例えば図14に示すステージ20が固定されたテーブル(X−Yテーブル)36を水平方向に移動させることで、ステージ20およびステージ20に固定されたウエハ10を所定の位置に移動させることができる。また、前記アライメントマーク認識工程において、アライメントマーク12の位置データを高精度で検出することにより、本工程での位置合わせ精度も向上させることができる。
次に、図23に示すように、ウエハ10の裏面1bに向かって、レーザ光16aを照射して、図21に示すウエハ10の裏面1bの複数のチップ領域10aのそれぞれに形成されたマーク領域5a内に、マーク5(図24参照)を形成する(レーザ照射工程)。図23は、図22に示すウエハの裏面側にレーザ光を照射している状態を示す断面図、図24は、図23に示すウエハの裏面側周辺を拡大して示す拡大断面図である。
図24に示すように、ウエハ10の裏面1b(半導体基板2dの裏面)は、微細(例えば、10nm〜100nm程度)な凹凸面となっている。本工程では、半導体基板2dの裏面の凸部の一部を取り除き、周囲と比較して平坦化することにより、マーク5を形成する。ここで、前記したように、マーク5の視認性を向上させる観点、あるいは、マーク5の深さが深くなりすぎることにより、WPP1(図1参照)の耐久性が低下することを防止する観点から、マーク5の線幅および深さは、所定の寸法に揃えることが好ましい。そして、マーク5の線幅および深さを所定の寸法内で揃えるためには、レーザ光16aの焦点距離を揃えることが好ましい。
ここで、ウエハ10に例えば図18に示すような反りが生じた状態で、レーザ光16aを照射した場合、レーザ光16aの焦点距離がウエハ10の面内(裏面1b内)において、一定にならないので、マーク5の線幅および深さを所定の寸法内で揃えることが困難となる。つまりレーザ光16aによる加工精度が低下する。しかし、本実施の形態によれば、レーザ照射工程の前に、ウエハ10に生じた反りを矯正することができるので、レーザ光16aによる加工精度の低下を防止ないしは抑制することができる。
また、マーク5の線幅および深さを所定の寸法内で揃える観点からは、マーク5を形成するために必要な加工エネルギーを低く抑え、加工エネルギーのバラツキの幅を低減することが好ましい。以下、マーク5を形成するレーザ光16aの加工エネルギーのバラツキの幅を低減する、本実施の形態の態様についてさらに詳細に説明する。
図23に示すように、本実施の形態では、ウエハ10の裏面1bがステージ20の上面20aと対向配置されているので、レーザ光16aは、ステージ20を介して(透過して)、ウエハ10の裏面1bに照射される。詳しくは、レーザ光16aは、ステージ20のガラス板21、22およびガラス板21、22の間の中空空間(チャンバ24)を透過してウエハ10の裏面1bに照射される。
このため、ステージ20の構成部材のうち、少なくともガラス板21、22は、レーザ光16aに対して透明な材料で構成されている。ここで、レーザ光16aに対して透明な材料とは、レーザ光16aを吸収しない、あるいは加工対象物であるウエハ10の被加工部(詳しくは、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板)と比較して、レーザ光16aの吸収効率が十分に低い材料を指す。本実施の形態では、酸化シリコン(SiO)を主材料として含むガラス材料を用いている。このように、レーザ光16aの吸収効率がウエハ10の被加工部よりも低い材料で、ガラス板21、22を構成することにより、レーザ光16aの一部がガラス板21、22を通過する際に吸収され、裏面1bに到達するレーザ光16aのエネルギー、すなわち、図24に示すマーク5を形成する加工エネルギーのバラツキの幅を低減することができる。
また、ガラス板21、22を通過する際のレーザ光16aの反射あるいは屈折を抑制する観点から、ガラス板21の上面20a、下面21b、ガラス板22の上面22a、および下面22bは高い平坦性を有していることが好ましい。本実施の形態では、ガラス板21の上面20a、下面21b、ガラス板22の上面22a、および下面22bの平坦度は、ウエハ10の裏面1bの平坦度以上となっている。これにより、ガラス板21、22を通過する際のレーザ光16aの反射あるいは屈折を抑制することができるので、ウエハ10の裏面1bに到達するレーザ光16aのエネルギー、すなわち、図24に示すマーク5を形成する加工エネルギーのバラツキの幅を低減することができる。
同様に、ステージ20を通過する際のレーザ光16aの反射あるいは屈折を抑制する観点から、レーザ光16aが、仕切り部材23や、吸引孔25を通過しないようにすることが好ましい。このため、本実施の形態では、前記ウエハ配置工程で、図21に示すように、ウエハ10をステージ20に固定した時に、ウエハ10の裏面1bの複数のマーク領域5aが、平面視において、複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置する。これにより、ステージ20を通過する際のレーザ光16aの反射あるいは屈折を抑制することができるので、ウエハ10の裏面1bに到達するレーザ光16aのエネルギー、すなわち、図24に示すマーク5を形成する加工エネルギーのバラツキの幅を低減することができる。
また、本実施の形態では、仕切り部材23は、ガラス材料で構成されている。このため、仮に、レーザ光16aが仕切り部材23を通過した場合であっても、仕切り部材23により、レーザ光16aの一部が吸収されることは抑制できる。しかし、ガラス材料からなる仕切り部材23であっても、レーザ光16aが仕切り部材23を通過すれば、反射、あるいは屈折によりウエハ10の裏面1bに到達するレーザ光16aのエネルギーにバラツキが生じる懸念がある。図21に示すように、ウエハ10の裏面1bの複数のマーク領域5aが、平面視において、仕切り部材23と重ならないように配置すれば、これを防止ないしは抑制することができる。ウエハ10の裏面1bの複数のマーク領域5aが、平面視において、仕切り部材23と重ならないように配置するための具体的態様として、本実施の形態では、図21に示すように、ウエハ10のダイシング領域10cが仕切り部材23上に位置するように、ウエハ10をステージ20上に配置している。複数のマーク領域5aは、前記したようにウエハ10の複数のチップ領域10a内に、それぞれ形成されるため、仕切り部材23とダイシング領域10cとが重なるように配置することで、レーザ照射工程において、レーザ光16aが仕切り部材23を通過することを防止ないしは抑制することができる。
なお、図16に示すように、ステージ20において、チャンバ24bの内側に配置されるチャンバ24aと、ステージ20の外側に配置される配管L1を接続するためには、チャンバ24aから配管L1までを接続する引出配管部24cが必要となる。この引出配管部24cは、例えば、図23に示すガラス板22を貫通し、ガラス板22の下面22bに向かって形成することも考えられる。しかし、この場合、ガラス板22の下面22b側に引き出した後で接続される配管L1(図16参照)が、レーザ光16aの照射経路と重なってしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、図16に示すように、チャンバ24aからチャンバ24bおよび枠体26を貫通してステージ20の側面に向かって引き出される引出配管部24cを形成している。このように引出配管部24cをステージ20の側面に向かって形成する場合、必要な吸引力によっては、図21にしめすように引出配管部24cの幅がダイシング領域10cの幅よりも太くなる場合がある。しかし、この場合であっても、ダイシング領域10cが引出配管部24cと重なるように配置することで、レーザ照射工程において、レーザ光16a(図23参照)が引出配管部24cを通過することを抑制することができる。また、レーザ光16a(図23参照)が引出配管部24cを通過するリスクを低減する観点からは、引出配管部24cの数は少なくすることが好ましく、本実施の形態では、一つの引出配管部24cがチャンバ24aに接続される構造としている。一方、図16に示すチャンバ24bから配管L2までを接続する引出配管部24dには引出配管部24cのような数の制限はなく、必要な吸引力に応じて決定することができる。例えば、図16では、一つの引出配管部24dがチャンバ24bに接続される構造を示しているが、この変形例として、複数の引出配管部24dを形成することもできる。
また、本実施の形態では、図23に示すレーザ光16aとして、緑色の波長域(495nm〜570nm)の波長を有する、所謂、グリーンレーザを用いている。さらに詳しく説明すると、例えば、イットリウム、アルミニウムおよびガーネットの結晶を用いたYAGレーザの波長(例えば1064nm)を、波長変換素子(図示は省略)を通過させることで、1/2波長に変換し、例えば、532nmの波長を有するグリーンレーザとしている。レーザ光16aの波長を緑色の波長域とすることで、赤外レーザ(例えば、波長変換前のYAGレーザ)を用いる場合と比較して、被照射対象物であるウエハ10(詳しくは、例えばシリコンからなる半導体基板)のレーザ光吸収効率が上昇する。一方、ガラス材料からなるガラス板21、22のレーザ光吸収効率は半導体基板のレーザ光吸収効率よりは上昇しない。このため、図24に示すマーク5を形成するために必要なレーザ光16aの加工エネルギーを低く抑えることができる。本実施の形態では、図23に示すレーザ光源16の条件を、例えば、出力を2.5W、周波数を30kHz、パルス幅を18μsとしている。また、マーク5の形状を図3に示すような所定形状とするためには、ウエハ10の裏面1bにおいて、レーザ光16aをマーク5の形状に沿った軌道でスキャン(走査)する必要があるが、このスキャンスピードは、例えば400mm/sとしている。このように、レーザ光16aとして、所謂、グリーンレーザを照射することにより、マーク5(図24参照)を形成するために必要なレーザ光16aの加工エネルギーを抑制することができるので、レーザ光16aのバラツキの幅を低減することができる。
以上に説明した各工程により、図21に示す複数のマーク領域5aには、例えば図3に示すような所定形状のマーク5がそれぞれ形成される。マーク5が形成されたウエハ10は、図14に示すハンドラ35によりステージ20上からウエハラック配置部31に搬送される(図5に示すアンロード工程)。そして、ウエハラック配置部31に配置されたウエハラック32に収納されて次工程(本実施の形態では、ボールマウント工程)に搬送される。
5.ボールマウント工程
次に、ボールマウント工程では、図25に示すように、ランド部3cに半田ボール4を搭載する。図25は、裏面にマークが形成されたウエハの表面側に形成されたランド部に半田ボールを搭載した状態を示す拡大断面図である。
本工程では、まず、ウエハ10の表面1aにおいて、絶縁膜3fから露出する複数のランド部3cそれぞれの上に略球形に形成された半田ボール4を配置する。半田ボール4の直径は、特に限定されないが、本実施の形態では、例えば約100μmとなっている。なお、半田ボール4とランド部3cを確実に接合するため、半田ボール4は、例えば、フラックスと呼ばれる活性剤を介してランド部3c上に配置する。フラックスは、例えば、半田ボール4の表面に形成された酸化膜と接触することで、これを取り除くことができるので、半田ボール4の濡れ性を向上させることができる活性剤である。続いて、半田ボール4を配置したウエハ10に熱処理(リフロー)を施し、複数の半田ボール4を溶融させて複数のランド部3cとそれぞれ接合する。リフロー工程では、ウエハ10をリフロー炉に配置して、半田ボール4の融点よりも高い温度、例えば、260℃以上まで加熱する。本実施の形態のようにフラックスを用いて半田ボール4とランド部3c接合した場合には、熱処理後にフラックス成分の残渣を取り除くための洗浄を行う。
なお、本工程は、前記したマーク形成工程の前に行うことができる。マーク形成工程の前にボールマウント工程を行う場合には、前記したウエハ配置工程において、図18に示すハンドラ35により、複数の半田ボール4(図25参照)が搭載されたウエハ10の表面1aを吸着保持することとなる。しかし、図25に示すように半田ボール4を搭載しても、ウエハ10の表面1aから突出する半田ボール4の高さは、数十μm〜数百μm程度である(本実施の形態では、例えば、約100μm)。このため、半田ボール4が形成されていた場合であっても、表面1a側を吸着保持することは可能である。また、ウエハ10に生じた反り変形は、ウエハ10の裏面1b側から作用する吸引力により、矯正するので、ウエハ10の表面1a側に複数の半田ボール4が搭載されていても、これらを損傷させることなく矯正することができる。
また、本工程は、前記した裏面研削工程の前に行うこともできる。ただし、裏面研削工程において、半田ボール4が損傷すること、あるいは半田ボール4の接合部が剥離すること、を防止する観点から、裏面研削工程の後で行うことが好ましい。
6.個片化工程
次に、個片化工程では、図26に示すダイシング領域10cに沿ってウエハ10を分割し、チップ領域10a毎に個片化して、WPP1を、複数取得する。図26は、図25に示すウエハをダイシング領域に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。本実施の形態では、例えば、本実施の形態では、ダイシングブレードなどの切削治具(回転刃)18をダイシング領域10cに沿って走らせてウエハ10を切削し、複数のWPP1に個片化する。この時、個片化されたWPP1が周囲に飛散することを防止するため、ダイシングテープなどの粘着テープ19をウエハ10の裏面1bに貼り付けた状態で切削する。
図1〜図3に示すWPP1が完成する。その後、WPP1の外観検査や電気的試験など必要な検査を行う(検査工程)。その後、WPP1を出荷するための包装工程などに搬送される。
(実施の形態2)
次に、前記実施の形態1で説明したWPP1を製造する、別の実施態様について説明する。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明し、共通する部分は、説明を省略する。また、図面についても前記実施の形態1との相違点を説明するために必要な図面を示し、必要に応じ、前記実施の形態1で説明した図面を引用して説明する。本実施の形態2の半導体装置の製造方法は、マーク形成工程において、ウエハの表面側をステージの上面と対向させて配置する点を除き、前記実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法と同様である。図27は、図12の変形例である本実施の形態の半導体ウエハの裏面にマークを形成する工程の概要を模式的に示す説明図である。また、図28は図15の変形例であって、図14に示すウエハラック配置部に配置するウエハラックに複数のウエハが搭載された状態を示す断面図である。また、図29、図30、図31は、それぞれ図18、図19、図20の変形例を示す断面図である。また、図32は、図21の変形例を示す平面図である。また、図33、図34は、それぞれ図22、図23の変形例を示す断面図である。
図27に示すように、本実施の形態では、マーク形成工程は、ウエハ10の表面1aがステージ20の上面20aと対向するように配置した状態で行う。このため、前記実施の形態で説明したアライメントマーク認識工程では、ステージ20よりも下方に配置した撮像装置15により行う。また、前記実施の形態1で説明したレーザ照射工程は、ステージ20よりも上方に配置したレーザ光源16により行う。以下、図28〜図34を用いて、前記実施の形態との相違点を詳細に説明する。
まず、図28に示すように、本実施の形態のマーク形成工程において、図14に示すウエハラック配置部31するウエハラック32には、複数のウエハ10のそれぞれが、表面1aを下方に向けた状態で積層されている。つまり、前記実施の形態1とは、上下を反転させた状態で積層されている。本実施の形態では、少なくともレーザ照射工程が完了するまでの各工程において、ウエハ10の表面1aが下方に向いた状態で搬送される。このため、本実施の形態2で説明したプリアライメント工程では、ウエハ10の表面1aが下方に向いた状態で、図14に示すプリアライナ33に搬送され、ステージ(プリアラインステージ)33a上に配置される。そして、プリアライナ33のステージ33a上に配置された位置検出部33bにより、ウエハ10の方向識別部10d(図6参照)の位置が検出される。
また、本実施の形態のウエハ配置工程では、図29に示すように、ハンドラ35の保持部35aにより、ウエハ10の裏面1b側を保持して、ステージ20の上面20aとウエハ10の表面1aが対向するように、ウエハ10をステージ20上に配置する。ここで、ウエハ10に生じる反り変形の変形方向は前記実施の形態1と同様である。すなわち、図13に示すように、ウエハ10の表面1aを上方に向けて配置した時に、表面1aの中心を通る一つの中心線(仮想線)13に沿った各断面のそれぞれが、端部側よりも中央部側の方が低い位置に配置される凹形状を成すように、ウエハ10が反り変形する。このため、ウエハ10をステージ20上に配置すると、図29に示すように、ウエハ10の周縁部側がステージ20の上面20aと当接し、当接した領域の内側では、ウエハ10の表面1aとステージ20の上面20aの間に隙間が生じる。この時、ウエハ10の表面1aのアライメントマーク12(図11参照)が、平面視において、複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置する。詳しくは、図32に示すように、ウエハ10をステージ20に固定した時に、ウエハ10の表面1aの複数のアライメントマーク12が、平面視において、複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置する。これにより、図33に示す本実施の形態のアライメントマーク認識工程において、照明装置17からウエハ10の表面1aに向かって照射される照明光17a、または、ウエハ10からの反射光17bが、吸引孔25や仕切り部材23を通過して、アライメントマークの検出精度が低下することを防止ないしは抑制することができる。
前記実施の形態1と同様に、本実施の形態2でも、プリアライメント工程を行うので、ウエハ10をステージ20上に搬送し、ステージ20上に配置する時には、マーク形成装置30(図14参照)の制御部30a(図14参照)において、ウエハ10における複数のアライメントマーク12(図32参照)の位置データを方向識別部10dの位置データから、算出することができる。そして、算出されたマーク領域5aの位置データに基づいて、ハンドラ35を介してウエハ10を移動させることにより、ウエハ10の表面1aの所定の位置に形成された複数のアライメントマーク12(図32参照)が複数の吸引孔25および仕切り部材23と重ならないように配置することができる。
ところで、本実施の形態2では、ウエハ10の表面1aがステージ20の上面20aと対向するようにウエハ10を配置するので、ウエハ固定工程が前記実施の形態1とは以下の点で異なる。すなわち、本実施の形態では、図29に示すように、ステージ20上に配置されたウエハ10の表面1a側を吸引して、ウエハ10の固定、および反り変形の矯正を行う。ここで、吸引孔25からの吸引を行う前には、周縁部側に配置される吸引孔25bからウエハ10の表面1aまでの距離の方が、吸引孔25aの内側に配置される吸引孔25aからウエハ10の表面1aまでの距離よりも短い。このため、チャンバ24a、24bの減圧を開始すると、図30に示すように、まず、複数の吸引孔25bがウエハ10の表面1aを吸着する。そして、ウエハ10の表面1aが複数の吸引孔25bに吸着されると、吸引孔25bの吸引力により、ウエハ10の反り変形がステージ20の上面20aに倣って矯正される。この矯正により、ウエハ10の周縁部の内側(中央部)において、表面1aと吸引孔25aの距離が近づくこととなる。そして、表面1aと吸引孔25aの距離が近づいた状態で、チャンバ24a内を減圧すると、図31に示すようにウエハ10の表面1aが、複数の吸引孔25aに吸着固定される。この時、吸引孔25aの吸引力により、ウエハ10の中央部においても反り変形がステージ20の上面20aに倣って矯正される。つまり、本工程により、ウエハ10の反り変形を矯正し、表面1aを平坦化することができる。また、これにより、ウエハ10の表面1a全体をしっかりと吸着固定することができる。
ところで、本実施の形態2では、ウエハ10の周縁部側がステージ20の上面20aと当接するので、前記実施の形態1よりもウエハ10が安定し易い。このため、前記実施の形態1のように、チャンバ24a、24bを減圧するタイミングをずらさなくても、ウエハ10の表面1aを吸着する吸着順序を、確実に複数の吸引孔25b、複数の吸引孔25aの順とすることができる。したがって、例えば、ウエハ配置工程の前、ウエハ配置工程と同時、あるいはウエハ配置工程の後で、チャンバ24a、24bの減圧を同時に開始することもできる。ただし、ウエハ10の反り変形が図30に示すようにある程度矯正されるまでは、チャンバ24aの減圧を行っても吸引孔25aはウエハ10を吸着しないので、減圧に要するエネルギーを低減する観点からは、チャンバ24b、チャンバ24aの順で減圧を開始することが好ましい。
また、前記実施の形態1では、ウエハ10の裏面1bの中央部側から周縁部側に向かってウエハ10の反り変形が矯正されるため、吸引孔25aが先に吸着されれば、矯正時に生じるウエハ10の歪み量を低減することができる。しかし、本実施の形態2では、ウエハ10の周縁部側が、先に吸引孔25bにより吸着固定されるため、矯正時に生じるウエハ10の歪み量が前記実施の形態1よりも大きくなる。そこで、矯正時の歪み量を低減する観点から、本実施の形態2では、複数の吸引孔25aによりウエハ10の表面1aが吸着された後、チャンバ24b内の減圧状態を開放することが好ましい。言い換えれば、複数の吸引孔25aによりウエハ10の表面1aが吸着された後、チャンバ24b内を加圧(チャンバ24b外の大気圧と同程度まで戻す)することが好ましい。これにより、ウエハ10の周縁部は、固定状態から開放されるため、矯正時に生じた歪み量を低減することができる。その後、再びチャンバ24b内を減圧すれば、歪み量の増加を抑制し、かつ、複数の吸引孔25bによりウエハ10を吸着固定することができる。
次に、図33に示すように、ウエハ10が固定された状態で、ウエハ10の表面1aに形成されたアライメントマーク12(図32参照)を認識する(アライメントマーク認識工程)。本実施の形態2では、例えば、図32に示すように、ステージ20の下方に配置した照明装置17からウエハ10の表面1aに向かって照明光17aを照射して、ウエハ10からの反射光17bを撮像装置15で結像させてアライメントマーク12(図32参照)の位置および向きを、前記プリアライメント工程よりも高精度で検出する。このため、照明光17aおよび反射光17bは、少なくともステージ20を構成するガラス板21、22を通過することとなる。したがって、ステージ20の構成部材のうち、少なくともガラス板21、22は、照明光17aおよび反射光17bに対して透明な材料で構成されている。ここで、照明光17aおよび反射光17bに対して透明な材料とは、照射対象物であるウエハ10の被照射部(詳しくは、ウエハ10の表面1aに形成されたアライメントマーク)と比較して、照明光17aおよび反射光17bの吸収率が十分に低い材料を指す。また、照明光17aおよび反射光17bに対する屈折率がアライメントマーク12よりも低い材料を用いることが好ましい。本実施の形態2では、前記実施の形態1と同様に、酸化シリコン(SiO)を主材料として含むガラス材料を用いている。このように、照明光17aおよび反射光17bに対する吸収効率および屈折率が、ウエハ10の被照射部よりも低い材料で、ガラス板21、22を構成することにより、照明光17aおよび反射光17bの一部がガラス板21、22を通過する際に吸収され、あるいは屈折して、アライメントマーク12(図32参照)の検出精度が低下することを抑制することができる。
次に、図34に示すように、ウエハ10の裏面1bに向かって、レーザ光16aを照射して、図11に示すウエハ10の裏面1bの複数のチップ領域10aのそれぞれに形成されたマーク領域5a内に、マーク5(図4参照)を形成する(レーザ照射工程)。本工程では、例えば図34に示すように、ステージ20の上方に配置したレーザ光源16からレーザ光16aを照射する。このため、本実施の形態では、レーザ光16aは、ステージ20を介さずに、ウエハ10の裏面1bに照射される。
なお、本実施の形態2の半導体装置の製造方法は、上記した相違点を除き、前記実施の形態1で説明した半導体装置およびその製造方法と同様である。したがって、重複する説明は省略するが、上記相違点を除き、前記実施の形態1で説明した発明を適用することができる。ただし、前記実施の形態1では、変形例として、ボールマウント工程をマーク形成工程の前に行うことができる旨を説明した。しかし、本実施の形態2では、ウエハ10の表面1aをステージ20の上面と対向させて固定するので、半田ボール4(図25参照)の損傷や剥離を防止する観点から、ボールマウント工程は、マーク形成工程の後で行うことが好ましい。また、レーザ照射工程は、ウエハ10の表面1aが下方に向いた状態で終了するので、レーザ照射工程の後、かつ、ボールマウント工程の前にウエハ10の表面1aと裏面1bを反転させる工程を行うことが好ましい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態1および前記実施の形態2では、ウエハ10の表面1aまたは裏面1bを吸引する開口部として、円柱形状を成す吸引孔25を形成する例について説明した。しかし、前記実施の形態1で説明したように、開口部の開口面積を小さくすれば、吸引力を向上させることができる。したがって、図16に示す複数の吸引孔25を例えば、図35に示すように、開口面の平面形状が円弧形状、または矩形を成す複数のスリット28と置き換えることもできる。図35は、図16に示す複数の吸引孔の変形例を示す平面図である。ただし、平面視において、ウエハ10のマーク領域5a(図10参照)または、アライメントマーク12(図11参照)が、吸引用の開口部と重ならないようにする観点からは、同じ開口面積であれば、開口面の平面形状が円形を成していることが好ましい。吸引用の開口部の開口形状を長細くすると、マーク領域5aまたは、アライメントマーク12と重なり易いからである。また、ガラス板21に吸引用の開口部を形成する際の加工性(加工精度や加工時のガラス板21の損傷の防止)の観点からは円柱形状を成す吸引孔25を複数形成することが特に好ましい。
また、例えば、前記実施の形態1および前記実施の形態2では、半導体基板上に再配線層を形成するWPP型の半導体装置に適用した実施態様について説明したが、他の半導体装置に適用することもできる。例えば、図2に示す再配線層3を形成しない半導体チップ2の裏面2bに、図3に示すようなマーク5を形成する半導体装置に適用することができる。この場合、前記実施の形態1および前記実施の形態2で説明したランド部3cを図2に示すパッド(電極端子)2cと置き換えて適用することができる。
本発明は、半導体ウエハの裏面に、レーザを照射してマークを形成する半導体装置に利用可能である。
1 WPP(半導体装置)
1a 表面
1b 裏面
2 半導体チップ
2a 表面
2b 裏面
2c パッド
2d 半導体基板
2e 主面
2f 配線層
2g 表面配線
2k 絶縁層
3 再配線層
3a 上面
3b 下面
3c ランド部
3d 配線
3e、3f 絶縁膜
3g ボンディング部
3h 延在部
4 半田ボール
5 マーク
5a マーク領域
5b 非マーク領域
6 照射光
7 視点
8a、8b 反射光
10 ウエハ(半導体ウエハ)
10a チップ領域
10b 裏面
10c ダイシング領域
10d 方向識別部
11 研削部材
12 アライメントマーク(アライメントパターン)
13 中心線
14 保護テープ
15 撮像装置
16 レーザ光源
16a レーザ光
17 照明装置
17a 照明光
17b 反射光
18 切削治具(回転刃)
19 粘着テープ(ダイシングテープ)
20 ステージ(レーザマーキングステージ)
20a 上面
21 ガラス板(上板)
21b 下面
22 ガラス板(下板)
22a 上面
22b 下面
23 仕切り部材
24、24a、24b チャンバ(空間、中空空間)
24c、24d 引出配管部
25、25a、25b 吸引孔(開口部)
26 枠体
27、27a、27b 吸引経路
28 スリット
30 マーク形成装置
30a 制御部
31 ウエハラック配置部(ローダ部、アンローダ部)
32 ウエハラック(ウエハカセット)
33 プリアライナ
33a ステージ(プリアラインステージ)
33b 位置検出部
34 マーク形成部
35 ハンドラ(搬送治具)
35a 保持部
36 テーブル(X−Yテーブル)
L1、L2 配管
P1、P2 ポンプ(真空ポンプ)
V1、V2 バルブ

Claims (20)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
    (a)第1上面、および前記第1上面とは反対側の第1下面を有する第1部材と、
    前記第1下面と対向する第2上面、および前記第2上面とは反対側の第2下面を有する第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に位置する第1空間と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に位置し、かつ、前記第1空間の周囲に配置される第2空間と、
    前記第1空間と前記第2空間との間に設けられた仕切り部材と、
    平面視において前記第1空間と重なる領域の前記第1上面および前記第1下面のうちの一方の面から他方の面に向って形成され、かつ、前記第1空間に接続される複数の第1開口部と、
    平面視において前記第2空間と重なる領域の前記第1上面及び前記第1下面のうちの一方の面から他方の面に向って形成され、かつ、前記第2空間に接続される複数の第2開口部と、を備えたステージを準備する工程;
    (b)表面、前記表面に形成された複数の電極端子、前記表面とは反対側の裏面を有するチップ領域が複数形成された半導体ウエハを準備する工程;
    (c)前記(a)工程および前記(b)工程の後、前記半導体ウエハの前記裏面が前記ステージの前記第1上面と対向するように、前記半導体ウエハを前記ステージの前記第1上面に配置する工程;
    (d)前記複数の第1および第2開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハを前記ステージの前記第1上面に固定する工程;
    (e)前記(d)工程の後、前記半導体ウエハの前記表面側に形成されたアライメントマークを認識する工程;
    (f)前記(e)工程の後、前記半導体ウエハの前記複数のチップ領域のそれぞれにおける前記裏面に設けられた第1領域に、前記第1および第2部材を介して、レーザを照射し、マークを形成する工程;
    ここで、
    前記(c)工程では、前記(d)工程で前記半導体ウエハを前記ステージに固定した時に、前記半導体ウエハの前記第1領域が、平面視において、前記複数の第1、第2開口部および前記仕切り部材と重ならないように、前記半導体ウエハを前記ステージに配置する。
  2. 請求項1において、
    前記第1空間は、第1吸引経路に接続され、前記第2空間は、前記第1吸引経路とは異なる第2吸引経路に接続されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2において、
    前記半導体ウエハは、前記複数のチップ領域の間にダイシング領域を有し、
    前記(c)工程では、前記(d)工程で前記半導体ウエハを前記ステージに固定した時に、前記ダイシング領域が前記仕切り部材上に位置するように、前記半導体ウエハを前記ステージの前記第1上面に配置することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記(c)工程には、
    (c1)前記半導体ウエハに形成された方向識別部を認識し、前記半導体ウエハを搬送する搬送治具と前記半導体ウエハの位置合わせを行う工程、
    (c2)前記(c1)工程の後、前記半導体ウエハを前記搬送治具により前記ステージの前記第1上面に搬送する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記複数の第1開口部および前記複数の第2開口部は、前記ステージの半導体ウエハ搭載領域の中心を基準として、同心円上に配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1において、
    前記(b)工程には、
    (b1)前記半導体ウエハの前記表面に前記複数の電極端子を形成する工程、
    (b2)前記(b1)工程の後、前記半導体ウエハの前記表面を覆う絶縁膜を形成する工程、
    (b3)前記(b2)工程の後、前記半導体ウエハの前記裏面を研磨する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6において、
    前記半導体ウエハの前記表面を覆う前記絶縁膜の線膨張係数は、前記半導体ウエハの前記裏面を有する半導体基板の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1において、
    前記(d)工程には、
    (d1)前記複数の第1開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハの裏面を前記複数の第1開口部に吸着する工程、
    (d2)前記(d1)工程の後、前記複数の第2開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハの裏面を前記複数の第2開口部に吸着する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1において、
    前記複数の第1開口部は、前記ステージ上に搭載される前記半導体ウエハの中心を、中心とする、第1の円に沿って配置され、
    前記複数の第2開口部は、前記半導体ウエハの前記中心を、中心とし、前記第1の円よりも半径の大きい第2の円に沿って配置され、
    前記第1の円の半径は、前記第2の円の半径に対して半分以下となっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1において、
    前記(f)工程で、前記半導体ウエハに照射する前記レーザは、495nm〜570nm)の波長を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
    (a)第1上面、および前記第1上面とは反対側の第1下面を有する第1部材と、
    前記第1下面と対向する第2上面、および前記第2上面とは反対側の第2下面を有する第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に位置する第1空間と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に位置し、かつ、前記第1空間の周囲に配置される第2空間と、
    前記第1空間と前記第2空間との間に設けられた仕切り部材と、
    平面視において前記第1空間と重なる領域の前記第1上面および前記第1下面のうちの一方の面から他方の面に向って形成され、かつ、前記第1空間に接続される複数の第1開口部と、
    平面視において前記第2空間と重なる領域の前記第1上面及び前記第1下面のうちの一方の面から他方の面に向って形成され、かつ、前記第2空間に接続される複数の第2開口部と、を備えたステージを準備する工程;
    (b)表面、前記表面に形成された複数の電極端子、前記表面とは反対側の裏面を有するチップ領域が複数形成された半導体ウエハを準備する工程;
    (c)前記(a)工程および前記(b)工程の後、前記半導体ウエハの前記表面が前記ステージの前記第1上面と対向するように、前記半導体ウエハを前記ステージの前記第1上面に配置する工程;
    (d)前記複数の第1および第2開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハを前記ステージの前記第1上面に固定する工程;
    (e)前記(d)工程の後、前記半導体ウエハの前記表面側に形成された複数のアライメントマークに、前記第1および第2部材を介して、照明光を照射し、前記複数のアライメントマークを認識する工程;
    (f)前記(e)工程の後、前記半導体ウエハの前記複数のチップ領域のそれぞれにおける前記裏面に設けられた第1領域に、レーザを照射し、マークを形成する工程;
    ここで、
    前記(c)工程では、前記(d)工程で前記半導体ウエハを前記ステージに固定した時に、前記半導体ウエハの前記複数のアライメントマークが、平面視において、前記複数の第1、第2開口部および前記仕切り部材と重ならないように、前記半導体ウエハを前記ステージに配置する。
  12. 請求項11において、
    前記第1空間は、第1吸引経路に接続され、前記第2空間は、前記第1吸引経路とは異なる第2吸引経路に接続されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項12において、
    前記複数のアライメントマークは、前記複数のチップ領域内に形成され、
    前記半導体ウエハは、前記複数のチップ領域の間にダイシング領域を有し、
    前記(c)工程では、前記(d)工程で前記半導体ウエハを前記ステージに固定した時に、前記ダイシング領域が前記仕切り部材上に位置するように、前記半導体ウエハを前記ステージの前記第1上面に配置することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項13において、
    前記(c)工程には、
    (c1)前記半導体ウエハに形成された方向識別部を認識し、前記半導体ウエハを搬送する搬送治具と前記半導体ウエハの位置合わせを行う工程、
    (c2)前記(c1)工程の後、前記半導体ウエハを前記搬送治具により前記ステージの前記第1上面に搬送する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項14において、
    前記複数の第1開口部および前記複数の第2開口部は、前記ステージの半導体ウエハ搭載領域の中心を基準として、同心円上に配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項11において、
    前記(b)工程には、
    (b1)前記半導体ウエハの前記表面に前記複数の電極端子を形成する工程、
    (b2)前記(b1)工程の後、前記半導体ウエハの前記表面を覆う絶縁膜を形成する工程、
    (b3)前記(b2)工程の後、前記半導体ウエハの前記裏面を研磨する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 請求項16において、
    前記半導体ウエハの前記表面を覆う前記絶縁膜の線膨張係数は、前記半導体ウエハの前記裏面を有する半導体基板の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項11において、
    前記(d)工程には、
    (d1)前記複数の第2開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハの裏面を前記第2開口部に吸着する工程、
    (d2)前記(d1)工程の後、前記複数の第1開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハの裏面を前記複数の第1開口部に吸着する工程、
    (d3)前記(d2)工程の後、前記第2空間内を加圧する工程、
    (d4)前記(d3)工程の後、前記複数の第2開口部を介して前記半導体ウエハを吸引し、前記半導体ウエハの裏面を前記複数の第2開口部に再度吸着する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 請求項11において、
    前記複数の第1開口部は、前記ステージ上に搭載される前記半導体ウエハの中心を、中心とする、第1の円に沿って配置され、
    前記複数の第2開口部は、前記半導体ウエハの前記中心を、中心とし、前記第1の円よりも半径の大きい第2の円に沿って配置され、
    前記第1の円の半径は、前記第2の円の半径に対して半分以下となっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 請求項11において、
    前記(f)工程で、前記半導体ウエハに照射する前記レーザは、495nm〜570nm)の波長を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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